JP2001010803A - 改質器の制御装置 - Google Patents

改質器の制御装置

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JP2001010803A
JP2001010803A JP11174763A JP17476399A JP2001010803A JP 2001010803 A JP2001010803 A JP 2001010803A JP 11174763 A JP11174763 A JP 11174763A JP 17476399 A JP17476399 A JP 17476399A JP 2001010803 A JP2001010803 A JP 2001010803A
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reformer
reformed
reforming
pressure
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Hisahiro Yoshida
尚弘 吉田
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蒸発部の応答遅れに起因する過剰な改質燃料
蒸気によって改質ガスが発生することを、エネルギ効率
を低下させることなく防止する。 【解決手段】 改質燃料貯留部6から供給された改質燃
料を加熱して蒸発させる蒸発部2とその蒸発部2から送
られる改質燃料に改質反応を生じさせて改質ガスを発生
する改質部3とを備え、その改質ガスをエネルギ変換器
FCに供給するように構成された改質器1の制御装置で
あって、前記蒸発部2で生成された改質燃料蒸気を前記
改質燃料貯留部6に選択的に戻す返還手段9,12を備
えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、メタノールなど
の炭化水素系の改質原燃料と水との混合液などからなる
改質燃料を加熱蒸発させ、その改質燃料蒸気の改質反応
によって水素などの可燃性のガスを主成分とする改質ガ
スを生成する改質器に関し、特にその制御装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】常温で液体のメタノールなどの改質原燃
料から水素ガスなどの可燃性の改質ガスを生成する改質
器として水蒸気改質をおこなうように構成されたものが
知られている。この種の改質器は、例えばメタノールと
水とを蒸発器において加熱蒸発させ、その混合蒸気(混
合ガス)を改質触媒に供給して主として水蒸気改質反応
を生じさせ、さらに不可避的に生じる一酸化炭素ガスを
除去し、これにより水素ガスのリッチな改質ガスを得る
ように構成されている。この種の改質器が特開平9−3
15801号公報に記載されている。
【0003】この改質器において生じるメタノールの水
蒸気改質反応は吸熱反応であるが、改質触媒においては
空気を供給することによりメタノールの部分酸化改質反
応を生じさせることができ、したがって改質触媒におい
ては熱収支をバランスさせることができるので、改質反
応で要する熱量を供給するための熱源を備える必要がな
い。これに対して、蒸発器でメタノールおよび水を加熱
蒸発させるのは、改質触媒を活性温度に維持するととも
に、改質触媒の表面が液膜で覆われてその実質的な表面
積が減少することを防止するためである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した改質器は、燃
料電池などのエネルギ変換器に対する燃料ガスの供給源
として使用されることがあり、その場合、エネルギ変換
器に要求される出力すなわち負荷に応じて燃料ガスをエ
ネルギ変換器に供給する必要があるので、改質器の運転
もエネルギ変換器の負荷に応じて制御することになる。
しかしながら、上述した改質器では、液状の改質燃料を
蒸発器で加熱して蒸発させ、その蒸気(改質燃料ガス)
を改質触媒などからなる蒸発部に供給してここで改質反
応を生じさせるから、改質器に対する指令信号の出力か
ら実際に改質ガスが発生するまでの間に不可避的な時間
遅れが生じる。
【0005】したがって燃料電池などのエネルギ変換器
に対する負荷が増大した後に、その負荷が急激に低下し
た場合、負荷の増大に基づく改質器への出力の増大指示
に応じて蒸発器に対する改質燃料の供給量を増大させる
が、その改質燃料が加熱されて蒸発するとともにその改
質燃料蒸気の改質反応が生じる時点では、エネルギ変換
器で必要とする改質ガス量が低下している事態が生じ
る。その結果、改質燃料蒸気量が必要とする改質ガス量
に対して過剰となるが、これが改質部に供給されると、
不必要に改質ガスを生じさせてシステム全体としての効
率が低下する可能性がある。また、過剰な改質燃料蒸気
を蒸発部などの経路中に残留させると、これが次第に放
熱して凝縮し、その結果、改質触媒の表面が液膜で覆わ
れてしまうことがある。このような場合、液膜で覆われ
た改質触媒の一部で触媒活性が失われたり、液膜を除去
するために外部から熱を加えるなどの特別な操作を必要
としたりするなどの不都合が生じる。
【0006】この発明は上記の技術的課題に着目してな
されたものであり、エネルギ変換器で要求される改質ガ
スを充分に発生させることができると同時に、システム
の全体としての効率の低下を防止することのできる改質
器の制御装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用】この発明
は、上記の目的を達成するために、蒸発部で生じた過剰
な改質燃料蒸気を、その貯留部に対して返還するように
構成したことを特徴とするものである。具体的には、請
求項1の発明は、改質燃料貯留部から供給された改質燃
料を加熱して蒸発させる蒸発部とその蒸発部から送られ
る改質燃料に改質反応を生じさせて改質ガスを発生する
改質部とを備え、その改質ガスをエネルギ変換器に供給
するように構成された改質器の制御装置において、前記
蒸発部で生成された改質燃料蒸気を前記改質燃料貯留部
に選択的に戻す返還手段を備えていることを特徴とする
制御装置である。
【0008】また、請求項2の発明は、請求項1の構成
において、前記蒸発部で生成されている改質燃料蒸気の
生成量とその時点での前記エネルギ変換器の負荷に基づ
く要求改質燃料蒸気量との偏差を求める偏差検出手段を
更に備え、前記返還手段が、前記偏差検出手段で求めら
れた偏差に基づいて前記改質燃料蒸気生成量が前記要求
改質燃料蒸気量より多いことが判断された場合に、前記
蒸発部で生成された改質燃料蒸気の少なくとも一部を前
記改質燃料貯留部に戻す手段を備えていることを特徴と
する制御装置である。
【0009】したがって請求項1の発明および請求項2
の発明では、蒸発部で過剰な改質燃料蒸気が発生した場
合、その過剰な改質燃料蒸気が改質部に供給されないの
で、不必要に改質反応を生じさせて改質ガスを生成する
ことが防止されると同時に、その過剰な改質燃料蒸気が
貯留部に戻されて再度、蒸発部に供給されて使用される
ので、改質燃料の無駄な消費が防止されて効率が向上す
る。
【0010】請求項3の発明は、請求項1もしくは2の
構成において、前記蒸発部が生成した改質燃料蒸気を前
記改質燃料貯留部に戻す返還流路の圧力に対応する圧力
を検出する圧力検出手段を更に備え、前記返還手段が、
前記圧力検出手段で検出された前記返還流路の圧力が前
記改質部の圧力より低圧の場合に前記改質燃料貯留部へ
の改質燃料蒸気の返還を禁止する手段を備えていること
を特徴とする制御装置である。
【0011】したがって請求項3の発明では、蒸発部に
連通している改質部と返還流路とのうち返還流路が改質
部に対して低圧となった場合に改質燃料蒸気の貯留部に
対する返還を禁止するので、改質燃料蒸気が改質部に到
らずに返還流路側に流れることが防止され、必要とする
改質反応および改質ガス量が確保される。
【0012】請求項4の発明は、請求項1ないし3のい
ずれかの構成において、前記蒸発部で生成されている改
質燃料蒸気の生成量とその時点での前記エネルギ変換器
の負荷に基づく要求改質燃料蒸気量との差分を求める差
分検出手段を更に備え、前記返還手段が、前記改質燃料
貯留部に戻す改質燃料蒸気の量を前記差分に基づいて決
めた量に制御する手段を備えていることを特徴とする制
御装置である。
【0013】したがって請求項4の発明では、改質燃料
蒸気の過剰量およびそれに基づく返還量を算定するの
で、改質燃料蒸気の貯留部に対する返還制御を正確にお
こなうことができる。
【0014】請求項5の発明は、請求項1ないし4のい
ずれかの構成において、前記返還手段が、前記蒸発部か
ら前記改質燃料貯留部に到る流路の途中で改質燃料蒸気
を冷却する冷却手段を備えていることを特徴とする制御
装置である。
【0015】したがって請求項5の発明では、改質燃料
蒸気を冷却してその体積を減少させ、もしくは凝縮させ
るので、改質燃料貯留部の圧力の上昇が防止され、それ
に伴い改質燃料の貯留部に対する返還が円滑化される。
【0016】請求項6の発明は、請求項1ないし5前記
改質燃料貯留部における改質燃料が複数の物質の混合物
であり、かつそのいずれかの物質の濃度を検出する手段
と、検出された濃度に基づいて前記複数の物質のいずれ
かを追加供給する手段とを更に備えていることを特徴と
する制御装置である。
【0017】したがって請求項6の発明では、改質燃料
蒸気を貯留部に返還した場合、改質燃料を構成している
いずれかの物質が他の物質に対して先行して凝縮するこ
とがあり、その場合には、濃度の検出結果に基づいて該
他の物質が供給され、改質燃料の全体としての濃度が所
定値に維持される。
【0018】請求項7の発明は、請求項6に記載された
構成において、前記改質燃料貯留部に戻される改質燃料
の有する熱によって前記改質燃料貯留部に追加供給され
る物質を加熱昇温する熱交換手段を更に備えていること
を特徴とする制御装置である。
【0019】したがって請求項7の発明では、加熱して
昇温された改質燃料蒸気の有する熱が、改質燃料を構成
する物質の加熱のために使用されて回収されるので、熱
効率が向上する。
【0020】請求項8の発明は、請求項1ないし7のい
ずれかの構成において、前記改質部の温度が予め定めた
温度まで上昇した後に前記蒸発部から改質部に改質燃料
の蒸気を供給する供給開始制御手段を備えていることを
特徴とする制御装置である。
【0021】したがって請求項8の発明では、改質部の
温度が充分高くなった状態で改質燃料蒸気が改質部に供
給されるので、改質燃料蒸気が改質部で凝縮することが
防止される。
【0022】請求項9の発明は、請求項1ないし8のい
ずれかの構成において、前記エネルギ変換器の負荷に基
づいて定まる前記改質燃料の量より多い量の改質燃料を
前記蒸発部に供給する供給制御手段を備えていることを
特徴とする制御装置である。
【0023】したがって請求項9の発明では、蒸発部で
の応答遅れがあっても、ここに供給される改質燃料の量
が、エネルギ変換器の負荷に基づいて求まる量より多い
ために、エネルギ変換器に必要十分な改質ガスが供給さ
れ、また過剰な改質燃料蒸気は貯留部に返還するので、
不必要な改質反応や改質ガスの発生が回避される。
【0024】請求項10の発明は、請求項1ないし9の
いずれか構成において、前記蒸発部から前記エネルギ変
換器に到る経路のうちのいずれかの箇所の圧力と温度と
の少なくともいずれかを検出する状態検出手段を更に備
え、前記返還手段が、その状態検出手段で検出された圧
力もしくは温度が予め定めた値を超えた場合に、蒸発部
で生成した改質燃料の少なくとも一部を前記改質燃料貯
留部に戻す手段を備えていることを特徴とする制御装置
である。
【0025】したがって請求項10の発明では、改質燃
料が流通する経路のいずれかの箇所での圧力もしくは温
度が高くなると、改質燃料蒸気の少なくとも一部が貯留
部に戻されるので、改質反応が抑制もしくは停止され
る。そのため、改質反応によるガスの発生が少なくな
り、あるいは停止するので、改質器全体の圧力もしくは
温度が低下し、異常事態が解消される。
【0026】そして、請求項11の発明は、請求項1な
いし10のいずれかの構成において、前記改質器の運転
を停止することを判断する停止判断手段と、前記蒸発部
から前記エネルギ変換器に到る経路のうちのいずれかの
箇所の圧力と温度との少なくともいずれかを検出する状
態量検出手段とを更に備え、前記返還手段が、前記改質
器の運転の停止が判断された場合に前記状態量検出手段
が検出した圧力もしくは温度が予め定めた値より低下す
るまで前記蒸発器で生成した改質燃料蒸気を前記改質燃
料貯留部に戻す手段を備えていることを特徴とする御装
置である。
【0027】したがって請求項11の発明では、改質器
の運転を停止することが判断された場合、改質燃料が流
通する経路のいずれかの箇所の圧力もしくは温度が所定
値より低くなるまで、改質燃料蒸気を貯留部に戻す制御
が継続される。そのため、停止判断後における改質部で
の改質反応が抑制もしくは停止され、不必要に改質ガス
が生じることが回避される。
【0028】さらに請求項12の発明は、請求項1ない
し11のいずれかの構成において、前記改質器の運転を
停止することを判断する停止判断手段と、前記改質部の
圧力と温度との少なくともいずれかを検出する状態量検
出手段とを更に備え、前記返還手段が、前記改質器の運
転の停止が判断された場合に前記状態量検出手段により
検出した圧力もしくは温度に応じて前記改質部を前記改
質燃料貯留部に選択的に連通させる手段を備えているこ
とを特徴とする制御装置である。
【0029】したがって請求項12の発明では、改質器
を停止する際に、改質部に残留する改質燃料の改質反応
が生じて改質部の圧力もしくは温度が高くなると、それ
に応じて改質部が改質燃料貯留部に連通させられるの
で、それ以上の改質反応が抑制されるとともに改質部の
ガスが改質燃料貯留部側に逃がされるので、圧力や温度
が異常に高くなることを防止できる。
【0030】
【発明の実施の形態】つぎにこの発明を図面に示す具体
例に基づいて説明する。先ず、この発明で対象とする改
質器の構成について説明すると、図1にその一例が模式
的に示されており、ここに示す改質器1は、蒸発部2
と、改質部3と、CO低減部4とを備えている。その蒸
発部2は、改質反応に供される改質燃料を加熱して蒸発
させるための部分であって、その加熱のための熱を発生
する燃焼部とその燃焼熱によって改質燃料を加熱する熱
交換部とを備えている。
【0031】この燃焼部は、要は、適宜の燃料を燃焼さ
せて熱を発生させる機能を果たす部分であり、火炎を生
じさせて燃料を燃焼させるバーナを主体として構成さ
れ、あるいは燃料を空気中の酸素と反応させる酸化触媒
などを主体として構成されている。また、その加熱のた
めの燃料は、改質燃料として使用されるメタノールや後
述する燃料電池で生じた未利用水素ガスなどが使用され
る。さらに、この蒸発部2に供給される改質燃料は、一
例としてメタノールと水との混合液であり、熱交換部は
その混合液を加熱して例えば300℃程度の蒸気とする
ように構成されている。
【0032】改質部3は所定の改質触媒によってメタノ
ールの水蒸気改質反応を主として生じさせるように構成
されている。なお、この改質部3でメタノールの部分酸
化反応を生じさせることができ、その反応を生じさせる
場合には、この改質部3に空気を加圧して供給するよう
に構成すればよい。ここで、メタノールの水蒸気改質反
応と部分酸化反応とを反応式で示せば、水蒸気改質反応
は、 CHOH+HO→CO+3H であり、また部分酸化反応は、 CHOH+1/2O→2H +CO である。前者の水蒸気改質反応は吸熱反応であり、これ
に対して後者の部分酸化反応が発熱反応であるから、改
質反応の熱収支がバランスする。したがって蒸発部2で
供給される熱は、改質燃料を蒸気の状態(ガス状)に維
持するために使用される。
【0033】これらの式で示す反応は、理想状態での反
応であって、実際には少量の一酸化炭素ガスが不可避的
に生じる。改質部3に続けて設けられているCO低減部
4は、改質部3で不可避的に生じる一酸化炭素ガスを酸
化させて除去もしくは低減する部分である。したがって
このCO低減部4は、例えば一酸化炭素ガスを選択的に
酸化させる触媒を主体として構成されている。したがっ
てCO低減部4から排出されるガスすなわち改質器1か
ら排出されるガスは、水素ガスを主体とした(水素リッ
チな)改質ガスであり、これをエネルギ変換器としての
燃料電池FCに供給するために、上記の改質器1の出口
には電気的に開閉制御される改質ガス供給バルブ5が接
続されている。
【0034】改質燃料は、メタノール濃度が予め定めた
所定の濃度となるように調整された状態で改質燃料貯留
部である改質燃料タンク6に液体状態で貯留されてい
る。この改質燃料タンク6には、改質燃料を前記蒸発部
2に対して供給するための改質燃料ポンプ7が接続して
設けられている。さらにこの改質燃料ポンプ7の吐出口
には改質燃料供給バルブ8が接続され、この改質燃料供
給バルブ8によって流量を調整しつつ改質燃料を蒸発部
2に供給するようになっている。
【0035】さらに前記蒸発部2の出口は、前記改質部
3に接続される一方、電気的に開閉制御されるリターン
バルブ9に接続されている。そしてこのリターンバルブ
9が前記改質燃料タンク6に接続されている。したがっ
てこのリターンバルブ9を介して蒸発部2から改質燃料
タンク6に到る経路が、この発明における返還手段の一
部および返還流路を構成している。
【0036】前記蒸発部2および改質部3ならびにCO
低減部4のそれぞれは、熱が供給されることによりガス
が発生したり、あるいは反応に伴ってガスが生じるな
ど、動作することにより温度や圧力が変化するように構
成されている。そこでそれぞれの動作状態を検出するた
めに、温度センサT1 ,T2 ,T3 と圧力センサP1 ,
P2 ,P3 とがそれぞれ接続して設けられている。した
がってこれらの温度センサT1 ,T2 ,T3 と圧力セン
サP1 ,P2 ,P3 とがこの発明における状態検出手段
および状態量検出手段の一部を構成している。
【0037】図1に示すシステムでは、燃料電池FCに
対する負荷が生じた場合にその負荷に応じた改質ガスを
発生させるように改質器1が制御される。具体的には、
負荷に応じた改質燃料を供給して改質燃料蒸気(改質燃
料ガス)を生じさせ、これを改質部3に供給し、その改
質反応により水素リッチな改質ガスを生じさせる。その
場合、改質器1の応答遅れなどによって改質燃料蒸気の
量が負荷に対して過剰になる場合があり、そのためにこ
の発明の係る制御装置は以下のように制御をおこなう。
【0038】すなわちこの発明の係る制御装置は電気的
にデータの処理をおこなって前記各バルブ5,8,9や
ポンプ7に指示信号を出力するように構成されており、
一例として図2に示す制御を実行する。図2はその制御
例を示すフローチャートであって、改質燃料量演算ルー
チン(ステップS1)が実行される。これは、改質器1
に対して供給するべき改質燃料の量を燃料電池FCの負
荷に基づいて演算するルーチンであって、例えば図3に
示すように、改質ガス供給バルブ5を開く(ステップS
1001)とともに、システムパワー量を演算する(ス
テップS1002)。ここでシステムパワー量とは、燃
料電池FCから電力を受けるモータなどの動力装置を含
むシステム全体(図示せず)での総合した動力の総計で
あり、例えばバッテリなどの他の電力源を有する場合に
は、その電力源の有するパワー量をも含めてシステムパ
ワー量が演算される。
【0039】ついで燃料電池FCの負荷が演算される
(ステップS1003)。すなわち要求されている総出
力から、燃料電池FC以外の動力源で出力することので
きるパワー量を減算した量が、燃料電池FCに対する負
荷となる。改質器1での反応効率や改質燃料の種類、お
よび燃料電池FCでの発電効率などを考慮することによ
り改質燃料の単位量から発生させることのできる電力量
が求まるので、燃料電池FCの負荷に基づいて改質燃料
量が演算される(ステップS1004)。
【0040】こうして求められた量の改質燃料を蒸発部
2に供給するために、前述した改質燃料ポンプ7の駆動
ルーチン(ステップS2)が実行される。その例を図4
に記載してある。すなわち先ず、改質燃料供給バルブ8
の開閉の指示が出力され(ステップS2001)、つい
でその指示に基づく改質燃料供給バルブ8の開閉の状態
が判断される(ステップS2002)。改質燃料供給バ
ルブ8が開いていることによりステップS2002で肯
定判断された場合には、改質燃料ポンプ7に対して駆動
指示信号を出力する(ステップS2003)。これとは
反対に改質燃料供給バルブ8が閉じていることによりス
テップS2002で否定判断された場合には、改質燃料
ポンプ7に対して駆動停止指示信号を出力する(ステッ
プS2004)。すなわち改質燃料供給バルブ8の開閉
状態に応じて改質燃料ポンプ7に対する駆動あるいは停
止の指示信号を出力する。
【0041】これら改質燃料の供給量の演算と改質燃料
の供給のためのポンプの駆動との各ルーチンの実行と併
せて、改質燃料が蒸発部2において気化(蒸発)するま
でに要する時間Time1 が演算される(ステップS
3)。改質燃料の供給指示から蒸発までに要する時間
は、改質燃料を供給する管路の長さやその熱容量、蒸発
部2での熱交換効率、改質燃料の当初温度などによって
異なるから、各システムごとに実験的に求めたデータに
基づいて演算することができる。
【0042】改質燃料を蒸発部2に対して供給し始めた
場合や供給量を変化させた場合、ステップS3で求めた
遅れ時間が経過した後に、その指示した量の改質燃料蒸
気(改質燃料ガス)が発生する。言い換えれば、現時点
での改質燃料の蒸気量は、ステップS3で求めた時間だ
け前の時点において指示した改質燃料量に対応した量と
なる。この関係を利用して現在時点における発電可能量
が演算される(ステップS4)。すなわち改質燃料量を
水素ガスに換算し、さらにその水素ガス量を、燃料電池
での利用率を考慮して電力に換算する。
【0043】こうして求められた現在の発電可能量と燃
料電池FCの負荷との偏差もしくは差分を求め、その値
が正の値か否かが判断される(ステップS5)。このス
テップS5で肯定判断された場合には、前者の現在の発
電可能量が燃料電池負荷より多いことになり、改質燃料
蒸気が必要量に対して過剰となっている。したがってこ
の場合は、リータンバルブ9が開かれる(ステップS
6)。また反対にステップS5で否定判断された場合に
は、現在の発電可能量が燃料電池負荷と等しいかそれ以
下であるから、リターンバルブ9が閉じられる(ステッ
プS7)。
【0044】すなわち上記の制御を実行するこの発明に
よる制御装置によれば、蒸発部2で発生する改質燃料蒸
気(改質燃料ガス)の量が、要求されている改質燃料量
すなわち燃料電池FCの負荷に基づいて定まる改質燃料
の量に対して過剰である場合には、改質燃料蒸気が改質
部3に供給されずにリターンバルブ9を介して改質燃料
タンク6に戻される。したがって蒸発部2で発生する改
質燃料の蒸気量が要求量に対して多くても、改質部3に
供給される改質燃料の量は要求量に設定され、その結
果、不必要に多量の改質反応が生じたり、それに伴って
過剰に改質ガスが生じることが防止される。言い換えれ
ば、改質燃料が過剰に消費されないので、システム全体
としての効率が向上する。
【0045】ここで上記の具体例とこの発明との関係を
説明すると、図2に示すステップS6の機能的手段が、
請求項1および請求項2の発明における返還手段に相当
し、またステップS6の機能的手段が、請求項2の発明
における偏差検出手段に相当する。
【0046】上記のリターンバルブ9を開いた状態で
は、蒸発部2が改質部3のみならず改質燃料タンク6に
連通するので、結局、改質部3も改質燃料タンク6に連
通することになる。また、蒸発部2で生じた改質燃料蒸
気は、ポンプなどの駆動装置で流動させるのではなく、
圧力差で流動させるようになっている。したがって蒸発
部2および改質部3のいずれもが改質燃料タンク6に連
通している状態では、圧力の高低によっては、改質部3
に供給するべき改質燃料蒸気が改質燃料タンク6側に流
れる可能性がある。そこで、図5に示す例では、蒸発部
2から改質燃料タンク6に到る流路、より正確にはリタ
ーンバルブ9よりも改質燃料タンク6側にに圧力センサ
P4 が設けられ、その圧力センサP4 によって検出され
た圧力に基づいてリターンバルブ9を制御するように構
成されている。
【0047】図6はその制御ルーチンを示すフローチャ
ートであって、ステップS1ないしステップS5は、上
述した図2のフローチャートにおけると同様に実施され
る。すなわち改質燃料量演算ルーチン(ステップS
1)、改質燃料ポンプ駆動ルーチン(ステップS2)、
改質燃料の気化までに要する時間Time1 の演算(ステ
ップS3)、現在時点での発電可能量の演算(ステップ
S4)、現在時点の発電可能量と燃料電池負荷との偏差
もしくは差分の値が正の値か否かの判断(ステップS
5)が、それぞれ順に実行される。
【0048】そして、ステップS5で肯定判断された場
合、すなわち改質燃料蒸気が過剰に生じている場合に
は、蒸発部2から改質燃料タンク6に到る返還流路の圧
力センサP4 で検出された圧力が、改質部3の圧力セン
サP2 で検出された圧力およびCO低減部4の圧力セン
サP3 で検出された圧力よりも高いか否かが判断される
(ステップS5A)。このステップS5Aで肯定判断さ
れた場合、すなわち返還流路側での圧力が高い場合に、
リターンバルブ9が開かれる(ステップS6)。これと
は反対に改質部3の圧力およびCO低減部4の圧力が、
返還流路側の圧力よりも高い場合には、リターンバルブ
9が閉じられる(ステップS7)。すなわち改質燃料タ
ンク6に対す改質燃料の戻し制御が禁止される。
【0049】前述したように蒸発部2では、供給された
改質燃料が加熱されて蒸発し、その蒸気が発生している
ので、内部圧力が改質部3や改質燃料タンク6よりも高
くなっており、そのためにここから改質燃料蒸気が圧力
差によって流出している。その改質燃料蒸気は改質部3
および改質燃料タンク6側のいずれにも流動可能である
が、改質部3の圧力が改質燃料タンク6側の圧力よりも
高い場合には、リターンバルブ9が閉じられ、改質燃料
タンク6に向けた流動が阻止される。それに伴って改質
部3から改質燃料タンク6に向けた改質燃料蒸気の流動
も阻止されるので、改質部3に供給される改質燃料の量
が不足することがなく、正確になる。
【0050】ここで上記の具体例とこの発明との関係を
説明すると、図6に示すステップS6の機能的手段が、
請求項3の発明における返還手段に相当し、またステッ
プS5の機能的手段が、請求項3の発明における偏差検
出手段に相当し、さらにステップS5Aの機能的手段
が、請求項3の発明における圧力検出手段に相当し、そ
してステップS7の機能的手段が、請求項3の発明にお
ける禁止のための手段に相当する。
【0051】ところで、蒸発部2で生成した改質燃料蒸
気の改質部3に対する供給量および改質燃料タンク6へ
の戻し量をそれぞれ正確に制御するためには、各々の流
路を独立させるとともに、各流路での流量を個別に制御
することが好ましい。図7は、その例を模式的に示して
おり、蒸発部2と改質部3とが流量の調整をおこなうこ
とのできる改質部バルブ10を介装した管路11によっ
て接続され、また蒸発部2と改質燃料タンク6とが流量
の調整可能なリターンバルブ9を介装した返還流路12
によって接続されている。なお、このリターンバルブ9
よりも改質燃料タンク6側に圧力センサP4 が設けられ
ている。他の構成は、図1あるいは図5に示す構成と同
様である。
【0052】この図7に示す改質器1を対象としたこの
発明の制御装置は、以下の制御を実行するように構成さ
れている。図8はその制御例の一例を示しており、先
ず、改質燃料量演算ルーチンが実行され(ステップS1
1)、ついで改質燃料ポンプ7についての駆動ルーチン
が実行される(ステップS12)。さらに、改質燃料が
気化するまでに要する時間Time1 が演算され(ステッ
プS13)、ついで現在時点での発電可能量が演算され
る(ステップS14)。これらステップS11ないしス
テップS14は、前述した図2あるいは図6に示すステ
ップS1ないしステップS4の制御と同様である。
【0053】図8に示す制御では、これらに続けて流量
調整バルブ制御ルーチンが実行される(ステップS1
5)。その一例を図9に示してある。先ず、現在時点で
の発電可能量と現在時点での燃料電池FCに対する負荷
との差分が正の値か否かが判断される(ステップS15
01)。これは、前述した図2あるいは図6に示すステ
ップS5と同様の判断プロセスである。改質燃料量が過
剰であることによりステップS1501で肯定判断され
た場合には、現在時点での燃料電池FCの負荷に基づく
改質燃料量が演算される(ステップS1502)。1モ
ルのメタノールから得られる電力は、システムの反応効
率などに基づいて計算できるので、ステップS1502
ではそれと同様にして演算がおこなわれる。
【0054】つぎに改質部3に投入(供給)する改質燃
料の量と改質燃料タンク6に戻す改質燃料の量とが演算
される(ステップS1503)。改質部3に供給する改
質燃料の量は、負荷に対する改質燃料量に基づいて求め
ることができる。これに対して、蒸発部2で現在時点で
生成している改質燃料蒸気の量がステップS14で演算
されているから、蒸発部2における改質燃料の量から改
質部3に供給すべき改質燃料の量を減算することによ
り、改質燃料タンク6に戻すべき改質燃料の量を求める
ことができる。
【0055】一方、バルブを通過する流体の流量は、そ
のバルブの開度と流体の供給圧力とに応じた量となる。
そこで、各流量調整バルブ9,10に対する供給圧力で
ある蒸発部2の圧力センサP1 で検出した圧力に基づい
て、改質部バルブ10の開度を、ステップS1503で
演算した改質部に対する改質燃料量となるように演算
し、また同様に、リターンバルブ9の開度を演算する
(ステップS1504)。そして、改質燃料タンク6側
の圧力センサP4 で検出した圧力が、改質部3の圧力セ
ンサP2 で検出した圧力およびCO低減部4の圧力セン
サP3 で検出した圧力より高いか否かが判断される(ス
テップS1505)。これは、図2もしくは図6に示す
ステップS5と同様の判断プロセスである。
【0056】そしてこのステップS1505で肯定判断
された場合、すなわち改質燃料タンク6側の圧力が高い
場合に、改質部バルブ10およびリターンバルブ9に対
して、ステップ1504で演算した開度となるように開
度指示がおこなわれる(ステップS1506)。これと
は反対にステップ1505で否定判断された場合には、
改質燃料タンク6への返還流路12を閉じて改質燃料の
戻しが禁止される。すなわち改質部バルブ10が全開に
制御され、またリターンバルブ9が全閉に制御される
(ステップS1507)。なお、改質燃料の量が過剰で
ないことによりステップS1501で否定判断された場
合もこのステップS1507に進んで、改質部バルブ1
0の全開およびリータンバルブ9の全閉の制御が実施さ
れる。
【0057】したがって上述した制御によれば、改質燃
料の過剰量が算定され、かつその算定値に基づいて改質
燃料タンク6に戻す改質燃料の量が決定され、さらには
その決定された量の改質燃料を流すようにリターンバル
ブ9の開度が制御されるので、改質燃料のいわゆる戻し
制御を正確におこなうことができる。それに伴い改質部
3に供給して改質反応を生じさせる改質燃料の量が正確
になるので、改質ガスの生成量を燃料電池FCの負荷に
応じた量に正確に制御でき、その結果、改質ガス量に過
不足が生じないと同時に、不必要な改質反応を防止して
システム全体としての燃料効率を向上させることができ
る。
【0058】ここで上記の具体例とこの発明との関係を
説明すると、図9におけるステップS1503の機能的
手段が、請求項4の発明における差分検出手段に相当
し、またステップS1504およびステップS1506
の機能的手段が、請求項4の発明における改質燃料の戻
し量を制御する手段に相当する。また、請求項4の発明
における返還手段には、図9に示すステップS1506
の機能的手段が相当し、偏差検出手段には、図9に示す
ステップS1501の機能的手段が相当し、圧力検出手
段には、図9に示すステップS1505の機能的手段が
相当し、禁止のための手段には、図9に示すステップS
1507の機能的手段が相当する。
【0059】改質燃料タンク6は、蒸発部2に対して改
質燃料を供給するためのものであるから、改質燃料を液
体状態で貯留している。これに対してリターンバルブ9
を介して戻される改質燃料は、蒸発部2で加熱された蒸
気である。そのため、改質燃料タンク6に対する戻し量
が多くなると、改質燃料タンク6の内圧が高くなり、改
質燃料を戻すことができなくなる可能性がある。図10
に示す例は、このような不都合を未然に回避するように
構成した例である。
【0060】すなわち図10に示す構成では、蒸発部2
から改質燃料タンク6に到る返還流路12に、改質燃料
蒸気を放熱させて凝縮させる凝縮器13が介装されてい
る。より具体的には、返還流路12のうちリターンバル
ブ9と改質燃料タンク6との間に凝縮器13が設けられ
ている。この凝縮器13は、要は、返還流路12の内部
を流れる改質燃料から熱を奪って改質燃料蒸気を液化さ
せるように構成されたものであり、一例としてファン1
4によって冷却用空気を強制的に吹き付けて熱を奪う構
成の凝縮器13を採用することができる。したがってこ
の凝縮器13がこの発明の冷却手段に相当している。ま
た、この凝縮器13の部分での温度を検出する温度セン
サT5 が設けられている。他の構成は、図7に示す構成
と同様である。
【0061】この図10に示す改質器1についての制御
装置は、前述した図7に示す改質器1についての制御に
加えて、凝縮器13の制御を実行するように構成されて
いる。その制御例を図11に示してあり、ステップS1
1からステップS15までの制御が、図8に示す例と同
様にして実行される。したがってステップS11のルー
チンは、図3に示すとおりであり、またステップS12
のルーチンは、図4に示すとおりであり、さらにステッ
プS15のルーチンは、図9に示すとおりである。そし
てそのステップS15に続けて凝縮器13におけるファ
ン14の制御ルーチンが実行される(ステップS1
6)。
【0062】その制御ルーチンの一例を図12に示して
ある。すなわち温度センサT5 によって検出された凝縮
器13の部分の温度が予め定めた所定値より高温か否か
が判断される(ステップS1601)。この判断の基準
となる所定値は、例えばメタノールの沸点より低い値で
あり、したがってこのステップS1601で肯定判断さ
れた場合には、改質燃料タンク6に戻す改質燃料が充分
に凝縮せずに気体のままとなる可能性があるので、凝縮
器13のファン14をオン動作させ、冷却をおこなう
(ステップS1602)。これに対して温度センサT5
によって検出した温度が所定値以下であることによりス
テップS1601で否定判断された場合には、改質燃料
タンク6に戻す改質燃料が液化しており、もしくは液化
しつつあるので、動力の過剰な消費を防止するために凝
縮器13のファン14をオフにする。すなわち停止させ
る(ステップS1603)。
【0063】したがってこの図11および図12の制御
を実行するように構成した制御装置によれば、改質燃料
タンク6の内部に液化した状態で改質燃料を戻すことが
できるので、その内部圧力が高くなることを防止でき
る。その結果、蒸発部2で過剰に生成した改質燃料蒸気
を円滑に改質燃料タンク6に戻すことができる。
【0064】ここで上記の具体例とこの発明との関係を
説明すると、図10に示す凝縮器13および図12に示
すステップS1602の機能的手段とが、請求項5の発
明における冷却手段に相当する。また、請求項5の発明
における他の手段は、請求項4の発明について説明した
のと同様である。
【0065】蒸発部2で加熱して蒸発させた過剰な改質
燃料を改質燃料タンク6に戻す場合、上述したように放
熱させて凝縮させることが好ましいが、改質燃料が前述
したようにメタノールと水とのように複数種類の物質の
混合物であるために、その沸点温度が相違することによ
り、凝縮の速さが異なる。上述した例では、水の沸点温
度がメタノールより高いので、水が先に凝縮する。その
ため、改質燃料の戻し制御を実行することにより、改質
燃料タンク6での水の量が一時的に増大し、メタノール
濃度が低下することがある。このような事態に対処する
ための構成を図13に示してある。
【0066】図13において、改質燃料タンク6にその
内部の改質燃料におけるメタノールの濃度を検出するS
/Cセンサ15が設けられている。このS/Cセンサ1
5は水の量とメタノールの量との比率(水量/メタノー
ル量)を静電容量の変化などによって検出し、その検出
値を電気信号として出力するように構成されている。ま
た、改質燃料タンク6には、蒸留水を貯留した水タンク
16が、水ポンプ17および電気的に開閉制御される水
バルブ18を介して接続されている。なお、この水タン
ク16における蒸留水は、燃料電池FCの加湿にも使用
されるようになっている。さらに、改質燃料タンク6に
は、メタノールを貯留している燃料タンク19が、燃料
ポンプ20および電気的に開閉制御される燃料バルブ2
1を介して接続されている。他の構成は図10に示す構
成と同様である。
【0067】この図13に示す改質器1についての制御
装置は、前述した図11に示すルーチンに改質燃料の濃
度制御のステップを付加したルーチンに従って制御され
る。その一例を図14に示してある。図14において、
先ず、水・メタノール量演算ルーチンが実行される(ス
テップS21)。その具体的な内容は、図15に示すと
おりであり、図3に示す改質燃料量演算ルーチン(ステ
ップS2101)を実行した後、供給水量の演算(ステ
ップS2102)と供給燃料量(供給メタノール量)の
演算(ステップS2103)とが実行される。すなわ
ち、蒸発部2に供給する改質燃料のメタノール濃度は、
メタノールの蒸気改質反応などに基づいて予め定められ
ており、また、蒸発部2に対して供給するべき改質燃料
の量が改質燃料量演算ルーチンで求められているので、
その量および濃度から蒸留水の供給量および燃料である
メタノールの供給量が演算される。
【0068】つぎにポンプ駆動ルーチンが実行される
(ステップS22)。これは、改質燃料タンク6から蒸
発部2に対して改質燃料を供給する改質燃料ポンプ7を
制御するためのルーチンと、水ポンプ18の駆動制御ル
ーチンと、燃料ポンプ20の駆動制御ルーチンとの3種
類の駆動ルーチンを含む。これらのうち、改質燃料ポン
プ7を制御するためのルーチンは、前述した図4に示す
とおりである。
【0069】また、水ポンプ18の制御ルーチンは図1
6に示すとおりであり、先ず、水バルブ18の開閉の指
示が出力され(ステップS2201)、ついでその指示
に基づく水バルブ18の開閉の状態が判断される(ステ
ップS2202)。水バルブ18が開いていることによ
りステップS2202で肯定判断された場合には、水ポ
ンプ17に対して駆動指示信号を出力する(ステップS
2203)。これとは反対に水バルブ18が閉じている
ことによりステップS2202で否定判断された場合に
は、水ポンプ17に対して駆動停止指示信号を出力する
(ステップS2204)。すなわち水バルブ18の開閉
状態に応じて水ポンプ17に対する駆動あるいは停止の
指示信号を出力する。
【0070】さらに、燃料ポンプ20の制御ルーチンは
図17に示すとおりであり、先ず、燃料バルブ21の開
閉の指示が出力され(ステップS2211)、ついでそ
の指示に基づく燃料バルブ21の開閉の状態が判断され
る(ステップS2212)。燃料バルブ21が開いてい
ることによりステップS2212で肯定判断された場合
には、燃料ポンプ20に対して駆動指示信号を出力する
(ステップS2213)。これとは反対に燃料バルブ2
1が閉じていることによりステップS2212で否定判
断された場合には、燃料ポンプ20に対して駆動停止指
示信号を出力する(ステップS2214)。すなわち燃
料バルブ21の開閉状態に応じて燃料ポンプ20に対す
る駆動あるいは停止の指示信号を出力する。
【0071】このポンプ駆動ルーチンに続けて改質燃料
タンク6内の改質燃料におけるメタノールの濃度が所定
の範囲に入っているか否かが判断される。すなわち、前
記S/Cセンサ15の出力値が第1基準値α1 より小さ
いか、あるいは第2基準値α2 より大きいか否かが判断
される(ステップS23)。この第1基準値α1 は、図
18に示すように、基準濃度(目標濃度)に対して所定
値だけ濃度が高い値であり、また反対に第2基準値α2
は、基準濃度に対して所定値だけ濃度が低い値である。
言い換えれば、これらの各基準値α1 ,α2 が、改質燃
料の許容濃度の上限値と下限値とを規定している。した
がってS/Cセンサ15の出力値が第1基準値α1 より
小さい場合には改質燃料が濃すぎることになり、また第
2基準値α2 より大きい場合には改質燃料が薄すぎるこ
とになる。
【0072】したがってステップS23で肯定判断され
た場合には、改質燃料の濃度が許容範囲を外れているの
で、蒸発部2における改質燃料の全量を改質燃料タンク
6に戻す制御が実行される。具体的には、改質部バルブ
10を全閉にして改質部3に向けた流路を閉じ、またリ
ターンバルブ9を全開にして蒸発部2を改質燃料タンク
6にのみ連通させる(ステップS24)。ついで、凝縮
器ファン制御ルーチンが実行される(ステップS2
5)。これは、前述した図12に示すとおりである。
【0073】これに対してステップS23で否定判断さ
れた場合、すなわち改質燃料濃度が許容値以内にある場
合には、S/Cセンサ15の出力値が第3基準値α3 よ
り小さいか否かが判断される(ステップS26)。この
第3基準値α3 は図18に示すように、第1基準値α1
より幾分大きい値であって、改質燃料濃度が許容濃度範
囲内であっても濃度を低下させる必要のある限界を規定
する値である。したがってステップS26で肯定判断さ
れた場合には、水タンク16から改質燃料タンク6に対
して蒸留水を所定量追加供給する制御を実行する(ステ
ップS27)。この追加供給量は、改質燃料タンク6の
内部における改質燃料の濃度が所定の目標濃度範囲にな
る程度の量に設定される。
【0074】このようにして濃度が調整された改質燃料
の改質器1に対する供給の指示から蒸発部2で気化する
までに要する時間Time1 が演算され(ステップS2
8)、現在時点での発電可能量が演算され(ステップS
29)、さらに流量調整バルブ9,10の制御ルーチン
が実行され(ステップS30)、そしてステップS25
に進んで凝縮器ファン14が制御される。これらステッ
プS28、S29,S30,S25の制御は、前述した
図11に示すステップS13,S14,S15,S16
と同様であり、したがって流量調整バルブS30で実行
されるルーチンは図9に示すとおりであり、またステッ
プS25で実行されるルーチンは、図12に示すとおり
である。
【0075】一方、ステップS26で否定判断された場
合、すなわち改質燃料の濃度が許容範囲に入っており、
かつ希釈しなければならない程度に濃度が高くない場合
には、S/Cセンサ15の出力値が第4基準値α4 より
大きいか否かが判断される(ステップS31)。この第
4基準値α4 は、図18に示すように、改質燃料濃度の
薄い方の許容限界値である第2基準値α2 より幾分小さ
い値であり、濃度を高くする必要のある限界値を示す値
である。したがってこのステップS31で肯定判断され
た場合には、改質燃料の濃度が許容範囲に入っているも
のの濃度を高くする必要がある状態であるから、燃料タ
ンク19から改質燃料タンク6に対して所定量の燃料す
なわちメタノールを追加供給する(ステップS32)。
このステップS32の制御を実行することにより、改質
燃料の濃度が是正されたことになるので、ステップS2
8に進んで、蒸発部2に対する改質燃料の供給および過
剰燃料の戻し制御、その冷却などの制御を前述したとお
りに実行する。
【0076】また、ステップS31で否定判断された場
合には、S/Cセンサ15で検出された改質燃料の濃度
が第3基準値α3 と第4基準値α4 との間に入っていて
適正であることになるから、ステップS28に進んで、
蒸発部2に対する改質燃料の供給および過剰燃料の戻し
制御、その冷却などの制御を前述したとおりに実行す
る。
【0077】したがってこの図13ないし図18に示す
具体例では、蒸発部2から出力される過剰な改質燃料を
改質燃料タンク6に戻す制御を実行し、その際に水の凝
縮がメタノールの凝縮に先行して生じるとしても、濃度
の検出結果に基づいてメタノールを追加供給するので、
改質燃料の濃度を適正値に維持することができる。また
反対にメタノールの量が大きくなって濃度が高くなった
場合には、水を供給して濃度を下げ、改質燃料の濃度を
適正値に維持することができる。
【0078】ここで上記の具体例とこの発明との関係を
説明すると、図14におけるステップS23,S26,
S31の機能的手段が、請求項6の発明における濃度を
検出する手段に相当し、またステップS27,S32の
機能的手段が、請求項6の発明におけるいずれかの物質
を追加供給する手段に相当する。また、請求項6の発明
における他の手段は、請求項4あるいは請求項5の発明
について説明したのと同様である。
【0079】エネルギ変換器として例えば高分子電解質
膜型燃料電池FCを使用した場合、その電解質膜を加湿
するために蒸留水を必要とし、また改質燃料として蒸留
水を必要とするので、前述したように水タンク16を設
けることが好ましい。これに対して改質器1の設置環境
は様々であって、周囲の温度が氷点下にまで低下する箇
所に設置されることがある。したがって改質器1の設置
環境によっては、水タンク16内の水が凍結し、燃料電
池FCを加湿できず、その起動が困難になる可能性があ
る。このような事態に対処するために、図19に示すよ
うに構成することができる。
【0080】すなわち図19において、返還流路12の
うちリターンバルブ9と凝縮器13との間に第1切替バ
ルブ22が介装されている。またこの第1切替バルブ2
2をバイパスするようにバイパス管23が接続されてい
る。このバイパス管23は、水タンク16の内部を通っ
ており、あるいは水タンク16の内部に設けてある熱交
換器(図示せず)に接続されている。そしてこのバイパ
ス管23のうち水タンク16に入る箇所の手前に第2切
替バルブ24が設けられ、また水タンク16から出た箇
所に第3切替バルブ25が設けられている。さらに、水
タンク16にはその内部の温度を検出するための温度セ
ンサT4 が設けられている。他の構成は、図13に示す
構成と同様である。
【0081】改質器1を始動する場合、先ず、改質燃料
の蒸気を生じさせる必要があるで、始動時に熱源を得る
ことができる。そこで、図19に示す改質器1について
の制御装置は、その熱源を利用して水タンク16を選択
的に加熱する。その制御例を図20にフローチャートで
示してある。図20において、先ず、水タンク16に設
けた温度センサT4 で検出した温度が基準温度より高い
か否かが判断される(ステップS41)。この基準温度
は例えば0℃程度の温度であり、基準温度をこの程度の
値に設定すれば、ステップS41は水タンク16での凍
結を判断しているのと同等の判断ステップとなる。
【0082】したがってステップS41で否定判断され
た場合には、水タンク16の温度が凍結温度程度まで下
がっていて、その内部の水が凍結している可能性が高い
ので、蒸発部2で生成した改質燃料蒸気の全量を返還流
路12側に流すとともに、水タンク16内に通過させて
水タンク16を加熱する。具体的には、改質部バルブ1
0を全閉にし、かつリターンバルブ9を全開にする(ス
テップS42)。さらに返還流路12からバイパス管2
3に流すために、第1切替バルブ22を閉じ、かつ第2
および第3の切替バルブ24,25を開く(ステップS
43)。こうすることにより、蒸発部2で加熱された生
じた改質燃料蒸気の全量が、リターンバルブ9を介して
返還流路12側に流れ、かつ第2切替バルブ24を通っ
てバイパス管23を流れるので、改質燃料蒸気が水タン
ク16の内部に管路もしくは熱交換器に供給され、ここ
で放熱する。すなわち改質燃料蒸気の有する熱によって
水タンク16の内部すなわち水が加熱され、その結果、
水の凍結が解消される。
【0083】なおその場合、第3切替バルブ25を介し
て返還流路12に戻った改質燃料の温度が未だ高い場合
があるので、上記のステップS43に続けて凝縮器ファ
ン14の制御ルーチンを実行する(ステップS44)。
この凝縮器ファン14の制御ルーチンは、前述した図1
2のとおりである。
【0084】一方、水タンク16の温度センサT4 で検
出された温度が基準温度より高いことによりステップS
41で肯定判断された場合には、水タンク16内の蒸留
水を燃料電池FCの加湿および改質燃料として使用でき
る状態であるから、水・メタノール量演算ルーチン(ス
テップS45)、ポンプ駆動ルーチン(ステップS4
6)、流量調整バルブ制御サブルーチン(ステップS4
7)がそれぞれ実行される。これらのステップS45な
いしステップS47の制御は、図14に示す制御例での
ステップS21からステップS32までの制御と同様で
あり、したがってステップS45における水・メタノー
ル量演算ルーチンは、前述した図15に示すルーチンで
ある。また、ステップS46におけるポンプ駆動ルーチ
ンは、前述した図4および図16ならびに図17に示す
ルーチンである。そしてステップ47における流量調整
バルブ制御サブルーチンは、図14に示すステップS2
3からステップS32までのルーチンと同じであり、し
たがってこのステップS47の流量調整バルブ制御サブ
ルーチンを図21に独立して記載してある。なお、この
図21には、図14と同様の符号を付し、その詳細な説
明は省略する。
【0085】上記のステップS47で流量調整バルブ制
御サブルーチンを実行し、これに続けてリターンバルブ
9が全閉であるか否かか判断される。すなわち前述した
ように、改質燃料の量が過剰でない場合や改質燃料タン
ク6側の圧力が改質部3やCO低減部4側の圧力より低
い場合には、リターンバルブ9が閉じられる。その場
合、返還流路12側での制御は必要ないので図20のル
ーチンは終了する。これに対してリターンバルブ9が開
いている場合には、改質燃料蒸気が返還流路12側に送
られているので、ステップS43に進んで、第1切替バ
ルブ22の閉じ制御、第2および第2の切替バルブ2
4,25の開き制御が実行される。
【0086】したがって水タンク16の温度が充分高い
通常の状態であっても、改質燃料の過剰分が改質燃料タ
ンク6に戻される場合には、その改質燃料蒸気が水タン
ク16側に送られて水の加熱に使用される。この水は、
前述したように、改質燃料タンク6に供給され、ここで
メタノールと混合された後、蒸発部2に供給されるの
で、改質燃料蒸気を水タンク16側に流すことにより、
改質燃料を予熱することになる。したがって改質燃料の
過剰分が有している熱を水の温度を上昇させることによ
って回収することになり、その点で熱効率あるいは燃費
が向上する。
【0087】ここで上記の具体例とこの発明との関係を
説明すると、図19に示すバイパス管23および図20
に示すステップS43の機能的手段が、請求項7の発明
における熱交換手段に相当する。また、請求項7の発明
における他の手段は、請求項4ないし請求項6の発明に
ついて説明したのと同様である。
【0088】図20に示す制御例では、水タンク16の
温度が基準温度より高いことを条件として改質部3に対
して改質燃料蒸気(改質燃料ガス)の供給を開始するこ
ととした。しかしながら、改質部3は、例えば触媒によ
ってメタノールの水蒸気改質や部分酸化改質をおこなう
ように構成されているので、その触媒の表面が液膜で覆
われると、改質反応が阻害され、改質部3の温度上昇が
遅くなるのみならず、改質ガス中の一酸化炭素ガス濃度
が高くなるなどその品質が悪化する。このような事態を
解消するために、図19に示す返還流路12を有効に使
用することができる。その制御例を図22に示してあ
る。
【0089】すなわち図22に示す制御例は、図20に
示すルーチンにおけるステップS41の判断条件を、水
タンク16の温度センサT4 で検出した温度が基準温度
より高いこと、および蒸発部2の温度センサT1 で検出
した温度が基準温度τ1 より高く、かつ改質部3の温度
センサT2 で検出した温度が基準温度τ2 より高く、か
つCO低減部4の温度センサT3 で検出した温度が基準
温度τ3 より高いことと(ステップS41A)し、他の
ステップは図20に示すルーチンと同じにしたものであ
る。したがってこの図22に示す制御を実行する制御装
置によれば、改質器1の各部の温度がそれぞれの基準温
度以下の場合には、蒸発部2で発生させた改質燃料蒸気
を返還管路12側に流すことにより、改質部3に供給す
ることを禁止する。そのため、改質燃料蒸気が温度の低
い改質触媒に接触して凝縮するなどの事態が生じない。
また、改質器1の各部の温度がそれぞれの基準温度より
高くなった状態で改質燃料が改質部3に供給されるの
で、改質部3においては、改質燃料蒸気が改質触媒に接
触して凝縮することがなく、改質触媒が高活性状態に維
持される。
【0090】したがって図22に示すステップ41Aお
よびステップS45ないしステップS47の機能的手段
が、請求項8の発明における供給開始制御手段に相当す
る。また、請求項8の発明における他の手段は、請求項
4ないし請求項7の発明について説明したのと同様であ
る。
【0091】つぎに図23に示す制御例について説明す
る。この図23に示す制御は、例えば図19に示す構成
の改質器1を対象とするこの発明に係る制御装置で実行
されるものであって、燃料電池FCに対する負荷変動時
の過渡応答性を向上させるように構成した例である。す
なわち先ず、改質器1および燃料電池FCの運転条件が
成立しているか否かが温度に基づいて判断される(ステ
ップS51)。これは、前述した図22に示すステップ
S41Aと同様の判断プロセスであり、水タンク16の
温度センサT4 で検出した温度が基準温度より高いか否
か、および蒸発部2の温度センサT1 で検出した温度が
第1基準温度τ1 より高く、かつ改質部3の温度センサ
T2 で検出した温度が第2基準温度τ2 より高く、かつ
CO低減部4の温度センサT3 で検出した温度が第3基
準温度τ3 より高いことの判断がおこなわれる。
【0092】このステップS51で否定判断された場合
には、改質部バルブ10を全閉にし、かつリターンバル
ブ9を全開にする(ステップS52)。さらに第1切替
バルブ22を閉じるとともに、第2切替バルブ24と第
3切替バルブ25とを開く(ステップS53)。さらに
凝縮器13のファン14についての制御ルーチンを実行
する(ステップS54)。これらステップS52ないし
ステップ54の制御は、前述した図20もしくは図22
に示すステップS42ないしステップS44の制御と同
様である。したがって蒸発部2で生成した改質燃料蒸気
の全量が返還流路12側に送られるとともに、バイパス
管23を介して水タンク16に送られて水の加熱をおこ
なう。またステップS54では、前述した図12に示す
ルーチンが実行され、凝縮器13における温度センサT
5 によって検出された温度に基づいてそのファン14が
オン・オフ制御される。
【0093】一方、各部の温度センサT1 ,〜T4 で検
出された温度が高いことにより、ステップS51で肯定
判断された場合には、改質ガス供給バルブ5を開いて燃
料電池FCに水素リッチな改質ガスを供給する(ステッ
プS55)。また、燃料電池FCを含むシステム全体の
パワー量を演算する(ステップS56)。なお、ここに
おけるシステムには、バッテリーなどの他の電力源(パ
ワー源)が含まれる。ついでカウンタの積算値が予め定
めた所定値より小さいか否かが判断される(ステップS
57)。このカウンタは、システムのパワー量を演算す
るごとに“1”ずつ積算するカウンタであって、その積
算値が所定値に達する前では、ステップS57で肯定判
断される。
【0094】このステップS57で肯定判断された場合
には、システムパワー量を積算する(ステップS5
8)。これとは反対にステップS57で否定判断された
場合には、システムパワーの積算回数が所定回数に達し
たことになるので、その積算値に基づいて平均システム
パワー量を演算する(ステップS59)。また併せて、
システムパワー量の積算値およびカウンタ値をリセット
(ステップS59)し、ステップS58に進む。
【0095】こうして求められたシステム全体のパワー
量に基づいて燃料電池FCの負荷が決定される(ステッ
プS60)。前述したように燃料電池FCで出力できる
電力と燃料電池FCに供給される水素ガス量とには相関
関係があり、また燃料電池FCに供給する水素ガス量と
改質器1に供給される改質燃料量とには相関関係がある
から、燃料電池FCの負荷に基づいて改質燃料量が演算
される(ステップS61)。その場合、燃料電池FCの
負荷に基づいて求まる改質燃料量より多い量が改質器1
に対する改質燃料の供給量とされる。
【0096】ついでポンプ駆動ルーチン(ステップS6
2)および流量調整バルブの制御サブルーチン(ステッ
プS63)ならびリターンバルブ9が全閉か否かの判断
(ステップS64)が順に実行される。これらのステッ
プは、図20あるいは図22に示すステップS46ない
しステップS48と同様のステップであり、したがって
ステップS62では図4および図16ならび図17に示
すルーチンが実行され、またステップS63では図21
に示すルーチンが実行される。すなわち、過剰な改質燃
料蒸気が改質燃料タンク6に戻され、その際にその改質
燃料蒸気の有する熱によって水タンク16内の水の加熱
が実行され、さらには凝縮器13で改質燃料の冷却・凝
縮が実行される。また、改質燃料を改質燃料タンク6に
戻すことによりその濃度が変化した場合には、これを検
出して水もしくは燃料(メタノール)が追加供給され
る。そして、改質燃料タンク6側の圧力が低い場合に
は、リターンバルブ9が閉じられて、改質部3側から改
質燃料蒸気が戻されてしまうことを防止する。
【0097】したがってこの図23に示す制御を実行す
る制御装置によれば、エネルギ変換器である燃料電池F
Cの負荷に基づいて定まる量より多い量の改質燃料を改
質器1に供給することになるので、燃料電池FCでの負
荷が増大した場合、それまで過剰とされていてリターン
バルブ9側に流されていた改質燃料蒸気の一部もしくは
全量を改質部3に供給することにより、増大した負荷に
応じた改質反応を生じさせ、かつ増大した負荷に応じた
改質ガスを生成することができる。すなわち、燃料電池
FCの負荷が増大した場合に、蒸発部2での改質燃料の
蒸発量を増大させる必要がないので、蒸発部2の応答遅
れが負荷の増大に対する改質器1の応答遅れとして現れ
ず、その結果、改質器1の応答性を向上させることがで
きる。
【0098】したがって図23におけるステップS60
およびステップS61の機能的手段が、請求項9の発明
における供給制御手段に相当する。また、請求項9の発
明における他の手段は、請求項4ないし請求項8の発明
について説明したのと同様である。
【0099】この発明で対象とする改質器1における蒸
発部2では、燃焼部で生じた熱による改質燃料の加熱と
改質燃料が蒸発することにより吸熱とが生じ、また改質
部3では、水蒸気改質反応による吸熱と部分酸化改質反
応による発熱とが生じ、さらにCO低減部4では一酸化
炭素ガスの酸化による発熱が生じる。これらの加熱もし
くは発熱による熱量と吸熱およびガスによる熱の持ち去
りによる熱量とがバランスしている状態では、全体の温
度が目標温度程度に維持される。しかしながら何らの原
因で熱収支のバランスが崩れた場合、改質器1のいずれ
かの部分もしくは全体の温度が目標温度範囲から外れ、
異常に高温になったり、異常に低温になったりする可能
性がある。このような場合、例えば改質部3における改
質触媒の活性が低下するので、改質ガスとして水素ガス
以外に一酸化炭素が比較的多量に生じ、改質ガスの品質
が悪化することがある。また、反応の異常は温度の異常
として現れる以外に、ガスの発生量が多くなって圧力が
高くなる異常として現れ、極端な場合は高圧による改質
器1の破損に到る可能性がある。
【0100】このような不都合を解消するために、この
発明に係る制御装置は、温度や圧力による異常に対処す
るために以下のように制御をおこなう。図24はその制
御例を示すフローチャートであって、高温異常回避制御
ルーチン(ステップS71)、低温異常回避制御ルーチ
ン(ステップS72)、圧力異常回避制御ルーチン(ス
テップS73)が順に実行される。この高温異常回避制
御ルーチンの一例を図25に示してあり、先ず、蒸発部
2の温度センサT1 で検出された温度が予め定めた基準
温度τ11より高温、もしくは改質部3の温度センサT3
で検出された温度が予め定めた基準温度τ12より高温、
あるいはCO低減部4の温度センサT3で検出された温
度が予め定めた基準温度τ13より高温か否かが判断され
る(ステップS7101)。このステップS7101で
肯定判断された場合には、蒸発部2もしくは改質部3あ
るいはCO低減部4の温度が異常に高いことになり、い
わゆる高温異常が生じていることになる。
【0101】高温異常が生じている状態では、改質反応
が正常におこなわれず、一酸化炭素ガスの発生量が増大
するので、改質反応を停止させる必要がある。そこでス
テップS7101で肯定判断された場合には、改質部バ
ルブ10を全閉にするとともに、リターンバルブ9を全
開にして改質燃料蒸気の全量を返還流路12側に戻す
(ステップS7102)。そして切替バルブ22,2
4,25の制御ルーチンが実行される(ステップS71
03)。
【0102】その一例を図26に示してあり、水タンク
16の温度センサT4 で検出された温度が基準温度より
低いか否かが先ず判断される(ステップS7103
A)。このステップS7103Aで肯定判断された場合
には、水タンク16の温度がかなり低く、凍結している
可能性もあるので、第1切替バルブ22を閉じるととも
に第2切替バルブ24および第3切替バルブ25を開き
(ステップS7103B)、改質燃料蒸気をバイパス管
23を介して水タンク16側に流す。こうすることによ
り、改質燃料蒸気の有する熱によって水タンク16が加
熱され、水の凍結が解消させると同時に熱を回収して熱
効率を向上させることができる。
【0103】これに対して、水タンク16の温度センサ
T4 によって検出した温度が基準温度以上のためにステ
ップS7103Aで否定判断された場合には、水タンク
16の温度センサT4 によって検出された温度が、上記
の基準温度より高い第2基準温度を超えているか否かが
判断される(ステップS7103C)。このステップS
7301Cで肯定判断された場合には、水もしくは水タ
ンク16の温度が充分高いことになるので、第1切替バ
ルブ22を開くとともに、第2切替バルブ24および第
3切替バルブ25を閉じて(ステップS7103D)、
改質燃料蒸気を水タンク16側に循環させずに改質燃料
タンク6側に流す。これとは反対に水タンク16の温度
センサT4 で検出した温度が特には高くないことにより
ステップS7103Cで否定判断された場合には、ステ
ップS7103Bに進んで、改質燃料蒸気をバイパス管
23を介して水タンク16側に流す。
【0104】また、改質燃料蒸気をそのタンク6側に戻
す場合、改質燃料を必要に応じて液化させる必要がある
ので、凝縮器ファン14の制御ルーチンが実行される
(ステップS7104)。この凝縮器ファン14の制御
ルーチンは前述した図12に示すとおりであるから、そ
の説明を省略する。一方、改質器1の各部の温度が特に
は高くないことによりステップS7101で否定判断さ
れた場合には、改質器1での改質反応を通常どおりに生
じさせることができるので、ステップS7105に進ん
でポンプ駆動ルーチンが実行される。このポンプ駆動ル
ーチンは前述した図14に示すとおりであるから、その
説明を省略する。このステップS7105を実行した
後、ステップS7103に進む。すなわち、改質燃料蒸
気を燃料電池FCの負荷に応じて生成するとともに、過
剰な改質燃料を改質燃料タンク6に戻し、それに伴う改
質燃料タンク6での濃度の変化を是正するために、改質
燃料タンク6に水もしくは燃料(メタノール)を供給す
る。
【0105】上記の高温異常回避制御ルーチンに続けて
低温異常回避制御ルーチンが実行される(ステップS7
2)。その一例を図27に示してある。温度が低いこと
により支障が生じるのは、蒸発部2と改質部3とである
から、このルーチンでは、蒸発部2の温度センサT1 で
検出された温度が低温側の基準温度τ21より低いか否
か、または改質部3に設けた温度センサT2 で検出した
温度がその低温側の基準温度τ22より低いか否かが判断
される(ステップS7201)。このステップS720
1で肯定判断された場合には、蒸発部2もしくは改質部
3の温度が低いことにより、改質燃料の気化が不充分と
なり、あるいは改質燃料の温度が充分には高くならず、
もしくは改質部3での触媒活性化が低くて改質反応が所
期どおりに生じないおそれがある。そこでこの場合は改
質燃料を改質部3に送らずに、その全量を返還流路12
を介して改質燃料タンク6に戻す。すなわち改質部バル
ブ10を全閉にするとともにリターンバルブ9を全開に
する(ステップS7202)。
【0106】ついで、切替バルブ制御ルーチン(ステッ
プS7203)および凝縮器ファン制御ルーチン(ステ
ップS7204)が順次実行される。なお、これらの切
替バルブ制御ルーチンおよび凝縮器ファン制御ルーチン
は、図25を参照して説明したステップS7103およ
びステップS7104でそれぞれ実行されるルーチンと
同様であって前述した図12および図14に示すとおり
である。
【0107】また一方、蒸発部2の温度および改質部3
の温度が特には低くないことによりステップS7201
で否定判断された場合には、ポンプ駆動ルーチン(ステ
ップS7205)が実行され、ついでステップS720
3に進む。これは、上述した高温異常回避制御ルーチン
におけるステップS7105およびステップS7103
と同様である。
【0108】すなわち蒸発部2の温度もしくは改質部3
の温度が低い場合には、蒸発部2から改質部3に対して
改質燃料を供給せずに返還流路12を介して改質燃料タ
ンク6に改質燃料を戻す。その場合、前述した具体例に
おける場合と同様に、改質燃料の有する熱の回収や冷却
することにより凝縮などの制御を実行する。また、各部
の温度が所期の温度範囲に入っていて通常の運転が実行
される場合には、過剰な改質燃料蒸気を前述した各具体
例と同様にして回収する。
【0109】さらに上記の低温異常回避制御ルーチンに
続く圧力異常回避制御ルーチンの一例を図28に示して
ある。すなわちガスの発生やそのガスの膨張による圧力
の上昇は、改質器1の各部で生じる可能性があるので、
蒸発部2の圧力センサP1 で検出された圧力が予め決め
た基準圧力β1 を超えているか否か、あるいは改質部3
の圧力センサP2 で検出した圧力が予め決めた基準圧力
β2 を超えているか否か、もしくはCO低減部4の圧力
センサP3 で検出した圧力が予め決めた基準圧力β3 を
超えているか否かが判断される(ステップS730
1)。これらいずれかの部分の圧力が高い場合には、改
質反応を継続することにより圧力がさらに高くなって、
極端な場合には圧力による機械的な破損が生じる可能性
があるために、これを防止するべく改質反応を停止させ
る。すなわち改質部バルブ10を全閉にするとともにリ
ターンバルブ9を全開(ステップS7302)にして改
質燃料を蒸発部2から返還流路12を介して改質燃料タ
ンク6に戻す。
【0110】ついで、切替バルブ制御ルーチン(ステッ
プS7303)および凝縮器ファン制御ルーチン(ステ
ップS7304)が順次実行される。なお、これらの切
替バルブ制御ルーチンおよび凝縮器ファン制御ルーチン
は、図25を参照して説明したステップS7103およ
びステップS7104でそれぞれ実行されるルーチン、
もしくは図27を参照して説明したステップS7203
およびステップS7204でそれぞれ実行されるルーチ
ンと同様であって前述した図12および図14に示すと
おりである。
【0111】また一方、改質器1の各部の圧力が特には
高くないことによりステップS7301で否定判断され
た場合には、ポンプ駆動ルーチン(ステップS730
5)が実行され、ついでステップS7303に進む。こ
れは、上述した高温異常回避制御ルーチンにおけるステ
ップS7105およびステップS7103、もしくは低
温異常回避制御ルーチンにおけるステップS7205お
よびステップS7203と同様である。
【0112】すなわち改質器1の各部のいずれかの圧力
が高い場合には、蒸発部2から改質部3に対して改質燃
料を供給せずに返還流路12を介して改質燃料タンク6
に改質燃料を戻す。その場合、前述した具体例における
場合と同様に、改質燃料の有する熱の回収や冷却するこ
とにより凝縮などの制御を実行する。また、各部の温度
が所期の温度範囲に入っていて通常の運転が実行される
場合には、過剰な改質燃料蒸気を前述した各具体例と同
様にして回収する。
【0113】このように図24の制御を実行する制御装
置によれば、改質器1におけるいずれかの部分の温度が
異常に高い場合、あるいは反対に低い場合には、蒸発部
2に供給した改質燃料を改質部3に供給せずに改質燃料
タンク6に戻すので、不完全な改質反応やそれに伴う改
質ガスの品質の悪化などを未然に防止することができ
る。また、改質器1におけるいずれかの部分の圧力が異
常に高い場合には、改質燃料を蒸発部2から改質燃料タ
ンク6に戻し、改質反応を停止させるので、ガスの発生
やその温度の上昇による高圧状態を回避でき、ひいては
機械的な損傷を未然に防止することができる。
【0114】ここで上記の具体例とこの発明との関係を
説明すると、図25に示すステップS7101および図
27に示すステップS7201ならびに図28に示すス
テップS7301の機能的手段のそれぞれが、請求項1
0の発明における状態検出手段に相当し、また図25に
示すステップS7102および図27に示すステップS
7202ならびに図28に示すステップS7302の機
能的手段のそれぞれが、請求項10の発明における改質
燃料の少なくとも一部を貯留部に戻す手段に相当する。
さらに、請求項10の発明における他の手段は、請求項
4ないし請求項9の発明について説明したのと同様であ
る。
【0115】前述したように改質器1は、エネルギ変換
器である燃料電池FCの負荷に応じて水素ガスを発生さ
せてこれを燃料電池FCに供給するので、燃料電池FC
の負荷がなくなった場合には、改質器1を停止させるこ
とになる。その場合、蒸発部2の応答遅れにより改質器
1の内部に改質燃料が供給され、あるいは残留し、これ
が予熱によって改質反応を起こし、改質ガスが発生する
ことがある。その量が多い場合には、燃料の無駄の消費
となって燃費が悪化し、また改質器1の内部圧力が高く
なる不都合がある。このような不都合を回避するために
この発明の制御装置は、以下に述べる停止制御を実行す
るように構成されている。
【0116】図29はその停止制御の一例を示してお
り、燃料電池FCの負荷がなくなることに伴って改質ガ
ス供給バルブ5が閉じられる(ステップS81)。これ
と同時に改質部バルブ10が全閉され、かつリターンバ
ルブ9が全開にされる(ステップS82)。すなわち燃
料電池FCに対する改質ガスの供給が停止され、また改
質部3に対する改質燃料の供給が停止される。ついで改
質部バルブ10の停止制御ルーチンが実行される(ステ
ップS83)。
【0117】改質部3では触媒温度が活性温度にあれ
ば、改質燃料の改質反応が生じ、また改質部バルブ10
を閉じた場合に改質燃料が改質部3に残留することがあ
る。したがって運転状態の改質器1を停止するべく改質
部バルブ10を閉じた場合、改質部3に残留する改質燃
料の改質反応が継続して生じることがあるので、その反
応に伴う異常を回避するべく改質部バルブ10が開閉制
御される。具体的には図30に示すとおりである。すな
わち先ず、フラグF1 がオフか否かが判断される(ステ
ップS8301)。このフラグF1 は、停止時に改質部
バルブ10が全閉であることによりオフに設定され、ま
た反対に全開の時にオンに設定されるフラグであり、上
記のステップS82で改質部バルブ10が全閉に制御さ
れた場合には、このフラグF1 がオフなっており、した
がってステップ8301では肯定判断される。
【0118】この場合、改質部3の圧力センサP2 で検
出した圧力もしくはCO低減部4の圧力センサP3 で検
出した圧力が第1基準圧力β11より高圧が否かが判断さ
れる(ステップS8302)。停止判断後に改質部バル
ブ10が閉じられると、改質部3およびその下流側のC
O低減部4が、改質部バルブ10および改質ガス供給バ
ルブ5によって密閉された状態となり、その状態で残留
改質燃料の反応が生じると、これら改質部3もしくはC
O低減部4の内部圧力が高くなる。ステップS8302
ではその状態を検出することになる。
【0119】改質部3もしくはCO低減部4の圧力が特
には高くないことによりステップS8302で否定判断
された場合には、特に制御をおこなうことなくこのルー
チンを終了し、また反対に改質部3もしくはCO低減部
4の圧力が高くなっていることによりステップS830
2で肯定判断された場合には、改質部バルブ10が全開
に制御される(ステップS8303)。すなわちこれら
改質部3もしくはCO低減部4の内部に溜まっている改
質燃料蒸気もしくは改質ガスを、その上流側すなわち蒸
発部2側もしくは返還流路12を介した改質燃料タンク
6側に逃がす。こうすることにより、改質部3もしくは
CO低減部4の内部圧力が低下し、シール部などの機械
的な損傷が回避される。またこの場合、フラグF1 をオ
ンに設定する(ステップS8304)。
【0120】このようにして改質部バルブ10が開かれ
てフラグF1 がオンに設定されると、前述したステップ
S8301で否定判断される。その場合は、改質部3の
圧力センサP2 で検出した圧力もしくはCO低減部4の
圧力センサP3 で検出した圧力が、上記の第1基準圧力
β11より低い第2基準圧力β12より低圧か否かが判断
される(ステップS8305)。このステップS830
5で否定判断された場合には、改質部3あるいはCO低
減部4の内部圧力が未だに高いので、そのままリターン
する。すなわち改質部バルブ10を開いたままとする。
【0121】これに対してステップS8305で肯定判
断された場合には、改質部3あるいはCO低減部4の内
部圧力が低下して正常状態になっているので、改質部バ
ルブ10を全閉にする(ステップS8306)。またこ
れと併せてフラグF1 をオフに設定する(ステップS8
307)。すなわち図30に示す制御ルーチンでは、改
質部3もしくはCO低減部4の内部圧力が正常な圧力に
なるように、その内部のガスを蒸発部2側もしくは返還
流路12を介して改質燃料タンク6側に逃がすようにな
っている。
【0122】上記の改質部バルブ停止制御ルーチン(ス
テップS83)を実行した後に、蒸発部2の圧力センサ
P1 で検出した圧力が予め定めた基準圧力β20より低圧
か否かが判断される(ステップS84)。蒸発部2の圧
力がその基準圧力β20より低圧であれば、正常な状態で
あるため、リターンバルブ9を全閉(ステップS85)
にし、ステップS86に進む。これに対して蒸発部2の
内部圧力が高いことによりステップS84で否定判断さ
れた場合には、直ちにステップS86に進む。
【0123】このステップS86は、その時点でリター
ンバルブ9が全閉か否かを判断するステップであり、リ
ターンバルブ9が開いていることによりステップS86
で否定判断された場合には、リターンする。すなわちリ
ターンバルブ9を開いた状態に維持する。
【0124】これとは反対にリターンバルブ9が全閉と
なっていることによりステップS86で肯定判断された
場合には、改質部バルブ10が全閉か否かが判断される
(ステップS87)。改質部バルブ10が開いていてス
テップS86で否定判断された場合にはリターンし、ま
た改質部バルブ10が全閉であることによりステップS
86で肯定判断された場合には、停止指令が出力されて
いるか否かが判断される(ステップS88)。停止指令
が出ていないことによりステップS88で否定判断され
た場合には、運転を継続するために、特に制御をおこな
うことなくリターンし、また停止指令が出力されている
ことによりステップS88で肯定判断された場合には、
改質器1の制御を終了する。
【0125】なお、図29に示す例では、改質器1にお
ける各部分の圧力を検出して改質部バルブ10およびリ
ターンバルブ9の開閉制御を実行するように構成した
が、圧力に替えて、もしくは圧力と共に、改質器1の各
部の温度を検出し、その温度に基づいて改質部バルブ1
0やリターンバルブ9の開閉を制御するように構成して
もよい。すなわち、残留する改質燃料の反応が低下した
こと、もしくは生じなくなったことを温度の低下によっ
て判断し、その判断に基づいて改質部バルブ10やリタ
ーンバルブ9を開閉制御する。
【0126】したがって上述した図29に示す制御で
は、改質器1の運転を停止する場合、改質器1のいずれ
かの部分の圧力や温度が高い場合、改質燃料を改質燃料
タンク6に戻し、その後に各バルブを閉じるなどの停止
操作を実行するので、残留する改質燃料の反応が継続し
て生じたり、それに伴って圧力や温度が異常に高くなる
ことを防止することができる。それに伴って改質器1の
破壊や熱破損などの異常を未然に防止することができ
る。
【0127】ここで上記の具体例とこの発明との関係を
説明すると、図29に示すステップS81の機能的手段
が、請求項11の発明における停止判断手段に相当し、
またステップS84および図30に示すステップS83
02ならびにステップS8305の機能的手段のそれぞ
れが、請求項11の発明における状態量検出手段に相当
し、さらに図29に示すステップS82および図30に
示すステップS8303の機能的手段のそれぞれが、請
求項11の発明における改質燃料蒸気を貯留部に戻す手
段に相当する。また、請求項11の発明における他の手
段は、請求項4ないし請求項10の発明について説明し
たのと同様である。
【0128】また、図30の制御は、リターンバルブ9
が全開であることを前提に実施されるから、改質バルブ
10を開閉することにより改質部3を改質燃料タンク6
に選択的に連通させ、改質部3の内部あるガスを改質燃
料タンク6側に逃がすことになる。したがって図30に
おけるステップS8302およびステップS8305の
機能的手段が、請求項12の発明における状態量検出手
段に相当し、またステップS8303およびステップS
8306の機能的手段が、請求項12の発明における改
質部を改質燃料貯留部に選択的に連通させる手段に相当
する。さらに、図29に示すステップS81の機能的手
段が、請求項12の発明における停止判断手段に相当す
る。また、請求項12の発明における他の手段は、請求
項4ないし請求項11の発明について説明したのと同様
である。
【0129】以上、この発明を具体例に基づいて説明し
たが、この発明は上記の各具体例に限定されないのであ
り、したがって改質燃料は水とメタノールの混合液に限
定されず、他の炭化水素と蒸留水との混合液であっても
よく、また3種類以上の物質の混合物であってもよい。
また、この発明の改質器は、車両などの移動体に搭載さ
れる改質器と固定設置されるいわゆる定置式の改質器の
いずれであってもよい。さらに、上記の具体例では、蒸
発部および改質部ならびにCO低減部の温度あるいは圧
力を検出し、その検出値を制御のデータとすることとし
たが、この発明では、これらの各部の温度や圧力に替
え、もしくはこれらに加えてそれらの各部を連結する管
路(流路)の温度や圧力を検出して制御データとしても
よい。そしてまたこの発明における冷却手段は上述した
空冷式のもの以外に水冷式のものなどの他の構成のもの
であってもよい。
【0130】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1あるいは
請求項2の発明によれば、蒸発部で過剰な改質燃料蒸気
が発生した場合、その過剰な改質燃料蒸気が改質部に供
給されないように制御するので、不必要に改質反応を生
じさせて改質ガスを生成することを防止できると同時
に、その過剰な改質燃料蒸気が貯留部に戻されて再度、
蒸発部に供給されて使用されるので、改質燃料の無駄な
消費を防止して全体としてのエネルギ効率を向上させる
ことができる。
【0131】また、請求項3の発明によれば、請求項1
ないし2の発明の効果が得られることに加え、蒸発部に
連通している改質部と返還流路とのうち返還流路が改質
部に対して低圧となった場合に改質燃料蒸気の貯留部に
対する返還を禁止するので、改質燃料蒸気が改質部に到
らずに返還流路側に流れることが防止され、その結果、
必要とする改質反応および改質ガス量を確保して所期ど
おりの燃料改質を実行することができる。
【0132】請求項4の発明によれば、請求項1ないし
3の発明の効果が得られることに加え、改質燃料蒸気の
過剰量およびそれに基づく返還量を算定するので、改質
燃料蒸気の貯留部に対する返還制御を正確におこなうこ
とができる。
【0133】請求項5の発明によれば、請求項1ないし
4の発明の効果が得られることに加え、貯留部に戻す改
質燃料蒸気を冷却してその体積を減少させ、もしくは凝
縮させるので、改質燃料貯留部の圧力の上昇が防止さ
れ、それに伴い改質燃料を貯留部に対して円滑に返還さ
せることができる。
【0134】請求項6の発明によれば、請求項1ないし
5の発明の効果が得られることに加え、改質燃料蒸気を
貯留部に返還した場合、改質燃料を構成しているいずれ
かの物質が他の物質に対して先行して凝縮することがあ
り、その場合には、濃度の検出結果に基づいて該他の物
質が供給されるので、改質燃料の全体としての濃度を所
定値に維持することができる。
【0135】請求項7の発明によれば、請求項1ないし
6の発明の効果が得られることに加え、一旦加熱して昇
温された改質燃料蒸気の有する熱が、改質燃料を構成す
る物質の加熱のために使用されて回収されるので、熱効
率を向上させることができる。
【0136】請求項8の発明によれば、請求項1ないし
7の発明の効果が得られることに加え、改質部の温度が
充分高くなった状態で改質燃料蒸気が改質部に供給され
るので、改質燃料蒸気が改質部で凝縮することが防止さ
れ、その結果、改質反応に伴って一酸化炭素ガスなどの
付随的なガスの発生を抑制し、改質効率を向上させるこ
とができるとともに、改質ガスの品質を良好に維持する
ことができる。
【0137】請求項9の発明によれば、請求項1ないし
8の発明の効果が得られることに加え、蒸発部での応答
遅れがあっても、ここに供給される改質燃料の量が、エ
ネルギ変換器の負荷に基づいて求まる量より多いため
に、エネルギ変換器に必要十分な改質ガスを迅速に供給
でき、ひいては応答性を向上させることができ、また過
剰な改質燃料蒸気は貯留部に返還するので、不必要な改
質反応や改質ガスの発生を回避して、エネルギ効率を向
上させることができる。
【0138】さらに請求項10の発明によれば、請求項
1ないし9の発明の効果が得られることに加え、改質燃
料が流通する経路のいずれかの箇所での圧力もしくは温
度が高くなると、改質燃料蒸気の少なくとも一部が貯留
部に戻されるので、改質反応を抑制もしくは停止でき、
そのため、改質反応によるガスの発生が少なくなり、あ
るいは停止するので、改質器全体の圧力もしくは温度を
低下させて、破壊や熱破損などの異常事態が発生するこ
とを未然に防止することができる。
【0139】そして請求項11の発明によれば、請求項
1ないし10の発明の効果が得られることに加え、改質
器の運転を停止することが判断された場合、改質燃料が
流通する経路のいずれかの箇所の圧力もしくは温度が所
定値より低くなるまで、改質燃料蒸気を貯留部に戻す制
御が継続されるので、停止判断後における改質部での改
質反応が抑制もしくは停止され、その結果、不必要に改
質ガスが生じることを回避し、それに伴い改質器の機械
的な破壊や熱破損などの異常が生じることを未然に防止
することができる。
【0140】さらに請求項12の発明によれば、請求項
1ないし11の発明の効果が得られることに加え、改質
器の運転を停止することが判断された場合、改質器を停
止する際に、改質部に残留する改質燃料の改質反応が生
じて改質部の圧力もしくは温度が高くなると、それに応
じて改質部が改質燃料貯留部に連通させられるので、そ
れ以上の改質反応が抑制されるとともに改質部のガスが
改質燃料貯留部側に逃がされるので、圧力や温度が異常
に高くなることを防止でき、それに伴い改質器の機械的
な破壊や熱破損などの異常が生じることを未然に防止す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明で対象とする燃料改質器の基本的な
構成を示すブロック図である。
【図2】 そのリターンバルブの開閉制御のための制御
ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図3】 その改質燃料量演算ルーチンの一例を示すフ
ローチャートである。
【図4】 その改質燃料ポンプ駆動ルーチンの一例を示
すフローチャートである。
【図5】 図1に示す構成に改質燃料タンク側の圧力を
検出する圧力センサを追加した構成を示すブロック図で
ある。
【図6】 改質部もしくはCO低減部と改質燃料タンク
側との圧力差に基づいてリターンバルブを開閉する制御
ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図7】 図1に示す構成において蒸発部から改質部に
到る流路と蒸発部から改質燃料タンクに到る返還流路と
を独立して設けた構成を示すブロック図である。
【図8】 改質部に供給する改質燃料蒸気量と改質燃料
タンクに戻す改質燃料量との制御をおこなう制御ルーチ
ンの一例を示すフローチャートである。
【図9】 その流量調整バルブの制御ルーチンの一例を
示すフローチャートである。
【図10】 図7に示す構成に凝縮器を追加して設けた
構成を示すブロック図である。
【図11】 その凝縮器を制御するための制御ルーチン
の一例を示すフローチャートである。
【図12】 凝縮器の温度に基づいて凝縮器ファンをオ
ン/オフ制御する制御ルーチンの一例を示すフローチャ
ートである。
【図13】 図10に示す構成に水タンクおよび燃料タ
ンクを追加して設けた構成を示すブロック図である。
【図14】 改質燃料タンクにおける改質燃料の濃度に
基づいて蒸留水もしくは燃料を追加供給する制御ルーチ
ンの一例を示すフローチャートである。
【図15】 その水・メタノール量演算ルーチンの一例
を示すフローチャートである。
【図16】 その水ポンプ駆動ルーチンの一例を示すフ
ローチャートである。
【図17】 その燃料ポンプ駆動ルーチンの一例を示す
フローチャートである。
【図18】 改質燃料の濃度の判断基準となる値の大小
の関係を示す図である。
【図19】 図13に示す構成に水タンク加熱のための
バイパス管を設けた構成を示すブロック図である。
【図20】 その切替バルブを水タンクの温度に基づい
て制御するための制御ルーチンの一例を示すフローチャ
ートである。
【図21】 その流量調整バルブの制御ルーチンの一例
を示すフローチャートである。
【図22】 水タンクの温度のみならず改質器の各部の
温度に基づいて切替バルブを制御するための制御ルーチ
ンの一例を示すフローチャートである。
【図23】 燃料電池とそれ以外の動力源を含むシステ
ム全体のパワーを考慮して改質燃料量を制御する制御ル
ーチンの一例を示すフローチャートである。
【図24】 温度および圧力の異常に対処するための制
御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図25】 その高温異常回避制御ルーチンの一例を示
すフローチャートである。
【図26】 その切替バルブ制御ルーチンの一例を示す
フローチャートである。
【図27】 その低温異常回避制御ルーチンの一例を示
すフローチャートである。
【図28】 その圧力異常回避制御ルーチンの一例を示
すフローチャートである。
【図29】 停止時の制御ルーチンの一例を示すフロー
チャートである。
【図30】 改質ガス供給バルブを閉じた後の改質部バ
ルブの開閉制御ルーチンの一例を示すフローチャートで
ある。
【符号の説明】
1…改質器、 2…蒸発部、 3…改質部、 4…CO
低減部、 5…改質ガス供給バルブ、 6…改質燃料タ
ンク、 9…リターンバルブ、 10…改質部バルブ、
12…返還流路、 13…凝縮器、 15…S/Cセ
ンサ、 16…水タンク、 19…燃料タンク、 2
2,24,25…切替バルブ、 T1 ,T2 ,T3 ,T
4 ,T5 …温度センサ、 P1 ,P2 ,P3 ,P4 …
圧力センサ。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 改質燃料貯留部から供給された改質燃料
    を加熱して蒸発させる蒸発部とその蒸発部から送られる
    改質燃料に改質反応を生じさせて改質ガスを発生する改
    質部とを備え、その改質ガスをエネルギ変換器に供給す
    るように構成された改質器の制御装置において、 前記蒸発部で生成された改質燃料蒸気を前記改質燃料貯
    留部に選択的に戻す返還手段を備えていることを特徴と
    する改質器の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記蒸発部で生成されている改質燃料蒸
    気の生成量とその時点での前記エネルギ変換器の負荷に
    基づく要求改質燃料蒸気量との偏差を求める偏差検出手
    段を更に備え、 前記返還手段は、前記偏差検出手段で求められた偏差に
    基づいて前記改質燃料蒸気生成量が前記要求改質燃料蒸
    気量より多いことが判断された場合に、前記蒸発部で生
    成された改質燃料蒸気の少なくとも一部を前記改質燃料
    貯留部に戻す手段を備えていることを特徴とする請求項
    1に記載の改質器の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記蒸発部が生成した改質燃料蒸気を前
    記改質燃料貯留部に戻す返還流路の圧力に対応する圧力
    を検出する圧力検出手段を更に備え、 前記返還手段は、前記圧力検出手段で検出された前記返
    還流路の圧力が前記改質部の圧力より低圧の場合に前記
    改質燃料貯留部への改質燃料蒸気の返還を禁止する手段
    を備えていることを特徴とする請求項1もしくは2に記
    載の改質器の制御装置。
  4. 【請求項4】 前記蒸発部で生成されている改質燃料蒸
    気の生成量とその時点での前記エネルギ変換器の負荷に
    基づく要求改質燃料蒸気量との差分を求める差分検出手
    段を更に備え、 前記返還手段は、前記改質燃料貯留部に戻す改質燃料蒸
    気の量を前記差分に基づいて決めた量に制御する手段を
    備えていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれ
    かに記載の改質器の制御装置。
  5. 【請求項5】 前記返還手段が、前記蒸発部から前記改
    質燃料貯留部に到る流路の途中で改質燃料蒸気を冷却す
    る冷却手段を備えていることを特徴とする請求項1ない
    し4のいずれかに記載の改質器の制御装置。
  6. 【請求項6】 前記改質燃料貯留部における改質燃料が
    複数の物質の混合物であり、かつそのいずれかの物質の
    濃度を検出する手段と、検出された濃度に基づいて前記
    複数の物質のいずれかを追加供給する手段とを更に備え
    ていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに
    記載の改質器の制御装置。
  7. 【請求項7】 前記改質燃料貯留部に戻される改質燃料
    の有する熱によって前記改質燃料貯留部に追加供給され
    る物質を加熱昇温する熱交換手段を更に備えていること
    を特徴とする請求項6に記載の改質器の制御装置。
  8. 【請求項8】 前記改質部の温度が予め定めた温度まで
    上昇した後に前記蒸発部から改質部に改質燃料の蒸気を
    供給する供給開始制御手段を備えていることを特徴とす
    る請求項1ないし7のいずれかに記載の改質器の制御装
    置。
  9. 【請求項9】 前記エネルギ変換器の負荷に基づいて定
    まる前記改質燃料の量より多い量の改質燃料を前記蒸発
    部に供給する供給制御手段を備えていることを特徴とす
    る請求項1ないし8のいずれかに記載の改質器の制御装
    置。
  10. 【請求項10】 前記蒸発部から前記エネルギ変換器に
    到る経路のうちのいずれかの箇所の圧力と温度との少な
    くともいずれかを検出する状態検出手段を更に備え、 前記返還手段は、その状態検出手段で検出された圧力も
    しくは温度が予め定めた値を超えた場合に、蒸発部で生
    成した改質燃料の少なくとも一部を前記改質燃料貯留部
    に戻す手段を備えていることを特徴とする請求項1ない
    し9のいずれかに記載の改質器の制御装置。
  11. 【請求項11】 前記改質器の運転を停止することを判
    断する停止判断手段と、前記蒸発部から前記エネルギ変
    換器に到る経路のうちのいずれかの箇所の圧力と温度と
    の少なくともいずれかを検出する状態量検出手段とを更
    に備え、 前記返還手段は、前記改質器の運転の停止が判断された
    場合に前記状態量検出手段が検出した圧力もしくは温度
    が予め定めた値より低下するまで前記蒸発器で生成した
    改質燃料蒸気を前記改質燃料貯留部に戻す手段を備えて
    いることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに
    記載の改質器の制御装置。
  12. 【請求項12】 前記改質器の運転を停止することを判
    断する停止判断手段と、前記改質部の圧力と温度との少
    なくともいずれかを検出する状態量検出手段とを更に備
    え、 前記返還手段は、前記改質器の運転の停止が判断された
    場合に前記状態量検出手段が検出した圧力もしくは温度
    に応じて前記改質部を前記改質燃料貯留部に選択的に連
    通させる手段を備えていることを特徴とする請求項1な
    いし11のいずれかに記載の改質器の制御装置。
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