JP2001012298A - 内燃機関の回転軸配置構造 - Google Patents

内燃機関の回転軸配置構造

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JP2001012298A
JP2001012298A JP11177736A JP17773699A JP2001012298A JP 2001012298 A JP2001012298 A JP 2001012298A JP 11177736 A JP11177736 A JP 11177736A JP 17773699 A JP17773699 A JP 17773699A JP 2001012298 A JP2001012298 A JP 2001012298A
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shaft
crankshaft
cylinder
gear
combustion engine
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Atsushi Ogasawara
敦 小笠原
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内燃機関の回転軸配置構造において、シリン
ダヘッドに支持された回転軸およびその駆動系の回転軸
の組み付け性を改善するとともに、駆動系の部品点数を
削減すること。 【解決手段】 内燃機関30のクランク軸31によりギ
ヤ60,65を介して駆動されるアイドラ軸は、クラン
クケース42の割り面Aで支持され、アイドラ軸により
ギヤ66,67を介して駆動されるカム軸53は、シリ
ンダ45とシリンダヘッド43との取付面Bで支持され
る。そして、アイドラ軸およびカム軸53は、シリンダ
45に関して、割り面Aを含む平面と取付面Bを含む平
面とが交差する側に配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本出願発明は、クランク軸の
軸線を含む割り面で分割されたクランクケースを備えた
内燃機関において、クランク軸により駆動される回転軸
の配置構造に関する。
【0002】
【従来の技術】クランク軸の軸線を含む割り面で分割さ
れたクランクケースを備えた内燃機関において、クラン
ク軸によりギヤ駆動される回転軸を備えたものが知られ
ている(特開昭61−119842号公報参照)。この
内燃機関では、クランクケースの割り面に、クランク軸
によりギヤ駆動されて、クランク軸と同一回転数で回転
するバランサ軸が支持されている。
【0003】また、クランク軸の軸線を含む割り面で分
割されたクランクケースを備えた内燃機関であって、ク
ランク軸により駆動されるギヤ列を介して駆動されるカ
ム軸を備えたものも知られている(特開平4−1341
03号公報参照)。この内燃機関では、カム軸を駆動す
るために、シリンダヘッドに支持された回転軸が、複数
の中間ギヤを介して駆動される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前者の従来
の内燃機関では、バランサ軸により駆動される回転軸を
備えておらず、シリンダヘッドに支持される回転軸とバ
ランサ軸との配置については考慮されていない。
【0005】また、後者の従来の内燃機関では、シリン
ダヘッドに支持された回転軸は、シリンダヘッドの高さ
方向の中央位置に組み付けられていて、その組み付け性
に難点があった。さらに、クランク軸により駆動される
中間軸は、シリンダの軸線に関して、クランクケースの
割り面を含む平面とシリンダヘッドの取付面を含む平面
とが交差する側とは反対側に配置されていて、シリンダ
ヘッドに支持された回転軸は、該中間軸により駆動され
る別の中間軸を介して駆動される。そのため、シリンダ
ヘッドに支持された回転軸を駆動するための部品点数が
多くなるとともに、内燃機関も大型のものとなってい
た。
【0006】本出願発明は、このような事情に鑑みてな
されたものであって、内燃機関の回転軸配置構造におい
て、シリンダヘッドに支持された回転軸およびその駆動
系の回転軸の組み付け性を改善するとともに、駆動系の
部品点数を削減することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】本出願
の請求項1記載の発明は、クランク軸の軸線を含む割り
面で分割された第1および第2クランクケースと、前記
第2クランクケースに設けられたシリンダに相互の取付
面にて取り付けられたシリンダヘッドと、前記クランク
軸によりギヤ駆動される第1回転軸と、該第1回転軸に
よりギヤ駆動される第2回転軸とを備えた内燃機関にお
いて、前記第1回転軸は前記割り面において、また前記
第2回転軸は前記取付面においてそれぞれ支持されると
ともに、前記第1回転軸および前記第2回転軸は、前記
シリンダの軸線に関して、前記割り面を含む平面と前記
取付面を含む平面とが交差する側に配置されている内燃
機関の回転軸配置構造である。
【0008】この請求項1記載の発明によれば、第1お
よび第2回転軸は、いずれも合わせ面であるクランクケ
ースの割り面およびシリンダとシリンダヘッドとの取付
面において組み付けられるため、その組み付け性が向上
する。さらに、両回転軸は、シリンダの軸線に関して、
割り面を含む平面と取付面を含む平面とが交差する側、
すなわち割り面と取付面とが相互に接近する側に配置さ
れているため、相互に近接させて配置することが可能と
なり、両者の間に中間軸を介在させることなく、また各
回転軸に取り付けられるギヤを大径化させることなく、
両回転軸を直接ギヤ結合することができる。そのため、
シリンダの軸線方向の高さを低く抑えるとともにシリン
ダ周囲の大型化を防止することが可能となり、また部品
点数の削減ができる。
【0009】さらに、複数の回転軸を配置するに当た
り、シリンダの前記交差する側の割り面と取付面に挟ま
れた狭いスペースを有効に利用しているため、その反対
側に広いスペースを形成することができ、そのスペース
に他の周辺部品を配置することが可能となって、部品配
置の自由度を増すことができる。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載の内
燃機関の回転軸配置構造において、前記第2回転軸は動
弁機構を駆動するカム軸であるものである。
【0011】この請求項2記載の発明によれば、カム軸
をシリンダとシリンダヘッドとの取付面に配置できるの
で、動弁機構が配置されるシリンダヘッドの高さを抑え
ることができ、カム軸がシリンダの前記交差する側の割
り面と取付面に挟まれた狭いスペースに配置されること
と相俟って、コンパクトな内燃機関30とすることがで
きる。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項2記載の内
燃機関の回転軸配置構造において、前記第1回転軸はバ
ランサ軸であるものである。
【0013】この請求項3記載の発明によれば、クラン
ク軸同期回転軸としてのバランサ軸とカム軸とが、合わ
せ面であるクランクケースの割り面およびシリンダとシ
リンダヘッドとの取付面を利用してそれぞれ配置され、
かつ相互にギヤ結合されるので、それらクランク軸同期
回転軸を駆動するための伝動部材が削減され、さらなる
エンジンのコンパクト化が可能となる上、組み付け性お
よび整備性が向上する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本出願発明の実施形態を図
1ないし図3を参照して説明する。図1は、本出願発明
の回転軸配置構造を有する内燃機関が搭載されるスクー
タ型の自動2輪車1の左側面図である。なお、この明細
書において、「前後左右」は、車体における前後左右を
意味する。また、「車体中心」とは、自動2輪車に装着
された車輪の左右方向の中央位置を通る鉛直面を意味す
る。さらに、「車体中心の近傍」とは、自動2輪車に装
着された車輪の左右方向の幅の範囲内を意味する。
【0015】自動2輪車1は、ボルト2により連結され
たフロントフレーム3およびリヤフレーム4からなるメ
インフレームを有する。フロントフレーム3の前部に
は、前輪5を懸架するフロントサスペンション機構およ
び前輪5を操舵するステアリング機構が設けられ、リヤ
フレーム4の前方の背後には後輪6を駆動するパワーユ
ニット7が設けられ、リヤフレーム4の後部には後輪6
を懸架するリヤサスペンション機構が設けられ、リヤフ
レーム4の上方にシート8が設けられている。
【0016】自動2輪車1には、さらに前方から後方に
順に、フロントフェンダ9、フロントカバー10、ステ
ップフロア11、フレームボディカバー12およびリヤ
フェンダ13が取り付けられ、さらにステップフロア1
1には左右一対のサイドカバー13が設けられている。
シート8の下方のフレームボディカバー12内には、ヘ
ルメット等を収納する収納ボックス15が設けられてい
る。
【0017】フロントサスペンション機構は、前輪5の
右側に位置して、フロントフレーム3の前方下端部の支
軸に上下方向に揺動自在に支持されたスイングアーム1
6と、一端部がスイングアーム16に枢着され、他端部
がフロントフレーム3に枢着された緩衝装置17とを備
えている。スイングアーム16の前方端部には、キング
ピン18を介して車軸ホルダ19が左右方向に揺動自在
に取り付けられ、さらに車軸ホルダ19に取り付けられ
た車軸20に前輪5が回転自在に支持されている。
【0018】ステアリング機構は、フロントフレーム3
の前方上端部に取り付けられたヘッドパイプ21に回動
自在に支持されたハンドルポスト22と、ハンドルポス
ト22の下端部に取り付けられたステアリングアーム2
3と、一端部がステアリングアーム23に枢着され、他
端部が車軸ホルダ19のアーム19aに枢着されたリン
ク24とを備えている。このように、ステアリング機構
とフロントサスペンション機構とが相互に独立した機構
となるようにして、操縦性の向上を図っている。
【0019】パワーユニット7の前部は、左右一対のリ
ヤフレーム4にそれぞれ取り付けられたブラケット25
のハンガ孔26と、後述する内燃機関30の下クランク
ケース42の前方端部およびシリンダヘッド43の前方
端部にそれぞれ設けられた管ブッシュ46(図2参照)
とに、それぞれ挿入された一対のハンガボルトにより、
リヤフレーム4に揺動自在に支持されている。一方、パ
ワーユニット7の後部は、左側のリヤフレーム4の後部
に緩衝装置27を介して取り付けられている。これによ
って、パワーユニット7は、走行時に路面の起伏に応じ
て上下に揺動できるようになっている。
【0020】また、車体の低重心化のために、パワーユ
ニット7は車体の下方に配置される。その配置の例とし
て、両管ブッシュ46の軸線は、内燃機関30のクラン
ク軸31の軸線C1を含む水平面より僅か上方に位置し
て、両管ブッシュ46の両軸線がステップフロア11の
上面位置よりも下方に位置するようにするとともに、ラ
ジエータ41を除いたパワーユニット7の上端面がステ
ップフロア11の上面の延長面と略等しい高さとなるよ
うにしている。
【0021】パワーユニット7は、内燃機関30と、遊
星ギヤ式変速機91および最終減速装置110を備えた
動力伝達装置90とを備えている。内燃機関30は、火
花点火式の4サイクル単気筒水冷式内燃機関であり、フ
レームボディカバー12の下方に配置されたエアクリー
ナ32から延びる可撓性の空気導入管33が、車体の右
側に配置されたスロットルボディ34の上流端部に接続
されている。スロットルボディ34の下流端部にはシリ
ンダヘッド43の吸気ポートに接続された吸気管35が
接続されており、該吸気管35には燃料噴射弁36が取
り付けられている。この燃料噴射弁36には、ステップ
フロア11の下部に配置された燃料タンク37から燃料
が供給される。また、車体に右側には、シリンダヘッド
43の排気ポートに接続された排気管38が接続された
排気マフラ39が配置されている。さらに、クランクケ
ース42の前方端部に装着されたファンカバー40内に
配置された冷却ファンからの冷却風が当てられるラジエ
ータ41が、クランクケース42の上部に配置されてい
る。
【0022】動力伝達装置90の変速機91の出力は、
最終減速装置110のドライブ軸111を備えたシャフ
トドライブ機構により後輪6の車軸に伝達されて、後輪
6が駆動される。
【0023】次に、図1のII−II線でクランクケー
ス42およびシリンダヘッド43を切断したときのギヤ
の噛み合いを中心にした要部概略図である図2、および
図2のIII−III線断面図である図3を参照して、
パワーユニット7についてさらに説明する。
【0024】内燃機関30は、クランクケース42、シ
リンダヘッド43およびシリンダヘッドカバー44が順
次重ねられて組み付けられて構成されている。クランク
ケース42は、内燃機関30のクランク軸31の軸線C
1を含むとともに、水平面に対して傾斜した割り面Aに
より上下のクランクケース42U,42Lに二分割され
ており、下クランクケース42Lにおける割り面Aは、
車体の右上方を向くようにされている。上クランクケー
ス42Uの上部には、クランク軸31の軸線C1に対し
て車体の右上方に傾斜した軸線C2を有するシリンダ4
5が一体成形されていて、このシリンダ45の右上方を
向いている取付面Bに、シリンダヘッド43が、シリン
ダヘッド43側の取付面Bにて取り付けられている。
【0025】また、両クランクケース42U,42L
は、クランク軸31の動力を後輪6に伝達する動力伝達
装置90の変速機91の前部を覆う変速機ケースの一部
を兼ねている。さらに、下クランクケース42Lの前方
端部外面には、リヤフレーム4のブラケット25にパワ
ーユニット7を支持するハンガボルトが挿通される管ブ
ッシュ46が設けられている。この管ブッシュ46は、
下クランクケース42に一体成形された円筒部46a
と、その外周面が円筒部46aの内周面に固着された円
筒状のゴム等からなる弾性部材46bと、その外周面が
弾性部材46bの内周面に固着されるとともに内側をハ
ンガボルトが挿通する金属製の挿通管46cとから構成
される。そして、同一構造の管ブッシュ46が、シリン
ダヘッド43にも設けられている。
【0026】クランク軸31は、その軸線C1が車体の
前後方向を指向して、いわゆる縦置き配置とされて、ク
ランクケース42に一対の主軸受49,50を介して支
持されている。各主軸受49,50は、両クランクケー
ス42U,42Lの割り面Aにそれぞれ形成された半円
柱状の凹溝に保持されており、クランク軸31の軸線C
1が割り面A上に位置するようにされている。また、ク
ランク軸31の軸線C1の左右方向の位置は、車体中心
C0に対して左側において、車体中心C0の近傍とした
が、その位置は、右方向および左方向のそれぞれの車体
の最大バンク角が略等しくなるように、車体中心C0の
近傍で適宜設定される。
【0027】そして、シリンダ45のシリンダボアに摺
動自在に嵌合されたピストン47のピストンピンに小端
部が枢着され、大端部がクランク軸31のクランクピン
に枢着されたコンロッド48を介して、往復動するピス
トン47によりクランク軸31が回転駆動される。ま
た、クランク軸31には、ピストンピンの反対側にバラ
ンスウエイト31aが設けられていて、ピストン47お
よびコンロッド48の往復動による振動の発生を抑制し
ている。
【0028】ここで、割り面A、取付面Bおよびシリン
ダ45の軸線C2の関係についてさらに詳細に説明す
る。クランク軸31の軸線C1と直交しかつシリンダ4
5の軸線C2を含んだ基準平面において、割り面Aと前
記基準平面との交線と、クランク軸31の軸線C1と前
記基準平面との交点から上方に延びる鉛直な半直線であ
る基準鉛直線とがなす角度αは鋭角とされている。ま
た、シリンダ45の軸線C2と前記基準鉛直線とがなす
角度βもやはり鋭角となっていて、両角度α、βは略等
しくされている。また、取付面Bと前記基準平面との交
線の延長線と前記基準鉛直線とがなす角度であって角度
αの同位角となる角度γは、角度αより小さくされてい
る。したがって、割り面Aと前記基準平面との交線、取
付面Bと前記基準平面との交線およびシリンダ45の軸
線C2が、車体中心C0と前記基準平面との交線との間
で形成する角度も、それぞれ角度α、角度βおよび角度
γとなっている。なお、これら角度α、β、γの値は、
設定すべきバンク角の大きさ等を考慮して、適宜設定さ
れるものである。
【0029】この結果、右下から左上に傾斜している割
り面Aおよび取付面Bに関して、取付面Bは割り面Aよ
りも水平面に対して大きな角度で傾斜している。そし
て、割り面Aを含む平面と取付面Bを含む平面とは、シ
リンダ45の下方で交差する。
【0030】シリンダヘッド43には、吸気ポートおよ
び排気ポートのほかに、複動型のピストン式過給機52
に接続された吐出空気導管が接続された過給ポートが形
成されていて、各ポートはシリンダヘッド43の下面に
形成された燃焼室に連通している。燃焼室には、燃料噴
射弁36から吸気ポートに向けて噴射された燃料と空気
との混合気が供給される。そして、その混合気に点火す
るための点火栓51が、燃焼室に臨んでシリンダヘッド
43に取り付けられている。
【0031】また、シリンダヘッド43および上クラン
クケース42のそれぞれの後方端部には、上クランクケ
ース42およびシリンダヘッド43の取付面Bにそれぞ
れ形成された半円柱状の凹溝により形成される孔が設け
られ、該孔に過給機52のハウジングを形成する過給シ
リンダ52aが嵌合されている。
【0032】さらに、シリンダヘッド43および上クラ
ンクケース42Uには、その軸線C3が車体の前後方向
を指向して配置されたカム軸53が、一対の軸受54,
55を介して回転自在に支持されている。各軸受54,
55は、上クランクケース42およびシリンダヘッド4
3の取付面Bにそれぞれ形成された半円柱状の凹溝に保
持されており、カム軸53の軸線C3が、取付面B上に
位置するようにされている。このようなカム軸53の配
置により、カム軸をシリンダヘッドのみで支持した内燃
機関に比べて、シリンダ45の軸方向の高さを低く抑え
ることができ、パワーユニット7の左右方向の張り出し
寸法を小さくすることができる。
【0033】図3に図示されるように、クランク軸31
の前側の主軸受49よりも前方に位置する前方端部には
交流発電機56が設けられていて、発電機56のロータ
56aはクランク軸31の前方端部のナット57により
クランク軸31に固定されている。また、発電機56の
ロータ56aには、ラジエータ41に冷却用の空気を送
る冷却ファン58がボルト59により取り付けられてい
る。
【0034】一方、クランク軸31の後側の主軸受50
より後方には、後方に向かって順に第1駆動ギヤ60お
よび第2駆動ギヤ61がクランク軸31と一体に回転す
るようにそれぞれ取り付けられている。また、クランク
軸31の後方端面には、クランク軸31と同軸の嵌合穴
が形成され、該嵌合穴内に中空のオイルポンプ62の駆
動軸62aが嵌合されて、クランク軸31と一体に回転
するようになっている。オイルポンプ62は、トロイコ
イド式のものであって、両クランクケース42U,42
Lおよび変速機ケース92との接合面を利用して形成さ
れたケーシングの内部空間内で、ロータ62bが駆動軸
62aにより回転駆動される。
【0035】下クランクケース42の底部に溜められた
オイルは、変速機ケース92に形成された吸入通路63
を経てオイルポンプ62に吸引され、オイルポンプ62
から吐出されたオイルは、クランクケース42および変
速機ケース92に設けられた油路および油管を通ってカ
ム軸53、変速機91のセンタ軸93や各軸受にそれぞ
れ供給される。また、クランク軸31の両主軸受49,
50およびクランクピン31bとコネクティングロッド
の大端部との摺動部には、駆動軸62aの内部を通っ
て、吐出されたオイルが供給される。
【0036】第1駆動ギヤ60は、アイドラ軸64と一
体に回転するように取り付けられた大ギヤ65と噛合す
る。このアイドラ軸64は後述するようにバランサ軸と
もなっているため、クランク軸31と等しい回転数で回
転するように、大ギヤ65の歯数は第1駆動ギヤ60の
歯数と等しくされている。また、カム軸53を回転駆動
するために、カム軸53と一体に回転するように設けら
れたカムギヤ67と噛合する小ギヤ66が、大ギヤ65
に一体に設けられている。そして、これら一連のギヤ列
60,65,66,67により、カム軸53はクランク
軸31の2回転毎に1回転する。
【0037】カムギヤ67は、複動型のピストン式過給
機52の過給ピストン52bを往復動させる過給クラン
ク軸52cにスプライン結合されている。カム軸53に
は、後述する各カムと各ロッカーアームとの摺動部にオ
イルを供給する油路となる中空部が形成されており、こ
の中空部の過給機52側の端部には過給クランク軸52
cの延長部が圧入されている。これによって、カム軸5
3は過給クランク軸52cと一体に回転する。
【0038】動弁機構を駆動するカム軸53には、吸気
弁68、排気弁(図示されず)および過給弁69をそれ
ぞれ開弁駆動するための吸気カム、排気カムおよび過給
カムが設けられている。すなわち、吸気弁68は、吸気
カムに当接して揺動される吸気第1ロッカアーム70に
より引き下げられるロッド72で揺動される吸気第2ロ
ッカアーム71により開弁駆動される。吸気弁68と同
様に排気弁も、排気カムに当接して揺動される排気第1
ロッカアームにより引き下げられるロッドで揺動される
排気第2ロッカアームにより開弁駆動される。一方、過
給弁69は、過給カムに当接して揺動される過給第1ロ
ッカアーム73により押し上げられるロッド75で揺動
される過給第2ロッカアーム74により開弁駆動され
る。
【0039】なお、内燃機関30の制御のために、シリ
ンダヘッド43には、カム軸53の前方端部に固定され
た回転板によりカム軸53の回転位置を検出する回転位
置センサ76が取り付けられており、該センサ76によ
り燃料噴射時期制御に必要な機関行程状態の検出が行わ
れる。
【0040】ところで、その軸線C4が車体の前後方向
を指向して配置されたアイドラ軸64は、円筒状に形成
されていて、大円筒部64aと小円筒部64bとを備え
ている。大円筒部64aおよび小円筒部64bは、両ク
ランクケース42U,42Lにより保持された一対の軸
受77,78によりそれぞれ回転自在に支持されてい
る。各軸受77,78は、クランク軸31の主軸受4
9,50と同様に、両クランクケース42U,42Lの
割り面Aにそれぞれ形成された半円柱状の凹溝に保持さ
れており、アイドラ軸64の軸線C4が、割り面A上に
位置するようにされている。また、割り面Aが車体中心
C0に対して角度αで傾斜しているため、アイドラ軸6
4の軸線C4は、クランク軸31の軸線C1よりも下方
で、かつ車体中心C0に対して右側に位置している。
【0041】そして、大円筒部64aの内側には、大円
筒部64aの内周面から径方向の間隙を置いて、冷却水
ポンプ79のハウジング79aが収容されている。ハウ
ジング79aには冷却水ポンプ79のカバー79bが液
密に取り付けられていて、カバー79bにはラジエータ
41の出口側タンクからの導水管80が接続されてい
る。また、シリンダ45には、冷却水ポンプ79の吐出
部と連通し、シリンダボアを囲んで形成された冷却水ジ
ャケットに連通する吐出孔81(図2参照)が形成され
ている。
【0042】ハウジング79aおよびカバー79bによ
り形成されたポンプ室内には、ポンプ室内を軸方向に延
びて、一端がカバー79bの頂部に、他端がハウジング
79aの底部にそれぞれ回転自在に支持された回転軸7
9cが設けられる。冷却水ポンプ79は、3枚の羽根を
有するとともに回転軸79cに一体に取り付けられたイ
ンペラ79dを備えていて、該インペラ79dの軸部の
周方向には永久磁石79eが取り付けられている。アイ
ドラ軸64の大円筒部64aの内周面とハウジング79
aとの前記間隙において、大円筒部64aの内周面に
は、ハウジング79aとの間に微少な間隙を置いた状態
で、周方向に永久磁石79fが取り付けられており、イ
ンペラ79dの軸部の永久磁石79eとの間で磁気カッ
プリングを形成している。
【0043】また、ラジエータ41は、上クランクケー
ス42Uとシリンダヘッド43とで形成されたV字の間
に配置されて、その左右の両端が、上クランクケース4
2およびシリンダヘッド43にそれぞれ固定されてい
る。
【0044】したがって、アイドラ軸64が回転する
と、この磁気カップリングを介してインペラ79dが回
転し、導水管80を経てポンプ室に流入した冷却水は、
インペラ79dにより高圧とされて、吐出孔81を経て
冷却水ジャケットに圧送される。
【0045】シリンダ45およびシリンダヘッド43の
高温部を冷却し終えた冷却水は、図2に図示されるよう
に、シリンダヘッド43の冷却水出口からサーモスタッ
ト82を介してラジエータ41の入口側タンクに流入す
る。シリンダヘッド43の冷却水出口は、突出筒状に形
成されていて、その突出筒部がラジエータ41の入口側
タンクの側部に形成された収容室41aの室壁を貫通し
て該収容室内41aに嵌入することにより、シリンダヘ
ッド43の冷却水出口とラジエータ41の入口側タンク
との間の流体連通が図られている。サーモスタット82
は、この突出筒部が収容室41aの室壁を貫通する部分
の流路中に配置されて取り付けられている。
【0046】このように、上クランクケース42Uとシ
リンダヘッド43とで形成されるV字の空間を利用し
て、ここにラジエータ41をコンパクトに配置すること
ができ、パワーユニット7のコンパクト化が可能とな
る。また、シリンダヘッド43の冷却水出口とラジエー
タ41の入口側タンクとの間を接続するホース等の水管
の配管が不要となって、周辺部品の配置の自由度を増す
ことができる。さらに、冷却水通路の連通接続が極めて
容易である。
【0047】さらに、アイドラ軸64の大円筒部64a
の外周面には、一部に開口が設けられた円筒状のウエイ
ト83が取り付けられていて、バランスウエイト31a
を備えたクランク軸31の回転により発生する振動と、
ピストン47およびコンロッド48の往復動により発生
する振動とを抑制するバランサを形成するようにしてい
る。
【0048】したがって、アイドラ軸64は、冷却水ポ
ンプ79を駆動する駆動軸であるとともに、前述のよう
にバランサ軸ともなっている。このように、カム軸53
を駆動する駆動機構に設けられたアイドラ軸64を、同
軸の2軸式の回転軸とすることにより、冷却水ポンプ7
9の駆動軸およびバランサ軸としても機能させることが
できる。その結果、アイドラ軸とは別に、それら機能を
有する回転軸を設ける場合に比べてコストを削減でき
る。
【0049】ところで、カム軸53およびアイドラ軸6
4は、シリンダ45の軸線C2に関して、割り面Aを含
む平面と取付面Bを含む平面とが交差する側、すなわち
割り面Aと取付面Bとが相互に接近する側に配置されて
いるため、割り面Aに支持されたアイドラ軸64および
取付面Bに支持されたカム軸53を相互に近接させて配
置することができて、アイドラ軸64とカム軸53との
間に別の中間軸を介在させることなく、また小ギヤ66
およびカムギヤ67を大きくすることなく、両回転軸を
直接小ギヤ66およびカムギヤ67により結合すること
ができる。そのため、シリンダ45の軸線C2方向の高
さを低く抑えることが可能となって、パワーユニット7
の左右方向への張り出し寸法が小さくなり、さらにシリ
ンダ周囲の大型化を防止することも可能となって、パワ
ーユニット7がコンパクトになる。また、中間軸が不要
となる点で部品点数の削減ができる。
【0050】また、カム軸53およびアイドラ軸64
は、クランク軸31から右上方に傾斜するシリンダ45
の下方に位置することになるため、パワーユニット7の
重心を低くすることができる。
【0051】さらに、シリンダ45の前記交差する側の
割り面Aと取付面Bに挟まれた狭いスペースに、カム軸
53と複数の機能を有する同軸の2軸式の回転軸である
アイドラ軸64が集中して配置されるため、その反対側
のシリンダ45の側面に、回転軸がない広いスペースを
形成することができ、そのスペースに周辺部品を配置す
ることができる。
【0052】一方、動力伝達装置90の構成要素である
遊星ギヤ式変速機91は、センタ軸93、入力ギヤ9
4、発進クラッチ95、2速用、3速用および4速用の
各変速クラッチ96,97,98、および出力軸99を
備えている。車体の前後方向を指向して配置されたセン
タ軸93は、その前方端部は、上および下クランクケー
ス42U,42Lの割り面Aにおいて、両クランクケー
ス42U,42Lの前方端部内面にそれぞれ形成された
有底の半円柱状の凹溝に嵌合され、その後方端部は、変
速機ケース92の後端面に取り付けられた最終減速装置
110のケースの支持孔に挿入されて支持されている。
そして、最終減速装置110のケースに取り付けられた
軸端を覆う回り止め部材100により、センタ軸93は
回転不能とされている。
【0053】したがって、センタ軸93の軸線C5は、
割り面A上に位置していて、車体中心C0の近傍に配置
されているクランク軸31の軸線C1に対して左斜め上
方において車体の前後方向に延びている。その結果、動
力伝達装置90もクランク軸31の軸線C1に対して左
斜め上方に配置されることになる。
【0054】これに対して、やはり割り面Aに支持され
ているアイドラ軸64の軸線C4は、クランク軸31の
軸線C1に対して右斜め下方において車体の前後方向に
延びている。その結果、変速機91のセンタ軸93およ
びアイドラ軸64がクランク軸31を挟んでその両側に
配置されることにより、クランク軸31の一方の側のみ
に二つの回転軸を配置する場合に比べて、左右方向のパ
ワーユニット7の張り出し寸法を小さくできてパワーユ
ニット7をコンパクトにすることができる。
【0055】また、センタ軸93の前方端部は両クラン
クケース42U,42Lの前方端部で支持されているこ
とから、センタ軸93の前端は、クランク軸31の後端
よりも車体の前方に位置している。したがって、クラン
ク軸31とセンタ軸93とを前後方向において重なるよ
うに配置できるため、パワーユニット7の前後方向の長
さを短縮できて、コンパクトなパワーユニット7とする
ことができる。
【0056】以下、変速機91の作動を中心に説明す
る。クランク軸31の第2駆動ギヤ61は、センタ軸9
3に回転自在とされたフランジ付きボス101の軸方向
の中央部に設けられたフランジに取り付けられた入力ギ
ヤ94に噛合している。フランジ付きボス101の後部
は、発進クラッチ95のクラッチインナ95aと一体的
に回転するように結合され、またその前部には、始動モ
ータの減速機構を構成するアイドラ軸の小ギヤ104と
噛合する始動ドリブンギヤ105が一方向クラッチ10
6を介して取り付けられている。そして、始動時は、始
動モータの回転が、ピニオン102、アイドラ軸の大ギ
ヤ103、アイドラ軸の小ギヤ104、始動ドリブンギ
ヤ105、一方向クラッチ106、入力ギヤ94および
第2駆動ギヤ61を経てクランク軸31に伝達される。
【0057】発進クラッチ95は、センタ軸93と同軸
に設けられ、クラッチインナ95a、アウタクラッチ9
5bおよび遠心ウエイト95cを有していて、クラッチ
インナ95aが所定回転数に達したとき遠心ウエイト9
5cの作動により、クラッチインナ95aとアウタクラ
ッチ95bとが接続されて両者が一体に回転すること
で、発進クラッチ95は完全な接続状態となる。
【0058】また、各変速クラッチ96,97,98
は、遊星ギヤ機構およびクラッチ機構を有している。ク
ラッチ機構のクラッチアウタは遊星ギヤ機構の内歯ギヤ
と一体に結合され、クラッチ機構のクラッチインナは遊
星ギヤ機構の遊星ギヤを枢支するキャリアと一体に結合
されている。さらに、キャリアは、その回転数が所定回
転数に達すると複数のクラッチ板を介してクラッチアウ
タとクラッチインナとを一体にする遠心ウエイトを有し
ている。また、太陽ギヤは、センタ軸93に一方向クラ
ッチを介して取り付けられている。
【0059】発進クラッチ95のクラッチアウタ95b
は、2速用変速クラッチ96のクラッチアウタ96aと
一体に結合され、2速用変速クラッチ96のキャリア9
6bは、3速用変速クラッチ97のクラッチアウタ97
aと一体に結合されている。同様に、3速用変速クラッ
チ97のキャリアは4速用変速クラッチ98のクラッチ
アウタに、また4速用変速クラッチ98のキャリアは出
力軸99に、それぞれ一体に結合されている。
【0060】2速用変速クラッチ96においては、クラ
ッチ機構が作動してクラッチアウタ96aでもある内歯
ギヤとクラッチインナでもあるキャリア96bとが一体
になる所定回転数に達するまでは、一方向クラッチ96
dにより回転しない太陽ギヤ96cのために、キャリア
96bが所定の減速比で回転し、減速された回転数で3
速用変速クラッチ97のクラッチアウタ97aが回転す
る。同様にして、3速用変速クラッチ97の減速作用に
より所定の減速比で4速用変速クラッチ98のクラッチ
アウタが回転され、さらに4速用変速クラッチ98の減
速作用により所定の減速比で出力軸99が回転されるこ
とで、最大減速比が得られる。
【0061】次いで、2速用変速クラッチ96におい
て、キャリア96bの回転数が所定回転数に達してクラ
ッチ機構が作動して内歯ギヤとキャリア96bとが一体
となると、2速用変速クラッチ96の全体が減速作用を
することなく一体に回転し、3速用変速クラッチ97の
キャリアが所定回転数に達するまでは、キャリアが所定
の減速比で回転し、減速された回転数で4速用変速クラ
ッチ98のクラッチアウタが回転する。さらに、4速用
変速クラッチ98の減速作用により所定の減速比で出力
軸99が回転されることで、より小さい減速比が得られ
る。
【0062】同様にして、3速用変速クラッチ97がク
ラッチ機構の作動でその全体が減速作用をすることなく
一体に回転すると、4速用変速クラッチ98の減速作用
により所定の減速比で出力軸99が回転されて、より小
さい減速比が得られる。そして、4速用変速クラッチ9
9がクラッチ機構の作動でその全体が減速作用をするこ
となく一体に回転すると、発進クラッチ95のクラッチ
インナ95aと出力軸99とが直結された状態となり、
出力軸99はクラッチインナ95aと同じ回転数で回転
される。
【0063】なお、これら所定回転数は、それぞれ異な
った値を有するものであり、変速特性を考慮して適宜設
定されるものである。
【0064】このように作動する変速機91の出力は、
シャフトドライブ機構により後輪6に伝達される。すな
わち、変速機91の出力軸99に取り付けられた出力ギ
ヤ107は、最終減速装置110のドライブ軸111に
固定されたギヤ112と噛合している。センタ軸93に
比べて車体中心C0寄りの位置であり、かつその軸線C
6が車体の前後方向を指向して配置されたドライブ軸1
11において、その後方端部には、図示されないベベル
ギヤが形成されていて、このベベルギヤが後輪6の車軸
に取り付けられた従動ベベルギヤと噛合している。これ
により、出力軸99の回転が減速されて後輪6が駆動さ
れる。このとき、クランク軸31の軸線C1は、車輪の
大きさにより設定されるドライブ軸111の軸線C6よ
り下方に位置するようにして、パワーユニット7の低重
心化、したがって車体の低重心化を図っている(図1参
照)。
【0065】なお、内燃機関30の制御のために、最終
減速装置110のケースには、ドライブ軸111の回転
信号を検出する回転数センサ113が取り付けられてお
り、該センサ113により変速機91の出力軸99の回
転数が検出される。
【0066】この実施形態は、前記のように構成されて
いるので、以下の効果を奏する。アイドラ軸64および
カム軸53は、いずれも合わせ面であるクランクケース
42の割り面Aおよびシリンダ45とシリンダヘッド4
3との取付面Bにおいて組み付けられるため、その組み
付け性が向上する。
【0067】カム軸53およびアイドラ軸64は、シリ
ンダ45の軸線C2に関して、割り面Aを含む平面と取
付面Bを含む平面とが交差する側、すなわち割り面Aと
取付面Bとが相互に接近する側に配置されているため、
割り面Aに支持されたアイドラ軸64および取付面Bに
支持されたカム軸53を相互に近接させて配置すること
ができて、アイドラ軸64とカム軸53との間に別の中
間軸を介在させることなく、また小ギヤ66およびカム
ギヤ67を大きくすることなく、両回転軸を直接小ギヤ
66およびカムギヤ67により結合することができる。
そのため、シリンダ45の軸線C2方向の高さを低く抑
えることが可能となって、パワーユニット7の左右方向
への張り出し寸法が小さくなり、さらにシリンダ周囲の
大型化を防止することも可能となって、パワーユニット
7がコンパクトになる。また、中間軸が不要となる点で
部品点数の削減ができる。
【0068】さらに、シリンダの側面に複数の回転軸を
配置するに当たり、シリンダ45の前記交差する側の割
り面Aと取付面Bに挟まれた狭いスペースに、カム軸5
3と複数の機能を有する同軸の2軸式の回転軸であるア
イドラ軸64を集中してコンパクトに配置できるととも
に、その反対側のシリンダ45の側面に、回転軸がない
広いスペースを形成することができ、そのスペースに周
辺部品を配置することができる。
【0069】カム軸53がシリンダ45とシリンダヘッ
ド43との取付面Bに配置されるので、動弁機構が配置
されるシリンダヘッド43の高さを抑えることができ、
さらにカム軸53が、シリンダ45の前記交差する側の
割り面Aと取付面Bに挟まれた狭いスペースに配置され
ることと相俟って、コンパクトな内燃機関30とするこ
とができる。
【0070】クランク軸31の同期回転軸として、バラ
ンサ軸であるアイドラ軸64とカム軸53とが、合わせ
面であるクランクケース42の割り面Aおよびシリンダ
45とシリンダヘッド43との取付面Bを利用してそれ
ぞれ配置され、かつ相互に小ギヤ66およびカムギヤ6
7によりギヤ結合されるので、クランク軸31のそれら
同期回転軸を駆動するためのアイドラギヤ等の伝動部材
が削減され、さらなるエンジンのコンパクト化が可能と
なる上、組み付け性および整備性が向上する。
【0071】カム軸53を駆動する駆動機構に設けられ
たアイドラ軸64を、同軸の2軸式の回転軸とすること
により、冷却水ポンプ79の駆動軸およびバランサ軸と
しても機能させることができる。その結果、アイドラ軸
64とは別に、それら機能をそれぞれ有する複数の回転
軸を設ける場合に比べてコストを削減できる。
【0072】また、カム軸53およびアイドラ軸64
は、クランク軸31から右上方に傾斜するシリンダ45
の下方に位置するため、パワーユニット7の重心を低く
することができる。
【0073】車体の前後方向を指向しかつ車体中心C0
の近傍に配置されたクランク軸31の軸線C1に対し
て、シリンダ45の軸線C2が右上方に傾斜し、動力伝
達装置90の構成要素である遊星ギヤ式変速機91のセ
ンタ軸93の軸線C5が左斜め上方において前後方向を
指向して配置されることから、車体中心C0に関して、
シリンダ45が右上方に、変速機91が左上方にそれぞ
れ略同じ角度で傾斜して配置される。その結果、車体の
低重心化のため車体の下方にパワーユニット7が配置さ
れた自動2輪車1において、車体のバンク角を大きく取
ることが可能となる。さらに、略等しい角度で傾斜して
いるため左右のバランスを確保することができる。
【0074】クランク軸31の軸線C1がドライブ軸1
11の軸線C6より下方に配置されるため、後輪6が装
着される車軸を駆動するドライブ軸111の所要の高さ
を確保した上で、パワーユニット7の低重心化、したが
って車体の低重心化ができる。
【0075】上クランクケース42とシリンダヘッド4
3とで形成されるV字の空間を利用して、ここにラジエ
ータ41をコンパクトに配置することができ、パワーユ
ニット7のコンパクト化が可能となる。
【0076】遊星ギヤ式変速機91のセンタ軸93の前
端は、クランク軸31の後端より車体の前方の位置であ
る両クランクケース42の前方端部の内面に位置してい
るため、パワーユニット7の前後方向の長さを短くする
ことができ、コンパクトなパワーユニット7とすること
ができる。
【0077】変速機91のセンタ軸93およびアイドラ
軸64がクランク軸31を挟んでその両側に配置される
ことにより、クランク軸31の一方の側のみに二つの回
転軸を配置する場合に比べて、左右方向のパワーユニッ
ト7の張り出し寸法を小さくできてパワーユニット7を
コンパクトにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本出願発明の回転軸配置構造を有する内燃機関
が搭載されるスクータ型の自動2輪車の左側面図であ
る。
【図2】図1のII−II線でクランクケースおよびシ
リンダヘッドを切断したときのギヤの噛み合いを中心に
した要部概略図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【符号の説明】
1…自動2輪車、2…ボルト、3…フロントフレーム、
4…リヤフレーム、5…前輪、6…後輪、7…パワーユ
ニット、8…シート、9…フロントフェンダ、10…フ
ロントカバー、11…ステップフロア、12…フレーム
ボディカバー、13…リヤフェンダ、14…サイドカバ
ー、15…収納ボックス、16…スイングアーム、17
…緩衝装置、18…キングピン、19…車軸ホルダ、2
0…車軸、21…ヘッドパイプ、22…ハンドルポス
ト、23…ステアリングアーム、24…リンク、25…
ブラケット、26…ハンガ孔、27…緩衝装置、30…
内燃機関、31…クランク軸、32…エアクリーナ、3
3…空気導入管、34…スロットルボディ、35…吸気
管、36…燃料噴射弁、37…燃料タンク、38…排気
管、39…排気マフラ、40…ファンカバー、41…ラ
ジエータ、42…クランクケース、43…シリンダヘッ
ド、44…シリンダヘッドカバー、45…シリンダ、4
6…管ブッシュ、47…ピストン、48…コンロッド、
49,50…主軸受、51…点火栓、52…過給機、5
3…カム軸、54,55…軸受、56…交流発電機、5
7…ナット、58…冷却ファン、59…ボルト、60,
61…駆動ギヤ、62…オイルポンプ、63…吸入通
路、64…アイドラ軸、65,66,67…ギヤ、68
…吸気弁、69…過給弁、70,71…吸気ロッカアー
ム、72…ロッド、73,74…過給ロッカアーム、7
5…ロッド、76…回転位置センサ、77,78…軸
受、79…冷却水ポンプ、80…導水管、81…吐出
孔、82…サーモスタット、83…ウエイト、90…動
力伝達装置、91…遊星ギヤ式変速機、92…変速機ケ
ース、93…センタ軸、94…入力ギヤ、95…発進ク
ラッチ、96、97,98…変速クラッチ、99…出力
軸、100…回り止め部材、101…フランジ付きボ
ス、102…ピニオン、103,104,105…ギ
ヤ、106…一方向クラッチ、107…出力ギヤ、11
0…最終減速装置、111…ドライブ軸、112…ギ
ヤ、113…回転数センサ、A…割り面、B…取付面、
C0…車体中心、C1〜C6…軸線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16F 15/26 F16F 15/26 F

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランク軸の軸線を含む割り面で分割さ
    れた第1および第2クランクケースと、前記第2クラン
    クケースに設けられたシリンダに相互の取付面にて取り
    付けられたシリンダヘッドと、前記クランク軸によりギ
    ヤ駆動される第1回転軸と、該第1回転軸によりギヤ駆
    動される第2回転軸とを備えた内燃機関において、前記
    第1回転軸は前記割り面において、また前記第2回転軸
    は前記取付面においてそれぞれ支持されるとともに、前
    記第1回転軸および前記第2回転軸は、前記シリンダの
    軸線に関して、前記割り面を含む平面と前記取付面を含
    む平面とが交差する側に配置されていることを特徴とす
    る内燃機関の回転軸配置構造。
  2. 【請求項2】 前記第2回転軸は、動弁機構を駆動する
    カム軸であることを特徴とする請求項1記載の内燃機関
    の回転軸配置構造。
  3. 【請求項3】 前記第1回転軸は、バランサ軸であるこ
    とを特徴とする請求項2記載の内燃機関の回転軸配置構
    造。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2002057610A1 (en) * 2001-01-19 2002-07-25 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Spontaneous intake type internal combustion engine for vehicles

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KR100843808B1 (ko) * 2001-01-19 2008-07-03 혼다 기켄 고교 가부시키가이샤 차량용 자연 흡기식 내연 기관

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