JP2001006221A - 光記録媒体 - Google Patents
光記録媒体Info
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- JP2001006221A JP2001006221A JP11172132A JP17213299A JP2001006221A JP 2001006221 A JP2001006221 A JP 2001006221A JP 11172132 A JP11172132 A JP 11172132A JP 17213299 A JP17213299 A JP 17213299A JP 2001006221 A JP2001006221 A JP 2001006221A
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- Japan
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- track
- optical recording
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- Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 大きなトラック横断コントラストと歪みのな
いトラック横断信号を有し、耐久性の良い安価で容易に
製造できる光記録媒体を提供する。 【解決手段】 記録再生光を入射する透明基板に凹部か
らなるトラックキングトラック及びプリピットの少なく
とも一方が形成され、該トラックキングトラック及びプ
リピットの断面形状が略台形形状である光記録媒体にお
いて、該トラックキングトラック及びプリピットの少な
くとも一方の底面部が記録トラックに平行に連続した凸
状曲面を含む形状からなり、かつ該トラックキングトラ
ック及びプリピットの少なくとも一方と記録トラックと
の境界領域の断面形状が曲面形状を有する稜線で形成さ
れている光記録媒体。
いトラック横断信号を有し、耐久性の良い安価で容易に
製造できる光記録媒体を提供する。 【解決手段】 記録再生光を入射する透明基板に凹部か
らなるトラックキングトラック及びプリピットの少なく
とも一方が形成され、該トラックキングトラック及びプ
リピットの断面形状が略台形形状である光記録媒体にお
いて、該トラックキングトラック及びプリピットの少な
くとも一方の底面部が記録トラックに平行に連続した凸
状曲面を含む形状からなり、かつ該トラックキングトラ
ック及びプリピットの少なくとも一方と記録トラックと
の境界領域の断面形状が曲面形状を有する稜線で形成さ
れている光記録媒体。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学的に情報の記
録再生を行う光記録媒体に関する。
録再生を行う光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、社会の情報化が進み、多種多様の
情報を効率よく扱う手段として、光ディスク、光カー
ド、光テープ等の光学的に情報の記録または再生を行う
情報記録媒体及び情報記録再生装置が多く提案されてい
る。光記録媒体の特徴としては、記録密度が高く、且つ
非接触で記録再生が可能なために、寿命が長い等の優れ
た点がある。
情報を効率よく扱う手段として、光ディスク、光カー
ド、光テープ等の光学的に情報の記録または再生を行う
情報記録媒体及び情報記録再生装置が多く提案されてい
る。光記録媒体の特徴としては、記録密度が高く、且つ
非接触で記録再生が可能なために、寿命が長い等の優れ
た点がある。
【0003】そして、携帯性に優れ、大きさに比べて大
容量であるカード型光記録媒体(以下、光カードと記述
する)についても最近盛んに研究、開発されており、提
案もされている。
容量であるカード型光記録媒体(以下、光カードと記述
する)についても最近盛んに研究、開発されており、提
案もされている。
【0004】光記録媒体の記録方法には、結晶−非結晶
の相変化に伴う反射率の変化、ピット(穴)の有無の様
な表面形状の変化に伴う反射光強度の変化、磁気光学効
果による偏光面の変化を反射光強度変化に変換して検出
する方法が知られている。
の相変化に伴う反射率の変化、ピット(穴)の有無の様
な表面形状の変化に伴う反射光強度の変化、磁気光学効
果による偏光面の変化を反射光強度変化に変換して検出
する方法が知られている。
【0005】光記録媒体の記録面には、プリフォーマッ
トパターンと呼ばれている、予め凹凸形状でオートトラ
ッキングを行うためのトラッキングトラック及びセクタ
又はトラック番号等のプリフォーマット情報のピット列
(以下、プリピットと記述する)の列が形成されてい
る。
トパターンと呼ばれている、予め凹凸形状でオートトラ
ッキングを行うためのトラッキングトラック及びセクタ
又はトラック番号等のプリフォーマット情報のピット列
(以下、プリピットと記述する)の列が形成されてい
る。
【0006】オートトラッキングは、トラッキングエラ
ー信号を検出しトラッキングサーボ制御を行うことで、
レーザ光スポットが記録トラックの中央を走査すること
を可能にすることであり、トラッキングエラー信号の検
出方法としてはプッシュプル法とトラックウォブリング
法が知られている。トラックウォブリング法に比べてプ
ッシュプル法は光記録媒体のフォーマットが単純で安定
したトラックエラー信号が得られることから一般的に用
いられている。
ー信号を検出しトラッキングサーボ制御を行うことで、
レーザ光スポットが記録トラックの中央を走査すること
を可能にすることであり、トラッキングエラー信号の検
出方法としてはプッシュプル法とトラックウォブリング
法が知られている。トラックウォブリング法に比べてプ
ッシュプル法は光記録媒体のフォーマットが単純で安定
したトラックエラー信号が得られることから一般的に用
いられている。
【0007】高密度記録のための高精度なトラッキング
および外乱(例えば振動、記録面のほこり、ゴミ、傷)
に対し強いトラッキングを行うためには、トラッキング
エラー信号の検出感度が高いことが必要である。そのた
めには図10(a)に示す記録トラック102とトラッ
キングトラック101からなる記録領域面上をオートト
ラッキング用のレーザ光スポット103を記録トラック
102と直角に走査して得られる信号、すなわち図10
(c)に示される信号105(以下、トラック横断信号
と称す)において、トラッキングトラックでの変化率で
あるトラック横断コントラストV2/V1が大きいことが
必要であり、信号にV3で示される歪みがないことが望
まれる。
および外乱(例えば振動、記録面のほこり、ゴミ、傷)
に対し強いトラッキングを行うためには、トラッキング
エラー信号の検出感度が高いことが必要である。そのた
めには図10(a)に示す記録トラック102とトラッ
キングトラック101からなる記録領域面上をオートト
ラッキング用のレーザ光スポット103を記録トラック
102と直角に走査して得られる信号、すなわち図10
(c)に示される信号105(以下、トラック横断信号
と称す)において、トラッキングトラックでの変化率で
あるトラック横断コントラストV2/V1が大きいことが
必要であり、信号にV3で示される歪みがないことが望
まれる。
【0008】上記トラック横断コントラストはトラッキ
ングトラックの断面形状に依存し、コントラストが大き
くなるように形状が工夫されている。従来、トラッキン
グトラックは、特公昭63−19939号公報、特開昭
57−29608号公報に開示されている様に、連続し
た溝で形成され、かつその断面は台形、V宇及びU宇の
形状に形成されたものが知られている。また特公平07
−64141号公報に開示されている様に、連続した溝
の底面が光散乱性の粗面形状からなるものが知られてい
る。また特開平02−78038号公報に開示されてい
る様に、トラッキングトラックの両側側壁頂部のいずれ
もが円弧状をなすように丸められているものが知られで
いる。
ングトラックの断面形状に依存し、コントラストが大き
くなるように形状が工夫されている。従来、トラッキン
グトラックは、特公昭63−19939号公報、特開昭
57−29608号公報に開示されている様に、連続し
た溝で形成され、かつその断面は台形、V宇及びU宇の
形状に形成されたものが知られている。また特公平07
−64141号公報に開示されている様に、連続した溝
の底面が光散乱性の粗面形状からなるものが知られてい
る。また特開平02−78038号公報に開示されてい
る様に、トラッキングトラックの両側側壁頂部のいずれ
もが円弧状をなすように丸められているものが知られで
いる。
【0009】ピット情報を光学的に再生する方法とし
て、ピットの有無で2値化信号を得るマーク間記録再生
方法と、ピットの両側のエッジを検出しピットの長さを
2値化信号にするマーク長記録再生とが知られている。
光記録媒体の特徴である高記録密度を実施するために
は、ピットの有無だけのマーク間記録再生方法より、ピ
ットの長さを情報ピットに対応させるマーク長記録再生
方法の方が高密度化に適している。
て、ピットの有無で2値化信号を得るマーク間記録再生
方法と、ピットの両側のエッジを検出しピットの長さを
2値化信号にするマーク長記録再生とが知られている。
光記録媒体の特徴である高記録密度を実施するために
は、ピットの有無だけのマーク間記録再生方法より、ピ
ットの長さを情報ピットに対応させるマーク長記録再生
方法の方が高密度化に適している。
【0010】図9は、従来の光記録媒体におけるレーザ
光スポットとプリピットとの関係を示す説明図である。
図9(a)には、プリピット201の上を記録再生用の
レーザ光スポット202が走査されている図を示す。そ
のときの光記録媒体のプリピットの再生信号(以下、プ
リピット信号と称す。)は、図9(b)に示される波形
203であり、信頼性のある信号を得るためには、プリ
ピットによる信号波形の変化率であるプリピット信号コ
ントラストV22/V21が大きいことが必要であり、S/
Nの大きい信号を得るためには、信号波形にV23に示さ
れる波形の電圧変動がないことが要求されている。
光スポットとプリピットとの関係を示す説明図である。
図9(a)には、プリピット201の上を記録再生用の
レーザ光スポット202が走査されている図を示す。そ
のときの光記録媒体のプリピットの再生信号(以下、プ
リピット信号と称す。)は、図9(b)に示される波形
203であり、信頼性のある信号を得るためには、プリ
ピットによる信号波形の変化率であるプリピット信号コ
ントラストV22/V21が大きいことが必要であり、S/
Nの大きい信号を得るためには、信号波形にV23に示さ
れる波形の電圧変動がないことが要求されている。
【0011】上記プリピット信号コントラストは、プリ
ピットの断面形状に依存し、プリピット信号コントラス
トが大きくなるように形状が工夫されている。
ピットの断面形状に依存し、プリピット信号コントラス
トが大きくなるように形状が工夫されている。
【0012】従来のプリピットの断面形状として、特開
昭54−29608号公報、特公平2−257444号
公報、特開平5−67355号公報に開示されている様
に、台形、開口部が緩やかな開口部を有している台形、
V字、及びU字の形状に形成されたもの、また特開昭5
3−143203号公報に開示されている様に、連続し
た溝の底面が光散乱性の粗面形状からなるものが知られ
ている。
昭54−29608号公報、特公平2−257444号
公報、特開平5−67355号公報に開示されている様
に、台形、開口部が緩やかな開口部を有している台形、
V字、及びU字の形状に形成されたもの、また特開昭5
3−143203号公報に開示されている様に、連続し
た溝の底面が光散乱性の粗面形状からなるものが知られ
ている。
【0013】上記断面が台形、V字及びU字の形状に形
成されたトラッキングトラック及び/またはプリピット
が形成された光記録媒体の製造方法は、フォトリソグラ
フィー(以下、フォトリソと称する。)の技術を用いて
形成される。まずガラス基板にフォトレジスト膜を均一
に形成し、露光装置またはレーザー描画装置でフォトレ
ジスト上にトラッキングトラック及び/またはプリピッ
トのパターンを露光し、現像により非露光部または露光
部のレジストを除去し溝形状に形成したトラッキングト
ラック及び/またはプリピットが形成された原盤を作製
する。次に、原盤の上に導電化膜と電鋳膜を形成した
後、電鋳膜と導電化膜を剥離してスタンパーを得る。こ
のスタンパーを使用してインジェクション成形、2P成
形、注型成形、押し出し成形等の樹脂成形方法で上記プ
リピットのパターンを転写することによりトラッキング
トラック及び/またはプリピットが形成された透明基板
が得られる。
成されたトラッキングトラック及び/またはプリピット
が形成された光記録媒体の製造方法は、フォトリソグラ
フィー(以下、フォトリソと称する。)の技術を用いて
形成される。まずガラス基板にフォトレジスト膜を均一
に形成し、露光装置またはレーザー描画装置でフォトレ
ジスト上にトラッキングトラック及び/またはプリピッ
トのパターンを露光し、現像により非露光部または露光
部のレジストを除去し溝形状に形成したトラッキングト
ラック及び/またはプリピットが形成された原盤を作製
する。次に、原盤の上に導電化膜と電鋳膜を形成した
後、電鋳膜と導電化膜を剥離してスタンパーを得る。こ
のスタンパーを使用してインジェクション成形、2P成
形、注型成形、押し出し成形等の樹脂成形方法で上記プ
リピットのパターンを転写することによりトラッキング
トラック及び/またはプリピットが形成された透明基板
が得られる。
【0014】このようにして溝状に形成されたトラッキ
ングトラック及び/またはプリピットを有する透明基板
に光記録層を形成し、必要に応じ接着層を介して保護層
を形成し光記録媒体とする。
ングトラック及び/またはプリピットを有する透明基板
に光記録層を形成し、必要に応じ接着層を介して保護層
を形成し光記録媒体とする。
【0015】また粗面形状の場合にも上記と同様、フォ
トリソ技術によって作製されるがフォトレジストの露光
時にまず粗面化ガラスを用いて粗面化露光を行った後、
またはホログラフィーを利用して回折格子状の粗面を形
成した後、通常のパターニング露光を行う方法で原盤が
作製される。
トリソ技術によって作製されるがフォトレジストの露光
時にまず粗面化ガラスを用いて粗面化露光を行った後、
またはホログラフィーを利用して回折格子状の粗面を形
成した後、通常のパターニング露光を行う方法で原盤が
作製される。
【0016】またトラッキングトラックの両側側壁頂部
のいずれもが円弧状をなすように丸めらたトラッキング
トラックは、原盤露光工程でレーザービームを微小量デ
フォーカスすることでビーム強度部分布の裾の部分の光
量を多くすることで得る方法、または露光現像工程の後
にポストベーク工程を挿入しレジスト樹脂軟化点前後の
高温を加える方法により作製できることが知られてい
る。
のいずれもが円弧状をなすように丸めらたトラッキング
トラックは、原盤露光工程でレーザービームを微小量デ
フォーカスすることでビーム強度部分布の裾の部分の光
量を多くすることで得る方法、または露光現像工程の後
にポストベーク工程を挿入しレジスト樹脂軟化点前後の
高温を加える方法により作製できることが知られてい
る。
【0017】またプリピットの開口部が緩やかな開口部
を有している台形状のプリピットは、原盤露光工程でレ
ーザービームのスポット径を拡大させるビーム強度部分
布の裾の部分の光量を多くすることで得る方法により作
製できることが知られている。
を有している台形状のプリピットは、原盤露光工程でレ
ーザービームのスポット径を拡大させるビーム強度部分
布の裾の部分の光量を多くすることで得る方法により作
製できることが知られている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】従来の断面がV字形状
のトラッキングトラック及び/またはプリピットは、深
さが50〜500nmでその斜面と記録面とのなす角度
は20度から70度の間の1つの値を有する。U字形状
のトラッキングトラック及び/またはプリピットは、深
さが上記と同程度でガウス形または正弦形の形状を有す
る。
のトラッキングトラック及び/またはプリピットは、深
さが50〜500nmでその斜面と記録面とのなす角度
は20度から70度の間の1つの値を有する。U字形状
のトラッキングトラック及び/またはプリピットは、深
さが上記と同程度でガウス形または正弦形の形状を有す
る。
【0019】原盤へのV字、U字状のトラッキングトラ
ック及び/またはプリピットの作製は、トラッキングト
ラック及び/またはプリピットの深さより厚めにフォト
レジストを成膜し、レーザ描画装置のレーザ光の光量と
光量分布を制御することにより、フォトレジストの厚み
より浅くV字、U字状のトラッキングトラック及び/ま
たはプリピットを形成する方法で行っている。
ック及び/またはプリピットの作製は、トラッキングト
ラック及び/またはプリピットの深さより厚めにフォト
レジストを成膜し、レーザ描画装置のレーザ光の光量と
光量分布を制御することにより、フォトレジストの厚み
より浅くV字、U字状のトラッキングトラック及び/ま
たはプリピットを形成する方法で行っている。
【0020】安定したトラック横断信号を得るために
は、上記の深さの許容値は±10nm程度、角度の許容
値は±5度程度であるが、深さと角度または形状の2種
の形状因子をレーザ描画工程で精度良く作製することは
非常に難しく、レーザ光の光量と光量分布が場所により
微小に変動しても深さ、角度の許容値を満足できなくな
り従来歩留まりが非常に悪かった。
は、上記の深さの許容値は±10nm程度、角度の許容
値は±5度程度であるが、深さと角度または形状の2種
の形状因子をレーザ描画工程で精度良く作製することは
非常に難しく、レーザ光の光量と光量分布が場所により
微小に変動しても深さ、角度の許容値を満足できなくな
り従来歩留まりが非常に悪かった。
【0021】同様に、底面が光散乱性の粗面形状からな
るトラッキングトラック及び/またはプリピットの形成
も、粗面のピッチと深さを粗面化露光工程で同時に形成
しなければならないため、粗面化露光を行う際の光量分
布により許容値を満足することが困難であつた。
るトラッキングトラック及び/またはプリピットの形成
も、粗面のピッチと深さを粗面化露光工程で同時に形成
しなければならないため、粗面化露光を行う際の光量分
布により許容値を満足することが困難であつた。
【0022】しかし、断面が台形形状のトラッキングト
ラック及び/またはプリピットの場合には、原盤のトラ
ッキングトラック及び/またはプリピットの深さはフォ
トレジストの膜厚で定めることができ、レーザ描画工程
では角度を制御するだけでよいため、1工程で1つの形
状因子を制御することによりトラッキングトラック及び
/またはプリピットの作製ができるために比較的容易に
トラッキングトラック及び/またはプリピットの形状の
許容値を満足して作製できる。
ラック及び/またはプリピットの場合には、原盤のトラ
ッキングトラック及び/またはプリピットの深さはフォ
トレジストの膜厚で定めることができ、レーザ描画工程
では角度を制御するだけでよいため、1工程で1つの形
状因子を制御することによりトラッキングトラック及び
/またはプリピットの作製ができるために比較的容易に
トラッキングトラック及び/またはプリピットの形状の
許容値を満足して作製できる。
【0023】しかし、断面が台形形状のプリピットの場
合、プリピット底部に平面が存在するためにレーザ光の
反射が生じ、PF信号コントラストが小さく、図9
(b)に示されるプリピット信号にV23の歪みが発生す
る問題があった。
合、プリピット底部に平面が存在するためにレーザ光の
反射が生じ、PF信号コントラストが小さく、図9
(b)に示されるプリピット信号にV23の歪みが発生す
る問題があった。
【0024】さらに、プリピットと記録トラックとの境
界は平面で繋がれた稜線で形成されているため、プリピ
ットと記録トラックの境界における光記録膜の膜厚は上
記稜線近傍で非常に薄くなる現象が発生し、上記稜線部
分の光記録層は光の耐久性及び熱の耐久性が非常に悪い
という問題があった。特に塗布型の光記録材料で記録層
を形成した場合、塗布された光記録材料溶液がプリピッ
トに流れ込むことによりプリピットと記録トラックとの
境界部分での記録層の薄層化が著しくなり光の耐久性及
び熱の耐久性がさらに悪化するという問題となってい
た。
界は平面で繋がれた稜線で形成されているため、プリピ
ットと記録トラックの境界における光記録膜の膜厚は上
記稜線近傍で非常に薄くなる現象が発生し、上記稜線部
分の光記録層は光の耐久性及び熱の耐久性が非常に悪い
という問題があった。特に塗布型の光記録材料で記録層
を形成した場合、塗布された光記録材料溶液がプリピッ
トに流れ込むことによりプリピットと記録トラックとの
境界部分での記録層の薄層化が著しくなり光の耐久性及
び熱の耐久性がさらに悪化するという問題となってい
た。
【0025】他方、断面が台形形状のトラッキングトラ
ックの場合、台形形状のトラック横断信号105は、図
10(a)のCC′断面の拡大図である図10(b)に
示すトラッキングトラックの断面形状の底面104から
の正反射による戻り光のため、断面形状が台形の場合に
は、トラッキングトラック中央部での反射が発生するた
め、トラック横断コントラストが小さく、トラック横断
信号の歪みが発生するという問題があった。
ックの場合、台形形状のトラック横断信号105は、図
10(a)のCC′断面の拡大図である図10(b)に
示すトラッキングトラックの断面形状の底面104から
の正反射による戻り光のため、断面形状が台形の場合に
は、トラッキングトラック中央部での反射が発生するた
め、トラック横断コントラストが小さく、トラック横断
信号の歪みが発生するという問題があった。
【0026】さらにトラッキングトラックと記録トラッ
クとの境界は平面で繋がれた稜線106で形成されてい
るため、トラッキングトラックと記録トラックの境界に
おける光記録膜の膜厚は上記稜線106近傍で非常に薄
くなる現象が発生し、上記稜線部分の光記録層は光の耐
久性及び熱の耐久性が非常に悪いという問題があった。
特に塗布型の光記録材料で記録層を形成した場合、塗布
された光記録材料溶液がトラッキングトラックに流れ込
むことによりトラッキングトラックと記録トラックとの
境界部分での記録層の薄層化が著しくなり問題となって
いた。
クとの境界は平面で繋がれた稜線106で形成されてい
るため、トラッキングトラックと記録トラックの境界に
おける光記録膜の膜厚は上記稜線106近傍で非常に薄
くなる現象が発生し、上記稜線部分の光記録層は光の耐
久性及び熱の耐久性が非常に悪いという問題があった。
特に塗布型の光記録材料で記録層を形成した場合、塗布
された光記録材料溶液がトラッキングトラックに流れ込
むことによりトラッキングトラックと記録トラックとの
境界部分での記録層の薄層化が著しくなり問題となって
いた。
【0027】本発明は、この様な従来技術の問題点を解
決するためになされたものであり、大きなプリピット信
号コントラストと歪みのないプリピット信号波形を有
し、かつ安価で容易に製造することができる光記録媒体
を提供することを目的とするものである。
決するためになされたものであり、大きなプリピット信
号コントラストと歪みのないプリピット信号波形を有
し、かつ安価で容易に製造することができる光記録媒体
を提供することを目的とするものである。
【0028】また、本発明は、大きなトラック横断コン
トラストと歪みのないトラック横断信号を有し、耐久性
の良い、かつ安価で容易に製造することができる光記録
媒体を提供することを目的とするものである。
トラストと歪みのないトラック横断信号を有し、耐久性
の良い、かつ安価で容易に製造することができる光記録
媒体を提供することを目的とするものである。
【0029】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、記録再
生光を入射する透明基板に凹部からなるトラックキング
トラック及びプリピットの少なくとも一方が形成され、
該トラックキングトラック及びプリピットの断面形状が
略台形形状である光記録媒体において、該トラックキン
グトラック及びプリピットの少なくとも一方の底面部が
記録トラックに平行に連続した凸状曲面を含む形状から
なり、かつ該トラックキングトラック及びプリピットの
少なくとも一方と記録トラックとの境界領域の断面形状
が曲面形状を有する稜線で形成されていることを特徴と
する光記録媒体である。
生光を入射する透明基板に凹部からなるトラックキング
トラック及びプリピットの少なくとも一方が形成され、
該トラックキングトラック及びプリピットの断面形状が
略台形形状である光記録媒体において、該トラックキン
グトラック及びプリピットの少なくとも一方の底面部が
記録トラックに平行に連続した凸状曲面を含む形状から
なり、かつ該トラックキングトラック及びプリピットの
少なくとも一方と記録トラックとの境界領域の断面形状
が曲面形状を有する稜線で形成されていることを特徴と
する光記録媒体である。
【0030】該トラックキングトラック及びプリピット
の少なくとも一方の底面部の凸状曲面の凸部の高さが1
0nm以上で形成さているのが好ましい。塗布型の光記
録層を有することが好ましい。
の少なくとも一方の底面部の凸状曲面の凸部の高さが1
0nm以上で形成さているのが好ましい。塗布型の光記
録層を有することが好ましい。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明の光記録媒体は、記録再生
光を入射する透明基板に凹部からなるトラックキングト
ラック及びプリピットの少なくとも一方が形成され、該
トラックキングトラック及びプリピットの断面形状が略
台形形状である光記録媒体において、該トラックキング
トラック及びプリピットの少なくとも一方の底面部が記
録トラックに平行に連続した凸状曲面を含む形状からな
り、かつ該トラックキングトラック及びプリピットの少
なくとも一方(トラックキングトラック及び/又はプリ
ピットとも記す)と記録トラックとの境界領域の断面形
状が曲面形状を有する稜線で形成されていることを特徴
とする。
光を入射する透明基板に凹部からなるトラックキングト
ラック及びプリピットの少なくとも一方が形成され、該
トラックキングトラック及びプリピットの断面形状が略
台形形状である光記録媒体において、該トラックキング
トラック及びプリピットの少なくとも一方の底面部が記
録トラックに平行に連続した凸状曲面を含む形状からな
り、かつ該トラックキングトラック及びプリピットの少
なくとも一方(トラックキングトラック及び/又はプリ
ピットとも記す)と記録トラックとの境界領域の断面形
状が曲面形状を有する稜線で形成されていることを特徴
とする。
【0032】なお、本発明においては、トラックキング
トラック及びプリピットの少なくとも一方のことを、ト
ラックキングトラック及び/又はプリピットとも記す
が、両者は同じことを意味する。
トラック及びプリピットの少なくとも一方のことを、ト
ラックキングトラック及び/又はプリピットとも記す
が、両者は同じことを意味する。
【0033】以下に、本発明の光記録媒体を図面を参照
して説明する。先ず、本発明の記録再生光を入射する透
明基板に凹部からなるプリピットが形成され、該プリピ
ットの断面形状が略台形形状である光記録媒体について
説明する。
して説明する。先ず、本発明の記録再生光を入射する透
明基板に凹部からなるプリピットが形成され、該プリピ
ットの断面形状が略台形形状である光記録媒体について
説明する。
【0034】図1は本発明の光記録媒体の一実施形態を
示す説明図である。図1(a)は光カードの例を示す。
同図1(a)は平面図を示し、光記録媒体1には、光学
的情報記録領域2が形成され、該記録領域2には記録ト
ラック4、トラッキングトラック3及びプリピット5が
形成されている。図1(b)は記録領域2の部分拡大
図、図1(c)は図1(b)のA−A′断面図であり、
プリピット5の底面部8に記録トラック4に平行に連続
した凸状曲面を含む凸部6が形成され、かつプリピット
5と記録トラック4との境界領域が曲面形状を有した稜
線7で形成されている。
示す説明図である。図1(a)は光カードの例を示す。
同図1(a)は平面図を示し、光記録媒体1には、光学
的情報記録領域2が形成され、該記録領域2には記録ト
ラック4、トラッキングトラック3及びプリピット5が
形成されている。図1(b)は記録領域2の部分拡大
図、図1(c)は図1(b)のA−A′断面図であり、
プリピット5の底面部8に記録トラック4に平行に連続
した凸状曲面を含む凸部6が形成され、かつプリピット
5と記録トラック4との境界領域が曲面形状を有した稜
線7で形成されている。
【0035】プリピット5の断面の寸法は、図1(c)
に示す様に、断面形状が略台形の凹部(溝)の開口部の
幅W1 が0.4〜3.0μm(好ましくは0.6〜2.
6μm)、底面部8の幅W2 が0.2〜2.0μm(好
ましくは0.4〜1.6μm)、底面部8の凸部6の幅
W3 がW2 /2≦W3 ≦W2 、凸部6の高さH2 が10
nm以上(好ましくは30〜100nm)、溝の深さH
1 が50〜500nm(好ましくは80〜350n
m)、溝の斜面と底面部8とのなす角度θ1 は20〜7
0度(好ましくは20〜40度)の間の1つの値を有す
るのが好ましい。
に示す様に、断面形状が略台形の凹部(溝)の開口部の
幅W1 が0.4〜3.0μm(好ましくは0.6〜2.
6μm)、底面部8の幅W2 が0.2〜2.0μm(好
ましくは0.4〜1.6μm)、底面部8の凸部6の幅
W3 がW2 /2≦W3 ≦W2 、凸部6の高さH2 が10
nm以上(好ましくは30〜100nm)、溝の深さH
1 が50〜500nm(好ましくは80〜350n
m)、溝の斜面と底面部8とのなす角度θ1 は20〜7
0度(好ましくは20〜40度)の間の1つの値を有す
るのが好ましい。
【0036】また上記凸部6の断面は、回折光による大
きな乱反射効果が得られる曲面形状であれば限定されず
凸形状であればよく、例えば凸部の上側は図2(a)〜
(c)に示した形状を成していても良い。
きな乱反射効果が得られる曲面形状であれば限定されず
凸形状であればよく、例えば凸部の上側は図2(a)〜
(c)に示した形状を成していても良い。
【0037】次に、本発明の記録再生光を入射する透明
基板に凹部からなるトラックキングトラックが形成さ
れ、該トラックキングトラックの断面形状が略台形形状
である光記録媒体について説明する。
基板に凹部からなるトラックキングトラックが形成さ
れ、該トラックキングトラックの断面形状が略台形形状
である光記録媒体について説明する。
【0038】図3は本発明の光記録媒体の他の実施形態
を示す説明図である。図3(a)は光カードの例を示
す。同図3(a)は平面図を示し、光記録媒体1には、
光学的情報記録領域2が形成され、該記録領域2には記
録トラック4、トラッキングトラック3が含まれてい
る。図3(b)は記録領域2の部分拡大図、図3(c)
は図3(b)のB−B′断面図であり、トラッキングト
ラック3の底面部18に記録トラック4に平行に連続し
た凸状曲面を含む凸部16が形成され、かつトラッキン
グトラック3と記録トラック4との境界領域が曲面形状
を有した稜線17で形成されている。
を示す説明図である。図3(a)は光カードの例を示
す。同図3(a)は平面図を示し、光記録媒体1には、
光学的情報記録領域2が形成され、該記録領域2には記
録トラック4、トラッキングトラック3が含まれてい
る。図3(b)は記録領域2の部分拡大図、図3(c)
は図3(b)のB−B′断面図であり、トラッキングト
ラック3の底面部18に記録トラック4に平行に連続し
た凸状曲面を含む凸部16が形成され、かつトラッキン
グトラック3と記録トラック4との境界領域が曲面形状
を有した稜線17で形成されている。
【0039】トラッキングトラック3の断面の寸法は、
図3(c)に示す様に、断面形状が略台形の凹部(溝)
の開口部の幅W21が0.4〜3.0μm(好ましくは
0.6〜2.6μm)、底面部18の幅W22が0.2〜
2.0μm(好ましくは0.4〜1.6μm)、底面部
18の凸部16の幅W23がW22/2≦W23≦W22、凸部
16の高さH22が10nm以上(好ましくは30〜10
0nm)、溝の深さH2 1が50〜500nm(好ましく
は80〜350nm)、溝の斜面と底面部18とのなす
角度θ2 は20〜70度(好ましくは20〜40度)の
間の1つの値を有するのが好ましい。
図3(c)に示す様に、断面形状が略台形の凹部(溝)
の開口部の幅W21が0.4〜3.0μm(好ましくは
0.6〜2.6μm)、底面部18の幅W22が0.2〜
2.0μm(好ましくは0.4〜1.6μm)、底面部
18の凸部16の幅W23がW22/2≦W23≦W22、凸部
16の高さH22が10nm以上(好ましくは30〜10
0nm)、溝の深さH2 1が50〜500nm(好ましく
は80〜350nm)、溝の斜面と底面部18とのなす
角度θ2 は20〜70度(好ましくは20〜40度)の
間の1つの値を有するのが好ましい。
【0040】また上記凸部16の断面は、回折光による
大きな乱反射効果が得られる曲面形状であれば限定され
ず凸形状であればよく、例えば凸部の上側は図4(a)
〜(c)に示した形状を成していても良い。
大きな乱反射効果が得られる曲面形状であれば限定され
ず凸形状であればよく、例えば凸部の上側は図4(a)
〜(c)に示した形状を成していても良い。
【0041】上記のようにトラッキングトラック3の底
面部18に凸部16が形成されていることにより、凸部
での正反射光が少なくなり従来の台形形状のトラッキン
グトラックに比べ大きなトラック横断コントラストが得
ることができる。
面部18に凸部16が形成されていることにより、凸部
での正反射光が少なくなり従来の台形形状のトラッキン
グトラックに比べ大きなトラック横断コントラストが得
ることができる。
【0042】またトラッキングトラックと記録トラック
との境界領域が曲面形状を有した稜線で形成されている
ために、その境界領域での記録層の薄層化がなくなり長
期使用しても記録層の劣化やクラックの発生が妨げられ
耐久性の良い光記録媒体が得られる。
との境界領域が曲面形状を有した稜線で形成されている
ために、その境界領域での記録層の薄層化がなくなり長
期使用しても記録層の劣化やクラックの発生が妨げられ
耐久性の良い光記録媒体が得られる。
【0043】特に上記効果は光記録層が塗布型の光記録
層である場合には塗布乾燥時の光記録材のトラッキング
トラックである溝への流れ込みが起こっても上記境界領
域での薄層化を防止する効果が顕著であるため、本発明
を用いれば製造コストの安価な塗布型光記録材料を耐久
性良く作製することができる。
層である場合には塗布乾燥時の光記録材のトラッキング
トラックである溝への流れ込みが起こっても上記境界領
域での薄層化を防止する効果が顕著であるため、本発明
を用いれば製造コストの安価な塗布型光記録材料を耐久
性良く作製することができる。
【0044】本発明の光記録媒体は、グルーブの断面形
状が異なる以外、従来装置を使用した方法で作製するこ
とが可能である。本発明の光記録媒体を作製する方法を
以下に述べる。まず、ガラス基板にフォトレジスト膜を
トラックキングトラック及び/又はプリピットの深さと
同等の厚みに均一に形成する。次にフォトマスクを介し
て露光装置で露光を行う、次に現像し、ポストベークし
ガラス原盤を得ることができる。
状が異なる以外、従来装置を使用した方法で作製するこ
とが可能である。本発明の光記録媒体を作製する方法を
以下に述べる。まず、ガラス基板にフォトレジスト膜を
トラックキングトラック及び/又はプリピットの深さと
同等の厚みに均一に形成する。次にフォトマスクを介し
て露光装置で露光を行う、次に現像し、ポストベークし
ガラス原盤を得ることができる。
【0045】トラックキングトラック及び/又はプリピ
ットと記録トラックの境界面の曲面を作製する方法は、
露光時のガラス基板とフォトマスクのギャップを通常よ
り大きくする方法、現像時間または現像液濃度を大きく
する方法、ボストベークする温度または時間を大きくす
る方法で作製できる。
ットと記録トラックの境界面の曲面を作製する方法は、
露光時のガラス基板とフォトマスクのギャップを通常よ
り大きくする方法、現像時間または現像液濃度を大きく
する方法、ボストベークする温度または時間を大きくす
る方法で作製できる。
【0046】またトラックキングトラック及び/又はプ
リピットの底面部に記録トラックに平行に連続した凸状
曲面を含む形状(以下、凸部と称す)は、原盤製造の露
光工程において台形を形成する場合に比べ露光量を少な
くする方法または露光用のフォトマスクのトラックキン
グトラック及び/又はプリピット開口部を露光時に干渉
が生じる形状で形成する方法によって形成できる。凸部
の露光量の適正値は、フォトレジストの感度曲線と使用
した露光光源の分光スペクトルにより異なる。
リピットの底面部に記録トラックに平行に連続した凸状
曲面を含む形状(以下、凸部と称す)は、原盤製造の露
光工程において台形を形成する場合に比べ露光量を少な
くする方法または露光用のフォトマスクのトラックキン
グトラック及び/又はプリピット開口部を露光時に干渉
が生じる形状で形成する方法によって形成できる。凸部
の露光量の適正値は、フォトレジストの感度曲線と使用
した露光光源の分光スペクトルにより異なる。
【0047】また、同一の光量で露光を行っても、フォ
トマスクのトラックキングトラック及び/又はプリピッ
ト部の開口幅を変えることで図2(a)〜(c)又は図
4(a)〜(c)に示すように幅W1又はW21はW11、
W12、W13又はW211 、W212、W213 と変わり、凸部
6又は凸部16の形状も6−1、6−2、6−3又は1
6−1、16−2、16−3と凸部が1個から複数個に
変化するが、これらの形状はどれでも回折光を生ずるこ
とが可能であるため使用可能である。
トマスクのトラックキングトラック及び/又はプリピッ
ト部の開口幅を変えることで図2(a)〜(c)又は図
4(a)〜(c)に示すように幅W1又はW21はW11、
W12、W13又はW211 、W212、W213 と変わり、凸部
6又は凸部16の形状も6−1、6−2、6−3又は1
6−1、16−2、16−3と凸部が1個から複数個に
変化するが、これらの形状はどれでも回折光を生ずるこ
とが可能であるため使用可能である。
【0048】次に導電化膜、電鋳膜を形成後、電鋳膜を
剥離してスタンパーとする。このスタンパーのパターン
をインジェクション成形、2P成形、注型成形、押し出
し成形等の樹脂成形で光記録媒体のレーザ光照射側の透
明基板に転写することでグルーブが形成された光記録媒
体用透明基板が得られる。また本発明の光記録媒体の各
構成材料として、従来知られている光記録媒体用の材料
を使用することができる。
剥離してスタンパーとする。このスタンパーのパターン
をインジェクション成形、2P成形、注型成形、押し出
し成形等の樹脂成形で光記録媒体のレーザ光照射側の透
明基板に転写することでグルーブが形成された光記録媒
体用透明基板が得られる。また本発明の光記録媒体の各
構成材料として、従来知られている光記録媒体用の材料
を使用することができる。
【0049】本発明においては、プリピットの底面部
が、このような凸状を含む形状からなることにより、凸
部での正反射光成分が少なく回折光成分が多くなるため
プリピット信号コントラストが非常に大きくなり、プリ
ピット信号波形に歪みが生じることもない。
が、このような凸状を含む形状からなることにより、凸
部での正反射光成分が少なく回折光成分が多くなるため
プリピット信号コントラストが非常に大きくなり、プリ
ピット信号波形に歪みが生じることもない。
【0050】また、本発明においては、トラッキングト
ラックの底面部が、このような凸部を含む形状からなる
ことにより、トラッキングトラックのエッジ部分に凸部
の回折効果が加わりトラック信号コントラストが非常に
大きくなり、V字またはU字の断面形状からなるトラッ
キングトラックの斜面からの回折効果、及び粗面形状で
の光散乱効果と同等に大きなトラック信号コントラスト
を得ることができ、また台形状のトラッキングトラック
の底面部からの反射がないためにトラック横断信号に歪
みが生じることもない。
ラックの底面部が、このような凸部を含む形状からなる
ことにより、トラッキングトラックのエッジ部分に凸部
の回折効果が加わりトラック信号コントラストが非常に
大きくなり、V字またはU字の断面形状からなるトラッ
キングトラックの斜面からの回折効果、及び粗面形状で
の光散乱効果と同等に大きなトラック信号コントラスト
を得ることができ、また台形状のトラッキングトラック
の底面部からの反射がないためにトラック横断信号に歪
みが生じることもない。
【0051】またトラックキングトラック及び/又はプ
リピットと記録トラックとの境界領域が曲面形状を有し
た稜線で形成されているために、その境界領域での記録
層の薄層化がなくなり長期使用しても記録層の劣化やク
ラックの発生が妨げられ耐久性の良い光記録媒体が得ら
れる。
リピットと記録トラックとの境界領域が曲面形状を有し
た稜線で形成されているために、その境界領域での記録
層の薄層化がなくなり長期使用しても記録層の劣化やク
ラックの発生が妨げられ耐久性の良い光記録媒体が得ら
れる。
【0052】特に上記効果は光記録層が塗布型の光記録
層である場合には塗布乾操時の光記録材のプリピットで
ある溝への流れ込みが起こっても上記境界領域での薄層
化を防止する効果が顕著であるため、本発明を用いれば
製造コストの安価な塗布型光記録材料を耐久性良く作製
することができる。
層である場合には塗布乾操時の光記録材のプリピットで
ある溝への流れ込みが起こっても上記境界領域での薄層
化を防止する効果が顕著であるため、本発明を用いれば
製造コストの安価な塗布型光記録材料を耐久性良く作製
することができる。
【0053】また光記録媒体用基板を作製する際のスタ
ンパーからの透明基板の剥離性を良好にすることができ
る。また、トラックキングトラック及び/又はプリピッ
トの深さはフォトレジストの膜厚でコントロールできる
ため、台形形状と同等な容易な製法でトラックキングト
ラック及び/又はプリピットを形成することができる。
ンパーからの透明基板の剥離性を良好にすることができ
る。また、トラックキングトラック及び/又はプリピッ
トの深さはフォトレジストの膜厚でコントロールできる
ため、台形形状と同等な容易な製法でトラックキングト
ラック及び/又はプリピットを形成することができる。
【0054】
【実施例】以下、実施例を示し本発明をさらに具体的に
説明する。
説明する。
【0055】実施例1 以下のようにして、図1に示す光カードを作製した。
【0056】まず、6インチ角で厚さ1.lmmのガラ
ス基板にフォトレジスト膜(THMR−iP3100;
東京応化工業株式会社製)を4000Åの厚みに均一に
形成し、ホットプレート上で90℃、90秒のプリベー
クを行った。次に、フォトマスクを介して露光装置(オ
ーク製作所製;水銀・キセノンショートアークランプA
HXD使用)、光量4mJで、フォトレジストのパター
ニング露光を行った。フォトマスクはプリフォーマット
パターン寸法が、幅2.3μmの光透過部からなるプリ
ピット、幅9.7μmのクロム酸化物からなる光不透過
部からなる記録トラックがパターニングされている。こ
のマスクを用いて露光することでプリピット部分のみフ
ォトレジストが感光され潜像が形成された。
ス基板にフォトレジスト膜(THMR−iP3100;
東京応化工業株式会社製)を4000Åの厚みに均一に
形成し、ホットプレート上で90℃、90秒のプリベー
クを行った。次に、フォトマスクを介して露光装置(オ
ーク製作所製;水銀・キセノンショートアークランプA
HXD使用)、光量4mJで、フォトレジストのパター
ニング露光を行った。フォトマスクはプリフォーマット
パターン寸法が、幅2.3μmの光透過部からなるプリ
ピット、幅9.7μmのクロム酸化物からなる光不透過
部からなる記録トラックがパターニングされている。こ
のマスクを用いて露光することでプリピット部分のみフ
ォトレジストが感光され潜像が形成された。
【0057】その後、現像液(商品名:NMD−3;東
京応化工業株式会社製)で30秒のパドル現像すること
により上記潜像部分が除去され図1(c)の円弧状の凸
部を含むプリピットのパターンが得られた。さらに、ポ
ストベークとしてクリーンオーブンで140℃、20分
間加熱する工程を加え、プリピットと記録トラックの境
界部を曲面にすることができ、これを原盤とした。
京応化工業株式会社製)で30秒のパドル現像すること
により上記潜像部分が除去され図1(c)の円弧状の凸
部を含むプリピットのパターンが得られた。さらに、ポ
ストベークとしてクリーンオーブンで140℃、20分
間加熱する工程を加え、プリピットと記録トラックの境
界部を曲面にすることができ、これを原盤とした。
【0058】さらに同様な作製条件で、露光量のみ2m
J、3mJ、5mJ、7.5mJ、10mJと変更し原
盤を作製した。
J、3mJ、5mJ、7.5mJ、10mJと変更し原
盤を作製した。
【0059】露光量と図1(c)の凸部の形状(高さH
2と幅W3 )との関係を調べた結果を図5に示す。図5
(a)には露光量と凸部の高さH2の関係、図5(b)
には露光量と凸部の幅W3の関係を示す。露光量2mJ
では露光量が不足し基板面までフォトレジストが除去で
きず、10mJでは露光量が過多のため凸部が形成され
なかった。そのため本実施例のレジストの場合には、レ
ジスト厚の底まで露光するための露光量と凸部を形成す
るための露光量は3〜10mJの範囲であることが必要
である。好ましくは、凸部の高さが10nm以上である
ためには、露光量は3〜7.5mJであることが望まし
い。
2と幅W3 )との関係を調べた結果を図5に示す。図5
(a)には露光量と凸部の高さH2の関係、図5(b)
には露光量と凸部の幅W3の関係を示す。露光量2mJ
では露光量が不足し基板面までフォトレジストが除去で
きず、10mJでは露光量が過多のため凸部が形成され
なかった。そのため本実施例のレジストの場合には、レ
ジスト厚の底まで露光するための露光量と凸部を形成す
るための露光量は3〜10mJの範囲であることが必要
である。好ましくは、凸部の高さが10nm以上である
ためには、露光量は3〜7.5mJであることが望まし
い。
【0060】但し、上記の露光量と凸部の形状の関係
は、使用する露光光源の波長スペクトルとフォトレジス
トの分光感度曲線により異なり、上記と異なる露光光源
とフォトレジストを使用した場合には、適性露光量は図
5で得られた値とは異なる。
は、使用する露光光源の波長スペクトルとフォトレジス
トの分光感度曲線により異なり、上記と異なる露光光源
とフォトレジストを使用した場合には、適性露光量は図
5で得られた値とは異なる。
【0061】次に、上記原盤上にスッパター法によリニ
ッケルの導電化膜を2000Åの厚さで形成し、電鋳法
によリニッケルの電鋳膜を300μmの厚みで形成後、
電鋳膜を剥離してスタンパーとした。
ッケルの導電化膜を2000Åの厚さで形成し、電鋳法
によリニッケルの電鋳膜を300μmの厚みで形成後、
電鋳膜を剥離してスタンパーとした。
【0062】次に、厚さ0.4mm、縦54mm、横8
5mmのボリカーボネート基板(商品名;パンライト、
帝人化成株式会社製)の上にフォトポリマー樹脂を介し
てスタンパーを重ね合わせてUV光を照射し、透明基板
にスタンパーのパターンを転写した。次に、この基板の
プリフォーマットパターン上に、ポリメチン系色素(商
品名:IR−820;日本化薬株式会社製)の濃度3.
0wt%のジアセトンアルコール溶液をグラビアコート
し、乾燥した後、厚さ900Åの記録層を形成した。
5mmのボリカーボネート基板(商品名;パンライト、
帝人化成株式会社製)の上にフォトポリマー樹脂を介し
てスタンパーを重ね合わせてUV光を照射し、透明基板
にスタンパーのパターンを転写した。次に、この基板の
プリフォーマットパターン上に、ポリメチン系色素(商
品名:IR−820;日本化薬株式会社製)の濃度3.
0wt%のジアセトンアルコール溶液をグラビアコート
し、乾燥した後、厚さ900Åの記録層を形成した。
【0063】次に、厚さ0.3mm、縦54mm、横8
5mmのポリカーボネート基板(商品名;パンライト、
帝人化成株式会社製)を保護基板用に用意し、ホットメ
ルトタイプのドライフィルムの接着剤(商品名:O−4
121、クラボー株式会社製)により、記録層の形成さ
れた基板、裏基板の順に積層し、ホットプレスして貼り
合わせ、光カードを得ることができた。
5mmのポリカーボネート基板(商品名;パンライト、
帝人化成株式会社製)を保護基板用に用意し、ホットメ
ルトタイプのドライフィルムの接着剤(商品名:O−4
121、クラボー株式会社製)により、記録層の形成さ
れた基板、裏基板の順に積層し、ホットプレスして貼り
合わせ、光カードを得ることができた。
【0064】実施例2 上記実施例1のマスクの光透過部2.3μmのプリピッ
トの中央lμmにクロム酸化物の光不透過部を設けたこ
と、及び露光量を9mJに変更した以外は、実施例1と
同じ方法で光カードを作製した。露光の際、プリピット
の中央にクロム酸化物の光不透過部を設けたことによ
り、光の干渉が起こり得られたガラス原盤のプリピット
の断面形状は高さが30nmの図2(c)に示したよう
な波形状の凸部が得られた。また、実施例1と同様に適
性露光量を調べた結果を図5に示すが、光不透過部を設
けたため適性露光量は7.5〜13mJであった。
トの中央lμmにクロム酸化物の光不透過部を設けたこ
と、及び露光量を9mJに変更した以外は、実施例1と
同じ方法で光カードを作製した。露光の際、プリピット
の中央にクロム酸化物の光不透過部を設けたことによ
り、光の干渉が起こり得られたガラス原盤のプリピット
の断面形状は高さが30nmの図2(c)に示したよう
な波形状の凸部が得られた。また、実施例1と同様に適
性露光量を調べた結果を図5に示すが、光不透過部を設
けたため適性露光量は7.5〜13mJであった。
【0065】上記の実施例1および実施例2で作製され
た光カードを、レーザ光の波長780nm、スポット径
3μm、対物レンズNA=0.45の光学系でプリピッ
ト信号コントラスト(図9(b)のV22/V21)を測定
した結果を図6に示す。実施例1、2共に高さが10n
m以上であれば、凸部がないものに比べ10%以上のプ
リピット信号コントラストの向上が得られた。
た光カードを、レーザ光の波長780nm、スポット径
3μm、対物レンズNA=0.45の光学系でプリピッ
ト信号コントラスト(図9(b)のV22/V21)を測定
した結果を図6に示す。実施例1、2共に高さが10n
m以上であれば、凸部がないものに比べ10%以上のプ
リピット信号コントラストの向上が得られた。
【0066】また、従来の断面形状がV字、U宇、台形
及び粗面形状であるプリピット信号コントラストが0.
4〜0.6であることと比較すると、本発明の光記録媒
体は優れたプリピット信号コントラストが得られた。ま
たプリピット信号波形は、図9(b)に示すようなW字
状にはならず、歪みのない信号が得られた。
及び粗面形状であるプリピット信号コントラストが0.
4〜0.6であることと比較すると、本発明の光記録媒
体は優れたプリピット信号コントラストが得られた。ま
たプリピット信号波形は、図9(b)に示すようなW字
状にはならず、歪みのない信号が得られた。
【0067】実施例3 以下のようにして、図3に示す光カードを作製した。
【0068】まず、6インチ角で厚さ1.lmmのガラ
ス基板にフォトレジスト膜(THMR−iP3100;
東京応化工業株式会社製)を4000Åの厚みに均一に
形成し、ホットプレート上で90℃、90秒のプリベー
クを行った。次に、フォトマスクを介して露光装置(オ
ーク製作所製;水銀・キセノンショートアークランプA
HXD使用)、光量4mJで、フォトレジストのパター
ニング露光を行った。フォトマスクはプリフォーマット
パターン寸法が、幅2.3μmの光透過部からなるトラ
ックキングトラック、幅9.7μmのクロム酸化物から
なる光不透過部からなる記録トラックがパターニングさ
れている。このマスクを用いて露光することでトラック
キングトラック部分のみフォトレジストが感光され潜像
が形成された。
ス基板にフォトレジスト膜(THMR−iP3100;
東京応化工業株式会社製)を4000Åの厚みに均一に
形成し、ホットプレート上で90℃、90秒のプリベー
クを行った。次に、フォトマスクを介して露光装置(オ
ーク製作所製;水銀・キセノンショートアークランプA
HXD使用)、光量4mJで、フォトレジストのパター
ニング露光を行った。フォトマスクはプリフォーマット
パターン寸法が、幅2.3μmの光透過部からなるトラ
ックキングトラック、幅9.7μmのクロム酸化物から
なる光不透過部からなる記録トラックがパターニングさ
れている。このマスクを用いて露光することでトラック
キングトラック部分のみフォトレジストが感光され潜像
が形成された。
【0069】その後、現像液(商品名:NMD−3;東
京応化工業株式会社製)で30秒のパドル現像すること
により上記潜像部分が除去され図3(c)の円弧状の凸
部を含むトラックキングトラックのパターンが得られ
た。さらに、ポストベークとしてクリーンオーブンで1
40℃、20分間加熱する工程を加え、トラックキング
トラックと記録トラックの境界部を曲面にすることがで
き、これを原盤とした。
京応化工業株式会社製)で30秒のパドル現像すること
により上記潜像部分が除去され図3(c)の円弧状の凸
部を含むトラックキングトラックのパターンが得られ
た。さらに、ポストベークとしてクリーンオーブンで1
40℃、20分間加熱する工程を加え、トラックキング
トラックと記録トラックの境界部を曲面にすることがで
き、これを原盤とした。
【0070】さらに同様な作製条件で、露光量のみ2m
J、3mJ、5mJ、7.5mJ、10mJと変更し原
盤を作製した。
J、3mJ、5mJ、7.5mJ、10mJと変更し原
盤を作製した。
【0071】露光量と図3(c)の凸部の形状(高さH
22と幅W23)との関係を調べた結果を図7に示す。図7
(a)には露光量と凸部の高さH22の関係、図7(b)
には露光量と凸部の幅W23の関係を示す。露光量2mJ
では露光量が不足し基板面までフォトレジストが除去で
きず、10mJでは露光量が過多のため凸部が形成され
なかった。そのため本実施例のレジストの場合には、レ
ジスト厚の底まで露光するための露光量と凸部を形成す
るための露光量は3〜10mJの範囲であることが必要
である。好ましくは、凸部の高さが10nm以上である
ためには、露光量は3〜7.5mJであることが望まし
い。
22と幅W23)との関係を調べた結果を図7に示す。図7
(a)には露光量と凸部の高さH22の関係、図7(b)
には露光量と凸部の幅W23の関係を示す。露光量2mJ
では露光量が不足し基板面までフォトレジストが除去で
きず、10mJでは露光量が過多のため凸部が形成され
なかった。そのため本実施例のレジストの場合には、レ
ジスト厚の底まで露光するための露光量と凸部を形成す
るための露光量は3〜10mJの範囲であることが必要
である。好ましくは、凸部の高さが10nm以上である
ためには、露光量は3〜7.5mJであることが望まし
い。
【0072】但し、上記の露光量と凸部の形状の関係
は、使用する露光光源の波長スペクトルとフォトレジス
トの分光感度曲線により異なり、上記と異なる露光光源
とフォトレジストを使用した場合には、適性露光量は図
7で得られた値とは異なる。
は、使用する露光光源の波長スペクトルとフォトレジス
トの分光感度曲線により異なり、上記と異なる露光光源
とフォトレジストを使用した場合には、適性露光量は図
7で得られた値とは異なる。
【0073】次に、上記原盤上にスッパター法によリニ
ッケルの導電化膜を2000Åの厚さで形成し、電鋳法
によリニッケルの電鋳膜を300μmの厚みで形成後、
電鋳膜を剥離してスタンパーとした。
ッケルの導電化膜を2000Åの厚さで形成し、電鋳法
によリニッケルの電鋳膜を300μmの厚みで形成後、
電鋳膜を剥離してスタンパーとした。
【0074】次に、厚さ0.4mm、縦54mm、横8
5mmのボリカーボネート基板(商品名;パンライト、
帝人化成株式会社製)の上にフォトポリマー樹脂を介し
てスタンパーを重ね合わせてUV光を照射し、透明基板
にスタンパーのパターンを転写した。次に、この基板の
プリフォーマットパターン上に、ポリメチン系色素(商
品名:IR−820;日本化薬株式会社製)の濃度3.
0wt%のジアセトンアルコール溶液をグラビアコート
し、乾燥した後、厚さ900Åの記録層を形成した。
5mmのボリカーボネート基板(商品名;パンライト、
帝人化成株式会社製)の上にフォトポリマー樹脂を介し
てスタンパーを重ね合わせてUV光を照射し、透明基板
にスタンパーのパターンを転写した。次に、この基板の
プリフォーマットパターン上に、ポリメチン系色素(商
品名:IR−820;日本化薬株式会社製)の濃度3.
0wt%のジアセトンアルコール溶液をグラビアコート
し、乾燥した後、厚さ900Åの記録層を形成した。
【0075】次に、厚さ0.3mm、縦54mm、横8
5mmのポリカーボネート基板(商品名;パンライト、
帝人化成株式会社製)を保護基板用に用意し、ホットメ
ルトタイプのドライフィルムの接着剤(商品名:O−4
121、クラボー株式会社製)により、記録層の形成さ
れた基板、裏基板の順に積層し、ホットプレスして貼り
合わせ、光カードを得ることができた。
5mmのポリカーボネート基板(商品名;パンライト、
帝人化成株式会社製)を保護基板用に用意し、ホットメ
ルトタイプのドライフィルムの接着剤(商品名:O−4
121、クラボー株式会社製)により、記録層の形成さ
れた基板、裏基板の順に積層し、ホットプレスして貼り
合わせ、光カードを得ることができた。
【0076】実施例4 上記実施例3のマスクの光透過部2.3μmのトラック
キングトラックの中央lμmにクロム酸化物の光不透過
部を設けたこと、及び露光量を9mJに変更した以外
は、実施例3と同じ方法で光カードを作製した。露光の
際、プリピットの中央にクロム酸化物の光不透過部を設
けたことにより、光の干渉が起こり得られたガラス原盤
のプリピットの断面形状は高さが30nmの図4(c)
に示したような波形状の凸部が得られた。また、実施例
3と同様に適性露光量を調べた結果を図7に示すが、光
不透過部を設けたため適性露光量は7.5〜13mJで
あった。
キングトラックの中央lμmにクロム酸化物の光不透過
部を設けたこと、及び露光量を9mJに変更した以外
は、実施例3と同じ方法で光カードを作製した。露光の
際、プリピットの中央にクロム酸化物の光不透過部を設
けたことにより、光の干渉が起こり得られたガラス原盤
のプリピットの断面形状は高さが30nmの図4(c)
に示したような波形状の凸部が得られた。また、実施例
3と同様に適性露光量を調べた結果を図7に示すが、光
不透過部を設けたため適性露光量は7.5〜13mJで
あった。
【0077】上記の実施例3および実施例4で作製され
た光カードを、レーザ光の波長780nm、スポット径
3μm、対物レンズNA=0.45の光学系でトラック
横断コントラスト(図10(c)のV2 /V1 )を測定
した結果を図8に示す。実施例3、4共に高さが10n
m以上であれば、凸部がないものに比べ10%以上のト
ラック横断信号コントラストの向上が得られた。
た光カードを、レーザ光の波長780nm、スポット径
3μm、対物レンズNA=0.45の光学系でトラック
横断コントラスト(図10(c)のV2 /V1 )を測定
した結果を図8に示す。実施例3、4共に高さが10n
m以上であれば、凸部がないものに比べ10%以上のト
ラック横断信号コントラストの向上が得られた。
【0078】また、従来の断面形状がV字、U宇、台形
及び粗面形状であるトラック横断コントラストが0.4
〜0.6であることと比較すると、本発明の光記録媒体
は優れたトラック横断コントラストが得られた。またト
ラック横断信号は、図10(c)に示すようなW字状に
はならず、歪みのない信号が得られた。
及び粗面形状であるトラック横断コントラストが0.4
〜0.6であることと比較すると、本発明の光記録媒体
は優れたトラック横断コントラストが得られた。またト
ラック横断信号は、図10(c)に示すようなW字状に
はならず、歪みのない信号が得られた。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
大きなプリピット信号コントラストと歪みのないプリピ
ット信号波形を有し、かつ安価で容易に製造することが
できる光記録媒体を得ることができる。
大きなプリピット信号コントラストと歪みのないプリピ
ット信号波形を有し、かつ安価で容易に製造することが
できる光記録媒体を得ることができる。
【0080】また、本発明によれば、大きなトラック横
断信号コントラストと歪みのないトラック横断信号を有
し、かつ安価で容易に製造することができる光記録媒体
を得ることができる。
断信号コントラストと歪みのないトラック横断信号を有
し、かつ安価で容易に製造することができる光記録媒体
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学的記録媒体の一例を示す部分断面
図である。
図である。
【図2】本発明の光記録媒体のプリピットの底面部の他
の例を示す説明図である。
の例を示す説明図である。
【図3】本発明の光学的記録媒体の他の例を示す部分断
面図である。
面図である。
【図4】本発明の光記録媒体のトラックキングトラック
の底面部の他の例を示す説明図である。
の底面部の他の例を示す説明図である。
【図5】本発明の実施例1及び2の光記録媒体の露光量
と凸部の関係を示す図である。
と凸部の関係を示す図である。
【図6】本発明の実施例1及び2の光記録媒体の凸部の
高さとプリピット信号コントラストの関係を示す図であ
る。
高さとプリピット信号コントラストの関係を示す図であ
る。
【図7】本発明の実施例3及び4の光記録媒体の露光量
と凸部の関係を示す図である。
と凸部の関係を示す図である。
【図8】本発明の実施例3及び4の光記録媒体の凸部の
高さとトラック横断信号の関係を示す図である。
高さとトラック横断信号の関係を示す図である。
【図9】従来の光記録媒体のレーザスポットとプリピッ
トとの関係およびプリピット信号コントラストを示す図
である。
トとの関係およびプリピット信号コントラストを示す図
である。
【図10】従来の光記録媒体のレーザスポットとトラッ
クキングトラックとの関係およびトラック横断信号を示
す図である。
クキングトラックとの関係およびトラック横断信号を示
す図である。
1 光記録媒体 2 記録領域 3 トラッキングトラック 4 記録トラック 5 プリピット 6、16 凸部 7、17 稜線 8、18 底面部 101 トラッキングトラック 102 記録トラック 103 トラッキング用レーザ光スポット 104 トラッキングトラックの底面 105 トラック横断信号 106 稜線 201 プリピット 202 レーザ光スポット 203 プリピット信号波形 204 接地電位
Claims (3)
- 【請求項1】 記録再生光を入射する透明基板に凹部か
らなるトラックキングトラック及びプリピットの少なく
とも一方が形成され、該トラックキングトラック及びプ
リピットの断面形状が略台形形状である光記録媒体にお
いて、該トラックキングトラック及びプリピットの少な
くとも一方の底面部が記録トラックに平行に連続した凸
状曲面を含む形状からなり、かつ該トラックキングトラ
ック及びプリピットの少なくとも一方と記録トラックと
の境界領域の断面形状が曲面形状を有する稜線で形成さ
れていることを特徴とする光記録媒体。 - 【請求項2】 該トラックキングトラック及びプリピッ
トの少なくとも一方の底面部の凸状曲面の凸部の高さが
10nm以上で形成さている請求項1記載の光記録媒
体。 - 【請求項3】 塗布型の光記録層を有する請求項1記載
の光記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11172132A JP2001006221A (ja) | 1999-06-18 | 1999-06-18 | 光記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11172132A JP2001006221A (ja) | 1999-06-18 | 1999-06-18 | 光記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001006221A true JP2001006221A (ja) | 2001-01-12 |
Family
ID=15936170
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11172132A Pending JP2001006221A (ja) | 1999-06-18 | 1999-06-18 | 光記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001006221A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7548505B2 (en) | 2001-07-18 | 2009-06-16 | Sony Corporation | Optical recording medium having a relationship between groove width and track pitch |
-
1999
- 1999-06-18 JP JP11172132A patent/JP2001006221A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7548505B2 (en) | 2001-07-18 | 2009-06-16 | Sony Corporation | Optical recording medium having a relationship between groove width and track pitch |
US8110343B2 (en) | 2001-07-18 | 2012-02-07 | Sony Corporation | Manufacturing method for optical recording and reproducing medium stamper |
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