JP2001010961A - 腫瘍ワクチン - Google Patents

腫瘍ワクチン

Info

Publication number
JP2001010961A
JP2001010961A JP2000030321A JP2000030321A JP2001010961A JP 2001010961 A JP2001010961 A JP 2001010961A JP 2000030321 A JP2000030321 A JP 2000030321A JP 2000030321 A JP2000030321 A JP 2000030321A JP 2001010961 A JP2001010961 A JP 2001010961A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tumor
cells
vaccine
group
antigen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000030321A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4688254B2 (ja
JP2001010961A5 (ja
Inventor
Tadao Ono
忠夫 大野
Pen Baogan
ペン バオガン
Leon Kamm
レオン カム
Ryuu Shuuchin
リュウ シュウチン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Johns Hopkins University
Original Assignee
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Johns Hopkins University
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by RIKEN Institute of Physical and Chemical Research, Johns Hopkins University filed Critical RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Priority to JP2000030321A priority Critical patent/JP4688254B2/ja
Publication of JP2001010961A publication Critical patent/JP2001010961A/ja
Publication of JP2001010961A5 publication Critical patent/JP2001010961A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4688254B2 publication Critical patent/JP4688254B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便に取り扱うことができ、腫瘍の種類を問
わずに再発防止、転移阻害、及び治療に適用できる汎用
性を供え、しかも抗腫瘍効果が高い腫瘍ワクチンを提供
する。 【解決手段】 腫瘍組織、腫瘍細胞、及びこれらの成分
からなる群から選ばれる固体化された腫瘍材料から調製
された微粒子又は溶解物、少なくとも一種類のサイトカ
イン及び/又はサイトカイン誘導剤(例えば、顆粒球・
マクロファージコロニー刺激因子及び/又はインターロ
イキン-2など)、及び必要に応じてアジュバントを含
む腫瘍ワクチン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、腫瘍の再発予防、
転移阻害、及び治療に有用な腫瘍ワクチンに関する。
【0002】
【従来の技術】腫瘍ワクチン療法は、体内における免疫
機能、なかでも細胞性免疫反応の中心的役割をはたすキ
ラーリンパ球、特に細胞傷害性Tリンパ球(以下、「C
TL」と略す。)を活性化して、正常細胞を傷害するこ
となく腫瘍細胞を特異的に殺し、腫瘍の再発を防止し、
転移を阻害し、あるいは既存腫瘍の治癒を期待する療法
である。
【0003】腫瘍ワクチンとしては多種類が開発されて
いる (Pardoll, D.M., Nature Med.,4(5 Suppl), pp.52
5-531, 1998)。大まかに分類すれば、腫瘍特異的なもの
として、(1)すでに性状が明らかになっている腫瘍抗原
ペプチドを用いるもの;(2)未同定の腫瘍抗原ペプチド
が含まれる腫瘍組織の抽出液を用いるもの;(3)これら
を抗原提示細胞、特に強力な抗原提示機能がある樹状細
胞に結合させたもの (Nestle, F.O., et al., Nature M
ed., 4, pp.328-332, 1998);(4)樹状細胞に腫瘍抗原タ
ンパクを取り込ませ負荷したもの;(5)樹状細胞と腫瘍
細胞を融合させたもの;(6)腫瘍抗原をリポソームに結
合させ、リポソームごと取り込ませるもの(Nakanishi,
T., et al., Biochem. Biophys. Res. Comm., 240, pp.
793-797, 1997);(7)腫瘍細胞そのものを放射線や固定
剤で不活性化処理して投与するもの;(8)遺伝子治療法
で、抗原提示細胞刺激効果あるいはリンパ球刺激効果が
あるサイトカイン遺伝子を腫瘍細胞に導入し、それをワ
クチンとして投与するもの、又は腫瘍抗原遺伝子を適切
な細胞に導入し、その遺伝子を発現している腫瘍細胞を
ワクチンとして投与するもの;(9)腫瘍抗原遺伝子をウ
イルス又は細菌に組み込み患者に感染させるもの;(10)
生きている腫瘍細胞、腫瘍抗原ペプチドあるいは腫瘍細
胞抽出液を投与し、別途、サイトカインを大量投与する
か(Rosenberg,S. A., et al., Nature Med., 4, pp.32
1-327, 1998)、あるいはサイトカインを徐放性に製剤
化して投与するもの(Golumbek, P. T., et al., Cance
r Res.,53, pp.5841-5844, 1993)などがある。
【0004】しかしながら、上記の腫瘍ワクチンにはい
ずれも一長一短がある。例えば、方法(1)は、同定され
た腫瘍抗原ペプチドがあてはまる特定の主要組織適合抗
原(以下、「MHC」と略し、Class Iの場合は「MHC-
I」、Class IIの場合は「MHC-II」と記載する。)を発
現する腫瘍にしか適用できない。ヒトのMHCの種類は膨
大であり、当該腫瘍抗原ペプチドがあてはまる症例は極
めて限定的である。この難点を克服するため、未同定の
腫瘍抗原ペプチドが含まれる腫瘍組織の抽出液を使用す
る方法(2)が開発されたが、腫瘍組織から抽出できる腫
瘍抗原ペプチドの量は極微量であり、原材料となる腫瘍
量が少ない場合には濃縮できない場合が多い。この結
果、同定され合成された腫瘍抗原ペプチドのように大量
に投与できず、その効果も限定されてしまう。
【0005】方法(3)のように、あらかじめ腫瘍抗原ペ
プチドを抗原提示細胞に結合させれば、CTLの活性化効
果は高い。しかし、抗原提示細胞、中でも強力な抗原提
示能力のある樹状細胞を分離調製するための抹消血や骨
髄は、危険な移植片対宿主間拒絶反応(以下、「GVHD」
と略す。)を避けるため、腫瘍ワクチン療法の適用対象
である腫瘍を持つ患者本人からでなければならず、高度
の技術を要し煩雑である。方法(4)及び(5)も方法(3)と
同じ問題を有しており、方法(5)は融合操作が極めて煩
雑である。方法(6)ではGVHDの危険性を配慮する必要は
ないが、腫瘍抗原の抗原提示細胞への導入効率は必ずし
も高くはなく、また腫瘍ワクチン作製のため比較的大量
の腫瘍抗原が必要である。
【0006】方法(7)も腫瘍細胞を大量培養で取得する
ために煩雑でコストがかかるうえ、腫瘍細胞そのものに
含まれる腫瘍抗原量が微量であるという問題がある。ま
た、この方法は、抗原性の高い腫瘍細胞ではポリ-L-リ
ジン処理を追加すれば成功する場合が知られているが
(Naito, M. and Seno, S., Cell Biol. International
Rep., 5, pp.675-681, 1981)、抗原性の低い腫瘍細胞
では成功しない。方法(8)及び(9)の遺伝子治療は、治療
操作はもちろん、治療に至る認可取得手続きが煩雑極ま
りない。現段階では方法(10)が有望であるが、特にRose
nbergらの方法では、同時に投与される大量のインター
ロイキン-2の副作用が厳しく、必ずしも腫瘍の臨床成
績は高くない。Golumbekらの方法でサイトカインを徐放
製剤化した場合でも、放射線処理した生きている腫瘍細
胞を調製する煩雑さが残っている。
【0007】腫瘍ワクチンは極力簡便に取り扱える形態
が望ましい。その点で、生きている腫瘍細胞または抗原
提示細胞をワクチンの一部として投与する方法は、生か
した状態での操作が必要なため、技術的に非常に煩雑に
なるという問題がある。まして遺伝子治療となれば操作
は一段と煩雑である。腫瘍抗原ペプチドが判明している
場合には、それを大量に合成して投与できるものの、腫
瘍抗原ペプチドは非常に多くの種類があり、患者個人の
MHCに拘束されるためもあって、どの腫瘍抗原ペプチド
が対象となる患者個人に適用できるかが判然としない場
合が多く、適用は限定される。腫瘍抗原ペプチドではな
く腫瘍抗原タンパクを用いる場合には、そのタンパクが
抗原提示細胞内で処理されMHCに合う腫瘍抗原ペプチド
が選別されてくるため、適用される患者個人のMHCに拘
束されることはないが、腫瘍抗原タンパク自体の精製及
び大量調製が難しいという問題がある。
【0008】一方、CTLの誘導方法として、病理切片を
脱パラフィン処理して得た固定腫瘍組織の上で抹消血単
核細胞分画からCTLを誘導する方法が知られている (Li
u, S.Q.et al., Nature Med., 2, pp.1283-1283, 199
6)。また、通常、溶解状態の抗原タンパクを抗原提示細
胞に与えても、MHC-IIに抗原タンパク由来の抗原ペプチ
ドが結合されて抗体作製につながる液性免疫を刺激する
効果が高く、MHC-Iに抗原タンパク由来の抗原ペプチド
が結合されキラー細胞を活性化する細胞性免疫反応を刺
激する効果は低いが、Faloらは異種タンパクで強烈な抗
原である卵白アルブミンを鉄粉に結合させて、アジュバ
ントを加えずにマウスに注射し、卵白アルブミン由来の
抗原ペプチドに反応するCTLを誘導した (Falo, Jr., L.
D., et al.,Nat. Med., 1, pp.649-653, 1995)。
【0009】本発明者らは、溶解性の腫瘍抗原タンパク
を微小なポリスチレンビーズ上に固定し、in vitro細胞
培養系で、微小固形物としてヒト抹消血単核細胞分画中
の抗原提示細胞に貪食させたところ、同一人の抹消血リ
ンパ球から効率よくCTLを誘導できることを見出した (K
im, C., et al., Cancer Immunol. Immunother., 47,p
p.90-96, 1998)。また、死細胞由来の抗原は、死細胞の
状態で未成熟な樹状細胞に貪食された場合、免疫反応を
惹起できる効率は、貪食されない場合に比べて数千倍に
達することが知られている(稲葉:1998年12月2日、日本
免疫学会、演題SI-3-3)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、簡便
に取り扱うことができ、腫瘍の種類を問わずに再発防
止、転移阻害、及び治療に適用できる汎用性を供え、し
かも抗腫瘍効果が高い腫瘍ワクチンを提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決すべく鋭意努力した結果、腫瘍組織、腫瘍細胞、
又はこれらの成分を固定操作により固体化した材料を用
い、この材料を抗原提示細胞が貪食できる大きさに微粒
子化するか、あるいは溶解操作により溶解し、さらに少
なくとも一種類のサイトカインと組み合わせて腫瘍ワク
チンとして用いることにより、高い有効率をもって腫瘍
の再発防止、転移阻害、及び治療を達成できることを見
出した。
【0012】すなわち本発明は、腫瘍組織、腫瘍細胞、
及びこれらの成分からなる群から選ばれる固体化された
腫瘍材料から調製された微粒子と、少なくとも一種類の
サイトカイン及び/又はサイトカイン誘導剤とを含む腫
瘍ワクチン;並びに、腫瘍組織、腫瘍細胞、及びこれら
の成分からなる群から選ばれる固体化された腫瘍材料か
ら調製された溶解物と、少なくとも一種類のサイトカイ
ン及び/又はサイトカイン誘導剤とを含む腫瘍ワクチン
を提供するものである。
【0013】本発明の好ましい態様によれば、非特異的
に免疫反応を惹起するアジュバントをさらに含む上記腫
瘍ワクチン;体内の同一局所に投与するための上記腫瘍
ワクチン;サイトカインとして徐放性サイトカイン製剤
を含む上記腫瘍ワクチン;及びサイトカインとして顆粒
球・マクロファージコロニー刺激因子及び/又はインタ
ーロイキン-2を含む上記腫瘍ワクチンが提供される。
別の観点からは、少なくとも一種類のサイトカインと組
み合わせて用いるための腫瘍ワクチンであって、腫瘍組
織、腫瘍細胞、及びこれらの成分からなる群から選ばれ
る固体化された腫瘍材料から調製された微粒子又は該腫
瘍材料から調製された溶解物を有効成分として含むワク
チンが提供される。
【0014】さらに別の観点からは、腫瘍の治療方法、
再発予防方法、及び転移阻害方法であって、腫瘍組織、
腫瘍細胞、及びこれらの成分からなる群から選ばれる固
体化された腫瘍材料から調製された微粒子、及び少なく
とも一種類のサイトカイン及び/又はサイトカイン誘導
剤の有効量を患者に投与する方法;腫瘍組織、腫瘍細
胞、及びこれらの成分からなる群から選ばれる固体化さ
れた腫瘍材料から調製された溶解物、及び少なくとも一
種類のサイトカイン及び/又はサイトカイン誘導剤の有
効量を患者に投与する方法;同一局所に繰り返し投与を
行なう上記方法;並びに、上記腫瘍ワクチンの製造のた
めの固体化された上記腫瘍材料から調製された微粒子又
は溶解物の使用が提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の腫瘍ワクチンは、腫瘍組
織、腫瘍細胞、及びこれらの成分からなる群から選ばれ
る固体化された腫瘍材料から調製される微粒子又は溶解
物を腫瘍抗原として含み、さらに少なくとも一種類のサ
イトカイン及び/又はサイトカイン誘導剤とを含むこと
を特徴としている。
【0016】腫瘍細胞又は腫瘍組織としては、例えば哺
乳類動物、好まくはヒト由来のもの用いることができる
が、治療や予防の対象となる腫瘍の腫瘍抗原を含む細胞
又は組織であれば、いかなる生物種のものを用いてもよ
い。腫瘍組織は、腫瘍細胞を含む組織であれば特にその
種類は限定されない。また、腫瘍組織又は腫瘍細胞の成
分を用いる場合には、腫瘍抗原となりうる物質を含むも
のであればその種類は限定されない。固形癌組織、骨
髄、白血球など、生体から分離又は採取された癌細胞を
含む生体試料を腫瘍材料として用いることができる。腫
瘍組織又は腫瘍細胞の成分としては、例えば、抗原ペプ
チドや抗原蛋白を用いることができる。
【0017】固体化された腫瘍材料を調製するための固
定方法は特に限定されず、当業者に利用可能ないかなる
手段を採用してもよい。例えば、組織固定剤を用いる場
合には、中性ホルマリン、グルタールアルデヒド、メタ
ノール、エタノール等のアルコール類等を用いることが
できるが、これらの他にも生体組織若しくは細胞、又は
それらの成分を固体化できる方法であればどのような方
法を用いてもよい。腫瘍材料をパラフィン埋没や凍結な
どの方法により固体化してもよい。骨組織など本来固体
状態の組織を固体化腫瘍材料として用いる場合にも、適
宜の固定方法を行なうことが望ましい。
【0018】微粒子の調製方法は特に限定されないが、
例えば、固体化した腫瘍組織を破砕して微細な断片であ
る微粒子を調製する方法のほか、腫瘍組織の破砕断片や
腫瘍細胞を溶解して固体微粒子に固定する方法、又は抗
原ペプチドや抗原タンパクなどの溶解性腫瘍抗原を固体
微粒子に固定する方法などを採用することができる。固
体微粒子としては、例えば、直径0.05ミクロンから1000
ミクロン程度の鉄粉、炭粉、ポリスチレンビーズ等を用
いることができる。また、組織の破砕断片、腫瘍細胞、
又は溶解性腫瘍抗原をリポソーム等の脂質粒子に結合さ
せ、抗原提示細胞が微粒子として認識して貪食し得るよ
うにしたものや、溶解性腫瘍抗原自体を結合剤又は架橋
剤によって相互に結合させて微粒子化したものを用いて
もよい。
【0019】微粒子の大きさは特に限定されないが、体
内において貪食能力のある細胞が貪食可能なサイズであ
ることが望ましい。本来微小な単個細胞状態の固定腫瘍
細胞は特に破砕する必要はないが、細胞の固定化操作で
凝集した場合には破砕又は分散処理を施すことが望まし
い。破砕又は分散処理には、ホモジェナイザー処理、超
音波処理、消化酵素による部分消化法等を用いることが
できる。また、空隙の大きさが1000ミクロン以下のメッ
シュ、好ましくは380ミクロン以下のメッシュを通過さ
せることによって微粒子を調製することもできる。これ
らの微粒子の調製方法は当業者に周知であり、当業者は
適宜の方法を単独で、又は複数の方法を組み合わせ微粒
子を調製することができる。
【0020】固体化された腫瘍材料から溶解物を調製す
る方法としては、例えば、タンパク分解酵素を用いる方
法を採用することができる。タンパク分解酵素として
は、例えばプロナーゼKが挙げられる。また、タンパク
分解酵素以外の酵素、酸、又はアルカリ等を適宜組み合
わせた方法でもよい。固体化された腫瘍材料を溶解でき
るものであればいかなる方法を採用してもよく、当業者
が適宜の方法を選択することが可能である。溶解物を上
記の固体微粒子に固定化してもよい。
【0021】本明細書において用いられる「溶解物」と
いう用語は、固体化された腫瘍材料が水、生理食塩水、
緩衝液などの水性媒体中に肉眼で固形物が認められない
程度に分散した状態を意味しており、その分散物が抗原
提示細胞に貪食され得る程度のものであればよいが、い
かなる意味においても限定的に解釈してはならない。な
お、固定化された腫瘍材料の調製方法、微粒子の調製方
法、及び溶解物の調製方法の詳細は本明細書の実施例に
具体的に示されいるので、当業者は上記の一般的な説明
及び実施例の具体的説明を参照しつつ、必要に応じてこ
れらの方法に適宜の修飾ないし改変を加え、所望の微粒
子又は溶解物を調製することが可能である。
【0022】本発明の腫瘍ワクチンに含まれるサイトカ
インの種類は特に限定されず、1種又は2種以上のサイ
トカインを用いることができる。例えば、顆粒球・マク
ロファージコロニー刺激因子(以下、「GM-CSF」と略
す。)又はインターロイキン-2(以下、「IL-2」と略
す。)を用いることが好ましいく、GM-CSFとIL-2とを組
み合わせて用いることも好ましい。また、体内局所の免
疫担当細胞を刺激し、結果的にGM-CSF及び/又はIL-2を
投与した場合と同様な状況を実現できる他のサイトカイ
ンやサイトカイン誘導剤を用いることもできる。これら
2種類のサイトカイン以外のサイトカイン又はサイトカ
イン誘導剤としては、例えば、インターロイキン12、イ
ンターロイキン18、インターフェロン類等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0023】これらのサイトカインや誘導剤は、投与局
所における濃度をなるべく長期間高い状態に保てるよう
に徐放性製剤として調製されていることが好ましい。そ
のような徐放化手段は、例えばGolumbekらにより報告さ
れているが (Golumbek, P. T.,et al., Cancer Res., 5
3, pp.5841-5844, 1993)、当業界では種々の徐放化方法
が知られており、いかなる方法を採用してもよい。
【0024】本発明の腫瘍ワクチンは、非特異的免疫反
応を惹起するアジュバントを含んでいてもよい。アジュ
バントは一種又は2種以上を組み合わせて用いることが
できる。アジュバントとして、例えば、Freund Complet
e Adjuvant、Freund Imcomplete Adjuvant、BCG等の細
菌製剤、ツベルクリン等の細菌成分製剤、keyhole limp
et hemocyanineや酵母マンナン等の天然高分子物質、Al
um、TiterMax Gold等の合成アジュバント製剤等が挙げ
ることができるが、これらの具体例に限定されることは
なく、アジュバントとしての効果を有する物質であれば
いかなるものを用いてもよい。アジュバントを用いるか
否かは、投与局所の炎症性反応の強さや、投与した結果
として惹起される抗腫瘍効果の強さを指標として判断す
ることができる。例えば、アジュバントを含む腫瘍ワク
チンと、アジュバントを含まない腫瘍ワクチンを同一局
所に交互に投与することも可能である。
【0025】本発明の腫瘍ワクチンの製剤形態は特に限
定されないが、局所投与に適するような製剤形態である
ことが望ましい。製剤化の方法も特に限定されず、当業
界で利用可能な方法を単独で、又は適宜組み合わせて用
いることにより、所望の形態の製剤を調製することがで
きる。製剤化にあたっては、注射用蒸留水や生理食塩水
などの水性媒体のほか、当業界で利用可能な製剤用添加
物を1種又は2種以上用いることができる。例えば、緩
衝剤、pH調節剤、溶解補助剤、安定化剤、無痛化剤、
及び防腐剤などを用いることができるが、これらの具体
的成分は当業者に周知されている。また、腫瘍ワクチン
を凍結乾燥製剤などの固体製剤として調整し、用時に注
射用蒸留水などの溶解剤を加えて注射剤を調製すること
もできる。
【0026】本発明の腫瘍ワクチンを用いてワクチン療
法を行なうにあたっては、腫瘍ワクチンの単回のみ投与
してもよいが、腫瘍抗原とサイトカイン又はサイトカイ
ン誘導剤とをなるべく長い時間共存させるために、体内
の同一局所に投与を繰り返すことが望ましい。例えば、
投与局所の炎症性反応が惹起され、免疫細胞が集中して
そこに存続する状態となるように、両成分が3時間以上
共存していることが望ましい。アジュバントを含まない
腫瘍ワクチンを投与する場合には、アジュバントを同一
局所に投与してもよい。一般的には、腫瘍材料の由来す
る患者に腫瘍ワクチンを投与することができるが、病理
診断上、腫瘍材料に含まれる腫瘍抗原と同種又は近縁種
の腫瘍抗原を含む腫瘍の患者に投与することも可能であ
る。
【0027】投与する局所は特に限定されないが、例え
ば皮内、皮下、筋肉内、リンパ節内、脾臓等の主要臓器
内であって、サイトカイン等が簡単には拡散消失しにく
い場所が好ましい。もっとも、腫瘍ワクチンの有効成分
が容易に拡散しないような剤型を選択することにより任
意の部位の局所投与が可能になる場合もあり、またドラ
ッグ・デリバリ・システムを応用することによって全身
投与が可能になる場合もある。本発明の腫瘍ワクチンの
投与量及び投与期間は特に限定されないが、ワクチン療
法の効果を確認しつつ、適宜投与量と投与期間を決定す
ることが望ましい。投与は、例えば注射等により行なう
ことができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定される
ことはない。 例1:本発明の腫瘍ワクチンの作用 抗原性が低いことが広く知られている同系移植マウス肝
癌(Guo, Y. J., et al., Nat. Med. 3:451-5, 1997)を
対象に、腫瘍抗原としての固定腫瘍細胞、GM-CSF、IL-
2、及びアジュバントを組み合わせた腫瘍ワクチンが肝
癌形成を阻害できるか否かを検討した。 [方法] 1.固定腫瘍細胞 C57BL/6に発症した肝癌細胞Hepa 1-6(理化学研究所細
胞開発銀行より入手)を培養し、これをダルベッコリン
酸緩衝生理食塩水(以下、「PBS」と略す。)に溶解し
た3%パラホルムアルデヒド溶液で2時間固定した。固定
細胞を70%アルコールで一度洗浄滅菌してから、無菌的
にPBSで4回洗浄し、さらに10%のウシ胎児血清を含むダ
ルベッコの最少必須培地(以下、「DMEM」と略す。)を
加え、炭酸ガスインキュベーターにて、37℃で2日間イ
ンキュベートした。この培地を除去後、細胞層にポリ-L
-リジン水溶液(50 μg/ml)を添加し、2時間室温放置
した後、PBSで4回洗浄した。この後、細胞をスクレー
パーでかきとり、PBSにて1.25×108個/mlに希釈した。
固定Hepa 1-6細胞はすべて100ミクロン以下のサイズで
あり、貪食能力のある抗原提示細胞が貪食可能なサイズ
である。
【0029】2.サイトカインマイクロスフェアの作製 マイクロフフェア化すべきサイトカインとしてマウスGM
-CSFまたはヒトIL-2(いずれもImmunex社製)を用い
た。ヒト血清アルブミン注射液(25%濃度のもの、Album
inar-25, Centeon L.L.C.製, Illinois, USA)を二回蒸
留水で5%に希釈し、塩酸にてpH 3.0に合わせた。さら
に2.5%に希釈してから、0.22ミクロンの孔径を持つフィ
ルターを通して除菌した。100 μgのGM-CSF、または106
国際単位のIL-2を5 ml-遠心管に加え、つぎに注射用ヘ
パリン溶液(病院用市販品で1000 単位/ml、Elkins-SIN
N, Inc, NJ, USA)を1 mlいれ、これをボルテックスミ
キサーで撹拌しつつ、上述の2.5%ヒト血清アルブミン注
射液(pH 3.0)を1 ml添加した。30秒以上撹拌を続けた
後、形成された微粒子を遠心して回収した。この上澄み
から、包埋効率を算定した。
【0030】微粒子のペレットを二回蒸留水2 mlに懸濁
して、これに0.22ミクロンの孔径を持つフィルターを通
し除菌した20 mg/mlの濃度の1-ethyl-3-(3-dimethylami
nopropyl) carbodiimide(以後、「EDC」と略す。)溶
液を0.8 mg/mlとなるように添加した。これを25℃で15
分間保存、さらに無菌の2 mlの0.1M glycin溶液を添加
した。25℃で30分間保存後、安定なマイクロスフェアが
発生したこの懸濁液を、半径12 cmの水平ローターにて2
000 rpm、10分間遠心し、マイクロスフェアを沈殿させ
て回収した。これに二回蒸留水を適量加え懸濁し、遠心
操作を繰り返して計6回洗浄した。その後、20μl懸濁
液に1μgの GM-CSF(106国際単位に相当)、または103
国際単位のIL-2を含むように生理食塩水に懸濁させた。
【0031】3.感作と腫瘍拒絶反応の測定 上記1.で調製した固定Hepa 1-6細胞、上記2.で調製
したGM-CSFマイクロスフェアとIL-2マイクロスフェア、
アジュバントとして市販されているTiterMax Gold(Cyt
RX, Atlanta, Norcross, GA)を混合して腫瘍ワクチン
とした。それぞれの量は腫瘍ワクチン0.05 mlにつき、
順に1.25×106個、106単位、103国際単位、20μlであ
る。これらの構成製剤の組み合わせを変えた腫瘍ワクチ
ンも作製した。組み合わせは表1、表2、表3にそれぞ
れ記載した。
【0032】腫瘍ワクチンを、Hepa 1-6細胞とは同系
(syngeneic)の関係にある6-8週齢のC57BL/6雄マウス
尾の付け根部位の皮内に、1匹あたり0.05 ml注射し
た。1群5匹とした。対照群の5匹のC57BL/6雄マウス
にはPBSを0.05 ml注射した。7日後、この投与をもう一
度同一部位に行い、さらに7日後、0.05 mlのPBSに懸濁
した培養Hepa 1-6生細胞107個を直接肝臓内(最大肝葉
の被膜直下)に注射した。この21日後、形成された肝癌
組織のサイズを計測し、その容積を算出した。
【0033】[結果]表1に示すように、対照群では全て
のマウスに肝癌ができ、癌組織の平均容積は270 mm3
あった。これに対し、固定Hepa 1-6 細胞、アジュバン
トであるTiterMax Gold、IL-2マイクロスフェア、GM-CS
F マイクロスフェアを含む腫瘍ワクチン処置群では5匹
中4匹に全く腫瘍は認められず(表中では、tumor-free
マウスの割合で表現してある)、肝癌が観察された1匹
ではわずか18 mm3の小さな腫瘍であった。腫瘍のワクチ
ン療法の効果は明白である。
【0034】
【表1】
【0035】次に、腫瘍ワクチンの構成成分の組み合わ
せの重要性を判定するため、処置群のなかで腫瘍ワクチ
ン成分を変化させた。表2にその結果を示す。対照群
(A)と処置群(E)は表1の場合と同様な結果となり、再現
性が認められた。
【0036】
【表2】
【0037】この表中、処置群(B)では、固定 Hepa1-6
細胞とアジュバントTiter Max Goldのみを含む腫瘍ワク
チンでマウスを感作したが、Tumor-freeマウスは1匹も
認められなかった。従って、併用すべきサイトカインの
重要性は明らかである。処置群(C)では、固定 Hepa1-6
細胞とアジュバントTiter Max GoldのほかにIL-2マイク
ロスフェアのみを含む腫瘍ワクチンを用いたが、同様に
tumor-freeマウスは1匹も認められなかった。しかし、
発生した腫瘍サイズは全体として明らかに小さく、平均
腫瘍容積は67 mm3であり、対照群(A)の1/6以下にすぎな
かった。従って、IL-2マイクロスフェアの重要性は明ら
かである。また、処置群(D)では固定 Hepa1-6 細胞とア
ジュバントTiter Max GoldのほかにGM-CSFマイクロスフ
ェアのみを含む腫瘍ワクチンを用いたが、マウス2匹がt
umor-freeとなった。従って、GM-CSFマイクロスフェア
の重要性は明らかである。しかしながら、tumor-freeマ
ウスは処置群(E)のtumor-freeマウスの半数にとどま
り、処置群(E)には及ばない成績となった。この結果か
ら、サイトカインIL-2とGM-CSFの組み合わせが一層重要
であることが判明した。
【0038】さらに、腫瘍抗原としての固定腫瘍細胞の
必要性を検討し、アジュバントの効果を算定するため
に、固定腫瘍細胞を含まない腫瘍ワクチン、またはアジ
ュバントを含まない腫瘍ワクチンを作製し、その効果を
比較した。結果を表3に示す。
【0039】
【表3】
【0040】表1と同じ対照群(A)と処置群(G)は表1の
場合と同様な結果ではあるが、処置群(G)では5匹全部
がtumor-freeマウスとなった。固定Hepa 1-6細胞を含ま
ないがそれ以外は処置群(G)と同じくIL-2マイクロスフ
ェアとGM-CSF マイクロスフェア、ならびにアジュバン
トTiter Max Goldを含む腫瘍ワクチンで処理された処置
群(C)では、すべてのマウスに大きな肝癌(平均300 m
m3)の生成が認められた。この結果から、固体微粒子状
の腫瘍抗原が極めて重要であることが判明した。実際、
処置群(E)に見られるように、PBSに固定Hepa 1-6細胞の
みを加えた腫瘍ワクチンでも、1匹がtumor-freeとなっ
た。これに対し、固定Hepa 1-6細胞、IL-2マイクロスフ
ェア、GM-CSF マイクロスフェアを含むが、アジュバン
トTiter Max Goldを含まない処置群(H)では、4/5がtumo
r-freeマウスとなったものの、1匹では小さいながらは
っきりした36 mm3の肝癌が生じた。従って、非特異的な
免疫反応を惹起するアジュバントの効果も、十分配慮に
値することが判明した。
【0041】これらの結果から、Hepa 1-6細胞によるマ
ウス肝癌の癌組織形成を阻止する腫瘍ワクチンとして
は、固定Hepa 1-6細胞、IL-2マイクロスフェア、GM-CSF
マイクロスフェア、アジュバントTiter Max Goldの組
み合わせが、抗腫瘍効果を発揮するためには、最も効果
的であると結論された。
【0042】例2:固定腫瘍組織からの微粒子化腫瘍抗
原の作製法 固定腫瘍細胞を含む固定腫瘍組織を破砕して、微細な固
体化腫瘍抗原を調製した。 [方法]例1において、対照群(A)のマウスに使用したHep
a 1-6細胞と同量をマウス大腿部皮下に移植し、3週間
後に生成された肝癌組織を摘出し、市販中性ホルマリン
液に室温にて3日間浸漬して固定した。この組織を取り
出し、眼科バサミにて径1 mm程度の細かいミンスとし、
PBSを元の肝癌湿重量の10倍量加え、さらに氷冷しつつ
ホモジェナイザー(ハイドルフ社製DIAX-600、6Gゼネレ
ーターシャフト)にて30秒間ホモジェナイズした。この
ホモジェナイズは氷冷するために間隔を3分間以上あけ
ながら5回繰り返した。このホモジェネート1.2 mlを1.
5-mlエッペンドルフ遠心チューブにとり、エッペンドル
フ微量高速遠心機にて15,000 rpm、3分間遠心し、packe
d volumeを計測した。計測は50 μl以上の水を入れた1.
5-mlエッペンドルフ遠心チューブと比較して行った。ま
た、残りのホモジェネートを半径12cmの水平ローターに
て2000rpm、10分間遠心し、沈殿を得た。
【0043】この沈殿を5 mlの70%アルコールに懸濁し
て洗浄、2000rpm、10分間遠心し上清を除去した後、元
の容量のPBSに再度懸濁した。これを、当初40メッシュ
のステンレス金網(Sigma社製、S0770、空隙サイズ380
ミクロン)を通過させた。通過した懸濁液1.2 mlを1.5-
mlエッペンドルフ遠心チューブにとり、微量高速遠心機
にて15,000 rpm、3分間遠心し、packed volumeを計測し
た。計測は一定量の水を入れた1.5-mlエッペンドルフ遠
心チューブと比較して行った。
【0044】[結果]固定肝癌組織から得たホモジェネー
ト中の組織断片は非常に細かく、上述のメッシュ通過後
は、通常の22G規格以下の細い注射針を易々と通過でき
る微細さであった。回収細胞数は不明だが、回収packed
volumeは目測にして明らかにHepa 1-6生細胞107個相当
を越えており、上述のメッシュ通過前後のpacked volum
eで計測した回収率は78%であった。このホモジェネート
は固体化された腫瘍細胞断片を含み、腫瘍ワクチンとし
ての必要量は十分あるため、微粒子化腫瘍抗原として用
いることが可能である。
【0045】例3:In vitro誘導CTLの抗腫瘍効果 固定腫瘍細胞を標的としてCTLを誘導した場合の腫瘍細
胞殺傷活性と特異性を検討した。 [方法] 1.固定腫瘍細胞 C57BL/6マウスに発症したメラノーマ細胞B16の亜株B16-
F10(American Type Culture Collection (Bethesda, M
A, USA)から入手)108ないし109個を10%ホルマリン液に
漬け、4℃にて2ないし4週間固定した。これを70%エタ
ノール30 mlで懸濁遠心洗浄後、さらにPBSにて3回懸濁
遠心洗浄した。これを適量の10%ウシ胎児血清を含む細
胞培養用MEM培地に懸濁し、37℃にて2〜3日加温する
か、または60℃にて4時間加温した。さらにこれを遠心
回収し(以下、この処理を行った細胞を「固定B16-F10
細胞」という)、5×108個/mlとなるように懸濁した。
【0046】2.In vitro感作と腫瘍細胞殺傷活性によ
る抗腫瘍効果の測定 何も感作していないC57BL/6マウスの脾臓から、当業者
に周知の方法により組織を軽く潰して脾臓細胞を得た。
この大部分はリンパ球である。この4×107個を取り、2
×106個の固定B16-F10細胞とともに、10%ウシ胎児血清
を含むRPMI-1640培地にヒトIL-1β(167単位/ml), ヒ
トIL-2 (67国際単位/ml), ヒトIL-6 (134単位/ml)(い
ずれもImmunex社製のもの)を添加した培養液で10日間
培養し増殖させた。この培養液を培養開始後3日目及び
5日目に全交換し、以後は2日置きに半分交換した。こ
うして増殖したリンパ球をCTLとした。
【0047】抗腫瘍効果測定として、in vitroでCTLの
腫瘍細胞殺傷活性を測定した。細胞殺傷活性は、放射線
照射をしていない生きているB16-F10細胞を標的細胞に
して、標準的な測定法として広く知られている4時間Cr
-51遊離法により測定した。また、比較のため、標的細
胞として例1で述べたHepa 1-6細胞、American Type Cu
lture Collection (Bethesda, MA, USA)から入手したLe
wis lung carcinoma細胞をB16-F10細胞の代わりに用い
た。
【0048】[結果]図1にin vitro感作によって誘導し
たCTLの活性を示した。縦軸の % LysisはCTLによる標的
細胞の殺傷活性を表している。また、横軸のE/T ratio
は、4時間Cr-51遊離法による殺傷活性測定時のCTL数と
標的細胞数の比である。B16-F10細胞を標的とした場合
(□)はE/T ratioが10で約20%を殺傷した。この活性
は、同じC57BL/6マウス由来である他の2種類の腫瘍細
胞を標的とした場合よりも、明らかに高かった。この結
果は、固定B16-F10細胞に対して誘導されたCTLは、同じ
C57BL/6マウス由来でありながら、他の2種類の腫瘍細
胞よりも特異的に生きているB16-F10細胞を認識して殺
す能力があることを示唆している。
【0049】例4:溶解固定腫瘍細胞からの微粒子化腫
瘍抗原の作製法とそのin vivo抗腫瘍効果 病理切片を材料にする場合には、例2で示した方法で微
粒子化すると収量が悪く、腫瘍ワクチンの作製が困難に
なる場合がある。そのような場合には、以下のようにし
て固定腫瘍細胞を消化酵素で溶解し、これをマイクロス
フェア製剤とし、サイトカインのマイクロスフェア製剤
と組み合わせて腫瘍ワクチンを製造することができる。 [方法] 1.溶解固定腫瘍マイクロスフェアの作製法と腫瘍ワク
チン製剤の作製法 固定B16-F10細胞を5×108個/mlとなるようにPBSに懸濁
した。これにpronase K(Sigma社)を1 mg/mlとなるよ
うに添加し、56℃にて一夜加温した。3000 rpm, 10分間
の遠心にて沈殿を除去し、上清を溶解B16-F10抗原とし
た。この上清に例1で用いたヒト血清アルブミン注射液
を添加し、最終アルブミン濃度が2.5%となるように調製
した。これ以下の操作は例1のGM-CSFマイクロスフェア
の作製手順と同じとし、溶解固定腫瘍マイクロスフェア
を作製した。最終的には80μlの生理食塩水に懸濁され
たマイクロスフェアに含まれる腫瘍抗原量が107個の腫
瘍細胞数に相当するように希釈した。これに、例1と同
じ方法で調製したGM-CSFマイクロスフェア20μlを混合
し、腫瘍ワクチン製剤とした。
【0050】2.In vivo感作と腫瘍細胞チャレンジに
よる抗腫瘍効果の測定 B16-F10細胞とは同系(syngeneic)の関係にある6-8週
齢のC57BL/6雄マウス(1群10匹)をエーテル麻酔し、2
6G注射針を使って腫瘍ワクチン製剤をマウスの大腿部
の皮内に1匹あたり100μlを注射した。対照群にはPBS
を同量注射した。腫瘍ワクチン投与を繰り返す場合は、
隔週に同量の投与を繰り返した。初回の腫瘍ワクチン投
与2週間後、腹部皮下に懸濁した培養B16-F10生細胞105
個を注射した。抗腫瘍効果は残存tumor-freeマウスの%
で算出した。
【0051】[結果]図2にはin vivo感作実験の結果を
示した。対照群に比べて、腫瘍ワクチン製剤投与群の残
存tumor-freeマウスは明らかに高い%を示した。特に、
この腫瘍ワクチン製剤を3回投与した群では、観察期間
が90日を越えてもなお半数のマウスがtumor-freeの状態
を保っていた。この結果は、in vivoでも腫瘍ワクチン
製剤投与によってB16-F10細胞に対するCTLが誘導され、
そのため後から注射した生きているB16-F10細胞が殺傷
され、半数のマウスで生着しなかったことを示唆してい
る。また、この結果は、腫瘍の摘出手術後、その腫瘍細
胞を用いて腫瘍ワクチン製剤を製造すれば、腫瘍の再発
を防止できる腫瘍ワクチン療法が成立し得ることを示唆
している。
【0052】例5:溶解固定腫瘍細胞から作製した腫瘍
ワクチン製剤のCTL誘導効果 例4で腫瘍ワクチンを投与した動物に、実際にin vivo
でCTLが誘導されていることをin vitroで検証した。 [方法]例4と同じ方法で腫瘍ワクチン製剤を投与したC5
7BL/6雄マウス、対照群のマウス、及び別種の対照群と
して、例4における腫瘍ワクチン製剤1回投与群の代わ
りに、X-線50Gyをあらかじめ照射した生きているB16-F1
0細胞107個とGM-CSFマイクロスフェア20μlを混合して
対照腫瘍ワクチン製剤として投与した群のマウスを使用
した。これらから脾臓と鼠径リンパ節を取り出し、組織
を軽く潰してリンパ球を得た。これらのリンパ球を10%
ウシ胎児血清を含むRPMI-1640培地にヒトIL-1β(167単
位/ml), ヒトIL-2 (67国際単位/ml), ヒトIL-6 (134単
位/ml)(いずれもImmunex社製のもの)を添加した培養
液で7日間培養し増殖させた。この実験系は、培養期間
中に固定B16-F10細胞による刺激を一切加えていない点
で例3の系と異なっている。これによって、培養期間中
にCTLが誘導される可能性はなく、体内で誘導されたCTL
数に比例した数のCTLがin vitroで増殖すると期待でき
る。培養リンパ球の細胞殺傷活性は、放射線照射をして
いない生きているB16-F10細胞を標的にして、標準的な
測定法として広く知られている4時間Cr-51遊離法によ
り測定した。
【0053】[結果]培養リンパ球と標的腫瘍細胞の比
(E/T ratio)を変えて細胞殺傷活性を検討した。図3
にその結果を示す。例4と同じ方法で腫瘍ワクチン製剤
をin vivo投与したマウス由来のリンパ球による処理群
では、殺傷された標的のB16-F10細胞の割合が明らかに
高い。このリンパ球の腫瘍細胞殺傷活性は、CTLを誘導
できることが明らかにされている既存の方法である別種
の対照群(対照腫瘍ワクチン製剤を投与したマウス)由
来のリンパ球の細胞殺傷活性とほぼ同等であった。この
結果はマウス体内でB16-F10細胞に対するCTLが誘導され
ていることを示唆している。また、この結果から、CTL
には高い腫瘍細胞殺傷能力があるが故に、一旦CTLが誘
導されれば、in vivoでも既存の腫瘍細胞を殺せると推
定され、腫瘍の転移防止、腫瘍の治癒が期待できる。
【0054】例6:溶解固定腫瘍細胞から作製した腫瘍
ワクチンのCTL誘導効果-HA-20細胞を用いた場合 本発明により誘導され得るCTLが、抗原とした腫瘍B16-F
10細胞一種に限定されるものではないことを確認した。 [方法]HA-A20細胞はBalb/cマウス由来のBリンパ腫細胞
株である。この細胞を遺伝子操作により改変したGM-CSF
-HA-A20細胞は、influenza-hemagglutininとマウスGM-C
SFの二つの遺伝子の発現ベクターを導入した安定細胞株
で、古典的なGM-CSF産生性生細胞型腫瘍ワクチンとして
研究材料になっている (Levitsky,H.I., et al.,J. Imm
unol., 156, pp.3858-3865, 1996)。B16-F10細胞の代わ
りに野生型HA-A20細胞を用い、例4と同様な方法で、GM
-CSFマイクロスフェア20μlを混合した腫瘍ワクチン製
剤を作製し、Balb/cマウスの感作に使用した。このと
き、対照群としてPBS投与群、X-線50Gyをあらかじめ照
射した生きているHA-A20細胞107個投与群、GM-CSFマイ
クロスフェアを混合していない腫瘍ワクチン製剤投与
群、ならびにX-線50Gyをあらかじめ照射した生きている
GM-CSF-HA-A20細胞107個投与群を作製した。
【0055】Balb/cマウスの感作は例4の場合と同じく
1回投与により行なった。そして、B16-F10細胞の代わ
りに野生型HA-A20細胞を用い、例5の場合と同じ方法で
HA-A20細胞に対するCTL活性を測定した。また、典型的C
TLの細胞表面抗原として知られるマウスCD8に対するモ
ノクローナル抗体(Sigma社製、Product No. F7525、5
μg)を、標準的な測定法として広く知られている4時
間Cr-51遊離法により測定する際に同時に96ウエルプレ
ート中の各ウエルに添加した試験も併行して行った。
【0056】[結果]図4に示すように、対照群のうち、
PBS投与群、(X-線50Gyをあらかじめ照射した生きてい
る)HA-A20細胞投与群、GM-CSFマイクロスフェアを混合
していない腫瘍ワクチン製剤投与群では細胞殺傷活性が
ほとんど認められなかった。一方、GM-CSFマイクロスフ
ェア20μlを混合した腫瘍ワクチン製剤投与群では明ら
かな標的の野生型HA-A20細胞殺傷活性があり、この強さ
は古典的なGM-CSF産生性生細胞型腫瘍ワクチンとして知
られる(X-線50Gyをあらかじめ照射した生きている)GM
-CSF-HA-A20細胞投与群とほぼ同様であった。しかも、E
/T ratioを64として、マウスCD8に対するモノクローナ
ル抗体を添加した場合、図5に示すように、細胞殺傷活
性は明らかに阻害された。これは細胞殺傷活性がCD8陽
性リンパ球、すなわち典型的CTLが含まれるリンパ球群
によるものが大部分であることを示唆している。
【0057】例7:例2で作製した固定腫瘍組織からの
微粒子化腫瘍抗原によるin vivo抗腫瘍効果 [方法]例2において作製した微粒子化腫瘍抗原でパック
トボリュームにして 10μl分を、例1において用いた固
定腫瘍細胞 1.25×106 個の代わりに用いて、例1の表
1の実験と同様の実験を行い、in vivo抗腫瘍効果を測
定した。ただし、培養 Hepa 1-6生細胞をチャレンジす
る時は、例1では直接肝臓内に107個を注射したが、本
実施例では左後肢皮下に2×107 個を注射し、腫瘍組織
の成長速度を体外から計測した。しかも腫瘍のサイズの
表し方は、当該研究分野の慣例に従って、容積ではなく
皮下腫瘍の面積で表した。また同時に、同じ実験の中の
1群として、アジュバントとして Titer Max Gold 20μ
lではなく、市販のツベルクリン(日本ビーシージー製
造株式会社)20μlを代わりに用いた群を作製した。
【0058】[結果]表4に示すように、対照群は3週間
でHepa 1-6生細胞をチャレンジした6匹すべてのマウス
に腫瘍を形成した。しかし、処置群のうち、例1の表1
の(B)群に対応する、固定腫瘍細胞の代わりに微粒子化
腫瘍抗原を用いた群では、6匹中3匹のマウスに腫瘍を
形成しただけであり、3匹(50%)で抗腫瘍効果が観察さ
れた。また、この微粒子化腫瘍抗原群でアジュバントを
ツベルクリンとした群では6匹中わずかに1匹のマウス
に腫瘍を形成しただけであり、抗腫瘍効果は83%に高ま
った。
【0059】これらの結果から、癌組織形成を阻止する
腫瘍ワクチンとしては、固定腫瘍組織から作製した微粒
子化腫瘍抗原、IL-2マイクロスフェア、GM-CSFマイクロ
スフェア、アジュバントとしてTiter Max Goldもしくは
ツベルクリンの組み合わせでも、抗腫瘍効果を発揮する
ために十分効果的であると結論された。
【0060】
【表4】
【0061】
【発明の効果】本発明の腫瘍ワクチンは簡便に製造で
き、腫瘍の種類を問わずに再発防止、転移阻害、及び治
療に適用できる汎用性を有しており、しかも抗腫瘍効果
に極めて優れているという特徴を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の腫瘍ワクチンを用いてインビトロ感
作により誘導したCTLの活性を示した図である。図中、
縦軸の % LysisはCTLの標的細胞の殺傷活性を示し、横
軸のE/T ratioは4時間Cr-51遊離法による殺傷活性測定
時のCTL数と標的細胞数の比を示す。また、□はB16-F1
0;△はHepa1-6;▲はLewis lug carcinomaを示す。
【図2】 例4において溶解固定腫瘍細胞を用いて製造
した腫瘍ワクチンによるインビボ感作実験の結果を示し
た図である。図中、○はPBS対照群;□は腫瘍ワクチ
ン1回投与群;■は腫瘍ワクチン3回投与群を示す。
【図3】 例5において、培養リンパ球と標的腫瘍細胞
の比(E/T ratio)を変えて細胞殺傷活性を検討した結
果を示した図である。図中、●はPBS対照群;■は腫
瘍ワクチン投与群;□は別種の対照群(X線50Gyを予め
照射した生きているB16-F10細胞+GM-CSFマイクロスフ
ェア投与群)を示す。
【図4】 例6において用いた各種の腫瘍ワクチンの細
胞殺傷活性の結果を示した図である。図中、●はPBS
投与群;○はHA-A20細胞投与群;□はGM-CSFマイクロス
フェアを混合していない腫瘍ワクチン投与群;▲はX線
50Gyを予め照射した生きているGM-CSF-HA-A20細胞投与
群;△はGM-CSFマイクロスフェアを混合した腫瘍ワクチ
ン投与群を示す。
【図5】 本発明の腫瘍ワクチンによる細胞殺傷活性
が、マウスCD8に対するモノクローナル抗体により阻害
される結果を示した図である。
フロントページの続き (71)出願人 599019122 バオガン ペン 茨城県つくば市高野台3丁目1番地1 理 化学研究所ライフサイエンス筑波研究セン ター内 バオガン ペン (72)発明者 大野 忠夫 茨城県牛久市中央1丁目18番地12 (72)発明者 バオガン ペン 茨城県つくば市高野台3丁目1番地1 理 化学研究所ライフサイエンス筑波研究セン ター内 (72)発明者 カム レオン 米国、メリーランド、エリコットシティ、 ブレコンシャイア ロード 10242 (72)発明者 シュウチン リュウ 米国、メリーランド、バルチモア、ビーチ アベニュー 3522、アパートC Fターム(参考) 4C084 AA02 AA03 DA01 DA02 DA14 MA02 ZB261 ZB262 4C085 AA03 AA06 AA38 BB01 CC01 CC26 EE03 EE06 4C087 AA01 AA02 BB63 MA02 ZB26

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 腫瘍組織、腫瘍細胞、及びこれらの成分
    からなる群から選ばれる固体化された腫瘍材料から調製
    された微粒子と、少なくとも一種類のサイトカイン及び
    /又はサイトカイン誘導剤とを含む腫瘍ワクチン。
  2. 【請求項2】 腫瘍組織、腫瘍細胞、及びこれらの成分
    からなる群から選ばれる固体化された腫瘍材料から調製
    された溶解物と、少なくとも一種類のサイトカイン及び
    /又はサイトカイン誘導剤とを含む腫瘍ワクチン。
  3. 【請求項3】 アジュバントをさらに含む請求項1又は
    2に記載の腫瘍ワクチン。
  4. 【請求項4】 サイトカインとして徐放性サイトカイン
    製剤を含む請求項1ないし3のいずれか1項に記載の腫
    瘍ワクチン。
  5. 【請求項5】 サイトカインとして顆粒球・マクロファ
    ージコロニー刺激因子及び/又はインターロイキン-2
    を含む請求項1ないし4のいずれか1項に記載の腫瘍ワ
    クチン。
  6. 【請求項6】 少なくとも一種類のサイトカインと組み
    合わせて用いるための腫瘍ワクチンであって、腫瘍組
    織、腫瘍細胞、及びこれらの成分からなる群から選ばれ
    る固体化された腫瘍材料から調製された微粒子又は該腫
    瘍材料から調製された溶解物を有効成分として含む腫瘍
    ワクチン。
JP2000030321A 1999-02-09 2000-02-08 腫瘍ワクチン Expired - Lifetime JP4688254B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000030321A JP4688254B2 (ja) 1999-02-09 2000-02-08 腫瘍ワクチン

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1999031197 1999-02-09
JP3119799 1999-02-09
JP11-31197 1999-02-09
JP2000030321A JP4688254B2 (ja) 1999-02-09 2000-02-08 腫瘍ワクチン

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010271156A Division JP5579586B2 (ja) 1999-02-09 2010-12-06 腫瘍ワクチン

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2001010961A true JP2001010961A (ja) 2001-01-16
JP2001010961A5 JP2001010961A5 (ja) 2010-07-01
JP4688254B2 JP4688254B2 (ja) 2011-05-25

Family

ID=26369647

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000030321A Expired - Lifetime JP4688254B2 (ja) 1999-02-09 2000-02-08 腫瘍ワクチン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4688254B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005525407A (ja) * 2002-05-03 2005-08-25 インサーム 細胞及び作用物質を担持する微小粒子
JP2006524991A (ja) * 2003-05-08 2006-11-09 エクサイト セラピーズ インコーポレーティッド 抗原特異的t細胞の作製および単離の方法
JP2011046742A (ja) * 1999-02-09 2011-03-10 Institute Of Physical & Chemical Research 腫瘍ワクチン
US9579287B2 (en) 2002-05-03 2017-02-28 Inserm (Institut National De La Sante Et De La Recherche Medicale) Microparticles supporting cells and active substances
WO2018047797A1 (ja) * 2016-09-06 2018-03-15 セルメディシン株式会社 免疫刺激剤
JPWO2020255314A1 (ja) * 2019-06-20 2020-12-24

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04501853A (ja) * 1989-03-23 1992-04-02 メディカル・バイオロジー・インスティチュート 大型多価免疫原

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04501853A (ja) * 1989-03-23 1992-04-02 メディカル・バイオロジー・インスティチュート 大型多価免疫原

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011046742A (ja) * 1999-02-09 2011-03-10 Institute Of Physical & Chemical Research 腫瘍ワクチン
JP2005525407A (ja) * 2002-05-03 2005-08-25 インサーム 細胞及び作用物質を担持する微小粒子
JP4819356B2 (ja) * 2002-05-03 2011-11-24 インサーム 細胞及び作用物質を担持する微小粒子
US9579287B2 (en) 2002-05-03 2017-02-28 Inserm (Institut National De La Sante Et De La Recherche Medicale) Microparticles supporting cells and active substances
JP2006524991A (ja) * 2003-05-08 2006-11-09 エクサイト セラピーズ インコーポレーティッド 抗原特異的t細胞の作製および単離の方法
WO2018047797A1 (ja) * 2016-09-06 2018-03-15 セルメディシン株式会社 免疫刺激剤
JPWO2018047797A1 (ja) * 2016-09-06 2019-06-24 セルメディシン株式会社 免疫刺激剤
US11103590B2 (en) 2016-09-06 2021-08-31 Cell-Medicine, Inc. Immunostimulant
JP7054525B2 (ja) 2016-09-06 2022-04-14 セルメディシン株式会社 免疫刺激剤
JPWO2020255314A1 (ja) * 2019-06-20 2020-12-24
WO2020255314A1 (ja) * 2019-06-20 2020-12-24 セルメディシン株式会社 腫瘍ワクチン
JP7409640B2 (ja) 2019-06-20 2024-01-09 セルメディシン株式会社 腫瘍ワクチン

Also Published As

Publication number Publication date
JP4688254B2 (ja) 2011-05-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5579586B2 (ja) 腫瘍ワクチン
Wycislo et al. The immunotherapy of canine osteosarcoma: a historical and systematic review
Borrello et al. GM-CSF-based cellular vaccines: a review of the clinical experience
Yoshikawa et al. Nanoparticles built by self-assembly of amphiphilic γ-PGA can deliver antigens to antigen-presenting cells with high efficiency: a new tumor-vaccine carrier for eliciting effector T cells
JP2005523277A (ja) 癌の治療
US9814682B2 (en) Vaccination with immuno-isolated cells producing an immunomodulator
KR19990014875A (ko) 주효세포 조절을 위한 유전자 요법
JP2011036251A (ja) ウイルスベクターおよびその遺伝子治療のための使用
JP2019515005A (ja) 水酸化アルミニウムゲル−塩化ナトリウム複合免疫学的アジュバント、並びにその調製方法及びその使用
JPH09511737A (ja) 免疫治療剤とその使用
BR112012019267B1 (pt) Composição englobando célula dendrítica (dc) madura próinflamatória, e uso da dita célula
JP6029677B2 (ja) 腫瘍免疫療法のためのワクチン
JP2001010961A (ja) 腫瘍ワクチン
US20040022813A1 (en) Shed antigen vaccine with dendritic cells adjuvant
KR100922675B1 (ko) 면역아쥬반트
US20090081156A1 (en) Bioactive molecular matrix and methods of use in the treatment of disease
US20090060946A1 (en) Activation of antigen-specific T cells by virus/antigen-treated dendritic cells
AU3482199A (en) A method of inducing an anti-tumor response against a lung metastasis in a melanoma patient
JP2002212099A (ja) 腫瘍ワクチン
JP2018070572A (ja) 免疫治療システム
Kushida et al. A tumour vaccine of fixed tumour fragments in a controlled-release vehicle with cytokines for therapy of hepatoma in mice
Lai et al. Delivery strategies of melanoma vaccines: an overview
US20070259006A1 (en) Shed antigen vaccine with dendritic cells adjuvant
Anderson et al. Immunogenicity and Clinical Efficacy of A Hi-8™ PrimeBoost Therapeutic Vaccine in Stage III/IV Melanoma Patients In a Phase I/II Trial
JP2005281266A (ja) 温熱細胞ワクチンとサイトカインを含む医薬用組成物およびその調製方法

Legal Events

Date Code Title Description
AA64 Notification of invalidation of claim of internal priority (with term)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A241764

Effective date: 20000328

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20000413

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20001020

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20020719

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20020719

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20020719

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20031201

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20040914

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20040914

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20040914

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061017

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061017

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061017

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061227

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100513

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20100513

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20100524

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100615

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100813

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100907

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101206

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20110113

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110208

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110215

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4688254

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140225

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term