JP2001009464A - 固定化殺菌材を用いた殺菌方法及び固定化殺菌材 - Google Patents

固定化殺菌材を用いた殺菌方法及び固定化殺菌材

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JP2001009464A
JP2001009464A JP11182946A JP18294699A JP2001009464A JP 2001009464 A JP2001009464 A JP 2001009464A JP 11182946 A JP11182946 A JP 11182946A JP 18294699 A JP18294699 A JP 18294699A JP 2001009464 A JP2001009464 A JP 2001009464A
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Hajime Kono
源 河野
Shusuke Shiraishi
秀典 白石
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 殺菌剤成分の被処理水中への残留や環境中へ
排出を防止でき、かつ、被処理水系全体を殺菌すること
が可能な殺菌方法、及び当該殺菌方法に好適に用いるこ
とができる固定化殺菌材を提供する。 【解決手段】 フェライトからなる担体微粒子に殺菌剤
分子を固定化してなる固定化殺菌材を、殺菌対象となる
水系に投入し、分散させることにより、当該水系全体を
殺菌する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、殺菌剤成分の被
処理水中への残留や環境中へ排出を防止でき、かつ、被
処理水系全体を殺菌することが可能な殺菌方法、及び当
該殺菌方法に好適に用いることができる固定化殺菌材に
関する。
【0002】
【従来の技術】 近年、生活水準の向上、産業の成長・
発展により生活用水、工業用水等の用水の使用量が飛躍
的に増加している。これらの用水には環境中から種々の
有害細菌や病原性細菌が侵入し、繁殖する場合があるた
め、細菌類の侵入や繁殖を抑制し、或いは死滅させるた
めの方法が必要となる。
【0003】 細菌類を制御するための方法としては、
細菌類の侵入を物理的・機械的手段により遮断する方法
(遮断)、細菌類の増殖を抑制する方法(抗菌)、細菌
類を加熱により死滅させる方法(加熱殺菌)等、種々の
方法があるが、上述のような用水については、比較的簡
便に実施でき、かつ、確実に細菌類を死滅させることが
可能である点において、殺菌剤を用いた薬剤殺菌が最も
頻繁に行われている。
【0004】 殺菌剤としては、固体、液体、気体と様
々な状態の殺菌剤が市販されており、その殆どが用水中
に溶解させることにより殺菌効果を得るものであるが、
このような溶解型の殺菌剤を使用する殺菌方法には少な
からず毒性及び残留性の問題が存在する。即ち、被処理
水中に残留し、或いは被処理水から環境中へ排出される
殺菌剤は、人体に対する毒性が憂慮される他、排水処理
槽の活性汚泥の死滅、河川水や海水中の環境微生物の死
滅等、種々の問題の要因となる。
【0005】 このような問題を解決するべく、担体表
面に殺菌剤成分を固定化した固定化殺菌材を使用する殺
菌方法が提案されている。例えば、粒径500μm程度
のガラスビーズからなる担体に、殺菌剤である第四級ア
ンモニウム塩を化学結合した固定化殺菌材1gを充填し
たカラムに生菌数が102〜103(個/ml)の被処理
水を透過させることにより無菌の水が得られ、かつ、第
四級アンモニウム塩は検出されないという結果が報告さ
れている(特開昭60-16904号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、上述
のようなカラムを透過させる殺菌方法では、固定化殺菌
材が担体表面の殺菌剤分子と接触する細菌類に対しての
み殺菌効果を示すものであることに起因して、殺菌対象
となる水系(以下、「被処理水系」という。)全体を殺
菌することができないという問題があった。例えば、工
業用冷却水の循環水系を殺菌対象とした場合であれば、
カラム内を透過する循環水中の細菌類は殺菌されるもの
の、貯水槽や循環配管等に付着繁殖した細菌類について
は殺菌できないのである。
【0007】 本発明はこのような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであって、その目的とするところ
は、殺菌剤成分の被処理水中への残留や環境中へ排出を
防止でき、かつ、被処理水系全体を殺菌することが可能
な殺菌方法、及び当該殺菌方法に好適に用いることがで
きる固定化殺菌材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】 本発明者が上記従来技
術の問題点について鋭意検討した結果、フェライトから
なる担体微粒子に殺菌剤分子を固定化してなる固定化殺
菌材を使用することに想到して本発明を完成した。
【0009】 即ち、本発明によれば、フェライトから
なる担体微粒子に殺菌剤分子を固定化してなる固定化殺
菌材を、殺菌対象となる水系に投入し、分散させること
により、当該水系全体を殺菌することを特徴とする殺菌
方法が提供される。
【0010】 本発明の殺菌方法は、担体微粒子の粒径
が0.01〜20μmである固定化殺菌材を使用するこ
とが好ましい。また、本発明の殺菌方法は、担体微粒子
に第四級アンモニウム塩を固定化した固定化殺菌材を使
用することが好ましい。
【0011】 更に、本発明によれば、殺菌剤の殺菌活
性に寄与しない分子末端を、フェライトからなる担体微
粒子に共有結合してなることを特徴とする固定化殺菌材
が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】 本発明の殺菌方法は、フェライ
トからなる担体微粒子に殺菌剤分子を固定化してなる固
定化殺菌材を使用することを特徴とする。このような方
法によれば、殺菌剤成分の被処理水中への残留や環境中
へ排出を防止でき、かつ、被処理水系全体を殺菌するこ
とが可能となる。以下、本発明の殺菌方法について詳細
に説明する。
【0013】 一般に、固定化殺菌材とは、板状、粒状
等、種々の形状の担体の表面に殺菌剤成分を共有結合せ
しめたものである。従って、溶解型の殺菌剤とは異な
り、殺菌剤成分が被処理水中に溶出することはなく、殺
菌剤成分を担体とともに回収することも可能であるとい
う顕著な特徴を有する。
【0014】 従前の固定化殺菌材を使用する殺菌方法
においては、殺菌剤成分の殺菌剤の回収を容易にするべ
く、担体を比較的大きな板状にして被処理水中に直接投
入したり、或いは既述の如く担体を粒状としてカラムに
充填する方法等が一般的であった。しかしながら、本発
明の殺菌方法においては微粒子状の担体に殺菌剤成分を
固定化した固定化殺菌材を使用する。微粒子化した固定
化殺菌材は溶解型の殺菌剤と同様に、被処理水系に直接
投入することも可能であり、殺菌剤成分を被処理水系全
体に分散せしめることができるからである。
【0015】 但し、従前のようなガラスビーズを微粒
子化した場合には、固定化殺菌材の回収が困難となるの
は必至である。そこで、本発明の殺菌方法においてはフ
ェライト微粒子を担体とする固定化殺菌材を使用するこ
ととした。フェリ磁性を示すフェライトを担体とすれ
ば、固定化殺菌材を磁石により容易に回収できるからで
ある。
【0016】 上記のような殺菌方法によれば、溶解型
殺菌剤を使用する殺菌方法と同様に被処理水系全体に殺
菌剤成分を分散させることができるため、貯水槽や循環
配管等に付着繁殖した細菌類についても殺菌可能であ
る。また、殺菌を行った後は固定化殺菌材を磁石により
回収することができるため、溶解型殺菌剤を使用する殺
菌方法のように殺菌剤成分が被処理水中に残留したり、
環境中に排出されることもない。
【0017】 本発明の殺菌方法の対象となる水系につ
いては、特に限定されないが、大規模な循環系を有す
る、冷却水、冷温水、蓄熱水、スクラバー水等の工業用
水系、或いは給湯水、加湿器用の水、循環式浴用水、温
泉水、プール水、噴水等の修景水、植物工場における水
耕栽培用の培養液等に対して特に好適に用いることがで
きる。また、本発明の殺菌方法に使用する固定化殺菌材
は、従前の固定化殺菌材とは異なり担体が微粒子である
ため、担体の単位重量当たりの殺菌剤固定化量を増加さ
せることができるという特徴がある。従って、極微量で
も溶解型殺菌剤に匹敵するような高い殺菌効果を得るこ
とができ、105(個/ml)以上の比較的生菌数が高
い水系を殺菌対象とすることも可能である。
【0018】 以下、本発明の殺菌方法に好適に使用す
ることができる固定化殺菌材について更に詳細に説明す
る。本発明の固定化殺菌材は、フェライトからなる担体
微粒子に殺菌剤分子を固定化してなる固定化殺菌材、具
体的には殺菌剤の殺菌活性に寄与しない分子末端を共有
結合により担体微粒子の表面上に固定化した固定化殺菌
材である。
【0019】 担体として用いるフェライトは、一般式
IIO・Fe23で示される2価の金属塩である。二価
の金属たるMIIとしてはMn,Fe,Co,Ni,C
u,Zn,Mg,Cd等が挙げられるが、MIIがFeで
あるFe34(マグネタイト:磁鉄鉱)は最も代表的な
フェライトであり入手容易であることから、本発明の固
定化殺菌材においても好適に用いることができる。
【0020】 担体微粒子の粒径については、0.01
μm以上のものを使用することが好ましい。粒径があま
りに小さくなるとフェライトがフェリ磁性を示さなくな
るためである。一方、殺菌材の分散性を確保し、また、
担体の単位重量当たりの殺菌剤固定化量を増加せしめる
という観点からは担体微粒子の粒径が小さい方が好まし
い。具体的には粒径が20μm以下のものを使用するこ
とが好ましく、1.0μm以下のものを使用することが
更に好ましい。
【0021】 担体に固定化する殺菌剤としては、担体
表面に固定化した後も殺菌効果を示す殺菌剤、即ち、殺
菌活性部位が細胞表面と接触するのみで強い殺菌作用を
示す殺菌剤を使用することが必要である。即ち、抗生物
質や有機金属化合物のように細菌類の細胞内に移行した
後に細胞内物質に作用する類の殺菌剤は、担体への固定
化により殺菌効果が失活するため、使用することができ
ない。
【0022】 上記条件を満たす殺菌剤としては第四級
アンモニウム塩、ベタイン、アルキルアミン、アルキル
アミド、ヒドロキシフェニル及びビグアナイド等が挙げ
られるが、第四級アンモニウム塩を使用することが好ま
しい。第四級アンモニウム塩は、他の殺菌剤と比較し
て、広範囲な抗菌スペクトルを有し、殺菌速度が速く、
短時間で細菌を死滅させることが可能であるという利点
を有するからである。
【0023】 第四級アンモニウム塩は、一般に、窒素
原子に4つのアルキル基、アリール基等の炭化水素基が
結合したアンモニウムイオンと、ハロゲンイオン、硫酸
イオン等とが塩を形成してなる化合物であるが、ピリジ
ン、ピペリジン、キノリン等の複素環化合物の窒素原子
を四級化したものも包含される。
【0024】 第四級アンモニウム塩の細菌類に対する
殺菌機構は、負に帯電している細菌類の細胞表層を、正
に帯電している窒素原子に電気的に吸着した後、疎水性
相互作用により細胞表層を破壊し、細胞内物質を漏洩さ
せることにより死滅に至らしめるものであるとされてい
る。
【0025】 従って、殺菌剤として用いる第四級アン
モニウム塩は、少なくとも1つの疎水基を有しているこ
とが必要であり、通常は、下記の一般式(I)に示すよう
にオクチル、ラウリル、セチル、ステアリル等の炭素数
6以上の高級アルキル基RLを有している。細菌類との
疎水性相互作用を変化させる高級アルキル基RLの鎖長
が、殺菌活性との相関を示すことが知られており、直鎖
のアルキル基であれば炭素数が8〜18であることが好
ましい。
【0026】
【化1】
【0027】 他の置換基については特に限定されない
が、R1,R2,R3はメチル基、エチル基、プロピル基
等の炭素数1乃至3個の低級アルキル基、Xはハロゲン
原子により構成されるのが一般的である。
【0028】 具体的には、ベンザルコニウムクロライ
ド、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド、セチル
ピリジニウムクロライド、ヨウ化N−アルキルキノリウ
ム、ヨウ化N−メチル−N−アルキルピペリジニウム、
ヨウ化N−アルキル−3−カルバモイルピリジニウム等
が担体に固定化する第四級アンモニウム塩として使用で
きる。
【0029】 殺菌剤分子を担体に固定化する方法につ
いては特に限定されず、担体或いは殺菌剤分子の化学構
造により適宜選択すればよい。本発明において担体とし
て用いているフェライトは親水性で表面に水酸基を有し
ていると考えられている(「高分子薬剤入門」藤本武彦
監修、三洋化成株式会社、510頁)。従って、カルボ
キシル基を有する殺菌剤であればエステル化反応によ
り、水酸基を有する殺菌剤であればエーテル化反応によ
り担体に固定化することができる。
【0030】 但し、固定化の方法としては、シランカ
プラを用いた固定化が好ましい。シランカプラは、比較
的温和な条件で、相互に反応し難い無機質材料と有機質
材料との間に強い化学結合を形成することができるた
め、フェライトからなる担体と有機質材料である殺菌剤
分子との固定化に好適に用いることができるからであ
る。なお、シランカプラとは、A−(CH2)n−SiB
3の一般式で示される有機ケイ素化合物であって、Aに
は有機質材料と反応し易いビニル基、エポキシ基、アミ
ノ基等、Bには無機質材料と反応し易いアルコキシ基、
ハロゲン等が導入された化合物である。
【0031】 シランカプラを用いた固定化は、例えば
以下に示す方法により実施できる。まず、少なくとも1
つの高級アルキル基RLを有するトリアルキルアミン(I
I)と、ハロアルキル基を有するトリアルコキシシラン
誘導体(III)とを溶媒中で加熱反応して、シリル化さ
れた第四級アンモニウム塩(IV)に誘導する。次いで、
第四級アンモニウム塩(IV)を加熱下で溶媒を除去しな
がら担体と反応させることにより固定化殺菌材(V)を
得ることができる。
【0032】
【化2】
【0033】 なお、第四級アンモニウム塩のシリル化
物(IV)は市販されているため、本発明の固定化殺菌材
に好適に用いることができる。このような観点からも担
体微粒子に固定化する殺菌剤は第四級アンモニウム塩で
あることが好ましい。
【0034】
【実施例】 以下、本発明の固定化殺菌材について実施
例により更に詳細に説明する。本実施例においては、フ
ェライト微粒子に第四級アンモニウム塩を固定化した固
定化殺菌材を作製した。但し、本発明は下記の実施例に
限定されるものではない。
【0035】(実施例1)市販の3−(トリメトキシシ
リル)プロピルジメチルオクタデシルアンモニウムクロ
ライドの42重量%メタノール溶液を純水で希釈してな
る0.3重量%第四級アンモニウム塩溶液に、平均粒径
0.3μmのフェライト微粒子(商品名:CWM−30
5、戸田工業株式会社製)を3時間浸漬した後、純水で
洗浄し、80℃で24時間真空乾燥することにより固定
化殺菌材たる殺菌材Aを得た。
【0036】(実施例2)担体として平均粒径20μm
のフェライト微粒子(商品名:CWM−305、戸田工
業株式会社製)を使用した以外は、実施例1と同様にし
て固定化殺菌材たる殺菌材Bを得た。
【0037】(比較例1)比較例1として、ガラスビー
ズに第四級アンモニウム塩を固定化した固定化殺菌材を
作製した。担体として平均粒径500μmのガラスビー
ズ(商品名:ホワイトビーズ、株式会社東新理興製)を
使用した以外は、実施例1と同様にして固定化殺菌材た
る殺菌材Cを得た。
【0038】(評価)上述のように調製した固定化殺菌
材A,B及びCについて殺菌剤の固定化量、殺菌効果、
回収性について評価した。
【0039】 殺菌剤の固定化量については、以下に示
す方法により評価した。まず、固定化殺菌材1gを0.
1%ブロモフェノールブルー(以下、「BPB」とい
う。)中で1時間撹拌し吸着させた後、担体表面に付着
したBPBを洗浄して除去し、担体に吸着したBPBの
みを10%食塩水で抽出した。
【0040】 当該抽出液の吸光度を分光光度計にて測
定し、BPBの吸着量を求めこれを換算することにより
殺菌剤の固定化量を算出した。その結果、単位重量当た
りの殺菌剤固定化量は、表1に示すように殺菌材Aは殺
菌材Cの2500倍、殺菌材Bは殺菌材Cの500倍で
あった。
【0041】
【表1】
【0042】 殺菌効果については、以下に示す方法に
より評価した。大腸菌を105/mlの濃度で懸濁した
懸濁液30mlに所定量の殺菌材を添加し、37℃にお
いて160rpmで24時間振とうした後、JIS K0102
72.3の方法に準拠して生菌数(CFU/ml)を計数し
た。
【0043】 その結果、表2に示すように添加量10
mgでは殺菌材Aが99.99%以上、殺菌材Bでは9
9%以上を殺菌でき、添加量100mg以上では殺菌材
A,Bともほぼ完全に殺菌できたのに対し、殺菌材Cで
は添加量を1000mgとしても98%しか殺菌でき
ず、殺菌効果が不十分であった。
【0044】
【表2】
【0045】 殺菌材の回収性については、波長660
nmにおける濁度を分光光度計を用いて測定することに
より行った。即ち、1gの殺菌材Aを100mlの水に
懸濁して懸濁液を調製し、当該懸濁液を注入したビーカ
を12000ガウスの磁石の上に載置して10秒間静置
し、その上澄み液の濁度を測定した。
【0046】 その結果、表3に示すように、静置のみ
では10分経過しても濁度の低下は不十分であり、遠心
分離によれば濁度は低下するものの10分間の時間を必
要とするのに対し、磁石による回収では僅か10秒間の
回収操作により速やかに濁度が低下し、殺菌材Aがほぼ
完全に回収された。
【0047】
【表3】
【0048】
【発明の効果】 以上説明したように、本発明の殺菌方
法は、溶解型殺菌剤を使用する殺菌方法と同様に被処理
水系全体に殺菌剤成分を分散させることができ、貯水槽
や循環配管等に付着繁殖した細菌類についても殺菌可能
である。
【0049】 一方、殺菌を行った後は固定化殺菌材を
磁石により回収することができるため、溶解型殺菌剤を
使用する殺菌方法のように殺菌剤成分が被処理水中に残
留したり、環境中に排出されることもない。更に、本発
明の殺菌方法に使用する固定化殺菌材は、担体を微粒子
化し、担体の単位重量当たりの殺菌剤固定化量を増加せ
しめたため、極微量の使用でも溶解型殺菌剤に匹敵する
ような高い殺菌効果を得ることができる。
【0050】 従って、本発明の殺菌方法は、10
5(個/ml)程度以上と比較的生菌数が高く、かつ、
大規模な循環系を有する、冷却水、冷温水、蓄熱水、ス
クラバー水等の工業用水系に対して、特に好適に用いる
ことができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/50 540 C02F 1/50 540D 540F A01N 25/08 A01N 25/08 25/24 25/24 33/12 101 33/12 101 A61L 2/16 A61L 2/16 Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェライトからなる担体微粒子に殺菌剤
    分子を固定化してなる固定化殺菌材を、殺菌対象となる
    水系に投入し、分散させることにより、当該水系全体を
    殺菌することを特徴とする殺菌方法。
  2. 【請求項2】 担体微粒子の粒径が0.01〜20μm
    である固定化殺菌材を使用する請求項1に記載の殺菌方
    法。
  3. 【請求項3】 担体微粒子に第四級アンモニウム塩を固
    定化した固定化殺菌材を使用する請求項1又は2に記載
    の殺菌方法。
  4. 【請求項4】 殺菌剤の殺菌活性に寄与しない分子末端
    を、フェライトからなる担体微粒子に共有結合してなる
    ことを特徴とする固定化殺菌材。
JP11182946A 1999-06-29 1999-06-29 固定化殺菌材を用いた殺菌方法及び固定化殺菌材 Withdrawn JP2001009464A (ja)

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JP2019515873A (ja) * 2016-02-25 2019-06-13 ノビオ リミテッド 抗微生物活性基を含むマイクロまたはナノ粒子組成物

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