JP2001003830A - 内燃機関の油圧式インジェクタ - Google Patents

内燃機関の油圧式インジェクタ

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JP2001003830A
JP2001003830A JP11168639A JP16863999A JP2001003830A JP 2001003830 A JP2001003830 A JP 2001003830A JP 11168639 A JP11168639 A JP 11168639A JP 16863999 A JP16863999 A JP 16863999A JP 2001003830 A JP2001003830 A JP 2001003830A
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JP
Japan
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pressure
fuel
return spring
chamber
idling
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JP11168639A
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English (en)
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Toshitaka Minami
利貴 南
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Isuzu Motors Ltd
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Isuzu Motors Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、アイドリング時とそれ以外の噴射
時とで、増圧ピストンおよびプランジャの戻しばねのば
ね力を切換えることにより、従来の噴射特性を損なわ
ず、アイドリングに適したばね力を確保するようにした
内燃機関の油圧式インジェクタを提供する。 【解決手段】 油圧式インジェクタの増圧ピストンおよ
びプランジャの戻しばねをアイドリングに適したばね力
を有する第1の戻しばねと、アイドリング以外で上記第
1の戻しばねと協同して高速回転でも正常に燃料噴射で
きるようにばね力を設定した第2の戻しばねとから構成
したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、燃料圧を増圧す
る増圧室を有する内燃機関の油圧式インジェクタに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、多気筒内燃機関の油圧式インジェ
クタを採用した高圧燃料噴射装置には、電子回路によっ
て噴射量、噴射時期等の制御を行なう燃料噴射方式(コ
モンレール噴射システム)、噴射ポンプから共通の通路
及び蓄圧室を経て各燃焼室に燃料を分配する蓄圧式噴射
方式(アキュームレータ噴射システム)等がある。
【0003】上述のような高圧燃料噴射装置に採用され
ているインジェクタとして、例えば特開平9−2176
63号公報に開示されたものがある。この油圧式インジ
ェクタは、燃料噴射行程において燃料流量特性を可変的
に制御することにより、内燃機関の燃焼騒音やCO2
のエミッションを低減させるものである。
【0004】ところで、上記油圧式インジェクタ1は図
4に示すように、ノズル本体2、ばね収納部20、スペ
ーサ本体21、バレル5、インジェクタ本体4、ソレノ
イド本体3からなる本体と、その外周部に嵌合装着され
るケース6とから構成されている。更に詳述すれば、噴
孔13を有しかつその噴孔13を開閉する針弁23を摺
動自在に挿入してなるノズル本体2、針弁23の戻しば
ねであるノズルスプリング18を内設したばね収納部2
0、増圧室7からノズル本体2に燃料を導く燃料通路2
2を形成したスペーサ本体21、開口14a,14bを
有する仕切板14、中央部下部に増圧室7を形成し、増
圧ピストン9のプランジャ24を摺動自在に挿入し、外
周部に後述のケース6との間にシール材5a等を介して
密封的に燃料チャンバ26を形成したバレル5、下方凹
部41に増圧ピストン9、戻しばね17、プランジャ2
4の上部を摺動自在に挿入し、その上方に高圧の作動油
が供給される圧力室8を形成し、かつ上方凹部42には
高圧作動油の供給を制御する制御弁であるポペット弁1
6、戻しばね19、ポペットスリーブ31を摺動自在に
挿入し、さらにその側部に上記圧力室8に連通する油圧
通路44及び作動油供給口45を形成したインジェクタ
本体4、上記インジェクタ本体4の上端にねじ結合3a
によって固定され、作動油のドレン通路32を形成し、
その上部に装着したソレノイドケース部34内に、上記
ポペット弁16に固定されたアーマチャ33、後述のコ
ントローラ50(図3)からの指令で付勢されるソレノ
イド10を配設したソレノイド本体3、一端を上記ノズ
ル本体2にシール材を介して密封的に係止し、他端をイ
ンジェクタ本体4にねじ結合6aによって固定され、後
述の燃料供給パイプ51と連通する燃料供給口11と燃
料排出口12とを形成したケース6とから構成されてい
る。
【0005】また、ノズル本体2には、針弁23の周囲
に燃料溜り24が形成されていて、増圧室7とスペーサ
本体21に形成された燃料通路22、ばね収納部20に
形成された燃料通路22、ノズル本体2に形成された燃
料通路22によって連通され、増圧によって高圧化され
た燃料が供給されるようになっている。
【0006】また、スペーサ本体21の増圧室7への燃
料供給側の燃料通路22aには、ボール型逆止弁15が
設置されている。
【0007】上述のように構成された油圧式インジェク
タ1を採用した内燃機関の燃料噴射装置及びその燃料噴
射装置への燃料供給システムとして、図3に示すものが
知られている。内燃機関の気筒毎に配設された油圧式イ
ンジェクタ1は、燃料供給のための共通の燃料供給パイ
プ51が連結されている。燃料供給パイプ51には、燃
料ポンプ53の駆動によって燃料タンク52の燃料が燃
料フィルタ54を通じて供給される。燃料供給パイプ5
1は、各インジェクタ1に連通し、燃料回収通路55を
通じて燃料タンク52に回収される。即ち、インジェク
タ1は、その燃料供給口11と燃料排出口12とが所定
圧の燃料が常に供給されている燃料供給パイプ51に配
置されているものである。また、インジェクタ1の噴孔
13の開閉は、ソレノイド10の制御によって行なわれ
る。
【0008】インジェクタ1への燃料圧の増圧のため
に、高圧の作動油を圧力室8へ供給されるように構成さ
れている。各インジェクタ1はその作動油供給口45が
共通の高圧油マニホールド56にそれぞれ連結されてお
り、その高圧油マニホールド56には、オイルタンク5
7からの作動油がオイルポンプ58の作動によって油供
給路61を通じて供給されるようになっており、油供給
路61の途中には、オイルクーラ59やオイルフィルタ
60が設けられている。さらに、油供給路61は、内燃
機関のオイルギャラリ62に連通する潤滑系油路67と
インジェクタ1の圧力室8に連通する作動油系油路66
に分岐されている。作動油系油路66には、高圧オイル
ポンプ63が設けられ、高圧オイルポンプ63から高圧
油マニホールド56への作動油の供給は流量制御弁61
を介してコントロールされるようになっている。コント
ローラ50は、内燃機関の回転数を検出する回転数セン
サ68、アクセルペダルの開度量を検出するアクセル開
度センサ69、クランクの回転角を検出するクランク角
センサ70などの検出信号を基に、流量制御弁64の制
御とインジェクタ1のソレノイド10の制御を行なうよ
うになっている。
【0009】コントローラ50からの指令でソレノイド
10が付勢されると、アーマチャ33が吸着され、アー
マチャ33が固定されているポペット弁16が戻しばね
19のばね力に抗してリフトする。ポペット弁16がリ
フトすると、作動油供給口45と弁室でもある上方凹部
42を介して内部の油圧通路44が連通し、高圧油マニ
ホールド56からの高圧作動油油圧通路44を通じて圧
力室8に供給される。圧力室8に高圧作動油が供給され
ると、増圧ピストン9の上面に作動圧を付勢する。一方
燃料は、バレル5に形成された燃料供給口11から増圧
室7に供給されている。
【0010】増圧ピストン9が作動油の付勢により下降
すると、増圧室7内の燃料が増圧される。増圧室7の燃
料が増圧されると、その燃料圧はノズルスプリング18
のばね力に抗して針弁23をリフトさせる。針弁23の
リフトにより噴孔13が開口し、高圧の燃料が各燃焼室
へ噴射される。ソレノイド10の付勢が解放すると、戻
しばね19のばね力でポペット弁16が下降し、ドレン
通路32を通じて圧力室8の高圧作動油は排出される。
圧力室8の高圧作動油が排出されると、増圧ピストン
9、プランジャ24が戻しばね17のばね力で元に復帰
し、増圧室7は燃料供給パイプ51内の圧力と同圧にな
り、針弁23にかかる燃料圧が低下し、ノズルスプリン
グ18のばね力で針弁23は噴孔13を閉鎖する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のイン
ジェクタでは、増圧ピストン9の戻しばね17のばね力
は内燃機関の回転数によって最大力が決まってしまうの
で、最高回転で適合するよう強くしてある。したがっ
て、アイドリング時のように、油圧が低くかつ噴射量が
少ない運転状態では、戻しばね17のばね力が強いと増
圧ピストン9の動きがにぶくなり、噴射量が安定しなく
なるという問題があった。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は、上記
の問題を解決することにあり、アイドリング時とそれ以
外の噴射時とで増圧ピストンおよびプランジャの戻しば
ねのばね力を切換えることにより、従来のアイドリング
時以外における噴射特性を損なわず、アイドリングに適
したばね力を確保するようにした油圧式インジェクタを
提供することである。
【0013】この発明は、先端に噴孔を有する本体、燃
料供給パイプに開口する燃料供給口と燃料排出口とが形
成され且つ上記本体の外側に燃料チャンバを形成するよ
うに密封的に隙間を形成して嵌合されたケース、上記燃
料チャンバから供給された燃料を増圧する上記本体内に
形成された増圧室、上記増圧室から上記噴孔へ燃料を供
給する上記本体に形成された燃料通路、上記本体内に摺
動自在に挿入されて燃料圧によって上記噴孔を開口する
針弁、上記噴孔を閉鎖する方向に上記針弁をばね力で付
勢するノズルスプリング、上記増圧室の燃料を増圧する
増圧ピストンおよびプランジャ、上記増圧ピストンの上
端部に高圧作動油を付与するため高圧作動油が供給され
る圧力室、上記圧力室に高圧作動油の供給を制御する制
御弁を具備し、上記増圧ピストンおよびプランジャを上
記圧力室側に付勢する戻しばねをアイドリングに適した
ばね力を有する第1の戻しばねと、アイドリング以外で
上記第1の戻しばねと協同して高速回転でも正常に燃料
噴射できるようにばね力を設定された第2の戻しばねと
から構成してなる内燃機関の油圧式インジェクタであ
る。
【0014】また、この内燃機関の油圧式インジェクタ
では、上記第2の戻しばねの長さを上記第1の戻しばね
のアイドリングの噴射量に相等するプランジャストロー
ク分だけ短く設定されている。
【0015】この内燃機関の油圧式インジェクタは、上
述のように、増圧ピストンおよびプランジャの戻しばね
をアイドリングに適したばね力を有する第1の戻しばね
と、アイドリング以外で上記第1の戻しばねと協同して
高速回転でも正常に燃料噴射できるようにばね力を設定
した第2の戻しばねとから構成したので、アイドリング
時においても、増圧ピストンおよびプランジャがスムー
ズに作動し、インジェクタの燃料噴射が正常に行なわ
れ、内燃機関のアイドリング回転が安定化するととも
に、CO2 の発生、騒音の発生が低減できる。また、ア
イドリグ以外では、第1の戻しばねと第2の戻しばねの
協同によりばね力が増し、高圧となった作動油圧と適合
し、燃料噴射特性が損なわれることがない。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面により,この発明の内
燃機関の油圧インジェクタの実施例を説明する。図1お
よび図2に示すこの発明による内燃機関の油圧式インジ
ェクタは、図4の従来例と比較して、増圧ピストンおよ
びプランジャの戻しばねの構成が異なる以外は、同一構
成および機能を有するので、同一部品に対しては同一の
符号を符し、同一構成についての詳細な説明は省略す
る。
【0017】この内燃機関の油圧式インジェクタは、図
3に示す燃料供給システムに組み込んで適用されるもの
であり、内燃機関の各気筒に配設されている。この実施
例では、図1、図2により1個の油圧式インジェクタに
ついて説明する。
【0018】インジェクタ本体4およびバレル5に摺動
自在に挿入された増圧ピストン9およびプランジャ24
の戻しばね70を、内燃機関の回転数が低いめたに、油
圧が低くかつ燃料噴射量が少ないアイドリング時でも増
圧ピストン9およびプランジャ24の作動が安定するよ
うに、ばね定数を従来の戻しばねより大幅に小さく設定
して、アイドリングに適したばね力を有する第1の戻し
ばね71と、アイドリング以外で第1の戻しばね71と
協同して高速回転により油圧が充分に高い運転時でも増
圧ピストン9およびプランジャ24の作動が安定し、正
常噴射できるようにばね力を設定した第2の戻しばね7
2とを同心的に併設したものである。
【0019】第2の戻しばね72の長さは、第1の戻し
ばね71のアイドリングにおける噴射量に相等するプラ
ンジャストローク分hだけ短く設定されている。上述の
ように、増圧ピストン9およびプランジャ24の戻しば
ね70を、第1の戻しばね71と第2の戻しばね72と
から2重に構成したので、アイドリングにおいては、内
燃機関の回転数が低く、作動油の油圧も低い状態にある
が、ばね定数の小さい第1の戻しばね71のみが戻しば
ねとして作用するので、増圧ピストン9およびプランジ
ャ24の作動がスムーズとなり、インジェクタ1の燃料
噴射量も安定する。よって、アイドリングにおける内燃
機関の回転も安定するとともに、CO2発生や騒音発生
も低減される。
【0020】次に、内燃機関の回転が上昇し、アイドリ
ング以外の中回転や高速回転域においては、作動油の油
圧も回転の上昇に伴い高圧となるが、第1の戻しばね7
1のみが作用するプランジャストローク分hを超えて、
第1の戻しばね71とともに、第2の戻しばね72も同
時に作用するので、両者のばね力が増し、高圧となった
作動油圧と適合し、増圧ピストン9およびプランジャ2
4の作動も安定し、インジェクタ1の燃料噴射も正常に
行なわれる。よって、従来のアイドリング時以外におけ
る噴射特性が損なわれることがなく、内燃機関の出力も
確保される。
【0021】
【発明の効果】この発明による内燃機関の油圧式インジ
ェクタは、増圧ピストンおよびプランジャの戻しばねを
アイドリングに適したばね力を有する第1の戻しばね
と、アイドリング以外で上記第1の戻しばねと協同して
高速回転でも正常に燃料噴射できるようにばね力を設定
した第2の戻しばねとから構成したので、アイドリング
時においても、増圧ピストンおよびプランジャがスムー
ズに作動し、インジェクタの燃料噴射が正常に行なわ
れ、内燃機関のアイドリング回転が安定化するととに
も、CO2 の発生、騒音の発生が低減できる。
【0022】また、アイドリング以外では、第1の戻し
ばねと第2の戻しばねの協同によりばね力が増すので、
高圧となった作動油圧と適合し、増圧ピストンおよびプ
ランジャの作動も安定し、インジェクタの燃料噴射も正
常に行なわれ、内燃機関の出力も確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による内燃機関の油圧式インジェクタ
の一実施例を示す断面図である。
【図2】上記図1におけるA部の拡大断面図である。
【図3】油圧式インジェクタを採用した燃料供給システ
ムを示す概略系統図である。
【図4】従来の内燃機関の油圧式インジェクタを示す断
面図である。
【符号の説明】
1 油圧式インジェクタ 2 ノズル本体 3 ソレノイド本体 4 インジェクタ本体 5 バレル 6 ケース 7 増圧室 8 圧力室 9 増圧ピストン 10 ソレノイド 13 噴孔 24 プランジャ 70 戻しばね 71 第1の戻しばね 72 第2の戻しばね

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端に噴孔を有する本体、燃料供給パイ
    プに開口する燃料供給口と燃料排出口とが形成され且つ
    上記本体の外側に燃料チャンバを形成するように密封的
    に隙間を形成して嵌合されたケース、上記燃料チャンバ
    から供給された燃料を増圧する上記本体内に形成された
    増圧室、上記増圧室から上記噴孔へ燃料を供給する上記
    本体に形成された燃料通路、上記本体内に摺動自在に挿
    入されて燃料圧によって上記噴孔を開口する針弁、上記
    噴孔を閉鎖する方向に上記針弁をばね力で付勢するノズ
    ルスプリング、上記増圧室の燃料を増圧する増圧ピスト
    ンおよびプランジャ、上記増圧ピストンの上端部に高圧
    作動油を付与するため高圧作動油が供給される圧力室、
    上記圧力室に高圧作動油の供給を制御する制御弁を具備
    し、上記増圧ピストンおよびプランジャを上記圧力室側
    に付勢する戻しばねをアイドリングに適したばね力を有
    する第1の戻しばねと、アイドリング以外で上記第1の
    戻しばねと協同して高速回転でも正常に燃料噴射できる
    ようにばね力を設定された第2の戻しばねとから構成し
    たことを特徴とする内燃機関の油圧式インジェクタ。
  2. 【請求項2】 上記第2の戻しばねの長さを上記第1の
    戻しばねのアイドリングの噴射量に相等するプランジャ
    ストローク分だけ短く設定したことを特徴とする請求項
    1記載の内燃機関の油圧式インジェクタ。
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