JP2001013583A - カラー表示装置 - Google Patents

カラー表示装置

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JP2001013583A
JP2001013583A JP11188460A JP18846099A JP2001013583A JP 2001013583 A JP2001013583 A JP 2001013583A JP 11188460 A JP11188460 A JP 11188460A JP 18846099 A JP18846099 A JP 18846099A JP 2001013583 A JP2001013583 A JP 2001013583A
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Japan
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light
diffraction grating
incident
liquid crystal
microlens array
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JP11188460A
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Inventor
Tomoji Maeda
智司 前田
Junji Tomita
順二 富田
Takakazu Aritake
敬和 有竹
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価な放電発光型ランプを用いても、光利用
効率が高く高輝度で、かつ、色ムラ等のない良好な表示
品質を得られるカラー表示装置、さらに、小型化に適し
たカラー表示装置を実現することを目的とする。 【解決手段】 収束光を生成する光源部と、光源部から
収束光が入射し、入射した光を波長に応じて分光する回
折格子と、回折素子からの回折光が入射し、所定の波長
成分の光毎に複数の所定の領域に集光するレンズ素子が
複数配置されたマイクロレンズアレイと、マイクロレン
ズアレイで所定の領域に集光された光を変調するライト
バルブとを備え、回折格子の格子を直線状とする、ある
いは、回折格子の法線をライトバルブに入射する光束の
光軸に対して傾斜して配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラー表示装置に
関し、特に画像を大画面のスクリーン上に結像させて表
示を行う、プロジェクション装置(投写型表示装置, プ
ロジェクタ)に好適なカラー表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、テレビ放送用やプレゼンテーショ
ン用あるいは劇場用等、多数の観視者を対象とするもの
やゲーム機用等、大画面のスクリーンにカラー画像を表
示する装置として液晶ライトバルブを用いたプロジェク
ション装置が用いられてきている。
【0003】従来、液晶ライトバルブを用いて白色光
(自然光)や複数の波長成分を有する光からカラー表示
を得る装置として、カラーフィルタと液晶ライトバルブ
を用いる方式が知られている。
【0004】図18は従来技術を示す図(1)であり、
従来のカラーフィルタと液晶ライトバルブを用いたカラ
ー表示装置を原理的に示す図である。
【0005】この従来のカラー表示装置111は、カラ
ーフィルタ64と液晶ライトバルブ66を備えている。
カラーフィルタ64は、液晶ライトバルブ66の各画素
66aに対応するように、赤フィルタR、緑フィルタG
および青フィルタBが配置されている。液晶ライトバル
ブ66には、各画素66a間に遮光部66bが設けられ
る。これはカラーフィルタ66あるいは液晶ライトバル
ブ64に形成されるブラックマトリクスなどによって形
成され、光が液晶ライトバルブの配線に照射しないよう
に作用する部分である。光が液晶ライトバルブの配線に
照射されると、電気的ノイズが発生し表示品質が低下す
る。図示されない光源からの略平行光である入射光62
はカラーフィルタ64に入射し、各フィルタR, G, B
で所定の色光だけ分離され液晶ライトバルブ66に入射
する。液晶ライトバルブ66の各画素66aに入射した
各色光は、各画素66aにおいて変調されて透過強度が
制御される。このようにして階調表示を有するカラー表
示が得られる。
【0006】しかしながら、この従来のカラーフィルタ
と液晶ライトバルブを用いるカラー表示装置おいては、
以下のような問題がある。一般的に、カラーフィルタの
各フィルタは、樹脂中に特定の波長の光を吸収する染料
や顔料などを分散させて形成されているため、各フィル
タに光源からの白色光が入射してもフィルタを出射(透
過)するのは三原色のうち一つの色光のみであり、よっ
て、カラーフィルタを透過する光量(光強度)は原理的
に3分の1となる。さらに、液晶ライトバルブには上述
のブラックマトリクスなどの遮光部が設けられているた
めに、開口率は低いものとなっている。したがって、例
えば開口率が50%であるとすると、液晶ライトバルブ
を透過する光は光源からの白色光の6分の1程度となっ
てしまい、光利用率が低くなってしまい表示が暗くなっ
てしまうという問題がある。
【0007】この光利用率の問題を解決する手段とし
て、上述の吸収型のカラーフィルタに代えてホログラム
を用いる技術が提案されており、例えば、特開平6−3
08332号公報や特許第2777989号公報に開示
されている。
【0008】図19は従来技術を示す図(2)であり、
(a)は上述の特開平6−308332号公報に開示さ
れる技術の概略を示す図、(b)は上述の特許第277
7989号公報に開示される技術の概略を示す図であ
る。
【0009】図19(a)に示されるカラー表示装置1
12は、集光機能を備えるホログラム72と、液晶ライ
トバルブ66を備えている。ホログラム72には図示さ
れない光源より略平行な白色光70が入射し、ホログラ
ム72は所定の波長成分を有する赤色光70R、緑色光
70G、および、青色光70Bの三原色に分光するとと
もに、液晶ライトバルブ66の遮光部66bで画定され
た画素66a(R, G, B)のうち対応する所定の部分
に集光させる。液晶ライトバルブ66の各画素66a
(R, G, B)に入射した各色光は、各画素66aにお
いて変調されて透過強度が制御される。このようにして
階調表示を有するカラー表示が得られる。尚、この従来
技術では、0次回折光については考慮されていない。
【0010】図19(b)に示されるカラー表示装置1
13は、マイクロレンズアレイ74と、回折格子72
と、液晶ライトバルブ66とを備えている。マイクロレ
ンズアレイ74には図示されない光源より平行白色光7
0が入射し、個々のレンズ素子において入射する平行白
色光70を集光して回折格子72に入射させる。回折格
子72では、集光された白色光を波長に応じて異なる角
度で回折することにより、1次回折光70R, 70G,
70Bを液晶ライトバルブ66に所定の周期で設けられ
た画素R, G, Bに入射させる。液晶ライトバルブ66
の各画素R, G,Bに入射した各回折光(色光)は、各
画素R, G, Bにおいて変調されて透過強度が制御され
る。このようにして階調表示を有するカラー表示が得ら
れる。尚、この従来技術では、0次回折光70′は利用
していない。そのため、液晶ライトバルブ66には0次
回折光70′を遮光するために、各画素R, G, B間の
遮光部66b以外に遮光部66cが設けられている。
【0011】このように、図19に示す従来のカラー表
示装置112, 113では、図18に示す従来技術のカ
ラー表示装置111と比較し、吸収型のカラーフィルタ
を使用しないため、さらに、集光機能を備えるホログラ
ムあるいはマイクロレンズアレイと回折格子の組合せを
用いているので、光の利用効率が高いという長所があ
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図19
に示す従来のカラー表示装置においても、以下に示すよ
うな問題点が依然として存在する。
【0013】近年、特にプロジェクション装置(プロジ
ェクタ)においては、小型でかつ高輝度な装置が要求さ
れている。まず、装置の小型化などの理由から、ライト
バルブ(例えば、液晶パネル)の小型化が図られてきて
おり、高開口率で小型な液晶パネルが開発されてきてい
る。また、光源としては安価で多く市場に流通している
メタルハライドランプや高圧水銀ランプなどの放電型ラ
ンプが主流となっており、高輝度化などの理由から、発
光量の大きなものを選択できる状況にある。
【0014】図20および図21は、従来技術の問題点
を示す図である。
【0015】図20(a)に示すように、光源となる、
例えば、メタルハライドランプ80は、一般的に発光部
76と発光部76からの光を所定の方向に向けるリフレ
クタ78からなる。発光量の大きなメタルハライドラン
プ80は、必然的に発光部76およびリフレクタ78を
含む全体の大きさが大きくなり、装置の小型化とはトレ
ードオフの関係にあるが、所望の輝度(発光量)を得る
にはある程度の大きさのランプが必要となる。これに対
し、上述のように液晶パネルは小型化が進んでいる。
【0016】従来の装置では、リフレクタ78としては
放物面リフレクタなどを用いて平行光84を生成し、そ
の平行光84を液晶パネル82に照射していた。この
時、平行光84の照射領域は直径がL′の円形の領域と
なる。
【0017】しかし、図20(b)に示すように、直径
がL′である平行光84の照射領域に対して液晶パネル
82の大きさ(詳細に言えば、表示領域)が小さく、図
中、照射領域内の格子模様で示す部分は液晶パネル82
に入射せず、画像表示に利用されない光となる。したが
って、光源光の光利用効率が低くなるという問題があっ
た。
【0018】さらに、図21(a)に示すように、メタ
ルハライドランプ80には発光部76が存在し、リフレ
クタ78から照射される平行光の中心部分に、発光部7
6によって影となる部分が生じる(いわゆる「中抜け」
現象)。
【0019】そのため、図21(b)に示すように、メ
タルハライドランプ80からの平行光を液晶パネル82
に照射すると、液晶パネル82の中心部分が中抜けによ
る影の部分となってしまい、表示むらとなり表示品質を
劣化させる原因となる問題があった。
【0020】中抜け現象を全く生じない光源としてレー
ザ光源等があるが、レーザ光源は高価であり、さらに、
装置が大型化してしまうという問題がある。
【0021】したがって、本発明では、安価な放電発光
型ランプを用いても、光利用効率が高く高輝度で、か
つ、色むらや照度むら等の表示むらの無い良好な表示品
質を得られるカラー表示装置、さらに、小型化に適した
カラー表示装置を実現することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明によ
るカラー表示装置では、収束光を生成する光源部と、光
源部から収束光が入射し、入射した光を波長に応じて分
光する回折格子と、回折素子からの回折光が入射し、所
定の波長成分の光毎に複数の所定の領域に集光するレン
ズ素子が複数配置されたマイクロレンズアレイと、マイ
クロレンズアレイで所定の領域に集光された光を変調す
るライトバルブとを備え、回折格子の格子が直線状であ
るように構成し、上記問題を解決する。
【0023】第1の発明においては、収束光を用いてい
るので光源部からの光の多くを利用でき、高輝度なカラ
ー表示を得ることができる。また、収束光を用いている
ので中抜けとなる領域も小さくでき、表示面の中心部分
の照度むらの無い良好なカラー表示を得ることができ
る。さらに、回折格子の格子を直線状としてマイクロレ
ンズアレイより光源部側に配置しているので、回折効率
に起因する色むらおよび照度むらの無い良好なカラー表
示を得ることができる。
【0024】また、本発明の第2の発明によるカラー表
示装置では、収束光を生成する光源部と、光源部から収
束光が入射し、入射した光を波長に応じて分光する回折
格子と、回折素子からの回折光が入射し、所定の波長成
分の光毎に複数の所定の領域に集光するレンズ素子が複
数配置されたマイクロレンズアレイと、マイクロレンズ
アレイで所定の領域に集光された光を変調するライトバ
ルブとを備え、回折格子の法線がライトバルブに入射す
る光束の光軸に対して傾斜して配置されるように構成
し、上記問題を解決する。
【0025】第2の発明においては、収束光を用いてい
るので光源部からの光の多くを利用でき、高輝度なカラ
ー表示を得ることができる。また、収束光を用いている
ので中抜けとなる領域も小さくでき、表示面の中心部分
の照度むらの無い良好なカラー表示を得ることができ
る。さらに、回折格子の法線がライトバルブに入射する
光束の光軸に対して傾斜して配置しているので、0次回
折光がライトバルブに入射されずに色むらの無い良好な
カラー表示を得ることができる。
【0026】また、上記本発明の第1または第2のカラ
ー表示装置においては、光源部とマイクロレンズアレイ
との間に光路を屈曲させる偏向素子を配置するように構
成しても良い。
【0027】このように構成することにより、光源部で
の光軸とライトバルブに入射する光束の光軸との相対的
な位置関係の自由度が増し、位置関係を最適化して光学
系をコンパクトにすることが可能となり、他の部材と装
置本体に収容する際にも装置全体を小型化することがで
きる。
【0028】また、上記本発明の第1および第2のカラ
ー表示装置においては、回折格子とマイクロレンズアレ
イとの間に、回折光を面内で所望の角度に変換する角度
変換素子を配置して構成しても良い。
【0029】このように構成することにより、マイクロ
レンズアレイに入射する回折光の角度を所望の角度にで
きるため、より色むらの無い良好なカラー表示を得るこ
とができる。
【0030】また、上記本発明の第1または第2のカラ
ー表示装置においては、回折格子とライトバルブとの間
に偏光子が配置され、回折格子と偏光子との間に位相調
整素子を配置して構成しても良い。
【0031】このように構成することにより、回折光の
偏光方向を偏光子の透過軸方向に合わせることができ、
より高輝度なカラー表示を得ることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。全図面を通し、同様な構成や機能
を有するものには同一の参照符号を付し、その繰り返し
の説明は省略する。
【0033】図1は本発明の第1の実施の形態を示す図
である。尚、以下の本発明におけるカラー表示装置の実
施の形態の説明においては、プロジェクタ(プロジェク
ション装置)の光学系を例として説明する。
【0034】図1を参照して、第1の実施の形態である
プロジェクタ100は、発光部10を有するメタルハラ
イドランプと収束光生成素子としての楕円リフレクタ1
2からなり、第1の光軸16を有する収束光18を生成
する光源部14と、収束光18を回折する回折格子20
と、回折格子20からの回折光の角度を所定の角度に変
換する角度変換素子としての凹レンズ22と、所定の色
波長成分を有する回折光を所定の領域に集光するマイク
ロレンズアレイ24と、マイクロレンズアレイ24によ
り各画素に集光された光を変調して画像光を形成するラ
イトバルブとしての液晶パネルを含む液晶ライトバルブ
26と、凹レンズ22、マイクロレンズアレイ24およ
び液晶ライトバルブ26と第2の光軸30を共通とする
投写レンズ28で構成される。投写レンズ28は液晶ラ
イトバルブ26からの画像光を投写し、図示しないスク
リーン上に結像して拡大表示を行う。楕円リフレクタ1
2の第2の焦点は凹レンズ22より投写レンズ28側に
ある。液晶ライトバルブ26は液晶パネルからなり、液
晶パネルの入射側と出射側には一対の偏光板が配置され
ている。ここでは、液晶パネルと一対の偏光板の組を液
晶ライトバルブ26として図示している。液晶パネルと
してはTN(Twisted Nematic)モード
の液晶パネルを用い、偏光板はその透過軸を液晶パネル
の水平方向に対して45度傾斜させ、一対の偏光板の透
過軸を直交させたクロスニコルの状態で配置している。
【0035】図2および図3は本発明の作用を示す図で
ある。
【0036】図2(a)を参照し、光源部14からの出
射光は出射直後の部分で直径Lの円形の照射領域を有し
ている。しかし、収束光生成素子となる楕円リフレクタ
12により収束光とされているために、ライトバルブ3
4(例えば、図1の液晶ライトバルブ26であり、より
詳細には液晶パネルの表示領域)に到達した点では、矩
形の被照射物34の対角長lを直径とする円形の領域3
6が照射領域となるように集光されている。よって、図
2(b)に示すように、利用されない光となる照射領域
36内の格子模様の部分を最小限とすることができる。
この格子模様の部分は、光源部14の照射領域が円形で
あるのに対して被照射物34が矩形であるために生じて
しまう部分である。このように、本願発明においては、
光源部14からの出射光を最大限に利用することが可能
となり、表示の高輝度化を達成できる。
【0037】さらに、収束光としているために、メタル
ハライドランプの発光部10の影の領域32aも収束さ
れるに従って小さくなり、被照射物34の近傍では領域
32bで示すように小さくなり、さらに、メタルハライ
ドランプの発光部10は理想的な点光源ではなく有限な
大きさを持つものであるため、被照射物34の近傍の領
域32bでは光の回り込みも生じ、中抜けも殆ど無視で
きるように(影響がないように)なる。
【0038】尚、実際の装置では、被照射物34の手前
で照射領域36が十分な大きさとなるように収束させて
おき、被照射物へは平行光に変換して入射させると良
い。
【0039】この場合、平行光にしてから回折格子へ入
射させるようにしても良いが、十分に収束させるために
はある程度の光路長が必要であり、収束させた後に各光
学素子を配置するようにすると光路長の長い光学系とな
り、装置を大型化してしまう。したがって、本発明のよ
うに収束光の途中に回折格子を配置する構成は、光学系
全体を小型化するという効果もある。
【0040】次に、図3(a)を参照し、収束光18は
複数の波長の光からなる白色光である。ここでは、説明
の便宜上、収束光18を第1の光軸上の光18bと収束
光の光束の外側の光18aおよび18cの3本の光線で
表す。収束光18はホログラム20に対して斜めに入射
する。つまり、第1の光軸上の光線18(b)は回折格
子20の法線に対して角度θ1(例えば、20度)で入
射する。光線18aおよび18cは光線18bに対して
角度を有するので、それぞれ回折格子20に入射する角
度も異なる。光線18bは回折格子20の法線に対し、
光線18bよりも小さな角度で入射する。反対に、光線
18cは光線18bよりも大きな角度で入射する。白色
収束光18は回折格子20により、0次回折光38と1
次回折光40に分離される。ここで、回折格子20は、
凹レンズ22、マイクロレンズアレイ24および液晶ラ
イトバルブ26に対して斜めに、すなわち、回折格子2
0の法線と、液晶ライトバルブ26および投写レンズ2
8(図1参照)の中心を通り凹レンズ22、マイクロレ
ンズアレイ24と共通な第2の光軸30が交差するよう
に配置されているので、光路を屈曲されない0次回折光
38は、液晶ライトバルブ26には入射しない。よっ
て、表示に寄与しないため色むらが発生しない。さら
に、図19(b)の従来装置に示すような、0次回折光
を遮光するための遮光部を液晶ライトバルブ26に設け
る必要が無く、よって、液晶ライトバルブ26として、
画素が周期的に並んだ通常の液晶パネルを用いることが
できる。白色光線18bは回折格子20で回折され、回
折格子20の法線に対して角度θ2(例えば20度)で
出射する。回折格子20を出射した1次回折光40は、
任意の波長の光線に関して収束光である。収束光である
1次回折光40は凹レンズ22で任意の波長の光線に関
して平行化され、光線18a〜18cにそれぞれ対応す
る平行光18a′〜18c′となる。光線18b′は第
2の光軸30上にある。尚、角度θ1およびθ2は、液
晶ライトバルブ26の画素ピッチ、マイクロレンズアレ
イ24と液晶ライトバルブ26との間隔、光源部からの
出射光のスペクトル等によって決められるものである。
【0041】図3(b)を参照し、1次回折光に関して
詳しく見ると、回折格子20は、白色収束光18に含ま
れる何れの波長の光も回折するとともに、波長に応じて
異なる角度で回折する。所定の波長成分を有する光とし
て、赤色光、緑色光および青色光に関して見る。ここ
で、説明の便宜上、赤色光、緑色光および青色光のそれ
ぞれの所定の波長成分を有する光については、それぞれ
の中心的な波長の光の光路を図示し説明する。図3
(b)に示されるように、白色光線18cは、赤色波長
成分の回折光18cR(赤色光:点線)、緑色波長成分
の回折光18cG(緑色光:実線)、および、青色波長
成分の回折光18cB(青色光:一点鎖線)に分光され
る。他の白色光線18aおよび18bも同様である。回
折格子20には収束光18が斜めに入射しているため
に、回折格子20に入射する位置により回折角度が異な
る。そして、白色光線18a, 18b, 18cそれぞれ
の回折光は、同じ波長の光毎に見ると収束光となる。つ
まり、同じ波長の光に関して見た場合、ある平面に入射
する角度は面内で異なっている。このような収束した回
折光18cR, 18cG, 18cBが凹レンズ22に入
射する。角度変換素子である凹レンズ22は面内で角度
を変換する度合いが異なるため、凹レンズ22を出射す
る際に回折光18cR′, 18cG′, 18cB′とし
て、同じ波長の光に関して平行光として出射させる。
尚、図においては、緑色光が第2の光軸30上を通る光
として図示している。凹レンズ22を出射した回折光
は、同じ波長の光については平行光であるが、異なる波
長の光とは所定の角度を有している。したがって、赤色
光18cR′、緑色光18cG′および青色光18c
B′のそれぞれの所定の波長成分を有する光は、マイク
ロレンズアレイ24の個々のマイクロレンズ素子に異な
る角度で入射する。
【0042】図4は回折格子を示す図であり、図1およ
び図3の回折格子20を説明するものである。図4
(a)を参照して、回折格子201は、例えばレジスト
などの感光材料201aに対して、2光束を用いるホロ
グラフィック露光を行うことにより形成される。山部2
01bと谷部201cで格子縞が形成され、山部201
bの高さは例えば1μmであり、高さは面内で一様に形
成されている。図4(b)は他の回折格子を示し、回折
格子202は、ステッパでマスクを形成し、このマスク
を用いレジストなどの感光材料202aに密着露光する
ことで形成される。量産時には、露光で作成した回折格
子を原版として複製して形成する。凸部202bと凹部
202cの単純な構造であるため量産性が高い。上述し
た回折格子201および202の形成方法は、従来から
用いられている公知の方法である。
【0043】図4(c)および(d)は、回折格子の格
子縞および格子ピッチを示している。図4(c)に示す
ものは、図4(a)の回折格子201であり、格子縞は
直線状でかつ等間隔(P=P′)である。図1(および
図3)に示す第1の実施の形態であるプロジェクタ10
0では、回折格子20として、図4(a)および(c)
の回折格子201に示されるような格子が等間隔で直線
状であるものを用いている。また、配置の仕方は、山部
201bが形成された格子面を光の出射側とし、山部2
01b(および谷部201c)の長手方向が図1(およ
び図3)の紙面に垂直な方向となるように配置されてい
る。このように配置するため、図1および図3に示すよ
うに、白色収束光18を回折した場合に収束した回折光
(1次回折光40)が得られ、また、回折方向は格子縞
に対して左右方向、つまり、液晶ライトバルブ26に対
して左右方向(図1および図3においては上下方向)と
なる。
【0044】図4(c)の回折格子201では、格子の
ピッチ(間隔)が等間隔であるので、入射光に対する回
折効率はどの部分においてもほぼ一様であり、回折効率
のばらつきに起因する表示むらは発生せず良好なカラー
表示が得られる。また、格子のピッチを等間隔にしてい
るので回折角は面内のどの部分でも一様であり、入射光
が収束光であれば出射光も収束光となる。したがって、
図1および図3のように、出射側に凹レンズ22などの
角度変換素子を配置することで、液晶ライトバルブ26
の各画素に一様な所定の角度で各色光を入射させること
ができ、より色むらの無い良好なカラー表示が得られ
る。
【0045】図4(d)は他の構成の回折格子であり、
回折格子201′は格子のピッチが部分的に異なってい
る(P<P″)。このような回折格子201′では格子
のピッチが部分的に異なるため、回折角が部分的に異な
る。つまり、レンズ作用を持った回折格子となる。した
がって、格子のピッチを適当に変化させて設定すること
により、収束光を入射させた場合に回折光を平行光とし
て出射することが可能である。また、単に格子のピッチ
を部分的に変えると回折効率も部分的に変わるが、面内
の各位置のピッチに合わせて山部の高さや山部と谷部の
割合(いわゆるデューティ)を制御して回折効率を最適
化することで、回折効率のばらつきによる問題を解決で
きる。
【0046】ここで、特にレンズ作用が備わった回折格
子により回折を行うと、回折格子に特有の波長分散によ
り、波長毎に焦点距離が異なるという問題が生じる。レ
ンズ作用を有する回折格子のみで、ライトバルブの各画
素に所定の波長成分の光(つまり各色光)を集光する場
合、波長毎の焦点距離の違いにより全ての波長の光が画
素上で結像しないため、画素を透過する光の強さが波長
毎で(すなわち、各色光毎で)異なってしまう。ところ
が、本発明の構成のように、回折格子とライトバルブの
間にマイクロレンズアレイ、例えば、図5で説明するよ
うな画素群に対応するレンズ素子を複数備えたマイクロ
レンズアレイを配置すると、波長分散の方向が相殺され
るため上述の波長分散に起因する問題を解決できる。
【0047】つまり、本発明のように、回折格子からの
回折光をマイクロレンズアレイで集光しライトバルブに
入射させる構成とすることで、直線状の格子のピッチが
変化している回折格子を用いても、各波長成分の光をそ
れぞれが対応する画素に同じような強度で入射させるこ
とができ、表示むらの無い色バランスに優れたカラー表
示が得られる。
【0048】図5は、マイクロレンズ素子と画素の配置
を示す図であり、図1および図3のマイクロレンズアレ
イ24と液晶ライトバルブ26の配置を示す図である。
図5(a)を参照して、マイクロレンズアレイ241は
正六角形のマイクロレンズ素子241aが稠密構造で配
置されて構成されており、液晶パネルの画素Pxはデル
タ配列となっている。マイクロレンズ素子241の一つ
は一組のRGB画素に対応しており、マイクロレンズ素
子241aの中心とG画素の中心が一致するように配置
されている。マイクロレンズ素子241に入射する各色
波長成分の回折光(赤色光18cR′, 緑色光18c
G′, 青色光18cB′等)を所定の画素に入射させ
る。図3(b)より分かるように、緑色光18cG′は
マイクロレンズ素子241に略垂直に入射し、赤色光1
8cR′および青色光18cB′は垂直方向から紙面上
左右に所定の角度だけ傾いた方向から入射する。そし
て、マイクロレンズ素子241は各色波長成分の回折光
(赤色光18cR′, 緑色光18cG′, 青色光18c
B′等)を所定の画素に集光して入射させる。このよう
に、液晶パネルの画素Pxがデルタ配列の場合には、R
GB画素に対応する正六角形のレンズ素子を稠密構造で
配列させるのが良い。図5(b)は他の配置を示し、マ
イクロレンズアレイ242は長方形のマイクロレンズ素
子242aが稠密構造で配置されて構成されており、液
晶パネルの画素Pxはストライプ配列となっている。マ
イクロレンズ素子241の一つは一組のRGB画素に対
応しており、マイクロレンズ素子242aの中心とG画
素の中心が一致するように配置されている。このよう
に、液晶パネルの画素Pxがストライプ配列の場合に
は、RGB画素に対応する長方形のレンズ素子を稠密構
造で配列させるのが良い。各色波長成分の回折光がRG
B画素に集光して入射される作用は、図5(a)の場合
と同様である。
【0049】図6は本発明の第2の実施の形態を示す図
である。図6を参照して、第2の実施の形態であるプロ
ジェクタ101は、第1の実施の形態であるプロジェク
タ100とは楕円リフレクタ121の第2焦点の位置が
異なる。光源部141は発光部10を有するメタルハラ
イドランプと収束光生成素子としての楕円リフレクタ1
21からなり、第1の光軸16を有する収束光181を
生成する。収束光181は回折格子20と角度変換素子
としての凸レンズ44と間にある、楕円リフレクタ12
1の第2焦点42で結像する。収束光181は焦点42
で結像するため、角度変換素子として凸レンズ44を用
い平行光に変換している。
【0050】この第2の実施の形態のプロジェクタ10
1と第1の実施の形態のプロジェクタ100との相違点
は、収束光の焦点位置とそれによる角度変換素子の違い
である。製造上の問題点として、メタルハライドランプ
の発光部と楕円リフレクタの位置合わせの精度の都合で
所望の位置に合わせられず、液晶ライトバルブ26より
投写レンズ28側で結像させようとしていたものが、液
晶ライトバルブ26より光源部側で結像してしまう場合
が有る。このような場合には、角度変換素子の交換(凹
レンズと凸レンズの交換)のみで対応でき、調整が容易
である。また、楕円リフレクタからの光を角度変換素子
(凸レンズまたは凹レンズ)の近傍で結像させると、ス
クリーン上で画像の中心を明るくすることができる。し
かし、調整段階では焦点の位置が角度変換素子に対して
回折格子側に有るか、投写レンズ側に有るか容易には分
からない。そこで、角度変換素子として凸レンズまたは
凹レンズを挿入することで、スクリーン上の色彩特性
(色むら)から容易に確認できる。さらに、色彩特性の
調整に容易に対応できる。
【0051】図7は本発明の第3の実施の形態を示す図
である。図7を参照して、第3の実施の形態であるプロ
ジェクタ102は、第1の実施の形態であるプロジェク
タ100とは、回折格子20と凹レンズ22との間に位
相調整素子としての1/2波長板46が配置されている
点が異なる。図8には回折格子の偏光特性が示されてい
る。図8に示されるように、回折格子は偏光により回折
効率が異なる。したがって、回折格子の高い1次回折効
率を得る偏光方向と、液晶ライトバルブを構成する入射
側の偏光子の透過軸の方向が合っていないと、表示の輝
度が低くなる。したがって、位相調整素子を挿入するこ
とにより、回折格子から高効率で回折されてきた回折光
の偏光方向を回転させ、偏光子の透過軸に合わせる。こ
のようにすると、高輝度な表示を得ることができる。
【0052】図7のプロジェクタ102では、液晶ライ
トバルブ26の入射側の偏光板の透過軸は、光の入射方
向から見て垂直方向から時計回りに45度回転した位置
となっている。これに対し、回折格子20による回折光
は1/2波長板46の入射面に対して垂直方向の成分の
光が高効率で回折されている。よって、1/2波長板の
進相軸は光の入射方向から見て垂直方向から時計回りに
22.5度回転した位置にある。このように構成するこ
とで、さらに光の利用効率を高めることが可能となり、
高輝度な表示を得ることができる。
【0053】図9は本発明の第4の実施の形態を示す図
である。図9を参照して、第4の実施の形態であるプロ
ジェクタ103は、第1の実施の形態であるプロジェク
タ100とは、光源部14と回折格子20との間に偏向
素子48が配置されている点と、第1の光軸16と第2
の光軸30の位置関係の点で異なる。本実施の形態にお
いては、光軸14と光軸30が略同一直線上に配置され
るように構成されている。偏向素子48は一般的な光学
ガラス(例えばBK7)からなるプリズム素子であり、
第1の面48aと第2の面48bを備える。光源部14
から偏向素子48内部に入射した収束光は、第1の面4
8aに光軸16が第1の面48aの法線に対して角度θ
3(例えば、45度)で入射し、全反射して第2の面4
8bに向かう。第1の面48aで全反射した収束光は、
第2の面48bに光軸が第2の面48bの法線に対して
角度θ4(例えば、22度)で入射し、反射して再び第
1の面48aに向かう。第2の面48bで反射した収束
光は、第1の面48aに光軸が略垂直となるように入射
して偏向素子48より出射し、回折格子20に所定の角
度で入射する。
【0054】このような構成とすることで、光源部14
の光軸16と、凹レンズ22、マイクロレンズアレイ2
4および液晶ライトバルブ26の中心を通り、これら光
学素子と投写レンズ28に共通な光軸30を、同一直線
上に配設することができ、光源部14から投写レンズ2
8(あるいは液晶ライトバルブ26)までの光学系をコ
ンパクトにすることができる。これは、後述するよう
に、制御回路系を含めて筐体に収容して装置を構成する
ことを考慮した場合、制御回路の自由度やその配置の自
由度を増すこととなり、よって、装置全体を小型化する
ことができる。
【0055】偏向素子48の形状は種々考えられるが、
光源部14の光軸(光源部14の出射光の光軸)を屈曲
し、回折格子20に所定の角度で入射させる機能を備え
ていれば良い。本実施の形態の偏向素子48において
は、第1の面48aで全反射(内部全反射)し、かつ、
戻ってきた光が透過するように、第1の面48aおよび
第2の面48bの位置関係を設定すれば良い。
【0056】図10は本発明の第5の実施の形態を示す
図である。図10を参照して、第5の実施の形態である
プロジェクタ104は、図9の第4の実施の形態である
プロジェクタ103とは、回折格子20と凹レンズ22
の間に位相調整素子となる1/2波長板が配置されてい
る点が異なる。図7の第3の実施の形態でも説明したよ
うに、回折格子20を出射した回折光の主偏光方向と液
晶ライトバルブ26の偏光板の透過軸方向が一致するよ
うに1/2波長板を配置することで、表示の明るさを増
すことが可能となる。したがって、本実施の形態のプロ
ジェクタ104は第4の実施の形態のプロジェクタ10
3より高輝度な装置となる。
【0057】図11は本発明の第6の実施の形態を示す
図である。図11を参照して、第6の実施の形態である
プロジェクタ105は、図9の第4の実施の形態である
プロジェクタ103とは、光源部142が異なる。本実
施の形態の光源部142は、発光部10を有するメタル
ハライドランプと、収束光生成素子としての放物面リフ
レクタ122および凸レンズ50からなる。発光部10
からの光は、放物面リフレクタ122で略平行光とな
り、その平行光を凸レンズ50に入射させることで収束
光を生成する。また、放物面リフレクタを用い、放物面
リフレクタに対する発光部の位置を調整することでも収
束光が得られる。本発明では、収束光を回折格子に入射
するようにしており、収束光を生成する手段としては種
々のものを採用することができる。しかし、凸レンズを
用いて収束光を生成する場合や放物面リフレクタのみで
収束光を生成する場合には、球面収差が生じ表示の色特
性に影響が出る場合が有る。したがって、色特性、収束
性能、光の取り込み率等の点を考慮すると、楕円リフレ
クタの方が好ましい。
【0058】図12は本発明の第7の実施の形態を示す
図である。図12を参照して、第7の実施の形態である
プロジェクタ106は、図9の第4の実施の形態である
プロジェクタ103とは、光源部14での第1の光軸1
6と投写レンズ28を通る第2の光軸30の位置関係が
異なる。本実施の形態においては、偏向素子48と回折
格子20との距離を、図9の第4の実施の形態と比較し
て、光路方向で近づけている。よって、第1の光軸16
と第2の光軸30とは、平行な位置関係にある。
【0059】このように構成することで、光源部14か
ら投写レンズ30までの光学系をより小さくすることが
できる。
【0060】図13は本発明の第8の実施の形態を示す
図である。図13を参照して、第8の実施の形態である
プロジェクタ107は、図12の第7の実施の形態であ
るプロジェクタ106とは、第1の光軸16に対する第
2の光軸30の位置関係が異なる。本実施の形態におい
ては、第1の光軸16と第2の光軸30が相対的に傾斜
するように、各光学素子が配置されている。
【0061】偏向素子48は光路を屈曲させる作用を有
するため、光源部14のリフレクタの幅よりも大きくな
り、その幅は、図中、点線a−b間で示すものとなる。
図12に示す第7の実施の形態では、第2の光軸30は
点線cで示す位置にあり、第1の光軸16と平行になっ
ている。しかし、点線a−b間に各光学素子が配置され
ていれば実質的な光学系の大型化はないため、第1の光
軸16と第2の光軸30とは必ずしも平行である必要は
ない。例えば、第2の光軸30を傾斜させる角度θ6は
10度程度の範囲で任意に設定できる。つまり、装置を
設計する際の要求に応じて、各光学素子の配置を変える
ことで第2の光軸30、すなわち投写光の出射方向を設
定できる。
【0062】図14は本発明の第9の実施の形態を示す
図である。図14を参照して、第9の実施の形態である
プロジェクタ108は、図12の第7の実施の形態であ
るプロジェクタ106とは、光源部143および角度変
換素子となるフレネル凹レンズ54が異なる。本実施の
形態の光源部143は、発光部10を有するメタルハラ
イドランプと、収束光生成素子としての放物面リフレク
タ122およびフレネル凸レンズ52からなる。発光部
10からの光は、放物面リフレクタ122で略平行光と
なり、その平行光をフレネル凸レンズ52に入射させる
ことで収束光を生成する。また、回折光20を出射した
収束した回折光が角度変換素子であるフレネル凹レンズ
54に入射し、フレネル凹レンズ54により略平行な回
折光にされる。
【0063】図15にフレネル凸レンズおよびフレネル
凹レンズを示す。図15(a)は図11に示されるよう
な通常の凸レンズ50とフレネル凸レンズ52を示す。
図から分かるように、フレネル凸レンズ52は面内で同
心円状の微小領域に分割され、その微小領域に階段状に
凸レンズ形状52aが形成されている。したがって、通
常の凸レンズ50と比較して厚さを大幅に薄くすること
ができる。厚さは、一般的には3〜5mm程度である。
したがって、フレネル凸レンズ52を用いることにより
装置の小型化を図ることができる。また、略平板と見做
すことができるため、他の光学素子と重ね合わせて配置
することが可能であり、さらに小型化を図ることが可能
であるとともに、他の光学素子との位置合わせなども容
易となり、光学素子の位置ずれ等に起因する表示の劣化
を防止し、表示品質を良好にすることができる。
【0064】図15(b)は他の実施の形態に示される
ような通常の凹レンズ22とフレネル凹レンズ54を示
す。図15(a)のフレネル凸レンズと同様に、フレネ
ル凹レンズ54は面内で同心円状の微小領域に分割さ
れ、その微小領域に階段状に凹レンズ形状54aが形成
されている。したがって、厚さを通常の凹レンズ22と
比較して大幅に薄くすることができる。厚さは、フレネ
ル凸レンズと同様に、一般的には3〜5mm程度であ
る。したがって、フレネル凸レンズ54を用いることに
より装置の小型化を図ることができる。また、略平板と
見做すことができるため、他の光学素子と重ね合わせて
配置することが可能であり、さらに小型化を図ることが
可能であるとともに、他の光学素子との位置合わせなど
も容易となり、光学素子の位置ずれ等に起因する表示の
劣化を防止し、表示品質を良好にすることができる。
【0065】図16は本発明の第10の実施の形態を示
す図である。図16を参照して、第10の実施の形態で
あるプロジェクタ109は、図14の第9の実施の形態
であるプロジェクタ108において、回折格子20とフ
レネル凹レンズ54との間に位相調整素子となる1/2
波長板を配置した構成となっている。
【0066】図17は本発明を適用したプロジェクショ
ン装置を示す図であり、図示しないスクリーンに表示画
像を投写する前面投写型のプロジェクション装置を示し
ている。
【0067】図17(a)を参照し、プロジェクション
装置110Aは、筐体56中に、光学系として上述の第
3の実施の形態のプロジェクタ102の光学系と、第1
の制御回路系58aと、第2の制御回路系58bとを収
容している。また、図17(b)を参照し、プロジェク
ション装置110Bは、筐体56中に、光学系として上
述の第4の実施の形態のプロジェクタ103の光学系
と、制御回路系60を収容している。
【0068】プロジェクション装置110Aでは、光源
部の光軸と投写レンズを通る光軸が交差する構成の光学
系102を用いているので、光源部の電源や液晶ライト
バルブを制御するための回路系、それらを駆動するため
の電源等を含む制御回路系を収容する空間として小さな
2つの領域を設け、第1および第2の制御回路系58
a, 58bに分割して収容している。この場合、収容空
間が小さく分割されているので、収容する回路等の部材
も小型化されたものを用いる必要があり、高価な部材を
使用しなければならない場合も考えられる。また、小型
の部材が無い場合には筐体56を大きくする必要が生じ
る場合も考えられる。
【0069】これに対し、プロジェクション装置110
Bでは、光源部の光軸と投写レンズを通る光軸が平行に
配置される構成の光学系103を用いているので、光学
系103がコンパクトになり、制御回路系を収容する空
間として大きな1つの領域を確保できる。したがって、
収容する制御回路系の大きさや形状の自由度が広がる。
そのため、必要な部材を十分に収容することが可能であ
り、また、特に小型化されたものを用いる必要が無く、
低価格の部材を用いることもできる。
【0070】したがって、装置の小型化、さらには低価
格化等のためには、プロジェクション装置110Bのよ
うな構造の方が適している。
【0071】以上、本発明の実施の形態を図面とともに
説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるこ
となく、種々の変形が可能である。
【0072】本発明におけるライトバルブとしては、実
施の形態に示した液晶ライトバルブ以外にも、透過型の
光変調素子を用いることができる。
【0073】また、実施の形態で示した液晶ライトバル
ブは、TNモードの液晶パネルを一対の偏光板で挟持し
たものであるが、液晶パネルはTNモード以外にもVA
(Vertically aligned)モード、相
転移モード、高分子分散モード等、種々のタイプの透過
型液晶パネルを用いることができる。
【0074】さらに、偏光板は液晶パネルを挟持して一
体化される必要はなく、独立した部材でも良く、特に入
射側の偏光板に関しては、回折格子と液晶パネルの間で
あれば、凹レンズ(凸レンズ)やマイクロレンズアレイ
等の光学素子の前後に配置しても良い。
【0075】また、上述の実施の形態では、プロジェク
ション装置として前面投写型のプロジェクション装置を
説明したが、本発明はスクリーンを一体とした背面投写
型のプロジェクション装置にも適用できる。また、本発
明は直視型のカラー表示装置にも適用できる。
【0076】尚、本発明においては、以下のような構成
を特徴とすることもできる。
【0077】(1)収束光の焦点を角度変換素子の後方
(光が進行する方向)に配置する。
【0078】(2)収束光の焦点を角度変換素子の前方
(光源部寄り)に配置する。
【0079】(3)光源部を放電型ランプと楕円リフレ
クタで構成する。
【0080】(4)光源部を放電型ランプと放物面リフ
レクタと凸レンズで構成する。この場合、凸レンズをフ
レネル凸レンズで構成しても良い。
【0081】(5)偏向素子を用いる構成において、光
源部の光軸とライトバルブに入射する光束の光軸を平行
に配置して構成する。
【0082】(6)偏向素子を用いる構成において、光
源部の光軸とライトバルブに入射する光束の光軸を略同
一線上に配置して構成する。
【0083】(7)上記の(1)の構成で、角度変換素
子を凹レンズで構成する。この場合、凹レンズをフレネ
ル凹レンズで構成しても良い。
【0084】(8)上記の(2)の構成で、角度変換素
子を凸レンズで構成する。この場合、凸レンズをフレネ
ル凸レンズで構成しても良い。
【0085】(9)位相調整素子を1/2波長板で構成
する。
【0086】(10)ライトバルブの表示画像を拡大投
写する投写レンズをさらに備え、投写型のカラー表示装
置を構成する。
【0087】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明の第1の
発明においては、収束光を用いるとともに格子が直線状
である回折格子をマイクロレンズアレイより光源部側に
配置しているので、光源部からの光の多くを利用して高
輝度なカラー表示を得ることができるとともに、中抜け
となる領域を小さくして表示面の中心部分の照度むらが
無く、かつ、回折効率に起因する色むらおよび照度むら
が無い良好なカラー表示を得ることができる。さらに、
収束光を用いているので小型のライトバルブを使用して
も高輝度化が図れ、同時に小型化を実現できる。
【0088】また、本発明の第2の発明においては、収
束光を用いるとともに回折格子の法線がライトバルブに
入射する光束の光軸に対して傾斜して配置されているの
で、光源部からの光の多くを利用して高輝度なカラー表
示を得ることができるとともに、中抜けとなる領域を小
さくして表示面の中心部分の照度むらが無く、かつ、0
次回折光による色むらの無い良好なカラー表示を得るこ
とができる。さらに、収束光を用いているので小型のラ
イトバルブを使用しても高輝度化が図れ、同時に小型化
を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す図である。
【図2】本発明の作用を示す図(1)である。
【図3】本発明の作用を示す図(2)である。
【図4】回折格子を示す図である。
【図5】マイクロレンズ素子と画素の配置を示す図であ
る。
【図6】本発明の第2の実施の形態を示す図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態を示す図である。
【図8】回折格子の偏光特性を示す図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態を示す図である。
【図10】本発明の第5の実施の形態を示す図である。
【図11】本発明の第6の実施の形態を示す図である。
【図12】本発明の第7の実施の形態を示す図である。
【図13】本発明の第8の実施の形態を示す図である。
【図14】本発明の第9の実施の形態を示す図である。
【図15】フレネル凸レンズおよびフレネル凹レンズを
示す図である。
【図16】本発明の第10の実施の形態を示す図であ
る。
【図17】本発明を適用したプロジェクション装置を示
す図である。
【図18】従来技術を示す図(1)である。
【図19】従来技術を示す図(2)である。
【図20】従来技術の問題点を示す図(1)である。
【図21】従来技術の問題点を示す図(2)である。
【符号の説明】
10 発光部 12, 121 楕円リフレクタ 122 放物面リフレクタ 14, 141, 142, 143 光源部 16 第1の光軸 18, 181 収束光 20 回折格子 22 凹レンズ 24 マイクロレンズアレイ 241a, 242a マイクロレンズ素子 26 液晶ライトバルブ 28 投写レンズ 30 第2の光軸 38 0次回折光 40 1次回折光 42 焦点 44 凸レンズ 46 1/2波長板 48 偏向素子 50 凸レンズ 52 フレネル凸レンズ 54 フレネル凹レンズ 56 筐体 58a, 58b, 60 制御回路系 62, 70 平行光(白色光) 64 カラーフィルタ 66 液晶ライトバルブ 68 画像光 72 ホログラム(回折格子) 74 マイクロレンズアレイ Px 画素
フロントページの続き (72)発明者 有竹 敬和 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 2H087 KA06 LA24 RA41 RA46 RA47 TA01 TA03 TA06 2H088 EA13 HA10 HA18 HA21 HA25 HA28 JA05 MA06 MA20 2H091 FA14Z FA19Z FA26X FA26Z FA29Z FA41Z HA07 LA11 LA16 MA07 9A001 BB06 HZ31 JZ32 JZ72

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 収束光を生成する光源部と、 前記光源部から収束光が入射し、入射した光を波長に応
    じて分光する回折格子と、 前記回折素子からの回折光が入射し、所定の波長成分の
    光毎に複数の所定の領域に集光するレンズ素子が複数配
    置されたマイクロレンズアレイと、 前記マイクロレンズアレイで前記所定の領域に集光され
    た光を変調するライトバルブとを備え、 前記回折格子の格子が直線状であることを特徴とするカ
    ラー表示装置。
  2. 【請求項2】 収束光を生成する光源部と、 前記光源部から収束光が入射し、入射した光を波長に応
    じて分光する回折格子と、 前記回折素子からの回折光が入射し、所定の波長成分の
    光毎に複数の所定の領域に集光するレンズ素子が複数配
    置されたマイクロレンズアレイと、 前記マイクロレンズアレイで前記所定の領域に集光され
    た光を変調するライトバルブとを備え、 前記回折格子の法線が前記ライトバルブに入射する光束
    の光軸に対して傾斜して配置されていることを特徴とす
    るカラー表示装置。
  3. 【請求項3】 前記光源部と前記マイクロレンズアレイ
    との間に光路を屈曲させる偏向素子が配置されることを
    特徴とする請求項1または2記載のカラー表示装置。
  4. 【請求項4】 前記回折格子と前記マイクロレンズアレ
    イとの間に、前記回折光を面内で所望の角度に変換する
    角度変換素子が配置されることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載のカラー表示装置。
  5. 【請求項5】 前記回折格子と前記ライトバルブとの間
    に偏光子が配置され、前記回折格子と前記偏光子との間
    に位相調整素子が配置されることを特徴とする請求項1
    または2記載のカラー表示装置。
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