JP2001004462A5 - - Google Patents

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【書類名】 明細書
【発明の名称】 ケーブル状圧力センサおよびその製造方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内側電極である芯電極の周囲に、樹脂と圧電セラミック粉体、および潤滑剤を混合した可撓性複合圧電体を押し出し加工して形成し、前記可撓性複合圧電体の表面に可撓性外側電極を配置したケーブル状圧力センサの製造方法。
請求項2】 内側電極である芯電極と、前記芯電極の周囲に配置された可撓性複合圧電体と、前記可撓性複合圧電体の表面に配置された可撓性外側電極とから成り、前記可撓性複合圧電体を樹脂と圧電セラミック粉体、および潤滑剤からなる混合物として成るケーブル状圧力センサ。
請求項3】 潤滑剤が、シリコーンオイルである請求項記載のケーブル状圧力センサ。
請求項4】 シリコーンオイルを樹脂と圧電セラミック粉体の混合物に対して2重量部以上10重量部以下の混練り配合した請求項記載のケーブル状圧力センサ。
請求項5】 可撓性構造体を有し、芯電極が可撓性構造体と前記可撓性構造体の周囲に形成された同軸上のコイル状金属線からなる請求項2ないし4のいずれか1項記載のケーブル状圧力センサ。
請求項6】 可撓性構造体が長尺状のポリエステル繊維束からなる請求項記載のケーブル状圧力センサ。
請求項7】 コイル状金属線が平角状の銅合金金属線である請求項5または6記載のケーブル状圧力センサ。
請求項8】 可撓性支持体が高分子フィルムである請求項2ないし7のいずれか1項記載のケーブル状圧力センサ。
請求項9】 可撓性支持体がポリエチレンテレフタレートフィルムである請求項記載のケーブル状圧力センサ。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はケーブル圧力センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のケーブル状圧力センサは以下のようなものであった。
【0003】
特開昭62−230071号公報では、図5に示すように、線状導電材1と導電ゴム2とから構成された芯電極3の周囲に可撓性複合圧電体4を配置し、その周囲に可撓性外電極5を配置し、さらにその周囲に熱収縮チューブから成る外皮6を被覆して成るケーブル状圧力センサが開示されている。可撓性複合圧電体4として、合成ゴムや合成樹脂の中にチタン酸鉛などのセラミック圧電体粉末を添加した複合体が用いられる。また可撓性外電極5として、アルミニウム箔や塗装法による銀系導電性塗膜が用いられる。
【0004】
上記ケーブル状圧力センサの一部あるいは全面に圧力が印加されたとき、その部分の圧力センサが歪む結果、芯電極3と外電極5間に電圧が誘起される。上記圧力センサは、この誘起電圧を利用して圧力を検出している。
【0005】
類似のケーブル状圧力センサが特開平3ー259577号公報にも開示されている。この公報では、可撓性複合圧電体4として、ポリエチレン、ポリプロピレンや塩化ビニルなどの樹脂の中にチタン酸鉛などのセラミック圧電体粉末を添加した複合体が開示されている。可撓性外電極5として、無電解メッキ法によるニッケル膜や銅膜、および蒸着法によるアルミニウム膜や銀膜が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のケーブル状圧力センサでは、可撓性複合圧電体4として、合成ゴムや合成樹脂の中にチタン酸鉛などのセラミック圧電体粉末を添加した複合体が用いられるので、可撓性複合圧電体4をケーブル状にチュービング加工するために、射出成形押し出し加工装置を使用した場合、押し出し加工装置の中で、可撓性複合圧電体4が滞留してしまい、チュービング加工ができなくなる。
【0007】
また、押し出し加工装置から可撓性複合圧電体4をチュービング加工できたとしても、押し出し加工装置内の可撓性複合圧電体4の流動性が一定でないために、芯電極3上で途切れ途切れのチュービング加工になり、ケーブル状の可撓性複合圧電体4が形成できない。
【0008】
また、線状導電材1と導電ゴム2から構成された芯電極3では可撓性複合圧電体4を金属より線周囲上に形成するとき、可撓性複合圧電体4が芯電極3に密着せず、可撓性複合圧電体4が芯電極3から抜けてしまうという課題があった。これは、芯電極3を金属より線の束をもちいても同じである。
【0009】
また可撓性外側電極5として、アルミニウム箔を用いた場合、アルミニウム箔は引っ張り強度が弱いので、可撓性複合圧電体4にアルミニウム箔を巻き付けるとき充分な張力で巻き付けることができないという課題を有していた。充分な張力で巻き付けると、アルミニウム箔は切断され易く、また、低い張力で巻き付けると、アルミニウム箔は可撓性複合圧電体4に密着しない。
【0010】
また、可撓性外側電極5として、塗装法、メッキ法、蒸着法による金属膜を用いた場合、可撓性複合圧電体4に密着し易いという利点はあるが、製造工程が複雑になり、10m以上の長いケーブル状圧力センサの製造に不適であるという課題を有していた。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、内側電極である芯電極の周囲に、樹脂と圧電セラミック粉体、および潤滑剤を混合した可撓性複合圧電体を押し出し加工して形成し、前記可撓性複合圧電体の表面に可撓性外側電極を配置したケーブル状圧力センサの製造方法としたものである。
【0012】
上記発明によれば、可撓性複合圧電体に潤滑剤を配合しているので、押し出し加工装置内で流動性が増し、均一に押し出され可撓性複合圧電体を芯電極周囲にケーブル状チュービング加工することが容易に可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1にかかるケーブル状圧力センサの製造方法は、内側電極である芯電極の周囲に、樹脂と圧電セラミック粉体、および潤滑剤を混合した可撓性複合圧電体を押し出し加工して形成し、前記可撓性複合圧電体の表面に可撓性外側電極を配置したものである。そして、可撓性複合圧電体に潤滑剤を配合しているので、押し出し加工装置内で流動性が増し、均一に押し出され、可撓性複合圧電体を芯電極周囲にケーブル状チュービング加工することが容易に可能となる。
【0014】
本発明の請求項にかかるケーブル状圧力センサは、内側電極である芯電極と、前記芯電極の周囲に配置された可撓性複合圧電体と、前記可撓性複合圧電体の表面に配置された可撓性外側電極とから成り、前記可撓性複合圧電体を樹脂と圧電セラミック粉体、および潤滑剤からなる混合物としケーブル状圧力センサである。そして、可撓性複合圧電体に潤滑剤を配合しているので、押し出し加工装置内で流動性が増し、均一に押し出され、可撓性複合圧電体を芯電極周囲にケーブル状チュービング加工した構成とすることが容易に可能となる。
【0015】
本発明の請求項にかかるケーブル状圧力センサは、請求項記載の発明に加えて、潤滑剤がシリコーンオイルで構成される。そして、シリコーンオイルは比較的工業に利用されており、化学的安定性も高く、樹脂と圧電セラミック粉体の混合物に対してオープンロール装置で容易に混練り配合することができ、可撓性複合圧電体に接触する可撓性外側電極表面への電気的生成物を形成することがなく、また、可撓性複合圧電体自体の圧電特性に影響を与えることもない。
【0016】
本発明の請求項にかかるケーブル状圧力センサは、請求項記載の発明に加えて、シリコーンオイルを樹脂と圧電セラミック粉体の混合物に対して2から10重量部混練り配合して構成される。樹脂と圧電セラミック粉体の混合物に配合するシリコーンオイル量は、可撓性複合圧電体の機械強度を損なわない量を有している。そのため、可撓性を有するケーブル状圧力センサの構成要素として提供する事ができる。
【0017】
本発明の請求項にかかるケーブル状圧力センサは、請求項ないしのいずれか1項記載の発明に加えて、芯電極が可撓性構造体の周囲に形成された同軸上のコイル状金属線から構成される。そしてコイル状金属線は直線状金属線と比較して、内側電極として可撓性複合圧電体と接触する面積が大きくなる。
【0018】
本発明の請求項にかかるケーブル状圧力センサは、請求項記載の発明に加えて、可撓性構造体が長尺状のポリエステル繊維束から構成される。そしてポリエステルの繊維束は、電気的絶縁性を有し、可撓性を有し且つ機械強度も大きいので、ケーブル状圧力センサ全体の可撓性を損なうことなく、コイル状金属線を周囲に巻くことができる。
【0019】
本発明の請求項にかかるケーブル状圧力センサは、請求項または記載の発明に加えて、コイル状金属線が平角状の銅合金金属線から構成される。ケーブル状圧力センサの圧電特性を得るために、前もって、芯電極と可撓性外側電極に直流高電圧を印加して可撓性複合圧電体を分極する必要がある。このとき、コイル状金属が平角状の銅合金金属線であるので、円筒状に比べ芯電極と可撓性外側電極間に均一な高電界が印加されやすい。
【0020】
また、コイル状金属線が銅合金金属線であるので、機械強度も高く電極抵抗を低くする事ができる。
【0021】
本発明の請求項にかかるケーブル状圧力センサは、請求項ないしのいずれか1項記載の発明に加えて、可撓性支持体が高分子フィルムで構成される。
【0022】
高分子フィルムとして、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネイト、ポリスチレンなど多くの種類のフィルムが様々な用途に供せられている。これら高分子フィルムの機械的インピーダンスは、可撓性複合圧電体のそれに比べ小さいので、ケーブル状圧力センサ全体の機械的インピーダンスを低く保持できる。従って、ケーブル状圧力センサに圧力が印加されたとき、容易に変形する。また、市販されているので容易に入手できると共に低価格である。
【0023】
本発明の請求項にかかるケーブル状圧力センサは、請求項記載の発明に加えて、可撓性支持体がポリエチレンテレフタレートフィルムで形成されている。
【0024】
種々の高分子フィルムの中でも、ポリエチレンテレフタレートフィルムは150℃の高耐熱性を有しているので、耐熱性に優れたケーブル状圧力センサが実現できる。
【0025】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0026】
(実施例1)
図1は本発明である実施例1のケーブル状圧力センサの斜視図である。尚、従来例と同一の部分には同一番号を付与して説明を省略する。
【0027】
芯電極21は、絶縁性の可撓性構造体11に巻き付けられたコイル状金属線12から構成される。芯電極21の周囲に可撓性複合圧電体4を形成した後、可撓性支持体9と前記可撓性支持体9を挟持して内側金属層7と外側金属層8を形成する。このように、可撓性支持体9と内側金属層7および外側金属層8から成る可撓性外側電極10が可撓性複合圧電体4の周囲に巻き付けられる。このとき、可撓性外側電極10の内側金属層7が可撓性複合圧電体4の表面と接触するように巻き付けられる。
【0028】
可撓性複合圧電体4として、ゴムや樹脂の中にチタン酸鉛、チタン酸鉛ジルコン酸鉛などのセラミック圧電体粉体を添加した複合体が用いられる。ゴムや樹脂は機械的インピーダンスが小さく、外部から圧力が印加されたとき、容易に変形する。この変形を通じてゴムや樹脂の中に添加された圧電体粉末に応力が印可される結果、芯電極21と可撓性外側電極10間に電圧が誘起されるので、圧力が検出できる。このようにゴムや樹脂は可撓性を実現する上で不可欠である。
【0029】
上記複合体にオープンロール装置を用いて潤滑剤13を混練り加工した組成物が可撓性複合圧電体4として完成する。
【0030】
潤滑剤13として、シリコーンオイルを用いる。シリコーンオイル種類のなかでは、メチルフェニルシリコーンオイルやジメチルシリコーンオイル等がある。
【0031】
これは、熱劣化に対する安定性が非常に優れていて、ゴムや樹脂の中にチタン酸鉛、チタン酸鉛ジルコン酸鉛などのセラミック圧電体粉体を添加した複合体中に混練り配合すると、他の物質が粘着するのを防止する。すなわち離型性が増大する。
【0032】
普通、可撓性複合圧電体4を芯電極21上にチュービング加工するために、図2(a)に示す押し出し加工装置14とケーブル巻き取り装置15を組み合わせた装置を用いてケーブル状に加工する。図2(b)は上から見た押し出し加工装置14の概要平面図である。
【0033】
この押し出し加工装置14は、1軸または2軸のスクリューが内蔵され、可撓性複合圧電体4を形成する組成物を供給するホッパー16とスクリューと連結したモーター17、及び材料を被覆するダイ部18から構成され、モーター17の回転により、連結されたスクリューが組成物を前に押しだし、ダイ部18内を通過している芯電極21周囲に組成物を均等に被覆して、可撓性複合圧電体4を形成する。ケーブル巻き取り装置15は、芯電極21を巻き付けた芯電極ドラム19と、可撓性複合圧電体4を被覆した芯電極21を巻き取る巻き取りドラム20から構成されている。
【0034】
ここでは、可撓性複合圧電体4の組成物として、塩素化ポリエチレンとチタン酸ジルコン酸鉛の粉体の混合物に潤滑剤13としてジメチルシリコーンオイルを用いた。塩素化ポリエチレンに対してチタン酸ジルコン酸鉛粉体を重量比率で90%を配合し、この組成物に対して、ジメチルシリコーンオイルを重量比率で10%配合した。
【0035】
ジメチルシリコーンオイルを混練り配合した可撓性複合圧電体4の組成物は、流動性がよく、温度が100℃のダイ部18から芯電極21の周囲に均一に可撓性複合圧電体4が被覆されてチュービング加工が実施できた。潤滑剤13を混練り配合せずに、塩素化ポリエチレンとチタン酸ジルコン酸鉛の粉体の混合物を押し出した場合には、流動性が低いために押し出し加工装置14内のスクリューに組成物が嵌合してしまい、モーター17の回転が停止してしまった。また、たとえ押し出しができても芯電極21上で可撓性複合圧電体4が途切れ途切れに被覆されてしまい、圧電ケーブルとして形成できなかった。
【0036】
以上のことは、混合組成物がスクリュー内で押し出されるとき、混合組成物からジメチルシリコーンオイルがにじみ出されスクリュー内と組成物の接触面に塗膜を形成し、スクリュー内の流動性がよくなったためである。ジメチルシリコーンオイルは耐熱150℃以下では、熱酸化に対する安定性が優れているため、100℃のダイ部18でも安定して組成物を押し出すことができ、芯電極21周囲に均一に可撓性複合圧電体4を形成することができる。
【0037】
(実施例2)
樹脂とセラミック圧電粉体の組成物に対してシリコーンオイルの配合量を変化させたときの可撓性複合圧電体4の引っ張り強度の変化を図3に示す。
【0038】
これは、実施例1と同じように塩素化ポリエチレンに重量比90%のチタン酸ジルコン酸鉛をオープンロール装置で混合した組成物に、潤滑剤13としてジメチルシリコーンオイルを混合組成物に対して重量比0から30%まで変化させて、オープンロール装置で配合混練りして厚み0.5mmのシート状に作成しダンベル片を形成し、このダンベル片の室温での静的弾係数を測定した結果である。
【0039】
図3から、ジメチルシリコーンオイルを配合していない複合圧電体組成物シートの弾性率は、約20Mpaである。ジメチルシリコーンオイルを配合量の増加に伴い、弾性係数が低下する。ケーブル状圧力センサとして実用上問題ない基準をジメチルシリコーンオイルの配合なしと比較して、弾性係数の20%低下までとした場合、ジメチルシリコーンオイルは樹脂と圧電セラミック粉体混合組成物に対して2から10重量部までの範囲で配合する。配合量が0から2重量部未満では、機械強度に問題はないが、押し出しチュービング加工ができない。10重量部より配合量が増えれば、弾性係数が基準より低下し、機械強度面で可撓性ケーブル状圧力センサとして実用上問題がある。このため、配合するシリコーンオイルは2樹脂と圧電セラミック粉体の混合物に対して2重量部以上10重量部以下が適当範囲量である。
【0040】
(実施例3)
図4に芯電極21上に複合圧電体4が被覆形成された断面形状の概念図を示す。尚、実施例1と同一部分には同一番号を付与して、説明を省略する。
【0041】
実施例1でも述べたように芯電極21は、絶縁性の可撓性構造体11に巻き付けられた平角形状の平角コイル状金属線22から構成される。可撓性構造体11として、ポリエステル繊維束から構成されることが望ましい。ポリエステル繊維は高い機械的強度と可撓性を有するので、ケーブル状圧力センサ全体の可撓性を損なうことなく平角コイル状金属線22を支持できる。また、その耐熱性も120℃以上であるので、可撓性複合圧電体4の最高使用温度(80〜120℃程度)でも充分な安定性を示す。
【0042】
また、平角コイル状金属線22は平板状であることが好ましい。ケーブル状圧力センサは、図1や図4に示した構成に形成された後、芯電極21と可撓性外側電極5間に直流高電圧(5〜10kV/mm程度)を印加して、可撓性複合圧電体4を分極する工程により圧電性を付与される。この分極工程では、芯電極21と可撓性外電極5間になるべく均一な高電界を印加する必要がある。平角コイル状金属線22が円筒状やそれと類似の形状の場合に比べ、平板状の場合均一な高電界が得られる。また、平角コイル状金属線22の材質として、銅合金が優れている。これら材料は可撓性に富むので、絶縁性支持体に巻き付けて容易にコイル状に成形できると共にケーブル状圧力センサ全体の可撓性を損なわない。また、工業的にも広く利用されているので、量産性に優れる。
【0043】
ここでは、銅と銀の合金線(0.3mmx0.05mm)をポリエステル繊維束に巻き付けて芯電極21を構成した。この芯電極21を用いて実施例1で述べたような押し出し加工装置14を用いて、可撓性複合圧電体4の組成物押し出加工をすると、芯電極21の円周上に均等に可撓性複合圧電体4が形成された。芯電極21の代わりに、銅の金属より線の束を用いて同じように押し出加工をすると、ダイ部18から均一に可撓性複合圧電体4が銅金属より線に被覆されない。これは、銅金属より線では、可撓性複合圧電体4との密着性が低いため、可撓性複合圧電体4が銅金属より線上ですべってしまうためである。
【0044】
図4に示すように、絶縁性の可撓性構造体11に巻き付けられた平角形状の平角コイル状金属線22から構成された芯電極21は、可撓性複合圧電体4は芯電極21の構造から密着面積が増し、しかも芯電極21の銅合金製の平角コイル状金属線22が可撓性複合圧電体4にはめ込まれた形状となり、可撓性複合圧電体4が芯電極21と一体となって押し出されるので、芯電極21が可撓性複合圧電体4から滑って抜けるようなことはない。
【0045】
(実施例4)
可撓性外側電極10は、可撓性複合圧電体4に接する内側金属層7と可撓性支持体9と前記可撓性支持体9の外側に形成される外側金属層8で構成される。可撓性支持体9として、高分子フィルムが優れている。高分子フィルムは、芯電極21の周囲に可撓性複合圧電体4を形成した構成物の機械的インピーダンスに比べ小さな機械的インピーダンスを有するので、可撓性複合圧電体4に巻き付けられても全体の機械的インピーダンスを増加させない。従って、外部からの圧力に応じて、容易に変形する。高分子フィルムの厚さは、できるだけ薄い方がその機械的インピーダンスも小さくなるので好ましいが、工業的に多く利用されている、数十μm以下の厚さが入手の容易性や価格の点でも好ましい。
【0046】
また、高分子フィルムは、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、塩化ビニール、ナイロン、ポリエチレン、トリアセテートなど種々の材料で構成されるが、これらの中でもポリエチレンテレフタレートは高耐熱性(最高使用温度150℃)を有する点で優れている。
【0047】
また、内側金属層7および外側金属層8として、アルミニウム層、銅層、ニッケル層などがあるが、これらの中でもアルミニウム層が優れている。アルミニウム層は、銅層に比べ熱的に酸化され難く、また、ニッケル層に比べ柔らかいので機械的インピーダンスが小さい。高分子フィルムである可撓性支持体9の両面にアルミニウムなどの内側金属層7と外側金属層8を形成するには、両者を接着剤で接合して形成してもよいし、また、スパッタ法や蒸着法で形成してもよい。金属層の厚さも、高分子フィルムと同様、できるだけ薄い方が好ましいが、入手の容易性や価格の点を考慮すると10μm以下が好ましい。
【0048】
可撓性支持体9の両面に内側金属層7と外側金属層8を形成して構成した可撓性外側電極10は市販されており、本発明のケーブル状圧力センサでは、この可撓性外側電極10を可撓性複合圧電体4に巻き付けているので、従来の可撓性外電極5に比べ、塗装法、メッキ法や蒸着法などの複雑な製造工程を特に必要としない。
【0049】
図1に示したように、可撓性支持体9と内側金属層7およびと外側金属層8で構成される可撓性外側電極10のうち内側金属層7のアルミニウム層を可撓性複合圧電体4の表面に接して巻き付けたセンサ(センサA)とアルミニウム層である金属層のみを可撓性複合圧電体4の表面に接して巻き付けたセンサ(センサB)をそれぞれ作成し、室温で両者に荷重を徐々に増加して印加し、センサAでは芯電極21と可撓性外側電極10間、センサBでは芯電極21とアルミニウム層間で、それぞれの電極間が短絡するときの荷重を測定した。
【0050】
アルミニウム層は10μm、可撓性支持体9である高分子フイルムはポリエチレンテレフタレート10μmを用いた。また、このときのケーブル状圧力センサにポリエチレン系樹脂である塩素化ポリエチレンにチタン酸ジルコン酸鉛系粉末を添加した可撓性複合圧電体4を用いた。
【0051】
そして、両者とも外径は約2φmmとした。その結果、センサAの短絡荷重は約150kgf、センサBは、荷重を付加していくと約10kgfで、金属層のみを用いたアルミニウム層が断線してしまった。
【0052】
このことはセンサAに用いられる内側金属層7と可撓性支持体9および外側金属層8がそれぞれ接着層で挟持されて構成される可撓性外側電極10が、センサBの場合の金属層のみの可撓性電極の場合よりも強度が増したためで、大きな付加荷重を印加しても可撓性外側電極10が破損してしまうことはない。このように、本発明のケーブル状圧力センサによれば、従来に比べ大きな付加荷重をかけられるケーブル状圧力センサを得ることができる。
【0053】
なお、上記実施例では、図5に示した従来例の外皮6について特に触れてないが、保護などの必要に応じて用いてもよいことは明らかである。
【0054】
また、外被6として、熱収縮チューブ以外にも塩化ビニールやウレタン樹脂などを用いてもよい。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の請求項1にかかるケーブル状圧力センサの製造方法によれば、可撓性複合圧電体に潤滑剤を配合しているので、可撓性複合圧電体が押し出し加工装置内で流動性が増して均一に押し出され、芯電極円周上に均等にケーブル状チュービング加工が容易に可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の実施例1におけるケーブル状圧力センサの斜視図
【図2】
(a)同センサのチュービング加工手法の概要図
(b)同センサの押し出し加工装置の概要平面図
【図3】
本発明の実施例2におけるシリコーンオイル配合量と弾性係数の相関図
【図4】
本発明の実施例3における芯電極に可撓性複合圧電体を被覆加工した断面図
【図5】
従来のケーブル状圧力センサの斜視図
【符号の説明】
4 可撓性複合圧電体
7 内側金属層
8 外側金属層
9 可撓性支持体
10 可撓性外側電極
11 可撓性構造体
12 コイル状金属線
13 潤滑剤
21 芯電極
22 平角コイル状金属線
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