JP2001008611A - フルーツ入りパン類の製造方法 - Google Patents

フルーツ入りパン類の製造方法

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JP2001008611A
JP2001008611A JP11180550A JP18055099A JP2001008611A JP 2001008611 A JP2001008611 A JP 2001008611A JP 11180550 A JP11180550 A JP 11180550A JP 18055099 A JP18055099 A JP 18055099A JP 2001008611 A JP2001008611 A JP 2001008611A
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dough
pts
fruits
bread
breads
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Hajime Asai
一 浅井
Ryuji Kamimura
竜治 上村
Tetsuya Hirose
哲也 広瀬
Shinji Ishigami
真二 石神
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Nisshin Seifun Group Inc
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Nisshin Seifun Group Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボリューム感があり、クラストの伸びがある
等の外観に優れ、さらにふっくらとしてソフトである等
触感、食味等に優れたフルーツ入りパン類の製造方法の
提供。 【解決手段】 フルーツ類が練り込まれ、かつpHが
5.2〜6.0に調整されたパン類の生地を用いること
を特徴とするフルーツ入りパン類の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボリューム感があ
り、外観、食味、触感等に優れたフルーツ入りパン類の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】フルー
ツは、さわやかな香り、味、色調を有するとともに、ミ
ネラル、繊維質等の栄養素を含有する優れた食品であ
る。このため、フルーツをジャムやペースト等に加工
し、これを原料として製造したパン類も多い。しかしな
がら、従来のジャム等を原料として用いたパン類は、焼
成したパン類の中心部にジャム等が配置された形態のも
のがほとんどであり、ジャム等がパン類全体に均一に分
散した形態を有する、フルーツ入りパン類はほとんどな
かった。
【0003】その主な理由は、フルーツ入りパン類を製
造するためには、パン類原料とジャム等とを混捏して、
ジャム等が均一に分散したパン類の生地を調製し、これ
を焼成する必要があるが、かかるパン類の生地を焼成し
たフルーツ入りパン類は、ボリューム感がなく、クラス
トが肌切れして見栄えが悪いとともに、硬く、食味の劣
ったものとなり易いからである。
【0004】したがって、本発明は、ボリューム感があ
り、クラストの伸びがある等の外観に優れ、さらにふっ
くらとしてソフトである等触感や食味に優れたフルーツ
入りパン類の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究した結果、フルーツ類を練り込ん
でパン類の生地を作る際に、パン類の生地のpHを5.
2〜6.0に調整すれば、該パン類の生地を用いて製造
されたパン類は、ボリューム感があり、クラストの伸び
がある等の外観に優れ、さらにふっくらとしてソフトで
ある等触感や食味に優れたものとなることを見出し、本
発明を完成させた。
【0006】すなわち、本発明は、フルーツ類が練り込
まれ、かつpHが5.2〜6.0に調整されたパン類の
生地を用いることを特徴とするフルーツ入りパン類の製
造方法を提供することにより、上記目的を達成したもの
である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に用いるフルーツとして
は、例えば杏、いちご、いちじく、伊予柑、梅、温州み
かん、桜桃、オレンジ、柿、金柑、果物時計草、くねん
ぼ、ぐみ、グレープフルーツ、ざくろ、さんぼうかん、
すいか、すもも、だいだい、なし、夏みかん、なつめや
し、パイナップル、はっさく、バナナ、パパイア、日向
夏みかん、びわ、ぶどう、ブルーベリー、プルーン、ぶ
んたん、ぽんかん、まくわうり、メロン、桃、ゆず、洋
なし、ラズベリー、りんご、レーズン、レモン等が挙げ
られる。本発明においては、これらを1種又は2種以上
用いることができる。このうち、プルーン、オレンジ、
レーズンが好ましい。
【0008】本発明において、パン類原料とともに混捏
するフルーツの形態は、混捏によりパン類の生地に均一
に分散し得るものであれば特に制限はなく、例えば生の
フルーツを搾汁した果汁、生のフルーツをすりつぶした
ピューレ、あるいはこれらに糖、酸、ペクチン等を加え
て加熱したプレザーブ、ジャム、マーマレード、ペース
ト等が挙げられる(混捏によりパン類の生地に均一に分
散し得る形態のフルーツを、以下「フルーツ類」とい
う)。
【0009】本発明において、パン類の生地のpHを調
整するpH調整剤としては、食品に添加できるものであ
れば特に制限はないが、例えば水酸化ナトリウム等のア
ルカリ;重曹(炭酸水素ナトリウム);ベーキングパウ
ダー;かんすい等が挙げられる。このうち、パン類の風
味、食感、外観等向上の観点から、重曹、ベーキングパ
ウダー、かんすいが特に好ましい。ベーキングパウダー
は、重曹と酸類を主成分としたものであり、酸類に特に
制限はないが、例えば酒石酸、重酒石酸カリウム、ミョ
ウバン、焼ミョウバン、リン酸カルシウム、リン酸カリ
ウム、リン酸アンモニウム等が挙げられる。かんすいと
しては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸
三カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三ナトリウム、
リン酸二ナトリウム等が挙げられる。
【0010】フルーツ類の、パン類の生地に対する配合
量は、フルーツ類のpH、固形分にもよるが、1〜40
重量%が好ましく、2〜35重量%がより好ましく、3
〜30重量%が特に好ましい。pH調整剤のパン類の生
地に対する配合量は、フルーツ類の使用量やそのpHに
もよるが、一般には0.001〜5重量%、特に0.0
05〜3重量%が好ましい。重曹の場合は、0.03〜
0.3重量%、特に0.05〜0.2重量%が好まし
い。ベーキングパウダーの場合は、0.3〜3重量%、
特に0.5〜2重量%が好ましい。かんすいの場合は、
0.03〜0.3重量%、特に0.05〜0.2重量%
が好ましい。
【0011】本発明においては、パン類の種類に応じ
て、それらの製造に一般に用いられるパン類原料を配合
することができる。かかるパン類原料としては、例えば
小麦粉;グルテン等の小麦由来蛋白質;ライ麦粉等の他
の穀粉;イースト;アンモニウム塩、カルシウム塩、酸
化剤、酵素剤等のイーストフード;砂糖、液糖、澱粉糖
等の糖類;食塩;バター、マーガリン、ショートニン
グ、ラード等の油脂類;卵類;牛乳、脱脂粉乳、練乳等
の乳製品;水等が挙げられる。
【0012】本発明の製造方法は、パン類原料、フルー
ツ類、pH調整剤を混合、混捏し、pHが5.2〜6.
0、好ましくは5.3〜5.9、特に好ましくは5.5
〜5.8であるパン類の生地を調製する。pHが5.2
〜6.0の生地であれば、これを用いてボリューム感、
外観、触感、食味等に優れたフルーツ入りパン類を製造
することができるが、pHが5.5〜5.8の生地であ
れば、その効果は特に顕著となる。
【0013】本発明の製造方法は、ストレート法、中種
法、液種法のいずれの製造方法にも適用できるが、フル
ーツ類、pH調整剤は、ストレート法の場合、混捏開始
前、混捏中(ピックアップステージ、クリーンナップス
テージ、ディベロップメントステージ等)のいずれで添
加してもよい。また中種法の場合、フルーツ類、pH調
整剤は、中種混捏開始前、中種混捏中、本混捏開始前、
本混捏中のいずれで添加してもよい。また液種法の場
合、フルーツ類、pH調整剤は、液種混合前、液種撹拌
中、本混捏開始前、本混捏中のいずれで添加してもよ
い。また、フルーツ類とpH調整剤は、異なる段階で添
加してもよい。pH調整剤は、パン類の生地のpHが
5.2〜6.0となるように、予め予備テストを行っ
て、その配合量を決定しておくことが好ましい。
【0014】次いで得られたパン類の生地を、パン類の
種類に応じて発酵、分割、ベンチタイム、成型、ホイ
ロ、焼成等することにより、フルーツ入りパン類を製造
することができる。またパン類の生地を、ホイロ前に冷
凍した後、解凍、ホイロ、焼成してフルーツ入りパン類
を製造することもできる。
【0015】本発明の方法により製造されるパン類に特
に制限はなく、例えば食パン、菓子パン、デニッシュペ
ストリー、フランスパン、ライブレッド、クロワッサ
ン、バターロール、スイートロール、ブリオッシュ、イ
ーストドーナツ等が挙げられる。このうち、食パン、ロ
ールパンが特に好ましい。
【0016】
【実施例】次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものでは
ない。
【0017】実施例1〜5及び比較例1〜5 ストレート法によりプルーン入り食パンを製造した。小
麦粉100重量部、イースト3重量部、イーストフード
0.1重量部、重曹0.2重量部、食塩2重量部、砂糖
5重量部、粉乳2重量部及び水65重量部を混合し、低
速2分、中速6分で混捏した。次いでショートニング5
重量部を加えて中速2分、高速4分で混捏した。次いで
プルーンペースト20重量部を加えて中速で2分混捏
し、プルーン入り食パン生地を調製した。得られたプル
ーン入り食パン生地の温度は26℃、pHは5.5であ
った。これを27℃で60分間発酵し、430gずつに
分割し、ベンチタイムを20分間とった。次いでこれを
棒状に延ばしてワンローフ型に入れ、38℃で40分間
ホイロした後、205℃で28分間焼成してプルーン入
り食パンを製造した(実施例1)。実施例2〜5及び比
較例1〜5は、実施例1において、重曹を表1に示す配
合量とした以外は実施例1と同様にしてプルーン入り食
パンを製造した。各実施例及び比較例における重曹の配
合量及び食パン生地のpHを表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】試験例1 プルーン入り食パンの評価 実施例1〜5及び比較例1〜5で得られた各プルーン入
り食パンについて、製品体積を測定し、その評価を以下
の評価基準にしたがって数値化した。また10名のパネ
ラーを用いて、外観、内相、触感、食味を以下の評価基
準にしたがって評価した。さらに、それらの総合評価を
以下の評価基準で評価した。結果を表1に示す。
【0020】(評価基準) 製品体積 5:2000cc以上 4:1900〜2000cc未満 3:1800〜1900cc未満 2:1700〜1800cc未満 1:1700cc未満 外観 5:極めて滑らかなクラストで、勢いよく伸び、明るい
焼き色をしている。 4:滑らかなクラストで、伸びがよく、やや明るい焼き
色をしている。 3:クラストに滑らかさをやや欠き、やや伸び劣り、ま
たややくすんだ焼き色をしている。 2:クラストがややがさつき、やや肌切れしている。ま
た伸びがなく、くすんだ焼き色をしている。 1:クラストががさつき、肌切れが目立つ。また伸びが
全くなく、どす黒い焼き色をしている。 内相 5:膜が極めて薄く、勢いよく伸びている。 4:膜が薄く、よく伸びている。 3:膜はやや薄いが、伸びにやや欠ける。 2:膜がやや厚く、伸びが劣る。 1:膜が厚く、伸びが極めて劣る。 触感 5:ゴム様の弾力が全くなく、非常にソフトである。 4:ゴム様の弾力がなく、かなりソフトである。 3:ややソフトである。 2:ゴム様の弾力がやや強く、硬い。 1:非常に硬い。 食味 5:8名以上のパネラーがおいしいと回答した。 4:6〜7名のパネラーがおいしいと回答した。 3:4〜5名のパネラーがおいしいと回答した。 2:2〜3名のパネラーがおいしいと回答した。 1:0〜1名のパネラーがおいしいと回答した。 総合評価 ◎:各評価の合計が23以上。 ○:各評価の合計が15〜22。 △:各評価の合計が9〜14。 ×:各評価の合計が8以下。
【0021】プルーン入り食パン生地のpHが5.2〜
6.0である実施例1〜5のプルーン入り食パンは、い
ずれの項目も優れていた。このうち、プルーン入り食パ
ン生地のpHが5.5〜5.8である実施例2〜4のプ
ルーン入り食パンが特に優れていた。一方プルーン入り
食パン生地のpHが5.2未満である比較例1〜3のプ
ルーン入り食パンは、ボリューム感がなく、また硬く、
品質が著しく劣化した。またプルーン入り食パン生地の
pHが6.0を超えた比較例4及び5のプルーン入り食
パンは、食味が著しく低下した。
【0022】実施例6 オレンジ入りロールパンを中種法により製造した。小麦
粉70重量部、イースト3重量部、イーストフード0.
1重量部、卵15重量部及び水30重量部を混合し、低
速2分、中速2分で混捏し、中種生地を得た。得られた
中種生地の温度は24℃であった。これを27℃で2時
間発酵した。次いで、これに、小麦粉30重量部、ベー
キングパウダー3重量部、オレンジジュース18重量
部、食塩1.5重量部及び砂糖12重量部を混合し、低
速2分、中速5分で混捏した。これにマーガリン10重
量部を添加して中速2分、高速3分で混捏し、オレンジ
入りロールパン生地を得た。得られたオレンジ入りロー
ルパン生地の温度は28℃、pHは5.4であった。フ
ロアータイムを25分間とった後、40gずつに分割
し、さらにベンチタイムを20分間とった。これを棒状
に延ばし、一本結びして天板に置き、38℃で40分間
ホイロした後、210℃で12分間焼成してオレンジ入
りロールパンを製造した。得られたオレンジ入りロール
パンは、ボリューム感があり、外観、内相、触感、食味
とも優れたものであった。
【0023】実施例7 レーズン入りロールパン生地をストレート法で調製した
後、冷凍し、これを用いてレーズン入りロールパンを製
造した。小麦粉100重量部、イースト5重量部、イー
ストフード0.3重量部、重曹0.2重量部、レーズン
ペースト40重量部、食塩1.5重量部、ショートニン
グ10重量部及び水61重量部を混合し、低速2分、中
速4分、高速4分で混捏し、レーズン入りロールパン生
地を得た。得られたレーズン入りロールパン生地の温度
は26℃、pHは5.3であった。該レーズン入りロー
ルパン生地を27℃で15分間発酵し、60gずつに分
割し、ベンチタイムを20分間とった。次いで、これを
ガス抜きしてクーペ状に成形し、−40℃の急速凍結庫
で30分間保存して凍結させた。該冷凍生地をプラスチ
ックバッグに入れ、−20℃の冷凍庫にて3週間保存し
た。次いで該冷凍生地を天板に並べ、20℃で90分間
放置して解凍した。これを30℃で70分間ホイロした
後、225℃で20分間焼成してレーズン入りロールパ
ンを得た。得られたレーズン入りロールパンは、ボリュ
ーム感があり、外観、内相、触感、食味とも優れたもの
であった。
【0024】
【発明の効果】本発明の製造方法により、ボリューム感
があり、食味、触感、外観等に優れたフルーツ入りパン
類を製造することができる。
フロントページの続き (72)発明者 広瀬 哲也 東京都中央区日本橋小網町19番12号 日清 製粉株式会社内 (72)発明者 石神 真二 東京都中央区日本橋小網町19番12号 日清 製粉株式会社内 Fターム(参考) 4B032 DB01 DK02 DK31 DL01 DP13

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フルーツ類が練り込まれ、かつpHが
    5.2〜6.0に調整されたパン類の生地を用いること
    を特徴とするフルーツ入りパン類の製造方法。
  2. 【請求項2】 pHの調整を、ベーキングパウダー、重
    曹及びかんすいからなる群より選ばれる1種以上を用い
    て行うことを特徴とする請求項1記載のフルーツ入りパ
    ン類の製造方法。
JP11180550A 1999-06-25 1999-06-25 フルーツ入りパン類の製造方法 Pending JP2001008611A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003023954A (ja) * 2001-07-12 2003-01-28 San Rich:Kk パン酵母の種及びそれを用いたパン生地並びにパンの製法
JP2007185185A (ja) * 2005-12-12 2007-07-26 Obayashi Pan:Kk パンの製造方法
JP2010268737A (ja) * 2009-05-22 2010-12-02 Yamazaki Baking Co Ltd パンの製造方法

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