JP2001012157A - 防火複層ガラス - Google Patents

防火複層ガラス

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JP2001012157A
JP2001012157A JP11182081A JP18208199A JP2001012157A JP 2001012157 A JP2001012157 A JP 2001012157A JP 11182081 A JP11182081 A JP 11182081A JP 18208199 A JP18208199 A JP 18208199A JP 2001012157 A JP2001012157 A JP 2001012157A
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moisture
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Yoshihiko Senda
好彦 千田
Masaaki Tsuji
正昭 逵
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Central Glass Co Ltd
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Central Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容易な手段により、通常使用時に防湿性、接
着性を維持するとともに、火災発生時の防火性能を発揮
できる防火複層ガラス。 【解決手段】 少なくとも1枚の耐熱防火性ガラスを含
む複数のガラス板を並行隔置し、その対向面周縁部全周
にスペーサーを介設し、スペーサーの外部空間に対する
面と両ガラス板端部に亘る複層ガラス端面に配するシー
ル層(A)と、スペーサーとガラス板間に配するシール層
(B)により封着し、密閉空間層を形成した複層ガラスに
おいて、前記シール層(B)として、難燃性基材の両面に
難燃性接着剤を添着したテープを採用した防火複層ガラ
ス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のガラス板
を、スペーサーを介設し密閉空間を形成して一体化し、
密閉空間内のガス(通常は空気である)を乾燥状態に維
持した複層ガラスであって、それに防火性能を付与した
防火複層ガラスに関する。
【0002】
【従来技術および解決すべき課題】火災に遭遇したとき
に、火炎が貫通して延焼するのを抑制する開口部用ガラ
スにおいては、平成2年建設省告示第1125号に規定する
防火戸加熱試験方法により特定時間加熱昇温し、評価基
準(遮炎性能、遮煙性能、構造安定性)を満足する必要
がある。
【0003】すなわち、加熱試験においては、規定構造
の加熱試験炉の開口部におけるセラミック製支持枠に被
試験ガラスを嵌込み、炉内をガスバーナーにより所定昇
温曲線に添って加熱するもので、例えば乙種防火戸を対
象とする場合は、20分加熱で790℃に達する。
【0004】評価における合格基準としては、前記加熱
終了までの過程で、ガラスの一方の加熱側から他方の側
に、ガラスの亀裂部分からの火炎の貫通や、ガラス(複
層ガラス)自体からの火炎の吹出しがあってはならず、
同様にガラスの亀裂部分からの煙の貫通や、ガラス(複
層ガラス)自体からの煙の吹出しがあってはならない。
【0005】また、加熱終了後、嵌込み状態の供試ガラ
スに、規定重量(3kg)のサンドバッグを規定条件で衝
突させ、その際サンドバッグによるガラスの突抜けがあ
ってはならないとされる。
【0006】通常の複層ガラスにおいては、複層ガラス
の端面域には両ガラス板とスペーサーの接着性を高く維
持すべくポリサルファイドゴムまたはシリコーンゴムよ
りなるシール層が配され、ガラス板とスペーサーとの間
には防湿性を高く維持すべく専らブチルゴム、ポリイソ
ブチレンよりなるシール層が配される。しかし、火災時
においては、前記ブチルゴム、ポリイソブチレン自体が
燃焼し、またはブチルゴム、ポリイソブチレンが可燃性
ガスを発生してそれが燃焼し、更にガラス板の破損部分
から火炎を吹出して近在部材に類焼、延焼を及ぼすとい
う不具合がある。
【0007】特開平7−237941号公報には、複層ガラス
におけるガラス板とスペーサーとの間に第一シール材、
その外側に第二シール材を介在させ、前記第一シール材
の更に内側(ガラス板のより中央部寄り)に難燃性もし
くは不燃性材料からなる内面シール材層を形成すること
により、防火性能を発揮する複層ガラスが開示されてい
る。しかし、3層のシール材を順次塗布し、夫々硬化さ
せる必要があり、製造能率、効率の点で著しく劣り、人
手による作業も増大し、コストもかかるという不具合が
ある。
【0008】また、特開平8−67536号公報には、少な
くとも1枚のガラスが防火ガラスである複数枚のガラス
からなる複層ガラスであって、そのシール部分の密封空
間層(空気層)と接触する内周面に防火被覆材を配置し
た防火複層ガラスが開示されている。しかし、前記不燃
材は、被覆・密封性を維持するのが困難で、被熱時、防
湿性シール材からの分解ガスの内部空気層側への逸出を
抑制できない。また熱膨張材は、被熱時、内部空気層を
介して遅れて加熱されるため、防湿性シール材の分解、
ガス発生に遅れて膨張する危惧がある。
【0009】本発明は、該従来技術とは異なり、容易な
手段により、通常使用時に防湿性、接着性を維持すると
ともに、火災発生時の防火性能を発揮できる防火複層ガ
ラスを提起することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも1
枚の耐熱防火性ガラスを含む複数のガラス板を並行隔置
し、その対向面周縁部全周にスペーサーを介設し、スペ
ーサーの外部空間に対する面と両ガラス板端部に亘る複
層ガラス端面に配するシール層(A)と、スペーサーとガ
ラス板間に配するシール層(B)により封着し、密閉空間
層を形成した複層ガラスにおいて、前記シール層(B)
を、難燃性基材の両面に難燃性接着剤を添着したテープ
により形成した防火複層ガラスである。
【0011】前記において、シール層(A)を、難燃性、
接着性を付与した防湿性シール材により形成するもので
ある。
【0012】或いは前記において、シール層(A)を難
燃、高接着性シール材により形成し、更にシール層(A)
とシール層(B)との間に防湿性シール材よりなるシール
層(C)を介在させるものである。
【0013】更に前記において、シール層(C)が、防湿
性基材の両面に防湿性接着剤を添着したテープにより形
成するのが望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の防火複層ガラスは、前記
した評価基準の遮炎性能、遮煙性能、構造安定性を満足
し得るものであり、以下添付の図面に基づき本発明を説
明する。
【0015】図1、図2および図3は本発明にかかる防
火複層ガラスの各種実施形態を示した夫々部分断面図で
ある。
【0016】防火複層ガラス1における構成ガラスは、
例えば耐熱防火性ガラス板2である高強化ガラスと、他
方のガラス板3、例えば通常のソーダ石灰系フロートガ
ラスからなる。耐熱防火性ガラス板2は、ソーダ石灰系
ガラスを著しく強化させた高強化ガラスの他、網入りガ
ラス、熱膨張係数が極端に低い耐熱(透明)結晶化ガラ
ス、低熱膨張係数の硼珪酸系ガラスを強化した硼珪酸系
強化ガラス等がある。他方のガラス板3においても、通
常のソーダ石灰系フロートガラスに限らず上記各種耐熱
防火性ガラスを採用することができる。
【0017】両ガラス板2、3の周縁部間には、例えば
アルミニウム、鋼よりなるスペーサー4を介在させ、ス
ペーサー4内にはゼオライト等の吸湿剤が収容される
(図示せず)。スペーサー4の密閉空間側の辺は、密閉
空間と通ずる通孔4'を配することにより、スペーサー
内と連通し、密閉空間内のガス、例えば乾燥空気は、乾
燥状態に維持される。
【0018】スペーサー4と、ガラス板2および3との
間に配するシール層(B)6としては、難燃性基材の両面
に難燃性接着剤を添着した接着テープ、あるいは接着シ
ート、接着フィルムをテープ状に裁断したものを採用す
る。
【0019】通常、乙種防火戸試験においては、加熱炉
の炉内温度は790℃に昇温するが、炉の開口部に嵌込ん
だ複層ガラスにおけるガラス板とスペーサーとの対向部
位、すなわちシール層(B)の対応位置においては、前記
開口部の嵌込み枠による遮熱作用もあって、300℃ない
し350〜360℃に達する。前記接着テープ、フィルム類
は、前記温度において、発煙、燃焼しない材料を選択す
る。
【0020】難燃性基材とは、例えばアクリル酸エステ
ル、アクリル酸アミド等のアクリル系、ポリイミド系、
ポリエステル系、(セルロース)トリアセテート、四フ
ッ化エチレン等、あるいはガラスファイバークロス等
(基材には接着剤との接着性を付与するために各種表面
処理される場合がある)があり、また難燃性接着剤とし
ては、アクリル系、ポリエステル系、シリコーン系、フ
ェノール系、エポキシ系等があり、それら適宜の組合せ
からなる両面接着テープ、シート、フィルムが市販され
ている。これら両面接着テープ、フィルム類は、接着す
べきスペーサーの所要箇所にあてがい、貼着したうえ
で、ガラス板の所要位置圧着するだけで迅速、容易に接
着できる。
【0021】また、近年膨張性黒鉛シート両面にアクリ
ル系接着シートを添着したものをはじめ、不燃無機質基
材と有機接着シートの組合せからなるシート、テープ類
も市場に供されており、これらもシール層(B)を形成す
るうえで好適な材料といえる。
【0022】なお、複層ガラスにおいては、通常使用
時、ガラス板内面側に結露による曇りが生ずるようなこ
とがあってはならず、従ってシール層(A)を含め前記シ
ール層(B)以外の箇所には、外部空間からの湿分の侵入
を防止するための防湿シール層を配することが不可欠で
ある。但し通常奨用されている防湿材(ブチルゴム、ポ
リイソブチレン)は、易燃、発煙性の材料であるので、
それを抑制する設計、工夫が必要である。以下におい
て、防湿シール層を配するとともに、その発煙、燃焼を
抑制する各種形態について説明する。
【0023】図1に示す実施形態(実施形態1)におい
て、スペーサー4の外部空間側の辺と、両ガラス板2、
3の端縁部にわたる複層ガラス端部には、シール層(A)
5として、難燃性、接着性を付与した防湿性シール材を
採用するものである。乙種防火戸試験においては、炉の
開口部に嵌込んだ複層ガラスにおける端面部位、すなわ
ちシール層(A)の対応位置においては、270〜280℃、と
きに350℃近くまで達する。本実施形態においては、シ
ール層(A)5において、前記ブチル系シール材の防湿性
を維持し、かつ高接着性、難燃性を付与するうえで、具
体的にはシリコーンで変性したブチルゴム、イソブチレ
ン樹脂、あるいはシリカ、アルミナ、水酸化アルミニウ
ム、炭酸カルシウムなどの不燃性無機粉を混入したブチ
ルゴムで、180℃前後の加熱状態において流動化させ、
常温への冷却に際して硬化し接着力を増大したホットメ
ルトブチルゴム等を採用する。
【0024】これら高接着性、難燃性のブチルゴム、イ
ソブチレン樹脂といえども、300℃を越える温度におい
ては発煙、燃焼する危惧があるが、実際にはサッシ枠の
いわゆるかかり代の長さを長くする等の設計により、前
記シール層(A)が、サッシ枠によって、より遮熱され、
300℃以下の温度に維持し、発煙、燃焼を抑えることが
できる。
【0025】図2に示す実施形態(実施形態2)におい
ては、上記実施形態1に換え、シール層(A)5として、
難燃、高接着性シール材、例えば通常のシリコーンシー
ル材により形成し、更に前記シール層(A)5と、難燃性
テープの層からなるシール層(B)6との間に、防湿性シ
ール材よりなるシール層(C)7を介在させるものであ
る。シール層(C)としては、通常使用される防湿性シー
ル材としてのブチル系シール材(ブチルゴム、ポリイソ
ブチレン等)を採用する。該ブチル系シール材は易燃性
であるが、難燃性のシール層(A)、およびシール層(C)
により周辺雰囲気とは遮断され、燃焼、発煙が抑えられ
る。
【0026】更に図3に示す実施形態(実施形態3)に
おいては、前記実施形態2に換え、防湿性シール材より
なるシール層(C)7'として、防湿性基材と防湿性接着
剤からなるテープ、例えばブチル系基材両面にブチル系
接着剤を添着したテープを採用する。本ケースにおいて
はシール層(B)6およびシール層(C)7'ともテープを
採用することにより、貼着、複層ガラス組立操作が一層
容易となる。
【0027】
【実施例】〔実施例1〕 (防火複層ガラスの作製)前記実施形態1(図1参照)
に係わる。一方の耐熱防火性ガラス板2として、サイズ
400mm×600mm、厚み6mmの高強化ガラスを、他方のガラ
ス板3として、同サイズで厚み5mmの通常のフロートガ
ラスを準備し、幅(密閉空間層の幅に相応する)6mmで
ゼオライトを収容するアルミニウム製のスペーサー4を
準備した。またシール層(B)6を形成するための難燃性
接着テープとして、東レ・デュポン(株)製、商品名カプ
トンフィルム(ポリイミド系基材およびシリコーン系粘
着剤)を採用し、シール層(A)5を形成するための難燃
性、接着性を付与した防湿性シール材として、カネカ
(株)製、商品名エピオン(シリコーン変性イソブチレン
樹脂)を採用した。
【0028】まず、スペーサー4を四辺形枠状に組込
み、そのシール層(B)6を形成すべき位置(ガラス板
2,3に接する両側辺)に、前記離型紙付きの難燃性両
面接着テープを貼着し、次いで離型紙を剥離してスペー
サー4とガラス2、ガラス3を接着した。このように組
立てたガラスの端部域、シール層(A)5を形成すべき位
置に、前記難燃性、接着性の防湿性シール材を塗布し、
硬化させて防火複層ガラスを完成した。
【0029】なお、上記防火複層ガラスについて、JIS
R 3209−「複層ガラス」の封止の加速耐久性試験(III
類)−に基づく耐久試験を行った結果、露点は−35℃以
下を維持しており、通常使用時の耐久性には全く問題が
なかった。
【0030】(防火試験)建設省告示に規定する防火戸
加熱試験方法に則り、規定構造の加熱試験炉の開口部に
おけるセラミック製支持枠に、前記防火複層ガラスを高
強化ガラス2を炉内側に配して嵌込み、炉内をガスバー
ナーにより所定昇温曲線に添って加熱し、20分加熱で79
0℃に昇温したうえで加熱を終了した。
【0031】その間、炉内側ガラス板2(高強化ガラ
ス)は亀裂、破損等は生じず、炉外側のガラス板3(通
常のガラス)は破損が生じたが、火炎の貫通等の不具合
は認められなかった。また、防火複層ガラス周縁部にお
いては、難燃性接着テープ(シール層(B)6)や難燃
性、接着性の防湿性シール材(シール層(A)5)からの
火炎や煙の発生は認められず、建設省告示に規定する遮
炎、遮煙性能を満足するものであった。
【0032】更に、建設省告示の評価基準に則り、加熱
終了後嵌込み状態の防火複層ガラスに、3kgのサンドバ
ッグを規定条件で衝突させたが、サンドバッグは炉外側
のガラス3(通常のガラス)を突抜けたが、炉内側ガラ
ス2を貫通することはなく、評価基準における構造安定
性を満足するものである。以上のとおり、本実施例にお
いては防火性能を証するものである。
【0033】〔実施例2〕 (防火複層ガラスの作製)前記実施形態1(図1参照)
に係わる。シール層(B)6を形成するための難燃性接着
テープとして、綜研化学(株)製、商品名SK−ダインテ
ープ(アクリルフォーム系基材とアクリル系接着剤より
なる)を採用し、シール層(A)5を形成するための難燃
性、接着性を付与した防湿性シール材として、横浜ゴム
(株)製のホットメルトブチル、商品名M−145を採用し
た以外は、実施例1と同様の材料を用い、実施例1と同
様の手段、方法で防火複層ガラスを作製した。
【0034】なお、上記防火複層ガラスについて、JIS
R 3209に基づく耐久試験を行った結果、露点は−35℃以
下を維持しており、通常使用時の耐久性には全く問題が
なかった。
【0035】(防火試験)実施例1同様に、加熱試験炉
の開口部に、前記防火複層ガラスを高強化ガラス2を炉
内側に配して嵌込み、炉内をガスバーナーにより所定昇
温曲線に添って加熱し、20分加熱で790℃に昇温したう
えで加熱を終了した。
【0036】その間、炉内側ガラス板2(高強化ガラ
ス)は亀裂、破損等は生じず、炉外側のガラス板3(通
常のガラス)は破損が生じたが、火炎の貫通等の不具合
は認められなかった。また、防火複層ガラス周縁部にお
いては、難燃性接着テープ(シール層(B)6)や難燃
性、接着性を付与した防湿性シール材(シール層(A)
5)からの火炎や煙の発生は認められず、建設省告示に
規定する遮炎、遮煙性能を満足するものであった。
【0037】更に、建設省告示の評価基準に則り、加熱
終了後嵌込み状態の防火複層ガラスに、3kgのサンドバ
ッグを規定条件で衝突させたが、サンドバッグは炉外側
のガラス板3(通常のガラス)を突抜けたが、炉内側ガ
ラス板2を貫通することはなく、評価基準における構造
安定性を満足するものである。以上のとおり、本実施例
においては防火性能を証するものである。
【0038】〔実施例3〕 (防火複層ガラスの作製)前記実施形態2(図2参照)
に係わる。シール層(B)6を形成するための難燃性接着
テープとして、実施例2同様の綜研化学(株)製、商品名
SK−ダインテープを採用し、シール層(A)5を形成す
るための難燃性、接着性シール材として通常のシリコー
ンシール材、シール層(C)7を形成するための防湿性シ
ール材として通常のブチルゴムシール材を採用した。実
施例1同様に両ガラス板2,3と難燃性接着テープによ
りガラスを組立てたうえで、シール層(C)7の位置に
防湿性シール材を充填し、更にシール層(A)5の位置に
難燃性、接着性シール材を塗布、硬化させて防火複層ガ
ラスを作製した。
【0039】なお、上記防火複層ガラスについて、JIS
R 3209に基づく耐久試験を行った結果、露点は−35℃以
下を維持しており、通常使用時の耐久性には全く問題が
なかった。
【0040】(防火試験)実施例1同様に、加熱試験炉
の開口部に、前記防火複層ガラスを高強化ガラス2を炉
内側に配して嵌込み、炉内をガスバーナーにより所定昇
温曲線に添って加熱し、20分加熱で790℃に昇温したう
えで加熱を終了した。
【0041】その間、炉内側ガラス板2(高強化ガラ
ス)は亀裂、破損等は生じず、炉外側のガラス板3(通
常のガラス)は破損が生じたが、火炎の貫通等の不具合
は認められなかった。また、防火複層ガラス周縁部にお
いては、難燃性接着テープ(シール層(B)6)、難燃
性、接着性シール材(シール層(A)5)は勿論、防湿性
シール材(シール層(C)7)からの火炎や煙の発生は認
められず、建設省告示に規定する遮炎、遮煙性能を満足
するものであった。
【0042】更に、建設省告示の評価基準に則り、加熱
終了後嵌込み状態の防火複層ガラスに、3kgのサンドバ
ッグを規定条件で衝突させたが、サンドバッグは炉外側
のガラス板3(通常のガラス)を突抜けたが、炉内側ガ
ラス板2を貫通することはなく、評価基準における構造
安定性を満足するものである。以上のとおり、本実施例
においては防火性能を証するものである。
【0043】〔実施例4〕 (防火複層ガラスの作製)前記実施形態3(図3参照)
に係わる。ガラス板2,3、およびスペーサー4として
実施例1同様の材料を採用した。シール層(B)6を形成
するための難燃性接着テープ(シート)として、膨脹性
黒鉛シートを基材とするGLUSKE社製、商品名フレックス
サーモ(改良品)を、シール層(A)5を形成するための
難燃性、接着性シール材として通常のシリコーンシール
材を、シール層(C)7’を形成するための防湿性接着テ
ープとして、ブチルゴムを基材とする横浜ゴム(株)製、
商品名PRC−488Yを採用した。
【0044】まず、スペーサー4を四辺形枠状に組込
み、そのシール層(B)6を形成すべき位置に、前記離型
紙付きの難燃性接着テープを貼着し、更にスペーサー4
のシール層(C)7’を形成すべき位置に、前記離型紙付
きの防湿性接着テープを貼着し、次いで夫々離型紙を剥
離してスペーサー4とガラス板2を、更にスペーサー4
とガラス板3を接着した。このように組立てたガラスの
端部域、シール層(A)5を形成すべき位置に、難燃性、
接着性シール材を塗布し、硬化させて防火複層ガラスを
完成した。
【0045】なお、上記防火複層ガラスについて、JIS
R 3209に基づく耐久試験を行った結果、露点は−35℃以
下を維持しており、通常使用時の耐久性には全く問題が
なかった。
【0046】(防火試験)実施例1同様に、加熱試験炉
の開口部に、前記防火複層ガラスを高強化ガラス板2を
炉内側に配して嵌込み、炉内をガスバーナーにより所定
昇温曲線に添って加熱し、20分加熱で790℃に昇温した
うえで加熱を終了した。
【0047】その間、炉内側ガラス板2(高強化ガラ
ス)は亀裂、破損等は生じず、炉外側のガラス板3(通
常のガラス)は破損が生じたが、火炎の貫通等の不具合
は認められなかった。また、防火複層ガラス周縁部にお
いては、難燃性接着テープ(シール層(B)6)における
黒鉛のガラス板中央部に向けての膨出が視認されたが、
火炎や煙の発生は認められず、更に難燃性、接着性シー
ル材(シール層(A)5)は勿論、防湿性接着テープ(シ
ール層(C)7’)からの火炎や煙の発生も認められず、
建設省告示に規定する遮炎、遮煙性能を満足するもので
あった。
【0048】更に、建設省告示の評価基準に則り、加熱
終了後嵌込み状態の防火複層ガラスに、3kgのサンドバ
ッグを規定条件で衝突させたが、サンドバッグは炉外側
のガラス板3(通常のガラス)を突抜けたが、炉内側ガ
ラス板2を貫通することはなく、評価基準における構造
安定性を満足するものである。以上のとおり、本実施例
においては防火性能を証するものである。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、通常時複層ガラスとし
ての機能を有し、また加熱時優れた防火性能を発揮する
という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる防火複層ガラスの
部分断面図である。
【図2】別の実施形態にかかる防火複層ガラスの部分断
面図である。
【図3】更に別の実施形態にかかる防火複層ガラスの部
分断面図である。
【符号の説明】
1 複層ガラス 2 耐熱防火性ガラス板(高強化ガラス) 3 通常のガラス板(フロートガラス) 4 スペーサー 5 シール層(A) 6 シール層(B) 7、7’ シール層(C)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1枚の耐熱防火性ガラスを含む
    複数のガラス板を並行隔置し、その対向面周縁部全周に
    スペーサーを介設し、スペーサーの外部空間に対する面
    と両ガラス板端部に亘る複層ガラス端面に配するシール
    層(A)と、スペーサーとガラス板間に配するシール層
    (B)により封着し、密閉空間層を形成した複層ガラスに
    おいて、前記シール層(B)を、難燃性基材の両面に難燃
    性接着剤を添着したテープにより形成したことを特徴と
    する防火複層ガラス。
  2. 【請求項2】シール層(A)を、難燃性、接着性を付与し
    た防湿性シール材により形成したことを特徴とする請求
    項1記載の防火複層ガラス。
  3. 【請求項3】シール層(A)を難燃、高接着性シール材に
    より形成し、更にシール層(A)とシール層(B)との間に
    防湿性シール材よりなるシール層(C)を介在させたこと
    を特徴とする請求項1記載の防火複層ガラス。
  4. 【請求項4】シール層(C)が、防湿性基材の両面に防湿
    性接着剤を添着したテープにより形成したことを特徴と
    する請求項3記載の防火複層ガラス。
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