JP2001012419A - 車両用プロテクタの取付構造 - Google Patents

車両用プロテクタの取付構造

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JP2001012419A
JP2001012419A JP11186158A JP18615899A JP2001012419A JP 2001012419 A JP2001012419 A JP 2001012419A JP 11186158 A JP11186158 A JP 11186158A JP 18615899 A JP18615899 A JP 18615899A JP 2001012419 A JP2001012419 A JP 2001012419A
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智之 長峰
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装着作業時の取付性を良くし、取付完了状態
では、精度良く位置決めなされ、緩衝材の弾反作用によ
る保持力低下も防止されるプロテクタの取付構造を得
る。 【解決手段】 車体パネル1には緩衝材2が配置形成さ
れるとともに、車体パネル1より突出した一対の取付用
ボルト3、3の一つの周囲では該緩衝材2が除去されて
いる。また、前記取付用ボルト3、3を挿通するクリッ
プ5、12は、一方のクリップ12が他方のクリップ5
に対し挿通方向の長さが前記緩衝材2の厚み相当分だけ
他方のクリップ5より突出状態に形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車体パネル等の被
取付面に突設されたボルトと係合して物品を被取付面に
固定保持できるプロテクタの取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車等の車両には多数のワ
イヤーハーネスが配索されており、これらワイヤーハー
ネスはプロテクタによって保持され車体パネル等の被取
付面に取り付けられる。この場合、車両の振動がプロテ
クタを介してワイヤーハーネスに伝わることで生じる様
々な不都合を回避するために、プロテクタと車体パネル
との間に緩衝材を介装させたものがある。
【0003】図4は緩衝材を介装した従来のプロテクタ
の取付構造を示している。図において、プロテクタ4を
取り付ける車体パネル1の被取付面には、ゴムなどの緩
衝材2が貼着されると共に、車体パネル1の裏面より挿
通した一対のプロテクタ取付用ボルト3、3が緩衝材2
を貫通して突設されている。プロテクタ4は、不図示の
ワイヤーハーネスを挿通して保持する本体4a上の、取
付用ボルト3、3と対向位置に一対のクリップ5、5を
突出形成させている。クリップ5は、図5、6に示すよ
うに、水平方向(ハーネス挿通方向)に長い長孔とされ
たボルト挿通孔6が貫設されており、孔内の上下位置に
はボルト挿通方向に傾斜して伸び、挿通される取付用ボ
ルト3に対し、ボルトねじ部と係合して弾性変形する可
撓係止片7a及びボルトねじ部と係合する微小の係止突
片7bとが対向配置されている。なお、本例では、係止
突片7bが上側位置に設けられ、可撓係止片7aが下側
位置に設けられている。また、これら係止片7a、7b
はともに水平方向に延設されて、取付用ボルト3との間
の取付寸法誤差が許容できるようになっている。
【0004】以上において、各クリップ5を取付用ボル
ト3に位置決めし、押しつけることで、可撓係止片7a
及び係止突片7が共にボルト3のねじ山に食込みつつ挿
通され、クリップ5先端が緩衝材2に衝接した状態で、
挿通作業が完了し、可撓係止片7a及び係止突片7bの
抜止め作用によって、プロテクタ4は車体パネル1の被
取付面に抜け出し不能に固定される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この取
付構造では、左右のクリップ5を取付用ボルト3に同時
に圧入しなければならなかったために、プロテクタ装着
時の挿入力が高くなってしまい、作業性が悪化するとい
う問題があった。
【0006】またプロテクタ4は、クリップ5を取付け
後、車体パネル1との間に介装した緩衝材2の弾反作用
を常に受けて、図6に示すように、常時抜け出し方向の
反力Fが加わって外れ易かった。
【0007】これに加えて、図5に示すように、取付用
ボルト3の径に対し、可撓係止片7a及び係止突片7b
の幅(水平方向長さ)が十分幅広であったために、水平
方向(紙面の左右方向)にずれやすく、中央部に比べて
左右方向にずれた場合には、特に可撓係止片7aの弾性
作用が弱められて、プロテクタの保持力を低下させると
いう難点があった。なお、この幅広としたのは、既述し
たとおり、元々は取付寸法誤差を吸収するために形成し
たものであるが、実際はこのような形状とすることによ
り、位置ずれが生じやすいものとなった。
【0008】さらに、この位置ずれを矯正するために、
装着後、プロテクタ4を左右方向に不用意にずらすこと
によって、可撓係止片7aや係止突片7の、取付用ボル
ト3との接触部位がねじ山によって削り取られたりする
と、先の緩衝材2の弾反作用と相まって、プロテクタ4
の保持力低下を招くこととなった。つまり、可撓係止片
7aや係止突片7による固定は、食込みや、噛み込みな
どによる結合形態であるため、一旦食付いた状態からず
らすことでその食込みによる結合力が急速に低下し、望
ましくない結果となる。
【0009】本発明は、プロテクタ装着作業時の挿入力
が小さくできて作業性を良好にするとともに、取付完了
状態では、精度良く位置決めがなされ、緩衝材の弾発弾
性による保持力低下も防止できるようにしたプロテクタ
の取付構造を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係るプロテクタの取付構造は、本体上に設け
た複数のクリップを緩衝材を介して突出する被取付体の
一対の取付用ボルトに挿通し、該クリップの係止手段を
前記ボルトに係合させてプロテクタを前記緩衝材の介装
した前記被取付体に組付け、固定するプロテクタの取付
構造において、少なくとも前記取付用ボルトの一つの周
囲では前記緩衝材を除去するとともに、該緩衝材を除去
した取付用ボルトに挿通する前記クリップは挿通方向の
長さが前記緩衝材の厚み相当分だけ他のクリップより突
出状態に形成され、このクリップの係止手段が対応の取
付用ボルトと係合した後に、他のクリップの係止手段が
対応の取付用ボルトと係合することを特徴とする。
【0011】そして、ボルト挿通方向の長さが他のクリ
ップより長く形成されたクリップが取付用ボルトに挿入
された後、他のクリップが取付用ボルトに挿入されるた
め、プロテクタ装着時の圧入力が分散され、しかも長い
クリップの先端は緩衝材と非接触に設けられて被取付体
と衝接するため、緩衝材の弾反作用を受けずに保持力の
低下が防止される。
【0012】また、請求項2記載のプロテクタの取付構
造は、前記突出状態に形成したクリップには、ボルト挿
通孔の間口端から前記係止手段に向かって徐々に縮径す
るようにしたすり鉢状の挿通ガイドが形成されたことを
特徴とする。
【0013】ボルト挿通孔の間口から係止手段に向かっ
て徐々に縮径したすり鉢状の挿通ガイドが形成されたこ
とにより、プロテクタは、装着時、挿通ガイドによって
挿通方向が案内され、水平方向に位置規制されて被取付
体に対し精度良く取付けられる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るプロテクタの
取付構造の好適な実施の形態を図面に基づいて詳細に説
明する。図1〜3は本発明に係るプロテクタの取付構造
の一実施形態を示しており、図1は被取付体とプロテク
タとの要部断面図で、(a)は取り付け前の図、(b)
は取付状態の図、図2は図1(b)のA−A線断面図、
図3は図1(b)のB−B線矢視図である。なお、本実
施形態では、被取付体として車体パネルが適用され、ま
た、従来と同一箇所、同一部位には同一符号を付して説
明を行うものとする。
【0015】図1(a)において、プロテクタ4を取り
付ける車体パネル1には、裏面より挿通し固定された一
対の取付用ボルト3、3がプロテクタ取付面に向かって
突設されている。また、プロテクタ取付面には緩衝材2
が貼着されている。そして、一対の取付用ボルト3、3
の一方(図中の右側)は、従来と同様に、この緩衝材2
を貫通した状態で突出されている。しかし、他方の取付
用ボルト3は、ボルト周囲において緩衝材2がくり抜か
れるようにして形成した穴10を貫通して突出されてい
る。
【0016】プロテクタ4は、図4に示した従来構造と
略同様に形成され、ワイヤーハーネスを挿通して保持す
る本体4a上の、取付用ボルト3、3と対向する位置に
一対のクリップ5、12を突出形成させている。
【0017】一対のクリップ5、12のうち、緩衝材2
を介して突出された取付用ボルト3に挿通するクリップ
5(図中の右側)は、従来と同形状であって水平方向
(紙面の左右方向)に長い長孔とされたボルト挿通孔6
が貫設されるとともに、孔内の上下位置には、図3に示
すように、ボルト挿通方向に傾斜してボルトねじ部と係
合する係止手段としての可撓係止片16a及び係止突起
16bが対向配置されている。
【0018】これに対し、穴10を貫通した取付用ボル
ト3に挿通するクリップ12は、図1(a)に示すよう
に、取付用ボルト3を挿通する挿通方向の長さが、緩衝
材2の厚み相当分だけ他方のクリップ5より先端側に長
く延伸し、且つ、外形寸法が緩衝材2の穴10に入る大
きさに形成されている。
【0019】このクリップ12も、水平方向に長い長孔
のボルト挿通孔14が形成されるとともに、挿通孔14
内には、図2に示すように、ボルト挿通方向に傾斜して
伸び、挿通される取付用ボルト3に対し、ボルトねじ部
と係合して弾性変形する可撓係止片16aが下側位置
に、またボルト挿通方向に傾斜して、挿通される取付用
ボルト3に対し、ボルトねじ部と係合する微小の係止突
片7bが上側位置に突設されて互いに対向配置されてい
る。なお、これら可撓係止片16a及び係止突片16b
はともに取付用ボルト3に係合する係止手段となるもの
である。<
【0020】さらに、この突出形成したクリップ12に
は、図1及び図3に示すように、ボルト挿通孔14の開
口端から係止突片16bに向かってボルト挿通孔14を
徐々に縮径するようにしたすり鉢状の挿通ガイド18が
形成されている。
【0021】また、突出形成したクリップ12の可撓係
止片16a及び係止突片16bは、取付用ボルト3と係
合する接触部位が、他方のクリップ5の可撓係止片7a
及び係止突起7bの接触部位より距離差Dだけ、先端側
に設けられている。つまり、プロテクタ4の装着時、突
出形成したクリップ12の可撓係止片16a及び係止突
片16bが対応する取付用ボルト3と係合し、さらに、
クリップ12の先端が穴10内のパネル面と衝接する直
前に、他方のクリップ5の可撓係止片7a及び係止突起
7bが対応する取付用ボルト3と係合するように設けら
れている。
【0022】従って、プロテクタ4の装着作業当初は、
図1(a)に示すように、両クリップ12、5を取付用
ボルト3、3に対向させて圧入すると、先ず一方のクリ
ップ12のみが取付用ボルト3に挿通されるとともに、
ボルト中心が挿通ガイド18によりクリップ12中心に
案内され、その状態で可撓係止片16a及び係止突片1
6bがねじ山にかかり、適度な圧入抵抗を生じさせつつ
取付用ボルト3に挿通される。一方、他方のクリップ5
も取付用ボルト3に挿通されるが、その可撓係止片7a
及び係止突起7bはまだねじ山にかかっていない状態で
ある。
【0023】圧入作業の進行によって、一方のクリップ
12は先端が車体パネル1の側面に衝接する直前で、他
方のクリップ5は可撓係止片7a及び係止突起7bが取
付用ボルト3のねじ山にかかり、最終的には双方のクリ
ップ12、5の圧入により、図1(b)、図2、図3に
示すように、プロテクタ4の車体パネル1への取り付け
が行われる。
【0024】この取付状態において、プロテクタ4は、
一方のクリップ12がその中心をボルト3の中心にほぼ
一致させた状態で車体パネル1と衝接し、他方のクリッ
プ5が先端を緩衝材2に当接させた状態で取り付けられ
る。したがって、プロテクタ4は、緩衝材2の弾発力が
他方のクリップ5に加わるのみであるので、この弾発作
用による保持力低下が防止される。
【0025】なお、上記の実施形態では、二本の取付用
ボルトに対する取付構造を示したが、三本以上複数本の
取付構造にも適用可能であることは勿論である。
【0026】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によるプロテ
クタの取付構造では、ボルト挿通方向の長さが他のクリ
ップより長く形成されたクリップが取付用ボルトに挿入
された後、他のクリップが取付用ボルトに挿入されるた
め、プロテクタ装着時の圧入力が分散され、しかも長い
クリップの先端は緩衝材と非接触に設けられて被取付体
と衝接するため、緩衝材の弾反作用を受けずに保持力の
低下が防止される。また、ボルト挿通孔の間口から係止
手段に向かって徐々に縮径するようにしたすり鉢状の挿
通ガイドが形成されたことにより、プロテクタは、装着
時、挿通ガイドによって挿通方向が案内され、水平方向
に位置規制されて被取付体に対し精度良く取付けられ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプロテクタの取付構造の一実施形
態を示す図で、(a)はプロテクタの被取付体への取り
付ける前の要部断面図、(b)は取付時の要部断面図で
ある。
【図2】図1(b)のA−A線における断面図である。
【図3】図1(b)のB−B線における矢視図である。
【図4】従来のプロテクタの取付構造を示す分解斜視図
である。
【図5】同プロテクタの取付状態を示す要部平面図であ
る。
【図6】同プロテクタの要部縦断面図である。
【符号の説明】
1 車体パネル 2 緩衝材 3 ボルト 4 プロテクタ 5、12 クリップ 6、14 ボルト挿通孔 7a、16a 可撓係止片(係止手段) 7b、16b 係止突片(係止手段) 10 穴 18 すり鉢状ガイド

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本体上に設けた複数のクリップを緩衝材
    を介して突出する被取付体の一対の取付用ボルトに挿通
    し、該クリップの係止手段を前記取付用ボルトに係合さ
    せてプロテクタを前記緩衝材の介装した前記被取付体に
    組付け、固定するプロテクタの取付構造において、 少なくとも前記取付用ボルトの一つの周囲では前記緩衝
    材を除去するとともに、該緩衝材を除去した取付用ボル
    トに挿通する前記クリップは挿通方向の長さが前記緩衝
    材の厚み相当分だけ他のクリップより突出状態に形成さ
    れ、このクリップの係止手段が対応の取付用ボルトと係
    合した後に、他のクリップの係止手段が対応の取付用ボ
    ルトと係合することを特徴とするプロテクタの取付構
    造。
  2. 【請求項2】 前記突出状態に形成したクリップには、
    ボルト挿通孔の間口端から前記係止手段に向かって徐々
    に縮径するようにしたすり鉢状の挿通ガイドが形成され
    たことを特徴とする請求項1記載のプロテクタの取付構
    造。
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