JP2004161414A - 昇降装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】可動部の高さ位置に拘らず、該可動部を略一定の力で上方付勢する昇降支援装置を備える昇降装置を提供する。
【解決手段】支持基部3aに固定されるシャシー20上に回動可能に軸支される回転片22と、載置台4aを備える可動部6aとを、案内部材を介して可動媒介節により連繋すると共に、前記回転片22に弾性体21の一端を固定し、可動部6の高さ位置に拘らず、可動部6aと所定物品との重力と、可動媒介節を介して弾性体21が可動部6aを上昇付勢する力とが略釣り合うように、弾性体21の他端をシャシー20の所定位置に係止した。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピューターやレジスター等の物品を載置する昇降可能な載置台を備える昇降装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
支持基部と、物品を載置する載置台を備え、該支持基部に所定範囲内で昇降可能に支持される可動部とで構成され、レジスターや、コンピューター、映写機等の所定の物品を常時載置するのに使用する昇降装置が知られている。
【0003】
そして、こうした昇降装置にあっては、レジスターやオフィスコンピューター等は、多人数で共用されることが多いため、使用者の交代に際して、物品を載置する高さを容易に変更できるように、電動モータや、油圧ポンプを利用して、物品を載置した状態で、可動部を容易に昇降可能としたものが種々提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−308645号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述の電動モータを用いた構成は製造コストが高く、また油圧利用のものでは油漏れの懸念が残る。また、ガススプリング等の弾性体を利用して可動部を上方に付勢する構成も考えられるが、弾性体は、その長さにより弾性力が変化するため、可動部の昇降に伴い、その付勢力が変化していては、昇降操作を行い難いという問題が生じている。
【0007】
本発明は、かかる問題の解決を試みたものであり、可動部の昇降に際して、該可動部を常に略一定の力で上方付勢する簡潔な昇降支援装置を具備する昇降装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、支持基部と、物品を載置する載置台を有し、該支持基部に所定範囲内で昇降可能に支持される可動部とを備える昇降装置において、支持基部に固定されるシャシーと、該シャシーに回動可能に軸支される回転片と、一端を回転片に、他端をシャシーの係合部に係止され、回転片を一方向に回転付勢する弾性体と、案内部材を介して、回転片と、可動部とを連繋することにより、前記弾性体による回転片の回転力を、可動部を上方へ付勢する力に変換する可動媒介節とを具備する昇降支援装置を備え、昇降支援装置が、可動部の全ての高さ位置において、該可動部を略一定の力で上方付勢するように、前記係合部の配設位置を設定したことを特徴とする昇降装置(請求項1)である。
【0009】
ここで、弾性体としては、引張りばねや圧縮ばね等の一方向に強い弾性を有するものを用いるものであり、可動媒介節には、ワイヤーやロープ等の頑丈な紐状物を、案内部材としては、プーリーを好適に用いることができる。また、可動媒介節は、回転片と、可動部とを直接連結する必要はなく、動滑車等を介して間接的に連繋し、可動媒介節のストロークや、張力を増減させてもよい。
【0010】
かかる構成では、可動媒介節を介して可動部と連繋する回転片を、弾性体により回転付勢することで、可動部を上方付勢するようにしたため、可動部の昇降に併せて回転片が回動し、弾性体から回転片に作用する角度、及び回転片が可動媒介節を引張る角度が変動することとなる。ここで、弾性体の係合部を適切な位置に設定し、弾性力の変化に併せて、弾性体から回転片に作用する角度を変化させることにより、可動部をその高さ位置に拘らず、常に略一定の力で上方付勢することが可能となる。このため、所定重量の物品を載置した状態で、可動部を昇降させる場合に、可動部にかかる下降力(可動部と物品の重力)と、上昇力(昇降支援装置の可動媒介節から受ける張力)が略釣合うこととなり、わずかな力を可動部に加えるだけで、可動部を昇降させ、物品を載置する高さを調節することが可能となる。
【0011】
そして、かかる構成にあって、床面に載置される支持基部に、上方に伸びる中空の案内支柱を左右に設け、かつ可動部に、前記案内支柱対に上下方向へ摺動可能に嵌挿される摺動支柱を設けるとともに、昇降支援装置のシャシーを、左右一対の案内支柱間に保持し、シャシーに軸支された単一の回転片と、案内支柱に嵌挿された左右の摺動支柱とを、それぞれ案内部材を介して、可動媒介節により連繋した場合には(請求項2)、左右の摺動支柱を、均等な力で上方に付勢することにより、両摺動支柱が同期して昇降することとなり、載置台を傾けることなく、可動部を昇降可能となる。また、昇降支援装置の可動媒介節を、案内支柱内部で、摺動支柱と連結するようにすれば、可動媒介節を外部から遮蔽し、保護することが可能となる
【0012】
また、可動部に固定されるシャシーと、該シャシーに回動可能に軸支される回転片と、一端を回転片に、他端をシャシーの係合部に係止され、回転片を一方向に回転付勢する弾性体と、案内部材を介して、回転片と、支持基部とを連繋することにより、前記弾性体による回転片の回転力を、可動部を上方へ付勢する力に変換する可動媒介節とを具備する昇降支援装置を備え、昇降支援装置が、可動部の全ての高さ位置において、該可動部を略一定の力で上方付勢するように、前記係合部の配設位置を設定しても(請求項3)、所定重量の物品を載置台に載置した際に、わずかな力で該物品を保持する高さを調節可能となる。また、かかる構成では、昇降支援装置のシャシーが、可動部側に固定されるているため、シャシーを載置台の下面に配設すれば、昇降支援装置が嵩張ることがない。
【0013】
そして、かかる構成にあって、床面に載置される支持基部に、上方に伸びる中空の案内支柱を左右に設け、かつ可動部に、前記案内支柱対に上下方向へ摺動可能に嵌挿される摺動支柱を設けるとともに、昇降支援装置のシャシーを、左右一対の摺動支柱間に保持し、シャシーに軸支された単一の回転片と、案内支柱とを、それぞれ案内部材を介して、可動媒介節により連繋した場合には(請求項4)、左右の摺動支柱を、均等な力で上方に付勢することにより、両摺動支柱が同期して昇降することとなり、載置台を傾けることなく、可動部を昇降可能となる。また、昇降支援装置の可動媒介節を、案内支柱内部で、該案内支柱と連結するようにすれば、可動媒介節を外部から遮蔽し、保護することが可能となる。
【0014】
さらに、前記弾性体の一端を係止するシャシーの係合部を移動可能とし、弾性体により可動部を上方付勢する力を調節可能としてもよい(請求項5)。かかる構成では、載置台に載置する物品の重量に応じて、可動部を上方へ付勢する力を調節することにより、種々の重量の物品を載置した状態で、可動部の下降力と、弾性体による上方への付勢力を釣合わせることが可能となる。
【0015】
ここで、係合部を移動可能とする機構としては、シャシーに自転可能に保持されるガイドスクリューと、該ガイドスクリューに外嵌し、前記弾性体の係合部を有する可動ナットとを備え、ガイドスクリューを自転させることにより、可動ナットをガイドスクリューに沿って、移動可能とした構成が提案される(請求項6)。かかる構成では、ガイドスクリューは、その先端にハンドルや、電動モータを配設することにより、任意に自転させることができる。そして、ガイドスクリューを適切な位置に配設すれば、可動ナットに備わる係合部がいずれの位置に移動しても、可動部を高さ位置に拘らず、可動部を略一定の力で上方付勢することが可能となる。
【0016】
また、シャシーに回転片を回動駆動させる駆動装置を設け、該駆動装置により回転片を回動させることにより、可動部を昇降させるようにしてもよい(請求項7)。かかる構成にあっては、駆動装置は、可動部にかかる下降力と上昇力とが略釣り合った状態でのみ、回転片を回動駆動させるものであるから、その駆動力はわずかなものでよく、駆動装置を小型化することが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の第一実施例を図1〜図8を参照して説明する。本実施例の昇降装置1aは、図1に示すように、床面に設置され、上方に伸びる左右一対の中空の案内支柱2L,2Rを備える支持基部3aと、物品を載置する矩形の載置台4aの両側に、下方に伸びる左右一対の摺動支柱5L,5Rを配設してなる可動部6aとで構成される。そして、可動部6aは、前記摺動支柱5L,5Rを各案内支柱2L,2R内に嵌挿することにより、上下に昇降可能に支持されており、摺動支柱5R上部から前方に突出する操作ハンドル10の回動操作により、可動部6aを任意位置で係止可能となっている。そして、両案内支柱2L,2Rの間には、本発明にかかる矩形板状の昇降支援装置7aが保持されており、該昇降支援装置7aから伸びる可動媒介節を構成するワイヤー8,8を、案内部材を構成するプーリー9,9を介して各摺動支柱5L,5Rと連繋することにより、可動部6aを上方付勢するようになっている(図2参照)。
【0018】
前記案内支柱2L,2Rは、図1〜図6に示すように、断面長方形状の鉄筒からなり、上方視H字上に組まれた支持脚部11の両側に、上方を向けて固定される。そして、左右案内支柱2L,2Rが昇降支援装置7aを支持する位置には、その内側に開口部12が形成されており、該開口部12を介して昇降支援装置7aのワイヤー8が、案内支柱2L,2R内へ進出するようになっている。また、案内支柱2L,2Rの下方には、ボルトとナットで構成されるストッパー13が、案内支柱2L,2Rを横方向に貫通して固定されている。
【0019】
一方、摺動支柱5L,5Rは、断面コ字状の鉄柱からなり、その開口を内側に向けて、載置台4aの下面に固定される。そして、夫々案内支柱2L,2Rの内部に嵌挿することにより、案内支柱2L,2Rに対して、上下に摺動可能となっている。また、摺動支柱5L,5Rの内部には、外側壁から内部に突出する係合突部15が突設されており、該係合突部15に、前記ワイヤー8の先端が係止される。さらに、摺動支柱5L,5Rの外側下部には、前記ストッパー13が貫通する、上下に長尺な案内開口16が形成されており、該案内開口16の上下端と、ストッパー13が当接することにより、可動部6aが過度に昇降することを防止している。
【0020】
次に、案内支柱2Rと摺動支柱5R間に設けられ、可動部6aを一定の高さ位置で支持基部3aに係止する係止手段について図4〜図6を参照して説明する。係止手段は、右側の案内支柱2Rに配設される受圧板14と、該案内支柱2R内に嵌挿する摺動支柱5R内に配設され、受圧板14と係合する圧接片17とを備える。前記受圧板14は、上下方向に長尺なゴム板からなり、前後方向の段溝が形成された係合面を、内側に向けて、案内支柱2Rの外側部に配設される。一方、圧接片17は一側面に段溝が形成されたゴム片からなり、可動部内に自転可能に配設されるシャフト18の下端に回動可能に保持される。そして、シャフト18の下部には、圧接片17を受圧板14に圧接する方向に付勢するねじりコイルばね19が設けられており、該シャフト18上部に設けられる操作ハンドル10により、シャフト18を回動させることにより、ねじりコイルばね19の付勢力を増減させ、受圧板14と圧接片17の圧接状態を開放させるようになっている。
【0021】
次に、本発明の要部をなす、昇降支援装置7aの構成ついて説明する。
本実施例の昇降支援装置7aは、案内支柱2L,2R間に支持される水平板状のシャシー20上に水平回動可能に軸支される杆状の回転片22の両端を、プーリー9,9を介して、ワイヤー8,8により摺動支柱5L,5Rとを連結すると共に、弾性体21,21を回転片22の両端と、シャシー20に移動可能に配設される係合部28とに連結し、回転片22を回転付勢することにより、ワイヤーを介して、可動部6aを上方へ付勢するようにしたものである。また、図1に示すように、本実施例の昇降支援装置7aには、シャシー20を上方から覆うようにして天板23が設けられており、上面に物品を載置可能となっている。
【0022】
シャシー20は、図7に示すように、昇降支援装置7aの側面及び底面を形成する壁部32を、案内支柱2L,2R間に配設される、外側24フレームと、中央フレーム25により支持することによりなる。
【0023】
また、回転片22は、両端にワイヤー8,8及び弾性体21の係止部位を有する係合片26が固定された長尺な鉄製管からなり、その中間部を、中央フレーム25の上に軸支され、シャシー20内で水平回動可能に配設される。
【0024】
さらに、中央フレーム25の両側には、プーリー9,9が、案内支柱2L,2Rの開口に迫出すように配設されており、前記摺動支柱5L,5Rに係止されたワイヤー8がこのプーリー9の案内作用により係合片26のワイヤー係合位置に係合され、摺動支柱5L,5Rの下降に伴いワイヤー8が案内支柱2L,2R内に引き込まれ、回転片22の両端を案内支柱2L,2R方向へ付勢する。
【0025】
そして、弾性体21は、両端にフックが形成された引張りコイルばねで構成され、その一端を係合片26の弾性体係合部位に回動可能に係合し、他端をシャシー20上に移動可能に配設される可動ナット27の係合部28に回動可能に係合することにより、回転片22を両端が案内支柱2L,2Rから遠ざかる方向へ回転付勢し、ワイヤー8を介して摺動支柱5L,5Rを上方へ付勢するようになっている。なお、弾性体21は、ワイヤー8,8に所要の張力を付与できるものならば、一つでも構わない。
【0026】
前記可動ナット27は、図7、図8に示すように、シャシー20上に自転可能に配設される、長尺ねじ状のガイドスクリュー29に外嵌される。そして、ガイドスクリュー29の一端は、シャシー20側面に形成された窓枠31を介して、外部に突出しており、そこに六角の頭部の有する調節部位30が設けられている。これにより、調節部位30を回転し、可動ナット27をガイドスクリュー29に沿って移動させることにより、係合部28の位置を調節可能となっている。
【0027】
ここで、弾性体21の一端が係合し、弾性体21の支持位置となる可動ナット27の係合部は、ガイドスクリュー29上のいずれの位置においても、可動部6aが上昇限界位置まで上昇し、回動杆22の両端が案内支柱2L,2Rから最も遠ざかった状態(図7実線部)と、可動部が最下降位置にあり、回動杆22の両端が案内支柱2L,2R側に回動した状態(図7破線部)において、弾性体21がワイヤー8に与える張力が略一定となるように設定している。このため、可動部6aの移動中に、弾性体21の長さが変化し弾性力が変化しても、略一定の弾性力をワイヤー8に付加し続けることが可能となる。また、可動ナット27の位置をガイドスクリュー29に沿って外側から内側方向へ移動に伴い、ワイヤー8に付加する張力が漸減するようになっている。
【0028】
かかる構成にあっては、所定重量の物品を載置台4aに載置した状態で、物品の高さ位置を変更する際には、昇降支援装置7aにより付勢されるため少ない力で可動部6aを昇降させることが可能となる。このため、位置併せを迅速かつ容易に行うことが可能となる。また、載置する物品が所定範囲内であれば、調節部位30の操作により、弾性体21の係合部28の位置を変化させることにより、可動部6aを上方付勢する力を調節でき、物品の重量と釣合わせることが可能となる。
【0029】
なお、昇降支援装置7の構成は、本実施例の構成に限定したものではなく、図9に示す昇降支援装置7xのような配置構成とすれば、弾性体21xとして圧縮ばねやガススプリングを用いても、同様の機能を持たせることが可能である。また、図10、図11に示す昇降支援装置7yのように、ワイヤー8の端部を、回転片22yと直接連結させない構成としても良い。この昇降支援装置7yでは、回転片22yの両端に水平に回転するプーリー41,41が軸支されており、プーリー9を介して、シャシー20の内部に伸びるワイヤー8は、プーリー41を経由して、プーリー9の保持部40に係止されている。すなわち、回転片22yの回動に伴い、プーリー41が、可動部6と、保持部40に係止されたワイヤー8を引張ることにより、可動部6aを上方付勢するものである。かかる構成にあっては、プーリー41が動滑車の働きをするため、回転片22yの先端の回動距離に対して、ワイヤー8は、その略二倍の長さ引張られることとなり、シャシー20の大きさに比して、可動部6aの昇降のストロークを大きくすることができる。
【0030】
さらに、図12、図13には、昇降支援装置7aの構成に加え、回転片22を回動駆動する駆動装置をシャシー20に設けた変形例を示す。かかる昇降支援装置7zは、中央フレーム25に、長尺ねじ状のガイドスクリュー42が自転可能に軸支されており、該ガイドスクリュー42に外嵌する可動ナット43と回転片22zとが連結節44により連結されている。そして、シャシー20の底部には、駆動装置を構成する電動モータ45がその駆動軸をガイドスクリュー42と一体として設けられており、該電動モータ45の駆動により、ガイドスクリュー42が回転し、可動ナット43をガイドスクリュー42に沿って移動可能となっている。すなわち、本構成では、電動モータ45を用いて、可動ナット43を移動させることにより、回転片22zを任意方向に回動し、可動部6aを任意の高さに昇降させることができる。ここで、電動モータ45は、ワイヤー8を介して回転片22zに伝わる可動部6aの下降力と、弾性体21の弾性力が略釣り合った状態で回転片22zを回動するものであるため、その駆動力は僅かなものでよい。
【0031】
次に、図14〜図16を参照して、可動部6b側に昇降支援装置7bを配設した第二実施例を説明する。なお、本実施例の昇降装置1bの基本構成や、シャシー20内の構成は第一実施例と同様であるため、重複する部分は、同一符号を付して説明を省略する。
【0032】
図14に示すように、本実施例の昇降装置1bは、摺動支柱5L,5Rの上端に、昇降支援装置7bのシャシー20が架設されており、該シャシー20の上面に載置台4bを固定し、昇降支援装置7bと載置台4bを一体的に構成されている。そして、図15に示すように、シャシー20と、摺動支柱5L,5Rとの各接合位置には、開口部35が形成されており、昇降支援装置7bのワイヤー8が、プーリー9の案内作用により、該開口部35から、摺動支柱5L,5R内へ伸びている。
【0033】
そして、摺動支柱5L,5Rの内部には、図15、図16に示すように、その下端に、プーリー34が軸支されており、昇降支援装置7bから、摺動支柱5L,5R内に伸びるワイヤー8は、該プーリー34の案内作用を介して、案内支柱2L,2Rに固定されるストッパー13に下方から連結する。
【0034】
すなわち、かかる構成では、回転片22と、案内支柱2L,2Rとをワイヤー8,8で連繋し、摺動支柱5L,5Rに設けられたプーリー34を介して、ワイヤー8の張力を、摺動支柱5L,5Rに伝えるようにしたものである。また、本実施例のように、載置台4bとシャシー20を一体とすることにより、昇降支援装置7bが嵩張ることがなく、昇降装置1bをコンパクトにすることができる。
【0035】
また、本発明の昇降支援装置7は、ワイヤー8により、可動部や支持基部と連繋するため、案内部材の配設位置を工夫することにより、昇降支援装置7を様々な位置に配設することが可能であり、上述した二つの実施例に示した以外にも、多様な構成に適用可能である。以下に、図17〜図24の概略図を参照して、そのいくつかを簡潔に説明する。なお、図17〜図24については、概略図であるため概念的に共通する部材については、同一符号を付してある。
【0036】
図17は、第三実施例を示し、この実施例は、支持脚部11の間に昇降支援装置7を支持し、そのワイヤー8を、案内支柱2に軸支されるプーリー36の案内作用を介して載置台4を支持する摺動支柱5に連結するものである。かかる構成にあっては、昇降支援装置7が昇降装置1cの下方に配設されることにより、昇降装置1cの上方のスペースを有効に利用できるとともに、昇降装置1cの重心が低くなるため転倒しにくい。
【0037】
また、図18は、昇降装置1dの最上部に昇降支援装置7を支持する第四実施例を示す。かかる構成は、案内支柱2の中央部分に、摺動支柱5を上下に摺動可能に嵌挿し、案内支柱2の上端に、物品を載置可能な昇降支援装置7を支持するものであり、可動する載置台4の上方にに物品を載置する必要がある場合に有効である。また、本実施例においては、昇降支援装置7から伸びるワイヤー8は、動滑車を構成するプーリー37に係止され、案内支柱2と摺動支柱5との間を連結するワイヤー38を介して、間接的に、摺動支柱5を上方付勢することで、摺動支柱5の昇降に対して、ワイヤー8の端部の移動する距離が少なくなるようになっている。
【0038】
また、図19に示す第五実施例の昇降装置1eは、回転片22を前後方向に軸支することにより、シャシー20を前後に薄い板状としたものである。ここで、図20に示す第六実施例のようにすれば、昇降支援装置7を昇降装置1fの背板として有効活用できる。
【0039】
さらに、図21に示す第七実施例は、昇降装置1gの両側に、それぞれ昇降支援装置7,7を設け、左右の摺動支柱5を別々に上方付勢するようにしたものである。かかる構成では、可動部6の昇降時に左右のバランスを保つのが難しくなるが、昇降装置1gの中央スペースを有効に使うことができる。
【0040】
また、図22は、単一の案内支柱2で、可動部6を支持する昇降装置1hに本発明を適用した、第八実施例を示す。かかる構成は、単一のワイヤー8と弾性体21で構成される簡素な構造であるため、サイズが小さく、載置台4にかかる荷重が少ない昇降装置1hに好適に用いることができる。さらに、図23に示す第九実施例の昇降装置1iのように、昇降支援装置7を可動部6の載置台4と一体とした構成にすれば、一層昇降装置1をコンパクトにできる。
【0041】
そして、図24の第十実施例に示すように、支持基部3を可動部6の上方に具備する昇降装置1jにも本発明は適用できる。かかる昇降装置1jにあっては、支持基部3は、天井や側壁に固定され、該支持基部3の下方に箱状の可動部6が設けられている。そして、支持基部3の最上部に備える昇降支援装置7により、可動部6を上方付勢するものである。このように、支持基部3、及び昇降支援装置7が天井部分に配設されるため、必要に応じて、可動部6を上方に退避させれば、その下方空間を自由に利用可能となる。
【0042】
【発明の効果】
本発明は、支持基部に固定されるシャシーと、該シャシーに回動可能に軸支される回転片と、一端を回転片に、他端をシャシーの係合部に係止され、回転片を一方向に回転付勢する弾性体と、案内部材を介して、一端を回転片に、他端を可動部に連結することにより、前記弾性体による回転片の回転力を、可動部を上方へ付勢する力に変換する可動媒介節とを具備する昇降支援装置や、可動部に固定されるシャシーと、該シャシーに回動可能に軸支される回転片と、一端を回転片に、他端をシャシーの係合部に係止され、回転片を一方向に回転付勢する弾性体と、案内部材を介して一端を回転片に、他端を支持基部に連結することにより、前記弾性体による回転片の回転力を、可動部を上方へ付勢する力に変換する可動媒介節とを具備する昇降支援装置を備え、該昇降支援装置が、可動部の全ての高さ位置において、該可動部を略一定の力で上方付勢するように、前記係合部の配設位置を設定した(請求項1、請求項3)から、簡潔な構成により、可動部を略一定の力で上昇付勢することが可能となり、所定重量の物品を備えた場合に、昇降支援装置による上方への付勢力と、可動部の負荷が略釣合うこととなり、可動部をわずかな力で昇降させ、その位置を変化させることが可能となる。また、かかる昇降支援装置にあっては、その弾性体の弾性力は、可動媒介節により、可動部に伝達されるため、案内部材を適宜配設すれば、昇降装置全体における昇降支援装置の配設位置を自在に設定することができ、使用目的に応じて、多様なデザインの昇降装置が可能となる。
【0043】
また、昇降支援装置のシャシーを、左右一対の案内支柱間に保持し、シャシーに軸支された単一の回転片と、案内支柱に嵌挿された左右の摺動支柱とを、それぞれ案内部材を介して、可動媒介節により連結したり(請求項2)、昇降支援装置のシャシーを、左右一対の摺動支柱間に保持し、シャシーに軸支された単一の回転片と、案内支柱とを、それぞれ案内部材を介して、可動媒介節により連結した(請求項4)すれば、左右の摺動支柱を均等な力で上方付勢することが可能となり、可動部の昇降時に、載置台を傾むけることなく、円滑に昇降操作を行うことができる。
【0044】
さらに、弾性体の一端を係止するシャシーの係合部を移動可能とし、弾性体により可動部を上方付勢する力を調節可能とすれば(請求項5)、載置台に載置する物品の重量が所定範囲内であれば、可動部をわずかな力で昇降させることが可能となり、昇降装置の利用範囲を広げることができる。
【0045】
ここで、シャシーに自転可能に保持されるガイドスクリューと、該ガイドスクリューに外嵌し、前記弾性体の係合部を有する可動ナットとを備え、ガイドスクリューを自転させることにより、可動ナットをガイドスクリューに沿って、移動可能とすれば(請求項6)、ガイドスクリューを任意に回転操作することにより、弾性体の張力を調節することができる。
【0046】
また、シャシーに回転片を回動駆動させる駆動装置を設け、該駆動装置により回転片を回動させることにより、可動部を昇降させる構成にあっては(請求項7)、少ない力で可動部を昇降可能となるため、小型かつ安価な駆動装置により、可動部を昇降させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】昇降装置1aの前方斜視図である。
【図2】案内支柱2Lを一部透過視して、案内支柱2Lと摺動支柱5Lの嵌合機構を示す前方斜視図である。
【図3】案内支柱2Lの内部を示す、部分横断面図である。
【図4】案内支柱2Rを一部透過視して、案内支柱2Rと摺動支柱5Rの嵌合機構、及び係止機構を示す後方斜視図である。
【図5】案内支柱2Rの内部を示す、部分横断面図である。
【図6】案内支柱2L,2Rの水平断面図であり、(イ)は図3のA−A’間の断面をを、(ロ)は図5のB−B’間の断面を示す。
【図7】天板23を除去して示す、上方への付勢力が最大時の昇降支援装置7aの上面図である。
【図8】天板23を除去して示す、上方への付勢力が最小時の昇降支援装置7aの上面図である。
【図9】天板23を除去して示す、ガススプリングを弾性体21xに用いた昇降支援装置7xの上面図である。
【図10】天板23を除去して示す、昇降支援装置7yの上面図である。
【図11】図10のA部分の拡大図である。
【図12】天板23、弾性体21、ワイヤー8等を除去し、回転片22zの駆動機構を示す昇降支援装置7zの上面図である。
【図13】昇降支援装置7zの回転片22z、ガイドスクリュー42等を拡大して示す上方斜視図である。
【図14】第二実施例の昇降装置1bの前方斜視図である。
【図15】第二実施例の案内支柱2Lの内部を示す、部分横断面図である。
【図16】第二実施例の案内支柱2Lの内部を示す、部分縦断面図である。
【図17】第三実施例の昇降装置1cの概略を示す前方斜視図である。
【図18】第四実施例の昇降装置1dの概略を示す前方斜視図である。
【図19】第五実施例の昇降装置1eの概略を示す前方斜視図である。
【図20】第六実施例の昇降装置1fの概略を示す前方斜視図である。
【図21】第七実施例の昇降装置1gの概略を示す前方斜視図である。
【図22】第八実施例の昇降装置1hの概略を示す前方斜視図である。
【図23】第九実施例の昇降装置1iの概略を示す前方斜視図である。
【図24】第十実施例の昇降装置1jの概略を示す前方斜視図である。
【符号の説明】
1a〜1j 昇降装置
2,2L,2R 案内支柱
5,5L,5R 摺動支柱
7,7a,7b,7x,7y,7z 昇降支援装置
8 ワイヤー
9 プーリー
20 シャシー
21,21x 弾性体
22,22y,22z 回転片
28 係合部
29 ガイドスクリュー

Claims (7)

  1. 支持基部と、物品を載置する載置台を有し、該支持基部に所定範囲内で昇降可能に支持される可動部とを備える昇降装置において、
    支持基部に固定されるシャシーと、
    該シャシーに回動可能に軸支される回転片と、
    一端を回転片に、他端をシャシーの係合部に係止され、回転片を一方向に回転付勢する弾性体と、
    案内部材を介して、回転片と、可動部とを連繋することにより、前記弾性体による回転片の回転力を、可動部を上方へ付勢する力に変換する可動媒介節と
    を具備する昇降支援装置を備え、
    昇降支援装置が、可動部の全ての高さ位置において、該可動部を略一定の力で上方付勢するように、前記係合部の配設位置を設定したことを特徴とする昇降装置。
  2. 床面に載置される支持基部に、上方に伸びる中空の案内支柱を左右に設け、かつ可動部に、前記案内支柱対に上下方向へ摺動可能に嵌挿される摺動支柱を設けるとともに、
    昇降支援装置のシャシーを、左右一対の案内支柱間に保持し、シャシーに軸支された単一の回転片と、案内支柱に嵌挿された左右の摺動支柱とを、それぞれ案内部材を介して、可動媒介節により連繋したことを特徴とする請求項1記載の昇降装置。
  3. 支持基部と、物品を載置する載置台を有し、該支持基部に所定範囲内で昇降可能に支持される可動部とを備える昇降装置において、
    可動部に固定されるシャシーと、
    該シャシーに回動可能に軸支される回転片と、
    一端を回転片に、他端をシャシーの係合部に係止され、回転片を一方向に回転付勢する弾性体と、
    案内部材を介して、回転片と、支持基部とを連繋することにより、前記弾性体による回転片の回転力を、可動部を上方へ付勢する力に変換する可動媒介節と
    を具備する昇降支援装置を備え、
    昇降支援装置が、可動部の全ての高さ位置において、該可動部を略一定の力で上方付勢するように、前記係合部の配設位置を設定したことを特徴とする昇降装置。
  4. 床面に載置される支持基部に、上方に伸びる中空の案内支柱を左右に設け、かつ可動部に、前記案内支柱対に上下方向へ摺動可能に嵌挿される摺動支柱を設けるとともに、
    昇降支援装置のシャシーを、左右一対の摺動支柱間に保持し、シャシーに軸支された単一の回転片と、案内支柱とを、それぞれ案内部材を介して、可動媒介節により連繋したことを特徴とする請求項3記載の昇降装置。
  5. 前記弾性体の一端を係止するシャシーの係合部を移動可能とし、弾性体により可動部を上方付勢する力を調節可能としたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の昇降装置。
  6. シャシーに自転可能に保持されるガイドスクリューと、該ガイドスクリューに外嵌し、前記弾性体の係合部を有する可動ナットとを備え、ガイドスクリューを自転させることにより、可動ナットをガイドスクリューに沿って移動可能としたことを特徴とする請求項5記載の昇降装置。
  7. シャシーに回転片を回動駆動する駆動装置を設け、該駆動装置を用いて回転片を回動することにより、可動部を昇降させるようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の昇降装置。
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