JP2001008576A - グッドパスチャー症候群モデルマウス - Google Patents

グッドパスチャー症候群モデルマウス

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 適切な病態モデルが存在しておらず治療方法
の開発が遅れているグッドパスチャー症候群の治療の道
を拓くグッドパスチャー症候群モデル非ヒト動物や、こ
れを用いたグッドパスチャー症候群治療薬のスクリーニ
ング方法や、グッドパスチャー症候群の早期診断法を提
供すること。 【解決手段】 免疫グロブリンFcγレセプターIIBノ
ックアウトマウスをタイプIVコラーゲンで免疫し、グッ
ドパスチャー症候群を誘導し、グッドパスチャー症候群
モデルマウスを作製する。また、このグッドパスチャー
症候群モデルマウスに被検物質を投与し、びまん性肺胞
出血、糸球体腎炎及び抗腎糸球体基底膜抗体出現等のグ
ッドパスチャー症候群の発現の程度を指標として評価す
ることにより、グッドパスチャー症候群治療薬をスクリ
ーニングする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グッドパスチャー
症候群モデル非ヒト動物や、これを用いたグッドパスチ
ャー症候群治療薬のスクリーニング方法や、グッドパス
チャー症候群の早期診断法に関する。
【0002】
【従来の技術】びまん性肺胞出血、糸球体腎炎及び抗腎
糸球体基底膜抗体出現の3つを合わせもつグッドパスチ
ャー症候群は、ヴェゲナー肉芽腫症(Wegener's granul
omatosis)、全身性壊死性血管炎及び全身性エリテマト
ーデス(SLE)等と臨床像として共通性があるが、患
者血清中に腎糸球体基底膜と肺胞上皮基底膜に対する共
通する抗体が存在し、これらが標的組織に結合してII型
過敏症反応に基づく炎症病巣を惹起させると考えられて
いる(J. Exp. Med. 126, 989-1004, 1987)。グッドパ
スチャー症の診断は、上記の臨床像の特徴のほかに、腎
糸球体基底膜への免疫グロブリン(以下「Ig」とい
う)沈着の証明によってなされ、抗基底膜抗体の大部分
はIgG画分に属し、近年、タイプIVコラーゲンのα3
鎖の一部分に対する自己抗体と同定されている(Cell M
ol. Biol. 5, 107-112, 1991)。
【0003】また、グッドパスチャー症候群は、広い年
齢層にわたって発症し、早期診断及び早期治療がなされ
なければ80%の患者は1年以内に腎症の悪化により死
亡し、30%の患者は肺出血によって死亡する。早期治
療によって、最近ではグッドパスチャー症の救命率は約
50%にまで向上しているが、経口ステロイド剤又は経
口免疫抑制剤のみの治療では不十分で、肺出血に対して
は高用量のプレドニンパルス療法が効果的である。しか
し、腎症に対してはパルス療法は十分ではなく、血漿交
換と高用量プレドニン、それにサイクロホスファミドの
併用が有効であるとされ、また、高度な腎障害では、人
工透析あるいは腎移植の対象となっている。
【0004】他方、免疫系などの細胞の表面上には、I
gのFc部分を認識して結合するレセプター(以下「F
cR」という)が存在し、その中でも体液中のIgGの
γ鎖に特異的に結合する受容体蛋白質であるFcγレセ
プター(以下「FcγR」という)は遺伝子構造の類似
性に基づいてタイプI(CD64抗原)、タイプII(C
D32抗原)、タイプIII(CD16抗原)の3種に大
きく分類されている。これらのうち、FcγRIIは、他
のFcRとは異なりモノマーのIgGに対して低親和性
であり、免疫複合体となった多価IgGと結合し、単
球、マクロファージ、多形核白血球(PMN)、マスト
細胞、血小板、いくつかのT細胞リンパ球及びいくつか
のB細胞リンパ球を含む造血幹細胞に広く発現する。ま
た、FcγRIIには遺伝子配列が異なるFcγRIIA、
FcγRIIB及びFcγRIICの3種類の受容体が存在
しており、いずれの染色体も1q23に位置しているこ
とも知られている。
【0005】上記FcγRIIBは、他のFcRとは異な
り、γ鎖と会合することなく、しかも細胞内領域に抑制
性シグナルを伝達するアミノ酸配列(ITIM:Immuno
receptor Tyrosine-based Inhibition Motif)を有して
いる(Immunol. Rev. 125, 49-76, 1992、Science 256,
1808-1812, 1992)。このようなFcγRIIBの生理的
機能を解明するために、本発明者らはFcγRIIB欠損
マウスを既に作出し(Nature 379, 346-349, 1996)、
FcγRIIB欠損マウスをタイプIIコラーゲンで免疫す
ることによる関節炎モデルマウス(J. Exp. Med. 189,
187-194, 1999)や、自己免疫疾患モデル動物を作製し
た(特開平08−289699号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】早期診断及び早期治療
をしなければ80%の患者が1年以内に腎症の悪化によ
り死亡し、そのうち30%の患者は肺出血によって死亡
するというグッドパスチャー症候群の病態の研究やグッ
ドパスチャー症候群の治療法の開発に有効な動物モデル
は現在まで知られていない。本発明の課題は、その発症
機構を解明するための適切な病態モデルが存在しておら
ず治療方法の開発が遅れているグッドパスチャー症候群
の治療の道を拓くグッドパスチャー症候群モデル非ヒト
動物や、これを用いたグッドパスチャー症候群治療薬の
スクリーニング方法や、グッドパスチャー症候群の早期
診断法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、FcγR
IIBの生理的機能の解明について鋭意研究を進めていた
ところ、FcγRIIB遺伝子機能が染色体上で欠損した
マウス、すなわちFcγRIIBノックアウトマウスをタ
イプIVコラーゲンで免疫することにより、該FcγRII
Bノックアウトマウスがグッドパスチャー症候群の徴候
を示すことを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち本発明は、免疫グロブリンFcγ
レセプターIIB遺伝子機能が染色体上で欠損した非ヒト
動物をタイプIVコラーゲン又はそのアミノ酸配列の一部
を含むペプチドで免疫することにより得られるグッドパ
スチャー症候群モデル非ヒト動物、特にグッドパスチャ
ー症候群モデルマウスに関する。
【0009】また本発明は、免疫グロブリンFcγレセ
プターIIB遺伝子機能が染色体上で欠損した非ヒト動物
をタイプIVコラーゲンで免疫する前後又は免疫すると同
時に、該非ヒト動物に被検物質を投与し、グッドパスチ
ャー症候群の発現の程度を指標として評価することを特
徴とするグッドパスチャー症候群治療薬のスクリーニン
グ方法や、グッドパスチャー症候群モデル非ヒト動物に
被検物質を投与し、グッドパスチャー症候群の発現の程
度を指標として評価することを特徴とするグッドパスチ
ャー症候群治療薬のスクリーニング方法や、グッドパス
チャー症候群の発現の程度を指標として評価するに際
し、対照として用いた野生型の非ヒト動物との比較評価
を行うことを特徴とする上記グッドパスチャー症候群治
療薬のスクリーニング方法や、グッドパスチャー症候群
の発現が、びまん性肺胞出血、糸球体腎炎及び抗腎糸球
体基底膜抗体出現のうちの少なくとも1つであることを
特徴とする上記グッドパスチャー症候群治療薬のスクリ
ーニング方法や、非ヒト動物がマウスであることを特徴
とする上記グッドパスチャー症候群治療薬のスクリーニ
ング方法に関する。
【0010】さらに本発明は、ヒトの被験細胞からFc
γレセプターIIB遺伝子を抽出し、その遺伝子機能の欠
損の有無を調べることを特徴とするグッドパスチャー症
候群の早期診断法に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において、FcγRIIB遺
伝子機能が染色体上で欠損した非ヒト動物とは、Fcγ
RIIBをコードする非ヒト動物の内在性遺伝子が破壊・
欠損・置換等の遺伝子変異により不活性化され、Fcγ
RIIBを発現する機能を失なった非ヒト動物をいう。ま
た本発明における非ヒト動物としては、マウス、ラット
等の齧歯目動物を具体的に挙げることができるが、これ
らに限定されるものではない。
【0012】例えば、FcγRIIB遺伝子機能が染色体
上で欠損したマウス、すなわちFcγRIIBノックアウ
トマウスは、本発明者らの前掲の文献(Nature 379, 34
6-349, 1996)に記載する方法等によって作製すること
ができる。具体的には、マウス遺伝子ライブラリーから
PCR等の方法により得られた遺伝子断片を用いて、F
cγRIIB遺伝子をスクリーニングし、スクリーニング
されたFcγRIIB遺伝子をウイルスベクター等を用い
てサブクローンし、DNAシーケンシングにより特定す
る。このクローンのS2エキソン及びEC1エキソンを含
むフラグメントをpMC1ネオ遺伝子カセット等に置換
することによって、ターゲットベクターを作製する。
【0013】この線状化されたベクターをエレクトロポ
レーション(電気穿孔)法等によってES細胞に導入
し、相同的組換えを行い、その相同的組換え体の中か
ら、G418等に抵抗性を示すES細胞を選択し、その
細胞のクローンをマウスの胚盤胞中にマイクロインジェ
クションし、かかる胚盤胞を仮親のマウスに戻し、キメ
ラマウスを作製する。このキメラマウスを野生型のマウ
スとインタークロスさせると、ヘテロ接合体マウスを得
ることができ、また、このヘテロ接合体マウスをインタ
ークロスさせることによって、FcγRIIBノックアウ
トマウスを得ることができる。
【0014】本発明において、FcγRIIB遺伝子機能
が染色体上で欠損した非ヒト動物にグッドパスチャー症
候群を誘導するために用いられる免疫源としては、タイ
プIVコラーゲンを具体的に例示することができるが、F
cγRIIB遺伝子機能が染色体上で欠損した非ヒト動物
にグッドパスチャー症候群を誘導することができるもの
であれば、タイプIVコラーゲンのアミノ酸配列の一部を
含むペプチドなどどのようなものでもよい。
【0015】本発明において、グッドパスチャー症候群
モデル非ヒト動物とは、びまん性肺胞出血、糸球体腎炎
及び抗腎糸球体基底膜抗体出現の3つの徴候を合わせも
つマウス等の非ヒト動物であればどのような非ヒト動物
でもよく、例えばFcγRIIB遺伝子機能が染色体上で
欠損した非ヒト動物をタイプIVコラーゲンで免疫するこ
とにより得ることができる。
【0016】本発明におけるグッドパスチャー症候群治
療薬のスクリーニング方法としては、FcγRIIB遺伝
子機能が染色体上で欠損した非ヒト動物をタイプIVコラ
ーゲンで免疫しグッドパスチャー症候群を誘導する前や
後あるいはタイプIVコラーゲンで免疫しグッドパスチャ
ー症候群を誘導すると同時に、該非ヒト動物にグッドパ
スチャー症候群治療薬の候補となる被検物質を投与し、
グッドパスチャー症候群の発現(諸症状の出現)の程度
を指標として評価する方法や、グッドパスチャー症候群
モデル非ヒト動物にグッドパスチャー症候群治療薬の候
補となる被検物質を投与し、グッドパスチャー症候群の
発現の程度を指標として評価する方法を挙げることがで
きる。
【0017】また、グッドパスチャー症候群の発現の程
度を指標として評価するに際し、グッドパスチャー症候
群モデル非ヒト動物と同種の野生型の非ヒト動物を対照
として用い、グッドパスチャー症候群モデル非ヒト動物
と対照としての同種の野生型非ヒト動物とにおけるグッ
ドパスチャー症候群の発現の程度を比較評価することも
できる。
【0018】グッドパスチャー症候群の発現(諸症状の
出現)の程度の指標としては、肺組織におけるびまん性
肺胞出血、腎組織における糸球体腎炎及び抗腎糸球体基
底膜抗体出現のうちの少なくともいずれか1つを好まし
く例示することができるが、この他、肺胞に沈着してい
る抗基底膜抗体の出現、血清クレアチニンのレベル又は
糸球体ろ過値等を挙げることもできる。このような指標
のうち少なくとも1つについて評価することにより、グ
ッドパスチャー症候群治療薬をスクリーニングすること
ができる。
【0019】本発明のグッドパスチャー症候群の早期診
断法としては、ヒトの被験細胞からFcγRIIB遺伝子
を抽出し、その遺伝子機能の欠損の有無を調べることに
より診断する方法を具体的に挙げることができる。そし
て、FcγRIIB遺伝子源としてのヒトの被験細胞とし
ては、例えば、マクロファージ、マスト細胞、B細胞、
樹状細胞等を挙げることができ、またFcγRIIB遺伝
子の遺伝子機能の欠損の有無を調べる方法としては、ク
ローニングされたFcγRIIB遺伝子を常法によりヒト
株化細胞で発現させ、この発現産物のFcγRIIB機
能、例えばIgG免疫複合体との結合を調べる方法を例
示することができる。発現産物にFcγRIIB機能が欠
損している場合は、グッドパスチャー症候群が発症する
可能性があり、上記のように、FcγRIIB遺伝子の遺
伝子機能の欠損の有無を調べることによりグッドパスチ
ャー症候群の早期診断法が可能となる。
【0020】以下に、実施例等を挙げてこの発明を更に
具体的に説明するが、この発明の技術的範囲はこれらの
実施例に限定されるものではない。 参考例(FcγRIIB欠損マウスの作製) 129/Sv/J系統由来のマウスのゲノムDNAライ
ブラリーをスクリーニングすることによって、FcγR
IIB遺伝子のゲノムDNAのクローンを単離した。この
クローンのS2及びEC1の2つの独立したエキソンを含
む2.65KbのフラグメントをpMC1ネオ遺伝子カ
セット(東洋紡社製)に、置換することによってターゲ
ットベクターを作製した。この線状化したベクターをエ
レクトロポレーションによってES細胞(J1)に導入
し、相同的組換えを行った。
【0021】上記の相同的組換えを起こしたES細胞か
らESクローンを単離し、G418及びGANC(ガン
シクロビア)に対してネオマイシン耐性ESクローンを
スクリーニングし、サザンブロット法によって相同的組
換え体を同定した。その同定された相同的組換え体から
ゲノムDNAを単離して、HindIIIでダイジェスト
し、pMC1ネオ遺伝子カセットを含むターゲティング
された対立遺伝子を含んでいることを確認した。かかる
確認されたESクローンを胚盤胞中にマイクロインジェ
クションし、キメラマウスを作製し、作製されたマウス
を野生型のC57BL/6Jマウスとインタークロスさ
せることによってヘテロ接合体マウスを得て、また、ホ
モ接合体マウスを得るために、このヘテロ接合体マウス
をインタークロスさせて、FcγRIIB遺伝子が染色体
上で欠損した欠損マウス及びその野生型マウスを作製し
た。
【0022】実施例1(グッドパスチャー症候群モデル
マウスの作製) 1mMのHCl溶液(pH3.0)に3mg/mlの蛋
白濃度で牛水晶体から調製されたセルマトリックスIV
(新田ゼラチン株式会社社製)に、最終濃度で1mMに
なるようにNaOHを加えてタイプIVコラーゲン(pH
8.0)を作製した。このタイプIVコラーゲン(pH
8.0)3mg/mlと、流動パラフィン、界面活性剤
及び結核死菌からなる完全フロイントアジュバンド(C
FA)3mg/mlとを連結シリンジ中で混合して、ま
たタイプIVコラーゲン(pH8.0)3mg/mlと、
流動パラフィンと界面活性剤とからなる不完全フロイン
トアジュバント(IFA)3mg/mlとを連結シリン
ジ中で混合して、2種類のエマルジョンを作製した。
【0023】上記参考例記載の方法により作製したFc
γRIIB遺伝子欠損マウス(8週齢:雌雄差なし)をエ
ーテルで麻酔し尾根部を剃毛し、タイプIVコラーゲンと
CFAとをそれぞれ150μg含むエマルジョン100
μlをマウスの皮内に注射して一次免疫を行い、その一
次免疫後、14、28及び42日目に、タイプIVコラー
ゲンとIFAとをそれぞれ150μg含むエマルジョン
100μlを皮内に注射し、56日目にマウスを屠殺
し、肺及び腎臓組織を採取した。また、対照としては野
生型マウスを用いた。
【0024】図1に示すように、タイプIVコラーゲンで
免疫されたFcγRIIB遺伝子欠損マウス(FcγRII
-/-)は対照の野生型マウス(WT)に比べて、肺組
織においてマクロファージや好中球等の炎症細胞浸潤を
含む広い範囲で著しい肺胞出血を示し、また、図2に示
すように、腎組織において糸球体や近位尿細管の変性が
生起しており、糸球体腎炎を主体とする腎病変が生じて
いた。これらの結果から、FcγRIIB遺伝子欠損マウ
スをタイプIVコラーゲンで免疫すると、グッドパスチャ
ー症候群モデルマウスが得られることがわかる。
【0025】実施例2(タイプIVコラーゲンに対する抗
体価の検査) FcγRIIBノックアウトマウス、FcRγノックアウ
トマウス、野生型マウスのそれぞれに、タイプIVコラー
ゲンで免疫し、所定期間の後、眼窩より採血を行ない、
文献(Cell. Immunol. 145, 299-310, 1992)記載のE
LISA分析に改良を加えた以下の方法により、タイプ
IVコラーゲンに対する抗体価を検査した。
【0026】リン酸緩衝溶液(PBS)1mlに20μ
gのタイプIVコラーゲンを溶解させ、この溶解液を1ウ
ェル当たり50μlの割合で用い、96ウェルマイクロ
プレート(Falcon;Becton Dickin
son Labware社製)を4℃にて一晩コーティ
ングした後、0.05%のTween20と0.1%の
BSAを含むPBSで3回洗浄し、1ウェル当たり25
0μlの0.2%のBSAを含むPBSで4℃にて一晩
ブロックした。
【0027】次に上記血液から得られた血清を400〜
20000倍に希釈し、その希釈した血清を1ウェル当
たり50μlの割合で上記96ウェルマイクロプレート
に加え、4℃にて一晩反応させた。反応後、96ウェル
マイクロプレートを0.05%のTween20を含む
PBSで3回洗浄し、西洋ワサビペルオキシダーゼ(シ
グマ社製)が結合したヤギ抗マウスIgG1、IgG2
a、IgG2b又はIgMを200倍に希釈したものを
50μl加えて、4℃にて2時間インキュベートした。
インキュベート後、再び0.05%のTween20を
含むPBSで3回洗浄し、0.1mlのTureBlue Perox
idase Substrate(Kirkegaard & PerryLabs社製)と共
に30分間室温で酵素反応を行った。その後、ミクロプ
レートリーダー(Biolumin 960;Molecular Dynamics社
製)でOD450nmを測定した。結果を図3に示す。
【0028】これらの結果から、FcγRIIBノックア
ウトマウス(IIB−KO)は、FcRγノックアウトマ
ウス(γ−KO)や野生型マウス(Wild)に比べて、タ
イプIVコラーゲンに対する抗体価(IgG1、IgG2
a、IgG2b又はIgM)の上昇が認められ、グッド
パスチャー症候群の所見と矛盾していないことから、グ
ッドパスチャー症候群モデルマウスが作製できたことが
わかった。
【0029】
【発明の効果】本発明によると、グッドパスチャー症候
群モデル非ヒト動物や、これを用いたグッドパスチャー
症候群治療薬のスクリーニング方法や、グッドパスチャ
ー症候群の早期診断法を提供することができるので、そ
の発症機構を解明するための適切な病態モデルが存在し
ておらず治療方法の開発が遅れているグッドパスチャー
症候群の治療の道を拓くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】タイプIVコラーゲン免疫によるグッドパスチャ
ー症候群様の肺胞出血を示す図である。
【図2】タイプIVコラーゲン免疫によるグッドパスチャ
ー症候群様の糸球体腎炎を示す図である。
【図3】タイプIVコラーゲン免疫に対する抗体価のレベ
ルを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G045 AA25 AA29 AA40 BB52 CB01 CB17 CB26 DA36 FB03 4B024 AA11 AA20 BA80 CA03 DA02 EA04 GA11 HA17

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 免疫グロブリンFcγレセプターIIB遺
    伝子機能が染色体上で欠損した非ヒト動物をタイプIVコ
    ラーゲンで免疫することにより得られることを特徴とす
    るグッドパスチャー症候群モデル非ヒト動物。
  2. 【請求項2】 非ヒト動物が、マウスであることを特徴
    とする請求項1記載のグッドパスチャー症候群モデル非
    ヒト動物。
  3. 【請求項3】 免疫グロブリンFcγレセプターIIB遺
    伝子機能が染色体上で欠損した非ヒト動物をタイプIVコ
    ラーゲンで免疫する前後又は免疫すると同時に、該非ヒ
    ト動物に被検物質を投与し、グッドパスチャー症候群の
    発現の程度を指標として評価することを特徴とするグッ
    ドパスチャー症候群治療薬のスクリーニング方法。
  4. 【請求項4】 グッドパスチャー症候群モデル非ヒト動
    物に被検物質を投与し、グッドパスチャー症候群の発現
    の程度を指標として評価することを特徴とするグッドパ
    スチャー症候群治療薬のスクリーニング方法。
  5. 【請求項5】 グッドパスチャー症候群の発現の程度を
    指標として評価するに際し、対照として用いた野生型の
    非ヒト動物との比較評価を行うことを特徴とする請求項
    3又は4記載のグッドパスチャー症候群治療薬のスクリ
    ーニング方法。
  6. 【請求項6】 グッドパスチャー症候群の発現が、びま
    ん性肺胞出血、糸球体腎炎及び抗腎糸球体基底膜抗体出
    現のうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求
    項3〜5のいずれか記載のグッドパスチャー症候群治療
    薬のスクリーニング方法。
  7. 【請求項7】 非ヒト動物が、マウスであることを特徴
    とする請求項3〜6のいずれか記載のグッドパスチャー
    症候群治療薬のスクリーニング方法。
  8. 【請求項8】 ヒトの被験細胞からFcγレセプターII
    B遺伝子を抽出し、その遺伝子機能の欠損の有無を調べ
    ることを特徴とするグッドパスチャー症候群の早期診断
    法。
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