JP2021186812A - 消毒剤、消毒方法および消毒剤キット - Google Patents

消毒剤、消毒方法および消毒剤キット Download PDF

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Abstract

【課題】病原性細菌の付着した泥、その他の対象物を滅菌、殺菌したり、ウイルスの増殖を抑制したりすることができる消毒方法を提供する。【解決手段】本発明の消毒方法は、塩化カルシウムと炭酸化合物とを混合して生成させた炭酸カルシウムの水溶液を対象物に接触させる工程を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、消毒剤、消毒方法および消毒剤キットに関する。
地震に伴う津波や、集中豪雨に伴う河川の氾濫により下水があふれた場合、下水に含まれる病原性細菌が、津波や氾濫が引いた後の、住宅地などに堆積した泥に付着する。泥は、乾燥して一部が粉末化し、空気中に舞い上がる。空気中の病原性細菌の付着した泥粉末を吸い込むと肺炎等の細菌性の感染症を招くおそれがある。したがって、泥に付着した細菌を殺菌する消毒策が求められている。
また、病原性細菌だけでなく、SARSやMERSや新型コロナ感染症のように、ウイルス性の感染症の対応策が求められている。
従来、鳥インフルエンザや豚コレラ等の家畜のウイルス性感染症の予防対策として、畜舎や車両や靴を、消石灰で消毒している。消石灰は安価な点はよいが、病原性細菌の付着した泥の殺菌に適用する場合には、水への溶解度が小さくので消石灰粉末が残存し、一部は空気中に舞い上がり、目などに触れるおそれがある。
本発明は、病原性細菌の付着した泥、その他の対象物を滅菌、殺菌したり、ウイルスの増殖を抑制したりすることができる消毒剤、消毒方法及び消毒剤キットを提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、塩化カルシウム水溶液や、塩化カルシウムと炭酸水素ナトリウムのような炭酸化合物を混合して生成させた炭酸カルシウム水溶液が、殺菌作用やウイルス増殖抑制効果を有することを見出し、そこから更に研究開発を進めた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[10]である。
[1]塩化カルシウム粉末または水溶液からなる消毒剤、
[2]対象物に、塩化カルシウムの粉末又は水溶液を接触させる工程を備える消毒方法、
[3]塩化カルシウムと炭酸化合物とを混合して生成させた炭酸カルシウムの水溶液を対象物に接触させる工程を備える消毒方法、
[4]対象物に、塩化カルシウムの粉末又は水溶液及び炭酸化合物を含む粉末、水溶液または気体を接触させる工程を備える消毒方法、
[5]対象物に塩化カルシウムの粉末又は水溶液を接触させ、その後に炭酸化合物を含む粉末、水溶液又は気体を接触させる工程を備える[4]の消毒方法、
[6]前記炭酸化合物が、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム又は二酸化炭素である[3]〜[5]のいずれかの消毒方法、
[7]塩化カルシウムの粉末又は水溶液を収容した容器と、炭酸化合物の粉末、水溶液又は気体を収容した容器との組み合わせからなる消毒剤キット、
[8]塩化カルシウム粉末と炭酸化合物とを含む消毒剤、
[9]前記炭酸化合物が、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム又は二酸化炭素である[8]の消毒剤、
[10]塩化カルシウムの粉末又は水溶液からなる消臭剤。
本発明によれば、病原性細菌の付着した泥、その他の対象物を滅菌、殺菌したり、ウイルスの増殖を抑制することができる。
実験1の原料の採取法を説明する写真である。 実験1の実験結果を試験管の濁度で示す写真である。 実験2の結果を示す蛍光顕微鏡写真である。 実験3の結果を培養時間と吸光度との関係で示すグラフである。 実験4の結果を培養時間と吸光度との関係で示すグラフである。 実験5の結果をバイアル中の試験液の濁り具合を示す写真と共に示す図である。 実験6の試料を示す写真である。
以下、本発明の消毒剤、消毒方法、消毒剤キット及び消臭剤を、より具体的に説明する。本発明において、「消毒」とは、人体に有害な菌の殺菌や、ウイルスの不活化をいう、
本発明者らは、放射性物質を含む土壌の処理方法として、ハロゲン化バリウムの粉末又は水溶液と、アルカリ金属の硝酸塩の粉末又は水溶液とを土壌に添加することにより、放射能汚染土壌中において放射性物資が吸着している粘土鉱物の表面を放射性遮蔽性の硫酸バリウム層で被覆し、これにより放射性物質の放射線量をさせる発明をし、特許出願を行った(特開2019−101039号公報)。
そして、かかる放射性物質を含む土壌の処理方法とは異なる新たな技術分野として、消毒剤及び消毒方法について研究を進めた結果、塩化カルシウムと炭酸水素ナトリウムとを混合して生成させた炭酸カルシウムを用いることにより、病原性細菌を殺菌することができ、またウイルスの増殖を抑制することができることを見出した。そこから更に研究を重ねた結果、炭酸水素ナトリウムの代わりに炭酸ナトリウムや二酸化炭素を用いても同様の効果があること、上記塩化カルシウムのみでも病原性細菌の殺菌やウイルスの増殖抑制の効果があること、更に、上記塩化カルシウムは、消臭することができることをも併せて見出した。本発明は、上記の知見に基づくものである。
(炭酸カルシウムを用いた消毒方法)
まず、炭酸カルシウムを用いた消毒方法をより具体的に説明する。
炭酸カルシウムを用いた消毒方法の一実施形態は、塩化カルシウムと炭酸化合物とを混合して生成させた炭酸カルシウムを対象物、例えば病原性細菌が付着した泥、ウイルス感染の可能性がある人の嘔吐物や畜産場等に接触させる工程を備える。ここに、「接触させる」とは、対象物に炭酸カルシウムを散布する、炭酸カルシウム溶液をスプレーにより噴霧する、対象物と炭酸カルシウムとを混合する、対象物を炭酸カルシウム溶液中に浸漬する、ことを含む。ここに、上記炭酸化合物は、炭酸カルシウムを含まず、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム又は二酸化炭素であることが好ましい。
また、別の実施形態は、対象物に、塩化カルシウムの粉末又は水溶液及び炭酸化合物の粉末、水溶液又は気体を接触させる工程を備える。ここに、「接触させる」とは、対象物に塩化カルシウム粉末又は溶液、及び炭酸化合物の粉末、水溶液又は気体を散布する、塩化カルシウム溶液、及び炭酸水素ナトリウム溶液又は二酸化炭素気体をスプレーにより噴霧する、対象物と塩化カルシウム及び炭酸化合物とを混合する、対象物を塩化カルシウム溶液中及び炭酸水素ナトリウム溶液中又は炭酸ナトリウム溶液に浸漬する、ことを含む。ここに、上記炭酸化合物は、炭酸カルシウムを含まず、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム又は二酸化炭素であることが好ましい。
塩化カルシウムは、粉末の形態で用意してもよく、水溶液の形態で用意してもよい。また、炭酸水素ナトリウムと炭酸ナトリウムは、粉末の形態で用意してもよく、水溶液の形態で用意してもよい。二酸化炭素は、気体の形態で用意してもよく、水溶液の形態で用意してもよい。もっとも、後述するように、塩化カルシウムは粉末の形態であることが、病原性細菌の殺菌やウイルスの増殖抑制の効果の観点から、より好ましい。水溶液は水道水または海水で効果は変わらない。
塩化カルシウムと炭酸化合物とから炭酸カルシウムを生成させる反応は、水中で行われるため、反応させる原料又は反応させる場に水分が必要である。そのため、原料の塩化カルシウム及び炭酸化合物のうちの少なくとも一方が水溶液の形態である場合には、その水溶液を反応時の水分として用いることができる。また、塩化カルシウム及び炭酸化合物のいずれも粉末の形態である場合には、原料として別途に水を用意するか、反応させる場、具体的には殺菌病原性細菌やウイルスが付着した対象物、例えば泥粉末にあらかじめ水を添加することができる。既に水がある場では水の添加は不要である。水は、水道水や海水でもよい。
殺菌病原性細菌やウイルスが付着した対象物に、原料の塩化カルシウムと炭酸水素ナトリウム化合物とを接触させる順序は、塩化カルシウムが先で、炭酸化合物が後の場合であっても、また、炭酸化合物水素ナトリウムが先で塩化カルシウムが後の場合であっても、さらに塩化カルシウムと炭酸化合物とが同時の場合であっても、病原性細菌を殺菌し、ウイルスの増殖を抑制する効果が得られることが本発明者らの研究により判明している。したがって、上述したいずれの順序でもよい。
もっとも、本発明者らの研究によれば、塩化カルシウムと炭酸化合物とを接触させる順序により、病原性細菌を殺菌し、ウイルスの増殖を抑制する効果の程度は異なっていた。これは本発明者らにより得られた新たな知見である。塩化カルシウムが先で、炭酸化合物が後の場合のほうが、炭酸化合物が先で塩化カルシウムが後の場合や、塩化カルシウムと炭酸化合物とが同時の場合に比べて、優れた効果が得られた。したがって、対象物に対して、塩化カルシウムを先に接触させ、次に炭酸化合物を接触させることが好ましい。
塩化カルシウムと炭酸化合物とを混合して生成させた炭酸カルシウムの水溶液による殺菌やウイルス増殖抑制の作用は、本発明者らは、実証実験の結果から次のように考えている。
(1)病原性細菌が付着した対象物を有する場において、塩化カルシウムと炭酸化合物とを加えて炭酸カルシウムをその場で生成すると、この炭酸カルシウムに、病原性細菌が包み込まれることが実験により確認された。このような態様により、生成した炭酸カルシウムに病原性細菌が封じ込まれることにより、殺菌効果があるものと考えられる。
(2)また、塩化カルシウムを加えた水溶液は中性を示し、カルシウムイオン(Ca2+)が生体分子、すなわち、本発明の消毒方法においては病原性細菌を変性させる。この塩化カルシウムの添加による病原性細菌の変性によっても、殺菌効果があるものと考えられる。
(3)さらに、塩化カルシウム粉末を病原性細菌が付着した対象物、例えば泥の水分散液に接触させると、塩化カルシウムが水に溶けるときに発熱する。この熱により病原性細菌が変性することによっても、殺菌効果があるものと考えられる。
上記(1)の生成した炭酸カルシウムに病原性細菌が封じ込まれることによる基本的な殺菌効果に加えて、上記(2)の、特に塩化カルシウムを、炭酸化合物よりも先に添加した場合には、塩化カルシウムの添加による病原性細菌の変性による殺菌効果が得られ、さらに、上記(3)の、特に塩化カルシウム粉末で添加した場合には、塩化カルシウムが水に溶けるときの発熱による病原性細菌が変性によって殺菌効果が得られる。かかる基本的な殺菌効果及び付加的な効果の相乗により優れた殺菌効果が得られたものと考えられる。
また、本発明者らの実験により、塩化カルシウムと炭酸化合物とを混合して生成させた炭酸カルシウムの水溶液は、後述する実施例で示されるように、予想外にもウイルスの増殖を抑制することが判明した。
このような塩化カルシウムと炭酸化合物とを混合して生成させた炭酸カルシウムの水溶液による効果は、原理的にも新規なものと考えられる。
また、他の殺菌法と比較すると、次亜塩素酸ナトリウムや過酸化水素を用いた方法は原理的に活性酸素で生体分子を損傷させる殺菌法であり、また、エタノールや石鹸を用いた方法は、原理的に細胞膜を溶かす殺菌法であり、さらに、逆性石鹸を用いた方法は、原理的に生体分子に吸着して変性させる殺菌法である。しかしながら、これらの方法は、次亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素、エタノール、石鹸、逆性石鹸が比較的に高価であるため、費用対効果が良好ではなかった。また、生石灰を用いた方法は、原理的にアルカリ性になり生体分子を変性させるものである。しかしながら、生石灰は水に溶け難く、人体の目に入るおそれがある。また、次亜塩素酸等は塩素の臭いがあり、不快に感じる。
これに対して、塩化カルシウムと炭酸化合物と混合して生成させた炭酸カルシウムの水溶液は、塩化カルシウムも炭酸化合物も安価であり、また、安全性が高い。したがって、上述した他の殺菌法よりも費用対効果や安全性で優れている。
塩化カルシウムと炭酸化合物と混合して炭酸カルシウムを生成させるときの原料の塩化カルシウム及び炭酸化合物の配合は、水に可溶な範囲で配合量が多いほど殺菌及びウイルス増殖抑制(不活化)の効果がある。例えば塩化カルシウム水溶液と炭酸水素ナトリウム水溶液又は炭酸ナトリウム溶液とを混合するときに、塩化カルシウム水溶液中に塩化カルシウムは最大で5M添加することでき、炭酸水素ナトリウム水溶液中又は炭酸ナトリウム溶液中に炭酸水素ナトリウム又は炭酸ナトリウムは最大で1M添加することができる。5M塩化カルシウム水溶液中に炭酸水素ナトリウム又は炭酸ナトリウムは、炭酸カルシウムで除去される分を加味すると最大で6M添加することができる。1M炭酸水素ナトリウム水溶液中又は炭酸ナトリウム溶液中に塩化カルシウムは、炭酸カルシウムで除去される分を加味すると最大で6M添加することかできる。
また、殺菌法は0.1Mから効果が認められるが、塩化カルシウム水溶液中に塩化カルシウムは少なくとも2.5M程度を添加するのが好ましく、炭酸水素ナトリウム水溶液中の炭酸水素ナトリウム又は炭酸ナトリウム溶液中の炭酸ナトリウムも同様に0.1Mから殺菌法で効果が認められるが、少なくとも1M程度添加するのが好ましい。なお、塩化カルシウムと炭酸化合物との量比は、化学的量論比と同じでなくてもよく、塩化カルシウム溶解時の発熱効果やカルシウムイオンによる生体分子の変性効果を考慮して、炭酸化合物よりも、塩化カルシウムの量が過剰であってもよいし、塩化カルシウムの残留を防ぐ場合には、炭酸化合物の量が、塩化カルシウムの量よりも過剰であってもよい。後述するように塩化カルシウムのみでも消毒効果があるので、カルシウムとナトリウムとはモル比(Ca:Naで広範囲に含み得るが、0.4〜0.6:1程度が好ましい。
塩化カルシウムと炭酸化合物と混合して炭酸カルシウムを生成させた水溶液は、他の成分を含むことができる。他の成分は、例えばエタノールが挙げられる。
塩化カルシウムと炭酸化合物と混合して炭酸カルシウムを生成させた水溶液は、対象物、例えば泥1kgに対して10〜500cm程度の範囲で接触させることが好ましい。塩化カルシウム粉末と炭酸化合物粉末とを対象物に接触させる場合には、合計で例えば泥1kgに対して0.1〜5g程度の範囲で接触させることが好ましい。
(消毒剤)
炭酸カルシウムを用いた消毒方法を実施するために、カルシウム化合物と、炭酸化合物とを含む消毒剤を用意することができる。この消毒剤において、炭酸化合物は、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム又は二酸化炭素が好ましい。
塩化カルシウム及び炭酸水素ナトリウムの配合量、塩化カルシウム水溶液中の塩化カルシウム量、炭酸水素ナトリウム水溶液中の炭酸水素ナトリウム量、炭酸ナトリウム溶液中の炭酸ナトリウム量は、先に述べた消毒方法の用法に適合するように配合することができる。
(消毒剤キット)
上述した塩化カルシウムと炭酸化合物とを混合して生成させた炭酸カルシウムの水溶液を対象物に接触させる消毒方法を実施するために、また、上述した対象物に、塩化カルシウムの粉末又は水溶液及び炭酸化合物を含む粉末、水溶液または気体を接触させる消毒方法を実施するために、塩化カルシウムの粉末又は水溶液を収容した容器と炭酸水素ナトリウムの粉末又は水溶液を収容した容器との組み合わせからなる消毒剤キットを用意することができる。炭酸化合物は、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム又は二酸化炭素であることが好ましい。実施の一例では、この消毒剤キットの塩化カルシウムの粉末又は水溶液を収容した容器から塩化カルシウムの粉末又は水溶液を対象物に接触させ、次いで炭酸水素ナトリウム又は炭酸ナトリウムの粉末又は水溶液、又は気体二酸化炭素を収容した容器から炭酸化合物を接触させて消毒する。水溶液は水道水または海水で効果は変わらない。
(塩化カルシウムを用いた消毒方法)
次に、塩化カルシウムを用いた消毒方法をより具体的に説明する。
先に炭酸カルシウムを用いた消毒方法において述べたように、塩化カルシウムには殺菌作用がある。また、本発明者らの実験により、塩化カルシウム単独でもウイルス増殖の抑制効果が確認された。かかる効果を受けて、塩化カルシウムを用いて感染を防止する。
塩化カルシウムを用いた消毒方法の一実施形態は、塩化カルシウムの粉末又は水溶液を対象物、例えば病原性細菌が付着した泥、ウィルス感染の可能性がある人の嘔吐物や畜産場等に接触させる工程を備える。ここに、「接触させる」とは、対象物に塩化カルシウム粉末又は溶液を散布する、塩化カルシウム溶液をスプレーにより噴霧する、対象物と塩化カルシウムとを混合する、対象物を塩化カルシウム溶液中に浸漬する、ことを含む。
塩化カルシウムは、粉末の形態で用意してもよく、水溶液の形態で用意してもよい。もっとも、塩化カルシウムは水溶液の形態で対象物に作用させる。したがって、反応させる原料又は反応させる場に水分が必要である。そのため、原料の塩化カルシウム水溶液の形態である場合には、その水溶液を反応時の水分として用いることができる。また、塩化カルシウムが粉末の形態である場合には、原料として別途に水を用意するか、反応させる場、具体的には殺菌病原性細菌やウイルスが付着した対象物、例えば泥粉末にあらかじめ水を添加することができる。
塩化カルシウム水溶液による殺菌やウイルス増殖抑制の作用は、必ずしも明確に判明している訳ではないが、先に述べたように、本発明者らは、次のようなものと考えられる。
塩化カルシウムを加えた水溶液は中性を示し、カルシウムイオン(Ca2+)が生体分子、すなわち、本発明の消毒方法においては病原性細菌を変性させる。この塩化カルシウムの添加による病原性細菌の変性によっても、殺菌効果があるものと考えられる。
また、塩化カルシウム粉末を病原性細菌が付着した対象物、例えば泥の水分散液に接触させると、塩化カルシウムが水に溶けるときに発熱する。この熱により病原性細菌が変性することによっても、殺菌効果があるものと考えられる。
これらの殺菌効果とその相乗により優れた殺菌効果が得られたものと考えられる。また、本発明者らの実験により、塩化カルシウム水溶液は、予想外にもウイルスの増殖を抑制することが判明した。このような塩化カルシウム水溶液による効果は、原理的にも新規なものと考えられる。
また、他の殺菌法と比較すると、次亜塩素酸ナトリウムや過酸化水素を用いた方法は原理的に活性酸素で生体分子を損傷させるものであり、また、エタノールや石鹸を用いた方法は、原理的に細胞膜を溶かすものであり、さらに、逆性石鹸を用いた方法は、原理的に生体分子に吸着して変性させるものである。しかしながら、これらの方法は、次亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素、エタノール、石鹸、逆性石鹸が比較的に高価であるため、費用対効果が良好ではなかった。また、生石灰を用いた方法は、原理的にアルカリ性になり生体分子を変性させるものである。しかしながら、生石灰は水に溶け難く、人体の目に入るおそれがある。また、次亜塩素酸等は塩素の臭いがあり、不快に感じる。
これに対して、塩化カルシウムの水溶液は、塩化カルシウムが安価であり、また、安全性が高い。したがって、上述した他の殺菌法よりも優れている。
殺菌法は0.1Mから効果が認められるが、塩化カルシウム水溶液中の塩化カルシウムの配合は、水に可溶な範囲で配合量が多いほど殺菌及びウイルス増殖抑制(不活化)の効果がある。例えば塩化カルシウム水溶液中に塩化カルシウムは最大で5M添加することできる。また、塩化カルシウム水溶液中に塩化カルシウムは少なくとも2.5M程度添加するのが好ましい。
塩化カルシウム水溶液は、他の成分を含むことができる。他の成分は、例えばエタノールが挙げられる。
塩化カルシウム水溶液は、対象物、例えば泥1kgに対して10〜500cm程度の範囲で接触させることが好ましい。塩化カルシウム粉末を対象物に接触させる場合には、合計で例えば泥1kgに対して0.1〜5g程度の範囲で接触させることが好ましい。
(消毒剤)
塩化カルシウムを用いた消毒を実施するために、塩化カルシウムの粉末又は水溶液を容器に収容した消毒剤を用意することができる。実施の一例では、この消毒剤の塩化カルシウムの粉末又は水溶液を収容した容器から塩化カルシウムの粉末又は水溶液を対象物に接触させて消毒する。水溶液は水道水または海水で効果は変わらない。
(消臭剤)
上述した塩化カルシウムは、消臭効果を有するので、当該塩化カルシウムを含む粉末または水溶液の態様で消臭剤として用いることができる。
塩化カルシウムを用いた消毒方法の一実施形態は、塩化カルシウムの粉末又は水溶液を対象物、例えば台所の生ごみやトイレや畜産場等の酢酸、硫化水素、イソ吉草酸、ノネナール、アセトアルデヒト、アンモニア等が発生する悪臭元に接触させる工程を備える。ここに、「接触させる」とは、対象物に塩化カルシウムの粉末又は溶液を散布する、塩化カルシウムの溶液をスプレーにより噴霧する、対象物と塩化カルシウムとを混合する、対象物を塩化カルシウムの溶液中に浸漬する、ことを含む。
塩化カルシウム粉末又は水溶液による消臭の作用は、必ずしも明確に判明している訳ではないが、臭い発生する微生物の活動を抑制することで、後述する実施例で明らかなように、消臭効果は確認されている。
塩化カルシウムが粉末の場合は、対象物に適宜十分な量を直接振りかける等で接触させればよい。塩化カルシウム水溶液の場合は、塩化カルシウム水溶液中の塩化カルシウムの配合は1Mから消臭効果が認められるが、水に可溶な範囲で配合量が多いほど消臭効果がある。例えば塩化カルシウム水溶液中に塩化カルシウムは最大で5M添加することできる。また、塩化カルシウム水溶液中に塩化カルシウムは少なくとも2.5M程度添加するのが好ましい。
塩化カルシウム水溶液は、他の成分を含むことができる。他の成分は、例えばエタノールが挙げられる。また、硫化カルシウムを含むことができる。
塩化カルシウム水溶液は、対象物に上記濃度の水溶液を適宜十分な量で接触させることが好ましい。
<実験1.炭酸カルシウムによる病原性細菌の殺菌効果の評価>
(氾濫泥の用意)
実証実験用に、台風19号の5日後の2019年10月17日に神奈川県武蔵小杉駅周辺で下水と混じり氾濫した泥を採取した(図1)。実験には、採取した氾濫泥0.9gを、0.2μmのポリカーボネートフィルター(ミリポア社)で濾過した生理食塩水(0.9%NaCl)100mlに加えたものを用いた(実験1において「泥懸濁液」という。)。
(大腸菌の用意)
また、NaCl 10g、Bactotryptone10g、 Yeast extract 5gを800mlの滅菌水に溶解し、5N NaOH を0.2ml加えてpH 7.0に調製した後、オートクレーブによる滅菌処理をしたLB培地を用意した。このLB培地を用いて大腸菌(Escherichia coli NBRC13168)を培養した後、培養液100μlを5mlの生理食塩水に加えたものを殺菌実験に用いた(実験1において「大腸菌懸濁液」という。)。
(実験条件)
上記泥懸濁液又は大腸菌懸濁液を0.1mlから5mlをチューブに移し、1MのNaHCOと1MのCaClを表1に示す実験条件I〜IVで、最終濃度になるように、添加1、添加2の順番で、試料により添加する順番を変えて殺菌を行った。粉末の実験条件Vは懸濁液2mlに5Mになるように塩化カルシウムを加えた後、炭酸水素ナトリウムを添加した。比較例として、NaHCOとCaClを添加しない滅菌水を同様に添加後、室温にて1時間静置した(実験1において、本実験条件に従って処理した泥懸濁液又は大腸菌懸濁液を、「試験液」という。)。
Figure 2021186812
次に実験条件I〜Vの各試験液と、比較例の試験液それぞれ100μlを、LB培地が1ml入った試験管中で、10−1から10−8になるよう希釈し、30℃で1日培養を行った後の濁度(波長:600nm)を測定し、微生物の増殖の有無を判断した。図2には希釈段階に1から8の番号を振った。その結果を比較例に対する濁度の低下割合で表1に併記する(例えば、比較例では、10−8まで希釈したものでも微生物の増殖が見られたのに対して、試験液の場合、10−8まで希釈したものは微生物の増殖が見られず、10−7まで希釈したものでは微生物の増殖が見られた場合、表1の数値は、「10−1」となる。)。図2中の「1」が、試験液を10−1に希釈したものであり、番号が一つ増えるごとに希釈率が10倍となり、「8」が、試験液を10−8に希釈したものに相当する。図2は、実験条件Vの結果を示す写真である。図2の写真中、試験管内の培地が濁っているものが、微生物が増殖したことを表し、培地が透明な場合には、微生物が増殖しなかったことを表す。
表1から、実験条件Iの実験では、炭酸カルシウムにより処理したものと処理しないものとの比較から、大腸菌は10−1、氾濫泥は10−2の殺菌効果があることが判明した。特に大きな殺菌効果は、5MのCaClを添加した実験条件IVで認められた。次に、粉末で添加した実験条件Vでは、塩化カルシウムの添加時に懸濁液が熱くなり、その効果が加味されて効率的に殺菌することに成功した。
実験条件I〜Vの結果から、NaHCO及びCaClの添加の順序に関係なく、殺菌効果が得られることが分かった。また、NaHCO及びCaClの濃度は、0.1Mであっても殺菌効果が確認され、5Mではより強い殺菌効果が得られた。さらに、実験Vから、NaHCO、CaClを粉末で用いても殺菌効果が得られることが裏付けられた。
<実験2.炭酸カルシウムへの大腸菌封じ込め状態の評価>
(大腸菌Escherichia coli(NBRC13168)の培養)
LB培地100mlを300ml三角フラスコでオートクレーブした。次いでオートクレーブ後の培地にEscherichia coli(以下、「E.coli」という。)のグリセロールストックを800μlずつ添加し、30℃で撹拌しながら培養した。この培地の濁度(OD)を吸光度計(波長600nm)で、0.5h毎に測定した増殖曲線を作成した。
(E.coliの回収・洗浄・懸濁)
ODが0.3付近に達するころで、50mlチューブに培地を回収し、遠心分離(10000rpm、10分)を行った。回収後、0.9%NaCl(10ml)に懸濁させて3回洗浄し、最終的に10mlの懸濁液とした。
(炭酸カルシウムによる殺菌実験)
15mlエッペンチューブに懸濁液を2mlとり、粉末状のCaClを5M溶解させ、すぐにボルテックスで十分に撹拌した(30sec〜1min)。その後1時間静置した。次に、粉末状にしたNaHCOを5M溶解させて、同様にボルテックスで十分に撹拌した(30sec〜1min)。1時間静置して生成した炭酸カルシウム沈殿させた後、再度ボルテックスで全体が均一になるように撹拌した。
(大腸菌の炭酸カルシウム封じ込め状態の確認)
炭酸カルシウム処理をした懸濁液2mlをエッペンチューブに移し、遠心分離後に上澄みを取り除き、残ったペレットを4%低融点アガロース(1ml)を加えて固めた。1辺が2mm程度のブロックに切り出し、100%エタノールで3回脱水した後、Resin(London Resin CO. Ltd., Aldermaston, England)に段階的に置換した。モルド中で真空引きをした後、Acceleratorを添加し室温で樹脂を固めた。固めた樹脂からウルトラミクロトームで厚さ3μmの薄片を作製し、SYBR−GREENIで染色し、蛍光顕微鏡で観察を行った。
(結果)
図3に、蛍光顕微鏡観察の結果を示す。図3から、大腸菌が炭酸カルシウムの結晶に封じ込められていることを確認できた。このことから、大腸菌の封じ込めが、本発明の殺菌効果に寄与している可能性が考えられた。
<実験3.炭酸カルシウムのウイルスの感染能力の影響評価>
(大腸菌Escherichia coli phageの感染)
大腸菌の増殖がOD0.3付近に達したところで、phage T4 (NBRC 20004)を感染させ、3時間培養後に回収し、phageT4に感染させた大腸菌のグリセロールストックを作製した。
上記の条件でODが0.3付近まで培養した大腸菌にphage T4に感染させ、3時間培養した後に遠心分離で回収し、0.9% NaCl溶液で洗浄後に懸濁液を作成した。
phage T4に感染させた大腸菌の懸濁液に炭酸カルシウム処理(CaCl、NaHCOともに5M)したものと、処理してないものを作成した(「試験液」という。)。次に、各試験液を、新たに培養した感染してない大腸菌の増殖がOD0.3付近になったところで1%添加し、その後の増殖を測定した。また、比較として、何も添加してない大腸菌の増殖も測定した。
(結果)
炭酸カルシウム処理をしてない試験液を添加した場合は、phage T4による感染により、大腸菌の増殖が停止した(図4)。
炭酸カルシウム処理をした試験液を添加した場合は、phage T4の感染能力が喪失したことにより、大腸菌は増殖を続けた。
何も添加してないものは、炭酸カルシウム処理をした試験液を添加した場合と同様に増殖した。
以上の結果から、炭酸カルシウム処理がウイルスの消毒効果があることが確認された。
<実験4.塩化カルシウムのウイルスの感染能力の影響評価>
上述した実験3における炭酸カルシウム処理と同一の条件で、炭酸カルシウム処理に代えて、5M塩化カルシウムの粉末又は水溶液を1分間、大腸菌に感染したphage T4を反応させ、その後5MNaHCOの粉末を添加した場合と添加しない場合で実験を行った。その結果を図5に示す。
図5から、塩化カルシウム処理を行うことによっても、炭酸カルシウム処理と同様に、ウイルスの消毒効果があることが確認された。
<実験5.50% 塩化カルシウムCaClによる泥の殺菌効果の評価>
(泥の用意)
実証実験には、小石川植物園(東京都文京区)内の池の底に堆積する泥を用いた。
(培地の用意)
また、NaCl 10g、Bactotryptone 10g、Yeast extract 5gを800mlの滅菌水に溶解し、5N NaOH を0.2ml加えてpH 7.0に調製した後、オートクレーブによる滅菌処理をしたLB培地を用意した。)。
(殺菌用溶液の用意)
上記泥試料1.0mlをバイアル瓶に移し、実施例として5mlの生理食塩水に塩化カルシウムを50%の濃度になるように加えて作成した溶液を作成した(図6の実験条件1)。さらに、比較例として、次に示す実験条件2〜8で作成した溶液を作成し、それぞれ、上記泥試料1.0mlを移したバイアル瓶に加えた。泥に溶液を添加した各試料は、室温にて1時間静置した。
実験条件2:3×PBS(リン酸緩衝生理食塩水)
実験条件3:70%エタノール
実験条件4:1×ホルマリン、3×PBS
実験条件5:生理食塩水に添加後、オートクレーブ1回
実験条件6:生理食塩水に添加後、オートクレーブ2回
実験条件7:50ppm次亜塩素酸ナトリウム、生理食塩水
実験条件8:1%塩化ベンザルコニウム、生理食塩水
次に実験条件1〜8の各試験液と、比較例の試験液それぞれ100μlを、LB培地が1ml入った試験管中で、10、10−1、10−2、10−3、10−4、10−5になるよう希釈し、30℃で1日培養を行った後の濁度(波長:600nm)を測定し、微生物の増殖の有無を判断した。希釈率が低いものから高いものの6段階の試験液について、微生物の増幅が見られなかったものをマル判定とし、そのマルの数で殺菌の効果を判定した。図6は、実験条件1(50%塩化カルシウムを添加)の実施例及び実験条件2〜8の比較例の結果を示す表を、バイアル中の試験液の濁り具合を示す写真と共に示す図である。図6の写真中、試験管内の培地が濁っているものが、微生物が増殖したことを表し、培地が透明な場合には、微生物が増殖しなかったことを表す。
図6から、実験条件1の実験では、塩化カルシウムにより処理したものと処理しないものとの比較から、泥に対して10−4の殺菌効果があることが判明した。この殺菌効果は、70%エタノールや1%塩化ベンザルコニウムを添加した条件と同様だった。
上記実験に用いた、池から採取した泥は、わずかではあるが臭いがあった。培養後、殺菌処理されなかった泥試料では、微生物の増殖と活動の影響でさらに臭いが強くなった。実験条件5(1×ホルマリンを添加)では、殺菌効果は確認できたが、泥とホルマリンの臭いが残っていた。一方、塩化カルシウムで殺菌処理した実験条件1の泥は、培養後に泥の臭いが消えていた。このことにより、塩化カルシウムには、殺菌だけではなく消臭効果があることも確認された。
<実験6.塩化カルシウムCaClによる消臭効果の評価>
(消臭する試料の用意)
実証実験には、東京大学(本郷)敷地内のイチョウの実が熟して、臭いが強く、落下したものを用いた。イチョウの実は、ペッスルとチューブを用いて擦り潰してから、5.0gをスクリュー管瓶に詰めた。
(消臭実験試料の調整)
上記の試料を詰めたスクリュー管瓶に、塩化カルシウムの粉末を5.0g添加したものを2つ用意し、1つは4℃(試験条件1a)、もう1つは30℃(試験条件1b)で、それぞれ5週間静置した。50%塩化カルシウム溶液5mlを上記のスクリュー管瓶に添加したものを2つ用意し、1つは4℃(試験条件2a)、もう1つは30℃(試験条件2b)で、それぞれ5週間静置した。
表2に比較用の添加物なしを含めた実験条件を示した。図7に、イチョウの実を詰めて消臭用の試薬を添加した又は添加しなかったスクリュー管瓶の写真を示した。
被験者6人(20〜40代 男女)で官能試験を行い、5週間後の臭いの強さを5段階に振り分け、段階順に0から4の番号を振った。その結果を基準試料3a(試薬を添加せずにイチョウのみを4℃に静置)に対する消臭効果の強さとして、表2に併記した(例えば、基準試料3aでは、5週間で臭いの強さが変化せず、変化しない場合は消臭効果1とし、臭いが強くなった場合は0、消臭効果が得られた場合は2−4とした。すなわち、数字が大きいほど消臭効果が大きいことを示す。)。
Figure 2021186812
4℃で5週間静置した各試料は、変色等の見た目上での変化は確認されなかった。官能試験の結果、条件1aの塩化カルシウムの粉末を加えた試料と、条件2aの50%塩化カルシウム溶液を加えた試料を静置したものは、基準条件3aの試料に比べ、臭いが抑えられていた。無添加で静置した基準条件3aの試料は、実証試験開始時とほぼ同じ強さの臭いだった。
30℃に5週間静置した各試料は、4℃に静置した試料と同様に、変色等の見た目上での変化は確認されなかった。条件1bの塩化カルシウム粉末を加えたものは、実験開始時に比べて臭いが抑えられていた。条件2bの50%塩化カルシウム溶液を加えたものは、条件1bよりさらに臭いが抑えられていた。条件3bの無添加で静置したものは、実証試験開始時よりさらに臭いが強くなった。
塩化カルシウム粉末および50%塩化カルシウム溶液に、消臭効果が確認された。塩化カルシウムは50%溶液より粉末で消臭効果があった。

Claims (10)

  1. 塩化カルシウム粉末または水溶液からなる消毒剤。
  2. 対象物に、塩化カルシウムの粉末又は水溶液を接触させる工程を備える消毒方法。
  3. 塩化カルシウムと炭酸化合物とを混合して生成させた炭酸カルシウムの水溶液を対象物に接触させる工程を備える消毒方法。
  4. 対象物に、塩化カルシウムの粉末又は水溶液及び炭酸化合物の粉末、水溶液又は気体を接触させる工程を備える消毒方法。
  5. 対象物に塩化カルシウムの粉末又は水溶液を接触させ、その後に炭酸化合物の粉末、水溶液又は気体を接触させる工程を備える請求項4記載の消毒方法。
  6. 前記炭酸化合物が、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム又は二酸化炭素である請求項3〜5のいずれか一項に記載の消毒方法。
  7. 塩化カルシウムの粉末又は水溶液を収容した容器と、炭酸化合物の粉末、水溶液又は気体を収容した容器との組み合わせからなる消毒剤キット。
  8. 塩化カルシウム粉末と炭酸化合物とを含む消毒剤。
  9. 前記炭酸化合物が、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム又は二酸化炭素である請求項8記載の消毒剤。
  10. 塩化カルシウムを含む粉末又は水溶液からなる消臭剤。
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