JP2001009678A - 生産計画作成方法 - Google Patents

生産計画作成方法

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JP2001009678A
JP2001009678A JP17739799A JP17739799A JP2001009678A JP 2001009678 A JP2001009678 A JP 2001009678A JP 17739799 A JP17739799 A JP 17739799A JP 17739799 A JP17739799 A JP 17739799A JP 2001009678 A JP2001009678 A JP 2001009678A
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Japan
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continuous casting
production
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JP17739799A
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Satoshi Fujii
聡 藤井
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P90/00Enabling technologies with a potential contribution to greenhouse gas [GHG] emissions mitigation
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  • General Factory Administration (AREA)
  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 最適な計画を自動的に効率良く策定し、オペ
レータの負荷を軽減することを可能にした生産計画作成
方法を提供する。 【解決手段】 製造要望日が与えられている複数日分の
多品種の製造ロットを材源とし、製造順に係る制約条件
を満足する製造ロットを材源から探索し、複数の選択基
準の関数に基づいてその探索された複数の製造ロットか
ら1つの製造ロットを選択するという処理を繰り返して
製造順序を決める。時間に係る制約条件に基づいて、製
造順序が決められた製造ロットの時刻情報を決定して製
造スケジュールを作成する。その製造スケジュールが評
価基準を満たしているときにはそれを生産計画の候補と
する。また、その製造スケジュールが評価基準を満たし
ていないときには、前記の複数の選択基準の関数のパラ
メータを修正して、上記の製造順序を決める処戻る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は多品種の製造ロット
をそれぞれ複数の製造工程を経て生産するための計画を
作成する生産計画作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、製鋼生産計画は、生産性向上、製
造コスト低減及び高品質製品製造を実現するために、製
造ロットの納期、各プロセスでの処理の制約、製造ロッ
トの鋼種の成分、及び成分量に依存したプロセスの制約
に基づいて、熟練者が試行錯誤しながら処理のタイミン
グを決定している。即ち、計画策定の熟練者が、計画策
定上の制約条件を守りながら、納期を満足するように製
造の順序を決定している。ところが、製造鋼種や高品質
な製品の増加に伴う製造順序に関する制約条件の増加及
び厳密化は、熟練者の計画作成負荷を増大させている。
このため、計画を策定する際に、制約条件を満足するこ
とだけに注意が向けられがちになり、作成された計画の
最適性が不十分な場合が多かった。そこで、自動的に生
産計画を策定し、しかも最適性を実現しようとする手法
が提案されている。
【0003】例えば、特開平8−305763公報で
は、製造順序に関する決められた規則に基づいて初期ス
ケジュールを作成し、次いで初期スケジュールを基準に
予め定められた評価式が最良となるように、試行錯誤ア
ルゴリズムを用いて初期スケジュールを改善する方法が
提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の特開平8−30
5763公報による作成方法においては、製造順序に関
する決められた規則に基づいて初期スケジュールを作成
し、そして、その初期スケジュールに基づいて試行錯誤
アルゴリズムで解を改善するために、初期スケジュール
内の製造ロットの任意の二つ又は任意の二つのグループ
を選択し、それぞれを入れ替えることによって新たなス
ケジュールを作成している。このとき、入れ替え後のス
ケジュールが予め与えられた制約条件を満足していなけ
れば、実用的で無くなる。製造鋼種や高品質な製品の増
加に伴う製造順序に関する制約条件の増加及び厳密化か
ら、入れ替え対象となる製造ロットを選択するときに、
入れ替えを行っても制約条件が満足される組み合わせを
選択しなければ、実用的でない製造スケジュールが多数
発生してしまうことになる。
【0005】それぞれの製造ロットの製造順序に前後関
係の制約条件がある場合には、製造ロット同士の入れ替
え操作を行うときに、入れ替え後も順序の前後関係の制
約条件を満足するような製造ロット同士を探し出さなけ
ればならない。また、多数の制約条件を満足するような
製造ロットは、一度製造順序が決定されると、入れ替え
操作の対象になりにくいため、解の改善につながりにく
い。逆に、制約が少ない製造ロットだけが選択されやす
く、入れ替え操作の対象となる可能性が高い。このた
め、製造順序が与えられている初期スケジュールの入れ
替え操作の自由度が制限され、試行錯誤による探索範囲
が限定されてしまい、解の改善が向上しにくいという問
題点がある。
【0006】一方、製造順序の制約条件を緩和して、入
れ替え操作を行ったとしても、入れ替え後の順序が制約
条件を満足していない解が発生しやすくなるために、解
の改善が進みにくいという問題点がある。
【0007】本発明、上記のような問題点を解決するた
めになされたものであり、最適な計画を自動的に効率良
く策定し、オペレータの負荷を軽減することを可能にし
た生産計画作成方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】(1)本発明の一つの態
様に係る生産計画作成方法は、製造要望日が与えられて
いる複数日分の多品種の製造ロットを材源として、その
材源から生産計画を作成する生産計画作成方法におい
て、予め設定されている製造順に係る制約条件を満足す
る製造ロットを前記の材源から探索し、複数の選択基準
の関数に基づいてその探索された複数の製造ロットから
1つの製造ロットを選択するという処理を繰り返して製
造順序を決め、そして、製造順序を決める処理が終了す
ると、予め設定されている時間に係る制約条件に基づい
て、製造順序が決められた製造ロットの製造工程の時刻
情報を決定して製造スケジュールを作成し、そして、そ
の製造スケジュールが予め設定されている評価基準を満
たしているときにはそれを生産計画の候補とし、また、
その製造スケジュールが予め設定されている評価基準を
満たしていないときには、複数の選択基準の関数のパラ
メータを修正して、上記の製造順序を決める処理に戻
る。
【0009】(2)本発明の他の態様に係る生産計画作
成方法は、1基の転炉と複数の精錬設備及び連続鋳造設
備とを備え、製造要望日が与えられている複数日分の転
炉、精錬設備及び連続鋳造設備の通過工程情報をもった
製造ロットの連々鋳セットを材源として、その材源から
生産計画を作成する生産計画作成方法において、予め設
定されている製造順に係る制約条件を満たしている連々
鋳セットを前記の材源から探索し、複数の選択基準の関
数に基づいてその探索された複数の連々鋳セットから1
つの連々鋳セットを選択するという処理を繰り返して製
造順序を決め、そして、製造順序を決める処理が終了す
ると、予め設定されている時間に係る制約条件に基づい
て、製造順序が決められた連々鋳セットの製造工程の時
刻情報を決定して製造スケジュールを作成し、そして、
その製造スケジュールが予め設定されている評価基準を
満たしているときにはそれを生産計画の候補とし、ま
た、その製造スケジュールが予め設定されている評価基
準を満たしていないときには、複数の選択基準の関数の
パラメータを修正して、上記の製造順序を決める処理に
戻る。
【0010】ここで、上記(1)及び(2)の構成にお
いて、製造順序を決定する上で必要な制約条件に基づい
て、与えられたN個の製造ロットに対して、1〜Nまで
の製造順序を決定するアルゴリズムについて説明する。
(なお、この説明は上記(1)及び(2)の構成の理解
を容易にするためのものであり、本発明を限定するもの
ではない。このことは後述の(3)においても同様であ
る。)
【0011】本発明においては、与えられたN個の製造
ロットに対して、操業上の制約を満足するように1〜N
までの製造順序を決定し、製造順序の決定後に時間に係
る制約条件を満たすように時刻情報を付加して製造計画
の1ケースを作成する。
【0012】例えば1からI番目までの製造順序が決定
されているときに、I+1番目の製造ロットは1〜Iま
でに対して操業上の制約を守れる製造ロットを材源の中
から全て探し出す。このとき、複数の製造ロットが選択
されると、その選択された複数の製造ロットの中から1
つを選択してI+1番目とするために、最適な計画とな
るように製造ロットを1つ選択する。最適な計画の例と
して、製造要望日をなるべく満足して、製品の納期遅れ
を回避したい。或いは、製造コストを安くできるような
製造順序で製造したいなどの要求がある。
【0013】このように複数の選択基準から1つの製造
ロットを選択するために、I+1番目の候補となってい
る各製造ロットを製造要望日順に並べて、図2及び図3
に示されるように、それぞれの選択基準における選択要
求度を与える。ここでは、I+1番目の候補は、A〜H
までの8つである。図2及び図3の横軸の−1、0、1
はそれぞれ製造要望日からの遅れを表しており、−1は
要望日よりも1日遅れ、0は要望日通り、1は要望日よ
り1日早いことを表している。横軸の2段目のA〜H
は、製造ロット1つずつに対応しており、それぞれの図
の横軸の同じ位置のアルファベットは、同じ製造ロット
を表している。
【0014】図2では製造要望日における選択要求度が
与えられており、要望日が遅れている製造ロットの選択
要求を高く設定している。図3では製造コストが安いも
のほど選択要求度が高いことを表している。図2及び図
3の選択要求度に基づいて、1つの製造ロットを選択す
るために、それぞれの図を同じ選択比率とするために、
それぞれの図を確率密度関数で表現し直すと、図4及び
図5に示されるようになる。
【0015】図4及び図5の折れ線を確率密度関数F1
(X)、F2(X)とする。ここで、Xは製造ロットである。
各製造ロットの確率の総和は、式(1)、式(2)に示
すように1となる。 ΣF1(X)=1 …(1) ΣF2(X)=1 …(2) それぞれの確率密度関数F1(X)、F2(X)が製造要望日の
遅れと製造コストの選択要求度を表しており、2つの要
求度を同等に扱うならば、式(3)のF3(X)とし、K=
0.5とすることで表され、図6となる。このとき、選
択されやすい製造ロットは、CとD、AとB、EとF、
GとHの順序となっている。 F3(X)= K×F1(X)+(1−K)×F2(X) …(3)
【0016】上述のようにしてN個までの製造順序の決
定を繰り返した後に、時間に係る制約条件を満足するよ
うに時刻情報を付加し、生産計画が1ケース作成され
る。同様な作業を繰り返し、生産計画を1ケースずつ作
成していく。
【0017】上述のように1ケースずつ計画を作成して
いるときに、製造順序に係る制約条件は満足していて
も、製造要望日の遅れが大きい計画や製造コストが高い
計画は評価基準を満たすことができず、実操業では使う
ことができない。このため、そのような場合には式
(3)のパラメータKを修正する。例えば、製造要望日
の遅れが大きい計画の場合には、パラメータKを大きく
し、F1(X)の重みを大きくして製造要望日を優先する。
パラメータを修正して、再度、最初から製造順序を決定
することで複数の選択基準に対して満足する計画を作成
する。なお、前記の複数の選択基準の関数は、評価基準
(一次)の全部又は一部の項目と関連する関数で構成さ
れるものとする。
【0018】(3)本発明の他の態様に係る生産計画方
法は、上記(2)の方法において、複数の選択基準の関
数は、探索された連々鋳セットと既に決められている連
々鋳セットとの転炉における重なり具合及び製造要望日
についての関数を含んでおり、そして、予め設定されて
いる製造順に係る制約条件を満たしている複数の連々鋳
セットが抽出されると、その連々鋳セットと既に決めら
れている連々鋳セットとの転炉における重なり具合を求
め、その重なり具合及びその連々鋳セットの製造要望日
を前記の複数の選択基準の関数にそれぞれ適用してその
関数値に基づいて1つの連々鋳セットを選択する。
【0019】転炉の重なり具合が大きいと、連続鋳造を
維持できるように精錬開始までの待ち時間を与えて調整
するため、精錬開始の待ち時間が大きくなり、その結
果、製造コストが高くなる。したがって、時刻情報を各
連々鋳セットごとに付加するときに、重なり具合が小さ
いものを優先して採用することで精錬開始の待ち時間を
少なくすることができ、製造コストの低廉化に繋がる。
製造工程で待ち時間が少なければ、溶鋼の温度低下によ
る熱損失や設備稼働率の低下を防ぐことができる。しか
しながら、精錬開始の待ち時間だけを狙った計画では、
製造要望日が犠牲になり、製品の納期を満足することが
できなくなる。このため、転炉の重なり具合と製造要望
日を考慮することで、製造コストと納期を最適とする計
画を作成することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施形態1に係る
生産計画作成方法の処理過程を示したフローチャートで
ある。計画対象の材源として、連々鋳単位の製造ロット
のデータを用意する。具現化方法の一例としては、デー
タは手入力又は通信でデータを計算機に取り込む。本実
施形態のアルゴリズムは計算機に予めインストールされ
ており、計算機で演算を行う。演算結果は、計算機画面
又はプリンタに出力されるものとする。計算機に入力さ
れる連々鋳単位の製造ロットのデータには、精錬、鋳造
設備の通過ルート、精錬設備、鋳造設備での所要時間、
各設備間の移動時間が記憶されている。鋳造される鋼種
の成分及び精錬設備が他の製造ロットと重複した場合の
精錬設備の代換えルートが各製造ロットごとに記憶され
ている。また、製造ロットがどの品種(厚板、薄板な
ど)であるかも記憶されている。
【0021】図1に基づいて演算手順を説明する。 (ステップ1):計画対象の材源を用意し、製造ロット
の処理順決定を開始する。
【0022】(ステップ2):計画済みのスケジュール
から連続に新たな計画がつながるように、計画済みのス
ケジュールの次に配置できる製造ロットを連々鋳セット
群の中から探索する。このとき、計画対象の連々鋳セッ
ト群から探索するとき、候補となる条件は、表1の制約
を満足するものを選択する。
【0023】[表1] 順序決定の制約条件 (1)前日の計画から連続 (2)同じ精錬設備又は連続鋳造設備による競合の回避 (3)搬送設備数に制限 (4)鋼種成分、量に依存した精錬設備の処理順序
【0024】図7は連々鋳セットの概念図である。製造
ロットの連々鋳セットは、転炉での吹錬処理が終了する
と、鍋で精錬設備、連続鋳造設備へと流れて処理される
一連のセットであり、転炉、精錬設備及び連続鋳造設備
の通過工程情報をもっている。そして、連続鋳造設備に
おいては転炉からの溶鋼が連続して供給されるようにす
る。このため、転炉の処理は図示のように一定時間間隔
をおいたものとなる。なお、図7の水平部分の線分は処
理時間を表しており、傾斜した線分が移動時間を表して
いる。また、図7の例では転炉が2チャージの例である
が、製造ロットによっては1チャージ、3チャージ等に
なる場合もある(図8参照)。
【0025】図8は計画済みのスケジュールの次から配
置できる連々鋳セットを計画対象の連々鋳セット群(製
造ロット群)から探索した例を示した図である。ここで
は、選択済みの連々鋳セット1,2の次の連々鋳セット
の候補1〜3がケース1〜3のような形態で選択されて
いる。なお、図8の精錬設備及び連続鋳造設備はそれぞ
れ複数配置されており、縦方向に異なる位置にあるもの
は異なった設備であるものとする(例えばケース1の選
択済みの連々鋳セット1,2の精錬設備及び連続鋳造設
備はそれぞれ異なっている。)。
【0026】・ケース1:3チャージから構成される連
々鋳セットの候補1は、選択済みの連々鋳セット1,2
と異なる連続鋳造設備で、精錬設備も選択済み2と異な
るため、候補として選ばれた。 ・ケース2:3チャージから構成される連々鋳セットの
候補2は、選択済みの連々鋳セット1同じ連続鋳造設備
で鋳造されるが、選択済み1の鋳造終了後に開始され
る。また、精錬設備は選択済み2と異なるため、候補と
して選択された。 .ケース3:1チャージから構成される連々鋳セットの
候補3は、選択済みの連々鋳セット1と同じ連続鋳造設
備で鋳造されるが、選択済み1の鋳造終了後に開始され
る。また、精錬設備は選択済み2と異なるため、候補と
して選択された。
【0027】(ステップ3):ステップ2で選択された
複数の連々鋳セット群において、各候補の転炉と既に配
置されている転炉の重なり具合を計算する。ケース1〜
3の場合の重なり具合は、図8に示されるように、それ
ぞれの候補1〜3が選択済み2と、転炉で重なっている
部分の候補ごとの総和を候補の連々鋳セットのチャージ
数で割ったものとする。具体的な候補1〜3の重なり具
合は次の式(4)〜(6)となる。
【0028】 (候補1の重なり具合)=(転炉ラップ部分1の総和)/3 …(4) (候補2の重なり具合)=(転炉ラップ部分2の総和)/3 …(5) (候補3の重なり具合)=(転炉ラップ部分3の総和)/1 …(6)
【0029】(ステップ4):すべての候補の転炉の重
なり具合と製造要望日からそれぞれ確率密度関数F1
(X)、F2(X)を算出する。Xは候補1〜3となる。F1
(X)は図9、F2(X)は図10となる。それぞれの確率密
度関数F1(X)、F2(X)を結合する際、最初は同等と扱
い、K=0.5としてF3(X)を算出する。このときのF3
(X)は図11となる。図11によれば、候補1と3の選
択確率が高くなる。なお、図10及び図11の「低廉製
造コストに対する確率密度」は転炉の重なり具合によっ
て一義的に特定されるものであり、転炉の重なり具合が
大きいほど精錬設備の待ち時間が大きくなり製造コスト
が高くなり、転炉の重なり具合が小さいほど低廉製造コ
ストに対する確率密度が大きくなる。
【0030】(ステップ5):与えられた材源、すべて
の連々鋳セットが選択されていればステップ6に進む。
材源が残っていれば、ステップ2へ戻り次の候補を探索
し、すべての材源が無くなるまでステップ2からステッ
プ5の演算処理を続ける。
【0031】(ステップ6):連々鋳セットの順序に基
づいて、転炉の出鋼開始時刻、精錬設備での処理開始時
刻、連々鋳設備の処理開始時刻を決定する。このとき、
表2に示される制約条件を満足するようにそれぞれの開
始時刻を決定する。連々鋳セッ単位全体で各設備の処理
開始時刻を調整するだけでは、表2の制約条件を満足さ
せることがきない場合には、精錬設備において、処理の
開始時間を遅らせる。すなわち処理開始までの待ち時間
を与えて調整することで、制約条件を満足させる。
【0032】[表2]処理開始時刻決定の制約条件 (5)転炉のラップ解消 (6)精錬設備ラップ解消 (7)連々鋳の維持 (8)鋳造間隔 (9)出鋼時刻指定材
【0033】図13は転炉のラップ解消の例を示した図
である。図13(A)は、連々鋳セット1〜3の順序に
連々鋳セットを配置するとき、連々鋳セット1の転炉と
転炉の間に、連々鋳セット2の転炉を挿入しようとして
も、間隔が転炉の処理時間よりも短いため、矢印↓で示
すように、転炉の部分がラップする。同様に、連々鋳セ
ット2の後に連々鋳セット3を置く場合でも同様であ
る。このため、図13(B)に示されるように、転炉の
ラップを解消し、しかも連続鋳造が維持できるように配
置するために、精錬設備の開始前に待ち時間(図中の□)
を与えて整合を取り、実用可能なスケジュールを作成す
る。なお、図13(B)においては、連々鋳セットが1
〜3しか図示されていないが、この段階においては数日
分の連々鋳セットが選択されている。
【0034】(ステップ7:一次評価):連々鋳セット
の順序と各設備の処理開始時刻が決定された後、次の表
3の一次評価項目 [表3] (10)転炉の出鋼杯数 (11)精錬設備での待ち時間 (12)製造要望日が、予め与えられた許容範囲内であ
れば、計画結果の解の1候補となり、次のステップ9へ
進む。3条件のうちいずれかを満足していない場合に
は、一次評価が悪いためステップ8へ進む。
【0035】(ステップ8):一次評価において、精錬
設備での待ち時間が大きい場合にはパラメータKを小さ
くし、製造要望日の評価が悪い場合にはKを大きくす
る。例えば、図11でそれぞれの確率密度関数F1(X)、
F2(X)を同等に扱っていた場合のK=0.5をK=0.
8とすると、図11の確率密度は図12のようになり、
候補1、2、3の順に選択確率が高くなり、製造要望日
が優先される。待ち時間と製造要望日の両者の評価が悪
い場合には、操業条件に応じた順位付けで決定する。
【0036】(ステップ9):計画結果の解の候補が予
め決められた所定の個数になった場合には、ステップ1
0へ進む。そうでなければ、ステップ1へ戻る。
【0037】(ステップ:二次評価):上記の計画結果
の解の候補が、下記の表4の二次評価項目が予め定めら
れた範囲内に収まっているかどうかを評価して、最適な
スケジュール結果を選択する。この最適な計画結果の選
択は自動的に行っても良いしあるいは作業者の選択によ
ってもよい。なお、表4の二次評価項目の品種バランス
とは例えば薄板、厚板、管材などの異なった品種の生産
量のバランスであり、所定時間単位におけるバランスと
は例えば8時間を単位としたときに、1日の各単位にお
ける設備稼働率、出鋼量などのバランスである。また、
精錬設備バランスとは複数の精錬設備の稼働の均一化を
把握するためのものであり、各精錬設備が均一に稼働し
ていない場合には排除することになる。
【0038】[表4]二次評価項目 (13)品種バランス (14)所定時間単位におけるバランス (15)精錬設備バランス
【0039】なお、上述の実施形態は連続鋳造について
の例であるが、本発明は、それに限定されるものではな
く、多品種の製造ロットをそれぞれ複数の製造工程を経
て生産するようなものであれば対象となる。そして、上
記の一次評価項目及び二次評価項目についても上記の項
目に限定されるものではなく、その製造対象物に応じて
適宜決められる。
【0040】
【実施例】図14は上述の実施形態に対応した実施例の
製造スケジュールのタイミングチャートである。本実施
例では、転炉1基、精錬設備10設備、鋳造設備4基か
ら構成されている。鋳造1に4連々鋳セット、鋳造2に
4連々鋳セット、鋳造3に1連々鋳セット、鋳造4に2
連々鋳セットの合計11連々鋳セットを配置したスケジ
ュールの作成例である。図中の□は、待ち時間を表す。
図中の数字3桁もしくはアルファベット+数字3桁は、
製造ロットのロットナンバーを表し、その下の−1日、
0日、1日は、それぞれの製造ロットが製造要望日から
の遅れ、要望日通り、進みを表している。
【0041】本実施例の結果では、オペレータが作成し
たスケジュールに比べ、出鋼杯数が同じで、精錬設備で
の待ち時間を短縮でき、製造要望日も優位な計画とする
ことができた。
【0042】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、製造順序
を先頭から決定していく際に、複数の制約を満足した候
補から1つを選択する方法として、複数の選択基準の関
数を与えて、計画結果の評価が悪い場合には関数のパラ
メータを修正し、再度最適な計画結果を自動的に策定す
るようにしたことから、最適な生産計画の候補を効率良
く自動的に策定することができ、オペレータの負荷を軽
減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る生産計画作成方法の処
理過程を示すフローチャートである。
【図2】製造要望日の遅れに対する選択要求度を示す図
である。
【図3】低廉製造コストに対する選択要求度を示す図で
ある。
【図4】製造要望日の遅れに対する確率密度を示す図で
ある。
【図5】低廉製造コストに対する確率密度を示す図であ
る。
【図6】製造要望日の遅れと低廉製造コストを同時に考
慮した確率密度を示す図である。
【図7】連々セットの概念図である。
【図8】図1の処理において、計画済みのスケジュール
の次から配置できる連々鋳セットを計画対象の製造ロッ
トから探索した例を示した図である。
【図9】製造要望日の遅れに対する確率密度の実施形態
を示す図である。
【図10】低廉製造コストに対する確率密度の実施形態
を示す図である。
【図11】製造要望日の遅れと低廉製造コストを同時に
考慮した確率密度の実施形態を示す図である。
【図12】製造要望日の遅れと低廉製造コストを考慮
し、製造要望日を優先した確率密度の実施形態を示す図
である。
【図13】図1の処理において、転炉のラップ解消の例
を示した図である。
【図14】本発明の実施例の製造スケジュールのタイミ
ングチャートである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製造要望日が与えられている複数日分の
    多品種の製造ロットを材源として、その材源から生産計
    画を作成する生産計画作成方法において、 予め設定されている製造順に係る制約条件を満足する製
    造ロットを前記材源から探索し、複数の選択基準の関数
    に基づいてその探索された複数の製造ロットから1つの
    製造ロットを選択するという処理を繰り返して製造順序
    を決め、そして、製造順序を決める処理が終了すると、
    予め設定されている時間に係る制約条件に基づいて、製
    造順序が決められた製造ロットの製造工程の時刻情報を
    決定して製造スケジュールを作成し、そして、その製造
    スケジュールが予め設定されている評価基準を満たして
    いるときにはそれを生産計画の候補とし、また、その製
    造スケジュールが予め設定されている評価基準を満たし
    ていないときには、前記複数の選択基準の関数のパラメ
    ータを修正して、上記の製造順序を決める処理に戻るこ
    とを特徴とする生産計画作成方法。
  2. 【請求項2】 1基の転炉と複数の精錬設備及び連続鋳
    造設備とを備え、製造要望日が与えられている複数日分
    の転炉、精錬設備及び連続鋳造設備の通過工程情報をも
    った製造ロットの連々鋳セットを材源として、その材源
    から生産計画を作成する生産計画作成方法において、 予め設定されている製造順に係る制約条件を満たしてい
    る連々鋳セットを前記材源から探索し、複数の選択基準
    の関数に基づいてその探索された複数の連々鋳セットか
    ら1つの連々鋳セットを選択するという処理を繰り返し
    て製造順序を決め、そして、製造順序を決める処理が終
    了すると、予め設定されている時間に係る制約条件に基
    づいて、製造順序が決められた連々鋳セットの製造工程
    の時刻情報を決定して製造スケジュールを作成し、そし
    て、その製造スケジュールが予め設定されている評価基
    準を満たしているときにはそれを生産計画の候補とし、
    また、その製造スケジュールが予め設定されている評価
    基準を満たしていないときには、前記複数の選択基準の
    関数のパラメータを修正して、上記の製造順序を決める
    処理に戻ることを特徴とする生産計画作成方法。
  3. 【請求項3】 前記複数の選択基準の関数は、探索され
    た連々鋳セットと既に決められている連々鋳セットとの
    転炉における重なり具合及び製造要望日についての関数
    を含んでおり、そして、予め設定されている製造順に係
    る制約条件を満たしている複数の連々鋳セットが抽出さ
    れると、その連々鋳セットと既に決められている連々鋳
    セットとの転炉における重なり具合を求め、その重なり
    具合及びその連々鋳セットの製造要望日を前記複数の選
    択基準の関数にそれぞれ適用して、その関数値に基づい
    て1つの連々鋳セットを選択することを特徴とする請求
    項2記載の生産計画作成方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008140097A (ja) * 2006-12-01 2008-06-19 Hitachi Ltd プロジェクト評価装置、プロジェクト評価方法、および、記憶媒体
JP2011112489A (ja) * 2009-11-26 2011-06-09 Hitachi High-Technologies Corp 動的搬送計画装置及び動的搬送計画方法
JP2017021489A (ja) * 2015-07-08 2017-01-26 Jfeスチール株式会社 製鋼生産スケジュール作成装置、製鋼生産スケジュール作成方法、操業方法、及び製鋼製品の製造方法

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