JP2001011633A - 気化器 - Google Patents

気化器

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JP2001011633A
JP2001011633A JP11182394A JP18239499A JP2001011633A JP 2001011633 A JP2001011633 A JP 2001011633A JP 11182394 A JP11182394 A JP 11182394A JP 18239499 A JP18239499 A JP 18239499A JP 2001011633 A JP2001011633 A JP 2001011633A
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JP
Japan
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temperature
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vaporizer
pressure barrier
solution
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JP11182394A
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English (en)
Inventor
Kojiro Hirao
浩二郎 平尾
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Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
Original Assignee
Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧力障壁部全体を均一に加熱することがで
き、しかも、精密な温度制御が可能であり、使用開始時
の所定温度への加熱も短時間で行うことができる気化器
を提供する。 【解決手段】 圧力障壁部を挟んで両側に加熱手段及び
温度測定手段をそれぞれ設けるとともに、前記温度測定
手段で測定した温度に基づいて各加熱手段を独立して温
度制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気化器に関し、詳
しくは、CVD装置の原料供給系に設けられる気化器で
あって、蒸気圧の低い固体原料を溶媒に溶解させた溶液
原料を気化させるための気化器に関する。
【0002】
【従来の技術】CVD装置における薄膜生成原料として
蒸気圧の低い固体原料、例えば、Ba(DPM)やS
r(DPM)を用いる際、これらの固体原料を適宜な
溶媒に溶解させて溶液原料とし、この溶液原料を気化器
内で加熱して気化させ、これをキャリヤガスで搬送して
反応炉に供給する方法が知られている。この方法は、固
体原料を直接加熱する方法に比べて熱による原料の変質
が抑えられ、成膜速度も向上することが知られている。
【0003】気化器における溶液原料の気化は、所定の
加熱温度で溶媒が沸騰しない圧力まで加圧した溶液原料
を所定温度に加熱されている圧力障壁部に供給し、該圧
力障壁部を通過させて溶液原料を加熱するとともに、圧
力障壁部を通過後の圧力低下によって溶媒と共に固体原
料を気化させることにより行われている。
【0004】このような気化器における圧力障壁部とし
ては、従来から各種構造のものが用いられているが、多
数枚積層した円盤状薄板(ディスク)を気化器本体の気
化室内に収納し、ヒーターにより所定温度に加熱すると
ともに、積層したディスクをスプリングを介して押付け
部材(アンビル)により所定圧力で押付けた状態で、デ
ィスク中心部の通孔内に所定圧力の溶液原料を供給し、
該溶液原料をディスクの接触面間から滲出させて円盤外
周縁で気化させる積層ディスク形式が多く用いられてい
る。この積層ディスク形式を採用した気化器は、積層し
たディスクをスプリングを介して押付けるようにしてい
るため、この押付け力(積層圧力)を適当に設定するこ
とによって溶液原料の供給圧力を最適な圧力に調節でき
るので、様々な種類の原料を気化させるために用いるこ
とができる。
【0005】また、圧力障壁部を多孔質材料で形成した
ものも知られている。この多孔質形式の気化器は、所定
温度に加熱した多孔質材料の一方から溶液原料を供給
し、多孔質材料内の微細通孔を通過させて他方に滲出し
た溶液原料を気化させるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の積層デ
ィスク形式の気化器では、積層ディスクや気化室を加熱
するためのヒーターと、該ヒーターの温度制御を行うた
めの熱電対とを気化器本体にのみ設けており、アンビル
にはヒーター等が設けられていなかったため、アンビル
側は、外周からの伝熱や輻射で加熱されるだけであり、
気化器本体側との間に温度差を生じることがあった。ま
た、多孔質形式の気化器においても、溶液原料供給側か
らの加熱のみであるため、溶液原料が気化する部分で
は、気化熱によって温度が低下する傾向になる。
【0007】このように、圧力障壁部に温度差が生じる
と、溶液原料の最適気化温度よりも高温の部分や低温の
部分が必ず存在することになるため、溶液原料の気化が
不安定になってしまう。例えば、気化器全体を最適気化
温度以上に保持しようとすると、高温の部分で低蒸気圧
材料が熱分解を起してしまう可能性があり、逆に、熱分
解を避けて温度制御しようとすると、低温の部分に気化
できなかった原料が固形物として残留する可能性があ
る。気化器内での固形物の残留は、気化器における気化
特性に影響を及ぼし、低蒸気圧材料の供給量を変動させ
たり、気化再現性を悪化させたりする原因となる。
【0008】特に、溶液原料供給開始時は、前述のよう
な偏った加熱方法では、直接加熱を受けない部分の温度
上昇が遅くなるため、その部分で低蒸気圧材料の滞留や
再凝固が発生するため、低蒸気圧材料の気化開始から安
定供給までに長時間を必要としていた。
【0009】そこで本発明は、圧力障壁部全体を均一に
加熱することができ、しかも、精密な温度制御が可能で
あり、使用開始時の所定温度への加熱も短時間で行うこ
とができる気化器を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の気化器は、 所定温度に加熱した圧力障壁
部に溶液原料を供給して加熱することにより、圧力障壁
部の出口部で溶液原料を気化させる気化器において、前
記圧力障壁部を挟んで両側に加熱手段及び温度測定手段
をそれぞれ設けるとともに、前記温度測定手段で測定し
た温度に基づいて各加熱手段を独立して温度制御するよ
うに形成したことを特徴としている。
【0011】また、前記圧力障壁部が、中心部に溶液原
料供給部となる通孔を設けた円盤状薄板を多数枚積層し
た積層ディスクを両面から挟着した状態で形成され、該
積層ディスクを挟着する部材のそれぞれに前記加熱手段
及び温度測定手段が設けられていること、あるいは、圧
力障壁部が一対の部材の対向面を所定間隔で配置した状
態で形成され、前記一対の部材のそれぞれに前記加熱手
段及び温度測定手段が設けられていることを特徴として
いる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1乃至3は、本発明の気化器の
第1形態例を示すもので、図1は図2のI−I線断面
図、図2は気化器本体の溶液原料供給路側におけるヒー
ター及び熱電対の設置状態を説明するための概略図、図
3は同じく押付け部材(アンビル)側におけるヒーター
及び熱電対の設置状態を説明するための概略図である。
【0013】この気化器1は、内周に有底筒状の気化室
2を形成する断面凹字状の気化器本体3と、中心部に通
孔を有する円盤状薄板(ディスク)を多数枚積層した積
層ディスク4を気化室2の底面2aに押付ける押付け部
材(アンビル)5と、該アンビル5を可撓性部材6を介
して保持しながら気化室2の開口を気密に閉塞する閉塞
部材7と、アンビル5を押し棒8及びスプリング9を介
して押付ける押付けネジ10を装着するための雌ねじ部
材11とにより形成されている。
【0014】前記気化器本体3には、キャリアガス供給
路12、溶液原料供給路13及び気化原料送出部14が
それぞれ所定位置に設けられるとともに、図2に示すよ
うに、積層ディスク4及びその周辺を所定温度に加熱す
るためのヒーターH1〜H8と、温度測定用の熱電対S
1とを挿入するための挿入穴H,Sがそれぞれ所定位置
に設けられている。また、閉塞部材7及びアンビル5側
にも、図3に示すように、ヒーターH9,H10及び熱
電対S2,S3を挿入するための挿入穴H,Sがそれぞ
れ所定位置に設けられている。
【0015】前記積層ディスク4は、厚さが数十μm程
度の金属薄板を100枚程度積層して形成されたもので
あって、中心部の通孔内には、前記溶液原料供給路13
に連通した溶液原料供給筒15が挿入されている。ま
た、積層ディスク4の外周部には、前記キャリアガス供
給路12に、気化器本体3内に形成されたリング状空間
であるキャリアガス流路16を介して連通した複数のキ
ャリアガス噴出部17及びリング状のキャリアガスガイ
ド溝18が設けられている。
【0016】このように形成した気化器1は、図4の系
統図に示すように、キャリアガス供給路12に流量制御
器21を介してキャリアガス供給管22を、気化原料送
出部14に原料ガス供給管23を介して基板24の成膜
処理を行う反応炉25を、溶液原料供給路13に溶液原
料供給管26及びポンプ27を介して溶液原料容器28
を、それぞれ接続するとともに、ヒーターを電源部(図
示せず)に、熱電対を測定器(図示せず)に、それぞれ
接続した状態で使用される。
【0017】なお、原料ガス供給管23には、一対の切
換開閉弁29a,29bにより切換えられるベント管3
0が設けられている。また、溶液原料供給管26には、
流路切換弁31、溶媒供給管32及びポンプ33を介し
て洗浄溶媒容器34が接続されるとともに、溶液原料供
給管26内の圧力を測定するための圧力計35が設けら
れている。
【0018】そして、押付けネジ10を所定の回動位置
に回動させて所定の押圧力で積層ディスク4を押付けた
状態とし、ヒーターに通電して積層ディスク4及びその
周辺を所定温度に加熱し、さらに、キャリアガス供給管
22から所定流量でキャリアガスを供給した状態で、ポ
ンプ27を作動させて溶液原料容器28内の溶液原料を
溶液原料供給管26から気化器1の溶液原料供給路13
に供給する。
【0019】溶液原料は、溶液原料供給筒15の側面に
設けた開口から各ディスクの接触面間に滲入し、加熱さ
れながら外周部に流れ、積層ディスク4の外周から気化
室2内に滲出し、加熱による温度上昇と滲出時の圧力低
下とにより、その全量が積層ディスク4の外周で気化す
る。
【0020】キャリアガス供給路12に供給されたキャ
リアガスは、キャリアガス流路16を通ってキャリアガ
ス噴出部17から積層ディスク4の外周部に噴出し、デ
ィスク間から滲出して気化した原料と混合し、原料を同
伴した状態で気化原料送出部14から反応炉24に向け
て送り出される。
【0021】このとき、気化器周壁に挿入した熱電対S
3の温度測定値に基づいて気化器外周部から気化室2の
周壁を加熱するヒーターH1〜H4の温度制御を行い、
気化器本体中心部に挿入した熱電対S1の温度測定値に
基づいて圧力障壁部である積層ディスク4を気化器本体
側から加熱するヒーターH1〜H4の温度制御を行い、
さらに、アンビル5に挿入した熱電対S2の温度測定値
に基づいて積層ディスク4をアンビル側から加熱するヒ
ーターH9,10の温度制御を行うことにより、積層デ
ィスク4及びその周辺を最適気化温度に均一に加熱する
ことができ、積層ディスク4や気化室2内で局部的に温
度が高くなったり、低くなったりすることを防止できる
ので、高温部分での原料の熱分解や、低温部分での原料
の再凝固の発生を確実に防止することができる。これに
より、安定した状態で溶液原料を気化させて送出するこ
とができるので、反応炉24への原料供給量を一定に保
つことができ、高品質な薄膜を再現性よく形成すること
ができる。
【0022】また、溶液原料供給開始時も、各部の温度
に応じて最適な加熱を行うことができるので、短時間で
所定の温度に昇温することができる。したがって、気化
開始から安定供給までの時間を大幅に短縮させることが
でき、生産性の向上が図れる。
【0023】さらに、従来の気化器では、気化室内で発
生した固形物を洗浄時に外部に排出する必要上、気化原
料送出部を気化器下部側に設けていたため、原料供給中
に気化室内の固形物が気化原料送出部を通って配管内に
流出し、バルブシートに付着して出流れを発生させるこ
とがあったが、本形態例に示す気化器1では、上述のよ
うに、積層ディスク4や気化室2内での固形物や再凝固
物の発生を低く抑えることができるので、気化原料送出
部14を気化室2の上部側に向けて設置することが可能
となる。これにより、固形物等が発生した場合でも、気
化原料送出部14を通って配管内に固形物が流出するこ
とを防止できる。
【0024】図5は、本発明の気化器の第2形態例を示
す要部の断面図である。本形態例に示す気化器51は、
円柱状の金属、例えばステンレス鋼等を所定形状に切削
加工した断面が凹字状の第1溶液ガイド部材52と、断
面が凸字状の第2溶液ガイド部材53とを組合わせて形
成したものであって、第1溶液ガイド部材52の凹状部
底面52aと、第2溶液ガイド部材53の凸状部先端面
53aとが所定間隔で対向配置されることによって圧力
障壁部54が形成されるとともに、第1溶液ガイド部材
52の凹状部内周と第2溶液ガイド部材53の凸状部外
周との間に、圧力障壁部54を囲む密閉された空間であ
る気化室55が形成されている。
【0025】第1溶液ガイド部材52には、圧力障壁部
54の中央に開口する溶液原料供給部56,キャリアガ
スを気化室55に供給するためのキャリアガス供給部5
7,気化室55で気化した原料を送り出すための気化原
料送出部58,ヒーターを挿入するためのヒーター挿入
部H11,H13及び温度測定手段である熱電対を挿入
するための熱電対挿入部S11がそれぞれ所定位置に設
けられており、第2溶液ガイド部材53にも、ヒーター
挿入部H12及び熱電対挿入部S12,S13がそれぞ
れ所定位置に設けられている。
【0026】溶液原料は、溶液原料供給部56を通って
圧力障壁部54の中心に開口した溶液原料供給口から圧
力障壁部54に供給され、所定の微細間隔に設定された
圧力障壁部54を流れ、外周部から気化室55内に滲出
し、加熱による温度上昇と滲出時の圧力低下とにより、
その全量が気化する。キャリアガス供給部7に供給され
たキャリアガスは、リング状のキャリアガス流路59を
通って圧力障壁部54の外周に開口した複数のキャリア
ガス導入部60から気化室55内に導入され、圧力障壁
部54から滲出して気化した原料と混合し、原料を同伴
した状態で気化原料送出部58から送り出される。
【0027】このように形成した気化器において、第1
溶液ガイド部材52のヒーター挿入部H11は、圧力障
壁部54を第1溶液ガイド部材52側から加熱するヒー
ターを挿入するためのものであって、前記同様に、溶液
原料供給部56を囲むようにして複数箇所に設けられて
いる。このヒーター挿入部H11に挿入されるヒーター
は、熱電対挿入部S11に挿入される熱電対の温度測定
値に基づいて温度制御される。同様に、第2溶液ガイド
部材53のヒーター挿入部H12に挿入されるヒーター
は、熱電対挿入部S12に挿入される熱電対の温度測定
値に基づいて温度制御され、気化器外周部のヒーター挿
入部H13に挿入されるヒーターは、熱電対挿入部S1
3に挿入される熱電対の温度測定値に基づいて温度制御
される。なお、ヒーター挿入部H11〜H13の設置数
及び設置位置は任意であり、熱電対挿入部S11〜S1
3の設置位置も任意である。
【0028】本形態例においても、圧力障壁部54を形
成する両部材にヒーターを挿入するとともに、該ヒータ
ーの温度制御を独立してそれぞれ行うための熱電対を挿
入しているので、各部の温度に応じた最適な加熱を行う
ことができ、気化器内の温度分布を小さくすることがで
きる。したがって、前記形態例と同様に、原料の熱分解
や再凝固を防止し、安定した状態で溶液原料を気化させ
て送出することができる。また、気化開始から短時間で
安定供給状態が得られる。
【0029】図6及び図7は、本発明の気化器の第3形
態例を示すもので、図6は要部の一部断面正面図、図7
は抑え部材の底面図である。この気化器は、圧力障壁部
として円形板状の多孔質体71を用いたものであって、
多孔質体71は、保持部材72の先端に形成された凹部
73内にはめ込まれており、上面から抑え部材74によ
り押し付けられている。
【0030】保持部材72には、中央に溶液原料供給部
75が設けられ、その周囲に、ヒーター挿入部H21及
び熱電対挿入部S21が設けられている。抑え部材74
は、放射状に複数設けられた押付け部76を有するもの
で、中心にはヒーター挿入部H22が設けられ、その近
傍には熱電対挿入部S22が設けられている。さらに、
押付け部76の間には、キャリアガスを多孔質体71の
表面に設けて噴出するキャリアガス導入部77が設けら
れている。
【0031】溶液原料は、溶液原料供給部75から多孔
質体71内に流入し、多孔質体71の表面に滲出して気
化する。気化した原料は、キャリアガス導入部77から
噴出するキャリアガスに同伴されて気化原料送出部(図
示せず)から送り出される。
【0032】このような板状の多孔質体71を圧力障壁
部として用いた気化器においても、多孔質体71を挟着
する保持部材72及び抑え部材74の双方に、ヒーター
及び熱電対をそれぞれ挿入して独立に温度制御するよう
に形成することにより、多孔質体71の全体を均一に加
熱することができる。
【0033】また、多孔質体を筒状に形成した圧力障壁
部の場合は、ヒーターや熱電対、溶液原料供給部を適当
に配置した外筒(筒状保持部材)内に筒状多孔質体を挿
入するようにして多孔質体外周面を保持し、筒状多孔質
体の内周には、ヒーターや熱電対を備えるとともに、筒
状多孔質体表面で気化したガスが通過可能な孔や溝を備
えた内筒(筒状抑え部材)を挿入するようにして保持す
ることができる。さらに、多孔質体が立方体等の多面体
形状を有している場合は、溶液原料供給部を有する保持
部材に当接する以外の複数の面にヒーターや熱電対及び
気化ガスの通過孔や溝を有する抑え部材を配置し、多方
向から加熱するように形成することもできる。
【0034】なお、加熱手段及び温度測定手段は、気化
器の形状や加熱温度に応じて任意のものを使用すること
ができるが、精密な温度制御が望まれる気化器内に挿入
して使用することから、応答速度が速いこと、熱伝達効
率が良好なこと、ヒーター自体の熱容量が小さいこと、
小型であることが好ましく、例えば、マントルヒーター
やラバーヒーターを用いることもできるが、いわゆるカ
ートリッジヒーターが最適である。このカートリッジヒ
ーターは、円筒形の金属製ケース内にニクロム線のよう
な発熱体を収納して2本のリード線を引出したものであ
って、前記条件を満たすものであり、金属製ケース外周
面に対応したヒーター挿入穴を気化器の所定位置に設
け、両者を十分に接触させることによって良好な熱伝達
効率が得られる。
【0035】
【実施例】第1形態例に示した気化器と、従来構造の積
層ディスク形式の市販の気化器、すなわち、ヒーターを
気化室の外周にのみ配置した気化器とにおいて、テトラ
ヒドロフランを毎分9mlで気化器に供給した後、流量
を毎分0.7mlに変更してからの圧力障壁部及びその
周辺の温度変化をそれぞれ測定した。
【0036】従来の気化器における測定結果を図8に示
す。測定点(熱電対挿入箇所)は、〜が気化室周辺
部、が圧力障壁部の反溶液原料供給部側であり、温度
制御は、圧力障壁部の溶液原料供給部側に設けた熱電対
で行った。
【0037】第1形態例における測定結果を図9に示
す。測定点は、及びが圧力障壁部の中心部両面、
及びが圧力障壁部の外周部両面、その他は気化室の周
辺部である。温度制御は、図2及び図3に示したよう
に、圧力障壁部の中心部両面及び気化室の周辺部に3個
の温度制御用熱電対(S1〜S3)を設け、溶液原料供
給部側の熱電対S1でヒーターH5〜H8を、反溶液原
料供給部側の熱電対S2でヒーターH9,H10を、気
化室周辺部の熱電対S3でヒーターH1〜H4を、それ
ぞれ制御するようにした。
【0038】図8の測定結果と、図9の測定結果とを比
較すると、従来の気化器に比べて本形態例の気化器は、
圧力障壁部を含む気化器全体が略均一に加熱できている
ことがわかる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の気化器に
よれば、圧力障壁部及びその周辺を均一に加熱すること
ができるので、原料の滞留や再凝固を防止して安定した
状態で原料を気化させることができる。さらに、短時間
で所定の温度に加熱することができるので、生産性の向
上も図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の気化器の第1形態例を示すも図2の
I−I線断面図である。
【図2】 気化器本体の溶液原料供給路側におけるヒー
ター及び熱電対の設置状態を説明するための概略図であ
る。
【図3】 同じく押付け部材(アンビル)側におけるヒ
ーター及び熱電対の設置状態を説明するための概略図で
ある。
【図4】 気化器の使用状態を示す系統図である。
【図5】 本発明の気化器の第2形態例を示す要部の断
面図である。
【図6】 本発明の気化器の第3形態例を示す要部の一
部断面正面図である。
【図7】 抑え部材の底面図である。
【図8】 従来の気化器における温度変化の測定結果を
示す図である。
【図9】 第1形態例の気化器における温度変化の測定
結果を示す図である。
【符号の説明】
1…気化器、2…気化室、3…気化器本体、4…積層デ
ィスク、5…アンビル(押付け部材)、6…可撓性部
材、7…閉塞部材、8…押し棒、9…スプリング、10
…押付けネジ、11…雌ねじ部材、12…キャリアガス
供給路、13…溶液原料供給路、14…気化原料送出
部、15…溶液原料供給筒、16…キャリアガス流路、
17…キャリアガス噴出部、18…キャリアガスガイド
溝、21…流量制御器、22…キャリアガス供給管、2
3…原料ガス供給管、24…基板、25…反応炉、26
…溶液原料供給管、27…ポンプ、28…溶液原料容
器、29a,29b…切換開閉弁、30…ベント管、3
1…流路切換弁、32…溶媒供給管、33…ポンプ、3
4…洗浄溶媒容器、35…圧力計、51…気化器、52
…第1溶液ガイド部材、53…第2溶液ガイド部材、5
4…圧力障壁部、55…気化室、56…溶液原料供給
部、57…キャリアガス供給部、58…気化原料送出
部、59…キャリアガス流路、60…キャリアガス導入
部、71…多孔質体、72…保持部材、73…凹部、7
4…抑え部材、75…溶液原料供給部、76…押付け
部、77…キャリアガス導入部、H1〜H10…ヒータ
ー、S1〜S3…熱電対

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定温度に加熱した圧力障壁部に溶液原
    料を供給して加熱することにより、圧力障壁部の出口部
    で溶液原料を気化させる気化器において、前記圧力障壁
    部を挟んで両側に加熱手段及び温度測定手段をそれぞれ
    設けるとともに、前記温度測定手段で測定した温度に基
    づいて各加熱手段を独立して温度制御するように形成し
    たことを特徴とする気化器。
  2. 【請求項2】 前記圧力障壁部は、中心部に溶液原料供
    給部となる通孔を設けた円盤状薄板を多数枚積層した積
    層ディスクを両面から挟着した状態で形成され、該積層
    ディスクを挟着する部材のそれぞれに前記加熱手段及び
    温度測定手段が設けられていることを特徴とする請求項
    1記載の気化器。
  3. 【請求項3】 前記圧力障壁部は、一対の部材の対向面
    を所定間隔で配置した状態で形成され、前記一対の部材
    のそれぞれに前記加熱手段及び温度測定手段が設けられ
    ていることを特徴とする請求項1記載の気化器。
  4. 【請求項4】 前記圧力障壁部を収納する気化室周壁に
    加熱手段を設けるとともに、該加熱手段の温度制御を行
    うための温度測定手段を設けたことを特徴とする請求項
    1記載の気化器。
JP11182394A 1999-06-28 1999-06-28 気化器 Pending JP2001011633A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100809930B1 (ko) 2006-12-01 2008-03-06 엘지.필립스 엘시디 주식회사 증착원

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