JP2001006704A - 燃料電池システム - Google Patents

燃料電池システム

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JP2001006704A
JP2001006704A JP11171794A JP17179499A JP2001006704A JP 2001006704 A JP2001006704 A JP 2001006704A JP 11171794 A JP11171794 A JP 11171794A JP 17179499 A JP17179499 A JP 17179499A JP 2001006704 A JP2001006704 A JP 2001006704A
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fuel cell
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fuel gas
flow path
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Takashi Shimazu
孝 志満津
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Toyota Central R&D Labs Inc
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料供給口からの距離に起因する電池発電分
布を解消することができ、エネルギー効率が高く、電解
質への加湿水の輸送及び燃料ガス流路内で生成した液体
水の排水が容易な燃料電池システムを提供すること。 【解決手段】 排気系統が遮断された燃料ガス流路を備
えた燃料電池20に、純水素供給手段30と強制流発生
手段40とを設ける。連続運転時には、純水素供給手段
30を介して消費された純水素を燃料電池20に補給し
ながら、強制流発生手段40を用いて燃料電池20の燃
料ガス流路内に、方向の異なるガス流を交互に、かつ、
強制的に発生させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池システム
に関し、さらに詳しくは、車載動力源あるいは定置型の
小型発電器等として好適な、純水素を燃料源とする燃料
電池を備えた燃料電池システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】燃料電池は、燃料の供給と燃焼生成物の
排出とを連続的に行い、燃料の持つ化学エネルギーを直
接電気エネルギーに変換する電池であり、発電効率が高
いこと、大気汚染物質の放出量が少ないこと、騒音が少
ないこと、規模を自由に選べること、等の特徴を有して
いる。燃料電池は、使用する電解質の種類により、固体
高分子型、リン酸型、アルカリ型、溶融炭酸塩型、固体
酸化物型等に分類される。
【0003】このような燃料電池において、燃料ガスに
は、一般に、電池反応に対する活性の高い水素を主成分
とするガス、例えば、改質ガス、純水素等が用いられ
る。改質ガスは、周知のように、メタノール、天然ガ
ス、LPG、ナフサ、灯油等と水蒸気とを触媒存在下で
反応させることにより得られるガスであり、水素以外に
も、二酸化炭素、水蒸気等、電池反応に対して不活性な
非水素物質が含まれている。
【0004】そのため、改質ガスを燃料源とする燃料電
池システム60においては、図5に示すように、通常、
燃料電池20の燃料極25側に燃料ガスを供給するため
の供給系統62の他に、燃料極25側に供給された燃料
ガスの一部を燃料電池20外に排出するための排気系統
64が設けられている(以下、このような燃料電池シス
テムを「開放システム」という。)。
【0005】そして、開放システムにおいては、電池反
応に対して不活性な物質が燃料電池20内部で濃縮され
ないように、燃料極25に供給された改質ガスに含まれ
る水素の一部を電池反応に利用し、残った水素を非水素
物質と共に連続的に排出しながら発電が行われる。
【0006】これに対し、純水素を燃料ガスとして供給
する場合、燃料極側において電池反応に対して不活性な
成分が濃縮するおそれは少ない。そのため、このような
純水素を燃料源とする燃料電池システム70において
は、図6に示すように、燃料電池20の燃料極25側に
燃料ガスを供給するための供給系統72のみが必要であ
り、燃料ガスの排気系統は必ずしも必要ではない(以
下、このような燃料電池システムを「密閉システム」と
いう。)。
【0007】そして、密閉システムにおいては、電池反
応によって燃料電池20内の水素が消費されると燃料極
25側の内部圧力が低下するので、供給系統72を介し
て水素を補給し、燃料極25側の内部圧力を一定に保ち
ながら発電が行われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図5に示す開放システ
ムは、燃料極25側に排気系統64があるために、燃料
ガス流路(図示せず)内には、常にガス流(図5中、白
矢印で表示)が発生している。そのため、電解質の含水
率を適正に維持する必要がある低温燃料電池に対して開
放システムを適用する場合には、供給系統62に加湿器
63を設け、加湿器63を用いて燃料ガスを加湿すれ
ば、燃料ガスと共に水分を電解質に補給することがで
き、加湿水の輸送が容易であるという利点がある。
【009】また、低温燃料電池は、燃料ガス中に含まれ
る水蒸気の凝縮、バックリフュージョン等により燃料ガ
ス流路内で液体水が生成し、液体水により燃料ガス流路
内が閉塞するおそれがあるが、開放システムによれば、
排気によって形成される強いガス流により、燃料ガス流
路内に滞留している液体水68、68…を効果的に排除
できるという利点がある。
【0010】しかしながら、開放システムにおいては、
常に燃料ガス流路の一方向のみから燃料ガスが供給され
るので、燃料ガス流路の入り口側でより多くの電池反応
が進行し、燃料ガス流路の後段では、水素濃度が著しく
低下する。そのため、燃料電池20を安定作動させるた
めには、燃料ガス利用率を高く設定できないという問題
がある。
【0011】また、電池反応に利用されなかった燃料ガ
スと共に、水蒸気、熱量なども燃料電池20外に排出さ
れるので、エネルギー効率低下への影響が大きいという
問題がある。また、水蒸気が排出されることによって水
の消費量が多くなり、燃料電池システム60が保有する
水量を増加させる原因となっている。
【0012】これに対し、図6に示すような密閉システ
ムにおいては、未使用燃料ガス、水蒸気、熱量などが閉
空間内に滞在し、燃料電池20外に排出されないので、
エネルギ効率の高い燃料電池システム70を構築できる
という利点がある。また、消費された水分を補給するだ
けで、燃料電池20の温度に依存した蒸気圧が確保さ
れ、蒸気圧を一定に保ちやすいという利点がある。
【0013】しかしながら、供給系統72から補充され
た燃料ガスは、燃料電池20内部の圧力上昇のみに作用
し、燃料ガス流路内における強いガス流の形成までには
至らない。そのため、供給系統72に加湿器73を設け
て燃料ガスを加湿しても、加湿水の輸送手段がなく、燃
料電池20内部において消費された水分を速やかに補給
できないという問題がある。また、これによって、連続
及び過渡作動時には電解質の含水率が低下し、電解質の
抵抗が急増する傾向を示すという問題がある。
【0014】また、強いガス流が形成されないために、
燃料ガス流路内に液体水68、68…が滞留した場合、
流路外へ排出する能力が低く、フラッディング・流路閉
塞などが起きやすいという問題がある。この問題を解決
するために、燃料ガス流路を垂直方向に配置し、重力効
果によって排水する方法も考えられる。しかしながら、
燃料ガス流路は、発電効率を高くするために狭くなって
いるのが一般的であるので、表面張力によって燃料ガス
流路内に水滴が捕捉され易く、円滑な水分排出は困難で
ある。
【0015】さらに、純水素を燃料源とする密閉システ
ムであっても、水素モル分圧(もしくは全圧)による影
響から、燃料ガス流路の入り口側でより多くの電池反応
が進行するので、燃料ガス流路内において水素モル分圧
勾配が発生する。特に、燃料ガス流路を垂直方向に配置
した場合には、燃料ガス流路内で生成した液体水68、
68…が重力により燃料電池20の下部に移動し、その
部分のガス流が更に弱くなる。そのため、弱いガス流と
の相乗効果から、燃料供給口から遠くなるほど反応量が
少なくなり、電池発電分布が発生するという問題があ
る。
【0016】本発明が解決しようとする課題は、燃料供
給口からの距離に起因する電池発電量分布を解消するこ
とができ、しかも、エネルギー効率の高い燃料電池シス
テムを提供することにある。
【0017】また、本発明が解決しようとする他の課題
は、電解質の水管理が必要な低温燃料電池に適用した場
合であっても、電解質への加湿水の輸送が容易であり、
しかも、液体水によるフラッディング・流路閉塞を防止
することが可能な燃料電池システムを提供することにあ
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係る燃料電池システムは、排気系統が遮断さ
れた燃料ガス流路を備えた燃料電池と、前記燃料ガス流
路に純水素を供給する純水素供給手段と、方向の異なる
ガス流を前記燃料ガス流路内に交互に発生させる強制流
発生手段とを備えていることを要旨とするものである。
【0019】上記構成を有する本発明に係る燃料電池シ
ステムは、強制流発生手段を備えているので、燃料ガス
流路内に滞留している純水素に対し、方向の異なるガス
流が交互に、かつ、強制的に付与される。そのため、燃
料供給口からの距離に起因する電池発電量分布を解消す
ることができる。
【0020】また、燃料ガス流路の排気系統が遮断さ
れ、未使用燃料ガス等が燃料電池外に排出されないの
で、エネルギ効率の高い燃料電池システムが得られる。
さらに、低温燃料電池に対して本発明を適用した場合に
は、強制的に発生させたガス流によって、加湿水の輸送
や、燃料ガス流路内に滞留している液体水の排水も容易
化される。
【0021】具体的には、前記純水素供給手段は、純水
素供給源と、該純水素供給源と前記燃料ガス流路の一端
とを連結する第1供給路と、前記純水素供給源と前記燃
料ガス流路の他端とを連結する第2供給路とを備え、前
記強制流発生手段は、前記第1供給路と前記第2供給路
とを短絡させる通路と、該通路内に設けられたガス流発
生手段とを備えていることが望ましい。
【0022】燃料ガス流路の両端に連結された第1供給
路及び第2供給路を通路で短絡させ、通路内にガス流発
生手段を設けることにより、密閉された燃料ガス流路内
に方向の異なるガス流を交互にかつ強制的に発生させる
ことが容易となる。
【0023】また、前記ガス流発生手段は、前記通路内
を往復運動するピストンであることが望ましい。ガス流
発生手段としてピストンを用いた場合には、通路内でピ
ストンを往復運動させるだけで、容易に、燃料ガス流路
の一端から他端に向かって流れるガス流と、これと逆方
向のガス流とを交互に形成することができる。しかも、
ピストン運動は、直接的に流体に作用するため、エネル
ギの伝達効率が高く、省動力化に対しても有効な手段と
なる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳細に説明する。図1に、本発明
の第1の実施の形態に係る燃料電池システムの概略構成
図を示す。図1において、本実施の形態に係る燃料電池
システム10は、燃料電池20と、純水素供給手段30
と、強制流発生手段40とを備えている。
【0025】燃料電池は、使用する電解質によっていく
つかの種類に分類されるが、本実施の形態においては、
燃料電池20として、固体高分子型燃料電池が用いられ
る。固体高分子型燃料電池は、電解質膜の水管理が必須
であるが、作動温度が低く、出力密度が高いので、これ
に対して本発明を適用した場合には、車載動力源として
好適な燃料電池システム10が得られるという利点があ
る。
【0026】また、燃料電池20は、一般に、複数の単
電池を直列に積層して使用される。燃料電池20を構成
する各単電池には、種々の構造を有するものを用いるこ
とができ、特に限定されるものではない。燃料電池20
として、固体高分子型燃料電池を用いる場合、単電池2
2は、図2に示すように、固体高分子電解質膜24の両
面に燃料極25及び空気極26を接合し、その両面を、
燃料ガス流路27aを備えたセパレータ27及び空気流
路28aを備えたセパレータ28で狭持した構造をとる
のが一般的である。
【0027】なお、図1に示す燃料電池20は、図2に
示す単電池22の燃料極25側(図2のA−A’線方
向)から見た断面図である。また、本実施の形態では、
燃料ガス流路27aは、垂直方向に配置されており、図
1中の白矢印方向に沿って燃料ガスが流れるようになっ
ている。
【0028】さらに、燃料極25の上端及び下端には、
それぞれ、第1燃料マニホールド21a及び第2燃料マ
ニホールド21bが設けられ、純水素供給手段30から
供給される純水素を、各燃料ガス流路に配流させるよう
になっている。
【0029】この他、燃料電池20には、図示はしない
が、空気極26側に空気を供給・排出するための空気供
給・排出系、単電池22で発電された電気を取り出すた
めの集電板、各単電池22の温度を一定に保持するため
の冷却装置、燃料電池20内部で生成した液体水を排出
するための排水機構等が設けられている。
【0030】純水素供給手段30は、純水素供給源(図
示せず)と、主供給路32と、第1供給路34と、第2
供給路36とを備えている。純水素供給源には、通常、
水素ボンベ、水素吸蔵合金等が用いられる。
【0031】主供給路32は、純水素供給源に貯蔵され
ている純水素を燃料電池20に供給するためのものであ
り、その一端は、図示しない純水素供給源に連結されて
いる。また、主供給路32の他端は分岐しており、それ
ぞれ、第1供給路34及び第2供給路36の一端に連結
されている。さらに、主供給路32には圧力調整器33
が設けられ、燃料極25側の内部圧力を一定に保つよう
になっている。
【0032】また、主供給路32の分岐点には、切り換
え弁31が設けられている。切り換え弁31は、主供給
路32から第1供給路34及び第2供給路36に純水素
を連続的に供給すると同時に、分岐点における第1供給
路34から第2供給路36への純水素の流れ、及びこれ
と逆方向の流れを阻止する機能を有するものである。
【0033】第1供給路34及び第2供給路36は、主
供給路32から供給される純水素を、それぞれ、燃料ガ
ス流路の上端側及び下端側に均等に分配するためのもの
であり、その他端は、それぞれ、第1燃料マニホールド
21a及び第2燃料マニホールド21bに連結されてい
る。従って、燃料電池システム10は、燃料極25側に
排気系統のない密閉システムとなっている。
【0034】さらに、第1供給路34及び第2供給路3
6には、それぞれ、加湿器35及び37が設けられ、主
供給路32から分配された純水素を個別に加湿できるよ
うになっている。このように、第1供給路34及び第2
供給路36にそれぞれ、加湿器35、37を設けると、
燃料電池20の作動状況に応じて、燃料ガスの加湿量を
細かく制御できるという利点がある。
【0035】なお、加湿器35、37としては、バブラ
式水蒸気発生器、中空子膜式水蒸気発生器等の水蒸気発
生器を用いても良く、あるいは、ノズル式ミスト発生
器、超音波振動子式ノズル発生器等のミスト発生器を用
いても良い。また、第1供給路34及び第2供給路36
にそれぞれ加湿器35及び37を設ける代わりに、いず
れか一方に加湿器を取り付けても良い。
【0036】強制流発生手段40は、通路42と、ピス
トン44とを備えている。通路42は、加湿器35、3
7の上流側において、第1供給路34及び第2供給路3
6を短絡させるように設けられている。従って、通路4
2、第1供給路34の一部、燃料電池20の燃料ガス流
路、及び第2供給路36の一部が、燃料ガスの流れ経路
となる。
【0037】また、ピストン44は、方向の異なる燃料
ガスのガス流を燃料ガス流路内に交互に、かつ、強制的
に発生させるためのガス流発生手段であり、通路42の
内部に往復自在に設けられている。
【0038】ガス流発生手段としてピストン44を用い
ると、ピストン44を通路42内で往復運動させるだけ
で、方向の異なるガス流を容易に発生させることができ
るという利点がある。また、特に、燃料電池システム1
0を車載動力源に応用する場合には、ピストン44を駆
動させる装置を別途設ける必要がなく、車両の回転軸、
カムなどの運動を駆動源として利用できるという利点が
ある。さらに、ピストン44の往復運動は、直接的に流
体に作用するので、エネルギ効率が高く、省動力化に対
して有効な手段となる。特に、ピストン運動では、加
圧、減圧をピストン44両端部に実現できることから、
効率の良い流れ形成が可能となる。
【0039】なお、ピストン44のストローク長、ピス
トン44の断面積と燃料ガス流路の断面積との比等、ピ
ストン44の具体的形状は、特に限定されるものではな
いが、燃料ガス流路内に形成されるガス流を反転させる
際に、燃料ガス流路内に滞留する液体水68が完全に排
出されるように定めるのが望ましい。
【0040】この他、燃料電池システム10には、燃料
電池20内部で発生し、第1燃料マニホールド21a及
び第2燃料マニホールド21bに排出された液体水68
と燃料ガスとを分離し、液体水68を回収する分離機構
や、回収された液体水68を加湿器35、37に戻して
再利用する液水循環機構等をさらに備えていても良い。
【0041】このような分離機構や液水循環機構を設け
た場合には、燃料電池システム10全体の保水量を少な
くすることができるという利点がある。また、分離回収
された液水をミストや蒸気として燃料ガスへ再供給し、
蒸気圧制御に利用すれば、液水の持つ熱量を再利用する
ことができるので、エネルギ効率の確保、省動力化に寄
与するという利点がある。
【0042】次に、図1に示す燃料電池システム10の
作用について説明する。燃料極25及び空気極26に、
それぞれ、水素及び空気が供給されると、燃料極25側
に供給された水素が電極反応により消費され、燃料極2
5側の内部圧力が低下する。燃料極25側の内部圧力が
低下すると圧力調整器33が作動し、燃料極25側の内
部圧力が所定の値になるまで、連続的に純水素が補給さ
れる。従って、未使用の燃料ガス、水蒸気、熱量等は、
密閉された燃料電池20内に滞在し、燃料電池20外に
排出されることがないので、高いエネルギ効率を有する
燃料電池システム10が得られる。
【0043】また、連続運転時には、圧力調整器33に
より燃料極25側の内部圧力が一定に保たれると同時
に、図示しない駆動源を用いてピストン44を通路42
に沿って、所定の振動数で往復運動させる。これによ
り、燃料ガス流路内に方向の異なる強いガス流を交互
に、かつ、強制的に発生させることができる。
【0044】すなわち、ピストン44を上方に移動させ
たときには、ピストン44の上部空間を満たしていた純
水素が第1供給路34に押し出されるので、燃料極25
側には、燃料ガス流路の上端から下端に向かう強いガス
流が形成される。同様に、ピストン44を下方に移動さ
せたときには、ピストン44の下部空間を満たしていた
純水素が第2供給路36に押し出されるので、燃料極2
5側には、前述とは逆に、燃料ガス流路の下端から上端
に向かう強いガス流が形成される。
【0045】そのため、この時に加湿器35、37を作
動させ、燃料ガス中に所定量の水分を添加すれば、強制
的に発生させたガス流によって、水分を燃料極25に輸
送することができる。また、加湿水の輸送手段として交
互に方向が変わるガス流を利用しているので、電池内部
の隅々に水を選択的もしくは均一に供給することも可能
となる。なお、燃料ガスへの加湿量は、加湿器35、3
7の作動能力を制御する他、流れの諸元(流速、ピスト
ン44の移動幅、振動数など)を調節することによって
制御すればよい。
【0046】また、フラッディング・流路閉塞防止は、
反応に必要なガス供給を確保し、燃料電池20の安定作
動に不可欠な要素となるが、従来の燃料電池システムに
おいては、フラッディング部分以降の燃料ガス流路に燃
料ガスを供給することは不可能であった。しかしなが
ら、本発明によれば、ピストン44によりガス流の方向
を強制的に反転させているので、フラッディング部分以
降の燃料ガス流路へも燃料ガスを容易に供給できる。
【0047】また、ピストン44のストローク長、断面
積等が適切であれば、強制的に発生させたガス流によ
り、燃料ガス流路内に滞留している液体水68、68…
を第1燃料マニホールド21a側、あるいは第2燃料マ
ニホールド21b側に完全に排出することができ、フラ
ッディング・流路閉塞を解消することもできる。
【0048】なお、ガス流の流速は、ピストン44のス
トローク長、振動数、ピストン44の断面積と燃料ガス
流路27aの断面積との比等により制御することができ
る。但し、ピストン44の振動数は、逆方向のガス流を
交互に発生させることができる程度に小さいことが必要
がある。ピストン44の振動数が大きすぎると、第1供
給路34及び第2供給路36内で、燃料ガスが膨張・圧
縮を繰り返すだけとなり、逆方向のガス流を形成するこ
とができないので好ましくない。
【0049】また、ピストン44の往復運動は、燃料ガ
ス流路内に常にガス流が形成されるように連続的に行っ
ても良く、あるいは、所定の時間間隔でガス流が形成さ
れるように断続的に行っても良い。
【0050】さらに、強制流発生手段40を用いて燃料
極25側に方向の異なるガス流を交互に発生させること
により、電池発電分布を解消することができる。例え
ば、加湿器35により水分が添加された純水素を第1燃
料マニホールド21aから第2燃料マニホールド21b
に向かって強制的に流した場合、燃料ガス中の水素が順
次消費されていくので、燃料ガス中の水素モル分率は、
図4(a)に示すように、燃料ガス流路の上端付近が最
も高くなり、燃料ガス流路の下端付近、すなわち、流れ
の下流側に進むにつれて低下する。
【0051】その結果、第1燃料マニホールド21a付
近で、より多くの電池反応が進行し、電池発電分布が発
生する。電池発電分布が発生すると、燃料ガスの入り口
付近での負荷が大きくなり、電池寿命を短縮化させる原
因となり得る。また、下流側では大きな発電量が得られ
ないので、燃料電池20の総出力を上げるには、燃料電
池20全体を大型化せざるを得ないという問題がある。
【0052】また、燃料ガス中の水素が消費されること
によって、燃料ガス中の水モル分率は、図4(d)に示
すように、流れの下流側に進むにつれて高くなる。その
結果、第2燃料マニホールド21b付近では、燃料ガス
中の水蒸気が凝縮し、フラッディング・流路閉塞が起き
やすくなる。
【0053】同様に、加湿器37により水分が添加され
た純水素を第2燃料マニホールド21bから第1燃料マ
ニホールド21aに向かって強制的に流した場合には、
燃料ガス中の水素モル分率は、図4(b)に示すよう
に、前述とは逆に、燃料ガス流路の下端付近が最も高く
なり、燃料ガス流路の上端側に進むにつれて低下する。
その結果、第2燃料マニホールド21b付近で、より多
くの電池反応が進行し、電池発電分布が発生する。
【0054】また、燃料ガス中の水モル分率は、図4
(e)に示すように、燃料ガス流路の上端側に進むにつ
れて高くなる。その結果、第1燃料マニホールド21a
付近では、燃料ガス中の水蒸気が凝縮し、フラッディン
グ・流路閉塞が起きやすくなる。
【0055】しかしながら、方向の異なるガス流を交互
に発生させると、瞬間的には燃料ガス流路の上端側及び
下端側のいずれか一方において、燃料ガス中の水素モル
分率が高くなるが、時間平均を取れば、図4(c)に示
すように、燃料ガス流路内における水素モル分率は、燃
料供給口からの距離によらず、均一になる。
【0056】そのため、電池発電分布が解消され、燃料
電池20を長寿命化することができる。また、燃料電池
全体20全体で均一に電池反応が進行するので、燃料電
池20の単位体積当たりの出力が向上し、燃料電池20
を小型化することができる。
【0057】また、燃料ガス中の水モル分率も同様であ
り、瞬間的には水モル分率に勾配が生じるが、時間平均
を取れば、図4(f)に示すように、燃料供給口からの
距離によらず、均一になる。これにより、フラッディン
グ・流路閉塞を抑制することが可能となる。
【0058】次に、本発明の第2の実施の形態に係る燃
料電池システムについて説明する。図3に、本実施の形
態に係る燃料電池システム50の概略構成図を示す。図
3において、本実施の形態に係る燃料電池システム50
は、燃料ガス流路(図示せず)の方向を水平方向にし、
図3中の白矢印方向にガス流を発生させるようにした以
外は、第1の実施の形態に係る燃料電池システム10と
同様の構成を有している。
【0059】本実施の形態に係る燃料電池システム50
によれば、燃料極25側が密閉システムになっているの
で、燃料極25側から未使用燃料等が排出されることが
なく、エネルギ効率の高いシステムとなる。また、強制
流発生手段40により、燃料ガス流路内に反対方向のガ
ス流を交互に発生させるので、加湿水の供給及び燃料極
25側で発生した液体水68の排出が容易化され、電池
発電分布も解消することができる。
【0060】さらに、従来の密閉システムでは、燃料ガ
ス流路内に液体水が滞留し、フラッディング・流路閉塞
が起きやすいために、燃料ガス流路を水平方向にするこ
とは、重力による排水効果が得られないため、困難であ
った。しかしながら、本実施の形態に係る燃料電池シス
テム50によれば、強制的に発生させたガス流により燃
料ガス流路内の液体水68が排出されるので、燃料ガス
流路を水平方向にしても、燃料電池20を安定作動させ
ることができる。
【0061】また、燃料ガス流路を水平方向にしたこと
により、マニホールドを燃料電池20の水平方向両端に
取りつけることもできる。そのため、垂直方向における
省スペース化が可能となり、車載動力源として特に好適
な燃料電池システム50を得ることができる。
【0062】以上、本発明の実施の形態について詳細に
説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々
の改変が可能である。
【0063】例えば、上記実施の形態では、固体高分子
型燃料電池に対して本発明を適用した例について説明し
たが、リン酸型燃料電池、アルカリ型燃料電池等、電解
質の水管理が必須である他の低温燃料電池に対しても適
用できる。
【0064】また、上記実施の形態では、純水素供給手
段30と強制流発生手段40は、第1供給路34及び第
2供給路36の一部を共有した構造になっているが、純
水素供給手段30とは独立して強制流発生手段40を設
け、これによって燃料ガス流路内に方向の異なるガス流
を交互に発生させるようにしても良い。
【0065】また、上記実施の形態では、1つの純水素
供給手段30から供給される純水素を、それぞれ、第1
供給路34及び第2供給路36に分配する構造になって
いるが、2つの純水素供給手段30を設けて、第1供給
路34及び第2供給路36に、それぞれ、個別に純水素
を供給するようにしても良い。
【0066】さらに、上記実施の形態では、ガス流発生
手段として、ピストン44を用いているが、ピストン4
4に限定されるものではなく、ピストン44の代わり
に、反対方向に回転可能なファン等、流れ発生可能な他
の動力源を用いても良く、これにより上記実施の形態と
同様の効果を得ることができる。
【0067】
【発明の効果】本発明に係る燃料電池システムは、排気
系統が遮断された燃料ガス流路を備えた燃料電池と、前
記燃料ガス流路に純水素を供給する純水素供給手段と、
方向の異なるガス流を前記燃料ガス流路内に交互に発生
させる強制流発生手段とを備えているので、燃料ガス流
路内に滞留している純水素に対し、方向の異なるガス流
を交互に、かつ、強制的に付与することができ、燃料供
給口からの距離に起因する電池発電量分布を解消するこ
とができるという効果がある。
【0068】また、未使用燃料ガス等が燃料電池外に排
出されないので、エネルギー効率の高い燃料電池システ
ムが得られるという効果がある。さらに、低温燃料電池
に対して本発明を適用した場合には、強制的に発生させ
たガス流によって、加湿水の輸送や、燃料ガス流路内で
発生した液体水の排水も容易化されるという効果があ
る。
【0069】また、純水素供給源と燃料ガス流路の一端
とを連結する第1供給路と、純水素供給源と燃料ガス流
路の他端とを連結する第2供給路とを通路で短絡させ、
通路内にガス流発生手段を設けた場合には、方向の異な
るガス流を燃料ガス流路内に交互に、かつ強制的に発生
させることが容易になるという効果がある。
【0070】さらに、ガス流発生手段として、通路内を
往復運動するピストンを用いた場合には、通路内でピス
トンを往復運動させるだけで、方向の異なるガス流を交
互に、かつ、容易に形成することができ、省動力化も可
能になるという効果がある。
【0071】以上のように、本発明に係る燃料電池シス
テムによれば、従来の燃料電池システムでは達成し得な
かった、電池発電量分布がないこと、エネルギー効率が
高いこと、マニホールド配置の自由度が高いこと、加湿
水の輸送及び液体水の排水が容易であることの全てを満
足させることが可能となる。そのため、これを例えば車
載動力源用の燃料電池システムに応用すれば、自動車の
高出力化、燃費の向上等に寄与するものであり、産業上
その効果の極めて大きい発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る燃料電池シス
テムの概略構成図である。
【図2】燃料電池を構成する単電池の断面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る燃料電池シス
テムの概略構成図である。
【図4】図4(a)〜(c)は、燃料ガス流路中の水素
モル分率勾配に及ぼすガス流方向の影響を示す図であ
り、図4(d)〜(f)は、燃料ガス流路中の水モル分
率勾配に及ぼすガス流方向の影響を示す図である。
【図5】従来の改質ガスを燃料源とする燃料電池システ
ムの概略構成図である。
【図6】従来の純水素を燃料源とする燃料電池システム
の概略構成図である。
【符号の説明】
10 燃料電池システム 20 燃料電池 30 純水素供給手段 34 第1供給路 36 第2供給路 40 強制流発生手段 42 通路 44 ピストン(ガス流発生手段)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気系統が遮断された燃料ガス流路を備
    えた燃料電池と、 前記燃料ガス流路に純水素を供給する純水素供給手段
    と、 方向の異なるガス流を前記燃料ガス流路内に交互に発生
    させる強制流発生手段とを備えていることを特徴とする
    燃料電池システム。
  2. 【請求項2】 前記純水素供給手段は、純水素供給源
    と、該純水素供給源と前記燃料ガス流路の一端とを連結
    する第1供給路と、前記純水素供給源と前記燃料ガス流
    路の他端とを連結する第2供給路とを備え、 前記強制流発生手段は、前記第1供給路と前記第2供給
    路とを短絡させる通路と、該通路内に設けられたガス流
    発生手段とを備えていることを特徴とする請求項1に記
    載の燃料電池システム。
  3. 【請求項3】 前記ガス流発生手段は、前記通路内を往
    復運動するピストンであることを特徴とする請求項2に
    記載の燃料電池システム。
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