JP2001011317A - 芳香族系樹脂難燃剤 - Google Patents

芳香族系樹脂難燃剤

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JP2001011317A
JP2001011317A JP11179881A JP17988199A JP2001011317A JP 2001011317 A JP2001011317 A JP 2001011317A JP 11179881 A JP11179881 A JP 11179881A JP 17988199 A JP17988199 A JP 17988199A JP 2001011317 A JP2001011317 A JP 2001011317A
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aromatic
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resin
unit
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JP11179881A
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Hajime Nishihara
一 西原
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 卓越した難燃性を付与可能な難燃剤、及びそ
の難燃剤を含有する難燃性重合体組成物を提供するこ
と。 【解決手段】 イオン基を含有した主鎖に芳香族環を含
有する芳香族系樹脂難燃剤、及びその難燃剤を含有する
難燃性重合体組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は芳香族系樹脂難燃剤
に関する。更に詳しくは、卓越した難燃性を付与可能な
芳香族系樹脂難燃剤及びその難燃性重合体組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性重合体または熱可塑性エラスト
マー等の重合体は、成形性に優れることに加え、耐衝撃
性に優れていることから、自動車部品、家電部品、OA
機器部品を始めとする多岐の分野で使用されているが、
重合体の易燃性のためにその用途が制限されている。重
合体の難燃化の方法としては、ハロゲン系、リン系、無
機系の難燃剤を重合体に添加することが知られており、
それによりある程度難燃化が達成されている。しかしな
がら、近年火災に対する安全性の要求がとみにクローズ
アップされ、更に高度な難燃化技術の開発と共に、環境
上の問題や機械的性質の低下のない技術開発が強く望ま
れている。
【0003】一方、ポリスチレンスルホン酸塩等の無機
酸塩を芳香族環に置換した芳香族ビニル系樹脂を配合し
た組成物が知られている。例えば、ポリスチレンスルフ
ォン酸ナトリウム塩とポリ塩化ビニルとの安定化樹脂の
製法(特開平7ー268028号公報)、ポリスチレン
スルフォン酸ナトリウム塩とポリオレフィンとの安定化
樹脂の製法(特開平6ー248013号公報)、ポリス
チレン/ポリフェニレンオキサイド系アロイからなるの
耐熱樹脂〔Proceedings of the 6th Sony Research For
um p.552(1996)〕、ポリスチレン/ポリフェニレンオキ
サイドにスルフォン酸塩を導入したポリマーシステムの
相溶性〔Polymer,Vol.33,Nr6,1210(1992) 〕等である。
【0004】また、ABS樹脂またはHIPS樹脂にイ
オン基が導入された水溶性高分子電解質(特開平10ー
101731、特開平10ー249194号公報)が知
られている。しかしながら、上記公報及び文献にはスル
フォン酸塩等を含有した芳香族系樹脂が卓越した難燃性
を付与可能であることは開示も示唆もされていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状に鑑み、上記のような問題点のない、即ち卓越した
難燃性を付与可能な芳香族系樹脂難燃剤を提供すること
を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは重合体の難
燃性を鋭意検討した結果、本発明の特定の置換基を有す
る芳香族系樹脂難燃剤が重合体に対して、難燃性を飛躍
的に向上せしめることを見出し、本発明を完成した。即
ち本発明は、イオン基を含有した主鎖に芳香族環を含有
する芳香族系樹脂難燃剤、及びそれを配合した難燃性重
合体組成物を提供するものである。
【0007】以下、本発明を詳しく説明する。本発明の
難燃剤は、特定の芳香族系樹脂がイオン基を含有する。
ここで、イオン基を含有することが重要である。芳香族
環に置換されたイオン基は比較的に脱離しやすく、燃焼
時に架橋点となり、チャー形成に寄与する。またイオン
基の種類により脱離したイオン由来の酸がチャー形成を
促進する。本発明におけるイオン基は、このような作用
を発現するものであり、特に制限されない。具体的に
は、スルフォン酸及び/またはその塩、アクリル酸単
位、メタクリル酸単位等のカルボキシル基及び/または
その塩、−PO(OH)2 基及び/またはその塩、−C
2 PO(OH)2 基及び/またはその塩、−NO2
水酸基及びその塩、クロロメチル化アミン基及び/また
はその塩、そしてアクリルアミド類単位、メタクリルア
ミド類単位、、ビニルアルコール単位もイオン基に含ま
れる。
【0008】本発明において、イオン基が上記作用を発
現するためには、難燃剤のベースの重合体の全単位に対
して、イオン基が1〜300モル%含有することが好ま
しく、更に好ましくは20〜200モル%、最も好まし
くは50〜150モル%、極めて好ましくは70〜10
0モル%である。本発明の芳香族系樹脂難燃剤は、主鎖
に芳香族環を含有する芳香族系樹脂を酸及び/またはア
ルカリ処理することにより、イオン基を導入する方法
(方法I)、またはイオン基を含有する単位とその他の
構成単位と共重合する方法(方法II)及び必要に応じ
て、方法IIで得られた重合体にイオン基を導入する方
法(方法III)により製造することができる。
【0009】本発明の難燃剤の第一番目の製造方法(方
法I)において、特定の芳香族系樹脂を酸及び/または
アルカリ処理することにより、芳香族系単位には、スル
フォン酸基等の酸性のイオン基が導入され、不飽和ニト
リル等の単位は、アミド基やカルボキシル基もしくはそ
の塩に転換され、共役ジエン等のゴム状重合体には、水
酸基もしくはその塩やスルフォン酸基等の酸性イオン基
が導入される。その結果、重合体への難燃剤の添加量を
削減しても難燃性を保持することが可能となる。
【0010】ここで、アルカリ処理に用いられるアルカ
リとしては、無機アルカリが好ましい。無機アルカリと
しては、アルカリ金属やアルカリ土類金属の酸化物、水
酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、酢酸塩、硫酸塩、リン酸
塩の化合物及びその水溶液が挙げられる。またイオン架
橋構造形成のためには、上記アルカリ処理において、C
u,Ag,Mg,Ca,Ba,Zn,Cd,Hg,Al,Fe,Co,Ni 等のIB、II
A、IIB、IIIB、VIII族の第四周期の金属イ
オンを含む多価金属塩を用いることが好ましい。
【0011】上述したアルカリと特定の重合体とを反応
させることにより、不飽和ニトリルと共役ジエン部は、
加水分解を受けることになり、それぞれアミド基や水酸
基が導入される。更に、アルカリを加えることにより、
アミド基はカルボキシル基やその塩、または水酸基は水
酸塩に置換される。酸処理に用いられる酸としては、無
機酸が好ましい。無機酸としては、濃硫酸、無水硫酸、
発煙硫酸、クロロスルフォン酸、硝酸、発煙硝酸、燐
酸、塩化燐、酸化燐等が挙げられる。これらの中では、
濃硫酸、無水硫酸、発煙硫酸、クロロスルフォン酸が好
ましく、特に70重量%以上の濃硫酸が好ましい。
【0012】上述した無機酸と特定の重合体とを反応さ
せることにより、不飽和ニトリルは加水分解を受け、ア
ミド基やカルボキシル基に改質され、芳香族ビニル及び
共役ジエンには、スルフォン酸基や−PO(OH)
2 基、−CH2 PO(OH)2 基、−NO2 基等のイオ
ン基が導入される。なお、上述した酸処理において、ス
ルフォン化剤を用いる場合、ルイス酸基を併用しても良
い。上記製造方法は、特開平10ー101731、特開
平10ー249194号公報に詳細に開示されている。
【0013】本発明の難燃剤の第一番目の製造方法
(I)において用いられる、主鎖に芳香族環を含有する
芳香族系樹脂は、ポリフェニレンエーテル系、ポリアミ
ド系、ポリエステル系、ポリフェニレンスルフィド系、
ポリカーボネート系等の主鎖に芳香環を含有する、熱可
塑性樹脂及び/または熱硬化性樹脂であり、上記樹脂の
ゴム変性体をも含む。
【0014】本発明において、主鎖に芳香族環を含有す
る芳香族系樹脂の一つの芳香族ポリカーボネートは、芳
香族ホモポリカーボネートと芳香族コポリカーボネート
より選ぶことができる。製造方法としては、2官能フェ
ノール系化合物に苛性アルカリ及び溶剤の存在下でホス
ゲンを吹き込むホスゲン法、あるいは、例えば、二官能
フェノール系化合物と炭酸ジエチルとを触媒の存在下で
エステル交換させるエステル交換法を挙げることができ
る。該芳香族ポリカーボネートは粘度平均分子量が1万
〜10万の範囲が好適である。ここで、上記2官能フェ
ノール系化合物は、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)メタン、1,1’−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)エタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)ブタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ
−3,5−ジフェニル)ブタン、2,2’−ビス(4−
ヒドロキシ−3,5−ジプロピルフェニル)プロパン、
1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキ
サン、1−フェニル−1,1’−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタン等であり、特に2,2’−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビスフェノールA〕が
好ましい。本発明において、2官能フェノール系化合物
は、単独で用いてもよいし、あるいはそれらを併用して
もよい。本発明において、主鎖に芳香族環を含有する芳
香族系樹脂のもう一つのポリフェニレンエーテルは、次
式(1)で示される結合単位からなる単独重合体及び/
又は共重合体である。
【0015】
【化1】 但し、R1 、R2 、R3 、R4 は、それぞれ水素、炭化
水素、または置換炭化水素基からなる群から選択される
ものであり、互いに同一でも異なっていてもよい。
【0016】このポリフェニレンエ−テルの具体的な例
としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレ
ンエーテル)、2,6−ジメチルフェノールと2,3,
6−トリメチルフェノールとの共重合体等が好ましく、
中でもポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエ
ーテル)が好ましい。かかるポリフェニレンエ−テルの
製造方法は特に限定されるものではなく、例えば、米国
特許第3,306,874号明細書記載の方法による第
一銅塩とアミンのコンプレックスを触媒として用い、例
えば2,6キシレノールを酸化重合することにより容易
に製造でき、そのほかにも米国特許第3,306,87
5号明細書、米国特許第3,257,357号明細書、
米国特許3,257,358号明細書、及び特公昭52
−17880号公報、特開昭50−51197号公報に
記載された方法で容易に製造できる。本発明にて用いる
上記ポリフェニレンエ−テルの還元粘度ηsp/c
(0.5g/dl、クロロホルム溶液、30℃測定)
は、0.20〜0.70dl/gの範囲にあることが好
ましく、0.30〜0.60dl/gの範囲にあること
がより好ましい。ポリフェニレンエ−テルの還元粘度η
sp/cに関する上記要件を満たすための手段として
は、前記ポリフェニレンエ−テルの製造の際の触媒量の
調整などを挙げることができる。
【0017】本発明の難燃剤の第一番目の製造方法
(I)において用いられる重合体は、新たに製造された
バージン材であってもよいし、樹脂原料や成形品の生産
過程での排出品(半端品)、電化製品や自動車等に使用
された筐体等の各種部品材料、チューブやホース等の各
種緩衝材等の、ある特定の用途を目的として成形された
使用済みの樹脂である廃材であってもよい。排出場所と
しては、工場、販売店、過程等のいずれであっても良い
が、過程からの一般廃棄物より工場や販売店等から回収
されたものの方が、比較的組成が揃った物が多いために
より好ましい。
【0018】また、この重合体は、他の重合体とのアロ
イであっても良く、染顔料や安定剤、難燃剤、可塑剤、
充填剤、その他補助剤等の添加剤を含んでいる廃材であ
ってもよい。または、廃材とバージン材との混合物であ
ってもよい。
【0019】本発明の難燃剤の第二番目の製造方法(I
I)は、スルフォン酸基等の酸性のイオン基を含有した
芳香族系単位を必須単位とし、必要に応じてアミド基や
カルボキシル基もしくはその塩を含有するビニル系単
位、水酸基もしくはその塩やスルフォン酸基等の酸性イ
オン基を含有した共役ジエン等の単位とを共重合もしく
はグラフト重合する方法である。本発明の難燃剤の製造
方法(II)の具体例として、不飽和ニトリル単量体、
アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸、メタ
クリル酸、ビニルアルコール、スルフォン酸金属塩含有
芳香族単位から選ばれる単位を公知の縮合重合法等で重
合方法である。その際にゴム状重合体として共役ジエン
系ゴムの存在下に上記単位をグラフト重合することがで
きる。
【0020】本発明の難燃剤を重合体に配合することに
より、卓越した難燃性が発現する。本発明の難燃剤を配
合することが可能な重合体は、ゴム状重合体、熱可塑性
樹脂、または熱硬化性樹脂等であるが、特にその中でも
熱可塑性樹脂が好ましい。上記ゴム状重合体は、ガラス
転移温度(Tg)が−30℃以下であることが好まし
く、−30℃を越えると耐衝撃性が低下する傾向にあ
る。
【0021】このようなゴム状重合体の例としては、ポ
リブタジエン、ポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ
(アクリロニトリル−ブタジエン)等のジエン系ゴム及
び上記ジエンゴムを水素添加した飽和ゴム、イソプレン
ゴム、クロロプレンゴム、ポリアクリル酸ブチル等のア
クリル系ゴム及びエチレン−プロピレ共重合体ゴム、エ
チレン−プロピレンン−ジエンモノマー三元共重合体ゴ
ム(EPDM)、エチレンーオクテン共重合体ゴム等の
架橋ゴムまたは非架橋ゴム、並びに上記ゴム成分を含有
する熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。
【0022】上記熱可塑性エラストマーの中でも、特に
スチレン系熱可塑性エラストマーが好ましく、芳香族ビ
ニル単位と共役ジエン単位からなるブロック共重合体、
または上記共役ジエン単位部分が部分的に水素添加され
たブロック共重合体であり、特に熱安定性の観点から、
水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーが更に好まし
い。
【0023】上記ブロック共重合体を構成する芳香族ビ
ニル単量体は、例えば、スチレン、α−メチルスチレ
ン、パラメチルスチレン、p−クロロスチレン、p−ブ
ロモスチレン、2,4,5−トリブロモスチレン等であ
り、スチレンが最も好ましいが、スチレンを主体に上記
他の芳香族ビニル単量体を共重合してもよい。また、上
記ブロック共重合体を構成する共役ジエン単量体は、
1,3−ブタジエン、イソプレン等を挙げることができ
る。
【0024】そして、ブロック共重合体のブロック構造
は、芳香族ビニル単位からなる重合体ブロックをSで表
示し、共役ジエン及び/またはその部分的に水素添加さ
れた単位からなる重合体ブロックをBで表示する場合、
SB、S(BS)n、(但し、nは1〜3の整数)、S
(BSB)n、(但し、nは1〜2の整数)のリニア−
ブロック共重合体や、(SB)nX(但し、nは3〜6
の整数。Xは四塩化ケイ素、四塩化スズ、ポリエポキシ
化合物等のカップリング剤残基。)で表示される、B部
分を結合中心とする星状(スタ−)ブロック共重合体で
あることが好ましい。なかでもSBの2型、SBSの3
型、SBSBの4型のリニア−ブロック共重合体が好ま
しい。上記ブロック共重合体中の芳香族ビニル単量体の
割合は、1〜99重量%であり、好ましくは10〜90
重量%、更に好ましくは20〜80%、最も好ましくは
30〜70%であり、上記範囲内では卓越した衝撃強度
が発現する。
【0025】本発明の難燃剤を配合するゴム状重合体の
中でも更に好ましい水素添加スチレン系熱可塑性エラス
トマーは、上述の芳香族ビニル単位と共役ジエン単位か
らなるブロック共重合体を公知の方法で水素添加するこ
とにより得られる。例えば、F.L.Ramp,etal,J.Amer.Che
m.Soc.,83,4672(1961)記載のトリイソブチルボラン触媒
を用いて水素添加する方法、Hung Yu Chen,J.Polym.Sc
i.Polym.Letter Ed.,15,271(1977)記載のトルエンスル
フォニルヒドラジドを用いて水素添加する方法、あるい
は特公昭42ー8704号公報に記載の有機コバルトー
有機アルミニュウム系触媒あるいは有機ニッケルー有機
アルミニュウム系触媒を用いて水素添加する方法、1,
2ービニル結合を1, 4ー結合に先立って選択的に水素
添加できる触媒を使用する特開昭52ー41890号公
報に示される方法、あるいは低温、低圧の温和な条件下
で水素添加が可能な触媒を用いる特開昭59ー1332
03号、特開昭60ー220147号公報に示される方
法である。
【0026】本発明の難燃剤を配合することが可能な重
合体の中でも最も好ましい熱可塑性樹脂は、本発明の難
燃剤と相溶もしくは均一分散し得るものであればとくに
制限はない。たとえば、ポリスチレン系、ポリフェニレ
ンエーテル系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、
ポリアミド系、ポリエステル系、ポリフェニレンスルフ
ィド系、ポリカーボネート系、ポリメタクリレート系等
の単独もしくは二種以上を混合したものを使用すること
ができる。特に熱可塑性重合体としてポリフェニレンエ
ーテル系、ポリスチレン系、ポリカーボネート系の熱可
塑性樹脂が好ましい。
【0027】本発明の難燃剤を配合可能な熱可塑性樹脂
の一つのスチレン系樹脂は、ゴム変性スチレン系樹脂及
び/またはゴム非変性スチレン系樹脂であり、特にゴム
変性スチレン系樹脂単独またはゴム変性スチレン系樹脂
とゴム非変性スチレン系樹脂からなることが好ましく、
本発明の難燃剤と相溶もしくは均一分散し得るものであ
れば特に制限はない。また、ゴム変性スチレン系重合体
は、ビニル芳香族系重合体よりなるマトリックス中にゴ
ム状重合体が粒子状に分散してなるグラフト重合体をい
い、ゴム状重合体の存在下に芳香族ビニル単量体及び必
要に応じ、これと共重合可能なビニル単量体を加えて単
量体混合物を公知の塊状重合、乳化重合、懸濁重合等の
グラフト重合方法により得られる。
【0028】このような重合体の例としては、ガラス転
移温度(Tg)が−30℃以下であることが好ましく、
−30℃を越えると耐衝撃性が低下する傾向にある。こ
のようなゴム状重合体の例としては、ポリブタジエン、
ポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(アクリロニトリ
ル−ブタジエン)等のジエン系ゴム及び上記ジエンゴム
を水素添加した飽和ゴム、イソプレンゴム、クロロプレ
ンゴム、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系ゴム及び
エチレン−プロピレ共重合体ゴム、エチレン−プロピレ
ンン−ジエンモノマー三元共重合体ゴム(EPDM)、
エチレンーオクテン共重合体ゴム等の架橋ゴムまたは非
架橋ゴム、並びに上記ゴム成分を含有する熱可塑性エラ
ストマー等を挙げることができる。
【0029】このようなグラフト共重合体の例として
は、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ABS樹脂
(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合
体)、AAS樹脂(アクリロニトリル−アクリルゴム−
スチレン共重合体)、AES樹脂(アクリロニトリル−
エチレンプロピレンゴム−スチレン共重合体)等が挙げ
られる。グラフト共重合体におけるゴム状重合体は、好
ましくは5〜80重量%、特に好ましくは10〜50重
量%、グラフト重合可能な単量体混合物は、好ましくは
95〜20重量%、更に好ましくは90〜50重量%の
範囲にある。そして、グラフト共重合体中のゴム粒子径
は、0.1〜5.0μmが好ましく、特に0.2〜3.
0μmが好適である。
【0030】グラフト共重合体の分子量の尺度であるマ
トリックス部分の還元粘度ηsp/c(0.5g/d
l、30℃測定:マトリックス樹脂がポリスチレンの場
合はトルエン溶液、マトリックス樹脂が不飽和ニトリル
−芳香族ビニル共重合体の場合はメチルエチルケトン)
は、0.30〜0.80dl/gの範囲にあることが好
ましく、0.40〜0.60dl/gの範囲にあること
がより好ましい。上記還元粘度ηsp/cに関する上記
要件を満たすための手段としては、重合開始剤量、重合
温度、連鎖移動剤量の調整等を挙げることができる。
【0031】本発明の難燃剤を配合することが可能な熱
可塑性樹脂の一つの芳香族ポリカーボネートは、芳香族
ホモポリカーボネートと芳香族コポリカーボネートより
選ぶことができる。製造方法としては、2官能フェノー
ル系化合物に苛性アルカリ及び溶剤の存在下でホスゲン
を吹き込むホスゲン法、あるいは、例えば、二官能フェ
ノール系化合物と炭酸ジエチルとを触媒の存在下でエス
テル交換させるエステル交換法を挙げることができる。
該芳香族ポリカーボネートは粘度平均分子量が1万〜1
0万の範囲が好適である。ここで、上記2官能フェノー
ル系化合物は、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)メタン、1,1’−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)ブタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジフェニル)ブタン、2,2’−ビス(4−ヒ
ドロキシ−3,5−ジプロピルフェニル)プロパン、
1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキ
サン、1−フェニル−1,1’−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタン等であり、特に2,2’−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビスフェノールA〕が
好ましい。本発明において、2官能フェノール系化合物
は、単独で用いてもよいし、あるいはそれらを併用して
もよい。
【0032】本発明の難燃剤を配合可能な熱可塑性樹脂
の一つのスチレン系樹脂は、ゴム変性スチレン系樹脂及
び/またはゴム非変性スチレン系樹脂であり、特にゴム
変性スチレン系樹脂単独またはゴム変性スチレン系樹脂
とゴム非変性スチレン系樹脂からなることが好ましく、
本発明の難燃剤と相溶もしくは均一分散し得るものであ
れば特に制限はない。また、ゴム変性スチレン系重合体
は、ビニル芳香族系重合体よりなるマトリックス中にゴ
ム状重合体が粒子状に分散してなるグラフト共重合体を
いい、ゴム状重合体の存在下に芳香族ビニル単量体及び
必要に応じ、これと共重合可能なビニル単量体を加えて
単量体混合物を公知の塊状重合、乳化重合、懸濁重合等
の重合方法によりグラフト重合される。
【0033】このようなグラフト共重合体の例として
は、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ABS樹脂
(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合
体)、AAS樹脂(アクリロニトリル−アクリルゴム−
スチレン共重合体)、AES樹脂(アクリロニトリル−
エチレンプロピレンゴム−スチレン共重合体)等が挙げ
られる。グラフト共重合体におけるゴム状重合体は、好
ましくは5〜80重量%、特に好ましくは10〜50重
量%、グラフト重合可能な単量体混合物は、好ましくは
95〜20重量%、更に好ましくは90〜50重量%の
範囲にある。そして、グラフト共重合体中のゴム粒子径
は、0.1〜5.0μmが好ましく、特に0.2〜3.
0μmが好適である。
【0034】グラフト共重合体の分子量の尺度であるマ
トリックス部分の還元粘度ηsp/c(0.5g/d
l、30℃測定:マトリックス樹脂がポリスチレンの場
合はトルエン溶液、マトリックス樹脂が不飽和ニトリル
−芳香族ビニル共重合体の場合はメチルエチルケトン)
は、0.30〜0.80dl/gの範囲にあることが好
ましく、0.40〜0.60dl/gの範囲にあること
がより好ましい。上記還元粘度ηsp/cに関する上記
要件を満たすための手段としては、重合開始剤量、重合
温度、連鎖移動剤量の調整等を挙げることができる。本
発明の難燃剤を配合することが可能な熱可塑性樹脂のも
う一つのポリフェニレンエーテルは、次式(1)で示さ
れる結合単位からなる単独重合体及び/又は共重合体で
ある。
【0035】
【化2】 但し、R1 、R2 、R3 、R4 は、それぞれ水素、炭化
水素、または置換炭化水素基からなる群から選択される
ものであり、互いに同一でも異なっていてもよい。
【0036】このポリフェニレンエ−テルの具体的な例
としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレ
ンエーテル)、2,6−ジメチルフェノールと2,3,
6−トリメチルフェノールとの共重合体等が好ましく、
中でもポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエ
ーテル)が好ましい。かかるポリフェニレンエ−テルの
製造方法は特に限定されるものではなく、例えば、米国
特許第3,306,874号明細書記載の方法による第
一銅塩とアミンのコンプレックスを触媒として用い、例
えば2,6キシレノールを酸化重合することにより容易
に製造でき、そのほかにも米国特許第3,306,87
5号明細書、米国特許第3,257,357号明細書、
米国特許3,257,358号明細書、及び特公昭52
−17880号公報、特開昭50−51197号公報に
記載された方法で容易に製造できる。本発明にて用いる
上記ポリフェニレンエ−テルの還元粘度ηsp/c
(0.5g/dl、クロロホルム溶液、30℃測定)
は、0.20〜0.70dl/gの範囲にあることが好
ましく、0.30〜0.60dl/gの範囲にあること
がより好ましい。ポリフェニレンエ−テルの還元粘度η
sp/cに関する上記要件を満たすための手段として
は、前記ポリフェニレンエ−テルの製造の際の触媒量の
調整などを挙げることができる。
【0037】本発明において、更に一層高度な難燃性が
要求される場合には、必要に応じて、その他の難燃剤と
して、ハロゲン系、リン系または無機系難燃剤、トリア
ジン骨格含有化合物、シリコ−ン系難燃剤、有機シリケ
ート、金属塩系、シリカ、アラミド繊維、ポリアクリロ
ニトリル繊維、フッ素系樹脂、ノボラック樹脂から選ば
れる一種以上を配合することができる。
【0038】前記ハロゲン系難燃剤は、ハロゲン化ビス
フェノ−ル、芳香族ハロゲン化合物、ハロゲン化ポリカ
ーボネート、ハロゲン化芳香族ビニル系重合体、ハロゲ
ン化シアヌレート樹脂、ハロゲン化ポリフェニレンエー
テル等が挙げられ、好ましくはデカブロモジフェニルオ
キサイド、テトラブロムビスフェノールA、テトラブロ
ムビスフェノールAのオリゴマー、ブロム化ビスフェノ
ール系フェノキシ樹脂、ブロム化ビスフェノール系ポリ
カ−ボネ−ト、ブロム化ポリスチレン、ブロム化架橋ポ
リスチレン、ブロム化ポリフェニレンオキサイド、ポリ
ジブロムフェニレンオキサイド、デカブロムジフェニル
オキサイドビスフェノール縮合物、含ハロゲンリン酸エ
ステル及びフッ素系樹脂等である。前記必要に応じて配
合可能な難燃剤としてのリン系難燃剤は、有機リン化合
物、赤リン、無機系リン酸塩等である。
【0039】上記有機リン化合物の例としては、ホスフ
ィン、ホスフィンオキシド、ビホスフィン、ホスホニウ
ム塩、ホスフィン酸塩、リン酸エステル、亜リン酸エス
テル等である。より具体的には、トリフェニルフォスフ
ェート、メチルネオベンチルフォスファイト、ヘンタエ
リスリトールジエチルジフォスファイト、メチルネオペ
ンチルフォスフォネート、フェニルネオペンチルフォス
フェート、ペンタエリスリトールジフェニルジフォスフ
ェート、ジシクロペンチルハイポジフォスフェート、ジ
ネオペンチルハイポフォスファイト、フェニルピロカテ
コールフォスファイト、エチルピロカテコールフォスフ
ェート、ジピロカテコールハイポジフォスフェートであ
る。ここで、特に有機リン化合物として、次式(2)の
芳香族系リン酸エステル単量体、次式(3)の芳香族系
リン酸エステル縮合体が好ましい。
【0040】
【化3】
【0041】
【化4】 (但し、Ar1 、Ar2 、Ar3 、Ar4 、Ar5 、A
6 、Ar7 、Ar8 はそれぞれ独立に無置換または炭
素数1〜10の炭化水素基で少なくとも一つ置換された
フェニル基から選ばれる芳香族基である。Ar6 は炭素
数6〜20の二価の芳香族基である。mは1以上の整数
を表わす。)
【0042】前記リン系難燃剤の一つの赤リンは、一般
の赤リンの他に、その表面をあらかじめ、水酸化アルミ
ニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化チタ
ンよりえらばれる金属水酸化物の被膜で被覆処理された
もの、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸
化亜鉛、水酸化チタンより選ばれる金属水酸化物及び熱
硬化性樹脂よりなる被膜で被覆処理されたもの、水酸化
アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸
化チタンより選ばれる金属水酸化物の被膜の上に熱硬化
性樹脂の被膜で二重に被覆処理されたものなどである。
前記リン系難燃剤の一つの無機系リン酸塩は、ポリリン
酸アンモニウムが代表的である。
【0043】そして、前記必要に応じて配合可能な難燃
剤としての無機系難燃剤は、イオン基導入に際して用い
られる酸及び/またはアルカリ処理の結果生成する硫酸
ナトリウム、硫酸カルシウム等の硫酸塩、水酸化アルミ
ニウム、水酸化マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタ
ルサイト、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、塩基性
炭酸マグネシウム、水酸化ジルコニウム、酸化スズの水
和物等の無機金属化合物の水和物、酸化アルミニウム、
酸化鉄、酸化チタン、酸化マンガン、酸化マグネシウ
ム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸
化コバルト、酸化ビスマス、酸化クロム、酸化スズ、酸
化アンチモン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化タングステ
ン等の金属酸化物、アルミニウム、鉄、チタン、マンガ
ン、亜鉛、モリブデン、コバルト、ビスマス、クロム、
ニッケル、銅、タングステン、スズ、アンチモン等の金
属粉、そしてホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸
バリウム、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウ
ム、炭酸バリウム等が挙げられる。これらは、1種でも
2種以上を併用してもよい。この中で特に、水酸化マグ
ネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウ
ム、ハイドロタルサイトからなる群から選ばれたものが
難燃効果が良く、経済的にも有利である。無機系難燃剤
の中でも、燃焼初期に溶融または軟化し、燃焼中期の激
しい熱分解時に増粘、固化あるいは架橋による硬化反応
が促進されするガラス類が好ましく、例えば、水和ガラ
スSiO2-MgO-H2O,PbO-B2O3 系、ZnO-P2O5-MgO系、P2O5-B
2O3-PbO-MgO 系、P-Sn-O-F系、PbO-V2O5-TeO2 系、Al2O
3 ・H2O 系、ハロゲン化錫系、ホウ珪酸鉛系等のガラス
状化合物である。
【0044】必要に応じて配合可能な難燃剤としてのト
リアジン骨格含有化合物は、リン系難燃剤の難燃助剤と
して一層の難燃性を向上させるための成分である。その
具体例としては、メラミン、メラム、メレム、メロン
(600°C以上でメレム3分子から3分子の脱アンモ
ニアによる生成物)、メラミンシアヌレ−ト、リン酸メ
ラミン、サクシノグアナミン、アジポグアナミン、メチ
ルグルタログアナミン、メラミン樹脂、BTレジン を
挙げることができるが、低揮発性の観点から特にメラミ
ンシアヌレ−トが好ましい。
【0045】必要に応じて配合可能な難燃剤としてのシ
リコーン系難燃剤は、直鎖状のポリジオルガノシロキサ
ンであるシリコーンオイルまたはSiO2 、RSiO
3/2 、R2 SiO、R3 SiO1/2 の構造単位を組み合
わせてできる三次元網状構造を有するシリコ−ン樹脂で
ある。ここで、Rはメチル基、エチル基、プロピル基等
のアルキル基、あるいは、フェニル基、ベンジル基等の
芳香族基、または上記置換基にビニル基を含有した置換
基を示す。ここで、特にビニル基を含有したシリコ−ン
樹脂が好ましい。 このようなシリコ−ン樹脂は、上記
の構造単位に対応するオルガノハロシランを共加水分解
して重合することにより得られる。
【0046】必要に応じて配合可能な難燃剤としての有
機シリケートは、例えばオルソケイ酸エステル及び、そ
の加水分解縮合物、またはオルガノアルコキシポリシロ
キサン、オルガノアリーロキシポリシロキサン等の有機
シリケート、または例えば、主鎖(Si−O)に対し
て、側鎖Si−O−Rを必須成分として、必要に応じて
Si−R’(R、R’は炭化水素基)を有するポリシロ
キサンにおいて、Si−O−Si等で表される分岐また
は架橋構造を含む有機シリケート等である。
【0047】必要に応じて配合可能な難燃剤としての金
属塩系難燃剤は、例えば、トリクロロベンゼンスルフォ
ン酸カリウム、パーフルオロブタンスルフォン酸カリウ
ム、ジフェニルスルフォンー3ースルフォン酸カリウム
等の有機スルフォン酸金属塩、芳香族スルフォンイミド
金属塩、あるいはスチレン系重合体、ポリフェニレンエ
ーテル等の芳香族基含有重合体の芳香環に、スルフォン
酸金属塩、硫酸金属塩、リン酸金属塩、ホウ酸金属塩が
結合した、ポリスチレンスルフォン酸アルカリ金属塩等
の金属塩系難燃剤である。このような金属塩系難燃剤
は、特に重合体としてポリカーボネートの場合には、燃
焼時に脱炭酸反応を促進して難燃性を向上させる。
【0048】必要に応じて配合可能な難燃剤としてのシ
リカは、無定形の二酸化ケイ素であり、特にシリカ表面
に炭化水素系化合物系のシランカップリング剤で処理し
た炭化水素系化合物被覆シリカが好ましく、更にはビニ
ル基を含有した炭化水素系化合物被覆シリカが好まし
い。必要に応じて配合可能な難燃剤としてのアラミド繊
維は、平均直径が1〜500μmで平均繊維長が0.1
〜10mmであることが好ましく、イソフタルアミド、
またはポリパラフェニレンテレフタルアミドをアミド系
極性溶媒または硫酸に溶解し、湿式または乾式法で溶液
紡糸することにより製造することができる。
【0049】必要に応じて配合可能な難燃剤としてのポ
リアクリロニトリル繊維は、平均直径が1〜500μm
で平均繊維長が0.1〜10mmであることが好まし
く、ジメチルホルムアミド等の溶媒に重合体を溶解し、
400°Cの空気流中に乾式紡糸する乾式紡糸、または
硝酸等の溶媒に重合体を溶解し水中に湿式紡糸する湿式
紡糸法により製造される。必要に応じて配合可能な難燃
剤としてのフッ素系樹脂は、樹脂中にフッ素原子を含有
する樹脂である。その具体例として、ポリモノフルオロ
エチレン、ポリジフルオロエチレン、ポリトリフルオロ
エチレン、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオ
ロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体等を挙
げることができる。また、必要に応じて上記含フッ素モ
ノマ−と共重合可能なモノマ−とを併用してもよい。
【0050】必要に応じて配合可能な難燃剤としてのノ
ボラック樹脂は、フェノ−ル類とアルデヒド類を硫酸ま
たは塩酸のような酸触媒の存在下で縮合して得られ、そ
の製造方法は、「高分子実験学5『重縮合と重付加』
p.437〜455(共立出版(株))」に記載されて
いる。本発明において、必要に応じて配合可能な難燃剤
の添加量は,重合体100重量部に対して、0. 001
〜100重量部が好ましく、更に好ましくは1〜50重
量部、最も好ましくは、3〜20重量部、極めて好まし
くは、5〜15重量部である。
【0051】本発明において、必要に応じて、脂肪族炭
化水素、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸
アミド、高級脂肪族アルコ−ル、金属石鹸、オルガノシ
ロキサン系ワックス、ポリオレフィンワックス、ポリカ
プロラクトンから選ばれる一種または二種以上の離型剤
または流動性向上剤としての加工助剤を配合することが
できる。上記加工助剤の量は、重合体100重量部に対
して、好ましくは0.01〜20重量部、更に好ましく
は、0.5〜10重量部、最も好ましくは、1〜5重量
部である。
【0052】本発明において、耐光性が要求される場合
には、必要に応じて、紫外線吸収剤、ヒンダ−ドアミン
系光安定剤、酸化防止剤、活性種捕捉剤、遮光剤、金属
不活性剤、または消光剤から選ばれる一種または二種以
上の耐光性改良剤を配合することができる。上記耐光性
改良剤の量は、重合体100重量部に対して、好ましく
は0.05〜20重量部、更に好ましくは、0.1〜1
0重量部、最も好ましくは、1〜5重量部である。
【0053】本発明の難燃剤を含有する重合体組成物の
製造方法としては、例えば重合体と難燃剤を混合し押出
機で溶融混練知る方法、重合体をまず溶融し、次いで、
本発明の難燃剤を添加し、同一押出機で溶融混練する方
法、または重合体、または必要に応じて本発明の難燃剤
を配合したマスタ−バッチを製造した後、上記マスタ−
バッチと、残りの重合体または残りの本発明の難燃剤も
しくは他の難燃剤を混練する方法等がある。
【0054】本発明の難燃剤を用いて得られる難燃性重
合体組成物は、上記各成分を市販の単軸押出機あるい
は、二軸押出機などで例えば溶融混練することにより得
られるが、その際熱安定剤、滑剤、充填剤、ガラス繊維
等の補強剤、染料や顔料等の着色剤、硫酸塩等の酸塩基
等が含有されたり、必要に応じて添加することができ
る。このようにして得られた組成物を例えば、射出成形
機または押出成形機を用いて長期間連続成形することが
可能であり、そして得られた成形品は難燃性、耐熱性及
び耐衝撃性が優れている。
【0055】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれにより何ら制限を受けるもので
はない。尚、実施例、比較例における難燃性の測定は、
以下の方法もしくは測定機を用いて行なった。 (1)難燃性 UL−94に準拠したVB(Vertical Bur
ning)法により、自己消火性の評価を行った。(1
/8インチ厚み試験片)実施例、比較例で用いる各成分
は以下のものを用いた。
【0056】(1)芳香族ポリカーボネート(PC) 住友ダウ(株)製 〔ビスフェノールA型 商品名 カ
リバー13(以下、PCと称する)〕 (2)ポリフェニレンエーテル(PPE) 旭化成工業(株)製 ポリフェニレンパウダー、商品名
ザイロン(以下、PPEと称する)〕 (3)芳香族ポリエステル ユニチカ(株)製 Uポリマー(以下、PESと称す
る)
【0057】(4)変性PC 100重量部のPCを、900重量部の1, 2ージクロ
ロエタンに溶解させ、50℃に保ち、128重量部の6
0%発煙硫酸を30分かけて滴下し、さらに30分間、
同温度でスルフォン化を完結させた。尚、反応の進行と
共に、反応液中にスラリー状の生成物が生じたが、反応
終了時までゲル化物が反応容器の壁面に付着することが
なかった。次いで、水酸化ナトリウム水溶液を反応系中
に徐々に加えて中和を行った。その後、加熱により反応
系中の1, 2ージクロロエタンを留去除去し、残留物の
水溶液を水酸化ナトリウムで最終的にpH8に調整し
た。そして、このようにして得られた水溶液から水を除
去し変性PC(以下、変性PCと称する)を得た。赤外
吸収スペクトルにより芳香環にスルフォン酸塩が確認さ
れた。
【0058】(5)変性PPE 変性PCの製造法において、SEBSをSBに変更する
以外、同様の実験を繰り返した。(以下、変性PPEと
称する) (6)変性PES 変性PCの製造法において、PCをPESに変更する以
外、同様の実験を繰り返した。(以下、変性PESと称
する) (7)ゴム変性ポリスチレン(HIPS) 旭化成工業(株)製〔ポリブタジエン/ポリスチレン
(10/90:重量比)商品名 スタイロン(以下、H
IPSと称する)〕 (8)ABS樹脂(ABS) 旭化成工業(株)製〔アクリロニトリル/ポリブタジエ
ン/スチレン(24/20/56:重量比)商品名 ス
タイラックABS(以下、ABSと称する)〕
【0059】(9)ポリプロピレン(PP) 日本ポリオレフィン(株)製 ホモポリプロピレン(以
下、PPと称する) (10)リン系難燃剤:トリフェニルホスフェート(T
PP) 大八化学工業(株)製、商品名TPP(以下、TPPと
称する) (11)リン系難燃剤:ポリリン酸アンモニウム(AP
P) チッソ(株)製、商品名テラージュ(以下、APPと称
する) (12)窒素系難燃剤:メラミンシアヌレート(MC) 日産化学工業(株)製、商品名MC(以下、MCと称す
る) (13)珪素系難燃剤:ポリメチルフェニルシロキサン
(SI) 信越化学工業(株)製 (以下、SIと称する) (14)臭素系難燃剤:デカブロモジフェニルオキサイ
ド(BR) アルベマール(米国)社製 (以下、BRと称する)
【0060】(15)水酸化マグネシウム(MgOH) 協和化学工業製、Mg(OH)2 商品名 キスマ (以下、M
gOHと称する) (16)三酸化アンチモン(SbO) 日本精鉱(株)製、Sb2O3 (以下、SbOと称する) (17)ポリアクリロニトリル繊維(PAN) 旭化成工業製(以下、PANと称する) (18)酸化チタン(TiO2) 白色顔料として、市販の酸化チタンを用いた。(TiO2
称する) (実施例1〜45,比較例1〜3)表1〜4記載の量比
で機械的に混合し、東洋精機製作所製ラボプラストミル
を用いて、溶融温度230℃、回転数50rpmで5分
間溶融した。このようにして得られた樹脂組成物から圧
縮成形法により1/8インチ厚の試験片を作製し、難燃
性の評価を行なった。表1〜4にその結果を記載した。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】
【発明の効果】本発明の難燃剤を配合した難燃性重合体
組成物は、VTR、分電盤、テレビ、オ−ディオプレ−
ヤ−、コンデンサ、家庭用コンセント、ラジカセ、ビデ
オカセット、ビデオディスクプレイヤ−、エアコンディ
ショナ−、加湿機、電気温風機械等の家電ハウジング、
シャ−シまたは部品、CD−ROMのメインフレ−ム
(メカシャ−シ)、プリンタ−、ファックス、PPC、
CRT、ワ−プロ複写機、電子式金銭登録機、オフィス
コンピュ−タ−システム、フロッピ−ディスクドライ
ブ、キ−ボ−ド、タイプ、ECR、電卓、トナ−カ−ト
リッジ、電話等のOA機器ハウジング、シャ−シまたは
部品、コネクタ、コイルボビン、スイッチ、リレ−、リ
レ−ソケット、LED、バリコン、ACアダップタ−、
FBT高圧ボビン、FBTケ−ス、IFTコイルボビ
ン、ジャック、ボリュウムシャフト、モ−タ−部品等の
電子・電気材料、そして、インスツルメントパネル、ラ
ジエ−タ−グリル、クラスタ−、スピ−カ−グリル、ル
−バ−、コンソ−ルボックス、デフロスタ−ガ−ニッシ
ュ、オ−ナメント、ヒュ−ズボックス、リレ−ケ−ス、
コネクタシフトテ−プ等の自動車材料等に好適であり、
これらに環境上の問題や機械的性質の低下をもたらすこ
とがなく卓越した難燃性を付与することができるので、
産業界に果たす役割は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101:02) Fターム(参考) 4J002 AC031 AC061 AC071 AC072 AC081 AC091 BB001 BB121 BB151 BC001 BC062 BC122 BG011 BG021 BN061 BN121 BN141 BN151 BP011 CF001 CF272 CG001 CG012 CH071 CH072 CL001 CL002 CN011 CN012 FD130 FD132 FD160 4J031 BA06 BA10 BB01 BB02 BC11 BC19 BD10 CD05 CD12 CD25 CD27 4J100 AB07P AD02P AJ02P AM01P AM15P BA56P CA01 CA04 JA15

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン基を含有した主鎖に芳香族環を含
    有する芳香族系樹脂難燃剤。
  2. 【請求項2】 芳香族環単位、不飽和ニトリル単位、ア
    クリルアミド類単位、メタクリルアミド類単位、アクリ
    ル酸単位、メタクリル酸単位、ビニルアルコール単位、
    多官能単量体単位から選ばれる単位を含有する請求項1
    記載の芳香族系樹脂難燃剤。
  3. 【請求項3】 イオン基がスルフォン酸及び/またはそ
    の塩、カルボキシル基及び/またはその塩、−PO(O
    H)2 基及び/またはその塩、−CH2 PO(OH)2
    基及び/またはその塩、−NO2 、水酸基及びその塩、
    クロロメチル化アミン基及び/またはその塩から選ばれ
    るイオン基である請求項1または請求項2記載の芳香族
    系樹脂難燃剤。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項記載の難燃
    剤を重合体に配合した難燃性重合体組成物。
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