JP2001009836A - プラスチック成形用金型 - Google Patents
プラスチック成形用金型Info
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- JP2001009836A JP2001009836A JP11183819A JP18381999A JP2001009836A JP 2001009836 A JP2001009836 A JP 2001009836A JP 11183819 A JP11183819 A JP 11183819A JP 18381999 A JP18381999 A JP 18381999A JP 2001009836 A JP2001009836 A JP 2001009836A
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- plastic
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- mold
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 成形サイクルタイムの短縮化を容易に実現す
ると共に、プラスチック成形品の品質向上や製造コスト
の低減等を有効に図る。 【解決手段】 プラスチック成形用金型10は、導電性
に劣る金属でキャビティ13の壁面形状に沿った薄肉シ
ート状に形成されて外部電源27による直接通電で電気
的に加熱されるシェル部20と、シェル部20の裏面に
密着的に配設されて冷却用の熱媒体が流通する冷却パイ
プ24を内部に設けた伝熱部23と、シェル部20と伝
熱部23との間に介在して該シェル部20を電気的に他
から絶縁すると共に伝熱部23から該シェル部20への
熱伝導を許容する絶縁層22とからなる。また、シェル
部20の裏側にヒートパイプ21が密着的に配設され、
外部電源27により通電加熱されたシェル部20の温度
的なばらつきを、該ヒートパイプ21で解消してシェル
部20の温度上昇を均一化する。
ると共に、プラスチック成形品の品質向上や製造コスト
の低減等を有効に図る。 【解決手段】 プラスチック成形用金型10は、導電性
に劣る金属でキャビティ13の壁面形状に沿った薄肉シ
ート状に形成されて外部電源27による直接通電で電気
的に加熱されるシェル部20と、シェル部20の裏面に
密着的に配設されて冷却用の熱媒体が流通する冷却パイ
プ24を内部に設けた伝熱部23と、シェル部20と伝
熱部23との間に介在して該シェル部20を電気的に他
から絶縁すると共に伝熱部23から該シェル部20への
熱伝導を許容する絶縁層22とからなる。また、シェル
部20の裏側にヒートパイプ21が密着的に配設され、
外部電源27により通電加熱されたシェル部20の温度
的なばらつきを、該ヒートパイプ21で解消してシェル
部20の温度上昇を均一化する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、プラスチック成
形用金型に関し、更に詳細には、注入されるプラスチッ
ク材料の成形に適切な温度までの加熱と、成形されたプ
ラスチック成形品の固化に適切な温度までの冷却とを好
適になし得るプラスチック成形用金型に関するものであ
る。
形用金型に関し、更に詳細には、注入されるプラスチッ
ク材料の成形に適切な温度までの加熱と、成形されたプ
ラスチック成形品の固化に適切な温度までの冷却とを好
適になし得るプラスチック成形用金型に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、射出(インジェクション)成形や
圧縮成形および射出圧縮成形等は、加熱して流動状態と
なった高温のプラスチック材料を、型締めしたプラスチ
ック成形用金型のキャビティ内へ加圧注入し、該プラス
チック材料を前記キャビティ内で固化させることで、前
記キャビティの形状に沿ったプラスチック成形品を製造
するものである。このため前記プラスチック成形用金型
は、プラスチック材料の射出圧力に充分耐え得る高い剛
性が必要とされ、大型かつ頑強でしかも体積が嵩むもの
となっている。
圧縮成形および射出圧縮成形等は、加熱して流動状態と
なった高温のプラスチック材料を、型締めしたプラスチ
ック成形用金型のキャビティ内へ加圧注入し、該プラス
チック材料を前記キャビティ内で固化させることで、前
記キャビティの形状に沿ったプラスチック成形品を製造
するものである。このため前記プラスチック成形用金型
は、プラスチック材料の射出圧力に充分耐え得る高い剛
性が必要とされ、大型かつ頑強でしかも体積が嵩むもの
となっている。
【0003】そして、前記射出成形や圧縮成形および射
出圧縮成形等では、前記プラスチック成形用金型の温度
設定が、プラスチック成形品の品質向上や成形サイクル
タイムの短縮等を左右する重要なファクターとなってい
る。すなわち成形工程において、キャビティへのプラス
チック材料の注入作業は、該材料の成形に適切な温度ま
でプラスチック成形用金型を加熱昇温させてから行なう
ことにより、注入したプラスチック材料の急激な温度低
下が防止されてプラスチック成形品の品質向上を図り得
る。また、キャビティからのプラスチック成形品の脱型
作業は、該成形品の固化に適切な温度まで前記プラスチ
ック成形用金型を冷却させてから行なうことにより、プ
ラスチック成形品の硬化(固化)が促進されて迅速な取出
しが可能となると共に、成形サイクルタイムの短縮およ
び製造コスト低減を図り得る。なお、プラスチック成形
用金型の温度制御は、金型定盤に埋込んだ電気ヒータに
通電して加熱する方法や、金型に埋込んだパイプに水ま
たは油等の熱媒体を流通させることで加熱および冷却を
行なう方法等が採用されている。
出圧縮成形等では、前記プラスチック成形用金型の温度
設定が、プラスチック成形品の品質向上や成形サイクル
タイムの短縮等を左右する重要なファクターとなってい
る。すなわち成形工程において、キャビティへのプラス
チック材料の注入作業は、該材料の成形に適切な温度ま
でプラスチック成形用金型を加熱昇温させてから行なう
ことにより、注入したプラスチック材料の急激な温度低
下が防止されてプラスチック成形品の品質向上を図り得
る。また、キャビティからのプラスチック成形品の脱型
作業は、該成形品の固化に適切な温度まで前記プラスチ
ック成形用金型を冷却させてから行なうことにより、プ
ラスチック成形品の硬化(固化)が促進されて迅速な取出
しが可能となると共に、成形サイクルタイムの短縮およ
び製造コスト低減を図り得る。なお、プラスチック成形
用金型の温度制御は、金型定盤に埋込んだ電気ヒータに
通電して加熱する方法や、金型に埋込んだパイプに水ま
たは油等の熱媒体を流通させることで加熱および冷却を
行なう方法等が採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで前記プラスチ
ック成形用金型は、前述したように金型全体が大型でか
つ体積が嵩むものであるため、前記キャビティ近傍を所
定温度まで加熱するには金型全体を略均一的に加熱する
必要があり、また該キャビティ近傍を所定温度まで冷却
するにも金型全体を均一的に冷却しなければならず、従
って加熱および冷却にかなりの時間およびエネルギーを
要していた。このため実際の成形作業に際しては、成形
に最適な温度まで成形用金型が加熱される前にプラスチ
ック材料をキャビティ内へ注入して成形を行ない、また
プラスチック成形品の硬化(固化)に最適な温度まで成形
用金型が冷却される前に該成形品をキャビティから脱型
することで、成形サイクルタイムの短縮やこれに伴う製
造コストの低減を図っていたのが現状である。
ック成形用金型は、前述したように金型全体が大型でか
つ体積が嵩むものであるため、前記キャビティ近傍を所
定温度まで加熱するには金型全体を略均一的に加熱する
必要があり、また該キャビティ近傍を所定温度まで冷却
するにも金型全体を均一的に冷却しなければならず、従
って加熱および冷却にかなりの時間およびエネルギーを
要していた。このため実際の成形作業に際しては、成形
に最適な温度まで成形用金型が加熱される前にプラスチ
ック材料をキャビティ内へ注入して成形を行ない、また
プラスチック成形品の硬化(固化)に最適な温度まで成形
用金型が冷却される前に該成形品をキャビティから脱型
することで、成形サイクルタイムの短縮やこれに伴う製
造コストの低減を図っていたのが現状である。
【0005】しかるに、前記プラスチック成形用金型が
成形に適切な温度にまで至っていない状態でプラスチッ
ク材料を注入すると、該金型のキャビティ全体に前記材
料が行渡る途中で該材料が部分的に冷却されてしまい、
この結果として、ショートショット(充填不足)によるプ
ラスチック成形品の一部欠如や、該成形品の表面にウェ
ルドマーク(ウェルドライン)やフローマーク(流れ模様)
等の成形欠陥を生ずる問題を内在している。また、前記
プラスチック成形用金型がプラスチック成形品の固化に
適切な温度に至っていない状態で該成形品を取出すと、
脱型後に更に冷却される際に成形品に変形を生じて、寸
法不良を招来する問題も指摘される。
成形に適切な温度にまで至っていない状態でプラスチッ
ク材料を注入すると、該金型のキャビティ全体に前記材
料が行渡る途中で該材料が部分的に冷却されてしまい、
この結果として、ショートショット(充填不足)によるプ
ラスチック成形品の一部欠如や、該成形品の表面にウェ
ルドマーク(ウェルドライン)やフローマーク(流れ模様)
等の成形欠陥を生ずる問題を内在している。また、前記
プラスチック成形用金型がプラスチック成形品の固化に
適切な温度に至っていない状態で該成形品を取出すと、
脱型後に更に冷却される際に成形品に変形を生じて、寸
法不良を招来する問題も指摘される。
【0006】なお、金型におけるキャビティの付近だけ
を急速に加熱する手段として、該金型のキャビティに近
接して高周波誘導コイルを埋設し、外部からこのコイル
に高周波を付加することで電磁誘導の原理により高周波
加熱する手段も提案されている。しかしこの場合は、金
型が複雑な形状を呈していると誘導コイルの製作が困難
となり、また大掛りな高周波励起システムを必要として
設備費が極めて高価になる等の難点がある。
を急速に加熱する手段として、該金型のキャビティに近
接して高周波誘導コイルを埋設し、外部からこのコイル
に高周波を付加することで電磁誘導の原理により高周波
加熱する手段も提案されている。しかしこの場合は、金
型が複雑な形状を呈していると誘導コイルの製作が困難
となり、また大掛りな高周波励起システムを必要として
設備費が極めて高価になる等の難点がある。
【0007】
【発明の目的】本発明は、前述した課題を好適に解決す
るべく提案されたもので、金型のキャビティの壁面全体
を短時間で均一的に加熱および冷却し得るよう構成する
ことで成形サイクルタイムの短縮化を容易に実現すると
共に、プラスチック材料の適切な温度での成形とプラス
チック成形品の確実な固化後の脱型とを可能とすること
で、プラスチック成形品の品質向上や製造コストの低減
等を有効に図り得るプラスチック成形用金型を提供する
ことを目的とする。
るべく提案されたもので、金型のキャビティの壁面全体
を短時間で均一的に加熱および冷却し得るよう構成する
ことで成形サイクルタイムの短縮化を容易に実現すると
共に、プラスチック材料の適切な温度での成形とプラス
チック成形品の確実な固化後の脱型とを可能とすること
で、プラスチック成形品の品質向上や製造コストの低減
等を有効に図り得るプラスチック成形用金型を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決し、所期
の目的を達成するため、本発明に係るプラスチック成形
用金型は、プラスチック成形品の外部輪郭を画成するキ
ャビティを内部に有し、加熱により流動化したプラスチ
ック材料を注入するに先立って前記キャビティの壁面を
所定温度にまで加熱し、成形後のプラスチック成形品を
取出すに先立って該キャビティの壁面を所定温度にまで
冷却するようにしたプラスチック成形用金型において、
導電性に劣る金属を材料として前記キャビティの壁面形
状に沿った薄肉シート状に形成され、外部電源により直
接通電されて電気的に加熱されるようにしたシェル部
と、熱伝導性に優れた材料が前記シェル部の裏面に密着
的に配設され、冷却用の熱媒体が流通する冷却パイプを
内部に設けた伝熱部と、前記シェル部と伝熱部との間に
介在し、該シェル部を電気的に他から絶縁すると共に、
前記伝熱部から該シェル部への熱伝導を許容する絶縁層
とからなり、前記プラスチック材料の成形を行なう際
は、前記外部電源により前記シェル部を通電発熱させ
て、該シェル部だけを該プラスチック材料の成形に最適
な温度まで昇温させ、前記成形が終了して前記キャビテ
ィからプラスチック成形品を取出す際は、前記冷却パイ
プに熱媒体を供給して前記伝熱部を冷却し、これにより
該伝熱部に前記絶縁層を介して隣接している前記シェル
部を前記プラスチック成形品の最適な固化温度にまで降
温させるよう構成したことを特徴とする。
の目的を達成するため、本発明に係るプラスチック成形
用金型は、プラスチック成形品の外部輪郭を画成するキ
ャビティを内部に有し、加熱により流動化したプラスチ
ック材料を注入するに先立って前記キャビティの壁面を
所定温度にまで加熱し、成形後のプラスチック成形品を
取出すに先立って該キャビティの壁面を所定温度にまで
冷却するようにしたプラスチック成形用金型において、
導電性に劣る金属を材料として前記キャビティの壁面形
状に沿った薄肉シート状に形成され、外部電源により直
接通電されて電気的に加熱されるようにしたシェル部
と、熱伝導性に優れた材料が前記シェル部の裏面に密着
的に配設され、冷却用の熱媒体が流通する冷却パイプを
内部に設けた伝熱部と、前記シェル部と伝熱部との間に
介在し、該シェル部を電気的に他から絶縁すると共に、
前記伝熱部から該シェル部への熱伝導を許容する絶縁層
とからなり、前記プラスチック材料の成形を行なう際
は、前記外部電源により前記シェル部を通電発熱させ
て、該シェル部だけを該プラスチック材料の成形に最適
な温度まで昇温させ、前記成形が終了して前記キャビテ
ィからプラスチック成形品を取出す際は、前記冷却パイ
プに熱媒体を供給して前記伝熱部を冷却し、これにより
該伝熱部に前記絶縁層を介して隣接している前記シェル
部を前記プラスチック成形品の最適な固化温度にまで降
温させるよう構成したことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係るプラスチック
成形用金型につき、好適な実施例を挙げ、添付図面を参
照しながら以下説明する。
成形用金型につき、好適な実施例を挙げ、添付図面を参
照しながら以下説明する。
【0010】図1は、本発明の好適な実施例に係るプラ
スチック成形用金型の内部構造を、そのキャビティにプ
ラスチック材料を射出している状態で示した断面図であ
る。このプラスチック成形用金型10は、互いに分離可
能に分割される第1金型11と第2金型12とから構成
されており、これら第1金型11および第2金型12を
互いに型締めすることにより内部にプラスチック成形品
Wの外部輪郭形状と同一形状のキャビティ13が画成さ
れ、また両金型11,12を互いに分離させることによ
り前記キャビティ13を外部に露出するよう構成されて
いる。このプラスチック成形用金型10は、図示しない
射出成形機等の金型設置部に取付固定され、第1金型1
1が当該成形機の射出ノズル40と対向する側に位置す
るようになる。
スチック成形用金型の内部構造を、そのキャビティにプ
ラスチック材料を射出している状態で示した断面図であ
る。このプラスチック成形用金型10は、互いに分離可
能に分割される第1金型11と第2金型12とから構成
されており、これら第1金型11および第2金型12を
互いに型締めすることにより内部にプラスチック成形品
Wの外部輪郭形状と同一形状のキャビティ13が画成さ
れ、また両金型11,12を互いに分離させることによ
り前記キャビティ13を外部に露出するよう構成されて
いる。このプラスチック成形用金型10は、図示しない
射出成形機等の金型設置部に取付固定され、第1金型1
1が当該成形機の射出ノズル40と対向する側に位置す
るようになる。
【0011】(第1金型および第2金型)前記第1金型1
1は、図1および図2に示すように、キャビティ13を
直接的に形成するシェル部20と、このシェル部20の
裏面に密着的に配設される複数基のヒートパイプ21
と、これらシェル部20およびヒートパイプ21を固定
支持すると共に該シェル部20を冷却するための伝熱部
23と、金型定盤26に固定されると共に前記伝熱部2
3を固定支持する補強ベース25とから構成されてい
る。また第2金型12は、プラスチック材料用の注入口
14および注入路15が形成されていない点を除けば、
シェル部20,ヒートパイプ21,絶縁層22,伝熱部2
3,補強ベース25および金型定盤26等からなる構成
は、前記第1金型11と基本的に同一である。従ってこ
こでは、第1金型11についてのみ説明することとし、
第2金型12については対応する部材に同一の部号を付
してその説明は省略する。
1は、図1および図2に示すように、キャビティ13を
直接的に形成するシェル部20と、このシェル部20の
裏面に密着的に配設される複数基のヒートパイプ21
と、これらシェル部20およびヒートパイプ21を固定
支持すると共に該シェル部20を冷却するための伝熱部
23と、金型定盤26に固定されると共に前記伝熱部2
3を固定支持する補強ベース25とから構成されてい
る。また第2金型12は、プラスチック材料用の注入口
14および注入路15が形成されていない点を除けば、
シェル部20,ヒートパイプ21,絶縁層22,伝熱部2
3,補強ベース25および金型定盤26等からなる構成
は、前記第1金型11と基本的に同一である。従ってこ
こでは、第1金型11についてのみ説明することとし、
第2金型12については対応する部材に同一の部号を付
してその説明は省略する。
【0012】(シェル部)前記シェル部20は、電鋳での
電気メッキにより成形された厚さ約4〜5mm程度のニ
ッケル製の電鋳殻であって、図1,図2および図3に示
すように、前記キャビティ13の壁面形状に沿った薄肉
シート状に形成されている。前記ニッケルは、周知のよ
うに、例えばステンレスに対して同等の耐食性と約4倍
の熱伝導率を有すると共に、導電性に劣る特性により電
気の抵抗体材料に利用される金属である。そして前記シ
ェル部20には、所定位置に連結された電気コードを介
して外部電源27に電気的に接続されており、該外部電
源27から所要の電圧,電流の電気を直接通電すること
により、該シェル部20自体が電気的に加熱されて所定
温度まで温度上昇するようになっている。
電気メッキにより成形された厚さ約4〜5mm程度のニ
ッケル製の電鋳殻であって、図1,図2および図3に示
すように、前記キャビティ13の壁面形状に沿った薄肉
シート状に形成されている。前記ニッケルは、周知のよ
うに、例えばステンレスに対して同等の耐食性と約4倍
の熱伝導率を有すると共に、導電性に劣る特性により電
気の抵抗体材料に利用される金属である。そして前記シ
ェル部20には、所定位置に連結された電気コードを介
して外部電源27に電気的に接続されており、該外部電
源27から所要の電圧,電流の電気を直接通電すること
により、該シェル部20自体が電気的に加熱されて所定
温度まで温度上昇するようになっている。
【0013】(ヒートパイプ)前記外部電源27により前
記シェル部20を通電加熱する構造では、該シェル部2
0の凹凸形状や肉厚変化等により温度的なばらつきが生
ずることがあるため、図1,図2および図4に示すよう
に、シェル部20裏側の適宜位置にヒートパイプ21を
ロウ付けして温度の均一化を図るようになっている。こ
のヒートパイプ21は、既に実用化されている既存公知
のもので、例えば図8に概略的に示すように、金属パイ
プ(鋼管等)30の内部空間部30aを10-3〜10-5ト
ール程度の真空状態にし、この内部空間部30aに少量
(該空間部30aの1/3程度の容量)の水,オイル,アル
コール等の作動液(熱媒体)31を封入した管状または棒
状部材である。そして前記金属パイプ30を、蒸発部3
2よりも凝縮部33が上方へ位置した適宜の傾斜状態に
設置することを前提として該蒸発部32を加熱すると、
内部の作動液31が蒸発して熱媒蒸気が凝縮部33へ高
速で移動して、該パイプ30の内壁面に接触した際に蒸
気が有する潜熱をパイプ30へ放出し、これにより凝縮
して液化した作動液31は前記蒸発部32側へ流下して
回収されるようになっている。すなわちヒートパイプ2
1は、蒸気が凝縮部33で液化する際に体積が大きく減
少するので、蒸発部32側の蒸気が略音速の速度で凝縮
部33側へ移動するようになり、優れた熱伝導性,速い
熱応答性,高い温度均一性等の特長を有している。
記シェル部20を通電加熱する構造では、該シェル部2
0の凹凸形状や肉厚変化等により温度的なばらつきが生
ずることがあるため、図1,図2および図4に示すよう
に、シェル部20裏側の適宜位置にヒートパイプ21を
ロウ付けして温度の均一化を図るようになっている。こ
のヒートパイプ21は、既に実用化されている既存公知
のもので、例えば図8に概略的に示すように、金属パイ
プ(鋼管等)30の内部空間部30aを10-3〜10-5ト
ール程度の真空状態にし、この内部空間部30aに少量
(該空間部30aの1/3程度の容量)の水,オイル,アル
コール等の作動液(熱媒体)31を封入した管状または棒
状部材である。そして前記金属パイプ30を、蒸発部3
2よりも凝縮部33が上方へ位置した適宜の傾斜状態に
設置することを前提として該蒸発部32を加熱すると、
内部の作動液31が蒸発して熱媒蒸気が凝縮部33へ高
速で移動して、該パイプ30の内壁面に接触した際に蒸
気が有する潜熱をパイプ30へ放出し、これにより凝縮
して液化した作動液31は前記蒸発部32側へ流下して
回収されるようになっている。すなわちヒートパイプ2
1は、蒸気が凝縮部33で液化する際に体積が大きく減
少するので、蒸発部32側の蒸気が略音速の速度で凝縮
部33側へ移動するようになり、優れた熱伝導性,速い
熱応答性,高い温度均一性等の特長を有している。
【0014】本実施例のプラスチック成形用金型10で
は、前記シェル部20に対する通電テストにより得られ
た温度のばらつきの結果に基づき、前記ヒートパイプ2
1を該シェル20の裏面に密着的に配設する。すなわち
前記シェル部20において、低い位置でかつ高温となる
部位に前記蒸発部32を位置させると共に、高い位置で
かつ低温となる部位に前記凝縮部33を位置させ、該シ
ェル部20の裏面に金属パイプ30を密着させた状態で
ロウ付けすることにより、前記ヒートパイプ21が固着
される(図4)。これにより、前記シェル部20が通電加
熱された際に、温度的なばらつきが生じ始めたとして
も、前記各ヒートパイプ21によりこのばらつきが解消
され、該シェル部20は全体が均一温度で短時間で加熱
される。なお通電テストの結果、前記シェル部20に温
度的なばらつきが生じたとしても、それが許容範囲内で
あれば前記ヒートパイプ21を配設する必要はない。
は、前記シェル部20に対する通電テストにより得られ
た温度のばらつきの結果に基づき、前記ヒートパイプ2
1を該シェル20の裏面に密着的に配設する。すなわち
前記シェル部20において、低い位置でかつ高温となる
部位に前記蒸発部32を位置させると共に、高い位置で
かつ低温となる部位に前記凝縮部33を位置させ、該シ
ェル部20の裏面に金属パイプ30を密着させた状態で
ロウ付けすることにより、前記ヒートパイプ21が固着
される(図4)。これにより、前記シェル部20が通電加
熱された際に、温度的なばらつきが生じ始めたとして
も、前記各ヒートパイプ21によりこのばらつきが解消
され、該シェル部20は全体が均一温度で短時間で加熱
される。なお通電テストの結果、前記シェル部20に温
度的なばらつきが生じたとしても、それが許容範囲内で
あれば前記ヒートパイプ21を配設する必要はない。
【0015】(絶縁層)前記各ヒートパイプ21をロウ付
けした前記シェル部20の裏面には、図1,図2および
図5に示すように、該ヒートパイプ21の外壁面を含め
た全面に亘り、電気不良導性の絶縁層22がコーティン
グされている。この絶縁層22は、前記シェル部20の
裏面側に配設される前記伝熱部23と該シェル部20と
を電気的に絶縁するためのもので、該シェル部20に印
加される電気が伝熱部23側へ流れることを防止する。
そして前記絶縁層22は、プラスチック材料Pの成形に
適した温度まで加熱される前記シェル部20と冷却され
る伝熱部23との間に介在するため、耐熱性に優れると
共に所要の硬度を有する絶縁体であることが要件とさ
れ、例えばセラミックや耐熱樹脂等から形成されてい
る。また後述するように、前記伝熱部23からシェル部
20への熱伝導を許容することも要件とされ、該伝熱部
23によるシェル部20の冷却作用に支障を来さないよ
う、厚みを1〜2mm程度とすることが望ましい。
けした前記シェル部20の裏面には、図1,図2および
図5に示すように、該ヒートパイプ21の外壁面を含め
た全面に亘り、電気不良導性の絶縁層22がコーティン
グされている。この絶縁層22は、前記シェル部20の
裏面側に配設される前記伝熱部23と該シェル部20と
を電気的に絶縁するためのもので、該シェル部20に印
加される電気が伝熱部23側へ流れることを防止する。
そして前記絶縁層22は、プラスチック材料Pの成形に
適した温度まで加熱される前記シェル部20と冷却され
る伝熱部23との間に介在するため、耐熱性に優れると
共に所要の硬度を有する絶縁体であることが要件とさ
れ、例えばセラミックや耐熱樹脂等から形成されてい
る。また後述するように、前記伝熱部23からシェル部
20への熱伝導を許容することも要件とされ、該伝熱部
23によるシェル部20の冷却作用に支障を来さないよ
う、厚みを1〜2mm程度とすることが望ましい。
【0016】(伝熱部)前記伝熱部23は、成形のために
所定温度まで加熱された前記シェル部20を強制的に冷
却して、成形されたプラスチック成形品Wを短時間で固
化させるために供されるもので、図1および図6に示す
ように、例えばアルミニウム等の熱伝導性に優れた素材
を所要形状に鋳造して形成され、前記絶縁層22を介し
て前記シェル部20および各ヒートパイプ21に全面的
に密着している。また伝熱部23の内部には、前記シェ
ル部20に沿って延在するよう適宜屈曲した冷却パイプ
24が挿通しており、該パイプ24内に冷却された熱媒
(水,オイル等)を流通させることにより該伝熱部23全
体が冷却され、これにより絶縁層22を介して前記シェ
ル部20が冷却されるようになる。なお伝熱部23は、
前記シェル部20の形状を前提として可能な限り厚みお
よび体積を小さくすることが望ましい。また、伝熱部2
3の成形に際し、前記注入路15の一部を同時に形成し
ておく。
所定温度まで加熱された前記シェル部20を強制的に冷
却して、成形されたプラスチック成形品Wを短時間で固
化させるために供されるもので、図1および図6に示す
ように、例えばアルミニウム等の熱伝導性に優れた素材
を所要形状に鋳造して形成され、前記絶縁層22を介し
て前記シェル部20および各ヒートパイプ21に全面的
に密着している。また伝熱部23の内部には、前記シェ
ル部20に沿って延在するよう適宜屈曲した冷却パイプ
24が挿通しており、該パイプ24内に冷却された熱媒
(水,オイル等)を流通させることにより該伝熱部23全
体が冷却され、これにより絶縁層22を介して前記シェ
ル部20が冷却されるようになる。なお伝熱部23は、
前記シェル部20の形状を前提として可能な限り厚みお
よび体積を小さくすることが望ましい。また、伝熱部2
3の成形に際し、前記注入路15の一部を同時に形成し
ておく。
【0017】(補強ベース)前記補強ベース25は、図1
および図7に示すように、前記伝熱部23を介して前記
シェル部20をバックアップして支持するもので、プラ
スチック材料Pの注入時や成形時に前記シェル部20に
作用する圧力を受け止め得る強度を有し、例えば鋼や鉄
等から形成される。この補強ベース25により、成形時
の圧力を受ける前記シェル部20の変形が防止され、成
形されたプラスチック成形品Wの寸法不良や形状不良等
の発生が好適に回避される。そして、この補強ベース2
5を前記金型定盤26に固定することにより、第1金型
11が形成される。
および図7に示すように、前記伝熱部23を介して前記
シェル部20をバックアップして支持するもので、プラ
スチック材料Pの注入時や成形時に前記シェル部20に
作用する圧力を受け止め得る強度を有し、例えば鋼や鉄
等から形成される。この補強ベース25により、成形時
の圧力を受ける前記シェル部20の変形が防止され、成
形されたプラスチック成形品Wの寸法不良や形状不良等
の発生が好適に回避される。そして、この補強ベース2
5を前記金型定盤26に固定することにより、第1金型
11が形成される。
【0018】
【実施例の作用】次に、前述のように構成された本実施
例のプラスチック成形用金型の作用につき説明する。本
実施例のプラスチック成形用金型10では、前述のよう
に構成した第1金型11および第2金型12を射出成形
機等の金型設置部へ取付固定し、両金型11,12を型
締めすることにより内部にキャビティ13が画成され
る。
例のプラスチック成形用金型の作用につき説明する。本
実施例のプラスチック成形用金型10では、前述のよう
に構成した第1金型11および第2金型12を射出成形
機等の金型設置部へ取付固定し、両金型11,12を型
締めすることにより内部にキャビティ13が画成され
る。
【0019】(成形準備)プラスチック材料Pの射出注入
に先立ち、前記外部電源27により第1金型11のシェ
ル部20および第2金型12のシェル部20に所定の電
気を直接通電することにより、両シェル部20,20が
通電加熱されて徐々に温度が上昇する。この際に電気が
印加されるのは、厚みが小さい薄肉シート状の各シェル
部20,20だけであり、伝熱部23および補強ベース
25には絶縁層22により電気が流れないので、各シェ
ル部20,20は効率的に加熱されて短時間でプラスチ
ック材料Pの成形に最適な温度まで上昇する。しかも各
シェル部20,20は、前記各ヒートパイプ21により
温度的なばらつきが生ずることもなく、全体が略均一的
に所定温度まで温度上昇するようになる。
に先立ち、前記外部電源27により第1金型11のシェ
ル部20および第2金型12のシェル部20に所定の電
気を直接通電することにより、両シェル部20,20が
通電加熱されて徐々に温度が上昇する。この際に電気が
印加されるのは、厚みが小さい薄肉シート状の各シェル
部20,20だけであり、伝熱部23および補強ベース
25には絶縁層22により電気が流れないので、各シェ
ル部20,20は効率的に加熱されて短時間でプラスチ
ック材料Pの成形に最適な温度まで上昇する。しかも各
シェル部20,20は、前記各ヒートパイプ21により
温度的なばらつきが生ずることもなく、全体が略均一的
に所定温度まで温度上昇するようになる。
【0020】なお、前記外部電源27からシェル部20
に印加される電気は、低電圧でかつ大電流が好適とさ
れ、この値は成形品のサイズや形状等により適宜設定さ
れる。例えば、車両内装部材であるアームレスト程度の
サイズのものでは、約4V,5000A程度が適当とさ
れ、これにより約100秒で220℃まで加熱すること
ができる。また、車両内装部材であるインストルメント
パネル程度のサイズのものでは、約10V,10000
〜20000A程度が適当とされる。
に印加される電気は、低電圧でかつ大電流が好適とさ
れ、この値は成形品のサイズや形状等により適宜設定さ
れる。例えば、車両内装部材であるアームレスト程度の
サイズのものでは、約4V,5000A程度が適当とさ
れ、これにより約100秒で220℃まで加熱すること
ができる。また、車両内装部材であるインストルメント
パネル程度のサイズのものでは、約10V,10000
〜20000A程度が適当とされる。
【0021】(プラスチック材料の注入および成形)前記
第1金型11および第2金型12の各シェル部20,2
0が所定温度まで昇温したら、当該成形機の射出ノズル
40を第1金型11の注入口14に当接密着させて、所
定温度に加熱された流動状態のプラスチック材料Pを注
入する。そして、注入口14から注入路15を介してキ
ャビティ13内へ注入されたプラスチック材料Pは、該
キャビティ13内を流動して該キャビティ13内全体に
充満する。この際に、キャビティ13を画成する前記各
シェル部20,20が、前述したようにプラスチック材
料Pの成形に最適な温度まで昇温していることにより、
該プラスチック材料Pが各シェル部20,20に接触し
ながらキャビティ13内を流動する際に部分的な温度低
下が殆どなく、流動性に富んだ状態のままキャビティ1
3の末端部まで短時間で行渡る。
第1金型11および第2金型12の各シェル部20,2
0が所定温度まで昇温したら、当該成形機の射出ノズル
40を第1金型11の注入口14に当接密着させて、所
定温度に加熱された流動状態のプラスチック材料Pを注
入する。そして、注入口14から注入路15を介してキ
ャビティ13内へ注入されたプラスチック材料Pは、該
キャビティ13内を流動して該キャビティ13内全体に
充満する。この際に、キャビティ13を画成する前記各
シェル部20,20が、前述したようにプラスチック材
料Pの成形に最適な温度まで昇温していることにより、
該プラスチック材料Pが各シェル部20,20に接触し
ながらキャビティ13内を流動する際に部分的な温度低
下が殆どなく、流動性に富んだ状態のままキャビティ1
3の末端部まで短時間で行渡る。
【0022】(冷却および固化)プラスチック材料Pの注
入および充填が完了し、該材料Pがキャビティ13内に
行渡った後、第1金型11および第2金型12では、前
記各冷却パイプ24に冷却された熱媒体を流通させて伝
熱部23を冷却し、これにより夫々のシェル部20,2
0を冷却する。これにより各シェル部20,20の温度
が低下し、該シェル部20,20に接しているプラスチ
ック材料Pも徐々に冷却される。そして、各シェル部2
0,20の温度がプラスチック材料Pの軟化点温度より
も低くなると、キャビティ13内の該材料Pは徐々に硬
化を開始し、所要時間経過後には、自体の形状を保持し
得る程度の温度まで低下してプラスチック成形品Wとし
て固化するに至る。
入および充填が完了し、該材料Pがキャビティ13内に
行渡った後、第1金型11および第2金型12では、前
記各冷却パイプ24に冷却された熱媒体を流通させて伝
熱部23を冷却し、これにより夫々のシェル部20,2
0を冷却する。これにより各シェル部20,20の温度
が低下し、該シェル部20,20に接しているプラスチ
ック材料Pも徐々に冷却される。そして、各シェル部2
0,20の温度がプラスチック材料Pの軟化点温度より
も低くなると、キャビティ13内の該材料Pは徐々に硬
化を開始し、所要時間経過後には、自体の形状を保持し
得る程度の温度まで低下してプラスチック成形品Wとし
て固化するに至る。
【0023】(プラスチック成形品の脱型)所要時間が経
過してプラスチック材料Pが固化するに至ったら、第1
金型11と第2金型12を互いに離間させて分離させる
ことにより、プラスチック成形品Wが外部へ露出する。
そして、このプラスチック成形品Wを成形用金型10か
ら取外すことにより、成形工程の1サイクルが完了す
る。
過してプラスチック材料Pが固化するに至ったら、第1
金型11と第2金型12を互いに離間させて分離させる
ことにより、プラスチック成形品Wが外部へ露出する。
そして、このプラスチック成形品Wを成形用金型10か
ら取外すことにより、成形工程の1サイクルが完了す
る。
【0024】このように本実施例のプラスチック成形用
金型10では、薄肉シート状に形成したシェル部20の
みに電気を直接通電するようにしたので、該シェル部2
0はプラスチック材料Pの成形に最適な所定温度まで短
時間で通電加熱されると共に、この際に消費される電気
も最小限に抑えられる。しかも、シェル部20の裏面に
複数のヒートパイプ21が密着的に配設されているの
で、シェル部20全体の温度的なばらつきが好適に解消
されてプラスチック成形品Wの好適な成形が可能とな
る。また、成形に際して通電加熱される部位が前記シェ
ル部20だけであるから、冷却された熱媒体を冷却パイ
プ24に供給して伝熱部23を冷却すれば、該シェル部
20を短時間で効率的に冷却することができる。
金型10では、薄肉シート状に形成したシェル部20の
みに電気を直接通電するようにしたので、該シェル部2
0はプラスチック材料Pの成形に最適な所定温度まで短
時間で通電加熱されると共に、この際に消費される電気
も最小限に抑えられる。しかも、シェル部20の裏面に
複数のヒートパイプ21が密着的に配設されているの
で、シェル部20全体の温度的なばらつきが好適に解消
されてプラスチック成形品Wの好適な成形が可能とな
る。また、成形に際して通電加熱される部位が前記シェ
ル部20だけであるから、冷却された熱媒体を冷却パイ
プ24に供給して伝熱部23を冷却すれば、該シェル部
20を短時間で効率的に冷却することができる。
【0025】すなわち、シェル部20の加熱に要する時
間と該シェル部20の冷却に要する時間を夫々大幅に短
くすることができるので、プラスチック成形品Wの成形
に要する成形サイクルタイムの短縮化を図りながらも、
シェル部20が充分に加熱された状態でのプラスチック
材料Pの注入および成形と、該シェル部20が充分に冷
却された状態でのプラスチック成形品Wの脱型を行なう
ことができる。従って、成形サイクルタイムの短縮化に
よる成形コストの低減が可能となると共に、ショートシ
ョット(充填不足)によるプラスチック成形品Wの一部欠
如や、該成形品Wの表面にウェルドマーク(ウェルドラ
イン)やフローマーク等が形成される不都合が回避さ
れ、また脱型後にプラスチック成形品Wが変形して寸法
不良を招来することもない。
間と該シェル部20の冷却に要する時間を夫々大幅に短
くすることができるので、プラスチック成形品Wの成形
に要する成形サイクルタイムの短縮化を図りながらも、
シェル部20が充分に加熱された状態でのプラスチック
材料Pの注入および成形と、該シェル部20が充分に冷
却された状態でのプラスチック成形品Wの脱型を行なう
ことができる。従って、成形サイクルタイムの短縮化に
よる成形コストの低減が可能となると共に、ショートシ
ョット(充填不足)によるプラスチック成形品Wの一部欠
如や、該成形品Wの表面にウェルドマーク(ウェルドラ
イン)やフローマーク等が形成される不都合が回避さ
れ、また脱型後にプラスチック成形品Wが変形して寸法
不良を招来することもない。
【0026】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明に係るプラス
チック成形用金型によれば、キャビティに沿った形状に
成形した薄肉シート状のシェル部の加熱に要する時間
と、該シェル部の冷却に要する時間を夫々大幅に短くす
ることができるので、プラスチック成形品の成形に要す
る成形サイクルタイムの短縮化を図りながらも、シェル
部が充分に加熱された状態でのプラスチック材料の注入
および成形と、該シェル部が充分に冷却された状態での
プラスチック成形品の脱型を行ない得る利点がある。従
って、成形コストの低減が可能となると共に、ショート
ショットによるプラスチック成形品の一部欠如や、該成
形品の表面にウェルドマークやフローマーク等が形成さ
れる不都合が好適に回避され、また脱型後にプラスチッ
ク成形品が変形して寸法不良を招来することもない等の
有益な効果を奏する。更に、シェル部の裏面にヒートパ
イプを密着的に配設すれば、該シェル部全体の温度的な
ばらつきが解消されてプラスチック成形品の好適な成形
が可能となる。なおシェル部は、電鋳により薄肉に成形
されるが、金型への実施に際しては補強ベースによって
成形時の圧力による変形が防止される。
チック成形用金型によれば、キャビティに沿った形状に
成形した薄肉シート状のシェル部の加熱に要する時間
と、該シェル部の冷却に要する時間を夫々大幅に短くす
ることができるので、プラスチック成形品の成形に要す
る成形サイクルタイムの短縮化を図りながらも、シェル
部が充分に加熱された状態でのプラスチック材料の注入
および成形と、該シェル部が充分に冷却された状態での
プラスチック成形品の脱型を行ない得る利点がある。従
って、成形コストの低減が可能となると共に、ショート
ショットによるプラスチック成形品の一部欠如や、該成
形品の表面にウェルドマークやフローマーク等が形成さ
れる不都合が好適に回避され、また脱型後にプラスチッ
ク成形品が変形して寸法不良を招来することもない等の
有益な効果を奏する。更に、シェル部の裏面にヒートパ
イプを密着的に配設すれば、該シェル部全体の温度的な
ばらつきが解消されてプラスチック成形品の好適な成形
が可能となる。なおシェル部は、電鋳により薄肉に成形
されるが、金型への実施に際しては補強ベースによって
成形時の圧力による変形が防止される。
【図1】本発明の好適な実施例に係るプラスチック成形
用金型の内部構造を、そのキャビティにプラスチック材
料を射出している状態で示す断面図である。
用金型の内部構造を、そのキャビティにプラスチック材
料を射出している状態で示す断面図である。
【図2】図1に示したプラスチック成形用金型の要部を
示す拡大断面図である。
示す拡大断面図である。
【図3】プラスチック成形用金型を構成するシェル部の
概略斜視図である。
概略斜視図である。
【図4】図3に示したシェル部の裏側にヒートパイプを
ロウ付けした状態を示す斜視図である。
ロウ付けした状態を示す斜視図である。
【図5】図4に示したシェル部の裏面全面に、電気的絶
縁層をコーティングした状態を示す斜視図である。
縁層をコーティングした状態を示す斜視図である。
【図6】図5に示したシェル部の裏面に、冷却パイプを
同時に鋳込んだ金属製の伝熱部を配設した状態を示す斜
視図である。
同時に鋳込んだ金属製の伝熱部を配設した状態を示す斜
視図である。
【図7】図6に示した伝熱部に、その裏側から補強ベー
スをバックアップした状態を示す斜視図である。
スをバックアップした状態を示す斜視図である。
【図8】本実施例のプラスチック成形用金型に設けられ
るヒートパイプの概略断面図である。
るヒートパイプの概略断面図である。
11 第1金型 12 第2金型 13 キャビティ 20 シェル部 21 ヒートパイプ 22 絶縁層 23 伝熱部 24 冷却パイプ 25 補強ベース 26 金型定盤 27 外部電源 P プラスチック材料 W プラスチック成形品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柘植 昇 愛知県安城市今池町3丁目1番36号 株式 会社イノアックコーポレーション安城事業 所内 (72)発明者 岡本 幸三 京都府京都市山科区西野離宮町40番地 ト クデン株式会社内 (72)発明者 丹羽 和弘 京都府京都市山科区西野離宮町40番地 ト クデン株式会社内 Fターム(参考) 4F202 AH26 AJ11 AJ12 AJ13 AK13 AK14 AM32 AM36 CD12 CN01 CN05 CN20 CN22
Claims (5)
- 【請求項1】 プラスチック成形品(W)の外部輪郭を画
成するキャビティ(13)を内部に有し、加熱により流動化
したプラスチック材料(P)を注入するに先立って前記キ
ャビティ(13)の壁面を所定温度にまで加熱し、成形後の
プラスチック成形品(W)を取出すに先立って該キャビテ
ィ(13)の壁面を所定温度にまで冷却するようにしたプラ
スチック成形用金型において、 導電性に劣る金属を材料として前記キャビティ(13)の壁
面形状に沿った薄肉シート状に形成され、外部電源(27)
により直接通電されて電気的に加熱されるようにしたシ
ェル部(20)と、 熱伝導性に優れた材料が前記シェル部(20)の裏面に密着
的に配設され、冷却用の熱媒体が流通する冷却パイプ(2
4)を内部に設けた伝熱部(23)と、 前記シェル部(20)と伝熱部(23)との間に介在し、該シェ
ル部(20)を電気的に他から絶縁すると共に、前記伝熱部
(23)から該シェル部(20)への熱伝導を許容する絶縁層(2
2)とからなり、 前記プラスチック材料(P)の成形を行なう際は、前記外
部電源(27)により前記シェル部(20)を通電発熱させて、
該シェル部(20)だけを該プラスチック材料(P)の成形に
最適な温度まで昇温させ、 前記成形が終了して前記キャビティ(13)からプラスチッ
ク成形品(W)を取出す際は、前記冷却パイプ(24)に熱媒
体を供給して前記伝熱部(23)を冷却し、これにより該伝
熱部(23)に前記絶縁層(22)を介して隣接している前記シ
ェル部(20)を前記プラスチック成形品(W)の最適な固化
温度にまで降温させるよう構成したことを特徴とするプ
ラスチック成形用金型。 - 【請求項2】 前記シェル部(20)は導電性に劣る金属を
材料として電鋳により成形され、該シェル部(20)は分割
可能な第1金型(11)および第2金型(12)における各キャ
ビティ(13)の内面を構成する部材となっている請求項1
記載のプラスチック成形用金型。 - 【請求項3】 前記シェル部(20)には、前記外部電源(2
7)により例えば4V,5000Aの低電圧大電流が直接
通電される請求項1記載のプラスチック成形用金型。 - 【請求項4】 前記シェル部(20)の裏側にヒートパイプ
(21)が密着的に配設され、前記外部電源(27)により通電
加熱された該シェル部(20)の温度的なばらつきを該ヒー
トパイプ(21)で解消して、該シェル部(20)の温度上昇を
均一化するようにした請求項1〜3の何れかに記載のプ
ラスチック成形用金型。 - 【請求項5】 前記シェル部(20)の裏面に配設される前
記伝熱部(23)には、その裏面にバックアップ用の補強ベ
ース(25)が設けられ、この補強ベース(25)を介して該シ
ェル部(20)を金型定盤(26)に固定することで、該シェル
部(20)に作用する成形時の圧力を前記補強ベース(25)で
受け止めるようにした請求項1〜4の何れかに記載のプ
ラスチック成形用金型。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11183819A JP2001009836A (ja) | 1999-06-29 | 1999-06-29 | プラスチック成形用金型 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11183819A JP2001009836A (ja) | 1999-06-29 | 1999-06-29 | プラスチック成形用金型 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001009836A true JP2001009836A (ja) | 2001-01-16 |
Family
ID=16142419
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11183819A Pending JP2001009836A (ja) | 1999-06-29 | 1999-06-29 | プラスチック成形用金型 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001009836A (ja) |
Cited By (9)
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---|---|---|---|---|
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KR100839610B1 (ko) | 2007-05-09 | 2008-06-19 | 화남정밀(주) | 금형의 웰드 라인 발생 방지 장치 및 이를 이용한성형제품의 제조 방법 |
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-
1999
- 1999-06-29 JP JP11183819A patent/JP2001009836A/ja active Pending
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