JP2001009457A - 有害微生物の活動不活性化乃至殺傷装置 - Google Patents
有害微生物の活動不活性化乃至殺傷装置Info
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- C02F—TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
- C02F2303/00—Specific treatment goals
- C02F2303/04—Disinfection
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 電極間に効率良く高電圧を印加して当該電極
間の処理液中の微生物を良好に無害化乃至殺傷すること
ができる有害微生物の活動不活性化乃至殺傷装置を提供
する。 【解決手段】 線電極31a〜31cの両側でこの線電
極31a〜31cにそれぞれ相対向する平板状のメッシ
ュ電極32、33を配設して電極を形成し、この電極間
のインピーダンスを考慮する場合の電極間の面積Sを実
効的に小さくすることで、負荷側のインピーダンスを大
きくして電源側のインピーダンスに可及的に近付け、電
極間を流通する処理水に高電圧パルスを印加して放電を
発生させ、この放電により処理水中の微生物を無害化乃
至殺傷するようにしたものである。
間の処理液中の微生物を良好に無害化乃至殺傷すること
ができる有害微生物の活動不活性化乃至殺傷装置を提供
する。 【解決手段】 線電極31a〜31cの両側でこの線電
極31a〜31cにそれぞれ相対向する平板状のメッシ
ュ電極32、33を配設して電極を形成し、この電極間
のインピーダンスを考慮する場合の電極間の面積Sを実
効的に小さくすることで、負荷側のインピーダンスを大
きくして電源側のインピーダンスに可及的に近付け、電
極間を流通する処理水に高電圧パルスを印加して放電を
発生させ、この放電により処理水中の微生物を無害化乃
至殺傷するようにしたものである。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有害微生物の活動不
活性化乃至殺傷装置に関し、特に排水ポンプ、循環ポン
プ及び上下水処理装置等並びに湖沼、港湾等、閉鎖水域
の水の浄化に適用して有用なものである。 【0002】 【従来の技術】電極間に高電圧を印加するとともに、当
該両電極間に処理液体、例えばフレッシュジュースを流
通させ、この処理液体中で放電を発生させて殺菌すると
いう技術が、高電圧を印加する液体の殺菌・処理装置と
して提案されている。この場合の殺菌は、主に放電によ
り発生する紫外線の殺菌力を利用したものである。 【0003】一方、高電圧を印加する液体の他の処理装
置としては、処理水中に高電圧を印加して処理水中のプ
ランクトン等の微生物を不活性化乃至殺傷する装置が考
えられ、これが実現された場合には、湖沼、港湾等の閉
鎖水域における水の浄化、例えばアオコの繁殖防止対策
として極めて有用であると考えられる。そこで、本発明
者等は、図12に示すように、パルス電源1より高電圧
パルスを相対向する電極間、具体的には線電極2a、2
b、2cとこれと相対向する2枚の平板電極3a、3b
との間に印加し、これら線電極2と平板電極3aとの間
及び線電極2a〜2cと平板電極3bとの間にそれぞれ
処理水を流通させることにより当該処理水中のプランク
トン等の微生物を不活性化乃至殺傷する実験を行った。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上記実験装置は処理対
象液体が少量であり、パルス電源1及び電極2a〜2
c、3a、3bが小形で良いため然程問題にはならない
が、大量の水を処理する装置として実用化する場合に
は、電源1のインピーダンスが大であるのに対し、電極
2a〜2c、3a、3b及び電極2、3a、3b間の媒
質(処理水)に依存する負荷側のインピーダンスが小で
あるため、電源1側と負荷側のインピーダンスのマッチ
ングがとれないという問題がある。すなわち、図12に
示す装置の等価回路である図13に示す通り、当該装置
は、電源1が発生する高圧パルスを電線4を介して負荷
5(電極2a〜2c、3a、3b等からなる。)に印加
するものであるが、電源1側のインピーダンスに比べ、
負荷5側のインピーダンスが小さいため、電源1側で高
電圧のパルスP1 を発生させても、負荷5(電極2a〜
2c、3a、3b間)に印加されるパルスは、電源1側
に比べ極端に低電圧のパルスP2 となってしまう。この
ため、効率が悪いばかりでなく、微生物の十分な不活性
化乃至殺傷能力も持ち得ないものとなってしまう。ちな
みに、プランクトン等の生物を無害化乃至殺傷するため
にはこれらに高電圧を印加することが肝要である。 【0005】特に、実用機においては、消費エネルギー
が比較的大きいため、電源1と電極2a〜2c、3a、
3b等を含む負荷側のインピーダンスのマッチングがと
れない状態は、顕著な問題となり、イニシャルコスト及
びランニングコストの両方に関連してこれらのコストを
高騰化する原因となる。 【0006】すなわち、海水及び淡水において効率良く
プランクトン等の微生物を無害化乃至殺傷するための電
界を発生させるためには、これらの水中に高電圧を印加
する必要があり、これを実現するためには、電源1と負
荷(電極2a〜2c、3a、3b)とのインピーダンス
を揃える(近付ける)ことが肝要である。 【0007】本願発明は、上記従来技術に鑑み、電極間
に効率良く高電圧を印加して当該電極間の処理液中の微
生物を良好に無害化乃至殺傷することができる有害微生
物の活動不活性化乃至殺傷装置を提供することを目的と
する。 【0008】 【課題を解決するための手段】一般に、図1に示すよう
な平板電極11、12の等価回路は、図2に示す通り、
抵抗Rとコンデンサ(静電容量)Cとの並列回路として
表すことができる。ここで、抵抗Rは電極11、12間
の水の抵抗、静電容量Cは電極11、12間の静電容量
であり、これらの抵抗R、静電容量C及び抵抗Rと静電
容量Cとに基づくインピーダンスZは次式(1)で与え
られる。 【0009】 R=d/σS(Ω) C=ε・S/d(F) ・・・・・(1) Z=(1/R+ωC)-1 但し、dは電極11、12間の距離、σは導電率、εは
誘電率、Sは電極11、12の面積、ωは2πf(1/
(2・f)がパルス幅に相当する。)である。 【0010】上式(1)において、電極11、12間に
処理水を流通させた場合を考えると、水の誘電率σは大
きく(空気の80倍)、また抵抗Rは小さい(特に海水
の場合はNaCIがイオン化するため、淡水の場合に比
べてさらに抵抗Rは小さくなる。)。この結果、インピ
ーダンスZも小さくなる。そこで、相対的に大きい電源
のインピーダンスに負荷のインピーダンスZを近付ける
ためには抵抗Rを大きくし、且つ静電容量Cを小さくす
る必要がある。これは、電極11、12間の距離dを大
きくすることによっても実現し得るが、距離dを大きく
した場合には、電極11、12間の電位の傾きが小さく
なり、処理水中の微生物に所望の高電圧を印加すること
ができない。すなわち、距離dは微生物に印加すべき電
圧により規定され、あまり大きくすることはできない。
同様に抵抗Rを大きく、且つ静電容量Cを小さくするこ
とは、電極11、12の面積Sを小さくすることによっ
ても実現できる。ところが、平板電極の面積を単純に小
さくしたのでは、電極間に流通させて電界を形成できる
処理水の領域が小さくなってしまう。すなわち、当該技
術分野における実用的な水処理を実現するには、電極の
印加電圧により形成される電界は処理水の広い領域に亘
って発生させる必要があるため、この点に起因して電極
の大きさ(垂直方向の長さ及び水平方向の長さにより決
定される嵩)もある程度以上のものに制限される。 【0011】本発明は、インピーダンスを考慮する場合
の電極間の面積Sを実効的に小さくすることで、当該有
害微生物の活動不活性化乃至殺傷装置の負荷側のインピ
ーダンスを大きくし、電源側のインピーダンスに可及的
に近付けることができるようにしたもので、その構成は
次の点を特徴とする。 【0012】1) 高電圧パルスを電極間に印加し、こ
の電極間に流通させる処理液中の微生物に電気的なショ
ックを与えてこの微生物を不活性化乃至殺傷する有害微
生物の活動不活性化乃至殺傷装置において、電極間の抵
抗を大きくするとともに静電容量を小さくして当該電極
間に処理液を流通させたときの電極間のインピーダンス
を大きくして電源側のインピーダンスとのマッチングを
とるように構成したこと。 【0013】2) 上記1)に記載する有害微生物の活
動不活性化乃至殺傷装置において、電極は、線電極と、
この線電極の両側でこの線電極にそれぞれ相対向する平
板状のメッシュ電極とで形成したこと。 【0014】3) 上記1)に記載する有害微生物の活
動不活性化乃至殺傷装置において、電極は、平板状のメ
ッシュ電極を相対向させて形成したこと。 【0015】4) 上記1)に記載する有害微生物の活
動不活性化乃至殺傷装置において、電極は、大径と小径
の2個の円筒状のメッシュ電極を同心円状に配設したも
のであること。 【0016】5) 上記1)に記載する有害微生物の活
動不活性化乃至殺傷装置において、電極は、一本の線電
極とこの線電極を囲繞するように同心円状に配設した円
筒状のメッシュ電極とを組み合わせたものであること。 【0017】6) 上記1)に記載する有害微生物の活
動不活性化乃至殺傷装置において、電極は、複数本のプ
ラス側の線電極と、複数本のマイナス側の線電極とを相
対向させて構成したこと。 【0018】7) 上記2)、5)又は6)に記載する
何れか1つの有害微生物の活動不活性化乃至殺傷装置に
おいて、線電極の軸方向に亘り多数の孔を設け、各孔を
介して空気又は酸素のバブルを処理液中に供給するよう
にしたこと。 【0019】8) 上記1)乃至6)に記載する何れか
1つの有害微生物の活動不活性化乃至殺傷装置におい
て、処理液の移動方向に関し電極の上流にバブル発生装
置を配設し、このバブル発生装置で発生した空気又は酸
素のバブルを電極間を流通する処理液に供給するように
したこと。 【0020】9) 上記1)乃至8)に記載する何れか
1つの電極又はこの電極とバブル発生装置とを船等の水
上走行体に装着し、この電極又はこの電極とバブル発生
装置とを処理水に浸漬した状態で走行しながら電極間を
流通する処理水中に高電圧を印加して所定の水処理を行
うようにしたこと。 【0021】10) 水中に配設された円筒状の部材か
ら水を噴射するとともに、この円筒状の部材の水の吐出
口の下流に上記1)乃至8)に記載する何れか1つの電
極又はこの電極とバブル発生装置とを固設し、電極間を
流通する処理水中に高電圧を印加して所定の水処理を行
うようにしたこと。 【0022】11) 上記1)乃至10)に記載する有
害微生物の活動不活性化乃至殺傷装置を用いて淡水中の
ミクロキスティスの細胞内の気泡を電界の印加による放
電により破壊してこのミクロキスティスを無害化するこ
と。 【0023】12) 上記1)乃至10)に記載する有
害微生物の活動不活性化乃至殺傷装置を用いて海水中の
ヘテロカプサの細胞の外殻を形成するタンパク質を電界
の印加による放電により破壊してこのヘテロカプサを無
害化すること。 【0024】 【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
基づき詳細に説明する。 【0025】図3は本発明の第1の実施の形態に係る有
害微生物の活動不活性化乃至殺傷装置の電極部分を抽出
して概念的に示す説明図である。同図に示すように、プ
ラス側の電極は3本の線電極31a、31b、31cで
構成してあり、マイナス側の電極は線電極31a、31
b、31cを挟んだ両側に配設した平板状のメッシュ電
極32、33で構成してある。かかる電極は処理水中に
浸漬され、このように浸漬された状態でメッシュ電極3
2、33の面に沿う方向に相対的に移動するようになっ
ている。ここで、線電極31a〜31cとメッシュ電極
32との間、及び線電極31a〜31cとメッシュ電極
33との間には、電源1(図12参照。以下、同じ。)
から高電圧パルスが印加され、これに基づく電界が、線
電極31a〜31cとメッシュ電極32との間、及び線
電極31a〜31cとメッシュ電極33との間を流通す
る処理水に形成される。 【0026】かかる電極の一方は線電極31a〜31
c、他方は平板状のメッシュ電極32、33であるの
で、線電極31a〜31cとの間での静電容量C及び抵
抗Rを考える場合のメッシュ電極32の実効的な表面積
S、すなわちメッシュ電極32の全体からメッシュによ
る孔の総面積を除いた導体部分の面積(以下、同じ。)
を小さくして静電容量Cを小さくすることができ、同時
に線電極31a〜31cとメッシュ電極32、33との
間の抵抗Rを大きくすることができる。この結果、当該
有害微生物の活動不活性化乃至殺傷装置の負荷側のイン
ピーダンスZを大きくして、電源1側のインピーダンス
と整合するよう適正化を図ることができる。一方、この
場合に処理水中において電界が形成される領域は、線電
極31a〜31cの長さ及び径、メッシュ電極32、3
3の嵩(長辺×短辺)等により規定されるが、これらは
十分大きなものとすることができる。 【0027】上記実施の形態に係る電極は線電極対平板
状のメッシュ電極の場合であるが、当然これに限るもの
ではない。同様に、インピーダンスZを大きくすること
ができる電極の他の具体例として図4乃至図7に示す第
2乃至第5の実施の形態に係る電極を挙げることができ
る。 【0028】図4に示す第2の実施の形態に係る電極
は、平板状のメッシュ電極41、42を相対向させたも
のである。図5に示す第3の実施の形態に係る電極は、
円筒状のメッシュ電極51、52を同心円状に配置した
ものである。図6に示す第4の実施の形態に係る電極
は、一本の線電極61とこの線電極61を囲繞するよう
に同心円上に配設した円筒状のメッシュ電極62とを組
み合わせたものである。図7に示す第5の実施の形態に
係る電極は、複数本のプラス側の線電極71a、71
b、71cと各線電極71a、71b、71cに相対向
するマイナス側の線電極72a、72b、72cとを組
み合わせたものである。 【0029】上述の如き第2乃至第5の実施の形態の何
れの場合も、プラス側とマイナス側との電極の実効的な
面積Sを小さくすることができるので、その分インピー
ダンスZを大きくすることができ、電源1側のインピー
ダンスに近付けることができる。なお、上記第1及び第
5の実施の形態における線電極31a〜31c及び線電
極71a〜71c、72a〜72cの本数には特別な制
限はない。電極側で得たいインピーダンスZを考慮して
適宜選定すれば良い。 【0030】上記第1乃至第5の実施の形態に係る電極
に対する給電点は、通常上端部である。一方、水中にお
ける電圧波の伝搬速度は、気体中におけるそれの1/9
と小さい。このため、給電点(一般に電極の一方の端部
である。)から電極の先端にいく程、電圧波のエネルギ
ーが減少してしまい、電極間に均一な高電圧を印加する
ことができないという問題を生起する。かかる問題に対
し、上記各実施の形態では電源1から印加する高電圧パ
ルスのパルス幅を適正化することにより対処している。
具体的には、パルス幅を数100〜1000ns程度と
している。かかるパルス幅は、各電極31a〜31c、
32、33、41、42、51、52、61、62、7
1a〜71c、72a〜72cの長さ(処理水の流通方
向と直角な垂直方向の長さ)が5mの以下の場合には、
電極間に均一な高電圧を印加する上で好適なものとな
る。 【0031】上述の如き第1〜第5の実施の形態に係る
電極に加え、処理水中にバブルを発生させる機能を追加
することにより、当該装置の省エネルギー化及び高処理
率化を達成することができる。すなわち、処理水中へ空
気若しくは酸素をバブリングで注入し、この結果生成さ
れる気泡に電界を印加することにより気泡内放電を発生
させてオゾン、紫外線、OHラジカルを生成し、これで
有害微生物の活動不活性化効率及び殺傷効率を高めるこ
とができる。 【0032】図8及び図9はバブリング機能を追加した
本願発明の第6及び第7の実施の形態を概念的に示す説
明図である。 【0033】図8に示す第6の実施の形態は、図3に示
す第1の実施の形態と同様の線電極81a、81b、8
1cと平板状のメッシュ電極32、33とを組み合わせ
たものであるが、線電極81a〜81cは、軸方向に亘
り分散させて多数の孔81dを設けたパイプで形成して
あり、各孔81dを介して酸素又は空気のバブルを処理
水中に供給するようになっている。かかる実施の形態に
おいては、線電極81a〜81cの各孔81dから発生
する気泡にも電界が印加される。この結果、気泡内でボ
イド放電が生起され、これにより生成されるオゾン、紫
外線、OHラジカルによっても処理水中の有害微生物を
不活性化乃至殺傷することができる。 【0034】図9に示す第7の実施の形態は、図3に示
す第1の実施の形態と同様の線電極31a、31b、3
1cと平板状のメッシュ電極32、33とを組み合わせ
たものであるが、本形態においては、処理水の流れ方向
に対し当該電極(線電極31a、31b、31c、メッ
シュ電極32、33)の上流にバブル発生装置91を配
設してある。かかる実施の形態においても、処理水が電
極(線電極31a、31b、31c、メッシュ電極3
2、33)部分を通過する際、気泡にも電界が印加さ
れ、第6の実施の形態と同様に、気泡の生成されるオゾ
ン、紫外線、OHラジカルによっても処理水中の有害微
生物を不活性化乃至殺傷することができる。 【0035】上述の如きバブリング機能は図4乃至図7
に示す電極と組み合わせても良く、このように組み合わ
せた場合には、第6乃至第7の実施の形態と同様の作用
・効果を得る。特に、線電極61、71a〜71c、7
2a〜72cを有する場合には、第6の実施の形態に係
る線電極81a〜81と同様に、孔81dを設けること
により、電極にバブリング機能を兼備させることもでき
る。 【0036】上述の如き実施の形態にかかる電極は、具
体的には図10及び図11に示すような態様で処理水中
に設置される。これらを本願発明の実施例として説明す
る。 【0037】図10は可動式の装置の実施例を概念的に
示す説明図で、(a)は側面から見た図、(b)は平面
から見た図である。両図に示すように、電極101は水
上走行体である船102に固着して処理水中100に浸
漬するようになっており、この状態で船102を走行さ
せて処理水域(例えば、湾等の閉鎖水域及び湖沼等)の
処理水を電極101間に流通させ、電極101間に発生
する電界で有害微生物を不活性化乃至殺傷するようにし
たものである。ここで、船102は電源103を搭載し
ており、この電源103からケーブル104を介して電
極101に高電圧パルスの電力を供給するようになって
いる。また、電極101は、図3に示す第1の実施の形
態に係る電極の場合について示したが、これは第2乃至
第5の実施の形態に示す何れの電極でも良く、さらにこ
れらに第6乃至第7の実施の形態に示すバブリング機能
を追加したものであっても勿論良い。 【0038】図11は固定式の装置の実施例を概念的に
示す説明図で、(a)は側面から見た全体図、(b)は
そのA部分を抽出して平面的に見た拡大図、(c)は図
11(a)のA部分を抽出して側面から見た拡大図であ
る。これらの図に示すように、本実施例は処理水中10
0に浸漬されて処理水を噴射するジェット・ストリーマ
(商品名)110を利用するものである。このジェット
・ストリーマ110は、陸上120(水中でも良い。)
のポンプPからの水を、円筒状の整流筒112内に組み
込まれた噴流ポンプ111に送水することにより水流を
発生させ、同時に負圧吸引により周りの水を整流筒11
2内に効果的に引き込み、結果として大量の連行流を生
成するものである。すなわち、ポンプPからの駆動水Q
1 が噴流ポンプ111に通水されると噴流ポンプ111
の吐出口から噴流が生じる。同時に、吸引口には、負圧
による吸引水Q2 が生じ、駆動水とともに吐出口より噴
射される。この噴流は回りの水を連行随伴し、整流筒1
12内から押し出す。この結果、噴流筒112の出口部
分での吐出水量(Q1 +Q2 +Q3 )はポンプPの吐出
水量Q1 の数十倍にもなる。なお、図11(a)中、1
13は駆動水管、114はエアレーション又は薬液注入
パイプ、115はグリッドフェンダー(ゴミ除け)、1
16はステイ金具である。 【0039】本実施例では、電極117を整流筒112
の吐出口の下流側に配設し、この整流筒112から吐出
される処理水中100に固定された電極117間に流通
させるようにした。電極117には陸上120の電源1
18からケーブル119を介して高電圧パルスの電力が
供給される。また、電極117は、図3に示す第1の実
施の形態に係る電極の場合について示したが、これは第
2乃至第5の実施の形態に示す何れの電極でも良く、さ
らにこれらに第6乃至第7の実施の形態に示すバブリン
グ機能を追加したものであっても勿論良い。また、本実
施例では、ジェット・ストリーマ110を用いているた
め、これのエアレーション又は薬液注入パイプ114を
利用することにより、空気又は酸素の気泡を噴流ポンプ
111から吐出させることもできる。すなわち、このジ
ェット・ストリーマ110にバブリング装置としての機
能も兼備させることができる。 【0040】上述の如き有害微生物の活動不活性化乃至
殺傷装置は、アオコ(淡水中の藻類の名称)及びヘテロ
カプサ(海水中の藻)を含む淡水及び海水の処理装置と
して特に有用である。 【0041】アオコを形成するミクロキスティスは細胞
内にガス胞を持っているため、処理水中のミクロキステ
ィスに高電圧パルスを印加することでその細胞内のガス
胞に集中的に電界がかかり、このガス胞内で放電するこ
とによりこれを破壊して無害化することができるからで
ある。しかも、このときの印加電圧を適正化すれば、細
胞内にガス胞を有しない他の植物プランクトン等を殺傷
することなく、ミクロキスティスのみを選択的に無害化
することもできる。ちなみに、アオコを除去するには、
大量の紫外線、オゾン、薬品等を用いる方法が知られて
いるが、これらの方法によれば、他の植物プランクトン
も殺傷してしまうという問題がある。 【0042】一方、ヘテロカプサは貝に対してのみ毒性
を有するという特徴がある。すなわち、このヘテロカプ
サを食べた場合に貝だけが死んでしまう。これは、ヘテ
ロカプサの細胞の外郭を形成するタンパク質が貝に対し
てのみ毒性を発揮するからであると考えられている。そ
して、このタンパク質の毒性は物理・化学的な刺激に対
して非常に弱いということが分かっている。一方、物理
・化学的な刺激により毒性がなくなったヘテロカプサテ
ロカプサは、今度は貝の餌になる。したがって、本願発
明の実施の形態に係る装置で処理水中のヘテロカプサに
電撃を与えることにより、そのタンパク質を破壊して無
毒化した場合には、当該ヘテロカプサの駆除のみなら
ず、貝の餌を提供することができ、結果として貝の増産
を図ることもできる。 【0043】 【発明の効果】以上実施の形態とともに詳細に説明した
通り、〔請求項1〕乃至〔請求項6〕に記載する発明
は、高電圧パルスを電極間に印加し、この電極間に流通
させる処理液中の微生物に電気的なショックを与えてこ
の微生物を不活性化乃至殺傷する有害微生物の活動不活
性化乃至殺傷装置において、電極間の抵抗を大きくする
とともに静電容量を小さくして当該電極間に処理液を流
通させたときの電極間のインピーダンスを大きくして電
源側のインピーダンスとのマッチングをとるように構成
したので、高電圧の電力を効率良く電極間に印加するこ
とができる。このため、当該装置のイニシャルコスト及
びランニングコストを低廉なものとすることができるば
かりでなく、電極間の処理液中の微生物に高電圧を印加
することができ、これを容易に無害化乃至殺傷すること
ができる。 【0044】〔請求項7〕に記載する発明は、〔請求項
2〕、〔請求項5〕又は〔請求項6〕に記載する何れか
1つの有害微生物の活動不活性化乃至殺傷装置におい
て、線電極の軸方向に亘り多数の孔を設け、各孔を介し
て空気又は酸素のバブルを処理液中に供給するようにし
たので、また〔請求項8〕に記載する発明は、〔請求項
1〕乃至〔請求項6〕に記載する何れか1つの有害微生
物の活動不活性化乃至殺傷装置において、処理液の移動
方向に関し電極の上流にバブル発生装置を配設し、この
バブル発生装置で発生した空気又は酸素のバブルを電極
間を流通する処理液に供給するようにしたので、電極間
の処理液中に供給された空気又は酸素のバブルが放電に
より破壊されてオゾンを発生する。このため、このオゾ
ンによっても有害微生物の不活性化乃至殺傷を行うこと
ができるので、装置の効率をさらに向上させることがで
きる。 【0045】また、〔請求項9〕に記載する発明は、上
記電極を船等の水上走行体に装着し、この電極を処理水
に浸漬した状態で走行しながら電極間を流通する処理水
中に高電圧を印加して所定の水処理を行うようにしたの
で、任意の領域の処理水を自由に選択して効率良く処理
することができる。一方、〔請求項10〕に記載する発
明は、水中に配設された円筒状の部材から水を噴射する
とともに、この円筒状の部材の水の吐出口の下流に上記
電極を固設し、電極間を流通する処理水中に高電圧を印
加して所定の水処理を行うようにしたので、任意の領域
の処理水を自由に選択して効率良く処理することができ
る。 【0046】〔請求項11〕に記載する発明は、上記有
害微生物の活動不活性化乃至殺傷装置を用いて淡水中の
ミクロキスティスの細胞内の気泡を電界の印加による放
電により破壊してこのミクロキスティスを無害化するよ
うにしたので、他の植物プランクトンを不活性化乃至殺
傷することなく、アオコの原因となるミクロキスティス
を選択的に無害化することができる。 【0047】〔請求項12〕に記載する発明は、上記有
害微生物の活動不活性化乃至殺傷装置を用いて海水中の
ヘテロカプサの細胞の外殻を形成するタンパク質をを電
界の印加による放電により破壊してこのヘテロカプサを
無害化するようにしたので、このヘテロカプサのもつ貝
に対する毒性を除去することができるばかりでなく、無
毒化されたヘテロカプサを貝の餌として利用することも
できる。
活性化乃至殺傷装置に関し、特に排水ポンプ、循環ポン
プ及び上下水処理装置等並びに湖沼、港湾等、閉鎖水域
の水の浄化に適用して有用なものである。 【0002】 【従来の技術】電極間に高電圧を印加するとともに、当
該両電極間に処理液体、例えばフレッシュジュースを流
通させ、この処理液体中で放電を発生させて殺菌すると
いう技術が、高電圧を印加する液体の殺菌・処理装置と
して提案されている。この場合の殺菌は、主に放電によ
り発生する紫外線の殺菌力を利用したものである。 【0003】一方、高電圧を印加する液体の他の処理装
置としては、処理水中に高電圧を印加して処理水中のプ
ランクトン等の微生物を不活性化乃至殺傷する装置が考
えられ、これが実現された場合には、湖沼、港湾等の閉
鎖水域における水の浄化、例えばアオコの繁殖防止対策
として極めて有用であると考えられる。そこで、本発明
者等は、図12に示すように、パルス電源1より高電圧
パルスを相対向する電極間、具体的には線電極2a、2
b、2cとこれと相対向する2枚の平板電極3a、3b
との間に印加し、これら線電極2と平板電極3aとの間
及び線電極2a〜2cと平板電極3bとの間にそれぞれ
処理水を流通させることにより当該処理水中のプランク
トン等の微生物を不活性化乃至殺傷する実験を行った。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上記実験装置は処理対
象液体が少量であり、パルス電源1及び電極2a〜2
c、3a、3bが小形で良いため然程問題にはならない
が、大量の水を処理する装置として実用化する場合に
は、電源1のインピーダンスが大であるのに対し、電極
2a〜2c、3a、3b及び電極2、3a、3b間の媒
質(処理水)に依存する負荷側のインピーダンスが小で
あるため、電源1側と負荷側のインピーダンスのマッチ
ングがとれないという問題がある。すなわち、図12に
示す装置の等価回路である図13に示す通り、当該装置
は、電源1が発生する高圧パルスを電線4を介して負荷
5(電極2a〜2c、3a、3b等からなる。)に印加
するものであるが、電源1側のインピーダンスに比べ、
負荷5側のインピーダンスが小さいため、電源1側で高
電圧のパルスP1 を発生させても、負荷5(電極2a〜
2c、3a、3b間)に印加されるパルスは、電源1側
に比べ極端に低電圧のパルスP2 となってしまう。この
ため、効率が悪いばかりでなく、微生物の十分な不活性
化乃至殺傷能力も持ち得ないものとなってしまう。ちな
みに、プランクトン等の生物を無害化乃至殺傷するため
にはこれらに高電圧を印加することが肝要である。 【0005】特に、実用機においては、消費エネルギー
が比較的大きいため、電源1と電極2a〜2c、3a、
3b等を含む負荷側のインピーダンスのマッチングがと
れない状態は、顕著な問題となり、イニシャルコスト及
びランニングコストの両方に関連してこれらのコストを
高騰化する原因となる。 【0006】すなわち、海水及び淡水において効率良く
プランクトン等の微生物を無害化乃至殺傷するための電
界を発生させるためには、これらの水中に高電圧を印加
する必要があり、これを実現するためには、電源1と負
荷(電極2a〜2c、3a、3b)とのインピーダンス
を揃える(近付ける)ことが肝要である。 【0007】本願発明は、上記従来技術に鑑み、電極間
に効率良く高電圧を印加して当該電極間の処理液中の微
生物を良好に無害化乃至殺傷することができる有害微生
物の活動不活性化乃至殺傷装置を提供することを目的と
する。 【0008】 【課題を解決するための手段】一般に、図1に示すよう
な平板電極11、12の等価回路は、図2に示す通り、
抵抗Rとコンデンサ(静電容量)Cとの並列回路として
表すことができる。ここで、抵抗Rは電極11、12間
の水の抵抗、静電容量Cは電極11、12間の静電容量
であり、これらの抵抗R、静電容量C及び抵抗Rと静電
容量Cとに基づくインピーダンスZは次式(1)で与え
られる。 【0009】 R=d/σS(Ω) C=ε・S/d(F) ・・・・・(1) Z=(1/R+ωC)-1 但し、dは電極11、12間の距離、σは導電率、εは
誘電率、Sは電極11、12の面積、ωは2πf(1/
(2・f)がパルス幅に相当する。)である。 【0010】上式(1)において、電極11、12間に
処理水を流通させた場合を考えると、水の誘電率σは大
きく(空気の80倍)、また抵抗Rは小さい(特に海水
の場合はNaCIがイオン化するため、淡水の場合に比
べてさらに抵抗Rは小さくなる。)。この結果、インピ
ーダンスZも小さくなる。そこで、相対的に大きい電源
のインピーダンスに負荷のインピーダンスZを近付ける
ためには抵抗Rを大きくし、且つ静電容量Cを小さくす
る必要がある。これは、電極11、12間の距離dを大
きくすることによっても実現し得るが、距離dを大きく
した場合には、電極11、12間の電位の傾きが小さく
なり、処理水中の微生物に所望の高電圧を印加すること
ができない。すなわち、距離dは微生物に印加すべき電
圧により規定され、あまり大きくすることはできない。
同様に抵抗Rを大きく、且つ静電容量Cを小さくするこ
とは、電極11、12の面積Sを小さくすることによっ
ても実現できる。ところが、平板電極の面積を単純に小
さくしたのでは、電極間に流通させて電界を形成できる
処理水の領域が小さくなってしまう。すなわち、当該技
術分野における実用的な水処理を実現するには、電極の
印加電圧により形成される電界は処理水の広い領域に亘
って発生させる必要があるため、この点に起因して電極
の大きさ(垂直方向の長さ及び水平方向の長さにより決
定される嵩)もある程度以上のものに制限される。 【0011】本発明は、インピーダンスを考慮する場合
の電極間の面積Sを実効的に小さくすることで、当該有
害微生物の活動不活性化乃至殺傷装置の負荷側のインピ
ーダンスを大きくし、電源側のインピーダンスに可及的
に近付けることができるようにしたもので、その構成は
次の点を特徴とする。 【0012】1) 高電圧パルスを電極間に印加し、こ
の電極間に流通させる処理液中の微生物に電気的なショ
ックを与えてこの微生物を不活性化乃至殺傷する有害微
生物の活動不活性化乃至殺傷装置において、電極間の抵
抗を大きくするとともに静電容量を小さくして当該電極
間に処理液を流通させたときの電極間のインピーダンス
を大きくして電源側のインピーダンスとのマッチングを
とるように構成したこと。 【0013】2) 上記1)に記載する有害微生物の活
動不活性化乃至殺傷装置において、電極は、線電極と、
この線電極の両側でこの線電極にそれぞれ相対向する平
板状のメッシュ電極とで形成したこと。 【0014】3) 上記1)に記載する有害微生物の活
動不活性化乃至殺傷装置において、電極は、平板状のメ
ッシュ電極を相対向させて形成したこと。 【0015】4) 上記1)に記載する有害微生物の活
動不活性化乃至殺傷装置において、電極は、大径と小径
の2個の円筒状のメッシュ電極を同心円状に配設したも
のであること。 【0016】5) 上記1)に記載する有害微生物の活
動不活性化乃至殺傷装置において、電極は、一本の線電
極とこの線電極を囲繞するように同心円状に配設した円
筒状のメッシュ電極とを組み合わせたものであること。 【0017】6) 上記1)に記載する有害微生物の活
動不活性化乃至殺傷装置において、電極は、複数本のプ
ラス側の線電極と、複数本のマイナス側の線電極とを相
対向させて構成したこと。 【0018】7) 上記2)、5)又は6)に記載する
何れか1つの有害微生物の活動不活性化乃至殺傷装置に
おいて、線電極の軸方向に亘り多数の孔を設け、各孔を
介して空気又は酸素のバブルを処理液中に供給するよう
にしたこと。 【0019】8) 上記1)乃至6)に記載する何れか
1つの有害微生物の活動不活性化乃至殺傷装置におい
て、処理液の移動方向に関し電極の上流にバブル発生装
置を配設し、このバブル発生装置で発生した空気又は酸
素のバブルを電極間を流通する処理液に供給するように
したこと。 【0020】9) 上記1)乃至8)に記載する何れか
1つの電極又はこの電極とバブル発生装置とを船等の水
上走行体に装着し、この電極又はこの電極とバブル発生
装置とを処理水に浸漬した状態で走行しながら電極間を
流通する処理水中に高電圧を印加して所定の水処理を行
うようにしたこと。 【0021】10) 水中に配設された円筒状の部材か
ら水を噴射するとともに、この円筒状の部材の水の吐出
口の下流に上記1)乃至8)に記載する何れか1つの電
極又はこの電極とバブル発生装置とを固設し、電極間を
流通する処理水中に高電圧を印加して所定の水処理を行
うようにしたこと。 【0022】11) 上記1)乃至10)に記載する有
害微生物の活動不活性化乃至殺傷装置を用いて淡水中の
ミクロキスティスの細胞内の気泡を電界の印加による放
電により破壊してこのミクロキスティスを無害化するこ
と。 【0023】12) 上記1)乃至10)に記載する有
害微生物の活動不活性化乃至殺傷装置を用いて海水中の
ヘテロカプサの細胞の外殻を形成するタンパク質を電界
の印加による放電により破壊してこのヘテロカプサを無
害化すること。 【0024】 【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
基づき詳細に説明する。 【0025】図3は本発明の第1の実施の形態に係る有
害微生物の活動不活性化乃至殺傷装置の電極部分を抽出
して概念的に示す説明図である。同図に示すように、プ
ラス側の電極は3本の線電極31a、31b、31cで
構成してあり、マイナス側の電極は線電極31a、31
b、31cを挟んだ両側に配設した平板状のメッシュ電
極32、33で構成してある。かかる電極は処理水中に
浸漬され、このように浸漬された状態でメッシュ電極3
2、33の面に沿う方向に相対的に移動するようになっ
ている。ここで、線電極31a〜31cとメッシュ電極
32との間、及び線電極31a〜31cとメッシュ電極
33との間には、電源1(図12参照。以下、同じ。)
から高電圧パルスが印加され、これに基づく電界が、線
電極31a〜31cとメッシュ電極32との間、及び線
電極31a〜31cとメッシュ電極33との間を流通す
る処理水に形成される。 【0026】かかる電極の一方は線電極31a〜31
c、他方は平板状のメッシュ電極32、33であるの
で、線電極31a〜31cとの間での静電容量C及び抵
抗Rを考える場合のメッシュ電極32の実効的な表面積
S、すなわちメッシュ電極32の全体からメッシュによ
る孔の総面積を除いた導体部分の面積(以下、同じ。)
を小さくして静電容量Cを小さくすることができ、同時
に線電極31a〜31cとメッシュ電極32、33との
間の抵抗Rを大きくすることができる。この結果、当該
有害微生物の活動不活性化乃至殺傷装置の負荷側のイン
ピーダンスZを大きくして、電源1側のインピーダンス
と整合するよう適正化を図ることができる。一方、この
場合に処理水中において電界が形成される領域は、線電
極31a〜31cの長さ及び径、メッシュ電極32、3
3の嵩(長辺×短辺)等により規定されるが、これらは
十分大きなものとすることができる。 【0027】上記実施の形態に係る電極は線電極対平板
状のメッシュ電極の場合であるが、当然これに限るもの
ではない。同様に、インピーダンスZを大きくすること
ができる電極の他の具体例として図4乃至図7に示す第
2乃至第5の実施の形態に係る電極を挙げることができ
る。 【0028】図4に示す第2の実施の形態に係る電極
は、平板状のメッシュ電極41、42を相対向させたも
のである。図5に示す第3の実施の形態に係る電極は、
円筒状のメッシュ電極51、52を同心円状に配置した
ものである。図6に示す第4の実施の形態に係る電極
は、一本の線電極61とこの線電極61を囲繞するよう
に同心円上に配設した円筒状のメッシュ電極62とを組
み合わせたものである。図7に示す第5の実施の形態に
係る電極は、複数本のプラス側の線電極71a、71
b、71cと各線電極71a、71b、71cに相対向
するマイナス側の線電極72a、72b、72cとを組
み合わせたものである。 【0029】上述の如き第2乃至第5の実施の形態の何
れの場合も、プラス側とマイナス側との電極の実効的な
面積Sを小さくすることができるので、その分インピー
ダンスZを大きくすることができ、電源1側のインピー
ダンスに近付けることができる。なお、上記第1及び第
5の実施の形態における線電極31a〜31c及び線電
極71a〜71c、72a〜72cの本数には特別な制
限はない。電極側で得たいインピーダンスZを考慮して
適宜選定すれば良い。 【0030】上記第1乃至第5の実施の形態に係る電極
に対する給電点は、通常上端部である。一方、水中にお
ける電圧波の伝搬速度は、気体中におけるそれの1/9
と小さい。このため、給電点(一般に電極の一方の端部
である。)から電極の先端にいく程、電圧波のエネルギ
ーが減少してしまい、電極間に均一な高電圧を印加する
ことができないという問題を生起する。かかる問題に対
し、上記各実施の形態では電源1から印加する高電圧パ
ルスのパルス幅を適正化することにより対処している。
具体的には、パルス幅を数100〜1000ns程度と
している。かかるパルス幅は、各電極31a〜31c、
32、33、41、42、51、52、61、62、7
1a〜71c、72a〜72cの長さ(処理水の流通方
向と直角な垂直方向の長さ)が5mの以下の場合には、
電極間に均一な高電圧を印加する上で好適なものとな
る。 【0031】上述の如き第1〜第5の実施の形態に係る
電極に加え、処理水中にバブルを発生させる機能を追加
することにより、当該装置の省エネルギー化及び高処理
率化を達成することができる。すなわち、処理水中へ空
気若しくは酸素をバブリングで注入し、この結果生成さ
れる気泡に電界を印加することにより気泡内放電を発生
させてオゾン、紫外線、OHラジカルを生成し、これで
有害微生物の活動不活性化効率及び殺傷効率を高めるこ
とができる。 【0032】図8及び図9はバブリング機能を追加した
本願発明の第6及び第7の実施の形態を概念的に示す説
明図である。 【0033】図8に示す第6の実施の形態は、図3に示
す第1の実施の形態と同様の線電極81a、81b、8
1cと平板状のメッシュ電極32、33とを組み合わせ
たものであるが、線電極81a〜81cは、軸方向に亘
り分散させて多数の孔81dを設けたパイプで形成して
あり、各孔81dを介して酸素又は空気のバブルを処理
水中に供給するようになっている。かかる実施の形態に
おいては、線電極81a〜81cの各孔81dから発生
する気泡にも電界が印加される。この結果、気泡内でボ
イド放電が生起され、これにより生成されるオゾン、紫
外線、OHラジカルによっても処理水中の有害微生物を
不活性化乃至殺傷することができる。 【0034】図9に示す第7の実施の形態は、図3に示
す第1の実施の形態と同様の線電極31a、31b、3
1cと平板状のメッシュ電極32、33とを組み合わせ
たものであるが、本形態においては、処理水の流れ方向
に対し当該電極(線電極31a、31b、31c、メッ
シュ電極32、33)の上流にバブル発生装置91を配
設してある。かかる実施の形態においても、処理水が電
極(線電極31a、31b、31c、メッシュ電極3
2、33)部分を通過する際、気泡にも電界が印加さ
れ、第6の実施の形態と同様に、気泡の生成されるオゾ
ン、紫外線、OHラジカルによっても処理水中の有害微
生物を不活性化乃至殺傷することができる。 【0035】上述の如きバブリング機能は図4乃至図7
に示す電極と組み合わせても良く、このように組み合わ
せた場合には、第6乃至第7の実施の形態と同様の作用
・効果を得る。特に、線電極61、71a〜71c、7
2a〜72cを有する場合には、第6の実施の形態に係
る線電極81a〜81と同様に、孔81dを設けること
により、電極にバブリング機能を兼備させることもでき
る。 【0036】上述の如き実施の形態にかかる電極は、具
体的には図10及び図11に示すような態様で処理水中
に設置される。これらを本願発明の実施例として説明す
る。 【0037】図10は可動式の装置の実施例を概念的に
示す説明図で、(a)は側面から見た図、(b)は平面
から見た図である。両図に示すように、電極101は水
上走行体である船102に固着して処理水中100に浸
漬するようになっており、この状態で船102を走行さ
せて処理水域(例えば、湾等の閉鎖水域及び湖沼等)の
処理水を電極101間に流通させ、電極101間に発生
する電界で有害微生物を不活性化乃至殺傷するようにし
たものである。ここで、船102は電源103を搭載し
ており、この電源103からケーブル104を介して電
極101に高電圧パルスの電力を供給するようになって
いる。また、電極101は、図3に示す第1の実施の形
態に係る電極の場合について示したが、これは第2乃至
第5の実施の形態に示す何れの電極でも良く、さらにこ
れらに第6乃至第7の実施の形態に示すバブリング機能
を追加したものであっても勿論良い。 【0038】図11は固定式の装置の実施例を概念的に
示す説明図で、(a)は側面から見た全体図、(b)は
そのA部分を抽出して平面的に見た拡大図、(c)は図
11(a)のA部分を抽出して側面から見た拡大図であ
る。これらの図に示すように、本実施例は処理水中10
0に浸漬されて処理水を噴射するジェット・ストリーマ
(商品名)110を利用するものである。このジェット
・ストリーマ110は、陸上120(水中でも良い。)
のポンプPからの水を、円筒状の整流筒112内に組み
込まれた噴流ポンプ111に送水することにより水流を
発生させ、同時に負圧吸引により周りの水を整流筒11
2内に効果的に引き込み、結果として大量の連行流を生
成するものである。すなわち、ポンプPからの駆動水Q
1 が噴流ポンプ111に通水されると噴流ポンプ111
の吐出口から噴流が生じる。同時に、吸引口には、負圧
による吸引水Q2 が生じ、駆動水とともに吐出口より噴
射される。この噴流は回りの水を連行随伴し、整流筒1
12内から押し出す。この結果、噴流筒112の出口部
分での吐出水量(Q1 +Q2 +Q3 )はポンプPの吐出
水量Q1 の数十倍にもなる。なお、図11(a)中、1
13は駆動水管、114はエアレーション又は薬液注入
パイプ、115はグリッドフェンダー(ゴミ除け)、1
16はステイ金具である。 【0039】本実施例では、電極117を整流筒112
の吐出口の下流側に配設し、この整流筒112から吐出
される処理水中100に固定された電極117間に流通
させるようにした。電極117には陸上120の電源1
18からケーブル119を介して高電圧パルスの電力が
供給される。また、電極117は、図3に示す第1の実
施の形態に係る電極の場合について示したが、これは第
2乃至第5の実施の形態に示す何れの電極でも良く、さ
らにこれらに第6乃至第7の実施の形態に示すバブリン
グ機能を追加したものであっても勿論良い。また、本実
施例では、ジェット・ストリーマ110を用いているた
め、これのエアレーション又は薬液注入パイプ114を
利用することにより、空気又は酸素の気泡を噴流ポンプ
111から吐出させることもできる。すなわち、このジ
ェット・ストリーマ110にバブリング装置としての機
能も兼備させることができる。 【0040】上述の如き有害微生物の活動不活性化乃至
殺傷装置は、アオコ(淡水中の藻類の名称)及びヘテロ
カプサ(海水中の藻)を含む淡水及び海水の処理装置と
して特に有用である。 【0041】アオコを形成するミクロキスティスは細胞
内にガス胞を持っているため、処理水中のミクロキステ
ィスに高電圧パルスを印加することでその細胞内のガス
胞に集中的に電界がかかり、このガス胞内で放電するこ
とによりこれを破壊して無害化することができるからで
ある。しかも、このときの印加電圧を適正化すれば、細
胞内にガス胞を有しない他の植物プランクトン等を殺傷
することなく、ミクロキスティスのみを選択的に無害化
することもできる。ちなみに、アオコを除去するには、
大量の紫外線、オゾン、薬品等を用いる方法が知られて
いるが、これらの方法によれば、他の植物プランクトン
も殺傷してしまうという問題がある。 【0042】一方、ヘテロカプサは貝に対してのみ毒性
を有するという特徴がある。すなわち、このヘテロカプ
サを食べた場合に貝だけが死んでしまう。これは、ヘテ
ロカプサの細胞の外郭を形成するタンパク質が貝に対し
てのみ毒性を発揮するからであると考えられている。そ
して、このタンパク質の毒性は物理・化学的な刺激に対
して非常に弱いということが分かっている。一方、物理
・化学的な刺激により毒性がなくなったヘテロカプサテ
ロカプサは、今度は貝の餌になる。したがって、本願発
明の実施の形態に係る装置で処理水中のヘテロカプサに
電撃を与えることにより、そのタンパク質を破壊して無
毒化した場合には、当該ヘテロカプサの駆除のみなら
ず、貝の餌を提供することができ、結果として貝の増産
を図ることもできる。 【0043】 【発明の効果】以上実施の形態とともに詳細に説明した
通り、〔請求項1〕乃至〔請求項6〕に記載する発明
は、高電圧パルスを電極間に印加し、この電極間に流通
させる処理液中の微生物に電気的なショックを与えてこ
の微生物を不活性化乃至殺傷する有害微生物の活動不活
性化乃至殺傷装置において、電極間の抵抗を大きくする
とともに静電容量を小さくして当該電極間に処理液を流
通させたときの電極間のインピーダンスを大きくして電
源側のインピーダンスとのマッチングをとるように構成
したので、高電圧の電力を効率良く電極間に印加するこ
とができる。このため、当該装置のイニシャルコスト及
びランニングコストを低廉なものとすることができるば
かりでなく、電極間の処理液中の微生物に高電圧を印加
することができ、これを容易に無害化乃至殺傷すること
ができる。 【0044】〔請求項7〕に記載する発明は、〔請求項
2〕、〔請求項5〕又は〔請求項6〕に記載する何れか
1つの有害微生物の活動不活性化乃至殺傷装置におい
て、線電極の軸方向に亘り多数の孔を設け、各孔を介し
て空気又は酸素のバブルを処理液中に供給するようにし
たので、また〔請求項8〕に記載する発明は、〔請求項
1〕乃至〔請求項6〕に記載する何れか1つの有害微生
物の活動不活性化乃至殺傷装置において、処理液の移動
方向に関し電極の上流にバブル発生装置を配設し、この
バブル発生装置で発生した空気又は酸素のバブルを電極
間を流通する処理液に供給するようにしたので、電極間
の処理液中に供給された空気又は酸素のバブルが放電に
より破壊されてオゾンを発生する。このため、このオゾ
ンによっても有害微生物の不活性化乃至殺傷を行うこと
ができるので、装置の効率をさらに向上させることがで
きる。 【0045】また、〔請求項9〕に記載する発明は、上
記電極を船等の水上走行体に装着し、この電極を処理水
に浸漬した状態で走行しながら電極間を流通する処理水
中に高電圧を印加して所定の水処理を行うようにしたの
で、任意の領域の処理水を自由に選択して効率良く処理
することができる。一方、〔請求項10〕に記載する発
明は、水中に配設された円筒状の部材から水を噴射する
とともに、この円筒状の部材の水の吐出口の下流に上記
電極を固設し、電極間を流通する処理水中に高電圧を印
加して所定の水処理を行うようにしたので、任意の領域
の処理水を自由に選択して効率良く処理することができ
る。 【0046】〔請求項11〕に記載する発明は、上記有
害微生物の活動不活性化乃至殺傷装置を用いて淡水中の
ミクロキスティスの細胞内の気泡を電界の印加による放
電により破壊してこのミクロキスティスを無害化するよ
うにしたので、他の植物プランクトンを不活性化乃至殺
傷することなく、アオコの原因となるミクロキスティス
を選択的に無害化することができる。 【0047】〔請求項12〕に記載する発明は、上記有
害微生物の活動不活性化乃至殺傷装置を用いて海水中の
ヘテロカプサの細胞の外殻を形成するタンパク質をを電
界の印加による放電により破壊してこのヘテロカプサを
無害化するようにしたので、このヘテロカプサのもつ貝
に対する毒性を除去することができるばかりでなく、無
毒化されたヘテロカプサを貝の餌として利用することも
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般の平板電極を概念的に示す説明図である。
【図2】図1の等価回路を示す回路図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における電極部分を
抽出して概念的に示す説明図である。 【図4】本発明の第2の実施の形態における電極部分を
抽出して概念的に示す説明図である。 【図5】本発明の第3の実施の形態における電極部分を
抽出して概念的に示す説明図である。 【図6】本発明の第4の実施の形態における電極部分を
抽出して概念的に示す説明図である。 【図7】本発明の第5の実施の形態における電極部分を
抽出して概念的に示す説明図である。 【図8】本発明の第6の実施の形態における電極部分を
抽出して概念的に示す説明図である。 【図9】本発明の第7の実施の形態における電極部分を
抽出して概念的に示す説明図である。 【図10】本発明の一実施例を概念的に示す説明図で、
(a)は側面から見た図、(b)は平面から見た図であ
る。 【図11】本発明の他の実施例を概念的に示す説明図
で、(a)は側面から見た全体図、(b)はそのA部を
抽出して平面的に見た拡大図、(c)はA部を抽出して
側面から見た拡大図である。 【図12】実験に用いた有害微生物の活動不活性化乃至
殺傷装置を概念的に示す説明図である。 【図13】図12の等価回路を示す回路図である。 【符号の説明】 31a〜31c、61、71a〜71c、72a〜72
c、81a〜81c線電極 32、33、41、42、51、52、62 メッ
シュ電極 81d 孔 91 バブル発生装置 101、117 電極 102 船 103、118 電源 110 ジェット・ストリーマ 111 噴流ポンプ 112 整流筒
抽出して概念的に示す説明図である。 【図4】本発明の第2の実施の形態における電極部分を
抽出して概念的に示す説明図である。 【図5】本発明の第3の実施の形態における電極部分を
抽出して概念的に示す説明図である。 【図6】本発明の第4の実施の形態における電極部分を
抽出して概念的に示す説明図である。 【図7】本発明の第5の実施の形態における電極部分を
抽出して概念的に示す説明図である。 【図8】本発明の第6の実施の形態における電極部分を
抽出して概念的に示す説明図である。 【図9】本発明の第7の実施の形態における電極部分を
抽出して概念的に示す説明図である。 【図10】本発明の一実施例を概念的に示す説明図で、
(a)は側面から見た図、(b)は平面から見た図であ
る。 【図11】本発明の他の実施例を概念的に示す説明図
で、(a)は側面から見た全体図、(b)はそのA部を
抽出して平面的に見た拡大図、(c)はA部を抽出して
側面から見た拡大図である。 【図12】実験に用いた有害微生物の活動不活性化乃至
殺傷装置を概念的に示す説明図である。 【図13】図12の等価回路を示す回路図である。 【符号の説明】 31a〜31c、61、71a〜71c、72a〜72
c、81a〜81c線電極 32、33、41、42、51、52、62 メッ
シュ電極 81d 孔 91 バブル発生装置 101、117 電極 102 船 103、118 電源 110 ジェット・ストリーマ 111 噴流ポンプ 112 整流筒
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 高電圧パルスを電極間に印加し、この電
極間に流通させる処理液中の微生物に電気的なショック
を与えてこの微生物を不活性化乃至殺傷する有害微生物
の活動不活性化乃至殺傷装置において、 電極間の抵抗を大きくするとともに静電容量を小さくし
て当該電極間に処理液を流通させたときの電極間のイン
ピーダンスを大きくして電源側のインピーダンスとのマ
ッチングをとるように構成したことを特徴とする有害微
生物の活動不活性化乃至殺傷装置。 【請求項2】 〔請求項1〕に記載する有害微生物の活
動不活性化乃至殺傷装置において、 電極は、線電極と、この線電極の両側でこの線電極にそ
れぞれ相対向する平板状のメッシュ電極とで形成したこ
とを特徴とする有害微生物の活動不活性化乃至殺傷装
置。 【請求項3】 〔請求項1〕に記載する有害微生物の活
動不活性化乃至殺傷装置において、 電極は、平板状のメッシュ電極を相対向させて形成した
ことを特徴とする有害微生物の活動不活性化乃至殺傷装
置。 【請求項4】 〔請求項1〕に記載する有害微生物の活
動不活性化乃至殺傷装置において、 電極は、大径と小径の2個の円筒状のメッシュ電極を同
心円状に配設したものであることを特徴とする有害微生
物の活動不活性化乃至殺傷装置。 【請求項5】 〔請求項1〕に記載する有害微生物の活
動不活性化乃至殺傷装置において、 電極は、一本の線電極とこの線電極を囲繞するように同
心円状に配設した円筒状のメッシュ電極とを組み合わせ
たものであることを特徴とする有害微生物の活動不活性
化乃至殺傷装置。 【請求項6】 〔請求項1〕に記載する有害微生物の活
動不活性化乃至殺傷装置において、 電極は、複数本のプラス側の線電極と、複数本のマイナ
ス側の線電極とを相対向させて構成したことを特徴とす
る有害微生物の活動不活性化乃至殺傷装置。 【請求項7】 〔請求項2〕、〔請求項5〕又は〔請求
項6〕に記載する何れか1つの有害微生物の活動不活性
化乃至殺傷装置において、 線電極の軸方向に亘り多数の孔を設け、各孔を介して空
気又は酸素のバブルを処理液中に供給するようにしたこ
とを特徴とする有害微生物の活動不活性化乃至殺傷装
置。 【請求項8】 〔請求項1〕乃至〔請求項6〕に記載す
る何れか1つの有害微生物の活動不活性化乃至殺傷装置
において、 処理液の移動方向に関し電極の上流にバブル発生装置を
配設し、このバブル発生装置で発生した空気又は酸素の
バブルを電極間を流通する処理液に供給するようにした
ことを特徴とする有害微生物の活動不活性化乃至殺傷装
置。 【請求項9】 〔請求項1〕乃至〔請求項8〕に記載す
る何れか1つの電極又はこの電極とバブル発生装置とを
船等の水上走行体に装着し、この電極又はこの電極とバ
ブル発生装置とを処理水に浸漬した状態で走行しながら
電極間を流通する処理水中に高電圧を印加して所定の水
処理を行うようにしたことを特徴とする有害微生物の活
動不活性化乃至殺傷装置。 【請求項10】 水中に配設された円筒状の部材から水
を噴射するとともに、この円筒状の部材の水の吐出口の
下流に〔請求項1〕乃至〔請求項8〕に記載する何れか
1つの電極又はこの電極とバブル発生装置とを固設し、
電極間を流通する処理水中に高電圧を印加して所定の水
処理を行うようにしたことを特徴とする有害微生物の活
動不活性化乃至殺傷装置。 【請求項11】 〔請求項1〕乃至〔請求項10〕に記
載する有害微生物の活動不活性化乃至殺傷装置を用いて
淡水中のミクロキスティスの細胞内の気泡を電界の印加
による放電により破壊してこのミクロキスティスを無害
化することを特徴とする有害微生物の活動不活性化乃至
殺傷方法。 【請求項12】 〔請求項1〕乃至〔請求項10〕に記
載する有害微生物の活動不活性化乃至殺傷装置を用いて
海水中のヘテロカプサの細胞の外殻を形成するタンパク
質を電界の印加による放電により破壊してこのヘテロカ
プサを無害化することを特徴とする有害微生物の活動不
活性化乃至殺傷方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11187186A JP2001009457A (ja) | 1999-07-01 | 1999-07-01 | 有害微生物の活動不活性化乃至殺傷装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11187186A JP2001009457A (ja) | 1999-07-01 | 1999-07-01 | 有害微生物の活動不活性化乃至殺傷装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001009457A true JP2001009457A (ja) | 2001-01-16 |
Family
ID=16201623
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11187186A Pending JP2001009457A (ja) | 1999-07-01 | 1999-07-01 | 有害微生物の活動不活性化乃至殺傷装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001009457A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
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- 1999-07-01 JP JP11187186A patent/JP2001009457A/ja active Pending
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Legal Events
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A977 | Report on retrieval |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20051220 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060418 |