JP2001004402A - 静電容量式変位測定装置 - Google Patents

静電容量式変位測定装置

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JP2001004402A
JP2001004402A JP11176750A JP17675099A JP2001004402A JP 2001004402 A JP2001004402 A JP 2001004402A JP 11176750 A JP11176750 A JP 11176750A JP 17675099 A JP17675099 A JP 17675099A JP 2001004402 A JP2001004402 A JP 2001004402A
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detection circuit
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contamination
phase
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Satoshi Adachi
聡 安達
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Mitsutoyo Kiko Co Ltd
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Mitutoyo Corp
Mitsutoyo Kiko Co Ltd
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  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性液体の侵入による汚染を確実に検出す
ることを可能とし、汚染検出によるエラーの自動解除と
意図的解除の切り換えを信号処理ICに端子を追加する
ことなく可能とした絶対測定用の静電容量式変位測定装
置を提供する。 【解決手段】 絶対測定用の静電容量式変位センサ1
と、その出力周期信号を復調し位相検出を行って矩形波
の位相変調信号を出力する位相検出回路2と、その位相
変調信号を処理して絶対位置を求める合成回路3と、求
められた絶対位置を表示する表示部4とを有し、位相検
出回路2から出力される粗スケールの位相変調信号CO
A.CMPの周期を監視し、そのデューティ比が所定範
囲を外れたことにより汚染検出をする汚染検出回路5を
備えた。エラー信号端子EOUTと位相変調信号のモニ
ター端子M1の間に、トランジスタ8を外付けするか否
かにより、エラーの自動解除と意図的解除の切り換えを
行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、絶対測定用の静
電容量式変位測定装置に係り、特に汚染検出回路を内蔵
した静電容量式変位測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】静電容量式変位センサは、相対抗する二
つの部材、例えばスケールとスライダにそれぞれ所定パ
ターンの電極を配列し、スケールに対するスライダの移
動に伴って電極パターン間に生じる周期的な容量変化の
信号を取り出すことにより変位量検出を行うものであ
る。この種の変位センサには、その出力信号の形態によ
って、相対測定(インクリメンタル)型と絶対測定(ア
ブソリュート)型の2種類がある。前者は、スライダが
基準位置から移動することにより生じる周期信号を連続
的に計測することによって変位量を測定する。後者は、
連続的な計数動作を必要とせず、スケールに対するスラ
イダの絶対変位(位置)を求めることが可能なものであ
る。絶対測定用変位測定装置では、スケールとスライダ
にそれぞれ形成される電極パターンの形状によって、粗
いピッチ,中間ピッチ,細かいピッチの周期的信号を出
力可能として、これらの各ピッチの周期信号の位相情報
を合成することにより、絶対変位の検出を可能とする。
【0003】静電容量式絶対変位センサを搭載した測定
器において、センサ部が液体の付着や塵埃等により汚染
された場合、精度劣化や誤計数が発生し、正常な計数値
の保証が困難となる。このため、汚染検出回路を内蔵し
た測定器が既に本出願人により提案されている。汚染検
出の原理は例えば、変位センサ内の対抗電極間に汚染物
質が入ることによる誘電率変化、従って容量変化を検出
するものである。具体的には、位相の異なる複数の送信
電極とこれらに対抗する汚染検出用電極の間の容量結合
の状態を合成位相ベクトルにより表し、汚染検出モード
ではこの合成位相ベクトルの変化を監視して、汚染があ
ったことを判定する、といった方式が用いられる。
【0004】一方、静電容量式絶対変位センサを小型計
測器に適用する場合、信号処理回路部をIC化すること
が行われ、このIC内に汚染検出回路を内蔵させる。こ
の種の汚染検出機能を持つ計測器においては、汚染によ
りエラー信号を発生したときに、このエラーを汚染除去
により自動的に解除したい場合と、自動的にはエラー解
除されないようにしたい場合とがある。前者は、ディジ
タルノギスのように人間が表示を見ながら使用する場合
であり、この場合は、汚染を除去してエラー原因が除か
れたときには、自動的にエラー解除となることが望まし
い。後者は例えば、加工装置に組み込まれるゲージ等の
場合であり、一旦エラーが発生したらリセット信号を入
力する等の意図的な操作を行わなければエラー解除でき
ないようにすることが要求される場合である。
【0005】上述したエラーの自動解除と意図的解除と
は、製品の仕様上の問題であるが、製品上これらを切り
換え可能とするには、例えばICに初期設定端子を設け
ることが必要になる。即ち、初期設定端子の“H”,
“L”により、自動解除と意図的解除の機能切り換えを
行うようにすればよい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の汚染検出機能を
持つ静電容量式絶対変位測定装置には、次のような問題
があった。第1に、従来の汚染検出の原理は、変位セン
サの局所的な汚染を対象としている。しかし実際には、
加工装置等に組み込まれる変位センサの場合、変位セン
サ内部に導電性の液体が広く均一に侵入するような汚染
が生じる。この様な全体的な汚染の場合、局所的な誘電
率変化による合成位相ベクトルの変化を検出する方式で
は、合成位相ベクトルの変化が発生せず、汚染検出がで
きない。第2に、汚染検出によるエラーの解除につい
て、自動的解除と意図的解除を切り換え可能とするため
に、ICに初期設定端子を設けることは、ICの小型
化、コスト上昇の原因となる。カスタムICでは、一つ
の端子を追加することによる小型化やコストへの影響が
大きい。
【0007】そこでこの発明は、第1に、導電性液体の
全体的な侵入等による汚染を確実に検出することを可能
とした汚染検出回路を持つ絶対測定用の静電容量式変位
測定装置を提供することを目的とする。この発明は、第
2に、汚染検出によるエラーの自動解除と意図的解除の
切り換えを信号処理ICに初期設定端子を追加すること
なく可能とした絶対測定用の静電容量式変位測定装置を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明に係る静電容量
式変位測定装置は、二つの部材の相対移動に伴う容量変
化に対応して絶対位置情報を含む周期信号を出力する静
電容量式変位センサと、この静電容量式変位センサから
出力される周期信号の位相検出を行って、エッジに絶対
位置情報を含む矩形波の位相変調信号を出力する位相検
出回路と、この位相検出回路から出力される位相変調信
号を処理して絶対位置を求める演算回路と、前記位相検
出回路から出力される位相変調信号を監視し、位相変調
信号のデューティ比が所定範囲を外れたことを汚染状態
として検出してエラー信号を出力する汚染検出回路と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】この発明による汚染検出の原理は、変位セ
ンサに導電性液体等が全体的に侵入した場合に、変位セ
ンサから出力される正弦波状信号の振幅が変化すること
を利用する。正弦波状信号の振幅が変化すると、これを
処理して得られる矩形の位相変調信号のデューティ比が
変化する。これは通常、正弦波信号を矩形波信号に変換
するコンパレータにオフセットがある結果である。この
様に、位相変調信号のデューティ比が予め設定された範
囲から外れたことを検出して汚染状態と判定する方式を
用いると、変位センサ全体の汚染を確実に検出すること
が可能になる。
【0010】この発明はまた、上述した静電容量式変位
測定装置において、位相検出回路、演算回路及び汚染検
出回路を含んで信号処理ICが構成され、前記信号処理
ICは、前記位相検出回路からの位相変調信号をモニタ
ーするモニター端子、及び前記汚染検出回路からのエラ
ー信号を出力するエラー信号端子を有し、前記エラー信
号端子に出力されるエラー信号により駆動されて前記モ
ニター端子を強制的に電位固定するためのトランジスタ
を外付けするか否かにより、エラーが自動的に解除され
るモードと自動的には解除されないモードとを切り換え
るようにしたことを特徴とする。
【0011】絶対測定用の静電容量式変位センサの信号
処理ICを構成する場合、位相変調信号を外部からモニ
ターする必要性が高く、モニター用端子を設けることは
従来より行われている。このモニター端子と、エラー信
号端子を利用して、これらの間にトランジスタを外付け
することにより、エラーが発生したときに位相変調信号
の端子を電位固定すれば、意図的に解除しない限りエラ
ー解除ができない状態とすることができる。即ちこの発
明によると、トランジスタを外付けするか否かという簡
単な作業により、信号処理ICに初期設定端子を追加す
ることなく、エラーの自動解除モードと意図的解除モー
ドの切り換えを行うことが可能になる。
【0012】この発明において好ましくは、静電容量式
変位センサは、少なくもと粗いピッチと細かいピッチの
2トラックの周期信号を出力するものとし、この場合汚
染検出回路は、前記位相検出回路から得られる前記粗い
ピッチの周期信号に対応する位相変調信号を監視して汚
染検出を行うものとする。位相変調信号は変位センサの
移動速度に応じて周期が変化するが、粗いピッチの位相
変調信号は最もその変化が小さい。従って、この粗いピ
ッチの位相信号を汚染検出に利用すれば、通常動作での
周期変動を誤って汚染状態として検出する事態が防止さ
れる。
【0013】この発明において、具体的には、汚染検出
回路の動作制御のために、クロックに基づいて、前記位
相検出回路を周期的に活性化する活性化信号、及び各活
性化信号の中間タイミングで汚染検出のエラー信号をサ
ンプリングするためのサンプリング信号、及び各サンプ
リング信号の中間タイミングで前記汚染検出回路に保持
されたエラー信号をリセットするリセット信号を発生す
るタイミング信号発生回路を備えることが必要になる。
そして、汚染検出回路は、位相変調信号の一方のエッジ
で周期的にリセットされて位相変調信号の時間計測を行
うタイマと、このタイマの出力を前記サンプリング信号
により取り込んでエラー信号として保持するラッチ回路
とを備えて構成される。
【0014】更に具体的には、汚染検出回路のタイマと
しては、位相変調信号の“L”レベル期間を測定するも
のと、“H”レベル期間を測定するものとの2系統を設
けることが好ましい。この場合、これらの2系統のタイ
マにより得られる出力信号は、オア論理をとって、エラ
ー信号としてラッチ回路により保持される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の実施例を説明する。図1は、この発明の実施例による
絶対測定用の静電容量式変位測定装置の構成を示す。静
電容量式変位センサ1は、スケール1aとこれに対抗す
るスライダ1bにより構成される。スライダ1bには交
流駆動信号が与えられる送信電極と受信電極が形成さ
れ、スケール1aには、スライダ1bの送信電極及び受
信電極と容量結合する転送電極が所定ピッチで配列形成
される。これらの電極配列の説明は省くが、この実施例
の場合変位センサ1は、スライダ1bとスケール1aの
相対移動により、粗いピッチ(粗スケール)の周期信号
COA.ANと、細かいピッチ(密スケール)の周期信
号FIN.AN及びその中間のピッチ(中スケール)の
周期信号MED.ANの3トラックの周期信号(正弦波
状信号)を出力するように構成される。
【0016】これらの周期信号COA.AN,MED.
AN,FIN.ANは、位相検出回路2により復調され
位相検出されて、エッジに絶対位置情報を含む、粗、中
及び密スケールの矩形波の位相変調信号COA.CM
P,MED.CMP及びFIN.CMPが得られる。更
にこれらの位相変調信号COA.CMP,MED.CM
P及びFIN.CMPは合成回路3に送られて、所定の
演算処理により3トラックの情報が合成され、絶対位置
出力が得られる。この絶対位置出力は、表示部4に表示
される。
【0017】以上の基本信号処理回路に加えて、汚染検
出回路5と、そのタイミング制御を行うタイミング信号
発生回路6を有する。タイミング信号発生回路6は、ク
ロック発生器7により発生される基本クロックに基づい
て、各種タイミング信号を発生する。汚染検出回路5
は、この実施例の場合、位相検出回路2から出力される
位相変調信号の周期測定を行うことにより汚染を検出す
る。詳細は後述するが、この実施例では粗スケールの位
相変調信号COA.CMPの“L”期間、“H”期間を
タイマにより測定し、デューティ比が所定範囲を外れた
ことを判定してエラー信号を出力する。従ってタイミン
グ信号発生回路6が発生するタイミング信号には、汚染
検出のために位相検出回路2を周期的に活性化するため
の活性化信号ACT、汚染検出回路5を制御するタイマ
クロックTCK、エラーサンプリング信号ESMP、エ
ラーリセット信号ERS等が含まれる。
【0018】なおこの実施例において、3トラックの位
相変調信号のうち、粗スケールの位相変調信号COA.
CMPを汚染検出のための周期測定に利用するのは、変
位センサの通常動作においてこれが最も周期変化が小さ
いためである。即ち、変位センサの移動速度が大きくな
ると、位相変調信号の周期は小さくなるという関係があ
り、密スケールの位相変調信号FIN.CMPではその
移動速度の影響が最も大きく、中スケールの位相変調信
号MED.CMPがこれに続く。従ってこれらの密或い
は中スケールの位相変調信号の周期変化を測定して汚染
検出を行おうとすると、通常動作でエラー信号を発生す
る事態が生じる。これに対して、粗スケールの位相変調
信号は、通常動作での周期変動が小さいため、汚染検出
に有効利用できるのである。
【0019】図1において、一点鎖線で囲んだ範囲、即
ち位相検出回路2、合成回路3、汚染検出回路5、タイ
ミング信号発生回路6及びクロック発生器7の部分は、
カスタムICとして構成される。位相検出回路2からの
位相変調信号の出力端子は、外部からモニターする必要
があるため、それぞれICのモニター端子M1〜M3に
接続される。また汚染検出回路5の出力端子もICのエ
ラー信号端子EOUTとして取り出される。
【0020】そしてこの実施例では、上述のエラー信号
端子EOUTと、粗スケール用位相変調信号COA.C
MPのモニター端子M1の間に、トランジスタ8を外付
けするか否かにより、エラーの自動解除と意図的解除の
切り換えを可能としている。トランジスタ8はこの実施
例の場合、NMOSトランジスタである。このトランジ
スタ8を外付けする場合には、図示のように、ゲートを
エラー信号端子EOUTに、ドレインをモニター端子M
1にそれぞれ接続し、ソースを接地する。これにより、
エラー信号端子EOUTに“H”レベルのエラー信号が
得られた場合にトランジスタ8はオンして、モニター端
子M1、即ち粗スケール用位相変調信号COA.CMP
の端子を接地電位に固定する。このトランジスタ8を外
付けした状態が、自動的にはエラー解除されない、意図
的エラー解除のモードとなる。
【0021】汚染検出回路5は、図2に示すように、2
系統のタイマ21a,21bを用いて構成される。一方
のタイマ21aは、位相変調信号COA.CMPの
“L”レベル期間を測定するためのものであり、他方の
タイマ21bは同じく位相変調信号COA.CMPの
“H”レベル期間を測定するためのものである。これら
のタイマ21a,21bがある設定された時間を超えた
ときに出す出力が基本的にエラー信号であり、これを保
持するためのそれぞれ2段のラッチ22a,23a,2
2b,23bを有する。更にラッチ23a,23bの出
力のいずれかが“H”であることを検知するオアゲート
24と、このオアゲート24の出力を保持してエラー信
号を出力するラッチ25が設けられている。
【0022】タイマ21aは、粗スケールの位相変調信
号COA.CMPが“H”のときリセット状態を保ち、
“L”のときタイマクロックTCKをカウントして時間
計測を行う。タイマ21bは、粗スケールの位相変調信
号COA.CMPがインバータIにより反転してリセッ
ト信号として与えられる。従って、粗スケールの位相変
調信号COA.CMPが“H”の時間計測を行うことに
なる。
【0023】図3は、タイミング信号発生回路6による
タイミング信号発生の様子を示している。タイミング信
号発生回路6には、クロック発生器7から発生される基
本クロック(原発振クロック)を順次1/2分周して、
分周出力a,b,c,…を得る分周回路と、これらの分
周出力を組み合わせて各種タイミング信号を生成するゲ
ート群により構成される。例えば、位相検出回路6を周
期的に駆動する活性化信号ACTは、分周出力d,eの
NOR論理により得られ、分周出力eの周期を持ち、そ
の“H”レベル期間が位相検出回路2を駆動する汚染検
出期間となる。
【0024】図2のエラー検出結果の信号を保持するラ
ッチ25に供給されるエラーサンプリング信号ESMP
は、分周出力a,b,c,dと、/eのNOR論理によ
り得られ、活性化信号ACTと同じ周期で活性化信号A
CTが“H”になる期間の中間に発生される。また、図
2のラッチ23a,23bをリセットするエラーリセッ
ト信号ERSは、分周出力a,b,c,d,eのNOR
論理により得られ、エラーサンプリング信号ESMPを
補間するタイミングで周期的に発生される。但し図3
は、タイミング信号発生の動作を原理的に説明したもの
で、実際の汚染検出の周期は、必要に応じて最適設定さ
れる。
【0025】この実施例による汚染検出の動作を、正常
時の動作と比較しながら次に説明する。図4は、変位セ
ンサの出力信号COA.ANの振幅が大きい正常時の場
合であり、図5は、出力信号COA.ANの振幅が小さ
い汚染状態での動作である。前述のように、変位センサ
が導電性液体により全体的に汚染されたような場合、正
常時に比べて図示のように変位センサ出力信号の振幅が
小さくなる。正常時は、この出力信号COA.ANをコ
ンパレータで矩形波に変換したとき、得られる位相変調
信号COA.ANは、図4に示すように、ほぼデューテ
ィ比が50%の信号波形となる。一方、汚染状態では、
位相変調信号COA.CMPは、デューティ比が50%
から大きくずれる。信号振幅の中心がコンパレータのし
きい値に一致していれば、振幅が小さくなっても原理的
にデューティ比の変化はない筈であるが、実際には図4
に示すように、信号振幅の中心Aとコンパレータのしき
い値Bの間にオフセットがあるために、この様なデュー
ティ比の変化が生じる。
【0026】汚染検出回路5のタイマ21a,21bは
それぞれ、位相変調信号COA.CMPの“L”レベル
期間と“H”レベル期間を測定することになる。具体的
にタイマ21a,21bは、図4及び図5に示したよう
に、タイマクロックTCKを順次分周した内部信号,
,…を出す。図4に示すように、位相変調信号CO
A.CMPのデューティ比が50%であれば、タイマ2
1a,21bは、内部信号が“H”になる前に、位相
変調信号COA.CMPのエッジでリセットされる。従
って、図4の正常時には、タイマ21a,21bの内部
信号は、“L”のまま、計数動作とリセットを繰り返
す。
【0027】一方、汚染状態は、例えば位相変調信号C
OA.CMPのデューティ比が25〜75%の範囲を外
れた場合というように定め、またその範囲を外れたとき
には、タイマ21a,21bのいずれかの内部信号が
“H”になるように設定したとする。図5では、位相変
調信号COA.CMPの“L”期間が長く、タイマ21
aの内部信号が“H”になる様子を示している。この
内部信号=“H”が事実上のエラー信号となる。具体
的には、内部信号が初段ラッチ22aのクロックとな
り、その初段ラッチ22aの出力が2段目ラッチ23a
のクロックとなる。初段ラッチ22aはクロックの立ち
上がりでデータをラッチし、2段目ラッチ23aはクロ
ックの立ち下がりでデータをラッチするものとすれば、
タイマ21aの内部信号が“H”になると、初段ラッ
チ22aが“H”を保持する。ラッチ22aとタイマ2
1aは、位相変調信号COA.CMPが“H”になるこ
とによりリセットされるが、これにより2段目のラッチ
23aが“H”をラッチする。このラッチ23aの
“H”データは、エラーリセットERSによりリセット
されるまで保持され、その間にエラーサンプリング信号
ESMPが発生されるから、ラッチ25に転送保持され
てエラー信号として出力される。エラー信号は表示部4
にも送られて、エラー表示がなされる。
【0028】以上のようにこの実施例においては、粗ス
ケールの位相変調信号COA.CMPの周期測定により
汚染検出を行っている。この汚染検出方式は、実質的に
変位センサの出力振幅の低下を検出するものであり、変
位センサ全体が導電性液体により汚染された状態を確実
に検出することが可能になる。しかも、汚染検出回路
は、変位センサの出力の振幅変化をアナログ的に検出す
るものではなく、ディジタル的に位相変調信号の周期測
定を行う方式を用いているので、カスタムIC内に組み
込むことが容易である。
【0029】次に、図1示すに外付けトランジスタ8に
よるエラーの解除モードについて説明する。図3で説明
したようにこの実施例では、汚染検出は活性化信号AC
Tにより周期的に行われ、それらの中間点でエラーサン
プリング信号ESMPによりエラー検出結果をサンプリ
ングしている。従ってエラー信号が出されると、その状
態は次のエラーサンプリング信号SEMPが発生されま
で継続する。もし、図1に示すように、外付けトランジ
スタ8を接続しない場合には、汚染エラーの要因が除か
れると、次のエラーサンプリング信号ESMPでは、エ
ラー信号は“L”に戻り、エラー状態は自動解除され
る。
【0030】これに対して、図1示すようににトランジ
スタ8を外付けした場合は、エラーの自動解除はできな
い状態となる。即ちこのとき、エラー信号が発生される
と、前述のようにモニター端子M1即ち、位相変調信号
COA.CMPの端子が強制接地される。これにより、
タイマ21aはリセットされることなく、常時計数状態
になり、繰り返しエラー信号を出す条件となる。つま
り、汚染エラーの要因が除去されたとしても、エラーサ
ンプリングESMPが発生される度にエラー信号をサン
プリングすることになり、トランジスタ8を取り外さな
い限り、エラーは解除されない。これが、意図的なエラ
ー解除のモードである。
【0031】この実施例によるエラーの自動解除モード
と意図的解除モードの切り換えは、カスタムICとして
従来より必要とされている端子にトランジスタを外付け
するか否かにより行われるので、カスタムICにモード
切り替えのため格別な端子を追加する必要がない。従っ
て、カスタムICを小型で且つ低コストに作ることが可
能になる。
【0032】
【発明の効果】以上述べたようにこの発明によれば、導
電性液体の全体的な侵入等による汚染を確実に検出する
ことを可能とした汚染検出回路を持つ絶対測定用の静電
容量式変位測定装置を得ることができる。またこの発明
によれば、汚染検出によるエラーの自動解除モードと意
図的解除モードの切り換えを信号処理ICに設定端子を
追加することなく可能とした絶対測定用の静電容量式変
位測定装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例による静電容量式変位測定
装置の構成を示す図である。
【図2】 同実施例の汚染検出回路の構成を示す図であ
る。
【図3】 同実施例の汚染検出のためのタイミング信号
発生の様子を示す図である。
【図4】 同実施例の装置の正常時の汚染検出回路の動
作を説明するためのタイミング図である。
【図5】 同実施例の装置の汚染時の汚染検出回路の動
作を説明するためのタイミング図である。
【符号の説明】
1…静電容量式変位センサ、2…位相検出回路、3…合
成回路、4…表示部、5…汚染検出回路、6…タイミン
グ信号発生回路、7…クロック発生器、8…外付けトラ
ンジスタ、21a,21b…タイマ、22a,22b,
23a,23b,25…ラッチ、24…オフゲート。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二つの部材の相対移動に伴う容量変化に
    対応して絶対位置情報を含む周期信号を出力する静電容
    量式変位センサと、 この静電容量式変位センサから出力される周期信号の位
    相検出を行って、エッジに絶対位置情報を含む矩形波の
    位相変調信号を出力する位相検出回路と、 この位相検出回路から出力される位相変調信号を処理し
    て絶対位置を求める演算回路と、 前記位相検出回路から出力される位相変調信号を監視
    し、位相変調信号のデューティ比が所定範囲を外れたこ
    とを汚染状態として検出してエラー信号を出力する汚染
    検出回路と、 を備えたことを特徴とする静電容量式変位測定装置。
  2. 【請求項2】 前記位相検出回路、演算回路及び汚染検
    出回路を含んで信号処理ICが構成され、前記信号処理
    ICは、前記位相検出回路からの位相変調信号をモニタ
    ーするモニター端子、及び前記汚染検出回路からのエラ
    ー信号を出力するエラー信号端子を有し、 前記エラー信号端子に出力されるエラー信号により駆動
    されて前記モニター端子を強制的に電位固定するための
    トランジスタを外付けするか否かにより、エラーが自動
    的に解除されるモードと自動的には解除されないモード
    とを切り換えるようにしたことを特徴とする請求項1記
    載の静電容量式変位測定装置。
  3. 【請求項3】 前記静電容量式変位センサは、少なくと
    も粗いピッチと細かいピッチの2トラックの周期信号を
    出力するものであり、 前記汚染検出回路は、前記位相検出回路から得られる前
    記粗いピッチの周期信号に対応する位相変調信号を監視
    して汚染検出を行うものであることを特徴とする請求項
    1又は2記載の静電容量式変位測定装置。
  4. 【請求項4】 クロックに基づいて、前記位相検出回路
    を周期的に活性化する活性化信号、及び各活性化信号の
    中間タイミングで汚染検出のエラー信号をサンプリング
    するためのサンプリング信号、及び各サンプリング信号
    の中間タイミングで前記汚染検出回路に保持されたエラ
    ー信号をリセットするリセット信号を発生するタイミン
    グ信号発生回路を更に備え、 前記汚染検出回路は、前記位相変調信号の一方のエッジ
    で周期的にリセットされて前記位相変調信号の時間計測
    を行うタイマと、このタイマの出力を前記サンプリング
    信号により取り込んでエラー信号として保持するラッチ
    回路とを有することを特徴とする請求項1乃至3のいず
    れかに記載の静電容量式変位測定装置。
  5. 【請求項5】 クロックに基づいて、前記位相検出回路
    を周期的に活性化する活性化信号、及び各活性化信号の
    中間タイミングで汚染検出のエラー信号をサンプリング
    するためのサンプリング信号、及び各サンプリング信号
    の中間タイミングで前記汚染検出回路に保持されたエラ
    ー信号をリセットするリセット信号を発生するタイミン
    グ信号発生回路を更に備え、 前記汚染検出回路は、前記位相変調信号の立ち上がりエ
    ッジで周期的にリセットされて前記位相変調信号の
    “L”レベルの時間計測を行う第1のタイマと、前記位
    相変調信号の立ち下がりエッジで周期的にリセットされ
    て前記位相変調信号の“H”レベルの時間計測を行う第
    2のタイマと、これらのタイマの出力のオア論理出力を
    前記サンプリング信号により取り込んでエラー信号とし
    て保持するラッチ回路とを有することを特徴とする請求
    項1乃至3のいずれかに記載の静電容量式変位測定装
    置。
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