JP2001003285A - ケーブル延線用ロープ - Google Patents

ケーブル延線用ロープ

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JP2001003285A
JP2001003285A JP11171694A JP17169499A JP2001003285A JP 2001003285 A JP2001003285 A JP 2001003285A JP 11171694 A JP11171694 A JP 11171694A JP 17169499 A JP17169499 A JP 17169499A JP 2001003285 A JP2001003285 A JP 2001003285A
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cable
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resin
extension
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JP11171694A
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Akira Sano
章 佐野
Akira Murata
暁 村田
Keiji Ohashi
圭二 大橋
Suehiro Miyamoto
末広 宮本
Takashi Matsuzawa
隆志 松澤
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Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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    • D07ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
    • D07B1/00Constructional features of ropes or cables
    • D07B1/16Ropes or cables with an enveloping sheathing or inlays of rubber or plastics
    • D07B1/162Ropes or cables with an enveloping sheathing or inlays of rubber or plastics characterised by a plastic or rubber enveloping sheathing
    • DTEXTILES; PAPER
    • D07ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
    • D07B2401/00Aspects related to the problem to be solved or advantage
    • D07B2401/20Aspects related to the problem to be solved or advantage related to ropes or cables
    • D07B2401/205Avoiding relative movement of components

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ケーブルや管路との摩擦を低減してケーブル
の損傷を抑え、小さな牽引力でケーブルを牽引すること
ができ、かつ、ロープの口出しがしやすく牽引時のロー
プと樹脂被覆の剥離や座屈が起こらないケーブル延線用
ロープを提供する。 【解決手段】 繊維11を撚ってなるロープ13の周上
に樹脂被覆14が設けられ、ロープ13と樹脂被覆14
の密着力が2.0〜9.9kg/cm2 の範囲であるこ
とを特徴とするケーブル延線用ロープ10である。ロー
プ13と樹脂被覆14の間には接着層を設けることもで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ケーブルを布設す
るために使用するケーブル延線用ロープに関し、特に既
存のケーブルや管路との摩擦を低減して既存のケーブル
の損傷を抑え、小さな牽引力でケーブルを牽引すること
ができ、かつ、ロープの口出しがしやすく牽引時におけ
るロープと樹脂被膜の剥離や座屈が起こらないケーブル
延線用ロープに関する。
【0002】
【従来の技術】電力ケーブル、光ケーブル、同軸ケーブ
ル等のケーブルの内、地下管路等に布設されるものの多
くはそのシースが難燃化されており、一般に、ポリエチ
レン等の樹脂に難燃剤として水酸化マグネシウム、水酸
化アルミニウム等を添加したもので構成されている。こ
のようなケーブルを、地下管路等の管路内に布設する場
合には、ケーブル延線用ロープ(以下、延線用ロープと
する)でケーブルを牽引することによって行われる。す
なわち、延線用ロープをあらかじめ管路に通しておき、
その延線用ロープの一方の末端に新たに布設するケーブ
ルを接続し、他方の末端を牽引することによって、布設
するケーブルを管路内に導入するようにしている。この
延線用ロープとしては、従来、ナイロン、ポリエステル
等の繊維を撚ってロープ状にしたものが使用されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の延線用ロープは繊維を撚ってロープ状にした
ものであるので、その表面は凹凸があり、滑らかではな
い。また、電力ケーブル、光ケーブル、同軸ケーブル等
のケーブルのシースには難燃性を付与するために水酸化
マグネシウム、水酸化アルミニウム等が添加されたもの
が用いられているために、シース強度が弱く、小さな摩
擦抵抗でシースが削りとられるという問題がある。この
ため、延線用ロープを用いてケーブルを管路に布設する
際に、管路内の既存のケーブルと延線用ロープとが交差
すると、その摩擦力で既存のケーブルのシースが摩耗損
傷し、ケーブルコアが露出したり、光ファイバが断線す
るといった事故が度々発生し、光ケーブル等の追加布設
が困難となる問題があった。そこで、延線用ロープに使
われる繊維に滑り性の良いものを用いる等、様々な改善
方法が試みられているが問題を解決できるようなものは
未だ見出されていない状態である。このため、近年の光
ファイバの需要の増加に応えるためには新規に管路を布
設することが必要であり、光通信の利用拡大を図る上で
大きな問題となっている。
【0004】そこで、こうした問題を解決するために種
々検討の結果、先きの特願平11ー145704号で提
案したように、繊維を撚ってなるロープの周上に樹脂被
覆を設けることにより問題を解決した。しかしながら、
このロープもケーブル布設の際に金車でしごかれたり、
牽引機で牽引された際に、ロープに被覆されている樹脂
の特性によってはシワなどを生じる問題のあることがわ
かった。即ち、延線用ロープはその用途によって、種々
の特性のものが用いられるが、そのロープに被覆される
樹脂との特性バランスが悪い時には延線時のしごきなど
により、樹脂被覆にシワを生じるなどの座屈現象が発生
する問題のあることがわかった。
【0005】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、ケーブルや管路との摩擦を低減してケーブルの損傷
を抑え、小さな牽引力でケーブルを牽引することがで
き、かつ、ロープの口出しがしやすく牽引時のロープと
樹脂被覆の剥離や座屈が起こらない延線用ロープを提供
することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる課題は、繊維を撚
ってなるロープの周上に樹脂被覆が設けられ、ロープと
樹脂被覆の密着力が2.0〜9.9kg/cm2 の範囲
であることを特徴とする延線用ロープによって解決され
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
図1に本発明の延線用ロープ10の断面図の一例を示
す。この延線用ロープ10はロープ13を中心に配し、
その周囲に樹脂被覆14を設けたもので、ロープ13と
樹脂被覆14の密着力が2.0〜9.9kg/cm2
範囲とされている。ロープ13は通常、多数の繊維11
を集め、束12を形成し、さらにその束12を撚り合わ
せたものからなっている。繊維11は柔軟性があって強
度に優れたものであることが望ましく、通常、ナイロ
ン、テトロン(商品名)、ダイニーマ(商品名)等の高
強度合成繊維が用いられるが、特に引っ張り強度に優れ
ていることから、好ましくはナイロンやテトロンが用い
られる。ロープ13を形成する繊維11の種類や本数等
は、牽引するケーブルの種類や重量に応じて適宜選択さ
れ、特に制限されるものではない。例えば、牽引張力が
150kgfのケーブルを牽引する場合には、1000
dの繊維11を4本集束したものを6本集束し、さらに
それを12本撚り合わせたもの等が用いられる。
【0008】樹脂被覆14は、延線用ロープ10を用い
て電力ケーブル、光ケーブル、同軸ケーブル等のケーブ
ルを管路内へ牽引する場合に、延線用ロープ10と管内
に既存のケーブルとの間の摩擦抵抗を低減して、ケーブ
ルシースの摩耗損傷を防止するとともに、延線用ロープ
10と管路との摩擦抵抗を低減して、小さな牽引力でケ
ーブルを牽引できるようにするためのものであって、ロ
ープ13の周上に形成される。樹脂被覆14に用いられ
る樹脂としては機械的強度と表面性に優れ、かつ押出成
形する際の押出特性に優れている樹脂が用いられる。そ
のような樹脂としては、通常、ポリエチレン、ポリ塩化
ビニル、ナイロン、ポリエステル、ポリアセタール、ポ
リプロピレン等が用いられ、好ましくはポリエチレンが
用いられる。ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等
特に制限はない。このようなポリエチレンとしては、例
えば、日本ユニカー製のDFDJ9301(商品名)が
用いられる。
【0009】このような樹脂を、樹脂被覆14に用いる
ことにより目的とする摩擦抵抗の低減効果は得られる
が、より一層の改善効果を得るためには、樹脂に滑剤を
配合した樹脂組成物を樹脂被覆14に用い、潤滑性樹脂
被覆とすることが好ましい。滑剤としては、通常、ステ
アリン酸アミド、オレイン酸アミド、エチレンビスアミ
ド、エルシン酸アミド等の脂肪酸アミドが用いられる
が、特に好ましくはステアリン酸アミド、エルシン酸ア
ミドが用いられる。このような滑剤は1種単独あるいは
2種以上を混合して用いてもよく、ポリエチレン100
重量部に対して、通常、0.01〜1重量部添加され
る。これは1重量部を超えると滑剤が表面に析出し、取
り扱い上問題が起き、0.01重量部未満では充分な滑
り効果が得られないためである。
【0010】また、樹脂被覆14を形成する樹脂には、
滑剤を添加しなくても延線用ロープ10と既存のケーブ
ルとの摩擦や、延線用ロープ10と管路との摩擦をより
低減することができる潤滑性樹脂を使用することもでき
る。潤滑性樹脂としてはシリコーン分散ポリエチレン、
フッ素樹脂分散ポリエチレン、シリコーングラフトポリ
エチレン、フッ素樹脂コーティングポリエチレン等が使
用される。これらの樹脂にはステアリン酸アミド等の滑
剤を添加する必要がないので、滑剤が樹脂被覆14の表
面に経時的にしみ出てくる、いわゆるブリードアウトが
起こらない。したがって、樹脂被覆14の表面を長期に
わたって滑らかで、潤滑性に富み、低摩擦性のものとす
ることができる。
【0011】本発明の延線用ロープ10は、上述のよう
にロープ13と樹脂被覆14の密着力が2.0〜9.9
kg/cm2 の範囲のものである。ここで、ロープ13
と樹脂被覆14の密着力とは、延線用ロープ10の引き
抜き試験によって得られた「張力−ロープの伸び」曲線
から求めた延線用ロープ10の降伏点を示す張力であ
る。図2は引き抜き試験方法を示す概略図であって、図
3はその引き抜き試験によって得られた「張力−ロープ
の伸び」曲線を概略的に示すグラフである。まず、延線
用ロープ10の引き抜き試験方法について図2を用いて
説明する。全長Ymmの延線用ロープ10の一方の末端
から樹脂被覆14を一部取り除き、樹脂被覆14を設け
た部分がXmmの長さである試験片となる延線用ロープ
10を用意する。この試験片を、金属製のパイプ21と
そのパイプ21の上部に取り付けられた金属製の固定ガ
イド22からなる試験用治具20内に収めた。パイプ2
1はXmm以上の長さを有し、その内径は試験片である
延線用ロープ10の外径と等しい大きさである。また、
パイプ21の下部は固定具24で台上に固定されてい
る。固定ガイド22には試験片のロープ13の外径と等
しい大きさの円形の穴23が開けられており、その穴2
3を試験片の樹脂被覆14が取り除かれた部分のロープ
13が通っている。
【0012】延線用ロープ10の引き抜き試験とは、パ
イプ21内に設置された延線用ロープ10の、樹脂被覆
14が設けられていない部分のロープ13を30mm/
minの速度で上方に引っ張って、ロープ13に張力を
加え、その時の張力とロープ13の伸びを測定すること
であって、この試験によって図3に示した「張力−ロー
プの伸び」曲線を得ることができる。樹脂被覆14は、
その末端14aが固定ガイド22によって上方に動かな
いようにされているので、延線用ロープ10は張力を加
えられてもパイプ21から抜けないようになっている。
このような固定ガイド22とパイプ21によって、延線
用ロープ10に張力を加えても樹脂被覆14はパイプ2
1内で原型が維持され、張力に対するロープ13の伸び
を安定に測定することができる。また、引き抜き試験に
おいてXの長さはロープ13の撚りの大きさ、すなわち
ピッチの長さの2倍以上であることが好ましい。これ
は、Xがピッチの長さの2倍未満では、試験結果が延線
用ロープ10の特性を充分に反映しないものとなる可能
性があるためである。例えばロープ13のピッチの大き
さが25mmである場合にはXは50mm程度、Yは7
5mm程度が好ましい。
【0013】ここでロープ13の伸びは、引き抜き試験
前のロープ13の上末端の位置を基準とし、張力を加え
たときのロープ13の上末端の位置までの距離をもって
定義する。このようにして張力を変化させたときのロー
プの伸びを測定し、図3の「張力−ロープの伸び」曲線
を得る。この曲線においては、張力のわずかな増加で急
激にロープ13の伸びが増加する点、すなわち降伏点が
存在する。降伏点は非弾性変形点であって、引き抜き試
験での張力が降伏点に達するとロープ13と樹脂被覆1
4は剥離し始める。したがって、本発明においてはロー
プ13と樹脂被覆14が剥離し始めるのに必要な張力、
すなわち降伏点張力をその延線用ロープ10のロープ1
3と樹脂被覆14の密着力と定義する。本発明の延線用
ロープ10は、このように定義された密着力が2.0〜
9.9kg/cm2 の範囲のものである。密着力が2.
0kg/cm2 未満の延線用ロープ10はケーブル牽引
時にロープ13と樹脂被覆14が剥離して破壊されやす
く、密着力が9.9kg/cm2 を超える延線用ロープ
10では、ロープ13と樹脂被覆14の密着力が大きす
ぎて、ロープ13の口出しがしにくい。
【0014】このような密着力を有する延線用ロープ1
0が得られる方法であれば、ロープ13の周上への樹脂
被覆14の形成方法に特に制限はないが、通常、樹脂を
押出成形機で押出被覆することによって行われる。押出
被覆は、樹脂が押出成形機の内部から外部へ押し出され
た後に常圧下でロープ13の周上に被覆されるパイプ押
出法や、樹脂が100〜500kg/cm 2 程度の加圧
下、すなわち押出成形機の内部でロープ13の周上に押
し出され被覆される充実押出法等によって行われる。一
般には、パイプ押出法で得られた延線用ロープ10に
は、ロープ13と樹脂被覆14の間に若干の空隙がで
き、充実押出法によって得られたものでは、ロープ13
と樹脂被覆14は密着し空隙は認められないので、樹脂
被覆14は充実押出法で押出被覆されることが好まし
い。
【0015】得られた樹脂被覆14の膜厚は、牽引する
ケーブルの種類や重量によって異なるが、通常、0.5
〜5mm、好ましくは1〜3mmである。これは5mm
を超えると、ロープの柔軟性が低下して、ケーブルを牽
引する際の操作性が悪くなるためであって、0.5mm
未満では充分なシース強度が得られないためである。
【0016】樹脂被覆14とロープ13の間には、ロー
プ13と樹脂被覆14の密着力を高め、密着力を2.0
〜9.9kg/cm2 の範囲とするために、図示略の接
着層を設けてもよい。接着層を形成する物質は、通常、
無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水イタコン酸変性
ポリエチレン等のグラフト重合体を含む樹脂や、アイオ
マー等の金属原子を含む樹脂であって、ロープ13の材
質に応じて好ましく選択される。例えば、ロープ13が
ポリエステルからなる場合は、そのぬれ性を考慮して、
好ましくは無水マレイン酸変性ポリエチレンを含む直鎖
状低密度ポリエチレン(LLDPE)が用いられる。こ
の樹脂中の無水マレイン酸変性ポリエチレンの割合は通
常0.5〜10重量%である。これは0.5重量%未満
では接着効果が得られず、一方、10重量%を超える
と、ロープ13と樹脂被覆14の密着力が9.9kg/
cm2 を超えて大きくなり、ロープ13の口出しがしに
くくなるためである。このような接着層は通常、樹脂被
覆14を形成する樹脂とともに、パイプ押出法、充実押
出法等の方法で押出被覆され形成される。
【0017】このような延線用ロープ10は、ロープ1
3の周上にポリエチレン等の樹脂被覆14が設けられた
ものであるので、延線用ロープ10と既存のケーブルと
の摩擦や、延線用ロープ10と管路との摩擦が小さく、
小さな牽引力でケーブルを牽引することができるので、
ケーブルを追加布設する際に既存のケーブルを摩耗損傷
させることなく布設することができる。また、樹脂被覆
14としては、樹脂に滑剤としてステアリン酸アミド等
の脂肪族アミドを添加したものや、シリコーン分散ポリ
エチレン等の潤滑性に優れたものを用いた場合には、布
設の際における既存のケーブルの摩耗損傷をより一層低
減させることができる。さらに、このような延線用ロー
プ10は、ロープ13と樹脂被覆14の密着力が2.0
〜9.9kg/cm2 の範囲であるので、ロープ13と
周囲の樹脂被覆14との密着性が優れていて、ケーブル
を長い距離にわたって牽引したり、繰り返し使用したり
してもロープ13と樹脂被覆14が剥離することがな
い、耐久性に優れたものであり、また、ケーブルと接続
する際には樹脂被覆14を剥して容易にロープ13の口
出しができるものである。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例をあげて具体的に説明
する。 実施例1 図1に示す延線ロープ10を以下のようにして作成し
た。30万デニールのポリエステル繊維11を撚り合わ
せて、ポリエステルロープ13を作成した。その上に、
ポリエチレン(商品名:DFDJ9301、日本ユニカ
ー製)を充実押出法で押出被覆して、ロープ径8mm、
ポリエチレン樹脂被覆14の膜厚1mmである直径10
mmの延線用ロープ10を作成した。この延線用ロープ
10を図2に示した方法で引っ張って引き抜き試験を行
い、得られた「張力−ロープの伸び」曲線から、この延
線用ロープ10の降伏点を示す張力、すなわち密着力を
求めた。このときX=50mm、Y=75mmとした。
その結果、この延線ロープ10は密着力が2.0kg/
cm2 であった。得られた延線ロープ10を用いてケー
ブルのしごき試験を図4に示した方法で行った。ケーブ
ル40は外径が30mmで、ケーブルコア上にポリエチ
レン100重量部に対して水酸化マグネシウムが100
重量部添加された樹脂からなる厚さ2mmのシースが形
成されたものを用いた。まず、延線用ロープ10をその
ロープの長さ方向に張力150kgfで引っ張りなが
ら、両端が固定具30で固定されたケーブル40に対し
て∠α=10゜になるように接触させた。ここで∠αは
延線用ロープ10とケーブル40のなす角度である。次
に上記∠αおよび張力を維持したまま、この延線用ロー
プ10をX方向に1m動かし、次にY方向1m動かし
て、ケーブル40と延線用ロープ10を摩擦させた。こ
のように摩擦させながら延線用ロープ10を合計100
m動かした。このようなしごき試験を行った後の延線用
ロープ10は、ロープ13と樹脂被覆14が剥離するこ
とがなく耐久性に優れていた。また、この延線用ロープ
10は容易に樹脂被覆14を剥して、ロープ13の口出
しをすることができた。
【0019】実施例2 実施例1と同様にしてポリエステルロープ13を作成
し、その上に、接着層として無水マレイン酸変性ポリエ
チレンを0.5重量%含むポリエチレン、樹脂被覆14
としてポリエチレン(商品名:DFDJ9301)を順
次パイプ押出法で被覆して、ロープ径8mm、ポリエチ
レン樹脂被覆14の膜厚1mm、直径10mmの図1に
示した延線用ロープ10を作成した。実施例1と同様に
してこの延線用ロープ10の引き抜き試験を行った結
果、この延線ロープ10は密着力が6.0kg/cm2
であった。得られた延線ロープ10を用いて実施例1と
同様にしてケーブル40のしごき試験を行った。このよ
うなしごき試験を行った後の延線用ロープ10は、ロー
プ13と樹脂被覆14が剥離することがなく耐久性に優
れていた。また、この延線用ロープ10は容易に樹脂被
覆14を剥して、ロープ13の口出しをすることができ
た。
【0020】実施例3 接着層を無水マレイン酸変性ポリエチレンを2重量%含
むポリエチレンとした以外は実施例2と同様にして、ロ
ープ径8mm、ポリエチレン樹脂被覆14の膜厚1m
m、直径10mmの図1に示した延線用ロープ10を作
成した。実施例1と同様にしてこの延線用ロープ10の
引き抜き試験を行った結果、この延線ロープ10は密着
力が8.0kg/cm2 であった。得られた延線ロープ
10を用いて実施例1と同様にしてケーブル40のしご
き試験を行った。このようなしごき試験を行った後の延
線用ロープ10は、ロープ13と樹脂被覆14が剥離す
ることがなく耐久性に優れていた。また、この延線用ロ
ープ10は容易に樹脂被覆14を剥して、ロープ13の
口出しをすることができた。
【0021】比較例1 充実押出法のかわりにパイプ押出法でポリエチレン樹脂
被覆を形成した以外は実施例1と同様にして、ロープ径
8mm、ポリエチレン樹脂被覆14の膜厚1mm、直径
10mmの図1に示した延線用ロープ10を作成した。
実施例1と同様にしてこの延線用ロープ10の引き抜き
試験を行った結果、この延線ロープ10は密着力が1.
0kg/cm2 であった。得られた延線ロープ10を用
いて実施例1と同様にしてケーブル40のしごき試験を
行った。このようなしごき試験を行った後の延線用ロー
プ10は、ロープ13と樹脂被覆14が剥離し、耐久性
が劣っていた。
【0022】比較例2 接着層を無水マレイン酸変性ポリエチレンを11重量%
含むポリエチレンとした以外は実施例2と同様にして、
ロープ径8mm、ポリエチレン樹脂被覆14の膜厚1m
m、直径10mmの図1に示した延線用ロープ10を作
成した。実施例1と同様にしてこの延線用ロープ10の
引き抜き試験を行った結果、この延線ロープ10は密着
力が10.0kg/cm2 であった。得られた延線ロー
プ10を用いて実施例1と同様にしてケーブル40のし
ごき試験を行った。このようなしごき試験を行った後の
延線用ロープ10は、ロープ13と樹脂被覆14が剥離
することがなく耐久性に優れていた。しかし、この延線
用ロープ10は樹脂被覆14とロープ13が強力に密着
しており、ロープ13の口出しをすることが困難であっ
た。
【0023】このように、ロープ13と樹脂被覆14の
密着力が2.0〜9.9kg/cm 2 の範囲である延線
用ロープ10は、しごき試験後もロープ13と周囲の樹
脂被覆14が剥離せず、耐久性に優れていた。また、ロ
ープ13の口出しも容易にすることができた。
【0024】
【発明の効果】本発明は繊維を撚ってなるロープの周上
にポリエチレン等の樹脂被覆が設けられた延線ロープで
あるので、延線用ロープと既存のケーブルとの摩擦や、
延線用ロープと管路との摩擦が小さく、小さな牽引力で
ケーブルを牽引することができるので、ケーブルを追加
布設する際に既存のケーブルを摩耗損傷させることなく
布設することができる。また、樹脂被覆としては、樹脂
に滑剤としてステアリン酸アミド等の脂肪族アミドを添
加したものや、シリコーン分散ポリエチレン等の潤滑性
に優れたものを用いた場合には、布設の際における既存
のケーブルの摩耗損傷をより一層低減させることができ
る。さらに、本発明の延線用ロープは、ロープと樹脂被
覆の密着力が2.0〜9.9kg/cm2 の範囲である
ので、ロープと周囲の樹脂被覆との密着性が優れてい
て、ケーブルを長い距離にわたって牽引したり、繰り返
し使用したりしてもロープと樹脂被覆が剥離することが
ない、耐久性に優れたものであり、また、ケーブルと接
続する際には樹脂被覆を剥して容易にロープの口出しが
できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の延線用ロープの一例を示す断面図で
ある。
【図2】 本発明の延線用ロープの引き抜き試験方法を
示す概略図である。
【図3】 本発明の延線用ロープの引き抜き試験で得ら
れた「張力−ロープの伸び」の関係を概略的に示すグラ
フである。
【図4】 本発明の実施例のしごき試験方法を示す説明
図である。
【符号の説明】
10…延線用ロープ、11…繊維、13…ロープ、14
…樹脂被覆
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大橋 圭二 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉事業所内 (72)発明者 宮本 末広 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉事業所内 (72)発明者 松澤 隆志 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 Fターム(参考) 3B153 AA01 AA45 BB01 CC13 CC21 CC22 FF35 FF39 FF40 GG03 GG13 GG40

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維を撚ってなるロープの周上に樹脂被
    覆が設けられ、ロープと樹脂被覆の密着力が2.0〜
    9.9kg/cm2 の範囲であることを特徴とするケー
    ブル延線用ロープ。
JP11171694A 1999-06-17 1999-06-17 ケーブル延線用ロープ Pending JP2001003285A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20220002493U (ko) * 2021-04-09 2022-10-18 (주)스마일안전 하이브리드 로프
KR200498092Y1 (ko) 2021-04-09 2024-06-24 (주)스마일안전 하이브리드 로프

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KR20220002493U (ko) * 2021-04-09 2022-10-18 (주)스마일안전 하이브리드 로프
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