JP2001003064A - 炭化水素油の水素化精製方法およびこの方法に用いる触媒 - Google Patents

炭化水素油の水素化精製方法およびこの方法に用いる触媒

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JP2001003064A
JP2001003064A JP11178527A JP17852799A JP2001003064A JP 2001003064 A JP2001003064 A JP 2001003064A JP 11178527 A JP11178527 A JP 11178527A JP 17852799 A JP17852799 A JP 17852799A JP 2001003064 A JP2001003064 A JP 2001003064A
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hydrorefining
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hydrocarbon oil
oil
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Yuuki Kanai
勇樹 金井
Takashi Matsuda
高志 松田
Eiji Yokozuka
英治 横塚
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 水素化分解を最少化させる炭化水素油の水素
化精製方法および硫黄分や窒素分などに対して被毒され
難く、寿命の長い触媒を提供する。 【解決手段】 170〜390℃の沸点留分を80重量
%以上含み、かつ硫黄分と窒素分および水素化精製し得
る成分を含有する炭化水素油の、水素化精製方法として
ケイ素とマグネシウムを主成分とする実質的に非晶質の
金属酸化物担体に、活性金属として周期律表第VIII族貴
金属の中から選ばれた少なくとも1種を担持してなる炭
化水素油の水素化精製触媒を特徴とし、担体のMg/S
iの原子比は0.45〜1.5であり、周期律表第VIII
族貴金属が白金および/またはパラジウムからなり、周
期律表第VIII族貴金属は全触媒に対して0.05〜5重
量%の範囲の量で担持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は硫黄分と窒素分およ
び芳香族炭化水素とオレフィンのような水素化精製し得
る成分を含有する炭化水素油の水素化精製方法およびこ
の方法に用いる触媒に関し、特に燃料油中に含まれる硫
黄分および窒素分による被毒を受け難く水素化分解を起
こさず、かつ寿命の長い水素化精製触媒に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】約125〜625℃の範囲に沸点分布を
持つ液状炭化水素(例えば、ディーゼル軽油、灯油、ジ
ェット燃料、溶剤など)の需要は近年益々増大し続けて
いる。これらの液状炭化水素は一般に硫黄分や窒素分な
らびにオレフィンや芳香族炭化水素などの不飽和炭化水
素を含有しており、より品質の高い製品を得するために
ディーゼル車などの排ガス中の窒素酸化物や粒子状物質
による大気汚染の原因となるオレフィンや芳香族炭化水
素の不飽和炭化水素の濃度を減少させるとともに、硫黄
分や窒素分を削減するため水素化精製が行われている。
一般的に液状炭化水素中には、ピサジン類、アミン類、
アミド類などの塩基性窒素化合物、ピロール類などの弱
酸性窒素化合物などの窒素化合物を相当量含むものもあ
り、このような液状炭化水素をそのまま燃料油として使
用した場合には前記したように大気汚染の原因となり環
境保全上好ましくない。また窒素化合物を含有する炭化
水素油を直接分解または接触改質に供すると、窒素化合
物が分解触媒または改質触媒の活性を著しく低下させ、
製品の収率低下を招くという問題があり、炭化水素油の
効率の高い脱窒素の可否が石油精製において重要な課題
であった。なおディーゼル車などからの排ガス中の窒素
酸化物や浮遊粒子状物質の一層の低減のためにその原因
物質の1つとされるディーゼル軽油中の硫黄分について
は現行の0.05重量%から0.01重量%以下への規
制強化が検討されている。
【0003】そして特に軽油基材として今後大幅な需要
増加が見込まれる流動接触分解装置から得られる分解系
軽油には高濃度の芳香族炭化水素が含まれており、不飽
和炭化水素の削減技術の開発も急務となっている。一方
典型的には約200〜400℃の沸点範囲を有するディ
ーゼル軽油において芳香族炭化水素の存在は前記した通
りその品質を低下させ、またディーゼル軽油の品質を示
す尺度は、該ディーゼル軽油中に存在する分子の種類に
直接関係するセタン価であり、設計よりも低いセタン価
の軽油でディーゼルエンジンを操作すると、点火時間の
遅延が起こり燃焼過程が混乱して高レベルの雑音や発煙
をもたらす原因となる。そしてこのような炭化水素のセ
タン価はその分子の構造と密接な関係が存在する。
【0004】すなわち飽和炭化水素類は非常に大きなセ
タン価を示すが、芳香族炭化水素類のそれは非常に小さ
い。例えば芳香族炭化水素のテトラリンのセタン価は
7、ナフタレンは−15と非常に小さいが、一方直鎖飽
和炭化水素のデカンは76、デカリンは48と大きい。
したがってディーゼル軽油中の芳香族炭化水素を低減す
るために周期律表第VIII族貴金属系触媒を用いて飽和炭
化水素に水素化すれば、ディーゼル軽油の品質を確実に
向上させることできる。しかし貴金属系触媒はディーゼ
ル軽油中に含まれる硫黄分および/または窒素分によっ
て著しく被毒され、速やかに失活してしまう欠点があ
り、この欠点に対処するために、例えばゼオライトを触
媒担体中に含有する触媒を用いた水素化精製が実施され
ている。しかしながらゼオライトは水素化分解触媒とし
ても高性能であるため、目的とする水素化精製において
も水素化分解が併発する。ディーゼル軽油留分の水素化
精製において水素化分解が起こると軽油留分の得率が減
少するため水素化分解活性を抑制する必要がある。
【0005】特開昭64−66292号公報には、単位
格子の長さが24.20〜24.30オングストローム
で、かつシリカ/アルミナ比が少なくとも25のY型ゼ
オライトを含有する担体に周期律表第VIII族貴金属を担
持した触媒を用いて水素化精製を行う方法が開示されて
いる。
【0006】また特開平5−237391号公報には、
単位格子の長さが24.65オングストローム未満で、
シリカ/アルミナ比が5より大きく、またアルカリ金属
またはアルカリ土類金属の含有量が0.3重量%未満の
Y型ゼオライトを、アルカリ金属またはアルカリ土類金
属の水溶液と接触させ、アルカリ金属またはアルカリ土
類金属の含有量を処理前の1.5倍より大にする処理を
行ったゼオライトに周期律表第VIII族貴金属を担持した
触媒および該触媒を用いた水素化精製方法が開示されて
いる。
【0007】これら公報に記載の方法には原料油中に共
存する硫黄分、窒素分による触媒の被毒を減少させ、か
つ水素化分解を抑制することを目的とすることが記載さ
れているものの、依然として前記硫黄分や窒素分による
触媒の被毒のために芳香族炭化水素の水素化活性が未だ
に十分とはいえず、また原料油の水素化分解が生じて精
製油の得率が低下する欠点および水素化分解に併発する
コーキングにより触媒寿命が短くなってしまう欠点も十
分に軽減されないという問題点があった。
【0008】また特開平8−283746公報には、ケ
イ素、マグネシウムを主成分とする結晶性層状粘土鉱物
からなる担体に、活性金属として周期律表第VIII族金属
を担持した触媒および該触媒を用いた水素化精製方法が
開示されている。この公報における触媒は水素化分解を
抑制して軽油の得率を高め触媒寿命を著しく向上させた
が、芳香族炭化水素の水素化活性は依然として不十分
で、高濃度の硫黄分を含む炭化水素油の水素化精製には
適していなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、硫黄
分や窒素分およびオレフィンと芳香族炭化水素などの水
素化精製し得る成分を含有する炭化水素油からこれらを
効率よく低減することができるとともに、水素化分解を
最少化させた炭化水素油の水素化精製方法および硫黄分
や窒素分などに対して被毒され難く、寿命の長い水素化
精製触媒を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の第1の実施態様に係る炭化水素油の水素化精製
方法は、170〜390℃の沸点留分を80重量%以上
含み、かつ硫黄分と窒素分および水素化精製し得る成分
を含有する炭化水素油を、担体としてのケイ素とマグネ
シウムを主成分とする実質的に非晶質の金属酸化物に活
性金属としての周期律表第VIII族貴金属の中から選ばれ
た少なくとも1種の成分を含有する触媒の存在下で水素
と接触させることを特徴とするものである。
【0011】また本発明の第2の実施態様に係る炭化水
素油の水素化精製触媒は、ケイ素とマグネシウムを主成
分とする実質的に非晶質の金属酸化物担体に、活性金属
として周期律表第VIII族貴金属の中から選ばれた少なく
とも1種を担持してなることを特徴とするものであり、
前記非晶質金属酸化物担体のMg/Siの原子比は0.
45以上で1.5以下であり、また前記周期律表第VIII
族貴金属が白金またはパラジウムからなるか、あるいは
白金とパラジウムの混合物からなるものであって、さら
に前記周期律表第VIII族貴金属は全触媒に対して0.0
5〜5重量%の範囲の量で担持されることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】まず本発明で用いる触媒担体は、
ケイ素とマグネシウムを主成分とする実質的に非晶質の
金属酸化物からなるものである。そして本発明において
ケイ素とマグネシウムを主成分とする実質的に非晶質の
金属酸化物とは、該金属酸化物を構成する元素のうち常
に最も多い酸素、および水や水酸基として多く存在する
水素は除外して、原子数を基準として最も多い上位2つ
の元素がケイ素とマグネシウムである実質的に非晶質の
金属酸化物のことを意味するものとする。
【0013】本発明ではケイ素とマグネシウムは、ケイ
素が多くてマグネシウムが少なくても、あるいは逆にケ
イ素が少なくてマグネシウムが多くてもよいが、Mg/
Siの原子比は0.45〜1.5の範囲とすることが好
ましい。Mg/Siの原子比が0.45未満、あるいは
1.5を超えると水素化脱硫活性と水素化脱窒素活性お
よび芳香族水素化活性がいずれも低下するからである。
なお非晶質金属酸化物は、ケイ素とマグネシウム以外の
少量成分、例えば遷移金属、典型金属などを含んでいて
もよい。また本発明に好適に用いられる担体としてはマ
グネシウムとケイ素を主成分とすることが肝要であり、
マグネシウム以外のアルカリ土類金属とケイ素を主成分
とする非晶質金属酸化物担体は十分な触媒性能が得られ
ないので本発明の範囲には含まれない。
【0014】またケイ素とマグネシウムを主成分とする
金属酸化物には、「結晶質」のものと「非晶質」のもの
が存在するが、「結晶質」の金属酸化物は本発明の範囲
に含まれない。そしてケイ素とマグネシウムを主成分と
する結晶質の金属酸化物としては、スチブンサイト、ヘ
クトライト、サポナイト、緑泥石群、タルク、バーミキ
ュライト、蛇紋石、アンチゴライト、セピオライト、ア
タパルジャイト、パリゴルスカイト、エンスタタイト、
フォルステライト、プロトエンスタタイトなどが知られ
ている。これらの金属酸化物は「結晶質」であるので本
発明の範囲外である。
【0015】本明細書において「結晶質」とは、標準的
なX線回折装置を用いて測定されたX線回折図形におい
て、少なくとも1本以上の回折ピークを与える金属酸化
物の状態を意味し、一方「非晶質」とは、標準的なX線
回折装置を用いて測定されたX線回折図形において回折
ピークを1本も与えない金属酸化物の状態を意味する。
ただし非晶質のX線回折図形において非常に広範なピー
クが現れる(例えば、入射X線がCuKαの場合2θ=
20°〜40°付近)場合があるが、このようなピーク
(X線回折の分野でハローと呼ばれる)は非晶質に特有
のものあるので前記の回折ピークとして数えない。ここ
で「標準的なX線回折装置」とは、X線発生装置、ゴニ
オメータ、計数記録装置、制御演算装置の4つの部分を
基本構成とする装置であり、通常CuのX線管球を用い
管電圧:20〜60kV、管電流:20〜200mAで
測定される装置である。
【0016】そして本発明において触媒担体として使用
する金属酸化物を非晶質のものに限定した理由は、非晶
質の金属酸化物が水素化精製および脱窒素に最適な固体
酸性質を有しているためであり、また該担体におけるS
iOとMgOの合計量は60重量%以上で、好ましく
は70重量%以上、より好ましくは80重量%以上含有
するものである。
【0017】また本発明に用いる担体には結合剤を添加
しても構わない。結合剤の種類には特に制限はなく、結
晶質および/または非晶質のアルミナ、シリカ、マグネ
シア、ボリア、チタニア、ジルコニア、カルシア、シリ
カ−アルミナ、シリカ−マグネシアなどの金属酸化物を
添加することができる。ただし結晶質の結合剤を添加し
た場合、その添加物質に起因するX線回折ピークが当該
担体のX線回折図形上に現れることがあっても、本発明
の範囲から外れることはなくケイ素とマグネシウムを主
成分とする非晶質金属酸化物を担体中に含有する限り本
発明の範囲に包含される。
【0018】本発明に用いられるケイ素とマグネシウム
を主成分とする実質的に非晶質の金属酸化物担体の調製
方法は特に限定されることはなく、沈殿法、溶媒蒸発
法、ゾル−ゲル法、熱分解法、気相反応法、その他の方
法で調製することができる。そしてケイ素源としては、
水ガラス、アルコキシド、塩化物、オキシ塩化物、アル
キル化合物その他のケイ素化合物を用いることができ、
一方マグネシウム源としては塩化物、過塩素酸塩、臭化
物、水酸化物、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、チオシアン酸
塩、リン酸塩、酢酸塩、蓚酸塩、有機酸塩、アルコキシ
ド、その他のマグネシウム化合物を用いることができ
る。
【0019】本発明に用いられる担体のBET比表面積
は50m/g以上で600m/g以下であることが
好ましい。触媒担体のBET比表面積が、50m/g
未満または600m/gを超えると、活性金属のシリ
タリング等により活性が低下するからである。
【0020】また本発明では、担体および触媒の形状に
ついて特に限定されるものではなく球状、円筒状、円柱
状、三つ葉状、四つ葉状、その他あらゆる形状のものを
適宜選択して使用することができる。それらの成型は通
常行われる任意の方法で行うことができ、例として押出
成型、打錠成型、オイルドロップ法などが挙げられる。
【0021】つぎに本発明において前記した触媒担体に
活性金属として用いられる周期律表第VIII族貴金属は、
ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリ
ジウムおよび白金を包含するが、白金あるいはパラジウ
ムまたは白金とパラジウムの混合物が最も好適である。
そして周期律表第VIII族貴金属は、全触媒に対し0.0
5〜5重量%の範囲の量で担持される。全触媒に対して
0.05重量%未満では活性が不足し、一方5重量%を
超えると活性劣化を起こし易くなるからである。また周
期律表第VIII族貴金属として白金とパラジウムの混合物
を使用する場合、その最適なPd/Pt比率は精製する
炭化水素油の性状によって異なってくるので、炭化水素
油中の硫黄分と窒素分および芳香族炭化水素を実質的に
取り除くことを可能とするPd/Pt比率を予め求めて
おくことが好ましい。
【0022】これらの周期律表第VIII族貴金属は通常行
われる任意の方法で担持でき、具体的には浸漬法、含浸
法、気相担持法などが挙げられる。好ましい原料は担持
法によって異なるが、含浸法の場合は例えば塩化物、硝
酸塩、酢酸塩、アンミン錯体などが挙げられ、また気相
担持法では蒸気圧を持つカルボニル化合物が好ましく用
いられる。金属の担持は担体の成型の前でも後でも構わ
ないが、通常成型後に行う方が好ましい。
【0023】なお本発明の触媒には周期律表第VIII族貴
金属以外の成分として、典型金属、希土類元素を含む遷
移元素を添加してもよい。そして本発明の触媒は、通常
前記した担体の成型後に焼成処理を行う。焼成温度は、
400〜900℃が好ましく、500〜800℃がより
好ましい。また必須条件ではないが前処理として水素気
流中で水素還元を行うことが好ましい。還元温度は、2
00〜500℃が好ましく、300〜400℃がより好
ましい。
【0024】本発明で用いる原料油は、170〜390
℃の沸点留分を80重量%以上含み、かつ硫黄分と窒素
分およびオレフィンと芳香族炭化水素を含有する炭化水
素油である。なお本発明で170〜390℃の沸点留分
を含む原料油を対象とした理由は、170〜390℃の
沸点留分が軽油原料に相当し、390℃を超える重質成
分が多くなってくると、軽油を得るために水素化活性に
加えて水素化分解活性も必要となってくる。しかし本触
媒は、水素化分解活性を有していないので本発明の対象
外となってしまう。一方170℃未満の沸点留分はナフ
サ留分であり、硫黄や窒素が殆ど含有されていないの
で、本発明の方法を実施する必要がないからである。な
お炭化水素油の硫黄濃度と窒素濃度のいずれか一方もし
くは両方が0.005重量%以上とすることが好まし
い。この際炭化水素油中の硫黄分の濃度は0.005重
量%以上、より好ましくは0.005重量%以上で0.
5重量%以下、特に好ましくは0.005重量%以上で
0.2重量%以下とする理由は、0.005重量%未満
では硫黄分による活性劣化が起こりにくいために優れた
耐イオウ性を有するという本発明の優位性が発揮されな
いからである。すなわち、貴金属触媒は通常硫黄が存在
すると被毒を受けて芳香族水素化活性を著しく低下す
る。しかしながら、本発明の担体を用いた貴金属触媒
は、硫黄が存在していても、それによって被毒されにく
いので、その結果、高い芳香族水素化活性が得られる。
また炭化水素油中の窒素分の濃度を好ましくは0.00
5重量%以上、より好ましくは0.005重量%以上で
0.2重量%以下、特に好ましくは0.005重量%以
上で0.1重量%以下とする理由は、0.005重量%
未満では同じく活性劣化が起こりにくいために優れた耐
窒素性を有するという本発明の優位性が発揮されないか
らである。
【0025】一方全芳香族濃度(1環以上の芳香族環を
有する炭化水素の濃度)は好ましくは70重量%以下で
あり、より好ましくは60重量%以下である。そして本
発明に係る触媒は、硫黄分および/または窒素分を含有
する炭化水素油の水素化精製に好適に用いることができ
る。本発明に係る触媒は、従来の技術の触媒よりも高い
芳香族水素化活性と脱硫活性および脱窒素活性を有する
が、精製すべき炭化水素油が高濃度の硫黄分および/ま
たは窒素分を含有している場合、予め脱硫および脱窒素
の前精製を実施して硫黄および窒素レベルを下げておく
ことによって一層良好な結果が得られる。
【0026】本発明による炭化水素油の水素化精製方法
は、一般に100〜450℃、好ましくは200〜40
0℃、より好ましくは225〜375℃の反応温度で行
う必要があるが、実際に用いられる反応温度は水素化精
製する炭化水素油の性質によって多少変えることが好ま
しい。そのために炭化水素油における硫黄分と窒素分お
よび芳香族炭化水素の実質的除去を可能とする適切な温
度範囲を予め求めておくことが好ましい。なお反応温度
範囲を上記したように一般的に100〜450℃とした
理由は、100℃未満では十分な反応熱が与えられない
ために炭化水素油の水素化反応が起こり難いからであ
り、一方450℃を超える温度では脱硫反応と脱窒素反
応は十分進行するが、芳香族水素化反応は熱力学的平衡
上の制約によって芳香族炭化水素が逆に増加してしまっ
たり、あるいは水素化分解反応を併発してしまうケース
があるからである。そして炭化水素油中の硫黄分と窒素
分および全芳香族炭化水素の少なくとも75%の除去を
可能にする条件で行うのが好適であるが、上記した温度
の適切な選択によりそれらの90%以上を実質的に水素
化分解無しに除去できる。
【0027】本発明による炭化水素油の水素化精製方法
の実施に際して、水素化分解により生成するナフサ留分
(沸点177℃未満の留分)の収率は好ましくは2重量
%未満、より好ましくは1重量%未満とすべきである。
本発明による炭化水素油の水素化精製は加圧下で行うこ
とが望ましく、用いるべき水素分圧は典型的には2〜2
5MPa、好ましくは3〜15MPa、より好ましくは
3〜10MPaである。そして固定床流通式反応装置で
水素化処理する場合は、液空間速度(LHSV)は好ま
しくは0.3〜8h−1、より好ましくは0.5〜4h
−1の範囲である。また水素/炭化水素油の流量比は、
好ましくは100〜1500Nl/l、より好ましくは
300〜1100Nl/lの範囲である。
【0028】本発明による炭化水素油の水素化精製方法
は、固定床、流動床、スラリー床のいずれの反応装置で
も実施できるが、工業的実施の容易さから固定床流通式
反応装置で行うことが好ましい。固定床流通式反応装置
の場合、原料油と水素の流れは平行上昇流、平行下降
流、向流のいずれでもよい。なお本発明に係る水素化精
製方法は、ディーゼル軽油、灯油、サイクル油、ジェッ
ト燃料およびこれらの混合油の処理に適している。
【0029】
【実施例】以下本発明を実施例および比較例を用いて詳
細に説明する。ただし本発明は実施例の範囲に限定され
るものではない。 [参考例1]3号水ガラス2727gに水酸化ナトリウ
ム(粒状:純度95%)144gを添加し、イオン交換
水を添加して全量を6リットルとしたものをA液とし、
一方塩化マグネシウム六水和物(純度98%)1234
gにイオン交換水を加えて全量を6リットルとしたもの
をB液とした。ついで60℃に保持したイオン交換水8
リットルを30リットルの容器内に張っておき、それに
前記A液とB液を強い撹拌下、定速度(毎分100ミリ
リットル)で添加しながら水和物沈殿を生成させた。つ
ぎにこの沈殿物を十分に水洗いした後押出成型して11
0℃で12時間乾燥した後、600℃で3時間焼成して
シリカ−マグネシア担体aを調製した。
【0030】得られた担体aの化学組成はシリカ77重
量%、マグネシア23重量%であり、BETの吸着等温
式により比表面積を求めたところ461m/gであっ
た。この担体aにテトラアンミン白金塩化物とテトラア
ンミンパラジウム塩化物の混合水溶液を含浸し、110
℃で12時間乾燥した後、500℃で3時間焼成を行っ
て触媒Aを調製した。なお触媒AにおけるPt、Pdの
担持量はそれぞれ0.3重量%、0.7重量%であっ
た。
【0031】[参考例2]3号水ガラスの使用量を22
66g、水酸化ナトリウム(粒状:純度95%)の使用
量を489g、塩化マグネシウム六水和物(純度98
%)の使用量を1932gとした以外は、参考例1と同
様にして触媒Bを調製した。なおこの触媒Bにおける担
体bの化学組成はシリカ64重量%、マグネシア36重
量%であり、かつBETの吸着等温式により比表面積を
求めたところ348m/gであった。
【0032】[参考例3]3号水ガラスの使用量を17
71g、水酸化ナトリウム(粒状:純度95%)の使用
量を861g、塩化マグネシウム六水和物(純度98
%)の使用量を2683gとした以外は、参考例1と同
様にして触媒Cを調製した。なおこの触媒Cにおける担
体cの化学組成はシリカ50重量%、マグネシア50重
量%であり、かつBETの吸着等温式により比表面積を
求めたところ171m/gであった。
【0033】[参考例4]ケイ素とマグネシウムを構成
金属成分とする結晶性層状粘土鉱物であるスチブンサイ
トを担体原料として用いた。用いたスチブンサイトは、
ケイ素26.5重量%、マグネシウム16.6重量%、
ナトリウム5.1重量%を含有しており、イオン交換容
量は54ミリ当量/100gであった。このスチブンサ
イトを1N−酢酸アンモニウム水溶液中に入れ、撹拌し
ながら80℃で1時間イオン交換して濾過・洗浄したも
のをアルミナ水和物と混合し、よく練って押出成型し
た。つぎに110℃で12時間乾燥した後、600℃で
3時間焼成して担体dを調製した。
【0034】得られた担体d中のスチブンサイトの量は
80重量%であり、かつBETの吸着等温式より担体d
の比表面積を求めたところ224m/gであった。な
おこの担体dにテトラアンミン白金塩化物とテトラアン
ミンパラジウム塩化物の混合水溶液を含浸し、110℃
で12時間乾燥した後、500℃で3時間焼成を行って
触媒Dを調製した。なお触媒DにおけるPt、Pdの担
持量はそれぞれ0.3重量%、0.7重量%であった。
【0035】[参考例5]ケイ素とマグネシウムとリチ
ウムを構成金属成分とする結晶性層状粘土鉱物であるへ
クトライトを担体原料として用いた以外は、参考例4と
同様にして触媒Eを調製した。なお触媒Eにおける担体
eの比表面積をBETの吸着等温式より求めたところ1
35m/gであった。また用いたへクトライトは、ケ
イ素26.4重量%、マグネシウム16.6重量%、リ
チウム0.5重量%を含有しており、イオン交換容量は
49ミリ当量/100gであった。
【0036】[参考例6]ケイ素とマグネシウムとアル
ミニウムを構成金属成分とする結晶性層状粘土鉱物であ
るサポナイトを担体原料として用いた以外は、参考例4
と同様にして触媒Fを調製した。なお触媒Fにおける担
体fの比表面積をBETの吸着等温式より求めたところ
233m/gであった。また用いたサポナイトは、ケ
イ素24.5重量%、マグネシウム18.0重量%、ア
ルミニウム2.7重量%を含有しており、イオン交換容
量は71ミリ当量/100gであった。
【0037】[参考例7]イオン交換容量が102ミリ
当量/100gであるアンモニウム型US−Yゼオライ
ト(東ソー株式会社(製) HSZ−330HUA:商
品名)を800℃で5時間スチーム処理を行った後、
0.5Nの希硝酸中に入れ撹拌しながら80℃で1時間
加熱処理を行い、濾過・洗浄・乾燥した。得られたUS
Yゼオライトはシリカ/アルミナ比が37.0、Na含
有量が0.05重量%であった。得られたUSYゼオラ
イトをアルミナ水和物と混合し、よく練って押出成型し
た。つぎに110℃で12時間乾燥した後、500℃で
3時間焼成して担体gを調製した。
【0038】得られた担体g中のUSYゼオライトの量
は70重量%であり、かつBETの吸着等温式により担
体gの比表面積を求めたところ521m/gであっ
た。この担体gにテトラアンミン白金塩化物とテトラア
ンミシパラジウム塩化物の混合水溶液を含浸し、110
℃で12時間乾燥した後、500℃で3時間焼成を行っ
て触媒Gを調製した。なお触媒GにおけるPt、Pdの
担持量はそれぞれ0.3重量%、0.7重量%であっ
た。
【0039】[参考例8]3号水ガラス2125gに水
酸化ナトリウム(粒状:純度95%)290gを添加
し、イオン交換水を添加して全量を6リットルとしたも
のをC液とし、一方硝酸カルシウム四水和物(純度9
8.5%)1702gにイオン交換水を加えて全量を6
リットルとしたものをD液とした。ついで60℃に保持
したイオン交換水8リットルを30リットルの容器内に
張っておき、それに前記C液とD液を強い撹拌下、定速
度(毎分100ミリリットル)で添加しながら水和物沈
殿を生成させた。ついでこの沈殿物を十分に水洗いした
後押出成型し、110℃で12時間乾燥した後、600
℃で3時間焼成してシリカ−カルシア担体hを調製し
た。
【0040】得られた担体hの化学組成はシリカ60重
量%、カルシア40重量%であり、BETの吸着等温式
により比表面積を求めたところ178m/gであっ
た。この担体hにテトラアンミン白金塩化物とテトラア
ンミンパラジウム塩化物の混合水溶液を含浸し、110
℃で12時間乾燥した後、500℃で3時間焼成を行っ
て触媒Hを調製した。なお触媒HにおけるPt、Pdの
担持量はそれぞれ0.3重量%、0.7重量%であっ
た。
【0041】[参考例9]三酸化モリブデン221g、
炭酸ニッケル86gをイオン交換水1.2リットル中に
添加し、硝酸を加えて加熱溶解させることによって含浸
液を調製した。この含浸液を1kgのγ型−アルミナ成
型担体iに含浸させ、その後110℃で12時間乾燥し
た後、500℃で3時間焼成して触媒Iを調製した。な
お触媒Iにおける担体iの比表面積をBETの吸着等温
式により求めたとこと、324m/gであり、また得
られた触媒Iの化学組成はNiOが4重量%、MoO
が18重量%であった。
【0042】このようにして参考例1〜6により調製さ
れた触媒A〜FのX線回折図形を図1に示すが、参考例
1〜3で調製された触媒A〜Cは回折ピークがなく非晶
質の金属酸化物の状態であり、一方参考例4〜6で調製
された触媒D〜Fは1本以上の回折ピークを有する結晶
質の金属酸化物の状態であることが分かる。なおX線回
折の測定条件は以下の通りである。
【0043】X線回折測定条件 ターゲット :Cu モノクロメーター:グラファイト 電圧 :40kV 電流 :150mA スキャンスピード:4.0゜/分間 スキャンステップ:0.02゜/ステップ 発散スリット :1゜ 散乱スリット :1゜ 受光スリット :0.3mm 走査軸 :2θ/θ 走査範囲 :3.00°〜120.00゜ θオフセット :0.00° 固定角 :0.00°
【0044】[実施例1]参考例1で製造した触媒Aを
充填した固定床流通式反応装置を用いて下記する表1で
示した反応条件で水素化精製を行い活性評価を行った
(実施例1)。なお原料油として直留軽油を水素化脱硫
前処理を行った油(下記する表2に油の性状を示す)を
用いた。表2において「多環芳香族」とは2環以上の芳
香族環を有する炭化水素を示し、「全芳香族」とは1環
以上の芳香族環を有する炭化水素を示す。活性評価はつ
ぎのように行った。反応開始前に反応器に充填した触媒
を水素気流中320℃で5時間還元処理を行った後、1
50℃に温度を下げて原料油の通油を開始し、温度を上
げて320℃になった時を反応開始とした。40時間反
応を行い精製油を採取した。
【0045】原料油および精製油中の硫黄濃度は酸化分
解・紫外蛍光法により分析し、また窒素濃度は酸化分解
・化学発光法により分析した。さらに芳香族炭化水素濃
度は高速液体クロマトグラフ−バックフラッシュ法によ
り分析した。また原料油および精製油の留出温度および
ナフサ留分収率(177℃未満の沸点留分の収率)は蒸
留ガスクロマトグラフ法により分析した。40時間反応
させた後の精製油の分析結果から、水素化脱硫率、全芳
香族除去率、多環芳香族除去率、水素化脱窒素率および
ナフサ留分収率を求めた。水素化脱硫率、全芳香族除去
率、多環芳香族除去率、水素化脱窒素率の定義を下記す
る式1〜4に示す、またその評価結果を下記する表3に
示す。
【0046】
【式1】水素化脱硫率=(1−精製油の硫黄濃度/原料
油の硫黄濃度)×100
【0047】
【式2】全芳香族除去率=(1−精製油の全芳香族濃度
/原料油の全芳香族濃度)×100
【0048】
【式3】多環芳香族除去率=(1−精製油の多環芳香族
濃度/原料油の多環芳香族濃度)×100
【0049】
【式4】水素化脱窒素率=(1−精製油の窒素濃度/原
料油の窒素濃度)×100
【0050】[実施例2、3および比較例1〜5]それ
ぞれ触媒Aに替えて参考例2の触媒Bを、参考例3の触
媒Cを用いた以外は実施例1と同様にして活性評価を行
い実施例2、実施例3とし、またそれぞれ触媒Aに替え
て参考例4の触媒Dを、参考例5の触媒Eを、参考例6
の触媒Fを、参考例7の触媒Gを、参考例8の触媒Hを
用いた以外は実施例1と同様にして活性評価を行い、比
較例1〜5とした。各実施例2、3および比較例1〜5
の評価結果を下記する表3に併せて示す。
【0051】[比較例6]触媒Aに替えて参考例9の触
媒Iを用い、かつ反応開始前の予備硫化処理を、反応器
に充填した前記触媒Iに、水素気流中でジメチルジサル
ファイドを2重量%添加した軽油を通油して8時間かけ
て320℃まで昇温した後、その温度で8時間保持する
ことによって行った。そして8時間経過後に原料油の通
油を開始した時を反応開始とした以外は実施例1と同様
にして活性評価を行い、比較例6とした。比較例6の評
価結果を下記する表3に併せて示す。
【0052】
【表1】反応条件 反応圧力 5MPa 水素/油比 400Nl/l LHSV 2.0h−1 反応温度 320℃
【0053】
【表2】原料油の性状 硫黄濃度 501重量ppm 窒素濃度 109重量ppm 全芳香族濃度 42.1重量% 多環芳香族濃度 6.6重量% 留出温度(℃) (初留点、℃) 187.6 (10%、℃) 252.5 (50%、℃) 316.0 (90%、℃) 387.4
【0054】
【表3】触媒性能評価結果
【0055】上記した表3から分かる通り、本発明の実
施例1〜3にかかる触媒A〜Cは、各種のSi−Mg系
結晶性層状粘土鉱物担体を用いた触媒D〜F、およびU
SY型ゼオライト担体を用いた触媒G、SiO−Ca
O担体を用いた触媒HおよびNi−Mo/Al
体を用いた触媒Iと比較して水素化脱硫率、全芳香族除
去率、多環芳香族除去率、水素化脱窒素率とも高く、ま
たUSY型ゼオライト担体を用いた触媒Gに比べて水素
化分解により生じたナフサ留分の収率が著しく低かっ
た。
【0056】[実施例4]参考例1で製造した触媒Aを
充填した固定床流通式反応装置を用いて反応温度を30
0℃とした以外は上記した表1と同様な反応条件で、か
つ原料油として下記する表4に示す性状を有するものを
用いて水素化精製を行ったが、硫黄濃度と窒素濃度が表
4に示す通りそれぞれ0.005重量%未満と極めて微
量であるので、全芳香族除去率についてのみ活性評価を
行った。 (実施例4)。その評価結果を下記する表5に示す。
【0057】[実施例5、6および比較例7〜12]そ
れぞれ触媒Aに替えて参考例2の触媒Bを、参考例3の
触媒Cを用いた以外は実施例4の反応条件と原料油を用
いて実施例1と同様にして活性評価を行い実施例5、実
施例6とし、またそれぞれ触媒Aに替えて参考例4の触
媒Dを、参考例5の触媒Eを、参考例6の触媒Fを、参
考例7の触媒Gを、参考例8の触媒Hを、参考例9の触
媒Iを用いた以外は実施例4の反応条件と原料油を用い
て実施例1と同様にして活性評価を行い、比較例7〜1
2とした。各実施例5、6および比較例7〜12の評価
結果を下記する表5に併せて示す。
【0058】
【表4】原料油の性状 硫黄濃度 0.005重量%未満 窒素濃度 0.005重量%未満 全芳香族濃度 38.1重量% 多環芳香族濃度 10.8重量% 留出温度(℃) (初留点、℃) 178.8 (10%、℃) 249.5 (50%、℃) 320.3 (90%、℃) 391.5
【0059】
【表5】触媒性能評価結果
【0060】上記した表5から分かる通り、本発明の触
媒A〜Cは、反応条件や原料油を異にしても各種のSi
−Mg系結晶性層状粘土鉱物担体を用いた触媒D〜F、
およびUSY型ゼオライト担体を用いた触媒G、SiO
−CaO担体を用いた触媒HおよびNi−Mo/Al
触媒Iと比較して全芳香族除去率が高く、またU
SY型ゼオライト担体を用いた触媒Gに比べて水素化分
解により生じたナフサ留分の収率が著しく低かった。し
たがって本発明にかかる触媒は、硫黄分と窒素分を含有
する炭化水素油の水素化精製において水素化分解を抑制
し、芳香族炭化水素の除去に非常に優れていることが分
かった。
【0061】
【発明の効果】以上述べた通り本発明によれば、硫黄分
と窒素分およびオレフィンと芳香族炭化水素などの水素
化精製し得る成分とを含有する炭化水素油に対して硫黄
分と窒素分および水素化精製し得る成分を除去する活性
が高く、かつ水素化分解の割合が低い炭化水素油の水素
化精製方法および水素化精製触媒を提供することができ
る。したがって本発明に係る炭化水素油の水素化精製触
媒は水素化分解を抑制し、炭化水素油中の硫黄分と窒素
分ならびにオレフィンと芳香族炭化水素を低減するため
に優れており、かつ硫黄分や窒素分などに対して被毒さ
れ難く、寿命の長いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1〜6で調製した触媒A、B、C、D、
E、FのX線回折図形を示す図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10G 45/12 C10G 45/12 Z (72)発明者 横塚 英治 千葉県市川市中国分3−18−5 住友金属 鉱山株式会社中央研究所内 Fターム(参考) 4G069 AA03 BA02A BA02B BA06A BA06B BA20A BA20B BB02A BB02B BC65A BC69A BC72A BC72B BC75A BC75B CC02 DA05 DA06 EA02Y EC02Y EC03Y EC04Y EC25 EC26 ED06 FC08 4H029 CA00 DA00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 170〜390℃の沸点留分を80重量
    %以上含み、かつ硫黄分と窒素分および水素化精製し得
    る成分を含有する炭化水素油を、担体としてのケイ素と
    マグネシウムを主成分とする実質的に非晶質の金属酸化
    物に活性金属としての周期律表第VIII族貴金属の中から
    選ばれた少なくとも1種の成分を含有する触媒の存在下
    で水素と接触させることを特徴とする炭化水素油の水素
    化精製方法。
  2. 【請求項2】 ケイ素とマグネシウムを主成分とする実
    質的に非晶質の金属酸化物担体に、活性金属として周期
    律表第VIII族貴金属の中から選ばれた少なくとも1種を
    担持してなることを特徴とする炭化水素油の水素化精製
    触媒。
  3. 【請求項3】 前記非晶質金属酸化物担体のMg/Si
    の原子比が0.45以上で1.5以下であることを特徴
    とする請求項2記載の炭化水素油の水素化精製触媒。
  4. 【請求項4】 前記周期律表第VIII族貴金属が白金また
    はパラジウムからなることを特徴とする請求項2または
    3記載の炭化水素油の水素化精製触媒。
  5. 【請求項5】 前記周期律表第VIII族貴金属が白金とパ
    ラジウムの混合物からなることを特徴とする請求項2ま
    たは3記載の炭化水素油の水素化精製触媒。
  6. 【請求項6】 前記周期律表第VIII族貴金属が全触媒に
    対して0.05〜5重量%の範囲の量で担持されること
    を特徴とする請求項4または5記載の炭化水素油の水素
    化精製触媒。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6524993B2 (en) 2001-05-29 2003-02-25 Sumitomo Metal Mining Co., Ltd. Hydrogenation catalyst for aromatic hydrocarbons contained in hydrocarbon oils

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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