JP2001012379A - メンテナンス判定機能付き真空ポンプ - Google Patents

メンテナンス判定機能付き真空ポンプ

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JP2001012379A
JP2001012379A JP11183380A JP18338099A JP2001012379A JP 2001012379 A JP2001012379 A JP 2001012379A JP 11183380 A JP11183380 A JP 11183380A JP 18338099 A JP18338099 A JP 18338099A JP 2001012379 A JP2001012379 A JP 2001012379A
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Toyoki Furuhashi
豊樹 古橋
Atsuyuki Miura
篤之 三浦
Yoshihiro Naito
喜裕 内藤
Koichi Nakayama
宏一 中山
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Aisin Seiki Co Ltd
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    • F04C23/001Combinations of two or more pumps, each being of rotary-piston or oscillating-piston type, specially adapted for elastic fluids; Pumping installations specially adapted for elastic fluids; Multi-stage pumps specially adapted for elastic fluids of similar working principle
    • F04C23/003Combinations of two or more pumps, each being of rotary-piston or oscillating-piston type, specially adapted for elastic fluids; Pumping installations specially adapted for elastic fluids; Multi-stage pumps specially adapted for elastic fluids of similar working principle having complementary function
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Abstract

(57)【要約】 【課題】メンテナンスの適切化を図ることができるメン
テナンス判定機能付き真空ポンプを提供する。 【解決手段】真空ポンプは、ケーシングのポンプ室に作
動可能に設けられ作動に伴い吸込口から吸気した媒体を
排出口から排出するポンプ部と、ポンプ部を回転駆動さ
せるモータとをもつ。ポンプ部の運転状況に関する物理
量を時間軸に沿って検知する検知手段20〜24と、検
知手段20〜24で検知されたポンプ部の運転状況に関
する物理量を記憶する記憶手段34と、記憶手段34に
記憶したポンプ部の運転状況に関する物理量に関するデ
ータを時間軸に沿って視覚的に表示可能である表示手段
40とが設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メンテナンスを適
切に行い得るように改善したメンテナンス判定機能付き
真空ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、真空ポンプは、吸込口、ポンプ
室及び排出口をもつケーシングと、ポンプ室に回転可能
に設けられたロータをもつポンプ部と、ポンプ部のロー
タを回転させるモータとをもつ。ポンプ部のロータの回
転に伴い、吸込口から吸気した媒体は排出口から排出さ
れる。
【0003】通常、真空ポンプは、冷却水量、希釈ガス
流量、ケーシングの温度、モータの電流、モータ回転
数、温度、圧力などを検知するセンサを有している。こ
れらの値が異常になったとき、インターロック機構が作
動し、ポンプ部の運転を停止して真空ポンプを保護す
る。真空ポンプが異常停止したときに、停止時のエラー
の内容が表示される。従って、オペレータはどのような
異常が真空ポンプに発生したのかを知ることが出来る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の真
空ポンプでは、停止時のエラーの内容が表示されるだけ
である。ポンプが異常停止する迄にどのような過程をへ
て、異常に至ったかは不明である。
【0005】即ち、温度異常で真空ポンプが停止した場
合を想定すると、温度が短時間のうちに急激に上昇して
異常になったのか、あるいは、長時間にわたりゆっくり
と温度が上昇して異常となったのか、あるいは、温度セ
ンサ自体が異常になったのか、あるいは、温度センサの
信号にノイズがのって誤作動したのかなど、異常の発生
原因が直ちに判明しない。従って、停止した真空ポンプ
に対してメンテナンスを行った場合、修理が一応終了し
たと判断されて真空ポンプを再使用したとき、メンテナ
ンス必要箇所がまだ修理されていないことも往々にして
あり、必ずしも適切な且つ迅速なメンテナンスを行えな
いおそれがある。
【0006】更に、真空ポンプの内部に堆積物が次第に
堆積し、真空ポンプが過負荷で停止することが間々あ
る。例えば、半導体デバイス製造で使用する真空チャン
バの真空室内の排気ガス中には凝縮性の生成物などが含
まれる場合が多く、この場合に真空ポンプを使用すると
きには、真空ポンプの内部に生成物が次第に堆積し、ポ
ンプが過負荷で停止することが間々ある。
【0007】堆積物が次第に増加する場合には、ポンプ
部のロータを回転駆動する為の必要トルクが徐々に増加
する。この場合、真空ポンプのコントローラはポンプ部
のロータを一定回転数で回転駆動させるため、モータ電
流をわずかずつ増やし、モータトルクを増加させる制御
を行うのが一般的である。これにより真空室の真空度は
良好な値に維持される。従って堆積物の増加につれて、
真空ポンプのモータ電流は次第に増加する傾向がある。
【0008】そして、真空ポンプの内部に堆積する堆積
物の量が過剰に増加し、モータ電流が許容限度に近づく
と、コントローラはアラームを出力する。更に、モータ
電流が許容限度を越えたときにはコントローラは真空ポ
ンプの運転を停止し、エラー表示を行う。
【0009】アラームを出力してから、真空ポンプの運
転を停止させるまでの時間が短いと、ユーザーはその間
に適切な処理を出来ない。この場合には、真空室で処理
している処理物、例えば半導体ウエハなどのワークが不
良となる。
【0010】これを回避するためには、アラームが出力
する条件を緩和し、モータ電流が小さいときにアラーム
を出力することになる。しかし堆積物が少量であり、通
常のポンプ運転状況に近い良好な状況であっても、メン
テナンスを要請するアラームが出力されることになる。
この場合、アラームに基づいて真空ポンプを分解して
も、メンテナンスが必ずしも必要ではないと判断される
こともあり、メンテナンスの適切化を図れない。
【0011】本発明は上記した実情に鑑みなされたもの
であり、メンテナンスの適切化を図ることができるメン
テナンス判定機能付き真空ポンプを提供するにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】第1発明に係るメンテナ
ンス判定機能付き真空ポンプは、吸込口、ポンプ室及び
排出口をもつケーシングと、ポンプ室に回転可能に設け
られたロータとを具備し、ロータの回転に伴い吸込口か
ら吸気した媒体を排出口から排出するポンプ部と、ロー
タを回転させるモータとをもつ真空ポンプにおいて、真
空ポンプの運転状況に関する物理量を時間軸に沿って検
知する検知手段と、検知手段で検知された真空ポンプの
運転状況に関する物理量を記憶する記憶手段と、記憶手
段に記憶した真空ポンプの運転状況に関する物理量に関
するデータを時間軸に沿って視覚的に表示可能である表
示手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0013】第1発明に係る真空ポンプによれば、真空
ポンプの運転状況に関する物理量を時間軸に沿って検知
し、真空ポンプの運転状況に関する物理量を記憶手段に
記憶する。そのため、記憶手段に記憶されている時間軸
に沿った物理量に関するデータを時間軸に沿って表示す
れば、ポンプ部の停止時の運転状況ばかりでなく、ポン
プ部の過去の運転状況に関する物理量を時間軸に沿って
視覚的に認識することができる。故に、真空ポンプの不
具合発生の有無にかかわらず、真空ポンプのエラー箇所
を適切に判定するのに有利であり、真空ポンプのメンテ
ナンスの適切化を図り得る。
【0014】第2発明に係るメンテナンス判定機能付き
真空ポンプは、吸込口、ポンプ室及び排出口をもつケー
シングと、ポンプ室に回転可能に設けられたロータとを
具備し、ロータの回転に伴い吸込口から吸気した媒体を
排出口から排出するポンプ部と、ロータを回転させるモ
ータとをもつ真空ポンプにおいて真空ポンプの運転状況
に関する物理量を時間軸に沿って検知する検知手段と、
検知手段で検知された物理量を時間軸で微分して物理量
の変化速度を求め、物理量の変化速度が小さいときに
は、物理量の絶対値に基づいてメンテナンス時期をアラ
ームする第1アラーム手段と、物理量の変化速度が大き
いときには、物理量の変化速度に基づいてメンテナンス
時期をアラームする第2アラーム手段とを備えているこ
とを特徴とするものである。
【0015】第2発明に係る真空ポンプによれば、検知
手段で検知された真空ポンプの運転状況に関する物理量
を時間軸で微分して物理量の変化速度を求める。物理量
の変化速度が小さいときには、第1アラーム手段が物理
量の絶対値に基づいてメンテナンス時期をアラームす
る。物理量の変化速度が大きいときには、メンテナンス
時期が予想外に早く到来し易いため、第1アラーム手段
ではアラームが遅延するおそれがある。そこで第2アラ
ーム手段が物理量の変化速度に基づいてメンテナンス時
期をアラームする。故に、適切なメンテナンス時期をア
ラームすることができ、真空ポンプのメンテナンス時期
が遅延することを防止することができる。故に、メンテ
ナンスの適切化を図り得る。
【0016】本発明に係る真空ポンプにおいては、次の
(1)〜(5)の態様を採用することができる。
【0017】(1)物理量の異常値が検知されたときに
は、直ちにまたは所定時間経過後にポンプの運転を停止
する異常運転停止手段と、異常運転停止手段がポンプの
運転を停止する直前における物理量に関するデータを記
憶して表示する直前データ表示手段とを備えている構成
を採用できる。異常運転停止手段がポンプの運転を停止
する直前における物理量に関するデータが表示されてい
るため、異常の原因を判定するのに貢献でき、メンテナ
ンスの適切化を図り得る。
【0018】(2)物理量は、ポンプ温度、ポンプから
排出される排気ガス温度、真空ポンプの圧力、モータ電
流、モータ回転数の少なくとも一つを採用できる。これ
により真空ポンプの異常を判定し易く、メンテナンスの
適切化を図り得る。ポンプ温度は例えばケーシングに設
けた温度センサで検知できる。排気ガス温度は例えばケ
ーシングの排出口に設けた温度センサで検知できる。圧
力は例えばケーシングの排出口に設けた圧力センサで検
知できる。モータの回転数は例えばモータ軸またはモー
タ軸で回転される駆動軸の回転数をカウントして検知で
きる。上記した物理量によれば、真空ポンプの異常を判
定し易く、メンテナンスの適切化を図り得る。モータの
電流は例えば電流センサによって検知できる。
【0019】一般的には、真空ポンプの負荷が増加し、
真空ポンプにメンテナンスが要請されてくると、モータ
電流は増加し、モータ回転数は低下する。更に、堆積物
による回転抵抗の増加に伴う熱により真空ポンプの排気
ガスの温度は上昇し、ケーシングの温度が上昇する。ま
たモータ回転数の低下により、真空ポンプの吸込口の圧
力はあまり下がらず、よって真空ポンプにより得られる
真空度は低下する。
【0020】(3)記憶手段は、記憶データを更新可能
なリングバッファ状に構成された不揮発メモリである構
成を採用できる。異常停止直後にオペレータがエラー内
容の表示を確認せずに、真空ポンプの電源を落としてし
まった場合であっても、不揮発メモリに記憶されている
データは消えない。そのため異常運転に適切に対処で
き、メンテナンスの適切化を図り得る。
【0021】(4)記憶手段へのデータの記憶は、予め
設定された時間間隔で、且つ、真空ポンプが運転状態に
あるときに行われる構成を採用できる。記憶手段の記憶
エリアの過剰増大化を防止でき、真空ポンプを長期間連
続運転する場合に有利となる。
【0022】(5)ケーシングのポンプ室は複数個設け
られており、ポンプ部は各ポンプ室にそれぞれ設けられ
た複数段式の真空ポンプである構成を採用できる。この
場合、検知手段は各ポンプ段にはそれぞれ設けられてお
り、各検知手段は、各ポンプ段において運転状況に関す
る物理量を時間軸に沿って検知し、記憶手段は、各検知
手段で検知された各段ごとの物理量を記憶する。そし
て、表示手段は、記憶手段に記憶した各ポンプ段ごとの
物理量に関するデータを時間軸に沿って表示する構成を
採用できる。これにより複数ポンプ段式の真空ポンプで
あっても、いずれのポンプ段に異常が発生したかを容易
に判定でき、メンテナンスの適切化を図り得る。
【0023】(6)ケーシングのポンプ室は複数個設け
られており、ポンプ部及びポンプ部を作動させる駆動軸
が各ポンプ室にそれぞれ設けられた複数段式の真空ポン
プである構成を採用できる。そして各駆動軸はモータで
個別に回転駆動される構成を採用できる。この場合に
は、各モータのモータ電流を検知するモータ電流セン
サ、及び、各モータの回転数を検知する回転数センサの
少なくとも一方を、検知手段としてモータ毎に設けるこ
とが好ましい。これにより複数ポンプ段式の真空ポンプ
において、いずれのポンプ段に異常が発生したかを容易
に判定でき、メンテナンスの適切化を図り得る。
【0024】(7)気体の圧縮が複数段とされている真
空ポンプにおいて、各ポンプ段の運転状況に関する物理
量を時間軸に沿って検知する検知手段が各ポンプ段毎に
設けられており、各検知手段で検知された物理量を記憶
する記憶手段と、記憶手段に記憶した物理量に関するデ
ータを時間軸に沿って視覚的に表示する表示手段とを備
えている構成を採用できる。これにより複数ポンプ段式
の真空ポンプにおいて、いずれのポンプ段に異常が発生
したかを容易に判定でき、メンテナンスの適切化を図り
得る。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図1〜図3に
基づいて説明する。
【0026】図1に示すように、真空ポンプはルーツ
型ポンプであり、吸込口10、ポンプ室11及び排出口
12をもつケーシング1と、ポンプ室11に回転可能に
設けられ回転に伴い吸込口10から吸気した媒体を排出
口12から排出する複数個1組のまゆ形のロータとで構
成されたポンプ部14を備えている。また真空ポンプ
は、タイミングギヤ15aを介してポンプ部14のロー
タを回転駆動させるモータ16をもつ。
【0027】図2に示すように、モータ16には、物理
量としてのモータ電流を検知する検出手段としての電流
センサ20、物理量としてのモータ16の回転数を検知
する回転数センサ21が設けられている。ケーシング1
には、物理量としての排出口12の圧力を検知する検知
手段としての圧力センサ23、物理量としてのケーシン
グ1の温度を検知する検知手段としての温度センサ24
が設けられている。
【0028】真空ポンプに装備されているコントローラ
3は、電流調節器30と、演算部32(CPU)と、記
憶手段としての不揮発性のメモリ34とを備えている。
メモリ34はリングバッファ状に構成されており、新し
いデータは、メモリ34のエリアに記憶されている古い
データと置き換えることがてきる。即ちメモリ34のエ
リアのデータは更新可能とされている。設定器36で設
定された時間間隔で、各センサ20,21,23,24
のセンサ信号の読み込みが行われ、そのセンサ信号はメ
モリ34のエリアに時間軸に沿って記憶される。
【0029】図2に示すように、コントローラ3には、
電流センサ20、回転数センサ21、圧力センサ23、
温度センサ24の信号がコントローラ3に入力される。
これらの信号に基づいてコントローラ3は電流調節器3
0を介してモータ16を制御し、ポンプ部14が適切な
回転数となるようにポンプ部14を制御する。ポンプ部
14の駆動により、真空チャンバ70内のガスは外部に
排気され、真空チャンバ70内は真空に良好に維持され
る。コントローラ3には表示手段としてのデータ表示器
40、報知器42が接続されている。
【0030】ところで、真空ポンプの使用につれて、真
空ポンプの内部には堆積物が次第に堆積する。例えば、
半導体デバイス製造プロセスに用いられる真空チャンバ
70の真空室を真空に維持するために使用される真空ポ
ンプの場合には、真空チャンバ70から真空ポンプの吸
込口10に吸入される気体には、凝縮性の高い成分が含
まれていたり、異物が混入していたりする場合がある。
このような気体を真空ポンプにより排気する場合には、
真空ポンプの内部には前記凝縮物や異物が堆積物として
次第に堆積する。
【0031】凝縮物や異物が真空ポンプの内部に堆積し
た場合には、ポンプ部14を駆動するためのトルクが上
昇し、そのためポンプ部14の回転数(=モータ回転
数)が次第に低下する。コントローラ3は真空ポンプの
性能(真空チャンバ70の真空度など)を適正に維持す
るため、図3に模式的に示すようにモータ電流を自動的
に次第に増加する。即ち、図3の時刻T0〜時刻T1
示すように、モータ電流を自動的に増加する(モータ電
流A0 →モータ電流A1 )ようになっている。これによ
り堆積物が増加したとしても、真空ポンプの最適な回転
数を維持し、真空チャンバ70の真空度が適切に維持さ
れる。
【0032】更に真空ポンプの運転時間が経過し、時刻
2 になり、異物の堆積量が更に増加すると、モータ電
流も更に増加する(モータ電流A2 )。これらの電流デ
ータ(A0 ,1 ,2 …)は時間軸に沿ってコントロー
ラ3のメモリ34に記憶される。
【0033】更に真空ポンプの運転時間が経過し、時刻
3 ,Th になり、異物の堆積量が更に増加すると、モ
ータ電流も更に増加する(モータ電流A3,Ah )。こ
れらの電流データ(A3,Ah)も時間軸に沿ってコント
ローラ3の内部のメモリ34に記憶される。
【0034】本実施形態によれば、真空ポンプの運転
状態を示す過去データ、つまりモータ電流のデータはデ
ータ表示器40により外部に出力されて視覚的に表示さ
れる。従って、真空ポンプの故障発生の有無に関わら
ず、データ表示器40に表示されたデータをオペーレー
タが調査すれば、真空ポンプのメンテナンス時期が到来
したか否かを判定することができ、しかもメンテナンス
必要箇所を良好に判定することができる。
【0035】即ち、モータ電流の絶対値に関するデータ
が所定のしきい値を越えていれば、真空ポンプのメンテ
ナンス時期が到来したと判断し、真空ポンプのメンテナ
ンスを行う。このとき、真空ポンプのオペレータは、真
空ポンプの運転状況に関するデータを時間軸に沿って視
覚的に認識することができる。故に、真空ポンプの状態
量の変化を視覚的に把握でき、ポンプの故障箇所を容易
且つ迅速に予見できる。
【0036】更に、メモリ34は不揮発性であるため、
真空ポンプの異常発生後、ユーザーがポンプの電源を落
とした場合であっても、異常の内容がメモリ34から消
失せずに記憶され表示されるので、故障発生の原因の究
明に役立ち、メンテナンスの適切化を図り得る。
【0037】更に本実施形態によれば、コントローラ3
はモータ電流の変化速度、即ち、dΔA/dΔT(ここ
で、ΔA1=A2 −A1 、ΔT1=T2 −T1 )を所定時
間毎に算出する。このモータ電流の変化速度もメモリ3
4に記憶する。メモリ34に記憶されているモータ電流
の変化速度に関するデータは、データ表示器40に時間
軸に沿って視覚的に表示される。そのため、データ表示
器40に表示されたデータを調査すれば、モータ16の
変化速度に基づいて、真空ポンプのメンテナンス時期が
到来したか否かを判定することができる。
【0038】一般的には、モータ電流の変化速度が所
定のしきい値よりも小さいときには、モータ電流の短時
間のうちに加速度的に急激に増加する傾向がない。そこ
で、モータ電流の絶対値に関するデータをアラーム判定
基準とし、モータ電流の絶対値に関するデータが所定の
しきい値を越えていれば、真空ポンプのメンテナンス時
期が到来したとコントローラ3は判断し、報知器42を
作動させてオペレータにアラームする。これにより適切
なメンテナンス時期の到来が報知される。
【0039】モータ電流がゆっくりと直線的に増加する
場合には、モータ電流がゆっくりと直線的に増加するた
め、アラーム電流(定格電流)Ahとなったことをアラ
ームされた時刻Thから、真空ポンプを停止する時刻Tt
に至るまでの時間が長く、時間的余裕が大である。その
ため図3に示す時刻Thから時刻Ttまでの間に真空チャ
ンバ70内での処理工程を終えることができ、真空チャ
ンバ70内で処理している処理物、例えば半導体ウエハ
の不良化を防止できる。
【0040】また、モータ電流の変化速度が所定のしき
い値よりも大きいときには、モータ電流が短時間に加速
度的に急激に増加する傾向がある。即ち、アラーム電流
(定格電流)Ahとなったことをアラームした時刻Th
ら、真空ポンプを停止する時刻Ttまで時間が短いもの
である。そのためモータ電流に基づいてアラームする方
式を採用すると、モータ電流がかなりの速度で増加して
いるにもかかわらず、アラームが遅れるおそれがある。
そこでモータ電流の変化速度がしきい値よりも大きいと
きには、モータ電流の絶対値に関するデータをアラーム
判定基準とするのではなく、モータ電流の変化速度をア
ラーム判定基準とする。換言すれば、モータ電流の変化
速度を基づき、モータ電流の変化速度がしきい値を越え
るときには、真空ポンプのメンテナンス時期が到来した
とコントローラ3は判断し、報知器42を作動させてオ
ペレータにアラームする。これにより適切なメンテナン
ス時期の到来が報知される。
【0041】ところで従来技術では、上記のようにモー
タ電流が短時間のうちに加速度的に増加する傾向にある
ときであっても、モータ電流がアラーム電流(定格電
流)A h まで上昇しなければ、報知器42がアラームを
出力しなかったものが、より早い段階で報知器42によ
りオペレータに適切にアラームすることが可能となる。
従って、モータ電流が短時間のうちに加速度的に増加す
る傾向の場合には、アラーム時期の遅延が防止され、適
正なメンテナンスをする時間的な余裕が大きくなり、真
空チャンバ70内の半導体ウエハなどの処理物の損失を
防ぐことができる。
【0042】なお上記した実施形態では、真空ポンプの
運転状態を示すデータとして、モータ電流を採用してい
るが、これに限らず、モータ16の回転数センサ21の
信号、真空ポンプのケーシング1に搭載した温度センサ
24の信号、真空ポンプの排出口12付近に搭載した圧
力センサ23の信号などでも良いことは言うまでもな
い。
【0043】回転数センサ21に関するデータ、温度セ
ンサ24に関するデータ、圧力センサ23に関するデー
タなどでも、前記したモータ電流の場合と同様に、真空
ポンプの使用環境の如何によって、時間経過に伴い直線
的に変化したり、あるいは、短時間のうちに加速度的に
急激に増大したりする。そのため上記した場合と同様
に、アラーム判定基準を、データの絶対値とデータの変
化速度との2種類採用することが、適切なメンテナンス
時期を知らせるのに有利となる。
【0044】例えば、モータ16の回転数信号を例にと
れば、モータ回転数の変化速度が所定のしきい値よりも
小さいときには、モータ回転数が短時間のうちに加速度
的に急激に増加する傾向がない。そのためモータ回転数
の絶対値に関するデータに基づき、モータ回転数の絶対
値に関するデータが所定のしきい値を越えていれば、真
空ポンプのメンテナンス時期が到来したとコントローラ
3は判断し、報知器42を作動させてオペレータにアラ
ームする。これにより適切なメンテナンス時期の到来が
報知される。これに対して、モータ回転数の変化速度が
所定のしきい値よりも大きいときには、モータ回転数が
短時間に加速度的に急激に増加する傾向がある。この場
合には、モータ回転数の絶対値に関するデータをアラー
ム判定基準とするのではなく、モータ回転数の変化速度
をアラーム判定基準とする。換言すれば、モータ回転数
の変化速度がしきい値を越えるときには、真空ポンプの
メンテナンス時期が到来したとコントローラ3は判断
し、報知器42を作動させてオペレータにアラームす
る。これにより適切なメンテナンス時期の到来が報知さ
れる。
【0045】また、真空ポンプのケーシング1の温度を
測定する温度センサ24の温度信号を例にとれば、温度
の変化速度が所定のしきい値よりも小さいときには、真
空ポンプの温度が短時間のうちに加速度的に急激に増加
する傾向がない。そのため温度の絶対値に関するデータ
が所定のしきい値を越えていれば、真空ポンプのメンテ
ナンス時期が到来したとコントローラ3は判断し、報知
器42を作動させてオペレータにアラームする。これに
より適切なメンテナンス時期の到来が報知される。これ
に対して、温度センサ24で検知された温度の変化速度
が所定のしきい値よりも大きいときには、真空ポンプの
温度が短時間に加速度的に急激に増加する傾向がある。
この場合には、温度の絶対値に関するデータをアラーム
判定基準とするのではなく、温度の変化速度をアラーム
判定基準とし、温度の変化速度がしきい値を越えるとき
には、真空ポンプのメンテナンス時期が到来したとコン
トローラ3は判断し、報知器42を作動させてオペレー
タにアラームする。
【0046】また、真空ポンプの排出口12の圧力を検
知する圧力センサ23の圧力信号を例にとれば、圧力の
変化速度が所定のしきい値よりも小さいときには、圧力
が短時間のうちに加速度的に急激に増加する傾向がな
い。そのため圧力の絶対値に関するデータに基づき、圧
力の絶対値に関するデータが所定のしきい値を越えてい
れば、真空ポンプのメンテナンス時期が到来したとコン
トローラ3は判断し、報知器42を作動させてオペレー
タにアラームする。これにより適切なメンテナンス時期
の到来が報知される。これに対して、圧力センサ23で
検知された圧力の変化速度が所定のしきい値よりも大き
いときには、真空ポンプの圧力が短時間に加速度的に急
激に増加する傾向がある。この場合には、圧力の絶対値
に関するデータをアラーム判定基準とするのではなく、
圧力の変化速度をアラーム判定基準とする。
【0047】(フローチャート)上記した実施形態の演
算部32を構成するCPUが実行するフローチャートの
1例を説明する。この場合には主としてモータ電流に基
づいて処理を行う場合である。図4及び図5に示すよう
に、センサ読込処理、ポンプ運転処理が行われる。図4
に示すようにセンサ読込処理では、ステップS12にお
いて真空ポンプのポンプ部14が運転されているかを判
定する。NOであれば、そこで待機する。YESであれ
ば、ステップS14において各センサ20〜24の読み
込みを行なう。これにより他の物理量と共にモータ電流
値I(t)が読み込まれる。ステップS16においてこ
れをメモリ34のエリアに記憶する。ステップS17に
おいて、1回前のモータ電流値I(t−1)を読み込
み、モータ電流値の変化速度α=I(t)−I(t−
1)を算出する。
【0048】更にステップS18においてモータ電流の
変化速度αをメモリ34のエリアに記憶する。なお第1
回の判定ではモータ電流の変化速度αは0とし、第2回
目以降のモータ電流の変化速度αは、前述の計算式によ
って求める。
【0049】ステップS19において表示要求があるか
否か判定する。表示要求はCPUが行うこともできる
し、あるいは、作業者が設定器36から行うこともでき
る。ステップS20において、モータ電流等の読込値に
関するデータ(モータ電流の変化速度も含む)を時間軸
に沿ってデータ表示器40で表示する指令を出力する。
ステップS22で所定時間(設定器36で変更可能)経
過するまで待機し、経過したらステップS12に戻る。
【0050】図5に示すように、モータを回転数一定制
御で運転する場合のポンプ運転処理では、ステップS3
0において現在のモータ回転数Nと設定回転数Nset
とを比較する。N<Nsetのときには、ステップS3
2に進みモータ電流Iを増加し、ステップS36に進
む。N>NsetのときにはステップS34に進みモー
タ電流Iを減少し、ステップS36に進む。N=Nse
tのときには、そのままステップS36に進む。ステッ
プS36においては、そのときにおけるモータ電流Iの
変化速度αの最新値を読込む。
【0051】ステップS38において、変化速度αとし
きい値α1とを比較する。変化速度αがしきい値α1未満
のときには、モータ電流の変化速度αがまだ小さいた
め、通常判定モードとすべく、ステップS40に進み、
モータ電流Iとアラーム(定格電流)Ahとを比較し、
I<Ahが成立するか判定する。YESであれば、モー
タ電流Iは適切で真空ポンプは正常運転であり、従って
ステップS30に戻る。NOであれば、ステップS42
に進み、モータ電流Iと停止電流Atとを比較し、I<
tが成立するか判定する。YESであれば、モータ電
流が増加しているものの、直ちに真空ポンプを停止させ
る緊急停止性は要請されていない。しかしメンテナンス
時期が近いため、ステップS44でメンテナンス時期が
到来したことを知らせるアラーム信号を報知器42に出
力し、ステップS30に戻る。この場合のアラームはモ
ータ電流Iの絶対値が大きいことを表すアラームとす
る。ステップS44は、モータ電流の絶対値に基づいて
アラームする第1アラーム手段を構成する。
【0052】ステップS42での比較の結果、NOであ
れば、モータ電流がかなり増加しており、ステップS4
6に進み、データであるモータ電流Iを記憶する。ステ
ップS48に進み、エラー出力を行い、ステップS50
で真空ポンプを停止する。そしてステップS52で、真
空ポンプを停止する直前のモータ電流に関するデータを
時間軸に沿って表示する信号(データ表示要求信号)を
データ表示器40に出力する。ステップS52は直前デ
ータ表示手段として機能する。ステップS54でエラー
リセットが操作されたか判定し、NOであればステップ
S52に戻り、YESであれば運転待ち状態とする。な
おエラーリセットは設定器36から操作することができ
る。
【0053】ステップS38の比較において、モータ電
流の変化速度αがしきい値α1以上のときには、モータ
電流の変化速度αが大きいため、ステップS56に進
み、変化速度αとしきい値α2(α1<α2)とを比較
し、αがα2未満のときには、モータ電流の変化速度α
がまだ真空ポンプを停止するまでには至っていないもの
の、メンテナンス時期が近いため、ステップS58に進
み、メンテナンス時期が到来したことを知らせるアラー
ム信号を報知器42に出力し、ステップS30に戻る。
このアラームはモータ電流の変化速度が大きいことを表
すアラームであり、前記したモータ電流の絶対値が大き
い場合のアラームに対して視覚的または聴覚的に異なる
ことが好ましい。オペレータが2つの異常形態(モータ
電流の絶対値が異常である形態、モータ電流の変化速度
が異常である形態)を明確に峻別できた方が好ましいか
らである。従ってステップS58はモータ電流の変化速
度に基づいてアラームする第2アラーム手段として機能
する。
【0054】即ち、モータ電流の変化速度が大きいとき
には、アラームの遅延を防止すべく、アラーム判定基準
としてはモータ電流の絶対値ではなく、モータ電流の変
化速度を採用する。
【0055】ステップS56の比較において、モータ電
流の変化速度αがα2以上である判定されたときには、
モータ電流の変化速度αがかなり大きいため、緊急停止
性があり、ステップS62に進み、エラーを出力し、ス
テップS64において真空ポンプを停止する。そしてス
テップS66で、真空ポンプを停止する直前のモータ電
流の変化速度αに関するデータを時間軸に沿って表示す
る信号(表示要求信号)をデータ表示器40に出力す
る。ステップS66は直前データ表示手段として機能で
きる。ステップS68で、エラーリセットが操作されて
いるが判定し、リセットされていなければ、ステップS
66に戻り、リセットされていれば、運転待ち状態に戻
る。
【0056】なおポンプ起動直後の電流の変化速度が大
なることによる誤判定を防ぐため、ステップS35にお
いて、設定回転数Nsetに一旦達したか否かをチェッ
クし、到達していなければ、ステップS36,38は実
行しない。
【0057】(実施形態2)図7及び図8に示す実施形
態2は複数ポンプ段式の真空ポンプに適用した場合であ
る。前記した実施形態1と共通する部位には共通の符号
を付する。ケーシング1のポンプ室11a〜11dは複
数個設けられている。各ポンプ室11a〜11dで構成
されるポンプ段のそれぞれには、複数個1組のロータで
構成されたポンプ部14と、ポンプ部14を回転駆動さ
せる駆動軸15がそれぞれ設けられている。各駆動軸1
5はそれに対応する図8に示す専用のモータ16(16
a〜16d)で個別に回転駆動される。
【0058】本実施形態では、気体の圧縮はポンプ段毎
に行われるため、気体の圧縮は多段に分かれている。上
流側のポンプ室11aは真空チャンバ70に連通する。
下流側のポンプ室11dは排気管60、消音器61を経
て外部に連通する。
【0059】この場合には、図8に示すように、モータ
電流を検知する電流センサ20(20a,20b,20
c,20d)が各モータ16毎に設けられている。更
に、モータ回転数を検知する回転センサ21(21a,
21b,21c,21d)も各モータ16毎に設けられ
ている。
【0060】この場合には、各ポンプ段のモータ16の
モータ電流及びモータ回転数に関するデータは、不揮発
性のメモリ34に時間軸に沿って記憶され、更にデータ
表示器40で時間軸に沿って表示可能である。従って前
述同様に、各ポンプ段のモータ電流を検知するデータ、
及び、モータ回転数に関するデータを時間軸に沿ってデ
ータ表示器40で視覚的に表示すれば、いずれのポンプ
段に異常が発生したかをオペレータは容易に判定でき、
メンテナンスの適切化を図り得る。
【0061】また実施形態2においても、モータ電流の
変化速度が所定のしきい値よりも小さいときには、各ポ
ンプ段についてのモータ電流の絶対値に関するデータに
基づき、真空ポンプのメンテナンス時期が到来したとコ
ントローラ3は判断し、報知器42を作動させてオペレ
ータにアラームする。これに対して、モータ電流の変化
速度が所定のしきい値よりも大きいときには、各ポンプ
段のモータ電流の変化速度をアラーム判定基準とする。
よって、いずれのポンプ段に異常が発生したかを判定で
き、メンテナンスの適切化を図り得る。
【0062】モータ回転数についても同様であり、モー
タ回転数の変化速度が所定のしきい値よりも小さいとき
には、各ポンプ段についてのモータ回転数の絶対値に関
するデータに基づき、真空ポンプのメンテナンス時期が
到来したとコントローラ3は判断し、報知器42を作動
させてオペレータにアラームする。これに対して、モー
タ回転数の変化速度が所定のしきい値よりも大きいとき
には、各ポンプ段のモータ回転数の変化速度をアラーム
判定基準とし、各ポンプ段のモータ回転数の変化速度が
しきい値を越えるときには、真空ポンプのメンテナンス
時期が到来したとコントローラ3は判断し、報知器42
を作動させてオペレータにアラームする。よって、いず
れのポンプ段に異常が発生したかを判定でき、メンテナ
ンスの適切化を図り得る。
【0063】(実施形態3)実施形態3は実施形態2と
同様に複数ポンプ段式の真空ポンプに適用した場合であ
る。実施形態3に係る真空ポンプの断面図は図7と同様
であるため、省略する。実施形態3においては図7と基
本的に同様な構成であるため、特には図示しないもの
の、ケーシングのポンプ室は、直列的に複数個互いに連
通するように設けられている。気体の圧縮はポンプ段毎
に行われるため、気体の圧縮は多段に分かれている。上
流側のポンプ室は真空チャンバに連通する。下流側のポ
ンプ室は排気管、消音器を経て外部に連通する。
【0064】各ポンプ室で構成されるポンプ段のそれぞ
れには、複数個1組のまゆ形のロータで構成されたポン
プ部と、ポンプ部を回転駆動させる駆動軸が個別に設け
られている。実施形態3では、各ポンプ部を駆動させる
共通の共通モータ16Bが搭載されている。共通モータ
16Bで各駆動軸は動力伝達機構を介して個別に回転駆
動されるようになっている。
【0065】この場合には、各ポンプ段の温度を検知す
る温度センサ24(24a〜24d)が各ポンプ段毎に
個別に設けられている。各温度センサ24(24a〜2
4d)の温度に関するデータは、コントローラ3内の不
揮発性のメモリ34に時間軸に沿って記憶され、更にデ
ータ表示器40で時間軸に沿って視覚的に表示可能であ
る。従って前述同様に、各ポンプ段の温度を検知するデ
ータをデータ表示器40に時間軸に沿って視覚的に表示
すれば、いずれのポンプ段に異常が発生したかをオペレ
ータは容易に判定でき、真空ポンプのメンテナンスの適
切化を図り得る。
【0066】また実施形態3においても、実施形態1の
場合と同様に、温度の変化速度が所定のしきい値よりも
小さいときには、各ポンプ段についての温度の絶対値に
関するデータに基づき、真空ポンプのメンテナンス時期
が到来したことをコントローラ3は判断し、報知器42
を作動させてオペレータにアラームする。これにより適
切なメンテナンス時期の到来が報知される。これに対し
て、温度センサ24で検知された温度の変化速度が所定
のしきい値よりも大きいときには、温度の絶対値に関す
るデータをアラーム判定基準とするのではなく、各ポン
プ段の温度の変化速度をアラーム判定基準とする。これ
によりアラームが遅延することなく、適切なメンテナン
ス時期の到来が報知される。
【0067】(その他)上記した実施形態はルーツ型の
真空ポンプに適用した場合であるが、これに限らず、ス
クリューポンプ、スクロールポンプ等の他の種の真空ポ
ンプに適用することもできる。実施形態2はポンプ段が
4段であるが、これに限らず、2段、3段、5段でも良
い。また実施形態2は真空チャンバ70に対して複数の
ポンプ段が直列的に配置されている方式であるが、これ
に限らず、真空チャンバ70に対して複数のポンプ段が
並列的に配置されている方式でも良い。
【0068】その他、本発明は上記し且つ図面に示した
実施例のみに限定されるものではなく、必要に応じて適
宜変更して実施できるものである。
【0069】
【発明の効果】第1発明に係る真空ポンプによれば、真
空ポンプの停止時の運転状況ばかりでなく、真空ポンプ
の過去の運転状況に関する物理量についても時間軸に沿
って視覚的に認識することができる。故に、真空ポンプ
のエラー箇所を適切に判定するのに有利であり、真空ポ
ンプのメンテナンスの適切化を図り得る。
【0070】第2発明に係るメンテナンス判定機能付き
真空ポンプによれば、物理量の変化速度が小さいときに
は第1アラーム手段が物理量の絶対値に基づいてメンテ
ナンス時期をアラームすると共に、物理量の変化速度が
大きいときにはメンテナンス時期が予想外に早く到来し
易いため、第1アラーム手段ではアラームが遅延するお
それがある。そこで第2アラーム手段が物理量の変化速
度に基づいてメンテナンス時期をアラームする。故に、
真空ポンプのメンテナンス時期が遅延することを防止す
ることができ、メンテナンスの適切化を図り得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係り、真空ポンプの断面図であ
る。
【図2】実施形態1に係り、真空ポンプのブロック図で
ある。
【図3】真空ポンプを使用する際の時間とモータ電流と
の関係を模式的に示すグラフである。
【図4】読込処理のフローチャートである。
【図5】ポンプ運転処理のフローチャートである。
【図6】ポンプ運転処理のフローチャートである。
【図7】実施形態2に係り、真空ポンプの断面図であ
る。
【図8】実施形態2に係り、真空ポンプのコントローラ
のブロック図である。
【図9】実施形態3に係り、真空ポンプのコントローラ
のブロック図である。
【符号の説明】
図中、1はケーシング、10は吸込口、11は排出口、
14はポンプ部、16はモータ、20は電流センサ(検
知手段)、21は回転数センサ(検知手段)、23は圧
力センサ(検知手段)、24は温度センサ(検知手
段)、3はコントローラ、34はメモリ(記憶手段)、
40はデータ表示器(表示手段)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F04C 23/00 F04C 23/00 F 25/02 25/02 K (72)発明者 内藤 喜裕 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 (72)発明者 中山 宏一 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 Fターム(参考) 3H029 AA06 AB06 AB08 BB34 BB47 BB60 CC02 CC07 CC25 CC52 CC54 CC56 CC58 CC65 3H045 AA02 AA09 AA12 AA26 AA38 BA41 CA02 CA09 CA19 CA21 CA29 DA02 DA46 EA35 EA36 EA49

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸込口、ポンプ室及び排出口をもつケーシ
    ングと、前記ポンプ室に回転可能に設けられたロータと
    を具備し、該ロータの回転に伴い前記吸込口から吸気し
    た媒体を前記排出口から排出するポンプ部と、 前記ロータを回転させるモータとをもつ真空ポンプにお
    いて、 前記真空ポンプの運転状況に関する物理量を時間軸に沿
    って検知する検知手段と、前記検知手段で検知された前
    記真空ポンプの運転状況に関する物理量を記憶する記憶
    手段と、前記記憶手段に記憶した前記真空ポンプの運転
    状況に関する物理量に関するデータを時間軸に沿って視
    覚的に表示可能である表示手段とを備えていることを特
    徴とするメンテナンス判定機能付き真空ポンプ。
  2. 【請求項2】吸込口、ポンプ室及び排出口をもつケーシ
    ングと、前記ポンプ室に回転可能に設けられたロータと
    を具備し、該ロータの回転に伴い前記吸込口から吸気し
    た媒体を前記排出口から排出するポンプ部と、 前記ロータを回転させるモータとをもつ真空ポンプにお
    いて、 前記真空ポンプの運転状況に関する物理量を時間軸に沿
    って検知する検知手段と、前記検知手段で検知された前
    記真空ポンプの運転状況に関する物理量を時間軸で微分
    して物理量の変化速度を求め、前記物理量の変化速度が
    小さいときには、前記物理量の絶対値に基づいてメンテ
    ナンス時期をアラームする第1アラーム手段と、前記物
    理量の変化速度が大きいときには、前記物理量の変化速
    度に基づいてメンテナンス時期をアラームする第2アラ
    ーム手段とを備えていることを特徴とするメンテナンス
    判定機能付き真空ポンプ。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、前記物理量の
    異常値が検知されたときには、直ちにまたは所定時間経
    過後にポンプ部の運転を停止する異常運転停止手段と、
    前記異常運転停止手段が前記ポンプ部の運転を停止する
    直前における物理量に関するデータを記憶して表示する
    直前データ表示手段とを備えていることを特徴とするメ
    ンテナンス判定機能付き真空ポンプ。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項において、前
    記物理量は、ポンプ温度、前記ポンプ部から排出される
    排気ガス温度、前記真空ポンプの圧力、モータ電流、モ
    ータ回転数の少なくとも一つであることを特徴とするメ
    ンテナンス判定機能付き真空ポンプ。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか1項において、前
    記記憶手段は、記憶データを更新可能なリングバッファ
    状に構成された不揮発メモリであることを特徴とするメ
    ンテナンス判定機能付き真空ポンプ。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか1項において、前
    記記憶手段へのデータの記憶は、予め設定された時間間
    隔で、且つ、前記ポンプ部が運転状態にあるときに行わ
    れることを特徴とするメンテナンス判定機能付き真空ポ
    ンプ。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれか1項において、前
    記ケーシングのポンプ室は複数個設けられており、前記
    ポンプ部は各ポンプ室にそれぞれ設けられた複数段式の
    真空ポンプであり、前記検知手段は各ポンプ段にそれぞ
    れ設けられており、 各前記検知手段は、各ポンプ段において運転状況に関す
    る物理量を時間軸に沿って検知し、前記記憶手段は、各
    検知手段で検知された各ポンプ段ごとの物理量を時間軸
    に沿って記憶し、前記表示手段は、前記記憶手段に記憶
    した各ポンプ段ごとの物理量に関するデータを時間軸に
    沿って表示可能であることを特徴とするメンテナンス判
    定機能付き真空ポンプ。
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