JP2001011360A - 鉛筆芯の製造方法 - Google Patents

鉛筆芯の製造方法

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JP2001011360A
JP2001011360A JP11180103A JP18010399A JP2001011360A JP 2001011360 A JP2001011360 A JP 2001011360A JP 11180103 A JP11180103 A JP 11180103A JP 18010399 A JP18010399 A JP 18010399A JP 2001011360 A JP2001011360 A JP 2001011360A
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pencil lead
binder
butyral
polyvinyl butyral
graphite
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JP11180103A
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English (en)
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Hiromi Sano
博美 佐野
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Pentel Co Ltd
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Pentel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 筆跡の濃度に対し曲げ強さの改善を図った鉛
筆芯の製造方法を提供する。 【解決手段】 結合材として、ブチラール基含有率72
%以上83%以下で、平均重合度800以上2400以
下のポリビニルブチラールを使用する鉛筆芯の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも結合材
と黒鉛とを含む材料を混練、押出成形し、焼成温度まで
熱処理してなる鉛筆芯の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、焼成する鉛筆芯の製造方法におい
て、結合材としては、粘土や天然樹脂、合成樹脂等、種
々のものが用いられてきており、例えば、結合材として
アルキルベンゼンの架橋重合体を使用するもの(特開平
3−258872)、ビスマレイミド・トリアジン樹脂
を使用するもの(特公平4−20032)なども提案さ
れているが、最近では主として、含塩素樹脂を使用して
有機溶剤に溶解させて混合する方法が加工性の良さや比
較的高い曲げ強さを有する鉛筆芯が得られるなどの理由
より広く使用されている。何れにしても上記のような樹
脂タイプの結合材は、熱処理により、炭化することによ
って黒鉛同士を結合し、鉛筆芯の曲げ強さを得る働きを
しているが、筆記するためには芯を崩れさせなくてはな
らず、結合材自身が炭化する際に収縮することを利用し
たり、熱処理前の材料に、熱処理に伴って揮発する気孔
形成剤を添加するなどして気孔を形成しているものがあ
る。また、結合材として、ポリビニルブチラールなどの
酢酸ビニル系樹脂を用い、これに金属塩化物を添加する
ことによって、強度と濃度の両立を計ろうとするものも
提案されている(特公平1−31794)が、これは金
属塩化物中の塩素が高温によりポリビニルブチラールな
どの酢酸ビニル系樹脂と反応することにより、熱処理後
の結合材の炭素残分(炭素収率)が増えることによっ
て、炭素化した結合材の強度、及び、結合材と黒鉛との
結合力を大きくしようとするものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】鉛筆芯の曲げ強さは結
合材の強度(黒鉛との結合力)に関係し、筆跡の濃度は
結合材の崩れ易さに関係し、結局、芯体中の結合材に形
成される気孔の大きさや量と密接な関係にある。つま
り、気孔が小さく、また、その量が少なくなるにつれ、
鉛筆芯の曲げ強さは高いものとなるが、結合材が崩れに
くいために黒鉛が芯体から離れず筆跡の濃度が薄くなる
ものであった。従来使用されていた結合材では、単に気
孔の量や大きさをコントロールするか、結合材の炭素残
分を増やすというようなものでしかなく、単に炭素残分
を増やすだけでは、相対的に気孔の量が少なくなってし
まうため、強度は大きくなるが濃度が薄くなってしまう
という結果になり、鉛筆芯の曲げ強さと筆跡の濃さを共
に優れたものとすることは十分とは言えなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも結
合材と黒鉛とを含む材料を混練、押出成形し、焼成温度
まで熱処理してなる鉛筆芯の製造方法において、前記結
合材として、ブチラール基含有率72%以上83%以下
で、平均重合度800以上2400以下のポリビニルブ
チラールを使用することを特徴とする鉛筆芯の製造方法
を要旨とする。
【0005】以下、詳述する。ブチラール基含有率72
%以上で、平均重合度800以上のポリビニルブチラー
ルは、ポリビニルブチラールの製造工程において、ブチ
ラール化反応の条件を制御することによって得られるも
のである。既に上市されている商品の一例としては、デ
ンカブチラール#3000−4,同#3000−K、同
#4000−1,同#4000−2,同#5000−
A、同6000−C、同6000−EP、(以上、電気
化学工業株式会社製)、エスレックBM−1、同BM−
2、同BM−5、同BM−S、同BH−3、同BH−
S、同BX−1、同BX−2、同BX−5、同BX−5
5(以上、積水化学工業株式会社製)などが挙げられ、
これらは単独で用いても良く、また、併用して用いるこ
とも出来る。また、本発明にて使用するブチラール基含
有率72%以上83%以下で、平均重合度800以上2
400以下のポリビニルブチラールは、ブチラール基含
有率が72%未満や84%を以上のポリビニルブチラー
ルや、平均重合度が800未満や2400以上のポリビ
ニルブチラールと併用することもできるし、その他従来
より公知の粘土、アラビアゴムなどの天然樹脂、ポリビ
ニルアルコール、ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂等と併
用して使用することも出来る。他の結合材と併用する場
合、本発明にて使用するポリビニルブチラールの使用量
は、結合材全量に対して3重量%未満であると、樹脂の
強度と濃度の向上効果が発現されにくいこともありえる
ので、使用量は、結合材全量に対して3重量%以上であ
ることが好ましい。
【0006】黒鉛は、着色材として配合されるものであ
り、一般的な鱗状黒鉛や鱗片状黒鉛等が挙げられる。
【0007】上記の結合材、黒鉛の他に、フタル酸エス
テル、脂肪族二塩基酸エステルなどの可塑剤、脂肪酸、
金属石けん、脂肪族アルコールなどの滑剤、脂肪族カル
ボン酸塩、芳香族カルボン酸塩、メルカプト酸エステル
などの安定剤、無定型シリカやカーボンブラックなどの
充填材といった必要に応じて使用する材料等を配合する
こともできる。
【0008】これら使用する材料を混合して、混練、押
出成形し、乾燥後、焼成温度まで熱処理をして冷却後取
り出したものに、濃度及びなめらかさ付与のために油状
物を含浸させることもできる。油状物としては、流動パ
ラフィン、スピンドル油、マイクロクリスタリンワック
ス、低分子ポリエチレンワックス、パラフィンワック
ス、スクワランなどの1種もしくは、2種以上を使用す
ることができる。
【0009】
【作用】ポリビニルブチラールは、親油性のブチラール
基と親水性の水酸基、カルボキシル基を分子中に共有し
ているため、黒鉛の表面に吸着されている水分等との相
互作用によって黒鉛近傍に配位することになる。また、
ポリビニルブチラール自体、炭化されたものの構造が線
状でありながら、分子レベルで絡み合った状態で炭化す
るために、出来た気孔が単なる直線状ではなく複雑な網
目構造になっているため、黒鉛と結合した状態でも構造
上の強度が得られるものであるが、ブチラール基含有率
が72%以上83%以下であると共に、平均重合度が8
00以上2400以下とすることにより、ブチラール基
の含有率(相対的に水酸基、カルボキシル基の含有率)
とも相俟って黒鉛との結合力も維持し得ると共に、適度
な網目構造を維持した線状の連続した気孔を形成しやす
く、筆跡の濃度をも高いものとすることができると推察
される。
【0010】
【実施例】 <実施例1> 塩化ビニル樹脂(結合材) 28部 デンカブチラール#3000−K(ポリビニルブチラール樹脂、ブチラール基8 4%、平均重合度830、電気化学工業株式会社製) 2部 黒鉛 50部 ジオクチルフタレート(可塑剤) 17部 ステアリン酸(滑材) 3部 メチルエチルケトン(溶剤) 30部 上記材料を配合物として、ニーダー及び三本ロールによ
り十分に混練後、細線状に押出成形し、空気中で300
℃まで加熱し、更に、不活性雰囲気中で1100℃まで
加熱し、冷却後、スピンドル油を含浸し、0.5mmの
鉛筆芯を得た。
【0011】<実施例2>実施例1において、塩化ビニ
ル樹脂を15部とし、デンカブチラール#3000−K
を15部とした以外は実施例1と同様にして0.5mm
の鉛筆芯を得た。
【0012】<実施例3>実施例1において、塩化ビニ
ル樹脂を無くし、デンカブチラール#3000−Kを3
0部とした以外は実施例1と同様にして0.5mmの鉛
筆芯を得た。
【0013】<実施例4>実施例2において、デンカブ
チラール#3000−Kをデンカブチラール#3000
−4(ポリビニルブチラール樹脂、ブチラール基79
%、平均重合度830、電気化学工業株式会製)に替え
た以外は実施例2と同様にして0.5mmの鉛筆芯を得
た。
【0014】<実施例5>実施例2において、デンカブ
チラール#3000−Kをデンカブチラール#6000
−C(ポリビニルブチラール樹脂、ブチラール基81
%、平均重合度2400、電気化学工業株式会製)に替
えた以外は実施例2と同様にして0.5mmの鉛筆芯を
得た。
【0015】<実施例6>実施例2において、デンカブ
チラール#3000−KをエスレックB BX−5(ポ
リビニルブチラール樹脂、ブチラール基75%、平均重
合度2200、積水化学工業株式会社製)に替えた以外
は実施例2と同様にして0.5mmの鉛筆芯を得た。
【0016】 <実施例7> 酢酸ビニル樹脂(結合材) 10部 デンカブチラール#3000−K(ポリビニルブチラール樹脂、ブチラール基8 4%、平均重合度830、電気化学工業株式会社製) 3部 黒鉛 67部 ステアリン酸(滑材) 8部 酢酸エチル(溶剤) 12部 メチルエチルケトン(溶剤) 10部 上記材料を配合物として、ニーダー及び三本ロールによ
り十分に混練後、細線状に押出成形し、空気中で300
℃まで加熱し、更に、不活性雰囲気中で1100℃まで
加熱し、冷却後、スピンドル油を含浸し、0.5mmの
鉛筆芯を得た。
【0017】 <実施例8> 塩化ビニル樹脂(結合材) 30部 デンカブチラール#3000−K(ポリビニルブチラール樹脂、ブチラール基8 4%、平均重合度830、電気化学工業株式会社製) 10部 黒鉛 40部 ジオクチルフタレート(可塑剤) 17部 ステアリン酸カルシウム(滑材) 3部 メチルエチルケトン(溶剤) 25部 上記材料を配合物として、ニーダー及び三本ロールによ
り十分に混練後、細線状に押出成形し、空気中で300
℃まで加熱し、更に、不活性雰囲気中で1100℃まで
加熱し、冷却後、スピンドル油を含浸し、0.5mmの
鉛筆芯を得た。
【0018】<比較例1>実施例1において、デンカブ
チラール#3000−Kを使用せずに、塩化ビニル樹脂
を30部とした以外は実施例1と同様にして0.5mm
の鉛筆芯を得た。
【0019】<比較例2>実施例1において、デンカブ
チラール#3000−KをエスレックB BX−L(ポ
リビニルブチラール樹脂、ブチラール基71%、平均重
合度250、積水化学工業株式会製)に替えた以外は実
施例1と同様にして0.5mmの鉛筆芯を得た。
【0020】<比較例3>実施例1において、デンカブ
チラール#3000−Kをデンカブチラール#3000
−2(ポリビニルブチラール樹脂、ブチラール基79
%、平均重合度700、電気化学工業株式会製)に替え
た以外は実施例1と同様にして0.5mmの鉛筆芯を得
た。
【0021】<比較例4>実施例1において、デンカブ
チラール#3000−Kをデンカブチラール#6000
−EP(ポリビニルブチラール樹脂、ブチラール基71
%、平均重合度2400、電気化学工業株式会製)に替
えた以外は実施例1と同様にして0.5mmの鉛筆芯を
得た。
【0022】<比較例5>実施例2において、デンカブ
チラール#3000−Kを使用せずに、塩化ビニル樹脂
を30部とし、濃度を濃くするために、ジオクチルフタ
レートを32部とした以外は実施例1と同様にして0.
5mmの鉛筆芯を得た。
【0023】<比較例6>実施例7において、デンカブ
チラール#3000−Kを使用せずに、酢酸ビニル樹脂
を13部とした以外は実施例7と同様にして0.5mm
の鉛筆芯を得た。
【0024】<比較例7>実施例8において、デンカブ
チラール#3000−Kを使用せずに、塩化ビニル樹脂
を40部とした以外は実施例8と同様にして0.5mm
の鉛筆芯を得た。
【0025】上記各例で得られた鉛筆芯について、JI
S S 6005に基づいて、曲げ強さと濃度とを測定
した結果を表1に示す。(曲げ強さ:MPa、濃度:
D)
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、筆跡の濃度に対し鉛筆
芯の曲げ強さの向上した、筆跡濃度と鉛筆芯の曲げ強さ
とを両立した鉛筆芯を得ることができるものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結合材と黒鉛とを含む材料を
    混練、押出成形し、焼成温度まで熱処理してなる鉛筆芯
    の製造方法において、前記結合材として、ブチラール基
    含有率72%以上83%以下で、平均重合度800以上
    2400以下のポリビニルブチラールを使用することを
    特徴とする鉛筆芯の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014520219A (ja) * 2011-05-26 2014-08-21 エレクトリシテ・ドゥ・フランス 大気圧において超断熱性を有するエアロゲル系材料

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014520219A (ja) * 2011-05-26 2014-08-21 エレクトリシテ・ドゥ・フランス 大気圧において超断熱性を有するエアロゲル系材料
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