JP2001007023A - 投影露光方法及び装置、並びに素子製造方法 - Google Patents

投影露光方法及び装置、並びに素子製造方法

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JP2001007023A
JP2001007023A JP2000173049A JP2000173049A JP2001007023A JP 2001007023 A JP2001007023 A JP 2001007023A JP 2000173049 A JP2000173049 A JP 2000173049A JP 2000173049 A JP2000173049 A JP 2000173049A JP 2001007023 A JP2001007023 A JP 2001007023A
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mask
light
scanning
exposure
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Takechika Nishi
健爾 西
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Nikon Corp
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70216Mask projection systems
    • G03F7/70358Scanning exposure, i.e. relative movement of patterned beam and workpiece during imaging

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スリットスキャン露光方式で露光を行うとき
に、露光対象となる基板に対する積算露光量の制御精度
を高く維持する。 【解決手段】 照明系内の可変開口絞り41を使ってレ
チクル12のパターン形成面に対するフーリエ変換面で
の光量分布を変更した場合に、その変更後の光量分布に
応じてウエハ5に対する露光量制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば半導体素子又は
液晶表示素子等をフォトリソグラフィ工程で製造する際
に使用される所謂スリットスキャン露光方式の投影露光
方法及び投影露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子、液晶表示素子又は薄膜磁気
ヘッド等をフォトリソグラフィ工程で製造する際に、フ
ォトマスク又はレチクル(以下、「レチクル」と総称す
る)のパターンを感光材が塗布されたウエハ(又はガラ
スプレート等)上に転写する投影露光装置が使用されて
いる。従来の投影露光装置としては、ウエハの各ショッ
ト領域を順次投影光学系の露光フィールド内に移動させ
て、各ショット領域に順次レチクルのパターン像を一括
露光するというステップ・アンド・リピート方式の縮小
投影型露光装置(ステッパー)が多く使用されていた。
【0003】図5は従来のステッパーを示し、この図5
において、水銀ランプ61から射出された照明光は楕円
鏡62によって集光された後、インプットレンズ63に
よってほぼ平行光束に変換されてフライアイレンズ67
に入射する。楕円鏡62の第2焦点の近傍にシャッター
64が配置され、装置全体の動作を制御する主制御系6
6が、駆動装置65を介してシャッター64の開閉を制
御することにより、露光時間の制御が行われる。
【0004】フライアイレンズ67の後側(レチクル
側)の焦点面に形成された多数の2次光源からの照明光
が、第1リレーレンズ69、視野絞り(レチクルブライ
ンド)70、第2リレーレンズ71、ミラー72及びメ
インコンデンサーレンズ73を経て均一な照度でレチク
ル74のパターン領域を照明する。レチクル74と共役
なレチクルブラインド70により、レチクル74上の照
明領域が設定される。レチクル74はレチクルステージ
75上に保持され、レチクル74のパターン像が投影光
学系76を介してウエハステージ78上に保持されたウ
エハ77の各ショット領域に投影される。ウエハ77の
表面にはフォトレジストが塗布され、このフォトレジス
トの感度により、ウエハ77に対する目標露光量が決定
される。
【0005】ウエハステージ78は、投影光学系76の
光軸に垂直なXY平面内及び投影光学系76の光軸方向
にウエハ77の位置決めを行うと共に、ウエハ77の回
転角の調整等を行う。ウエハステージ78上に外部のレ
ーザ干渉計80からのレーザビームを反射する移動鏡7
9が固定され、レーザ干渉計80によりウエハステージ
78のXY座標が常時モニターされ、計測された座標値
が主制御系66に供給されている。主制御系66は、ウ
エハステージ駆動装置81を介してウエハステージ78
をステップ・アンド・リピート方式で駆動して、ウエハ
77の各ショット領域を順次投影光学系76の露光フィ
ールド内に位置決めして、それぞれレチクル74のパタ
ーン像を露光する。
【0006】図5のステッパーでは、シャッター64の
開時間によってウエハ77への露光量が決定される。そ
こで、ウエハ77の各ショット領域への露光量を目標露
光量に許容範囲内で合致させるために、図6に示すよう
に、時間tが0のときにシャッター64を開けると、時
間tが時点t1 のときにシャッター64の開口率が10
0%になる。その後、積算露光量のモニターを行いつ
つ、その積算露光量が目標露光量に対して所定量だけ少
ない量に達した時点t2 でシャッター64を閉じると、
時点t3 でシャッター64が完全に閉じて、積算露光量
が目標露光量になる。従来はこのようなシャッター64
の開閉により、積算露光量制御が行われていた。
【0007】また、ウエハ77上のフォトレジストの感
度が高感度の場合には、同様にシャッター64の開閉を
高速に行い、図6に示すように、時点t1 の直後の積算
露光量が目標露光量から所定量だけ小さくなった時点t
4 でシャッター64を閉じると、時点t5 で目標露光量
が得られる。最近は、フォトレジストとして、感度の高
いものが開発され、目標露光量がかなり小さくて済むフ
ォトレジストがあるが、シャッター64として十分に高
速のシャッターが開発されている。従って、ステッパー
に関しては、高感度のフォトレジストを使用した場合で
も、積算露光量制御は十分に高精度に行われている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】最近は、半導体素子等
の1個のチップパターンが大型化する傾向にあり、投影
露光装置においては、レチクル上のより大きな面積のパ
ターンをウエハ上に露光するための大面積化が求められ
ている。また、半導体素子等のパターンが微細化するの
に応じて、投影光学系の解像度を向上することも求めら
れているが、投影光学系の解像度を向上し、且つ投影光
学系の露光フィールドを大きくすることは設計上及び製
造上困難であるという問題がある。特に、投影光学系と
して、反射屈折系を使用するような場合には、無収差の
露光フィールドの形状が円弧状の領域となることもあ
る。
【0009】斯かる転写対象パターンの大面積化及び投
影光学系の露光フィールドの制限に応えるために、例え
ば細長い矩形、円弧状又は6角形等の照明領域(これを
「スリット状の照明領域」という)に対してレチクルを
走査し、その照明領域と共役な露光領域に対してレチク
ルの走査と同期してウエハを走査することにより、レチ
クル上のパターンの像を逐次ウエハ上に露光する所謂ス
リットスキャン露光方式の投影露光装置が注目されてい
る。このスリットスキャン露光方式では、投影光学系の
投影倍率をβとすると、レチクルが速度VR で走査され
るのに同期して、レチクルの走査方向と共役な方向にウ
エハは速度VW(=β・VR)で走査される。
【0010】このスリットスキャン露光方式の投影露光
装置では、ウエハ上の積算露光量はスリット状の照明領
域と共役な露光領域に対するウエハの走査速度VW 、そ
のスリット状の露光領域の走査方向の幅L、及び照明光
の照度(単位面積当り、単位時間当りの露光量)Qによ
り決定される。また、ウエハ上の目標露光量は、ウエハ
上のフォトレジストの感度(即ち、単位面積当りの必要
露光量)Pにより定めるため、フォトレジストの感度P
は次式で表すことができる。
【0011】P=Q・(L/VW) (1) この(1)式は次のように変形することができる。 Q・L=P・VW (2) これに関して、一般的にレチクルのパターンをウエハ上
に転写する場合、投影倍率βが1/5から1/4程度に
設定されるので、ウエハの走査速度VW に対し、レチク
ルは5倍から4倍程度の速度で走査する必要がある。ま
た、仮に、照明光の照度Qをウエハ上で1000mW/cm2
し、フォトレジストの感度P(必要な露光量密度)を18
0mJ/cm2 とすると、ウエハ上の各点では0.18sec で露光
を終了する必要がある。そこで、スリット状の露光領域
の走査方向の幅Lを10mm、投影光学系の投影倍率を1/
4としたときの、ウエハの走査速度VW は約56mm/secと
なり、レチクルに対しては220mm/sec の走査速度VR
必要になる。即ち、高感度のフォトレジストを使用する
場合、それに応じてレチクルの走査速度を速くする必要
があるが、それには機構上での限界がある。
【0012】そのため、種々の透過率の減光フィルター
が配置された減光フィルター板中の所定の減光フィルタ
ーを照明光束中に入れて、照明光の照度Qを落として対
応することが考えられる。しかしながら、従来は水銀ラ
ンプ61の光量を減光するための減光フィルター板は、
離散的に透過率を切り換えることができるだけであっ
た。また、複数段の減光フィルター板を用いて透過率の
切り換えの個数を増やしても、照度Qは離散的に切り換
えられる点は同じであった。また、照明光の照度Qを離
散的に変えて、(2)式を近似的に満たすようにする方
法も考えられるが、これでは露光量の制御精度が低下し
てしまう。
【0013】そこで、フォトレジストの感度Pが高くな
った場合でも(2)式を満たすために、従来は、スリッ
ト状の露光領域の幅L又はウエハの走査速度VW を可変
にする必要があった。しかしながら、スリット状の露光
領域の幅Lが可変となる様な構成にすると、幅Lの設定
誤差が生じ易くなり、照度むらが生ずる虞がある。ま
た、ウエハの走査速度VW を小さくすると、露光時間が
長くなり、露光工程のスループットが低下するという不
都合があった。
【0014】また、ウエハに対する積算露光量に関連し
て、フォトレジストの感度が低く(目標露光量が大き
く)なると露光時間が長くなり、レチクルが熱膨張し
て、ウエハ上に露光されるパターンの非線形誤差が生ず
る場合があった。本発明は斯かる点に鑑み、スリットス
キャン露光方式の投影露光方法又は投影露光装置におい
て、感光材(基板)に対する積算露光量を目標露光量に
設定できるようにすることを目的とする。
【0015】また本発明は、照明光として水銀ランプの
ような連続光を使用したスリットスキャン露光方式の投
影露光方法又は投影露光装置において、感光材の感度が
高くなった場合でも、露光工程のスループットを低下さ
せることなく、且つ照度むらを生じさせることなく、感
光材に対する積算露光量を目標露光量に設定できるよう
にすることを目的とする。
【0016】更に本発明は、スリットスキャン露光方式
の投影露光方法又は投影露光装置において、積算露光量
が大きい場合でもウエハ上に形成されるパターンの非線
形誤差を小さくすることを目的とする。また本発明は、
そのような投影露光装置を用いる素子製造方法を提供す
ることをも目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明による投影露光装
置は、照明光に対してマスク(12)と基板(5)とを
移動することにより、基板(5)を走査露光する投影露
光装置であって、マスク(12)のパターン形成面に対
するフーリエ変換面での照明光の光量分布を変更する分
布変更手段(41)と、分布変更手段(41)による変
更後の光量分布に応じて、基板(5)に対する露光量制
御を行う露光量制御手段(25)とを備えたものであ
る。
【0018】この場合、その基板上でのその照明光の光
量をQ、その基板上の感光剤の感度をP、その基板の走
査速度をV、その基板上におけるその照明光の照射領域
の幅をLとして、その露光量制御手段は、以下の条件式
が満たされるようにその基板に対する露光量制御を行う
ことが望ましい。Q・L=P・V更に、そのマスクを保
持するとともに、その走査露光のためにその照明光に対
して所定の走査方向に移動可能なマスクステージと、そ
の基板を保持してその照明光に対し移動可能な基板ステ
ージと、その基板を走査露光するときに、そのマスクの
熱変形に応じてそのマスクの走査速度を調整する速度調
整手段とを備えることが望ましい。
【0019】また、そのマスクを保持するとともに、そ
の走査露光のためにその照明光に対して所定の走査方向
に移動可能なマスクステージと、その基板を保持してそ
の照明光に対し移動可能な基板ステージと、その基板を
走査露光するときに、そのマスクの熱変形に応じてその
基板の走査速度を調整する速度調整手段とをさらに備え
ることが望ましい。
【0020】更に、その速度調整手段は、その走査方向
におけるそのマスクの熱変形に応じてその走査速度の調
整を行うことが望ましい。また、その投影光学系の結像
特性を調整するための結像特性調整手段をさらに備え、
その結像特性調整手段は、その所定方向と直交する方向
のそのマスクの熱変形に応じてその投影光学系の結像特
性を調整することが望ましい。
【0021】更に、その照明光を光量を計測する計測手
段を備え、この計測手段の計測結果に基づいて、そのマ
スクの熱変形の状態を予測することが望ましい。また、
そのマスクのパターン分布に応じて、そのマスクの熱変
形の状態を予測することが望ましい。また、その照明光
を連続的に発生する光源と、その光源から発射される照
明光の光量を所定範囲で連続的に制御する第1の光量制
御手段と、その光源とそのマスクとの間で、その光源か
ら発射された照明光の光量を段階的に切り換える第2の
光量制御手段と、その基板に塗布された感光剤の感度、
その照明光に対するその基板の走査速度、及びその基板
上におけるその照明光のその基板の走査方向の幅よりそ
の照明光の光量を算出し、その第1の光量制御手段及び
その第2の光量制御手段を介してその照明光の光量をそ
の算出された光量に設定する演算制御手段とを有するこ
とが望ましい。
【0022】また、本発明による素子製造方法は、本発
明の投影露光装置を用いて基板を走査露光するリソグラ
フィ工程を含むものである。次に、本発明による投影露
光方法は、照明光に対してマスクと基板とを移動するこ
とにより、その基板を走査露光する投影露光方法におい
て、そのマスクのパターン形成面に対するフーリエ変換
面でのその照明光の光量分布を変更し、この変更後の光
量分布に応じて、その基板に対する露光量制御を行うも
のである。
【0023】この場合、そのマスクのパターンの像をそ
の基板上に投影する投影光学系の露光フィールド内に光
電検出器を移動した状態でそのマスクの走査を開始し、
そのマスクの走査開始から走査終了までの間にその光電
検出器の受光量をサンプリングして、そのマスクの走査
開始からその走査終了までの間の積算露光量を算出する
ことが望ましい。
【0024】また、そのマスクのパターンの像をその基
板上に投影する投影光学系の露光フィールド内に光電検
出器を移動した状態でそのマスクの走査を開始し、その
マスクの走査開始から走査終了までの間にその光電検出
器から出力された信号からそのマスクのパターン分布を
確認することが望ましい。
【0025】
【作用】上記のごとき本発明によれば、マスク(12)
のパターン形成面に対するフーリエ変換面での照明光の
光量分布を変更した場合にも、その変更後の光量分布に
応じて露光量制御を行う(例えば、基板(5)の走査速
度を調整する)ので、スリットスキャン露光方式の投影
露光装置においても、感光材(基板)に対する積算露光
量を目標露光量に設定することができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の一実施例につき図面を参照し
て説明する。本実施例は、スリットスキャン露光方式の
投影露光装置に本発明を適用したものである。図2は本
実施例の投影露光装置のステージ系を示し、この図2に
おいて、図示省略された照明光学系からの照明光ELに
よる矩形の照明領域(以下、「スリット状の照明領域」
という)によりレチクル12上のパターンが照明され、
そのパターンの像が投影光学系8を介してフォトレジス
トが塗布されたウエハ5上に投影露光される。スリット
スキャン露光方式で露光を行う際には、投影光学系8の
投影倍率をβとして、照明光ELのスリット状の照明領
域に対して、レチクル12が図2の紙面に対して前方向
に一定速度VR で走査されるのに同期して、ウエハ5は
図2の紙面に対して後方向に一定速度VW(=β・VR)で
走査される。
【0027】レチクル12及びウエハ5の駆動系につい
て説明するに、レチクル支持台9上にY軸方向(図2の
紙面に垂直な方向)に駆動されるレチクルY駆動ステー
ジ10が載置され、このレチクルY駆動ステージ10上
にレチクル微小駆動ステージ11が載置され、レチクル
微小駆動ステージ11上にレチクル12が真空チャック
等により保持されている。レチクル微小駆動ステージ1
1は、投影光学系8の光軸に垂直な面内で図2の紙面に
平行なX方向、Y方向及び回転方向(θ方向)にそれぞ
れ微小量だけ且つ高精度にレチクル12の位置制御を行
う。レチクル微小駆動ステージ11上には移動鏡21が
配置され、レチクル支持台9上に配置された干渉計14
によって、常時レチクル微小駆動ステージ11のX方
向、Y方向及びθ方向の位置がモニターされている。干
渉計14により得られた位置情報S1が主制御系22A
に供給されている。
【0028】一方、ウエハ支持台1上には、Y軸方向に
駆動されるウエハY軸駆動ステージ2が載置され、その
上にX軸方向に駆動されるウエハX軸駆動ステージ3が
載置され、その上にZθ軸駆動ステージ4が設けられ、
このZθ軸駆動ステージ4上にウエハ5が真空吸着によ
って保持されている。Zθ軸駆動ステージ4上にも移動
鏡7が固定され、外部に配置された干渉計13により、
Zθ軸駆動ステージ4のX方向、Y方向及びθ方向の位
置がモニターされ、干渉計13により得られた位置情報
も主制御系22Aに供給されている。主制御系22A
は、ウエハ駆動装置22B等を介してウエハY軸駆動ス
テージ2〜Zθ軸駆動ステージ4の位置決め動作を制御
すると共に、装置全体の動作を制御する。
【0029】また、ウエハ側の干渉計13によって計測
される座標により規定されるウエハ座標系と、レチクル
側の干渉計14によって計測される座標により規定され
るレチクル座標系の対応をとるために、Zθ軸駆動ステ
ージ4上のウエハ5の近傍に基準マーク板6が固定され
ている。この基準マーク板6上には各種基準マークが形
成されている。これらの基準マークの中にはZθ軸駆動
ステージ4側に導かれた照明光により裏側から照明され
ている基準マーク、即ち発光性の基準マークがある。
【0030】本例のレチクル12の上方には、基準マー
ク板6上の基準マークとレチクル12上のマークとを同
時に観察するためのレチクルアライメント顕微鏡19及
び20が装備されている。この場合、レチクル12から
の検出光をそれぞれレチクルアライメント顕微鏡19及
び20に導くための偏向ミラー15及び16が移動自在
に配置され、露光シーケンスが開始されると、主制御系
22Aからの指令のもとで、ミラー駆動装置17及び1
8によりそれぞれ偏向ミラー15及び16は待避され
る。更に、投影光学系8のY方向の側面部に、ウエハ5
上のアライメントマーク(ウエハマーク)を観察するた
めのオフ・アクシスのアライメント装置34が配置され
ている。
【0031】図1は本実施例の投影露光装置の主に照明
光学系及び制御系を示し、この図1において、照明光の
光源としての水銀ランプ23は、ランプ電流制御装置2
4より所定の高電圧を印加されて発光する。水銀ランプ
23は、一定量の電流が供給されると、それに従って一
定の輝度で連続的に照明光EL(例えば波長365nm
のi線)を発光し続ける。また、本例では、ランプ電流
制御装置24から水銀ランプ23に供給する電流Iを所
定の範囲で連続的に変えることにより、発光される照明
光の照度を所定の範囲で連続的に変えている(詳細後
述)。ウエハ5への積算露光量を目標露光量に設定する
ための制御を行う露光量制御装置25が、そのランプ電
流制御装置24の動作を制御する。
【0032】水銀ランプ23からの照明光は、楕円鏡2
6で集光されて、回転型可変減光フィルター板27を通
過した後、レンズ28、ミラー30及びレンズ31を経
てシャッター33により開閉される位置に光源像を形成
する。露光量制御装置25が、駆動モータ29を介して
回転型可変減光フィルター板27の回転角を設定する。
図3は、回転型可変減光フィルター板27の構成を示
し、この減光フィルター板27は、円板状の基板上に等
角度間隔で6個の開口を形成し、これら開口にそれぞれ
照明光ELに対する透過率の異なるフィルター板27
a,27b,…,27fをはめ込んだものである。例え
ば第1のフィルター板27aの透過率はほぼ100%で
あり、以下次第に透過率が低下している。従って、回転
型可変減光フィルター板27の回転角を調整して、フィ
ルター板27a〜27fの内の何れかを照明光ELの光
路中に設定することにより、照明光ELの照度を離散的
に変えることができる。
【0033】図1に戻り、露光量制御装置25が駆動モ
ータ35を介してシャッター33の開閉動作を制御す
る。シャッター33が開状態のときには、シャッター3
3を通過した照明光が、第1インプットレンズ32を介
してほぼ平行光束として第1フライアイレンズ36に入
射する。そして、第1フライアイレンズ36の後側焦点
面に形成される多数の2次光源からの照明光が、第2イ
ンプットレンズ37を介してほぼ平行光束となって第2
フライアイレンズ38に入射し、第2フライアイレンズ
38からの照明光が、第3インプットレンズ39を介し
てほぼ平行光束となって第3フライアイレンズ40に入
射する。尚、第1フライアイレンズ36の射出側面と第
2フライアイレンズ38の入射側面、及び第2フライア
イレンズ38の射出側面と第3フライアイレンズ40の
入射側面はともにフーリエ変換の関係となっており、第
3フライアイレンズ40の射出側面は、照明光学系中の
レチクルのパターン形成面に対するフーリエ変換面とほ
ぼ一致しているものとする。次に、第3フライアイレン
ズ40からの照明光が、所謂変形照明用の可変開口絞り
41を照明する。可変開口絞り41には、通常の円形
(又は矩形)開口、光軸の回りに4個に分割された変形
光源用の開口、及び輪帯開口等が形成され、露光量制御
装置25が駆動モータ42を介して可変開口絞り41の
回転角を設定することにより、露光対象とするレチクル
12に応じた開口が第3フライアイレンズ40の射出面
の近傍に配置される。
【0034】可変開口絞り41の所定の開口によって一
定の照度分布に設定された照明光は、レンズ43を経て
反射率が99.5%のミラー44に入射し、ミラー44で反
射された照明光が、レンズ47、第1リレーレンズ48
を経て固定の視野絞り(固定レチクルブラインド)49
上に到達し、ここでレチクル12上の有効照明視野(ス
リット状の照明領域)が決定される。視野絞り49を通
過した照明光ELが、第2リレーレンズ50及びメイン
コンデンサーレンズ51を介して、レチクル12上のス
リット状の照明領域52を均一な照度で照明する。スリ
ット状の照明領域52内のレチクル12のパターン像
が、投影光学系8を介してウエハ5上の走査方向(Y方
向)の幅がLのスリット状の露光領域内に投影露光され
る。
【0035】主制御系22Aは、レチクルステージ駆動
装置22Cを介してレチクルステージRST(図2のレ
チクル支持台9〜レチクル微小駆動ステージ11を含
む)の動作を制御することにより、レチクル12を照明
領域52に対してY方向に速度VR で走査させるのに同
期して、ウエハステージ駆動装置22Bを介してウエハ
ステージWST(図2のウエハ支持台1〜Zθ軸駆動ス
テージ4を含む)の動作を制御することにより、ウエハ
5を露光領域に対して−Y方向に速度VW で走査させ
る。また、オペレータは、キーボード57からウエハ5
上に塗布されているフォトレジストの感度Pを入力す
る。主制御系22Aは、入力されたフォトレジストの感
度Pを露光量制御装置25に伝達し、露光量制御装置2
5は、入力された感度Pに応じて露光量制御を行う。ま
た、ウエハステージWST上のウエハ5の近傍には、光
電検出器よりなる照射量モニター58が設置され、この
照射量モニター58の光電変換信号も主制御系22Aに
供給されている。
【0036】スリットスキャン露光方式で露光を行う際
には、レチクルのパターン領域を囲む遮光帯からそのパ
ターン領域にスリット状の照明領域52の前側のエッジ
部が出る直前にシャッター33が開けられ、露光が終了
する際に、レチクル12のパターン領域を囲む遮光帯に
照明領域52の後側のエッジ部が入った時点で、シャッ
ター33が閉じられる。即ち、スリットスキャン露光方
式では、シャッター33の役割はレチクル12上の遮光
帯の幅を小さく抑える為のものであり、露光量制御には
直接使用されない。シャッター33は主にテスト露光時
の開閉や制御系のチェック等に使用される。例えば、レ
チクル12及びウエハ5を静止させて露光する際に、シ
ャッター33の開閉による露光量制御が実行される。
【0037】また、反射率が99.5%のミラー44を透過
した照明光は、集光レンズ45を介して光電検出器より
なるインテグレータセンサー46で受光される。また、
ミラー44で反射された照明光の内でレチクル12のパ
ターン上で反射された光、及びレチクル12及び投影光
学系8を介してウエハ5に達した後、ウエハ5で反射し
た光は、同じ光路を戻ってミラー44を透過して、集光
レンズ53を経て光電検出器よりなる反射率モニター5
4に達する。ここで、ウエハ5の露光面を投影光学系8
の露光フィールドから外して、ウエハ5からの反射光が
戻らない条件で計測した反射率モニター54の出力値が
レチクル12のパターン面で反射した戻り光に対応する
出力値であり、この出力値をウエハ5の露光面を投影光
学系8の露光フィールドに設定した場合の計測結果から
差し引いて得られる値が、ウエハ5の露光面からの反射
光に対応する値として算出される。
【0038】照射量モニター58、インテグレータセン
サー46及び反射率モニター54の出力信号は主制御系
22Aを介して露光量制御装置25に供給され、これら
全ての出力信号は露光量制御装置25で処理される。こ
こで、各センサーについて詳細に説明すると、シャッタ
ー33をオープンしてレチクル12がレチクルステージ
RST上に搭載されていない状態で、照明光ELを照射
量モニター58及びインテグレータセンサー46でモニ
ターし、ウエハ5の露光面での照射量(照射量モニター
58の出力信号)とインテグレータセンサー29での受
光量との比をパラメータとして計測する。更に、照射量
モニター58を投影光学系8の露光フィールドから外に
移動させて、投影光学系8の露光フィールド内に反射率
の分かっている基準基板を配置して、インテグレータセ
ンサー46の出力信号と反射率モニター54の出力信号
との比をパラメータとして計測する。この方法で照射量
モニター58の出力信号に対する反射率モニター54及
びインテグレータセンサー46の出力信号のキャリブレ
ーションが終了する。
【0039】次に、レチクルステージRST上にレチク
ル12を搭載した後、再び照射モニター58を投影光学
系8の露光フィールド内に移動し、レチクル12の走査
を開始する。ここでレチクル12の走査開始から走査終
了までの間、主制御系22Aが照射量モニター58の受
光量のサンプリングを行い、走査終了後に、レチクル1
2の全面を走査した後の積算露光量を算出する。これ
は、照射エネルギーがレチクル12上のパターンによっ
て異なり、走査時の積算露光量を実際にモニターし、投
影光学系8の投影倍率βやフォーカス位置の変化を補正
する必要がある為である。また、照射量モニター58の
出力信号を時間軸に沿ってプロットすると、一定の分布
が確認される。これはレチクル12上のパターン分布を
示しており、その分布が一様でない場合、レチクル12
上の照射による熱エネルギー分布も同様の特性を持つた
め、レチクル12が非線形に熱変形する事を示してい
る。この結果から、そのレチクル12の走査方向の熱変
形を補正するように、露光中にレチクルステージRST
の走査速度を調整することにより、ウエハ5上では熱変
形の影響が現れないようにすることができる。
【0040】また、図1では図示省略しているが、投影
光学系8には結像特性補正部が接続され、この結像特性
補正部により投影光学系8を構成するレンズエレメント
の内の所定のレンズエレメントを動かすことにより、投
影光学系8の投影倍率βを所定の範囲で補正する。これ
により、レチクル12の非走査方向(X方向)への熱変
形の影響を除去することができる。
【0041】更に、ウエハ5に露光しつつ、レチクル1
2の走査を行ったときの反射率モニター54の出力信号
より、ウエハ5の露光面での反射光の量も計測できる。
この反射光は投影光学系8を再び通過するので、この出
力結果を加えて投影光学系8の投影倍率やフォーカス位
置の変化を予測して補正する必要がある。また、変形照
明用可変開口絞り41を回転させて照明光の照度分布を
小さい領域に限定すると、当然にインテグレータセンサ
ー46で検出される照明光の照度は低下するので、露光
時間を長くする必要がある。
【0042】一般に、ウエハ5上での照明光ELの照度
Q(mW/cm2 )と、ウエハ5上のフォトレジストの
感度P(mJ/cm2 )と、ウエハ5の走査速度VW(m
m/sec)と、ウエハ5上のスリット状の露光領域の
幅Lとの間には、次の関係がある。 Q・L=P・VW (3) 従って、フォトレジストの感度Pが所定の値に設定され
ているときに、ウエハ上での照明光の照度Qが小さくな
ると、スリット幅Lは一定なので、ウエハ5の走査速度
W をそれに比例して遅くする必要がある。この様に、
インテグレータセンサー46の出力信号はウエハ5上の
照度Qに換算され、必要に応じて(3)式を満たす様に
走査速度VW が調整される。
【0043】次に、ウエハ5上のフォトレジストが高感
度である場合について検討する。フォトレジストが高感
度になると、感度Pの値は小さくなる。本例のスリット
幅Lは一定であるため、(3)式を満たすためには、感
度Pが小さくなるに従って、ウエハ5の走査速度VW
上げるか、ウエハ5上の照度Qを低下させる必要があ
る。しかしながら、ウエハ5の走査速度VW が最大値で
ある場合、走査速度VWを上昇させることはできない。
そこで、フォトレジストの過剰露光を避けるために、本
例では回転型可変減光フィルター板27及びランプ電流
制御装置24を用いて、ウエハ5上での照明光の照度Q
を(3)式を満たすように連続的に調整する。
【0044】即ち、(3)式でスリット幅L及びウエハ
5の走査速度VW が一定であるとすると、照明光の照度
Qとフォトレジストの感度Pとは図4(a)の直線55
で示すような比例関係にある。フォトレジストの感度P
の可変範囲をP10〜P61として、それに対応する照度Q
の範囲をQ10〜Q61とする。また、図1において、水銀
ランプ23に供給する電流Iの定格値(通常使用する場
合の最大値)をImaxとすると、電流Iが最大値Imax
に対して70%〜100%の範囲では、電流Iと照明光
の照度Qとはほぼ線形(リニア)に変化する。そこで、
図4(b)に示すように、本例では水銀ランプ23に供
給する電流Iを、通常は最大値Imax の70%より僅か
に大きい値I1 〜最大値Imax の100%より僅かに小
さい(例えば98%程度)値I2 の範囲で調整する。電
流Iの通常の最大値I2 を最大値Imax の98%程度に
設定するのは、経時変化により水銀ランプ23自体の発
光パワーが低下した場合に、露光を中断し、フィルター
を交換することなく特例として電流Iを最大値I2 より
高くして、水銀ランプ23の発光パワーを大きくできる
余地を残すためである。
【0045】また、図3の回転型可変減光フィルター板
27において、フィルター板27aの透過率を100%
として、以下、フィルター板27b,27c,…の順に
透過率が次第に小さくなっているものとする。そして、
最小の透過率のフィルター板を照明光の光路中に設定し
た場合で且つ電流IがI1 のときのウエハ5上での照明
光の照度Qが、図4(b)のようにQ10になるようにす
る。その後、次第に電流IをI2 まで上昇させると、直
線56Aのように照度QはQ10〜Q11まで上昇する。そ
こで、回転型可変減光フィルター板27のフィルター板
を透過率が2番目のものに切り換えると共に、電流Iを
1 に下げると、照度QはQ20になる。照度Q20は照度
11より僅かに小さくなっている。
【0046】同様に、電流IがI1 のときに回転型可変
減光フィルター板27での透過率を切り換えると、照度
QはQ20,Q30,…,Q60のように上昇する。この後次
第に電流IをI2 まで上昇させると、それぞれ直線56
B,56C,…,56Fに沿って照度QはQ21,Q31
…,Q61まで上昇する。従って、本例によれば、回転型
可変減光フィルター板27のフィルターの切り換え及び
電流Iの連続的な調整により、照明光の照度QをQ10
61の間で任意の値に設定することができる。この照度
Qの可変範囲Q10〜Q61は、図4(a)に示すフォトレ
ジストの感度Pの可変範囲P10〜P61に対応している。
【0047】また、現在の照明光の照度Qは、常時イン
テグレータセンサー46の出力信号によりモニターさ
れ、スリットスキャン露光方式で露光を行う際には、露
光量制御装置25は、(3)式が満たされるようにラン
プ電流制御装置24及び駆動モータ29を介して、照明
光の照度Qの値を制御している。これにより、フォトレ
ジストの感度が高い場合(感度Pの値が小さい場合)で
も、ウエハ5の走査速度VW を低下させることなく、且
つ高い露光量制御精度でレチクル12のパターンをウエ
ハ5上に投影することができる。
【0048】なお、上述実施例では照明光として水銀ラ
ンプ23が使用されているが、その他に連続光を発生す
る種々の光源を使用することができる。また、水銀ラン
プ23の発光パワーを変えるのに上述実施例では供給す
る電流を変えているが、供給する電圧を変えることによ
り発光パワーを変えても良い。なお、本発明は上述実施
例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々
の構成を取り得ることは勿論である。
【0049】なお、上述の実施例の投影露光装置は、図
1に示す如く、連続的な照明光を発生する光源(水銀ラ
ンプ23)と、その照明光でマスク(レチクル12)上
の所定形状の照明領域52を照明する照明光学系と、照
明領域内のマスクのパターンの像を感光材が塗布された
基板(ウエハ5)上に投影する投影光学系8とを有し、
照明領域に対してマスクを所定方向に走査し、照明領域
と共役な露光領域に対して基板を所定方向に走査するこ
とにより、マスクのパターンの像を逐次基板上に露光す
る投影露光装置において、光源に供給する電力を制御す
ることにより、光源から発生される照明光の光量を所定
範囲で連続的に制御する第1の光量制御手段(ランプ電
流制御装置24)と、その照明光学系中に配置され、そ
の照明光に対する減光率を複数の減光率中から選択され
た減光率に設定することにより、その照明光の光量を段
階的に切り換える第2の光量制御手段(回転型可変減光
フィルター板27及び駆動モータ29)と、基板に塗布
されたその感光材の感度を入力する感度入力手段(キー
ボード57)と、感度入力手段により入力されたその感
光材の感度P、照明領域と共役な露光領域に対する基板
の走査速度VW 、及び照明領域と共役な露光領域の基板
の走査方向の幅Lよりその照明光の光量(照度)Qを算
出し、第1の光量制御手段及び第2の光量制御手段を介
してその照明光の光量をその算出された光量Qに設定す
る演算制御手段(露光量制御装置25)とを有するもの
である。
【0050】上述の斯かる投影露光装置によれば、感光
材の感度P、スリット状の露光領域に対する基板の走査
速度VW 、スリット状の露光領域の基板の走査方向の幅
L、及び照明光の光量(照度)Qの間には、次の関係が
ある。Q・L=P・VWまた、照明光の光量Qの大きな
切り換え(粗調整)は、第2の光量調整手段で行い、そ
の離散的な光量の間での光量Qの連続的な切り換え(微
調整)を第1の光量調整手段で行うことにより、連続的
な照明光を発生する光源からの照明光の光量をかなり広
い範囲に亘って連続的に切り換えることができる。そこ
で、感光材の感度Pが高くなった場合でも、基板の走査
速度VW を最大にした状態で、且つスリット状の露光領
域の幅Lを変えることなく、上記の条件式を満足するよ
うに照明光の光量Qの値を設定することができ、露光量
の制御精度が高く維持される。従って、走査速度VW
遅くすることによるスループット低下や、スリット状の
露光領域の幅Lを可変にしたときの照度むらの発生等が
なくなる。
【0051】また、上述実施例の投影露光装置は、例え
ば図1に示す如く、照明光を発生する光源(水銀ランプ
23)と、その照明光でマスク(レチクル12)上の所
定形状の照明領域52を照明する照明光学系と、照明領
域内のマスクのパターンの像を感光材が塗布された基板
(ウエハ5)上に投影する投影光学系8とを有し、照明
領域に対してマスクを所定方向に走査し、照明領域と共
役な露光領域に対して基板を所定方向に走査することに
より、マスクのパターンの像を逐次基板上に露光する投
影露光装置において、照明領域内のマスクのパターンを
通過した照明光の光量を計測する計測手段(照射量モニ
ター58)と、計測手段の計測結果よりマスクの熱変形
量を予測する演算手段(主制御系22A)と、マスクと
基板との相対的な走査速度を調整する走査速度調整手段
(主制御系22A、ウエハステージ駆動装置22B、及
びレチクルステージ駆動装置22C)と、演算手段によ
り予測されたマスクの走査方向の熱変形量を相殺するよ
うに、その走査速度調整手段を介してマスクと基板との
相対的な走査速度を調整する制御手段(主制御系22
A)とを有するものである。
【0052】斯かる投影露光装置によれば、計測手段に
よりマスクのパターンを通過した照明光の光量を計測す
ることにより、そのパターンの存在率を求めることがで
き、そのパターンの存在率により熱膨張の状態が予測で
きる。また、投影光学系の投影倍率をβとすると、倍率
誤差が無いときには、マスクの走査速度VR に対して、
基板の走査速度VW はβ・VR となる。従って、露光を
継続したことによりマスクが熱変形して部分的に倍率誤
差Δβ(非線形誤差)が生ずる場合には、マスクの走査
速度VR 又は基板の走査速度VW を部分的に変更するこ
とにより、基板の走査方向の熱膨張による非線形誤差は
解消される。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、マスクのパターン形成
面に対するフーリエ変換面での照明光の光量分布を変更
した場合にも、その変更後の光量分布に応じて露光量制
御を行うので、スリットスキャン露光方式の投影露光装
置や投影露光方法においても、感光材(基板)に対する
積算露光量を目標露光量に設定することができる。
【0054】また、照明光の光量を所定範囲で連続的に
調整することができるため、感光材の感度が高くなった
場合でも、露光工程のスループットを低下させることな
く、且つ照度むらを生じさせることなく、感光材(基
板)に対する積算露光量を目標露光量に設定できる利点
がある。また本発明によれば、マスクのパターンの熱変
形に応じてマスクと基板との相対走査速度を部分的に変
化させることができるため、積算露光量が大きくマスク
のパターンが熱変形した場合でも、基板上に形成される
パターンの非線形誤差を小さくできる利点がある。ま
た、アライメント精度やフォーカス制御精度が向上する
利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において使用される投影露光装
置の照明光学系及び制御系を示す構成図である。
【図2】実施例の投影露光装置のステージ系を示す構成
図である。
【図3】実施例の回転型可変減光フィルター板27の構
成を示す正面図である。
【図4】(a)は照明光の照度Qとフォトレジストの感
度Pとの関係を示す図、(b)は照明光の照度Qと水銀
ランプの電流Iとの関係を示す図である。
【図5】従来のステッパーを示す構成図である。
【図6】従来のステッパーにおけるシャッターの駆動方
法の説明に供給する図である。
【符号の説明】
5 ウエハ 8 投影光学系 12 レチクル 22A 主制御系 23 水銀ランプ 24 ランプ電流制御装置 25 露光量制御装置 27 回転型可変減光フィルター板 33 シャッター 46 インテグレータセンサー 49 視野絞り 54 反射率モニター 57 キーボード 58 照射量モニター

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 照明光に対してマスクと基板とを移動す
    ることにより、前記基板を走査露光する投影露光装置に
    おいて、 前記マスクのパターン形成面に対するフーリエ変換面で
    の前記照明光の光量分布を変更する分布変更手段と、 前記分布変更手段による変更後の前記光量分布に応じ
    て、前記基板に対する露光量制御を行う露光量制御手段
    と、 を備えたことを特徴とする投影露光装置。
  2. 【請求項2】 前記基板上での前記照明光の光量をQ、
    前記基板上の感光剤の感度をP、前記基板の走査速度を
    V、前記基板上における前記照明光の照射領域の幅をL
    として、前記露光量制御手段は、以下の条件式が満たさ
    れるように前記基板に対する露光量制御を行うことを特
    徴とする請求項1記載の投影露光装置。 Q・L=P・V
  3. 【請求項3】 前記マスクを保持するとともに、前記走
    査露光のために前記照明光に対して所定の走査方向に移
    動可能なマスクステージと、 前記基板を保持して前記照明光に対し移動可能な基板ス
    テージと、 前記基板を走査露光するときに、前記マスクの熱変形に
    応じて前記マスクの走査速度を調整する速度調整手段
    と、 をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の
    投影露光装置。
  4. 【請求項4】 前記マスクを保持するとともに、前記走
    査露光のために前記照明光に対して所定の走査方向に移
    動可能なマスクステージと、 前記基板を保持して前記照明光に対し移動可能な基板ス
    テージと、 前記基板を走査露光するときに、前記マスクの熱変形に
    応じて前記基板の走査速度を調整する速度調整手段と、 をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の
    投影露光装置。
  5. 【請求項5】 前記速度調整手段は、前記走査方向にお
    ける前記マスクの熱変形に応じて前記走査速度の調整を
    行うことを特徴とする請求項3又は4記載の投影露光装
    置。
  6. 【請求項6】 前記投影光学系の結像特性を調整するた
    めの結像特性調整手段をさらに備え、 前記結像特性調整手段は、前記所定方向と直交する方向
    の前記マスクの熱変形に応じて前記投影光学系の結像特
    性を調整することを特徴とする請求項1〜5の何れか一
    項記載の投影露光装置。
  7. 【請求項7】 前記照明光を光量を計測する計測手段を
    さらに備え、 該計測手段の計測結果に基づいて、前記マスクの熱変形
    の状態を予測することを特徴とする請求項3〜6の何れ
    か一項記載の投影露光装置。
  8. 【請求項8】 前記マスクのパターン分布に応じて、前
    記マスクの熱変形の状態を予測することを特徴とする請
    求項3〜6の何れか一項記載の投影露光装置。
  9. 【請求項9】 前記照明光を連続的に発生する光源と、 前記光源から発射される照明光の光量を所定範囲で連続
    的に制御する第1の光量制御手段と、 前記光源と前記マスクとの間で、前記光源から発射され
    た照明光の光量を段階的に切り換える第2の光量制御手
    段と、 前記基板に塗布された感光剤の感度、前記照明光に対す
    る前記基板の走査速度、及び前記基板上における前記照
    明光の前記基板の走査方向の幅より前記照明光の光量を
    算出し、前記第1の光量制御手段及び前記第2の光量制
    御手段を介して前記照明光の光量を前記算出された光量
    に設定する演算制御手段とを有することを特徴とする請
    求項1〜8の何れか一項記載の投影露光装置。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9の何れか一項記載の投影
    露光装置を用いて基板を走査露光するリソグラフィ工程
    を含むことを特徴とする素子製造方法。
  11. 【請求項11】 照明光に対してマスクと基板とを移動
    することにより、前記基板を走査露光する投影露光方法
    において、 前記マスクのパターン形成面に対するフーリエ変換面で
    の前記照明光の光量分布を変更し、 該変更後の光量分布に応じて、前記基板に対する露光量
    制御を行うことを特徴とする投影露光方法。
  12. 【請求項12】 前記マスクのパターンの像を前記基板
    上に投影する投影光学系の露光フィールド内に光電検出
    器を移動した状態で前記マスクの走査を開始し、 前記マスクの走査開始から走査終了までの間に前記光電
    検出器の受光量をサンプリングして、前記マスクの走査
    開始から前記走査終了までの間の積算露光量を算出する
    ことを特徴とする請求項11記載の投影露光方法。
  13. 【請求項13】 前記マスクのパターンの像を前記基板
    上に投影する投影光学系の露光フィールド内に光電検出
    器を移動した状態で前記マスクの走査を開始し、 前記マスクの走査開始から走査終了までの間に前記光電
    検出器から出力された信号から前記マスクのパターン分
    布を確認することを特徴とする請求項11記載の投影露
    光方法。
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JP2014149392A (ja) * 2013-01-31 2014-08-21 Hitachi High-Technologies Corp パターン形成装置及びパターン形成方法
JP2017194623A (ja) * 2016-04-22 2017-10-26 ミツミ電機株式会社 表示装置

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