JP2001012531A - 複筒型油圧緩衝器 - Google Patents
複筒型油圧緩衝器Info
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- JP2001012531A JP2001012531A JP18154899A JP18154899A JP2001012531A JP 2001012531 A JP2001012531 A JP 2001012531A JP 18154899 A JP18154899 A JP 18154899A JP 18154899 A JP18154899 A JP 18154899A JP 2001012531 A JP2001012531 A JP 2001012531A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 環境温度や連続使用による緩衝器本体内の作
動油の粘度変化に拘らず微低速域から低速域および中高
速域で安定した最適の減衰力を発生可能にする。 【解決手段】 ピストン2またはベースバルブにこれに
より区画された油室A,Bに発生する油圧力を利用して
減衰力発生バルブ6,7にイニシャル撓みを発生させる
可動シート13,14を設ける。
動油の粘度変化に拘らず微低速域から低速域および中高
速域で安定した最適の減衰力を発生可能にする。 【解決手段】 ピストン2またはベースバルブにこれに
より区画された油室A,Bに発生する油圧力を利用して
減衰力発生バルブ6,7にイニシャル撓みを発生させる
可動シート13,14を設ける。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、自動車
に装着されて路面からの衝撃を吸収する油圧緩衝器に係
り、特に、ピストンまたはベースバルブに減衰力発生バ
ルブを配置した複筒型油圧緩衝器に関する。
に装着されて路面からの衝撃を吸収する油圧緩衝器に係
り、特に、ピストンまたはベースバルブに減衰力発生バ
ルブを配置した複筒型油圧緩衝器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の複筒型油圧緩衝器として、例え
ば、実開平7−22145号公報に記載されたものがあ
るが、これは、ベースバルブに、周縁にオリフィスが形
成されて、圧側ポートを開閉する圧側減衰力発生バルブ
と、この圧側減衰力発生バルブをバイパスするバイパス
ポートを通常閉じた状態に保ち、かつ絞りポートが穿設
されたリリーフバルブとを設け、その絞りポートを流れ
る作動油の圧損を利用したリリーフバルブを開かせると
いうものである。
ば、実開平7−22145号公報に記載されたものがあ
るが、これは、ベースバルブに、周縁にオリフィスが形
成されて、圧側ポートを開閉する圧側減衰力発生バルブ
と、この圧側減衰力発生バルブをバイパスするバイパス
ポートを通常閉じた状態に保ち、かつ絞りポートが穿設
されたリリーフバルブとを設け、その絞りポートを流れ
る作動油の圧損を利用したリリーフバルブを開かせると
いうものである。
【0003】従って、この複筒型油圧緩衝器が低速域で
動作しているときは、絞りポートを通過する作動油の圧
損が小さくリリーフバルブを開かせることなく上記圧側
減衰力発生バルブのオリフィスの絞り作用を受けて小さ
な減衰力を発生する。
動作しているときは、絞りポートを通過する作動油の圧
損が小さくリリーフバルブを開かせることなく上記圧側
減衰力発生バルブのオリフィスの絞り作用を受けて小さ
な減衰力を発生する。
【0004】一方、複筒型油圧緩衝器が中速域が動作す
るときは、作動油が圧側減衰力発生バルブ自体を撓ませ
て流出するため、このときの流動抵抗で中速域における
圧側減衰力を発生する。
るときは、作動油が圧側減衰力発生バルブ自体を撓ませ
て流出するため、このときの流動抵抗で中速域における
圧側減衰力を発生する。
【0005】さらに、高速域で動作するときは、上記絞
りポートを流れる作動油の圧損が大きくなるため、リリ
ーフバルブがバイパスポートを開いて圧側減衰力発生バ
ルブをバイパスする流れを作り、高速域での圧側減衰力
の上昇を抑えられるようにして、自動車の乗心地を改善
している。
りポートを流れる作動油の圧損が大きくなるため、リリ
ーフバルブがバイパスポートを開いて圧側減衰力発生バ
ルブをバイパスする流れを作り、高速域での圧側減衰力
の上昇を抑えられるようにして、自動車の乗心地を改善
している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の複筒型油圧緩衝器にあっては、これを使用す
る環境温度や連続使用によって緩衝器本体内の作動油の
温度が変化すると、上記オリフィスを流れる作動油の粘
度が変化し、流動抵抗が変化することによって、低速域
での発生減衰力が変化するほか、高速域での発生減衰力
の抑制作用も変化してしまうという課題があった。
うな従来の複筒型油圧緩衝器にあっては、これを使用す
る環境温度や連続使用によって緩衝器本体内の作動油の
温度が変化すると、上記オリフィスを流れる作動油の粘
度が変化し、流動抵抗が変化することによって、低速域
での発生減衰力が変化するほか、高速域での発生減衰力
の抑制作用も変化してしまうという課題があった。
【0007】また、絞りポートの流動抵抗によりリリー
フバルブを開かせてバスパスポートを開放させるという
構成を採っているため、このバイパスポートが開くと、
バイパスポートに流れが生じ、相対的に絞りポートを流
れる流量が減少して圧損が減少し、バイパスポートが閉
じられるが、一方、バイパスポートが閉じられると絞り
ポートの流れが増加して圧損の増加し、バイパスポート
が再び開くという動作を繰り返すこととなる。
フバルブを開かせてバスパスポートを開放させるという
構成を採っているため、このバイパスポートが開くと、
バイパスポートに流れが生じ、相対的に絞りポートを流
れる流量が減少して圧損が減少し、バイパスポートが閉
じられるが、一方、バイパスポートが閉じられると絞り
ポートの流れが増加して圧損の増加し、バイパスポート
が再び開くという動作を繰り返すこととなる。
【0008】また、図4に示すように、オリフィスが持
つ二乗型のバルブ特性Pとリーフバルブが持つイニシャ
ル撓みを有する2/3乗型のバルブ特性Qと、バイパス
ポートを開くリリーフバルブ特性Gとの合成特性は、バ
ルブ特性(減衰力特性)Rとなり、減衰力に二つの変曲
点(屈曲点)S,Tが生じ、減衰力の伝達が円滑に行え
ないという課題があった。
つ二乗型のバルブ特性Pとリーフバルブが持つイニシャ
ル撓みを有する2/3乗型のバルブ特性Qと、バイパス
ポートを開くリリーフバルブ特性Gとの合成特性は、バ
ルブ特性(減衰力特性)Rとなり、減衰力に二つの変曲
点(屈曲点)S,Tが生じ、減衰力の伝達が円滑に行え
ないという課題があった。
【0009】特に、これまでは微低速域から低速域での
減衰力は油圧緩衝器を構成するピストンとシリンダとの
フリクションを利用して得ているのに対し、作動の滑ら
かさが要求される今日では、上記フリクションが十分に
抑えられて、上記流動抵抗による減衰力の確保が重要に
なってきたが、このためピストンとシリンダとの間を流
れる作動油の流動抵抗が上記温度の変化によって変化
し、これによって上記のような微低速域における減衰力
の確保が不安定になるという新たな課題が生じることに
なった。
減衰力は油圧緩衝器を構成するピストンとシリンダとの
フリクションを利用して得ているのに対し、作動の滑ら
かさが要求される今日では、上記フリクションが十分に
抑えられて、上記流動抵抗による減衰力の確保が重要に
なってきたが、このためピストンとシリンダとの間を流
れる作動油の流動抵抗が上記温度の変化によって変化
し、これによって上記のような微低速域における減衰力
の確保が不安定になるという新たな課題が生じることに
なった。
【0010】この発明は、上記のような課題を解決する
ものであり、環境温度や連続使用による緩衝器内の作動
油の粘度変化に拘らず、減衰力発生バルブの発生減衰力
を高速域では抑制でき、特に、微低速および低速域では
任意の最適レベルに高めるようにでき、また、高速域で
減衰力が従来のように間欠変動して不安定になるのを防
止できる複筒型油圧緩衝器を得ることを目的とする。
ものであり、環境温度や連続使用による緩衝器内の作動
油の粘度変化に拘らず、減衰力発生バルブの発生減衰力
を高速域では抑制でき、特に、微低速および低速域では
任意の最適レベルに高めるようにでき、また、高速域で
減衰力が従来のように間欠変動して不安定になるのを防
止できる複筒型油圧緩衝器を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、請
求項1の発明にかかる複筒型油圧緩衝器は、ピストンま
たはベースバルブに、これにより区画された油室に発生
する油圧力を利用して減衰力発生バルブにイニシャル撓
みを発生させる可動シートを設けたものであり減衰力発
生バルブのイニシャル撓みを利用することで、作動油の
粘度に影響されずに、作動油の圧力のみに依存して、減
衰力発生バルブを安定作動可能とし、特に、微低速域か
ら低速域の減衰力を高めるように機能する。
求項1の発明にかかる複筒型油圧緩衝器は、ピストンま
たはベースバルブに、これにより区画された油室に発生
する油圧力を利用して減衰力発生バルブにイニシャル撓
みを発生させる可動シートを設けたものであり減衰力発
生バルブのイニシャル撓みを利用することで、作動油の
粘度に影響されずに、作動油の圧力のみに依存して、減
衰力発生バルブを安定作動可能とし、特に、微低速域か
ら低速域の減衰力を高めるように機能する。
【0012】また、請求項2の発明にかかる複筒型油圧
緩衝器は、上記油圧力を利用して減衰力発生バルブにイ
ニシャル撓みを発生させる可動シートを、上記ピストン
またはベースバルブ上でその可動シートの撓み量を決め
る弾性支持部材によって支持させるようにしたものであ
る。
緩衝器は、上記油圧力を利用して減衰力発生バルブにイ
ニシャル撓みを発生させる可動シートを、上記ピストン
またはベースバルブ上でその可動シートの撓み量を決め
る弾性支持部材によって支持させるようにしたものであ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施の一形態
を図について説明するが、図1は、この発明の複筒型油
圧緩衝器を破断して示す要部の断面図であり、ここでは
シリンダ1内を摺動するピストン2の周辺を拡大して示
してある。
を図について説明するが、図1は、この発明の複筒型油
圧緩衝器を破断して示す要部の断面図であり、ここでは
シリンダ1内を摺動するピストン2の周辺を拡大して示
してある。
【0014】このピストン2は、シリンダ1の一端に支
持されてシリンダ1内に出入するピストンロッド3端
に、図示のように取り付けられて、上部油室(伸側室)
Aおよび下部油室(圧側室)Bをシリンダ1内に区画し
ている。
持されてシリンダ1内に出入するピストンロッド3端
に、図示のように取り付けられて、上部油室(伸側室)
Aおよび下部油室(圧側室)Bをシリンダ1内に区画し
ている。
【0015】また、ピストンロッド3の下端にはインロ
ー部3aが設けられており、このインロー部3aにはリ
ング状のバルブストッパ4,間座5,減衰力発生バルブ
としての圧側減衰力発生バルブ6,ピストン2,減衰力
発生バルブとしての伸側減衰力発生バルブ7,間座8,
リング状のバルブストッパ9が順次挿通され、これらが
インロー部2a端のねじ部にねじ込まれたピストンナッ
ト10によって、ピストンロッド3端に一体保持されて
いる。
ー部3aが設けられており、このインロー部3aにはリ
ング状のバルブストッパ4,間座5,減衰力発生バルブ
としての圧側減衰力発生バルブ6,ピストン2,減衰力
発生バルブとしての伸側減衰力発生バルブ7,間座8,
リング状のバルブストッパ9が順次挿通され、これらが
インロー部2a端のねじ部にねじ込まれたピストンナッ
ト10によって、ピストンロッド3端に一体保持されて
いる。
【0016】上記ピストン2の上部油室Aおよび下部油
室B側の各端面部にディスク収納用のリング切欠11,
12が設けられている。
室B側の各端面部にディスク収納用のリング切欠11,
12が設けられている。
【0017】これらの各リング切欠11,12には、通
孔13a,14aおよびこれらの径(または幅)より大
きい幅のリング溝13b,14bを持ったディスク形の
可動シート13,14が収容されている。
孔13a,14aおよびこれらの径(または幅)より大
きい幅のリング溝13b,14bを持ったディスク形の
可動シート13,14が収容されている。
【0018】また、これらの可動シート13,14は、
外周部でそれぞれ上方および下方に突出して、上記各圧
側減衰力発生バルブ6の外周側の下面および伸側減衰力
発生バルブ7の外周側の上面を常時支持するシート部1
3c,14cとされている。
外周部でそれぞれ上方および下方に突出して、上記各圧
側減衰力発生バルブ6の外周側の下面および伸側減衰力
発生バルブ7の外周側の上面を常時支持するシート部1
3c,14cとされている。
【0019】一方、各可動シート13,14の内周部で
それぞれ上方および下方に突出する部分は、各圧側減衰
力発生バルブ6および伸側減衰力発生バルブ7に対し接
触しない高さとされ、常時は、これらの圧側減衰力発生
バルブ6および伸側減衰力発生バルブ7との間に一定の
間隙13d,14dを保っている。
それぞれ上方および下方に突出する部分は、各圧側減衰
力発生バルブ6および伸側減衰力発生バルブ7に対し接
触しない高さとされ、常時は、これらの圧側減衰力発生
バルブ6および伸側減衰力発生バルブ7との間に一定の
間隙13d,14dを保っている。
【0020】さらに、ピストン2には、通孔13aおよ
びリング溝13bと通孔14aおよびリング溝14bと
にそれぞれ連通するリング溝15,16が設けられてい
る。
びリング溝13bと通孔14aおよびリング溝14bと
にそれぞれ連通するリング溝15,16が設けられてい
る。
【0021】これらのうち、リング溝15は、ピストン
2を貫通する圧側ポート17を介して下部油室Bに連通
し、リング溝16は、ピストン2を貫通する伸側ポート
18を介して上部油室Aに連通している。
2を貫通する圧側ポート17を介して下部油室Bに連通
し、リング溝16は、ピストン2を貫通する伸側ポート
18を介して上部油室Aに連通している。
【0022】上記各リング切欠11,12には、図中水
平方向に入り込むリング切欠19,20が連設されてい
る。
平方向に入り込むリング切欠19,20が連設されてい
る。
【0023】これらのリング切欠19,20内には、各
可動シート13,14の外周部をリング溝17,18内
方向へ付勢する弾性部材としての皿ばね21,22が装
着されている。
可動シート13,14の外周部をリング溝17,18内
方向へ付勢する弾性部材としての皿ばね21,22が装
着されている。
【0024】なお、この弾性部材としては、皿ばね2
1,22に代えて樹脂性のばね部材を用いることは任意
である。
1,22に代えて樹脂性のばね部材を用いることは任意
である。
【0025】また、周知のごとく、ピストン2の外周に
は、Oリング23およびピストンリング24が図示のよ
うに嵌挿されて、ピストン2とシリンダ1との間に適度
のシール性が得られるようになっている。
は、Oリング23およびピストンリング24が図示のよ
うに嵌挿されて、ピストン2とシリンダ1との間に適度
のシール性が得られるようになっている。
【0026】次に、このような構成になる複筒型油圧緩
衝器の動作を説明する。
衝器の動作を説明する。
【0027】いま、油圧緩衝器がピストンロッド3の圧
行程時にあって、微低速域から低速域で動作する場合に
は、ピストン2が下部油室Bを加圧するため、この下部
油室B内の作動油が、圧側ポート17を通して可動シー
ト13の通孔13aおよびリング溝13bへ流れ込み、
これらの通孔13aおよびリング溝13bに発生する流
動抵抗を受けて可動シート13が押し上げられ、さらに
この可動シート13がリーフバルブ構成の上記圧側減衰
力発生バルブ6を、図2に示すように押し上げるように
作用する。
行程時にあって、微低速域から低速域で動作する場合に
は、ピストン2が下部油室Bを加圧するため、この下部
油室B内の作動油が、圧側ポート17を通して可動シー
ト13の通孔13aおよびリング溝13bへ流れ込み、
これらの通孔13aおよびリング溝13bに発生する流
動抵抗を受けて可動シート13が押し上げられ、さらに
この可動シート13がリーフバルブ構成の上記圧側減衰
力発生バルブ6を、図2に示すように押し上げるように
作用する。
【0028】このように、この圧側減衰力発生バルブ6
には、イニシャル撓みが与えられるが、この圧側減衰力
発生バルブ6は、可動シート13のシート部13cに密
接しており作動油の流量も少ないことから直ちに開くこ
となく減衰力を高めに維持している。
には、イニシャル撓みが与えられるが、この圧側減衰力
発生バルブ6は、可動シート13のシート部13cに密
接しており作動油の流量も少ないことから直ちに開くこ
となく減衰力を高めに維持している。
【0029】この場合において、このイニシャル撓みの
量は、上記皿ばね21の強さまたは位置などを選択した
り調節したりすることで任意に設定でき、このイニシャ
ル撓みが生じている時間内は、従来のオリフィスや絞り
ポートで生じたような作動油の粘性変化に起因する減衰
力の変化を回避できる。
量は、上記皿ばね21の強さまたは位置などを選択した
り調節したりすることで任意に設定でき、このイニシャ
ル撓みが生じている時間内は、従来のオリフィスや絞り
ポートで生じたような作動油の粘性変化に起因する減衰
力の変化を回避できる。
【0030】すなわち、緩衝器本体の温度変化に対して
安定した減衰力が得られ、従って、このような複筒型油
圧緩衝器を用いた自動車にあっては、微低速域から低速
域において2/3乗型のバルブ特性に上記イニシャル変
化特性を加えた特性を以て、安定した走行安定性および
乗心地が得られるようにしていることとなる。
安定した減衰力が得られ、従って、このような複筒型油
圧緩衝器を用いた自動車にあっては、微低速域から低速
域において2/3乗型のバルブ特性に上記イニシャル変
化特性を加えた特性を以て、安定した走行安定性および
乗心地が得られるようにしていることとなる。
【0031】一方、油圧緩衝器がピストンロッド3の圧
行程時にあって、中高速域で作動するときには、皿ばね
21が可動シート13の移動量を制限しており、下部油
室Bから圧側ポート17に流入する作動油の油圧が可動
シート13の通孔13aおよびリング溝13bを介して
圧側減衰力発生バルブ6に直接作用する。
行程時にあって、中高速域で作動するときには、皿ばね
21が可動シート13の移動量を制限しており、下部油
室Bから圧側ポート17に流入する作動油の油圧が可動
シート13の通孔13aおよびリング溝13bを介して
圧側減衰力発生バルブ6に直接作用する。
【0032】すなわち、この場合には可動シート13に
よる圧側減衰力発生バルブ6のイニシャル撓みが制限さ
れて、この圧側減衰力発生バルブ6が所期の2/3乗型
の特性による動作を行い、中高速域での減衰力が抑制さ
れる。
よる圧側減衰力発生バルブ6のイニシャル撓みが制限さ
れて、この圧側減衰力発生バルブ6が所期の2/3乗型
の特性による動作を行い、中高速域での減衰力が抑制さ
れる。
【0033】このようにして、微低速域域から低速域で
は減衰力を確実に高くし、一方、高速域での減衰力を十
分に抑制することで、低速域での走行安定性並びに高速
域での乗心地の改善を図ることができる。
は減衰力を確実に高くし、一方、高速域での減衰力を十
分に抑制することで、低速域での走行安定性並びに高速
域での乗心地の改善を図ることができる。
【0034】そして、この発明では微低速域から低速域
では圧側減衰力発生バルブ6にイニシャル撓みを与える
ような構成とし、減衰力を与える要素を、オリフィスや
絞りポートなどを併用しないでその減衰バルブのみとし
たことで、作動速度に対する減衰力特性を図3に示すよ
うに連続的かつ滑らかなものにし、しかも大きな変曲点
を作らずに、車体と車輪との間の力の伝達を滑らかにす
る特性Uとすることができる。
では圧側減衰力発生バルブ6にイニシャル撓みを与える
ような構成とし、減衰力を与える要素を、オリフィスや
絞りポートなどを併用しないでその減衰バルブのみとし
たことで、作動速度に対する減衰力特性を図3に示すよ
うに連続的かつ滑らかなものにし、しかも大きな変曲点
を作らずに、車体と車輪との間の力の伝達を滑らかにす
る特性Uとすることができる。
【0035】この結果、自動車の乗心地や走行安定性を
損なうことなく、さらに突発的な加速度上昇に起因する
異音の発生もなくすることができる。
損なうことなく、さらに突発的な加速度上昇に起因する
異音の発生もなくすることができる。
【0036】なお、上記の実施の形態では圧側減衰力発
生バルブ6側の動作について述べたが、伸側減衰力発生
バルブ7側の動作もその圧側減衰力発生バルブ6の動作
と同様であるため、ここではその重複する説明を省略す
る。
生バルブ6側の動作について述べたが、伸側減衰力発生
バルブ7側の動作もその圧側減衰力発生バルブ6の動作
と同様であるため、ここではその重複する説明を省略す
る。
【0037】また、上記実施の形態では、各減衰力発生
バルブ6,7をピストン2に設けた場合について述べた
が、ベースバルブ(図示しない)に設けた場合にも、上
記実施の形態と同様の作用となり同様の効果を得ること
ができるものである。
バルブ6,7をピストン2に設けた場合について述べた
が、ベースバルブ(図示しない)に設けた場合にも、上
記実施の形態と同様の作用となり同様の効果を得ること
ができるものである。
【0038】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、ピス
トンまたはベースバルブに、これにより区画された油室
に発生する油圧力を利用して減衰力発生バルブにイニシ
ャル撓みを発生させる可動シートを設けたので、環境温
度や連続使用による緩衝器内の作動油の粘度変化に拘ら
ず、微低速域にかけての減衰力発生バルブのイニシャル
撓みより、安定した所定の減衰力を発生させることがで
き、さらに中高速域ではイニシャル撓みを制限して減衰
力を抑制でき、特に、微低速および低速域では走行安定
性を得られるようにでき、また、中高速域では乗心地を
高め、さらに、従来のように減衰力が間欠変動するのを
なくすることができるという効果が得られる。
トンまたはベースバルブに、これにより区画された油室
に発生する油圧力を利用して減衰力発生バルブにイニシ
ャル撓みを発生させる可動シートを設けたので、環境温
度や連続使用による緩衝器内の作動油の粘度変化に拘ら
ず、微低速域にかけての減衰力発生バルブのイニシャル
撓みより、安定した所定の減衰力を発生させることがで
き、さらに中高速域ではイニシャル撓みを制限して減衰
力を抑制でき、特に、微低速および低速域では走行安定
性を得られるようにでき、また、中高速域では乗心地を
高め、さらに、従来のように減衰力が間欠変動するのを
なくすることができるという効果が得られる。
【0039】また、この発明によれば、上記油圧力を利
用して減衰力発生バルブにイニシャル撓みを発生させる
可動シートを、上記ピストンまたはベースバルブ上で弾
性支持部材によって支持するようにしたので、この弾性
部材による減衰力発生バルブのイニシャル撓みの大きさ
や位置調整および規制を任意に行うことで、イニシャル
撓みを大きくした場合には、低速域の減衰力を高めに設
定でき、また弾性部材の強さを大きくした場合には、中
高速域での減衰力の上昇を抑制でき、自動車の乗心地を
改善できるという効果が得られる。
用して減衰力発生バルブにイニシャル撓みを発生させる
可動シートを、上記ピストンまたはベースバルブ上で弾
性支持部材によって支持するようにしたので、この弾性
部材による減衰力発生バルブのイニシャル撓みの大きさ
や位置調整および規制を任意に行うことで、イニシャル
撓みを大きくした場合には、低速域の減衰力を高めに設
定でき、また弾性部材の強さを大きくした場合には、中
高速域での減衰力の上昇を抑制でき、自動車の乗心地を
改善できるという効果が得られる。
【図1】この発明の実施の一形態による複筒型油圧緩衝
器を示す要部の断面図である。
器を示す要部の断面図である。
【図2】図1における複筒型油圧緩衝器の動作状態を示
す断面図である。
す断面図である。
【図3】この発明による複筒型油圧緩衝器の減衰力特性
図である。
図である。
【図4】従来の複筒型油圧緩衝器の減衰力特性図であ
る。
る。
A 油室たる上部油室 B 油室たる下部油室 2 ピストン 6 減衰力発生バルブたる圧側減衰力発生バルブ 7 減衰力発生バルブたる伸側減衰力発生バルブ 13,14 可動シート 21,22 弾性支持部材たる皿ばね
Claims (2)
- 【請求項1】 ピストンまたはベースバルブにポートを
開閉して減衰力を発生する減衰力発生バルブを配置した
複筒型油圧緩衝器において、ピストンまたはベースバル
ブにこれにより区画された油室に発生する油圧力を利用
して上記減衰力発生バルブにイニシャル撓みを発生させ
る可動シートを設けたことを特徴とする複筒型油圧緩衝
器。 - 【請求項2】 上記油圧力を利用して減衰力発生バルブ
にイニシャル撓みを発生させる可動シートが上記ピスト
ンまたはベースバルブ上でその可動シートの撓み量を決
める弾性支持部材によって支持されていることを特徴と
する請求項1に記載の複筒型油圧緩衝器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18154899A JP2001012531A (ja) | 1999-06-28 | 1999-06-28 | 複筒型油圧緩衝器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18154899A JP2001012531A (ja) | 1999-06-28 | 1999-06-28 | 複筒型油圧緩衝器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2001012531A true JP2001012531A (ja) | 2001-01-16 |
Family
ID=16102722
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18154899A Pending JP2001012531A (ja) | 1999-06-28 | 1999-06-28 | 複筒型油圧緩衝器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001012531A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1999
- 1999-06-28 JP JP18154899A patent/JP2001012531A/ja active Pending
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