JP2001006448A - 電力ケーブル - Google Patents
電力ケーブルInfo
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- JP2001006448A JP2001006448A JP2000111805A JP2000111805A JP2001006448A JP 2001006448 A JP2001006448 A JP 2001006448A JP 2000111805 A JP2000111805 A JP 2000111805A JP 2000111805 A JP2000111805 A JP 2000111805A JP 2001006448 A JP2001006448 A JP 2001006448A
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Abstract
耗性、および外観の良好な被覆層を有する電力ケーブル
を提供すること。 【解決手段】 電線被覆層として次の条件を満
たすエチレン・α−オレフィン共重合体を含む絶縁材料
を使用した電力ケーブル:密度dが0.880〜0.9
50、MFRが0.01〜20、溶融張力MT(g)と
MFRとの関係がMT≦2.2×MFR-0.84、デカン
可溶成分量率W(%)とdとの関係が、MFR≦10の
時、W<80×exp{−100(d−0.88)}+
0.1、DSCにより測定した吸熱曲線の最大ピーク位
置の温度Tmとdとの関係がTm<400×d−244
である。また、このエチレン・α-オレフィン共重合体
に高圧法低密度ポリエチレンを配合すると押出成形性が
向上し、さらに良好な被覆層が得られる。
Description
レフィン共重合体を含む絶縁材料を被覆した電力ケーブ
ルに関し、より詳細には、機械的強度、耐摩耗性、熱安
定性、架橋特性等の物性に優れた絶縁材料を被覆した電
力ケーブルに関する。
てポリエチレンが多用され、その優れた電気絶縁性が評
価されてきた。しかし、そのポリエチレンも、水分の多
い環境下で使用されると、絶縁層中に水トリーが発生し
て、電気絶縁性の低下が起こると言われているなど、絶
縁材料としてはさらに改良が求められている。
しいポリエチレンが出現し、それを絶縁材料へと応用す
る検討が進められている。特表平6−509905号公
報および特開平7−312118号公報によると、その
新しいポリエチレンは、水トリーの発生を大幅に抑制で
き、電気絶縁性を改良できると記載されている。
子量分布が狭いことから、実際に肉厚の被覆層を形成す
る電力ケーブルの製造に適用すると、押出加工性が良好
でなく、形成された被覆層表面に肌荒れを生じることが
あった。
のような従来技術に伴う問題を解決しようとするもので
あって、エチレン系重合体が本来的に具備している電気
絶縁性、機械的強度、耐摩耗性、架橋特性を保持しつ
つ、外観の良好な被覆層を有する電力ケーブルを提供す
ることである。
または導体遮蔽層がエチレンと炭素数3〜20のα−オ
レフィンとの共重合体を含む絶縁材料によって被覆され
た電力ケーブルであって、そのエチレン・α−オレフィ
ン共重合体が次に示す条件(A)〜(E) (A)密度(d)が0.880〜0.950(g/cm
3) (B)メルトフローレート(MFR)が0.01〜20
(g/10分) (C)190℃における溶融張力(MT(g))とメル
トフローレート(MFR(g/10分))との関係が MT≦2.2×MFR-0.84
(W(重量%))と密度(d)との関係がMFR≦10
(g/10分)のとき: W<80×exp{−100(d−0.88)}+0.
1 MFR>10(g/10分)のとき: W<80×(MFR−9)0.26×exp{−100(d
−0.88)}+0.1
測定した吸熱曲線の最大ピーク位置の温度(Tm
(℃))と密度(d)との関係が Tm<400×d−244 を満たした電力ケーブルに関し、その被覆層は機械的強
度や耐摩耗性に優れている。
フィン共重合体に高圧法低密度ポリエチレンや他のエチ
レン・α−オレフィン共重合体を配合した組成物であっ
てもよく、組成物にすることによって押出成形性が改良
される。
され、押出被覆後、被覆層に架橋処理が施されることが
好ましく、それによって絶縁材料は架橋構造へと変わ
り、被覆層は機械的強度、耐摩耗性、耐熱性等がより一
層優れたものになる。特に被覆層が次の物性(1)引張
強さが15MPa以上であり、(2)引張伸びが400
%以上であり、(3)テーバー摩耗試験法により測定さ
れる摩耗量が15mg以下を有していると、電力ケーブ
ルに好適な物性を備えた被覆層になるので好ましい。
ィン共重合体を含む絶縁材料を導体または半導電層のよ
うな導体遮蔽層上に押出被覆した電力ケーブルに関する
もので、次にその構成について具体的に説明する。
レフィンとの共重合体から形成されており、炭素数3〜
20のα−オレフィンとしては、具体的に、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メ
チル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−
ドデセンなどが挙げられる。
99モル%、好ましくは96〜98モル%であり、コモ
ノマーであるα−オレフィン含量は、通常1〜6モル
%、好ましくは2〜4モル%であって、エチレンとα−
オレフィンとがランダム共重合している。ここで、エチ
レンおよびα−オレフィン含量は、13C−NMRを用い
て測定することができる。
合体の組成は、通常10mmφの試料管中で約200m
gの共重合体を1mlのヘキサクロロブタジエンに均一
に溶解させた試料について、その13C−NMRスペクト
ルを、測定温度120℃、測定周波数25.05MHz、
スペクトル幅1500Hz 、パルス繰返し時間4.2se
c.、パルス幅6μsec.の条件下で測定して求められる。
ィン共重合体は、その密度が0.880〜0.950(g
/cm3)、好ましくは0.890〜0.935(g/
cm3)の範囲にある。密度がこの範囲にあると、電線
被覆層に柔軟性が付与されることから好都合である。な
お、密度は、メルトフローレート測定時に得られるスト
ランドを120℃で1時間熱処理し、その後1時間かけ
て室温まで徐冷してから密度勾配管を用いて測定され
る。
R)は、ASTM D−1238に準拠し、190℃、
2.16kg荷重下で測定した値が、0.01〜20
(g/10分)、好ましくは0.3〜10(g/10
分)である。MFRがこの範囲にあると、速い成形スピ
ードでかつ外観の良好な被覆層が得られるので好まし
い。
溶融張力(MT(g))とメルトフローレート(MFR
(g/10分))とは、次の関係にある。 MT≦2.2×MFR-0.84
と、溶融張力が押出成形に適した値になり、溶融ダレの
発生を防ぐことができるので好ましい。なお、溶融張力
は、溶融重合体を一定速度で延伸した時の応力を測定す
ることによって求められる。すなわち、樹脂ペレットを
MT測定機(東洋精機製作所製)へと供給し、樹脂温度
190℃、押出速度15mm/分、巻取り速度10〜2
0m/分、ノズル径2.09mmφ、ノズル長8mmの
条件で測定される。
カン可溶成分量率(W(重量%))と密度(d)とが次
の関係を満たしている。 MFR≦10(g/10分)のとき: W<80×exp{−100(d−0.88)}+0.
1 好ましくは、 W<60×exp{−100(d−0.88)}+0.
1 より好ましくは、 W<40×exp{−100(d−0.88)}+0.
1 MFR>10(g/10分)のとき: W<80×(MFR−9)0.26×exp{−100(d
−0.88)}+0.1 エチレン・α−オレフィン共重合体がこの様な関係にあ
ると、その中には低分子量成分の含有量が少ないので、
被覆層表面へのブリードアウトによる白化現象を防止す
ることができる。
gをn−デカン450mlに加え、145℃で溶解後、
23℃まで冷却し、ろ過によりn−デカン不溶部を除
き、ろ液よりn−デカン可溶部を回収する操作によっ
て、可溶成分量および不溶成分量の各々を測定し、次式
でW値を求めた。 W={n−デカン可溶成分量/(n−デカン可溶成分量
+不溶成分量)}×100 (重量%)
り測定した吸熱曲線の最大ピーク位置の温度(Tm
(℃))と密度(d)とが次の関係にある。 Tm<400×d−244 前記の関係にあると、エチレン・α−オレフィン共重合
体は、その組成分布が狭いことを示し、耐摩耗性等の機
械的強度に優れた被覆層を形成する。
定は、パーキンエルマー社製DSC−7型機を用いて行
った。すなわち、共重合体試料約5mgをアルミパンに
詰め、10℃/分の速度で200℃まで昇温してからそ
こで5分間保持し、その後、20℃/分の速度で室温ま
で降温し、再び10℃/分で昇温して吸熱曲線を測定
し、その際の吸熱曲線から最大ピークを示す温度を求め
た。なお、エチレン・α−オレフィン共重合体は、DS
Cによって測定したその吸熱曲線に、最大ピークの他に
少なくとも1個以上のピークを有する共重合体であって
もよい。
レン・α−オレフィン共重合体は、機械的強度や耐摩耗
性に優れた絶縁材料であり、電力ケーブル用被覆層とし
て好適に使用することができる。
EF)において、100℃未満では溶出しない成分が存
在し、かつその量は10重量%以下、好ましくは8重量
%以下であることが望ましい。この不溶成分量を有する
共重合体は、架橋効率や引張特性に優れている。
ed Polymer Science, Vol.26, 4217-4231 (1981) に記
載の方法で行うことができる。この方法は、試料溶液を
不活性担体表面に接触させて、担体表面上に薄いポリマ
ー層を形成させ、次に温度を連続的にまたは段階的に上
昇させて、ポリマーを徐々に溶媒であるo−ジクロロベ
ンゼンに溶解させる方法である。
(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)
が2.0〜8.0、好ましくは2.5〜7.0であるこ
とが望ましい。この範囲にあると、低分子量ポリマー成
分が少ないので、被覆層表面のベトツキが少なく、押出
特性も良好になる。
共重合体のMwおよびMnをそれぞれ測定し、算出し
た。GPC測定条件は、ウオーターズ社製GPCモデル
ALC−GPC−150Cを用い、カラムとして東ソー
製PSK−GMH−HTを用い、o−ジクロロゼンゼン
溶媒によって140℃で行った。
中のエチレン成分の含有モル分率を示し、POはα−オ
レフィン成分の含有モル分率を示し、P0Eは全dyad連鎖
のα−オレフィン・エチレン連鎖のモル分率を示す。
マー成分の分布状態を表す指標であって、G.J.Ray (Ma
cromolecules,10,773(1977)、J.C.Randall (Macromole
cules,15,353,(1982)、J.Polymer Science,Polymer Phy
sics Ed.,11,275(1973))、K.Kimura(Polymer,25,441(19
84))らの報告に基づいて、PE、PO 、およびPOEを求め
ることによって算出される。B値が大きい程、ブロック
的な連鎖が少なく、エチレンおよびα−オレフィンの分
布が一様であり、組成分布が狭い共重合体であることを
示している。
200mgの共重合体を1mlのヘキサクロロブタジエ
ンに均一に溶解させた試料の13C−NMRのスペクトル
を、通常、測定温度120℃、測定周波数25.05M
Hz、スペクトル幅1500Hz、フィルター幅150
0Hz、パルス繰り返し時間4.2秒、パルス幅7μ
秒、積算回数2000〜5000回の条件の下で測定
し、このスペクトルからPE、PO、POEを求めることに
より算出した。
るずり応力が2.4×106dyne/cm2に到達する
時のずり速度で定義される流動性インデックス(FI)
と、メルトフローレート(MFR)とが、次の関係にあ
ることが好ましい。 FI<75×MFR 共重合体がこの二つのファクターの関係式を満たしてい
ると、樹脂の溶融時の流動性がよく押出成形性を良好に
する。
ずり速度を変えながら共重合体をキャピラリーから押出
し、その時の応力を測定することによって求められる。
その時の条件としては、毛細管式流れ特性試験機(東洋
精機製作所製)に樹脂ペレットを入れ、樹脂温度を19
0℃とし、ずり応力範囲は5×104〜3×106(dy
ne/cm2)程度である。この時の樹脂のMFR値に
よって、ノズル径を次のように変更して測定する。 20≧MFR>3 の時、ノズル径は1.0mm 3≧MFR>0.8 の時、ノズル径は2.0mm 0.8≧MFR≧0.01の時、ノズル径は3.0mm
方法 前述した物性を有するエチレン・α−オレフィン共重合
体は、次に説明するオレフィン重合触媒成分(a)〜
(e)を用い、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフ
ィンとを重合系に供給することによって製造することが
できる。 (a)シクロぺンタジエニル骨格を有する配位子を含む周
期律表第IV族の遷移金属化合物 (b)有機アルミニウムオキシ化合物 (c)担体 (d)必要に応じて、有機アルミニウム化合物
る。 [(a)遷移金属化合物]触媒系の中心になるこの化合物
は、シクロぺンタジエニル骨格を有する配位子を含む周
期律表第IV族の遷移金属化合物であって、次の一般式
で表される。 ML(x) ・・・・・・・(I)
る遷移金属を示し、具体的には、ジルコニウム、チタン
またはハフニウムであり、好ましくはジルコニウムであ
って、Lは遷移金属原子に配位する配位子を示し、これ
らのうち少なくとも2個の配位子Lは、シクロペンタジ
エニル基、あるいは炭素数1〜10の炭化水素基から選
ばれる置換基を1種以上有する置換シクロペンタジエニ
ル基であり、それ以外の配位子Lは、炭素数1〜12の
炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン
原子、トリアルキルシリル基または水素原子であって、
各配位子および各置換基は同一でも異なっていてもよ
い。xは遷移金属原子Mの原子価を示す。)
合物の例としては、ビス(シクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、ビス(メチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(エチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n-プロピ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビ
ス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、ビス(n-ヘキシルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、ビス(メチル-n-プロピルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチ
ル-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、ビス(ジメチル-n-ブチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n-ブチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジブロミド、
ルコニウムメトキシクロリド、ビス(n-ブチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムエトキシクロリド、ビス
(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムブトキ
シクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムエトキシド、ビス(n-ブチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムメチルクロリド、ビス(n-ブチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス
(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムベンジ
ルクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジベンジル、ビス(n-ブチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムフェニルクロリド、ビス(n-ブチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムハイドライドク
ロリド、
ルコニウムジクロリド、ビス(ジエチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルエチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(ジメチルエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリド、ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジブロミド、ビス(ジメチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムメトキシクロリド、ビス(ジメチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムエトキシクロリ
ド、ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムブトキシクロリド、ビス(ジメチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジエトキシド、
ルコニウムメチルクロリド、ビス(ジメチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(ジメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムベンジルクロリド、
ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
ベンジル、ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムフェニルクロリド、ビス(ジメチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムハイドライドクロリドなどが
挙げられる。
エニル環の二置換体は1,2-および1,3-置換体を含み、三
置換体は1,2,3-および1,2,4-置換体を含む。前記のよう
なジルコニウム化合物において、ジルコニウム金属を、
チタン金属またはハフニウム金属に置き換えた遷移金属
化合物を用いることもできる。
合物のうちでは、特に次の化合物が好ましい。 ビス(n-プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリド ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリド ビス(1-メチル-3-n-プロピルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド ビス(1-メチル-3-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリド ビス(1,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド ビス(1,3-ジエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド ビス(1-メチル-3-エチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド
で表される遷移金属化合物の2種以上の混合物であって
もよい。具体的には、ビス(1,3-n-ブチルメチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドとビス(1,3-ジ
メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド
との組み合わせ、ビス(1,3-n-プロピルメチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロリドとビス(1,3-ジメ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドと
の組み合わせ、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリドとビス(1,3-ジメチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリドとの組み合わせが
挙げられる。
アルミニウムオキシ化合物は、従来公知のベンゼン可溶
性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよく、ま
た特開平2−276807号公報で開示されているよう
なベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であ
ってもよい。有機アルミニウムオキシ化合物は、単独で
あるいは2種以上を組合せて用いることもできる。
は、例えば次に記す方法によって調製することができ
る。 (1)吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有す
る塩類、例えば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和
物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩
化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、ト
リアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
を添加して反応させ、炭化水素溶液として回収する方
法。
ル、テトラヒドロフランなどの媒体中で、トリアルキル
アルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水、
氷、あるいは水蒸気を作用させて炭化水素の溶液として
回収する方法。
体中でトリアルキルアルミニウム等の有機アルミニウム
化合物に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシ
ド等の有機スズ酸化物を反応させる方法。
られる有機アルミニウム化合物としては、具体的に次の
化合物を例示することができ、それらは単独で、また2
種以上を組み合わせて用いることができる。 (1)トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリプロピルアルミニウム、トリイソプロピルアル
ミニウム、トリn-ブチルアルミニウム、トリイソブチル
アルミニウム、トリsec-ブチルアルミニウム、トリtert
- ブチルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、ト
リヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、
トリデシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウ
ム
トリシクロオクチルアルミニウムなどのトリシクロアル
キルアルミニウム (3)ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミ
ニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジイ
ソブチルアルミニウムクロリドなどのジアルキルアルミ
ニウムハライド (4)ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチ
ルアルミニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニ
ウムハイドライド
ジエチルアルミニウムエトキシドなどのジアルキルアル
ミニウムアルコキシド (6)ジエチルアルミニウムフェノキシドなどのジアル
キルアルミニウムアリーロキシド これらの内でも、特にトリアルキルアルミニウムの使用
が好ましい。
て、一般式 (i-C4H9)xAly(C5H10)z (x、y、zは正の数であり、z≧2xである)で表わ
されるイソプレニルアルミニウムを用いることもでき
る。
れる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、ク
メン、シメンなどの芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサデ
カン、オクタデカンなどの脂肪族炭化水素、シクロペン
タン、シクロヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロ
ペンタンなどの脂環族炭化水素、ガソリン、灯油、軽油
などの石油留分あるいは前記芳香族炭化水素、脂肪族炭
化水素、脂環族炭化水素のハロゲン化物とりわけ、塩素
化物、臭素化物などの炭化水素溶媒が挙げられる。その
他、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテ
ル類を用いることもできる。これらの溶媒のうち特に芳
香族炭化水素が好ましい。
ムオキシ化合物は、60℃のベンゼンに溶解するAl成
分がAl原子換算で10%以下、好ましくは5%以下で
あり、ベンゼンに対して不溶性あるいは難溶性である。
は有機の化合物であって、粒径が10〜300μm、好
ましくは20〜200μmの顆粒状ないしは微粒子状の
固体が使用される。このうち無機担体としては多孔質酸
化物が好ましく、具体的にはSiO2、Al2O3、Mg
O、ZrO2、TiO2、Sb2O3、CaO、ZnO、B
aO、ThO2等またはこれらの混合物、例えばSiO2
-MgO、SiO2-Al2O3、SiO2-TiO2、SiO
2-V2O5、SiO2-Cr2O3、SiO2-TiO2-MgO
等を例示することができる。これらの中でSiO2およ
びAl2O3からなる群から選ばれた少なくとも1種の成
分を主成分とするものが好ましい。
り性状は異なるが、好ましく用いられる担体は、比表面
積が50〜1000m2/g、好ましくは100〜70
0m2/gであり、細孔容積が0.3〜2.5cm3/gで
あることが望ましい。この担体は、必要に応じて100
〜1000℃、好ましくは150〜700℃で焼成して
用いてもよい。
10〜300μmである有機化合物の顆粒状ないしは微
粒子状固体を挙げることができる。これら有機化合物と
しては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチ
ル−1−ペンテンなどの炭素数2〜14のα−オレフィ
ンを主成分とする(共)重合体あるいはビニルシクロヘ
キサン、スチレンを主成分とする重合体もしくは共重合
体を例示することができる。
て加えられる有機アルミニウム化合物は、次の一般式で
表される化合物を例示することができる。 R1(n)AlX(3-n) ・・・・・・・(II) (式中、R1は炭素数1〜12の炭化水素基を示し、X
はハロゲン原子または水素原子を示し、nは1〜3であ
る。)
アルキル基あるいはアリ−ル基であって、具体的には、
メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、
イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ト
リル基などである。
は、具体的には以下のような化合物が挙げられる。 (1)トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルア
ルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリ2-エチル
ヘキシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム (2)イソプレニルアルミニウムなどのアルケニルアル
ミニウム (3)ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミ
ニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリ
ド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジメチルアル
ミニウムブロミドなどのジアルキルアルミニウムハライ
ド
ド、エチルアルミニウムセスキクロリド、イソプロピル
アルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセス
キクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミドなどの
アルキルアルミニウムセスキハライド (5)メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニ
ウムジクロリド、イソプロピルアルミニウムジクロリ
ド、エチルアルミニウムジブロミドなどのアルキルアル
ミニウムジハライド (6)ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチ
ルアルミニウムハイドライドなどのアルキルアルミニウ
ムハイドライドなど
次の一般式で表される化合物 R1(n)AlY(3-n) ・・・・・(III) を用いることもできる。
と同様の炭化水素基を示し、Yは−OR2基、−OSi
(R3)3基、−OAl(R4)2基、−N(R5)2基、−
Si(R6)3基または−N(R7)Al(R8)2基を示し、
nは1〜2であり、R2、R3、R4およびR8はメチル
基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロ
ヘキシル基、フェニル基などであり、R5は水素原子、
メチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、ト
リメチルシリル基などであり、R6およびR7はメチル
基、エチル基などである。)
は、具体的には、次のような化合物が用いられる。 (1)R1(n)Al(OR2)(3-n) で表される化合物、例
えば ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアル
ミニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムメトキ
シドなど;
で表される化合物、例えば Et2Al(OSi Me3)、
(iso-Bu)2Al(OSiMe3)、(iso-Bu)2 Al(OSi
Et3)など; (3)R1(n)Al(OAl(R4)2)(3-n) で表される化
合物、例えば Et2AlOAlEt2 、(iso-Bu)2AlO
Al(iso-Bu)2 など; (4) R1(n)Al(N(R5)2)(3-n) で表される化合
物、例えば Me2AlNEt2 、Et2AlNHMe 、Me2
AlNHEt 、Et2AlN(SiMe3)2、(iso-Bu)2AlN
(SiMe3)2など;
される化合物、例えば (iso-Bu)2AlSi Me3 な
ど; (6)R1(n)Al(N(R7)Al(R8)2)(3-n)で表される
化合物、例えば Et2AlN(Me)AlEt2、(iso-Bu)2
AlN(Et)Al(iso-Bu)2など。
される有機アルミニウム化合物の中では、一般式
(R1)3Al、(R1)nAl(OR2)(3-n)、(R1)nAl
(OAl(R4)2)(3-n)で表わされる化合物が好ましく、
特にR1がイソアルキル基であり、n=2である化合物
が好ましい。
(a)、成分(b)、および担体(c)、必要に応じて成分(d)を
接触させることにより調製される。この時の各成分の接
触順序は、任意に選ばれるが、好ましくは担体(c)と成
分(b)とを混合接触させ、次いで成分(a)を混合接触さ
せ、さらに必要に応じて成分(d)を混合接触させる。
行うことができ、触媒の調製に用いられる不活性炭化水
素媒体として具体的には、プロパン、ブタン、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカ
ン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シク
ロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水
素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水
素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタ
ンなどのハロゲン化炭化水素あるいはこれらの混合物な
どを挙げることができる。
に応じて成分(d)を混合接触するに際して、成分(a)は担
体(c)1g当り、通常5×10-6〜5×10-4モル、好
ましくは10-5〜2×10-4モルの量で用いられ、成分
(a)の濃度は、約10-4〜2×10-2モル/リットル、
好ましくは2×10-4〜10-2モル/リットルの範囲で
ある。成分(b)のアルミニウムと成分(a)中の遷移金属と
の原子比(Al/遷移金属)は、通常10〜500、好
ましくは20〜200である。必要に応じて用いられる
成分(d)のアルミニウム原子(Al-d)と成分(b)のアル
ミニウム原子(Al-b)の原子比(Al-d/Al-b)は、
通常0.02〜3、好ましくは0.05〜1.5の範囲で
ある。成分(a)、成分(b)、担体(c)および必要に応じて
成分(d)を混合接触する際の混合温度は、通常−50〜
150℃、好ましくは−20〜120℃であり、接触時
間は1分〜50時間、好ましくは10分〜25時間であ
る。
媒は、担体(c)1g当り成分(a)に由来する遷移金属原子
が5×10-6〜5×10-4グラム原子、好ましくは10
-5〜2×10-4グラム原子の量で担持され、また担体
(c)1g当り成分(b)および成分(d)に由来するアルミニ
ウム原子が10-3〜5×10-2グラム原子、好ましくは
2×10-3〜2×10-2グラム原子の量で担持されてい
ることが望ましい。
分(b)、担体(c)、および必要に応じて成分(d)の存在下
にオレフィンを予備重合させて得られる予備重合触媒で
あってもよい。予備重合は、成分(a)、成分(b)、担体
(c)および必要に応じて成分(d)の存在下、不活性炭化水
素溶媒中にオレフィンを導入することにより行うことが
できる。
ては、炭素数が2〜20のα−オレフィン、例えばエチ
レン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メ
チル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1
−デセン、1−ドデセン、11−テトラデセンなどを例
示することができる。これらの中では、重合の際に用い
られるエチレン、あるいはエチレンとα−オレフィンと
の組合せが特に好ましい。
0-6〜2×10-2モル/リットル、好ましくは5×10
-5〜10-2モル/リットルの量で用いられ、成分(a)は
担体(c)1g当り、通常5×10-6〜5×10-4モル、
好ましくは10-5〜2×10-4モルの量で用いらる。成
分(b)のアルミニウムと成分(a)中の遷移金属との原子比
(Al/遷移金属)は、通常10〜500、好ましくは
20〜200である。必要に応じて用いられる成分(d)
のアルミニウム原子(Al-d)と成分(b)のアルミニウム
原子(Al-b)の原子比(Al-d/Al-b)は、通常0.0
2〜3、好ましくは0.05〜1.5の範囲である。予備
重合温度は−20〜80℃、好ましくは0〜60℃であ
り、また予備重合時間は0.5〜100時間、好ましく
は1〜50時間程度である。
れる。すなわち、担体(c)を不活性炭化水素中で懸濁状
にする。次いで、この懸濁液に有機アルミニウムオキシ
化合物(成分(b))を加え、所定の時間反応させる。そ
の後上澄液を除去し、得られた固体成分を不活性炭化水
素中で再懸濁化する。この系内へ遷移金属化合物(成分
(a))を加え、所定時間反応させた後、上澄液を除去し
固体触媒成分を得る。続いて有機アルミニウム化合物
(成分(d))を含有する不活性炭化水素中に、前記で得
られた固体触媒成分を加え、そこへオレフィンを導入す
ることにより、予備重合触媒が得られる。
は、担体(c)1g当り0.1〜500g、好ましくは0.
2〜300g、より好ましくは0.5〜200gの量で
あることが望ましい。また、予備重合触媒には、担体
(c)1g当り成分(a)は遷移金属原子として約5×10-6
〜5×10-4グラム原子、好ましくは10-5〜2×10
-4グラム原子の量で担持され、成分(b)および成分(d)に
由来するアルミニウム原子(Al)は、成分(a)に由来
する遷移金属原子(M)に対するモル比(Al/M)
で、5〜200、好ましくは10〜150の範囲の量で
担持されていることが望ましい。
れでも行うことができ、また減圧、常圧あるいは加圧下
のいずれでも行うことができる。予備重合においては、
水素を共存させて、少なくとも135℃のデカリン中で
測定した極限粘度[η]が0.2〜7(dl/g)の範
囲、好ましくは0.5〜5(dl/g)であるような予
備重合体を製造することが望ましい。
α−オレフィン共重合体は、前記のようなオレフィン重
合触媒または予備重合触媒の存在下に、エチレンと炭素
数が3〜20のα−オレフィンとを共重合することによ
って得られる。
気相であるいはスラリー状の液相で行われる。スラリー
重合においては、不活性炭化水素を溶媒としてもよい
し、オレフィン自体を溶媒にすることもできる。
化水素溶媒として具体的には、ブタン、イソブタン、ペ
ンタン、ヘキサン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキ
サデカン、オクタデカンなどの脂肪族系炭化水素;シク
ロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、
シクロオクタンなどの脂環族系炭化水素;ベンゼン、ト
ルエン、キシレンなどの芳香族系炭化水素;ガソリン、
灯油、軽油などの石油留分などが挙げられる。これら不
活性炭化水素媒体のうち脂肪族系炭化水素、脂環族系炭
化水素、石油留分などが好ましい。
る際には、前記のようなオレフィン重合触媒または予備
重合触媒は、重合反応系内の遷移金属原子の濃度とし
て、通常10-8〜10-3グラム原子/リットル、好まし
くは10-7〜10-4グラム原子/リットルの量で用いら
れることが望ましい。
アルミニウムオキシ化合物および/または有機アルミニ
ウム化合物(d)を添加してもよい。この際、有機アルミ
ニウムオキシ化合物および有機アルミニウム化合物に由
来するアルミニウム原子(Al)と、遷移金属化合物
(a)に由来する遷移金属原子(M)との原子比(Al/
M)は、5〜300、好ましくは10〜200、より好
ましくは15〜150の範囲である。
度は、通常−50〜100℃、好ましくは0〜90℃の
範囲にあり、気相重合法を実施する際には、重合温度
は、通常0〜120℃、好ましくは20〜100℃の範
囲である。
cm2、好ましくは2〜50kg/cm2の加圧条件下で
あり、重合は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方
式においても行うことが可能であり、さらに2段重合等
の多段で重合を行うこともできる。さらに重合は、1個
または複数の重合器を用いて、共重合を反応条件の異な
る2段以上に分けて行うことも可能である。
ン・α−オレフィン共重合体を含む樹脂であって、エチ
レン・α−オレフィン共重合体のみから構成されていて
もよいし、あるいはそれに他のエチレン系重合体を配合
した樹脂組成物にしてもよい。エチレン・α−オレフィ
ン共重合体は前述したように、機械的物性、耐摩耗性、
熱安定性の良好な被覆層を得ることができる。
の一態様として、高圧法低密度ポリエチレンとの組成物
がある。その場合には、エチレン・α−オレフィン共重
合体が70〜97重量%、より好ましくは80〜95重
量%、高圧法低密度ポリエチレンが3〜30重量%、よ
り好ましくは5〜20重量%から構成される組成物であ
ることが望ましい。使用可能な高圧法低密度ポリエチレ
ンは、密度が0.917〜0.928(g/cm3)、
MFR0.1〜5(g/10分)であることが望まし
い。このように高圧法低密度ポリエチレンが配合される
と、一層流動性および成形性が改良され、高吐出量で溶
融ダレのない成形加工が可能になる。
体を配合した樹脂組成物の例として、前述したと同様の
メタロセン触媒を用いて製造されるが、物性の異なる別
のエチレン・α−オレフィン共重合体(2)が使用され
る。すなわち、(1)前記したエチレン・α−オレフィ
ン共重合体10〜90重量%、および(2)エチレンと
炭素数3−20のα−オレフィンとの共重合体10〜9
0重量%とから構成されている。この様な組成物を用い
ると、溶融張力が向上するために成形性よく被覆層を形
成することができる。
(2)は、次に示す条件(i)〜(v)を満たしてい
る。 (i) 密度(d)が0.880〜0.940(g
/cm3) (ii) メルトフローレート(MFR)が3〜60
(g/10分) (iii) 190℃における溶融張力(MT(g))
とメルトフローレート(MFR(g/10分))との関
係が MT>2.2×MFR-0.84
量率(W(重量%))と密度(d)との関係がMFR≦
10(g/10分)のとき: W<80×exp{−100(d−0.88)}+0.
1 MFR>10(g/10分)のとき: W<80×(MFR−9)0.26×exp{−100(d
−0.88)}+0.1 (v) 示差走査型熱量計(DSC)により測定した吸
熱曲線の最大ピーク位置の温度(Tm(℃))と密度
(d)との関係が Tm<400×d−248
とができ、架橋剤としては過酸化物が使用できるが、ビ
ニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等
のシラン化合物の使用が好適である。その配合量は、絶
縁材料100重量部に対して0.3〜5、好ましくは
0.5〜3重量部が望ましい。シラン化合物を用いる
と、エチレン・α−オレフィン共重合体を含む絶縁材料
を速い架橋速度で、かつ適度な架橋密度に架橋させるこ
とができ、その結果機械的強度および耐摩耗性の良好な
被覆層を形成することができる。
ン化合物をエチレン・α−オレフィン共重合体、あるい
はそれに他のエチレン系重合体を配合した樹脂組成物へ
のグラフト化反応を促すために過酸化物が同時に配合さ
れる。使用できる過酸化物としては、ジクミルパーオキ
シド、t−ブチルクミルパーオキシド、1,3−ビス−
(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)ベンゼン、
2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキ
シ)−ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ−
(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン、1−(2−t−
ブチルパーオキシイソプロピル)−4−イソプロピルベ
ンゼン、1−(2−t−ブチルパーオキシイソプロピ
ル)−3−イソプロピルベンゼン等を例示することがで
きる。これらの過酸化物は、絶縁材料100重量部に対
して0.03〜5重量部、好ましくは0.05〜3重量
部配合される。またこの際、架橋触媒を併用することが
でき、例えば、ジ−n−ブチルスズジラウレートやジ−
n−オクチルスズジラウレート等を挙げることができ
る。
合には、水との反応によって架橋反応が起こる。また、
本発明に係わるエチレン・α−オレフィン共重合体は、
電子線等の電離性放射線の照射によっても架橋させるこ
とができる。そして、最終的に架橋度が25%以上、好
ましくは40%以上となるように、架橋方法、架橋剤の
種類および配合量、架橋条件を選べばよい。
わない範囲で、酸化防止剤、耐候性安定剤、光安定剤、
耐熱安定剤、帯電防止剤、滑剤、顔料、染料、核剤、塩
酸吸収剤、可塑剤などの添加剤を必要に応じて配合する
ことができる。
の先端方向へと送られる。一方、押出機先端に設置され
たクロスヘッドダイには導体が供給され、その導体の周
囲に前記の溶融された絶縁材料が押出され、導体は被覆
され、被覆ケーブルが製造される。
縁材料を使用した場合には、前記の方法で被覆層を形成
した後、被覆成形物を水中に浸漬するか、あるいは空気
中に放置することで、絶縁材料は水の作用によって架橋
される。
エチレン・α−オレフィン共重合体、もしくはエチレン
・α−オレフィン共重合体と他のエチレン系重合体との
組成物を押出機のホッパーに導入する。一方シラン化合
物、過酸化物、および架橋触媒(以降、3成分の混合物
を架橋配合剤と呼ぶ)をホッパーと押出機の間、あるい
は押出機のバレル部に連続的に注入し、それによってシ
ラン化合物がグラフト共重合された絶縁材料が押出機中
でつくられると共に導体は被覆される。その後被覆され
た導体を温水中に浸漬するか、あるいは空気中に放置す
ることで、架橋された絶縁材料を導体周囲に被覆した電
力ケーブルを製造することができる。
α−オレフィン共重合体、もしくはエチレン・α−オレ
フィン共重合体と他のエチレン系重合体との組成物にシ
ラン化合物および過酸化物を配合して予めグラフト化物
を製造し、これに架橋触媒マスターバッチを加えて押出
機に導入し、導体周囲を被覆する。その後被覆導体を温
水中に浸漬するか、あるいは空気中に放置することで、
絶縁材料は架橋され、被覆ケーブルが製造される。
成形後に架橋処理された場合には、導体または導体遮蔽
層上に被覆された絶縁材料層は架橋構造へと変り、耐熱
性やヒートサイクル性が向上する。特にその架橋された
絶縁材料は、次の特性を有していると、電力ケーブル被
覆層として好適である。 (1)引張強さが15MPa以上 (2)引張伸びが400%以上 (3)テーバー摩耗試験法により測定される摩耗量が1
5mg以下
発明はそれら実施例によってなんら限定されるものでは
ない。まず、使用したエチレン・α−オレフィン共重合
体は、次に記す方法によって製造した。
たシリカ6.3kgを100リットルのトルエンで懸濁
状にした後、0℃まで冷却した。その後、メチルアミノ
オキサンのトルエン溶液(Al=0.96モル/リット
ル)41リットルを1時間かけて滴下した。この際、系
内の温度を0℃に保った。引続き0℃で30分間反応さ
せ、次いで1.5時間かけて95℃まで昇温し、その温
度で4時間反応させた。その後60℃まで降温し上澄液
をデカンテーション法により除去した。
ンで2回洗浄した後、トルエン125リットルで再懸濁
化した。この系内へビス(n−ブチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液(Zr=
42.7ミリモル/リットル)15リットルを30℃で
30分間かけて滴下し、更に30℃で2時間反応させ
た。その後、上澄液を除去し、ヘキサンで2回洗浄する
ことにより、1g当り6.2mgのジルコニウムを含有
する固体触媒を得た。
ソブチルアルミニウムを含有する300リットルのヘキ
サンに、上記で得られた固体触媒8.5kgを加え、3
5℃で7時間エチレンの予備重合を行うことにより、固
体触媒1g当り3gのポリエチレンが予備重合された予
備重合触媒を得た。
い、全圧18kg/cm2-G、重合温度80℃でエチレンと1
−ヘキセンとの共重合を行った。先に調製した予備重合
触媒をジルコニウム原子換算で0.15ミリモル/h、
トリイソブチルアルミニウムを10ミリモル/hの割合
で連続的に供給し、重合の間一定のガス組成を維持する
ためにエチレン、1−ヘキセン、水素、窒素を連続的に
供給した(ガス組成;1−ヘキセン/エチレン=0.0
20、水素/エチレン=6.6×10-4、エチレン濃度
=10%)。
体の性状を表1に記載した。なお、この共重合体中のα
−オレフィンの分布状態を示すB値は、1.02であっ
た。実施例2〜3、比較例1では、重合条件を変えて同
様にしてエチレン・α−オレフィン共重合体を製造し、
その性状を表1に記載した。
重合体を100mmφの一軸押出機に供給し、一方クロ
スヘッドダイに16mmφの導体を供給し、吐出量15
0kg/h、樹脂温度235℃の成形条件で連続的に導
体上に被覆操作を行い、厚さ2.5mmの被覆層を形成
させた。得られた被覆電力ケーブルの被覆層の物性を測
定し、その結果を表1に記載した。
た。 (1)破断点強度および破断点伸度:JIS C300
5に準拠して行った。 (2)テーパー摩耗:JIS K7204に準拠し、荷
重1kg、摩耗輪CS−17、60rpm、1000回
の条件で行った。
レン・α−オレフィン共重合体100重量部にシラン化
合物を含む架橋配合剤1.1重量部を混合し、実施例1
と同様の成形条件で導体上に被覆し、その後80℃の温
水に24時間浸漬した。なお、ここで使用した架橋配合
剤は、ビニルメトキシシラン、ジクミルパーオキシド、
およびジブチルスズジラウレートの混合物(配合比;1
00:10:4.1(重量比))であった。得られた電
力ケーブルの被覆層の物性を測定し、その結果を表1に
併せて記載した。なお、ゲル分率は、JIS C300
5に準拠して測定した。
および3で使用したエチレン・α−オレフィン共重合体
それぞれ85重量部に、高圧法低密度ポリエチレン(密
度0.920g/cm3、MFR0.15g/10分)
15重量部を配合した以外は実施例2と同様の操作を行
った。組成物の物性(架橋前)、および得られた電力ケ
ーブルの被覆層の物性を各々測定し、その結果を表1に
併せて記載した。
ン・α−オレフィン共重合体を用いた以外は実施例1と
同様の操作を繰り返し、得られた電力ケーブルの被覆層
の物性を測定し、その結果を表1に併せて記載した。
記載のチタン系触媒(チーグラー系触媒)およびトリエ
チルアルミニウムを用い、エチレン・α−オレフィン共
重合体を実施例1と同様にして製造した。エチレン含量
は3.0モル%で、その他の性状を表1に記載した。こ
の共重合体を用い、実施例1と同様の操作を行って電力
ケーブルを得た。得られた電力ケーブルの被覆層の物性
を測定し、その結果を表1に併せて記載した。
α−オレフィン共重合体85重量部に、高圧法低密度ポ
リエチレン15重量部、および実施例2で使用したと同
じ架橋配合剤1.1重量部を混合した以外は実施例4と
同様の操作を繰り返した。組成物の物性、および得られ
た電力ケーブルの被覆層の物性を測定し、その結果を表
1に併せて記載した。
8)}+0.1 式(3)は、400×d−244 を各々示す。
布が狭いエチレン・α−オレフィン共重合体を含む絶縁
材料を使用したので、エチレン系重合体が本来的に有し
ている優れた電気絶縁性を保持した上に、機械的強度お
よび耐摩耗性に優れた被覆層を形成することができ、ま
た水トリーの発生を抑制することができた。さらに、こ
の架橋された被覆層を有する電力ケーブルは、一層、耐
摩耗性、引張強度に優れており、またその被覆層表面に
は肌荒れがなく、良好な外観を有していた。
Claims (10)
- 【請求項1】導体または導体遮蔽層がエチレンと炭素数
3〜20のα−オレフィンとの共重合体を含む絶縁材料
によって被覆された電力ケーブルであって、そのエチレ
ン・α−オレフィン共重合体が次に示す条件(A)〜
(E) (A)密度(d)が0.880〜0.950(g/cm
3) (B)メルトフローレート(MFR)が0.01〜20
(g/10分) (C)190℃における溶融張力(MT(g))とメル
トフローレート(MFR(g/10分))との関係が MT≦2.2×MFR-0.84 (D)23℃におけるデカン可溶成分量率(W(重量
%))と密度(d)との関係がMFR≦10(g/10
分)のとき: W<80×exp{−100(d−0.88)}+0.
1 MFR>10(g/10分)のとき: W<80×(MFR−9)0.26×exp{−100(d
−0.88)}+0.1 (E)示差走査型熱量計(DSC)により測定した吸熱
曲線の最大ピーク位置の温度(Tm(℃))と密度
(d)との関係が Tm<400×d−244 を満たすことを特徴とする電力ケーブル。 - 【請求項2】前記のエチレン・α−オレフィン共重合体
が、その重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
n)との比(Mw/Mn)が2.0〜8.0であること
を特徴とする請求項1に記載の電力ケーブル。 - 【請求項3】前記のエチレン・α−オレフィン共重合体
が、昇温溶出試験(TREF)において100℃未満で
は溶出しない成分が存在し、かつその量が10重量%以
下であることを特徴とする請求項1または2に記載の電
力ケーブル。 - 【請求項4】前記のエチレン・α−オレフィン共重合体
が、DSCによって測定した吸熱曲線に前記の最大ピー
クとは別にさらに他のピークが少なくとも1個以上有す
ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電
力ケーブル。 - 【請求項5】前記の絶縁材料が、エチレン・α−オレフ
ィン共重合体70〜97重量%および高圧法低密度ポリ
エチレン3〜30重量%とからなる組成物であることを
特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電力ケーブ
ル。 - 【請求項6】前記の絶縁材料が、 (1)請求項1記載のエチレン・α−オレフィン共重合
体10〜90重量%、および (2)エチレンと炭素数3−20のα−オレフィンとの
共重合体10〜90重量%とからなる組成物であって、
そのエチレン・α−オレフィン共重合体(2)が、次に
示す条件(i)〜(v) (i) 密度(d)が0.880〜0.940(g/
cm3) (ii) メルトフローレート(MFR)が3〜60
(g/10分) (iii)190℃における溶融張力(MT(g))と
メルトフローレート(MFR(g/10分))との関係
が MT>2.2×MFR-0.84 (iv) 23℃におけるデカン可溶成分量率(W(重
量%))と密度(d)との関係がMFR≦10(g/1
0分)のとき: W<80×exp{−100(d−0.88)}+0.
1 MFR>10(g/10分)のとき: W<80×(MFR−9)0.26×exp{−100(d
−0.88)}+0.1 (v)示差走査型熱量計(DSC)により測定した吸熱
曲線の最大ピーク位置の温度(Tm(℃))と密度
(d)との関係が Tm<400×d−248 を満たすことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記
載の電力ケーブル。 - 【請求項7】前記の絶縁材料中に架橋剤が配合されてい
ることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電
力ケーブル。 - 【請求項8】前記の架橋剤が、シラン化合物であること
を特徴とする請求項7に記載の電力ケーブル。 - 【請求項9】前記の絶縁材料が、架橋されていることを
特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の電力ケーブ
ル。 - 【請求項10】前記の架橋された絶縁材料の被覆層が、
(1)引張強さが15MPa以上であり、(2)引張伸
びが400%以上であり、(3)テーバー摩耗試験法に
より測定される摩耗量が15mg以下であることを特徴
とする請求項9に記載の電力ケーブル。
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