JP2001010565A - 駐輪装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ストロークの大きい強力なバネ力を作用させ
て小さな人力で高所に持ち上げることができ、かつコン
パクトな構造の駐輪装置を提供することである。 【解決手段】 床面Ｄよりも高所に設置された第１のチ
ャンネル部材１０内に第２のチャンネル部材２０を長さ
方向に移動可能に収納し、第２のチャンネル部材２０を
引き出してその先端部が第１のチャンネル部材１０の後
端部に達したとき、第２のチャンネル部材２０を自転車
Ａが乗り入れ可能な位置まで傾斜回動できるようにした
駐輪装置１ｂにおいて、前記第１のチャンネル部材１０
の下面に沿ってガススプリング５０を取り付け、前記第
２のチャンネル部材２０の傾斜回動中にカム部材４０を
介してガススプリング５０のバネ力を第２のチャンネル
部材に作用させるようにしたのである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の技術分野】この発明は、自転車の駐輪装置、特
に地上よりも高所に駐輪できる装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の駐輪装置で高所に設置したほぼ
水平な第１のチャンネル形部材内に第２のチャンネル部
材をスライド可能に嵌め込み、第２のチャンネル部材を
第１のチャンネル部材からその長さ方向に引き出して第
２のチャンネル部材の一端を第１のチャンネル部材の他
端に回動可能に係合し、第２のチャンネル部材を第１の
チャンネル部材の他端から地上方向に斜めに倒すように
し、この第２のチャンネル部材に自転車の両輪を載せた
後、第２のチャンネル部材を再び第１のチャンネル部材
内にスライドさせて嵌め込むようにしたものがある。

【０００３】

【発明の課題】上記のように第２のチャンネル部材を引
き出して地上方向に斜めに倒す際に、突然急激に倒れる
と、操作している者に危険を及ぼすことがあるため、第
２のチャンネル部材を引き出したときに、その一端と第
１のチャンネル部材の他端との間に引張りコイルスプリ
ングを介在させている。しかしながらスペースの関係
で、ストロークの大きい強力なスプリングを介在させる
ことができないため、倒れた第２のチャンネル部材に自
転車を載せた状態で逆に第１のチャンネル部材まで持ち
上げる際に、バネ力がほとんど作用せず、非常に労力を
要する問題があり、特に非力な老少年にとっては操作が
困難である。

【０００４】そこで、この発明の課題は、ストロークの
大きい強力なバネ力を作用させて小さな人力で高所に持
ち上げることができ、かつコンパクトな構造にした駐輪
装置を提供することである。

【０００５】

【課題の解決手段】上記の課題を解決するため、この発
明は、床面よりも高所にほぼ水平に設置された第１のチ
ャンネル部材内に第２のチャンネル部材を長さ方向に移
動可能に収納し、第２のチャンネル部材を引き出してそ
の先端部が第１のチャンネル部材の後端部に達したと
き、第２のチャンネル部材を自転車が乗り入れ可能な位
置まで傾斜回動できるようにした駐輪装置において、前
記第１のチャンネル部材の下面に沿って弾性伸縮手段を
設け、前記第２のチャンネル部材の傾斜回動中に、第２
のチャンネル部材がほぼ水平に復帰する方向に前記弾性
伸縮手段のバネ力を作用させるようにしたことを特徴と
する。この弾性伸縮手段をガススプリングとするのが好
ましい。

【０００６】前記第１のチャンネル部材の後端部内に、
断面がほぼコ字形の受け部材を第２のチャンネル部材の
外面との間に介在させ、この受け部材と第２のチャンネ
ル部材の先端部を係合可能として第２のチャンネル部材
の傾斜回動と共に回動可能とし、前記弾性伸縮手段の伸
縮に応じて受け部材を回動させる連結手段で受け部材と
弾性伸縮手段を連結しておく。この連結手段は、カム部
材より成り、このカム部材を受け部材のカムフォロアと
係合し、カム部材を前記弾性伸縮手段の伸縮に応じてカ
ム部材を介して受け部材を回動させるようにしたのであ
る。

【０００７】

【実施の形態】以下、この発明の実施形態を添付図面に
基づいて説明する。図１に示すように、床面Ｄに設置さ
れた駐輪装置１ａには、ほぼ垂直にステム２が固定さ
れ、このステム２の上端に、この発明の駐輪装置１ｂを
構成する第１のチャンネル部材１０がほぼ水平に固定さ
れており、このチャンネル部材１０内に第２のチャンネ
ル部材２０が長さ方向に移動可能に取り付けられてい
る。この第２のチャンネル部材２０には、図２に示すよ
うに、先端にローラ２１が取り付けられ、また側面のガ
イド溝２６に後述するローラ１６（図４）が嵌り込ん
で、第１のチャンネル部材１０内でスムーズに移動でき
るようになっている。そして自転車Ａの前輪Ｂ及び後輪
Ｃを支持して自転車Ａを倒れないように保持する前後の
フレーム２２、２３が固定されている。この第２のチャ
ンネル部材２０を図１の実線で示すように、第１のチャ
ンネル部材１０から引き出して床面Ｄの方向に傾斜さ
せ、自転車Ａを第２のチャンネル部材２０内に乗り込ま
せ、前後フレーム２２、２３でそれぞれ前後輪Ｂ、Ｃを
保持し、ロックキー２４（図２）を鎖線のように挿入し
て後輪Ｃをロックした後、図１の鎖線で示すように、第
２のチャンネル部材２０を自転車Ａと共に持ち上げ第１
のチャンネル部材１０内に納める。なお、第２のチャン
ネル部材２０の先端に設けたローラ２１は、図４の鎖線
で示すように、通常は第１のチャンネル部材１０の側壁
１１に設けた庇１１ａ（図６参照）に拘束されて第１の
チャンネル部材１０に沿って移動するが、図６に示すよ
うに、ローラ２１が庇１１ａの無い部分に至って解放さ
れると、第２のチャンネル部材２０は傾斜回動できるよ
うになっている。

【０００８】上述のような第１のチャンネル部材１０の
後端部における第２のチャンネル部材２０の傾斜回動及
び水平状態への復帰運動をスムーズに行なうための機構
について説明する。図３乃至図７に示すように、第１の
チャンネル部材１０の後端には、ほぼコ字形の受け部材
３０が嵌り込み、一対のカム部材４０を介して回動可能
に取り付けられている。従って第１と第２のチャンネル
部材１０と２０の間に、この受け部材３０が介在してい
ることになる。この受け部材３０の両側壁３１、３１に
は、それぞれカムフォロア３２、３２が取り付けられて
おり、このカムフォロア３２は、カム部材４０に設けら
れた蚕のまゆ形カム孔４２にそれぞれ係合している。ま
た、カム部材４０には、ねじ軸４１が固着されており、
このねじ軸４１は、第１のチャンネル部材１０の側壁１
１に固着したベアリング１７を貫通し袋ナット１７ａに
よって締結され（図６）、カム部材４０は側壁１１に沿
って回動自在に取り付けられている。従って、受け部材
３０のカムフォロア３２は、カム部材４０のカム孔４２
に挿入されているため、受け部材３０は第１のチャンネ
ル部材１０にカム部材４０を介して回動可能に取り付け
られていることになる。

【０００９】前記カム部材４０は、全体としてほぼクラ
ンク形になっており、ほぼＬ状に内側に折れ曲る脚部４
３の先端に、カム孔４２の面とほぼ平行に折れ曲った曲
折片４４が設けられている。他方のカム部材４０は、一
方のカム部材４０と対称形になっている。そして両カム
部材４０、４０の先端曲折片４４、４４は、図４、５に
示すように、第１のチャンネル部材１０の底面に設けら
れたスリット１２から下方に突出し、高圧ガスが封入さ
れたガススプリング５０の先端に回動自在に取り付けら
れたリンク５１を両側から挟むようにしてピン５２で連
結されている。前記リンク５１は、前記ガススプリング
５０の先端に設けられたコ字形ブラケット５３にピン５
４で回動自在に取り付けられ、このピン５４は両側に突
出して、第１のチャンネル部材１０の底壁外面に固着さ
れた一対のガイド部材１３、１３のスリット１４、１４
内に挿入され、スリット１４、１４に案内されてほぼ水
平に移動するようになっている。

【００１０】前記ガススプリング５０は、例えば図５に
示すように、フリーピストン５５の一方側に高圧ガスを
封入したガス室５６、他方側にオイルを封入したオイル
室５７が形成され、オイル室５７内にオリフィス５８ａ
を有するピストン５８を収納し、ピストンロッド５９の
外端を第１のチャンネル部材１０の底壁外面に固着した
金具１５に回動自在に連結したものである。このような
ガススプリング５０は、高圧ガス室５６がオイル室５７
を常時加圧しているため、ピストンロッド５９の伸び方
向に強力な反発弾性を有し、長いストロークにわたって
ほぼ一定のバネ力を発生することができ、ピストンロッ
ド５９の伸び方向の速度も適度に制御することができる
特性を有する。

【００１１】前記受け部材３０の先端（内端）には、フ
ック３３ａを有する突出片３３が設けられており（図
３、図５）、一方第２のチャンネル部材２０の先端下面
にはコ字形の係合部２５が設けられ、この係合部２５の
下面に係合孔２５ａが設けられている（図６）。いま、
図４のように、第２のチャンネル部材２０を引き出して
鎖線の位置から第１のチャンネル部材１０に設けたロー
ラ１６が第２のチャンネル部材２０のガイド溝２６の内
端壁２６ａに当接する実線位置に至ると停止し、その位
置で受け部材３０の突出片３３がストッパ２５内に挿入
され、先端のフック３３ａが丁度ストッパ２５の係合孔
２５ａに一致する（しかし、フック３３ａと係合孔２５
ａはいまだ係合していない）。この状態で、図６に示す
ように、第２のチャンネル部材２０を傾斜させると、受
け部材３０も共に傾斜し、同時に、フック３３ａが係合
孔２５ａと係合する。このとき、第２のチャンネル部材
２０の傾斜回動の中心は、図４、図７に示すローラ１６
である。このローラ１６は、その軸１６ａが第１のチャ
ンネル部材１０の側壁１１の後端に取り付けられたベア
リング１８を貫通し袋ナット１８ａによって締結され、
前述のように第２のチャンネル部材２０の側壁に設けら
れたガイド溝２６に嵌り込んでいる。そして、第２のチ
ャンネル部材２０の傾斜回動の際には、ローラ１６は、
ガイド溝２６の内端壁２６ａに拘束されている（図
７）。

【００１２】いま、この発明の駐輪装置１ｂが空車の状
態で、駐輪を行なうには、まず、第１のチャンネル部材
１０から第２のチャンネル部材２０を図１の右方に引き
出し、第１のチャンネル部材１０のローラ１６が第２の
チャンネル部材２０のガイド溝２６の内端壁２６ａに当
接し、受け部材３０の突出片３３が係合部２５内に挿入
された状態で、第２のチャンネル部材２０の引き出した
後端部を下方に押えると、第２のチャンネル部材２０
は、受け部材３０と共に、ローラ１６を中心にして回動
し傾斜する。このとき、受け部材３０に設けたカムフォ
ロア３２が、第１のチャンネル部材１０に回動自在に取
り付けられたカム部材４０のカム孔４２の上縁４２ａに
沿ってスライドしながら上縁４２ａを押し上げるため、
図６、７に示すように、カム部材４０が強制的に回動さ
れる。それと共に、カム部材４０の先端曲折片４４がリ
ンク５１を介してガススプリング５０を押圧し、ガスス
プリング５０を圧縮させる。カムフォロア３２がカム孔
４２の上死点に達すると、カムフォロア３２とほぼ同円
弧状の凹所４２ｂが設けられているので、カムフォロア
３２がこの凹所４２ｂに嵌り込む。この状態で第２のチ
ャンネル部材２０の重量による図７の矢印方向回転力
が、ガススプリング５０の伸長しようとするバネ力に打
ち勝つので、図７及び図１実線の状態で第２のチャンネ
ル部材２０は静止する。そこで自転車Ａを第２のチャン
ネル部材２０上に載置し、第２のチャンネル部材２０の
後端（フレーム２３の部分）をわずかに持ち上げると、
第２のチャンネル部材２０のわずかな回動（図７の反時
計方向）によって、カムフォロア３２がカム孔４２の凹
所４２ｂを脱出し、カム孔４２の上縁４２ａに当接する
ので、それ以降はガススプリング５０の伸長バネ力がカ
ム部材４０を介して受け部材３０及びそれと一体化して
いる第２のチャンネル部材２０に作用し、第２のチャン
ネル部材２０を手でわずかに持ち上げるだけで、第２の
チャンネル部材２０を自転車Ａと共に、床面から離れた
個所に設置された第１のチャンネル部材１０まで容易に
移動させることができる。

【００１３】なお、ガススプリング５０は、必ずしも図
５に示す構造のものを用いなくてもよい。またこれに代
えて他のストロークの長い強力な弾性伸縮手段、例えば
オイルダンパ、コイルスプリングダンパなどを用いるこ
とができる。

【００１４】

【発明の効果】この発明によれば、以上のように、第１
のチャンネル部材の下面に沿って弾性伸縮手段を取り付
けたので、ストロークの大きい強力なバネ力を有するも
のを取り付けることができ、このバネ力をカム手段によ
って第２のチャンネル部材に作用させるようにしたの
で、駐輪装置をコンパクトに構成することができ、労力
をほとんど要せず高所に駐輪することができる等の効果
が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の駐輪装置の一例を示す概略側面図

【図２】駐輪装置の第２のチャンネル部材を示す斜視図

【図３】受け部材及びカム部材とガススプリングの関係
を示す分解斜視図

【図４】同上を第１及び第２のチャンネル部材に組み込
んだ状態を示す縦断面図

【図５】同上の特にガススプリングの構造を示す縦断面
図

【図６】第１のチャンネル部材の後端で第２のチャンネ
ル部材を傾斜させた状態を示す斜視図

【図７】同上の縦断側面図

【符号の説明】

１ａ、１ｂ 駐輪装置 ２ ステム １０ 第１のチャンネル部材 １１ 側壁 １１ａ 庇 １２ スリット １３ ガイド部材 １４ スリット １５ 金具 １６ ローラ １６ａ 軸 １７ ベアリング １７ａ 袋ナット １８ ベアリング １８ａ 袋ナット ２０ 第２のチャンネル部材 ２１ ローラ ２２、２３ 保持フレーム ２４ ロックキー ２５ 係合部 ２５ａ 係合孔 ２６ ガイド溝 ２６ａ 端壁 ３０ 受け部材 ３１ 側壁 ３２ カムフォロア ３３ 突出片 ３３ａ フック ４０ カム部材 ４１ ねじ軸 ４２ カム孔 ４２ａ 上縁 ４２ｂ 凹所 ４３ 脚部 ４４ 曲折片 ５０ ガススプリング ５１ リンク ５２ ピン ５３ ブラケット ５４ ピン ５５ フリーピストン ５６ ガス室 ５７ オイル室 ５８ ピストン ５８ａ オリフィス ５９ ピストンロッド Ａ 自転車 Ｂ 前輪 Ｃ 後輪 Ｄ 床面

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 床面よりも高所にほぼ水平に設置された
   第１のチャンネル部材内に第２のチャンネル部材を長さ
   方向に移動可能に収納し、第２のチャンネル部材を引き
   出してその先端部が第１のチャンネル部材の後端部まで
   達したとき、第２のチャンネル部材を自転車が乗り入れ
   可能な位置まで傾斜回動できるようにした駐輪装置にお
   いて、前記第１のチャンネル部材の下面に沿って弾性伸
   縮手段を設け、前記第２のチャンネル部材の傾斜回動に
   応じて第２のチャンネル部材がほぼ水平に復帰する方向
   に前記弾性伸縮手段のバネ力を作用させるようにしたこ
   とを特徴とする駐輪装置。
2. 【請求項２】 前記弾性伸縮手段がガススプリングであ
   る請求項１に記載の駐輪装置。
3. 【請求項３】 前記第１のチャンネル部材の後端部内
   に、断面がほぼコ字形の受け部材を第２のチャンネル部
   材の外面との間に介在させ、この受け部材と第２のチャ
   ンネル部材の先端部を係合可能として第２のチャンネル
   部材の傾斜回動と共に回動可能とし、前記弾性伸縮手段
   の伸縮に応じて受け部材を回動させる連結手段で弾性伸
   縮手段と受け部材を連結した請求項１または２に記載の
   駐輪装置。
4. 【請求項４】 前記連結手段は、第１のチャンネル部材
   の側壁に回動自在に取り付けられたカム部材より成り、
   このカム部材の一端部に設けられたカム孔に前記受け部
   材の側面に設けられたカムフォロアを係合し、前記カム
   部材の他端を前記弾性伸縮手段の一端と回動可能に連結
   して弾性伸縮手段の伸縮に応じてカム部材を回動させ、
   この回動によって受け部材を回動させるようにした請求
   項３に記載の駐輪装置。