JP2001006601A - 透過型電子顕微鏡 - Google Patents

透過型電子顕微鏡

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JP2001006601A JP11173689A JP17368999A JP2001006601A JP 2001006601 A JP2001006601 A JP 2001006601A JP 11173689 A JP11173689 A JP 11173689A JP 17368999 A JP17368999 A JP 17368999A JP 2001006601 A JP2001006601 A JP 2001006601A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、EF−TEMの身長の増大を抑制、
或いは減少しつつ、基本性能を向上するエネルギーフィ
ルター透過型電子顕微鏡の提供を目的とするものであ
る。 【解決手段】上記課題を解決するために電子銃から発生
する電子線を試料に照射し、試料を透過した電子線をエ
ネルギーフィルターでエネルギー分光し、観察面に投影
する透過型電子顕微鏡において、前記エネルギーフィル
ターの入力クロスオーバー面に電子線の回折像、或いは
試料像の虚像を形成すると共に、前記エネルギーフィル
ターの入力像面に、前記回折像或いは前記試料像の内、
前記入力クロスオーバー面に形成される像とは異なる像
の実像を形成するレンズを備えたことを特徴とする透過
型電子顕微鏡を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透過型電子顕微鏡
に係り、特に特定のエネルギーの電子を選択して結像す
る結像分光器すなわちエネルギーフィルターを搭載した
透過型電子顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、原子レベルオーダで材料を観察
し、かつ、原子レベルで観察された原子の種類や結合状
態を同定することが半導体不良解析部門・新素材の研究
分野などで極めて重要な要求となっている。
【0003】透過型電子顕微鏡 (Transmission Electro
n Microscope:TEM)は、このような微小領域の構造
解析に好適な装置である。TEMは、試料を透過した電
子を電子レンズを用いて拡大結像する装置であり、波長
の極めて短い電子線を用いることにより、原子レベルで
の構造観察や解析を可能としている。
【0004】更に透過型電子顕微鏡で、特定領域の元素
分析や状態分析を可能とする装置として、結像型のエネ
ルギーフィルターを搭載したエネルギーフィルター透過
型電子顕微鏡(Energy-Filtering TEM:EF−TE
M)がある。このEF−TEMで電子分光結像法による
2次元像情報を得ることにより、試料の元素分析や状態
分析が可能になる。
【0005】なお、電子分光結像法 (Electron Spectro
scopic Imaging:ESI)とは、試料でエネルギーを失
った電子線のロスエネルギーとその強度から、試料内部
で起こった現象や元素の種類、結合状態等を調べるため
の分析法 (Electron EnergyLoss Spectroscopy:EEL
S:エネルギー損失分光法)を発展させたものであり、
EELSによる分析を2次元的な画像情報として得る方
法である。
【0006】このようなエネルギーフィルターを搭載し
た透過型電子顕微鏡が、特公平6−42358 号公報に開示
されている。当該公報には、試料を透過した電子線を対
物レンズ、及び3段の中間レンズでエネルギーフィルタ
ーの入力像面,入力クロスオーバー面にそれぞれ、試料
の拡大像,回折像を形成することで、エネルギーフィル
ターの色消し像面に拡大像を投影し、エネルギー選択ス
リットに回折像を投影させ、最終像面に特定エネルギー
の拡大像を形成する技術が開示されている。
【0007】また、当該公報には最終像面に特定エネル
ギーの回折像を形成するために、エネルギーフィルター
の入力像面,入力クロスオーバー面にそれぞれ、試料の
回折像,拡大像を形成する技術についても、併せて開示
されている。
【0008】当該公報に開示されたEF−TEMは、イ
ンカラム型と呼ばれ、TEMの中間レンズと投影レンズ
の間にエネルギーフィルターを挿入する構成からなるも
のである。このインカラム型のEF−TEMは、エネル
ギーフィルターをTEMの鏡筒下に取り付けるポストカ
ラム型のEF−TEMに対し、軸調整が容易であり、ま
た収差補正のための構成要素が少なくて済む等、メリッ
トが大きい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、ポストカ
ラム型のEF−TEMに対し、優れた性能を持つインカ
ラム型のEF−TEMであるが、一方で以下のような問
題を有している。
【0010】インカラム型のEF−TEMは、電子銃,
電子銃から発せられる電子線を試料に収束して照射する
ための収束レンズ,対物レンズ,試料を透過した電子線
を結像するための中間レンズ系,エネルギーフィルタ
ー、及びエネルギーフィルターを通過した電子線を最終
像面に投影するための投影レンズ系等の各構成要素が上
方に向かって積み上げられるような構成からなる。
【0011】コイルと鉄覆からなるレンズやエネルギー
フィルターは単体でもかなりの重量があり、これを積み
上げるEF−TEMは装置の重心が高くなる。重心が高
くなると耐震性が低下し、転倒災害の危険性が増し、更
に微小領域を観察するためのTEMにおいて、観察視野
の位置ずれ等の可能性も高くなる。以上のような弊害を
解消するために、背の低いEF−TEMの提供が望まれ
る。
【0012】一方、EF−TEMの装置性能は、中間レ
ンズ系や投影レンズ系を構成するレンズの数に依存する
ところがある。即ちレンズの数が多いほど、倍率及びカ
メラ長の広範囲設定が可能となり、これらレンズの数を
増やすことによって装置の基本性能を向上させることが
できる。またEF−TEMの基本性能を向上するための
他の要因として、エネルギーフィルターの入力クロスオ
ーバー面と入力像面間の距離がある。この距離が長いほ
どエネルギーフィルターの性能が向上する。
【0013】このようにレンズの段数の増加や、入力ク
ロスオーバー面−入力像面間の距離の増大は、EF−T
EMの性能を向上する要因であるが、レンズの数の増加
や、入力クロスオーバー面と入力像面間の距離の増大
は、EF−TEMの身長の増大につながる。即ちEF−
TEMの基本性能の向上と耐震性の向上の両立は困難で
あった。
【0014】本発明は、EF−TEMの身長の増大を抑
制、或いは減少しつつ、基本性能を向上するエネルギー
フィルター透過型電子顕微鏡の提供を目的とするもので
ある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明では、電子銃から発生する電子線を試料に照射
し、試料を透過した電子線をエネルギーフィルターでエ
ネルギー分光し、観察面に投影する透過型電子顕微鏡に
おいて、前記エネルギーフィルターの入力クロスオーバ
ー面に電子線の回折像、或いは試料像の虚像を形成する
と共に、前記エネルギーフィルターの入力像面に、前記
回折像或いは前記試料像の内、前記入力クロスオーバー
面に形成される像とは異なる像の実像を形成するレンズ
を備えたことを特徴とする透過型電子顕微鏡を提供す
る。
【0016】また、試料を透過した電子線をエネルギー
フィルターでエネルギー分光し、当該エネルギーフィル
ターでエネルギー分光した電子線の内、特定のエネルギ
ーを持つ電子線をエネルギー選択スリットで選択し、観
察面に投影する透過型電子顕微鏡において、前記エネル
ギーフィルターと前記選択スリットの間に、レンズを配
置したことを特徴とする透過型電子顕微鏡を提供する。
【0017】以下、本発明の概要は発明の実施の形態の
欄で詳細に説明する。
【0018】
【発明の実施の形態】一般的な透過型電子顕微鏡と比較
してEF−TEMは、元素分析や状態分析といったよう
な分析能力に加えて、TEM像及び電子線回折像のコン
トラストが向上し、定量評価を可能にすること、厚い試
料でも観察できること、生物切片においては無染色でも
観察できること、エネルギーロススペクトルが得られる
こと、汎用電子顕微鏡の付属装置との複合化を妨げない
というメリットがあげられる。エネルギーフィルター
は、インカラム型とポストカラム型に大きく分類するこ
とができる。インカラム型EF−TEMは、TEMの中
間レンズ系と投影レンズ系の間にエネルギーフィルター
を挿入するタイプのTEMであり、一方、ポストカラム
型はTEMの鏡筒の下に取り付けるタイプのTEMであ
る。
【0019】インカラム型EF−TEMに採用されるエ
ネルギーフィルターを図7に示す。これはγ型エネルギ
ーフィルターである。エネルギーフィルター26は、複
数の磁極(この例では第一磁極41,第二磁極42の2
つ)を持ち、それぞれが電子線43を偏向する。第一磁
極41で偏向された電子線43は、第二磁極42で再び
偏向され、第一磁極41を通過して、最終的には入射時
の光軸4に戻り、エネルギーフィルター26を出射す
る。磁極41と42の形状や磁極間距離は、エネルギー
フィルター26の性能に大きく影響するので、シミュレ
ーションで決定する。特に、電子線43が磁極に入射及
び出射する角度,磁極で偏向される角度,磁極間距離,
磁極入出射端面における曲率などである。
【0020】エネルギーフィルター26には、入射クロ
スオーバー面44,入射像面45,色消し像面46,エ
ネルギー分散面47という4つの特別な意味を持つ面が
存在する。エネルギーフィルター26は、電子レンズと
同様な結像作用を持ち、入射クロスオーバー面44はエ
ネルギー分散面47に、また、入射像面45は色消し像
面46に、倍率1で投影される。これらの面は、収差を
低減することを目的としてエネルギーフィルター26の
フィルター中心線48に関して対称的に配置される。
【0021】EF−TEMで試料の拡大像を観察するた
めには、入射クロスオーバー面44に電子源像が形成さ
れ、かつ、入射像面45に試料像が形成されるように、
対物レンズと中間レンズ系を調整する。また、試料の回
折像を観察するには、入射クロスオーバー面44に試料
像が形成され、かつ、入射像面45に電子源像が形成さ
れるように、対物レンズと中間レンズを調整する。
【0022】このようにして入射クロスオーバー面44
と入射像面45に形成された試料像、または回折像を、
エネルギーフィルター26はエネルギー分散面47と色
消し像面46に投影する。さらに、投影レンズ系は色消
し像面46に形成された試料像、または回折像を蛍光板
25や写真フィルムなどの観察面に拡大投影し、最終像
を形成する。
【0023】エネルギー分散面47には試料のエネルギ
ーロススペクトルが形成されるので、エネルギー分散面
47に設置されているエネルギー選択スリット24を用
いて特定のエネルギーを選択する。こうすることで、最
終像面(観察面)には、選択された特定エネルギーの試
料の拡大像、または回折像が形成される。
【0024】倍率とカメラ長を変更するために投影レン
ズの励磁を変更すると、エネルギーフィルター26独自
の収差の影響を受ける場合があり、倍率及びカメラ長の
可変範囲は狭い。通常は対物レンズと中間レンズの励磁
を変更して倍率とカメラ長を変更する。
【0025】これらのレンズの励磁は、レンズコイルに
流れる電流値を制御して行う。各レンズに供給する電流
値の組み合わせをROMなどに記憶させ、目的の倍率や
カメラ長の電流値を選ぶことにより、倍率やカメラ長を
変更する。できるだけ広い倍率・カメラ長の範囲をカバ
ーするためには、中間レンズの数を増やすと良い。
【0026】また、EF−TEMによる特定領域の分析
精度や結果の信頼性はエネルギーフィルターの性能に依
存するところが大きい。このエネルギーフィルターの性
能を向上させる1つの方策として入射クロスオーバー面
44と入射像面45の間の距離(以下、Lとする)を長
くすることが挙げられる。このLが長くなれば、エネル
ギーフィルター26に入射する電子線の開き角が相対的
に小さくなるからである。
【0027】図3〜図6にLとさまざまな性能指数との
関係を示す。図3では画像の歪みがLが長くなるにつれ
て小さくなる様子がわかる。また図4ではエネルギー分
散はLにほぼ比例しており、Lを長くする方が有利なこ
とが判る。図5は磁極入射端面の極率との関係である。
極率が大きいとわずかな電子線のずれが磁極の入出射角
度の変化として現れ、軸調整を困難にし、更には極めて
高度な機械加工精度や組み立て精度が要求されることに
なる。図5によれば、Lを長くすることにより、磁極端
面の曲率を小さくできることが判る。図6は、Lと第一
磁極41と第二磁極42との関係である。これが小さい
と、エネルギーフィルター26自身が小さく、軽く構成
できることが判る。
【0028】以上のようにLを長くすることによって、
エネルギーフィルターの性能を向上することが可能にな
る。
【0029】以上のようにレンズの段数やエネルギーフ
ィルターのLの長距離化はEF−TEMの性能を向上す
る上で重要なファクターであるが、反面EF−TEMの
身長の増大も意味する。本発明実施例装置によれば、レ
ンズの段数やエネルギーフィルターのLの増大を、EF
−TEMの身長の増大を抑制、或いは減少しつつ、行う
ことが可能になる。以下、図面を参照して本発明実施例
装置を詳細に説明する。
【0030】図8は本発明実施例装置によるエネルギー
フィルターを搭載した透過型電子顕微鏡の一実施例のブ
ロック図である。1は本発明によるエネルギーフィルタ
ーを搭載した透過型電子顕微鏡である。電子銃2から放
出された照射電子線30は集束レンズ10によって試料
3上に照射される。照射する際に、集束偏向コイル20
によってその照射位置と角度が決定される。集束偏向コ
イル20は照射角度を一定に保ったまま位置だけを変え
たり、照射位置を一定に保ったまま角度だけを変えたり
することもできる。
【0031】照射電子線30はできるだけ一定のエネル
ギーになるように制御されているが、試料3を通過した
透過電子線31は試料3との相互作用により色々なエネ
ルギーを含んでいる。対物レンズ11,第一中間レンズ
12,第二中間レンズ13,第三中間レンズ14,第四
中間レンズ15は、対物レンズ11の後ろ焦点面にでき
ている回折パターンをエネルギーフィルター26の入射
クロスオーバー面に結像し、対物レンズ11の像面をエ
ネルギーフィルター26の入射像面に結像する。エネル
ギーフィルター26を通過した電子線はゼロロス電子線
32とロス電子線33に分離され、エネルギー選択スリ
ット24で選択される。
【0032】エネルギー選択スリット24を通過した電
子線34は第一投影レンズ16,第二投影レンズ17,
第三投影レンズ18で拡大され、蛍光板25上に最終像
を形成する。電子線偏向系21,22,23は、エネル
ギーフィルター26前後の電子線の光軸調整に用いる。
制限視野絞り27は、試料像の視野を選択するのに用い
る。制限視野条件が成り立つときは、対物レンズ11の
像面と一致する。
【0033】図2は、本発明によるエネルギーフィルタ
ーを搭載した透過型電子顕微鏡1のエネルギーフィルタ
ー26近辺の詳細図である。第三中間レンズ14から第
二投影レンズ17の部分を表している。本実施例ではエ
ネルギーフィルター26はγ形エネルギーフィルターで
構成されている。28はエネルギーフィルター26に入
射する電子線の開き角を制限する入射絞りである。第一
偏向コイル21は、第三中間レンズ14と第四中間レン
ズ15の間に位置し、第二偏向コイル22は、第四中間
レンズ15とエネルギーフィルター26の間に位置し、
第三偏向コイル23は、エネルギーフィルター26と第
一投影レンズの間に位置する。エネルギー選択スリット
24は、第一投影レンズ16と第二投影レンズ17の間
に位置する。
【0034】図1は本発明によるエネルギーフィルター
を搭載した透過型電子顕微鏡1の光学系の模式図であ
る。試料3の拡大像を形成する様子を表している。試料
3から蛍光板25まで示してある。電子レンズは、簡単
のため楕円で表示した。散乱電子線35は、試料で弾性
散乱して回折された電子線の光路を表す。散乱電子線3
5が光軸4と交わるところに試料3の拡大像50〜58
ができる。矢印でその様子を表している。光軸4と平行
な電子線36は、試料3を平行に透過した電子線で、光
軸4と交わるところに試料3の回折像(電子源像)60
〜65ができる。
【0035】実線は実際の電子線の軌道を表し、点線は
虚像が形成されるときの虚の電子軌道を表す。第四中間
レンズ15は、入射クロスオーバー面44とエネルギー
フィルター26の間に配置されているので、実像として
形成された第四中間回折像63を入射クロスオーバー面
44の位置に第五中間回折像64を虚像として形成し、
同時に第四中間拡大像53を入射像面45の位置に第五
中間拡大像54を実像として形成する。
【0036】虚像は、物面の一点から出たすべての軌道
が、レンズ界を出た後、交点を作らず、代わりに軌道の
接線の前方への延長が一点に交わるとき、この交点に形
成される。この虚像は、文字どおり実際には存在しない
像であるが、当該虚像を形成するレンズ以下の光学系か
ら見れば、恰もその個所に像が形成されているかのよう
に捉えることができる。
【0037】即ちエネルギーフィルターの入力クロスオ
ーバー面に疑似的に試料像を形成することでエネルギー
フィルターに必要な光学条件を満足でき、更にエネルギ
ーフィルターの入力像面と入力クロスオーバー面との間
にレンズを配置することが可能になるので、エネルギー
フィルターのL、或いはレンズの段数を、EF−TEMの
身長の増大を抑制或いは減少しつつ、増やすことができ
る。
【0038】エネルギーフィルター26は、入射クロス
オーバー面44にある第五中間回折像64をエネルギー
分散面47上に第六中間回折像65として結像する。ま
た同時に入射像面45にある第五中間拡大像54を色消
し像面46に第六中間拡大像55として結像する。第一
投影レンズ16は、エネルギーフィルター26とエネル
ギー分散面47の間に配置されているので、第六中間回
折像65をエネルギー選択スリット24の位置にエネル
ギーロススペクトル69として実像を形成し、同時に第
六中間拡大像55を第七中間拡大像56として虚像を形
成する。
【0039】続く第二投影レンズ17と第三投影レンズ
18は、第一投影レンズ16によって虚像として形成さ
れた第七中間拡大像56を第八中間拡大像57を経て最
終拡大像58を蛍光板25上に形成する。
【0040】このようにエネルギーフィルター26下に
も中間回折像の虚像を形成することで、本来設けなけれ
ばいけないエネルギーフィルターの色消し像面46と、
エネルギー分散面47の距離を短縮することが可能にな
る。これはエネルギー分散面47に配置されるべき、エ
ネルギー選択スリット24とエネルギーフィルター26
間の距離を減少させることにつながる。
【0041】また、本来エネルギーロススペクトルが設
けられる筈のエネルギー分散面47より、エネルギーフ
ィルター26側にエネルギーロススペクトル69を形成
するということは、エネルギーフィルター26とエネル
ギー分散面47の間に、エネルギーフィルターの色消し
像面と、エネルギーロススペクトルの形成個所間の距離
を短くするためのレンズが配置されていることに他なら
ない。
【0042】即ち、本発明実施例装置では、エネルギー
フィルター26とエネルギー選択スリット24との間
に、レンズを介在させることで、実際のエネルギーロス
スペクトル69を、エネルギー分散面47よりエネルギ
ーフィルター26側に形成し、更に当該レンズによって
エネルギー分散面47に中間回折像の虚像を形成するこ
とで、エネルギーフィルターに必要な光学条件を満足し
ている。
【0043】以上のような構成によれば、エネルギーフ
ィルター26とエネルギー選択スリット69の距離を短
くすることができ、更に投影レンズを多く配置すること
が可能となる。
【0044】また上述したように色消し像面46とエネ
ルギー分散面47との距離は、入射クロスオーバー面4
4と入射像面45の距離と等しくすることが、収差低減
の観点で好ましい。本発明実施例装置では、エネルギー
フィルター26の上下に配置される第四中間レンズ15
と第一投影レンズ16を、エネルギーフィルター26に
対して上下対称に配置することで、色消し像面46とエ
ネルギー分散面47との距離、及び入射クロスオーバー
面44と入射像面45との距離を等しくしているが、本
発明はこのレンズの配置に限定されるものではない。
【0045】例えば入射クロスオーバー面44に虚像を
形成し、エネルギー分散面47には虚像を形成しないと
いうこともできる。即ちエネルギーフィルターの入射
側、或いは出射側のいずれか一方のみに本発明を適用
し、他の一方は従来のように実像を形成しても良い。結
果的に入力クロスオーバー面と入力像面の距離と、色消
し像面とエネルギー分散面間の距離が同じであれば良
い。
【0046】これまで説明してきたように、エネルギー
フィルター26の性能を向上させるためには、入射クロ
スオーバー面44と入射像面45の間の距離Lを長くす
ることが考えられる。本発明実施例装置と、前述した特
公平6−42358号公報に開示のEF−TEMで示されてい
る方式とを比較して、本発明の優位性について以下に説
明する。
【0047】この様子を図9に示す。図9(a)は特公
平6−42358号公報の開示にされているEF−TEMの光
学系を示す図である。当該光学系には中間レンズ3段+
投射レンズ2段が設けられている。図9(b)は、図9
(a)と同じ光学系を採用しつつ、エネルギーフィルタ
ーの性能向上のため、距離Lを伸ばした例を示す図であ
る。
【0048】図9(c)(d)は、図9(a)(b)の
光学系に対し、投射レンズを1段増やした例を示す図で
ある。本発明の光学系を採用したEF−TEMは図9
(f)に示した。図9(e)は、本発明実施例装置の理
解を助けるための図であり、構成は図9(a)と同じで
ある。
【0049】まず、図9(a)と図9(f)を比較する
と、図9(f)の方が、距離Lが長く、また中間レンズ
と投射レンズがそれぞれ1段増えていることが判る。し
かも図9(a)と図9(f)では、試料から観察面の距
離が同じである。即ち、公知技術と比較すると、EF−
TEMの身長の増加を抑制しつつ、レンズを複数設ける
ことが可能となり、距離Lを長くすることが可能にな
る。
【0050】次に、図9(b)と図9(f)を比較する
と、両者の距離Lは同じであるが、図9(b)の方が試
料から観察面までの距離が長いことが判る。即ち、公知
技術では距離Lを長くするのに伴ってEF−TEMの身
長も長くなっていたが、本発明の採用によりEF−TE
Mの身長の増大を抑制しつつ、距離Lを長くすることが
できる。
【0051】更に、図9(c)と図9(f)を比較する
と、両者の投射レンズの数は同じであるが、図9(c)
の方が試料から観察面までの距離が長いことが判る。即
ち、公知技術では投射レンズの数を増やしたことによっ
てEF−TEMの身長も長くなっていたが、本発明の採
用によりEF−TEMの身長の増大を抑制しつつ、レン
ズの段数を増やすことができる。
【0052】図1や図9に示した光学系は、20万倍以
上程度の強拡大倍率に有効な光学系である。図10
(a)に数万倍から30万倍程度の中拡大倍率に有効な
光学系と図10(b)に数千倍から数万倍程度の弱拡大
倍率に有効な光学系を示す。強拡大倍率に有効な光学系
では、中間レンズ12〜15で形成される中間拡大像の
うち、第四中間拡大像53が虚像となっており、これを
除くすべての中間拡大像50,51,52,54が実像
であったが、中拡大及び強拡大倍率に有効な光学系で
は、第二中間拡大像51も虚像となっている。
【0053】図11に、試料3のさらに低倍率像を実現
するための光学系を示す。この光学系では、対物レンズ
11の励磁を下げて対物レンズ11自身の倍率を下げる
ことにより低倍率を実現することができる。この時、第
一中間回折像は制限視野絞り27近辺に生じさせること
が可能で、制限視野絞り27を対物絞りとして使用する
ことも可能である。対物レンズ11が弱励磁となってい
る関係上、第一中間拡大像50は虚像となるが、第四中
間拡大像53と第五中間拡大像54の位置関係は、第四
中間レンズ15の励磁を変えなければ、図1や図10と
同じ関係を保つこともできる。
【0054】図12に、試料3の回折像を観察するため
の光学系を示す。対物レンズ11の励磁は図1や図10
と同等である。中間レンズ12〜15は対物レンズ11
の後ろ焦点面にできる第一中間回折像60をエネルギー
フィルター26の入射像面45の位置に第五中間回折像
64として結像し、同時に対物レンズ11の像面にでき
る第一中間拡大像50をエネルギーフィルター26の入
射クロスオーバー面44の位置に第五中間拡大像54と
して結像する。エネルギーフィルター26以下の光学系
はこれまでと同等であり、単に拡大像と回折像の関係が
入れ替わっているだけである。従って、蛍光板25には
最終回折像68が形成される。第四中間回折像63と第
五中間回折像64の位置関係は、第四中間レンズ15の
励磁を変えなければ、図1,図10,図11と同じ関係
を保つこともできる。
【0055】EF−TEMに要求される機能の1つにP
EELSがある。PEELS(Parallel EELS)とは、エ
ネルギー分散面を投射レンズ系で拡大して観察すること
により、直接EELSを取得する観察法である。PEE
LSは、電荷結合素子(Charge-Coupled Device:CC
D)、特にスロースキャンタイプのもの(SlowScan C
CD)を用いると良い。この理由として、ダイナミック
レンジが広く、実時間性に富み、デジタル信号処理が容
易だからである。
【0056】PEELSによる観察を行う際には、投影
レンズ系の倍率を可変にし、スペクトルのエネルギー範
囲やSSCCDの画素当りのエネルギー分解能を最適に
設定する。
【0057】図13にPEELSを実現するための光学
系を示す。エネルギーフィルター26から上の光学系は
図1,図10,図11,図12と同等なのでここでは省
略した。エネルギーロススペクトル69を投影レンズ系
16〜18で蛍光板25上に結像する。拡大倍率は投影
レンズの励磁を変えることにより実現できる。この配置
は、長いLを持つエネルギーフィルターであっても、通
常の長さのLを持つエネルギーフィルターであっても有
効である。
【0058】エネルギーフィルター26の光軸は、エネ
ルギーフィルターを搭載した透過型電子顕微鏡1の光軸
4と正確に一致していなければならない。倍率やカメラ
長を変更すると、電子レンズの機械的な加工精度や組立
精度等から発生する回転非対称性や、レンズ電流の設定
誤差,ヒステリシスなどにより、入射クロスオーバー面
44や入射像面45の位置や方向が変化することがあ
る。これらを、エネルギーフィルターを搭載した透過型
電子顕微鏡1に通常設けられている機械的調整機構で合
わせ込むことは不可能であり、電磁的な要素により補正
する操作が必要になる。
【0059】本発明によるエネルギーフィルターを搭載
した透過型電子顕微鏡1には、第三中間レンズ14と第
四中間レンズ15の間、第四中間レンズ15とエネルギ
ーフィルター26の間、エネルギーフィルター26と第
一投影レンズ16の間に電磁的な電子線偏向コイル21
〜23を設けている。これらの偏向コイルは図2に示す
ように各電子レンズ14,15,16やエネルギーフィ
ルター26の外部に配置されており、それぞれの要素と
独立に製作することができる。
【0060】しかも、図1からも明らかなように、第一
偏向コイル21は第四中間回折像63(回折像を観察す
るときは第四中間拡大像53),第二偏向コイル22は
第五中間拡大像54(回折像を観察するときは第五中間
回折像64),第三偏向コイル23は第六中間拡大像5
5(回折像を観察するときは第六中間回折像65)の近
辺に配置することができる。これらの中間像は全て実像
であり、拡大像や回折像に新たに余分な収差を追加する
影響は少ない。
【0061】また、倍率やカメラ長毎に偏向コイル21
〜23に流す電流値を記憶させておけば、倍率やカメラ
長を変更することに伴うエネルギーフィルター26の光
軸ずれを補正することが容易になる。
【0062】エネルギーフィルター26の収差はあらか
じめシミュレーションプログラムにより最小限に押さえ
られている。しかしながら、シミュレーション誤差やエ
ネルギーフィルター26の磁極41,42の加工精度や
組立精度の限界により、シミュレーション通りの軌道を
描くことが困難である。
【0063】特に問題となりやすいのは、入射クロスオ
ーバー面44からの広がりに関する収差で、エネルギー
分散面47における電子線の収束性に関係する。この収
差が大きいと、最終拡大像58または最終回折像68に
おいて選択されたエネルギーに分布を生じることにな
る。この収差は、入射クロスオーバー面44からの開き
角の自乗に比例する収差であり、入射像面45,色消し
像面46に六極子レンズを設けることで収差を補正する
ことが可能となる。これらの六極子レンズは、第二偏向
コイル22,第三偏向コイル23の偏向磁場に重畳する
ことにより実現できる。
【0064】エネルギー選択スリット24の開閉方向は
エネルギー分散方向と一致しなければならない。公知例
のEF−TEMではエネルギーフィルター26の真下に
第一投影レンズ16が配置されているので、エネルギー
選択スリット24上におけるエネルギー分散方向はエネ
ルギーフィルター26のエネルギー分散方向と一致す
る。しかし、電磁レンズは、コイルにより発生する磁界
を狭い間隙から漏洩させてレンズ作用を持たせており、
電子は漏洩磁界により回転してしまうので、本発明のよ
うに第一投影レンズ16をエネルギーフィルター26と
エネルギー選択スリット24の間に配置した場合、エネ
ルギー選択スリット24上におけるエネルギー分散方向
は回転してしまう。
【0065】しかしながら、この回転角度は、第一投影
レンズ16の励磁に比例し、拡大像,回折像を観察する
場合には常に一定値となる。したがって、エネルギー選
択スリット24上のエネルギー分散方向は容易に類推で
き、スリットの開閉方向をエネルギー分散方向に一致さ
せることは可能である。
【0066】また、スリットとレンズとの間の物理的な
位置調整を行うことなく、第一投影レンズ16によるエ
ネルギー分散方向の回転をなくすには、第一投影レンズ
16にダブルギャップレンズを用いるとよい。ダブルギ
ャップレンズとは、図14のように、第一レンズコイル
5と第二レンズコイル6がペアになったレンズである。
【0067】これらのコイルに逆向きの電流を流すこと
により、第一間隙7と第二間隙8に発生する漏洩磁界は
それぞれ逆極性を持っており、光軸4を通った電子線に
働く像回転効果は相殺し合う。つまり、エネルギー選択
スリット24の開閉方向とエネルギーフィルター26の
エネルギー分散方向は同じ方向とし、且つ所望の収束磁
場を形成することができる。
【0068】なお、本発明の実施例で採用するレンズ
は、その組み合わせによって、所望の倍率,所望のカメ
ラ長を得るのに必要なレンズ強度を発生するための電源
と、当該電源を制御するための制御装置が設けられてい
る。当該制御装置は、試料の拡大像、或いは試料の回折
像観察のモード設定や、倍率やカメラ長の設定等を行う
ことにより、各レンズに適当な電流を流すように各電源
を調節する。
【0069】図1,図10,図11,図12で示したよ
うに、第四中間レンズ15と第一投影レンズ16は複雑
な制御が必要ない。特に第四中間レンズ15の励磁は一
定にすることができる。第一投影レンズ16も基本的に
は励磁は一定で、図13に示したPEELSを行うとき
だけ、励磁が変化する。つまり、第四中間レンズ15と
第一投影レンズ16の制御はON/OFFだけで済むこ
とを意味し、電源,制御回路,制御ソフトが単純にで
き、原価を下げることができる。これらのレンズに永久
磁石レンズを用いれば、電源,制御回路,制御ソフトが
不要となり、さらに原価を下げることができる。PEE
LSを行うには、第一投影レンズ16の代わりに用いる
永久磁石レンズの光軸方向の位置を変化させればよい。
【0070】これまでは、γ形エネルギーフィルターに
ついて説明してきたが、Ω形エネルギーフィルターやα
型のエネルギーフィルターでも同様の効果が期待でき
る。
【0071】
【発明の効果】以上、本発明の構成によれば、EF−T
EMにおいて、鏡体の身長を高くすることなく、入射ク
ロスオーバー面と入力像面との間の距離を伸ばすことが
できるようになり、エネルギーフィルターTEMの性能
向上と共に、耐震性をも向上させることが可能になる。
【0072】また、EF−TEMの耐震性の向上と共
に、中間レンズの段数や投射レンズの段数を増やすこと
が可能になるため、倍率やカメラ長の可変範囲を大きく
することが可能になる。
【0073】更にエネルギーフィルターとエネルギー分
散面との間にレンズを介在させることで、レンズ段数の
増加とEF−TEMの長身長化の抑制の両立が可能にな
り、エネルギーフィルターTEMの性能向上と共に、耐
震性をも向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるエネルギーフィルターを搭載した
透過型電子顕微鏡の一実施例の光学系の模式図である。
【図2】エネルギーフィルター近辺の詳細図である。
【図3】入射クロスオーバー面と入射像面の距離と、像
歪みに関する収差係数の関係を表すグラフである。
【図4】入射クロスオーバー面と入射像面の距離と、エ
ネルギー分散に関する収差係数の関係を表すグラフであ
る。
【図5】入射クロスオーバー面と入射像面の距離と、磁
極の曲率に関する収差係数の関係を表すグラフである。
【図6】入射クロスオーバー面と入射像面の距離と、磁
極間距離の関係を表すグラフである。
【図7】γ形エネルギーフィルターの説明図である。
【図8】本発明によるエネルギーフィルターを搭載した
透過型電子顕微鏡の一実施例のブロック図である。
【図9】公知例と本発明の構成の比較を表す図である。
【図10】中拡大像と弱拡大像を観察するための光学系
の模式図である。
【図11】低倍率像を観察するための光学系の模式図で
ある。
【図12】回折像を観察するための光学系の模式図であ
る。
【図13】PEELSを実現するための光学系の模式図
である。
【図14】ダブルギャップレンズのしくみを表す図であ
る。
【符号の説明】
1…エネルギーフィルターを搭載した透過型電子顕微
鏡、2…電子銃、3…試料、4…光軸、5…第一レンズ
コイル、6…第二レンズコイル、7…第一間隙、8…第
二間隙、10…集束レンズ、11…対物レンズ、12…
第一中間レンズ、13…第二中間レンズ、14…第三中
間レンズ、15…第四中間レンズ、16…第一投影レン
ズ、17…第二投影レンズ、18…第三投影レンズ、2
0…集束偏向コイル、21…第一偏向コイル、22…第
二偏向コイル、23…第三偏向コイル、24…エネルギ
ー選択スリット、25…蛍光板、26…エネルギーフィ
ルター、27…制限視野絞り、28…入射絞り、29…
対物絞り、30…照射電子線、31…透過電子線、32
…ゼロロス電子線、33…ロス電子線、34,43…電
子線、35…散乱電子線、36…光軸と平行な電子線、
41…第一磁極、42…第二磁極、44…入射クロスオ
ーバー面、45…入射像面、46…色消し像面、47…
エネルギー分散面、48…フィルター中心線、50…第
一中間拡大像、51…第二中間拡大像、52…第三中間
拡大像、53…第四中間拡大像、54…第五中間拡大
像、55…第六中間拡大像、56…第七中間拡大像、5
7…第八中間拡大像、58…最終拡大像、60…第一中
間回折像、61…第二中間回折像、62…第三中間回折
像、63…第四中間回折像、64…第五中間回折像、6
5…第六中間回折像、66…第七中間回折像、67…第
八中間回折像、68…最終回折像、69…エネルギー選
択スリット。

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子銃から発生する電子線を試料に照射
    し、試料を透過した電子線をエネルギーフィルターでエ
    ネルギー分光し、観察面に投影する透過型電子顕微鏡に
    おいて、 前記エネルギーフィルターの入力クロスオーバー面に電
    子線の回折像、或いは試料像の虚像を形成すると共に、
    前記エネルギーフィルターの入力像面に、前記回折像或
    いは前記試料像の内、前記入力クロスオーバー面に形成
    される像とは異なる像の実像を形成するレンズを備えた
    ことを特徴とする透過型電子顕微鏡。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記レンズは前記試料
    と前記エネルギーフィルターの間に配置される中間レン
    ズ群を構成するレンズであることを特徴とする透過型電
    子顕微鏡。
  3. 【請求項3】請求項2において、前記中間レンズ群は、
    当該中間レンズ群のエネルギーフィルター側に配置され
    るレンズより陰極側に、前記回折像、或いは試料像の虚
    像を形成することを特徴とする透過型電子顕微鏡。
  4. 【請求項4】請求項2において、前記中間レンズ群のエ
    ネルギーフィルター側に配置されるレンズは、永久磁石
    レンズであることを特徴とする透過型電子顕微鏡。
  5. 【請求項5】請求項2において、前記中間レンズ群のエ
    ネルギーフィルター側に配置されるレンズと、当該レン
    ズより陰極側に配置されるレンズとの間に、電子線偏向
    器を配置したことを特徴とする透過型電子顕微鏡。
  6. 【請求項6】請求項2において、前記中間レンズ群のエ
    ネルギーフィルター側に配置されるレンズと、前記エネ
    ルギーフィルターとの間に、電子線偏向器を配置したこ
    とを特徴とする透過型電子顕微鏡。
  7. 【請求項7】請求項2において、前記中間レンズ群のエ
    ネルギーフィルター側に配置されるレンズと、前記エネ
    ルギーフィルターとの間に、六極子レンズを配置したこ
    とを特徴とする透過型電子顕微鏡。
  8. 【請求項8】請求項1において、前記エネルギーフィル
    ターと前記観察面の間にはエネルギー選択スリットが配
    置されると共に、当該選択スリットと前記エネルギーフ
    ィルターの間にエネルギーロススペクトルを前記選択ス
    リット上に形成するレンズを配置したことを特徴とする
    透過型電子顕微鏡。
  9. 【請求項9】請求項8において、前記選択スリットと前
    記エネルギーフィルターの間に配置されるレンズは、前
    記回折像、或いは試料像の虚像を前記選択スリットと前
    記観察面の間に形成することを特徴とする透過型電子顕
    微鏡。
  10. 【請求項10】請求項8において、前記選択スリットと
    前記エネルギーフィルターの間に配置されるレンズは、
    磁界形レンズであって、収束磁場を発生するためのレン
    ズギャップが2つ形成されていることを特徴とする透過
    型電子顕微鏡。
  11. 【請求項11】請求項10において、前記2つのレンズ
    ギャップで形成される収束磁場は、一方のレンズギャッ
    プ間に発生する収束磁場によってもたらされる電子線の
    回転を、他のレンズギャップ間に発生する収束磁場で相
    殺するように設定されていることを特徴とする透過型電
    子顕微鏡。
  12. 【請求項12】請求項8において、前記エネルギーフィ
    ルターと前記観察面の間に配置されるレンズは、永久磁
    石レンズであることを特徴とする透過型電子顕微鏡。
  13. 【請求項13】請求項8において、 前記選択スリットと前記エネルギーフィルターの間に配
    置されるレンズと、前記エネルギーフィルターの間に、
    電子線偏向器を配置したことを特徴とする透過型電子顕
    微鏡。
  14. 【請求項14】請求項8において、 前記選択スリットと、前記エネルギーフィルターの間に
    配置されるレンズと、前記エネルギーフィルターの間
    に、六極子レンズを配置したことを特徴とする透過型電
    子顕微鏡。
  15. 【請求項15】請求項1において、前記エネルギーフィ
    ルターと前記観察面との間にはエネルギー選択スリット
    が配置されると共に、当該選択スリットと前記観察面の
    間には、前記回折像、或いは試料像の虚像が形成される
    ことを特徴とする透過型電子顕微鏡。
  16. 【請求項16】請求項1において、前記エネルギーフィ
    ルターと前記観察面との間にはエネルギー選択スリット
    が配置され、当該選択スリットと前記エネルギーフィル
    ターの間にはレンズが配置されると共に、エネルギーロ
    ススペクトルのエネルギー分散方向と、前記選択スリッ
    トの開口の開放方向がほぼ一致するように当該レンズの
    レンズ強度が設定されていることを特徴とする透過型電
    子顕微鏡。
  17. 【請求項17】請求項1において、前記観察面に試料像
    を形成する場合には、前記エネルギーフィルターの入力
    クロスオーバー面に前記回折像を形成し、前記観察面に
    電子回折像を形成する場合には、前記エネルギーフィル
    ターの入力クロスオーバー面に前記試料像を形成するよ
    うに前記レンズを制御する制御装置が設けられているこ
    とを特徴とする透過型電子顕微鏡。
  18. 【請求項18】試料を透過した電子線をエネルギーフィ
    ルターでエネルギー分光し、当該エネルギーフィルター
    でエネルギー分光した電子線の内、特定のエネルギーを
    持つ電子線をエネルギー選択スリットで選択し、観察面
    に投影する透過型電子顕微鏡において、 前記エネルギーフィルターと前記選択スリットの間に、
    レンズを配置したことを特徴とする透過型電子顕微鏡。
  19. 【請求項19】請求項18において、 前記レンズは前記選択スリットにエネルギーロススペク
    トルを形成するように調節されていることを特徴とする
    透過型電子顕微鏡。
  20. 【請求項20】請求項18において、 前記レンズは前記選択スリットと前記観察面の間に、回
    折像、或いは試料像の虚像を形成するように調節されて
    いることを特徴とする透過型電子顕微鏡。
  21. 【請求項21】請求項18において、 前記レンズは前記選択スリットにエネルギーロススペク
    トルを形成すると共に、前記エネルギーフィルターのエ
    ネルギー分散面に回折像、或いは試料像の虚像を形成す
    るように調節されていることを特徴とする透過型電子顕
    微鏡。
  22. 【請求項22】請求項18において、 前記レンズは磁界形レンズであって、収束磁場を発生す
    るためのレンズギャップが複数形成されていることを特
    徴とする透過型電子顕微鏡。
  23. 【請求項23】請求項18において、 前記エネルギーフィルターのエネルギー分散方向は、前
    記レンズによる前記電子線への回転作用を受けた状態
    で、前記選択スリットの開口の開放方向とほぼ一致する
    ように設定されていることを特徴とする透過型電子顕微
    鏡。
  24. 【請求項24】請求項18において、 前記選択スリットと前記エネルギーフィルターの間に配
    置されるレンズと、前記エネルギーフィルターの間に、
    電子線偏向器を配置したことを特徴とする透過型電子顕
    微鏡。
  25. 【請求項25】請求項18において、 前記選択スリットと前記エネルギーフィルターの間に配
    置されるレンズと、前記エネルギーフィルターの間に、
    六極子レンズを配置したことを特徴とする透過型電子顕
    微鏡。
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