JP3553258B2 - 炭化水素油中の芳香族炭化水素の水素化方法及びそれに用いる触媒 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化水素油の水素化方法及びそれに用いる触媒に関し、特に炭化水素油中の芳香族炭化水素を水素化する方法及びそれに用いる硫黄化合物や窒素化合物等に対する耐性が高く、水素化活性が高く、水素化分解の割合が低く、かつ触媒寿命の長い触媒に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
炭化水素油中の芳香族炭化水素をはじめとする不飽和炭化水素は、飽和炭化水素に比べ化学的に反応性に富むため酸化等の反応を起こしやすく、経時的な品質劣化の原因になっている。とくにディーゼル軽油の場合、不飽和炭化水素、とくに芳香族炭化水素は着色などの経時劣化の原因となるだけでなく、セタン価を大きく低下させる。
【0003】
また、近年、ディーゼル軽油中の芳香族炭化水素の抑制がディーゼル機関の排ガス中の粒子状物質の削減に寄与することが明らかになりつつあり、環境保護の立場から、ディーゼル軽油中の芳香族炭化水素の低減が強く求められている。
この場合、特に1分子中の芳香環の数が3以上の多環芳香族炭化水素の影響が大きいとの報告がある(第13回世界石油会議予稿集、3巻、97ページ、1992年)。このため、芳香族炭化水素、特に1分子中の芳香環の数が3以上の多環芳香族炭化水素の低減が重要である。また、灯油の場合も芳香族炭化水素は煙点の低下などの問題の原因となる。このため不飽和炭化水素、特に芳香族炭化水素を低減することが望ましい。
【0004】
これらの芳香族炭化水素をはじめとする不飽和炭化水素は、水素化触媒を用いた水素化処理により飽和炭化水素に転化される。芳香族炭化水素以外の不飽和炭化水素は比較的水素化されやすいが、芳香族炭化水素は水素化されにくく、芳香族炭化水素の水素化が重要な問題である。
【0005】
水素化触媒のなかで、第VIII族貴金属をアルミナ等の安定な担体に担持した触媒は、一般に水素化活性が高く有力な触媒である。しかし、炭化水素油中の硫黄化合物および/または窒素化合物によって被毒をうけ、すみやかに失活してしまうという欠点がある。
【0006】
この欠点に対処するために、ゼオライトを担体中に含有する触媒を用いて水素化処理を行う試みが行われている。しかしながら、ゼオライトは水素化分解反応の高活性な触媒であるため、目的とする水素化処理において水素化分解反応が併発する。
灯油、軽油留分の水素化処理において水素化分解反応が起こると有用な灯油、軽油留分の得率が減少するため、水素化分解活性を抑制する必要がある。
【0007】
特開昭64−66292号公報には、単位格子の長さが24.20〜24.30オングストローム、シリカ/アルミナ比が少なくとも25のY型ゼオライトに第VIII族貴金属を担持した触媒を用いて水素化処理を行う方法が開示されている。
【0008】
また、特開平5−237391号公報には、単位格子の長さが24.65オングストローム未満、シリカ/アルミナ比が5より大、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の含量が0.3重量%未満のY型ゼオライトを、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水溶液と接触させ、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の含量を処理前の1.5倍より大にする処理を行ったゼオライトに第VIII族貴金属を担持した触媒および該触媒を用いた水素化処理法が開示されている。
これらの方法は、原料油中に共存する硫黄化合物、窒素化合物による触媒の被毒を減少させ、かつ水素化分解を抑制することを目的としている。
【0009】
しかしながらこれらの方法では、原料油中に共存する硫黄化合物、窒素化合物による触媒の被毒のため依然として水素化活性が低いという問題点があった。また、原料油の水素化分解が生じて生成油の得率が低下する欠点および水素化分解に併発するコーキングにより触媒寿命が短くなってしまう欠点が十分には軽減されないとう問題点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、硫黄化合物や窒素化合物等を含んだ炭化水素油中の芳香族炭化水素を飽和炭化水素に転化する水素化方法を提供すること、およびそれに用いる硫黄化合物や窒素化合物等に対する耐性が高く、水素化活性が高く、水素化分解の割合が低く、かつ触媒寿命の長い触媒を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、特定の触媒を用いることにより、硫黄化合物や窒素化合物等に対する耐性が高く、硫黄化合物や窒素化合物等を含んだ炭化水素油中の芳香族炭化水素を飽和炭化水素に転化する水素化反応に活性が高く、かつ水素化分解の割合が低く、触媒寿命が長くなることを見出し、本発明を完成した。
【0012】
すなわち、本発明は沸点が170〜390℃の留分を80重量%以上含み、かつ芳香族炭化水素を含有する炭化水素油を、担体としてSi、Mgを主成分とする粘土鉱物と活性金属として周期律表第VIII族金属の中から選ばれる少なくとも一種の成分を含有する触媒の存在下で、水素と接触させることを特徴とする炭化水素油中の芳香族炭化水素の水素化方法に関する。
また、本発明は担体としてSi、Mgを主成分とする粘土鉱物と活性金属として周期律表第VIII族金属の中から選ばれる少なくとも一種の成分を含有することを特徴とする炭化水素油中の芳香族炭化水素の水素化触媒に関する。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる触媒用担体は、Si、Mgを主成分とする粘土鉱物を含有するものである。本発明では、Si、Mgを主成分とする粘土鉱物とは、粘土鉱物を構成する元素のうち常に最も多いO、および水、水酸基として多く存在するHは除外して、原子数を基準として最も多い上位2つの元素がSi、Mgである粘土鉱物のことと定義する(SiとMgは、Siが多くてMgが少なくても、あるいは逆にSiが少なくてMgが多くてもよい。)。該粘土鉱物はSi、Mg以外の少量の成分、たとえばAl、Fe、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Fなどを含んでいてもよい。
【0014】
本発明に用いるSi、Mgを主成分とする粘土鉱物としては、通常粘土鉱物で行われているように、各構成元素を酸化物基準の重量組成で表してSiO2 とMgOの合計が好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上、最も好ましくは70重量%以上の粘土鉱物を用いることができる。
【0015】
粘土鉱物の分類、定義に関しては幾つかの成書がある。例えば、鉱物学(森本信男、砂川一郎、都城秋穂著、岩波書店)、粘土ハンドブック(日本粘土学会編、技報堂)が挙げられる。
粘土鉱物は粘土の主要な構成物で、粘土に可塑性を与える微細な鉱物であり、大部分がSi、Al、Mg、Fe等を主成分とする結晶質の含水珪酸塩鉱物である。
【0016】
珪酸塩鉱物は、SiにOが正四面体型に4配位したSiO4 四面体が基本構造であり、この構造がさらに縮合して形成する結晶格子の形式により大別される。SiO4 四面体が孤立した格子を形成するものをネソ珪酸塩、2つ縮合した格子を形成するものをソロ珪酸塩、環状に縮合した格子を形成するものをシクロ珪酸塩と言う。さらに、SiO4 四面体が1次元的に鎖状ないし帯状の格子を形成するものをイノ珪酸塩、2次元的に層状の格子を形成するものをフィロ珪酸塩、3次元的に網目状の格子を形成するものをテクト珪酸塩という。
【0017】
粘土鉱物の大部分は、層状構造を持ったフィロ珪酸塩からなる。フィロ珪酸塩は、SiO4 四面体が平面状に並んだ四面体層と、Al、Mg等にOが6配位した正八面体が平面状に並んだ八面体層よりなる。
八面体層に存在する金属イオンが主としてMgを代表とする2価のイオンよりなる時、この層はブルーサイト(Mg(OH)2 )と同様の構造を持ち、3−八面体層(trioctahedral sheet )となる。八面体層に存在する金属イオンが主としてAlを代表とする3価のイオンよりなる時、この層はギブサイト(Al(OH)3 )と同様の構造を持ち、2−八面体層(dioctahedral sheet)となる。2−八面体層中に存在する金属イオンは3−八面体層中に存在する金属イオンの2/3となる。
【0018】
フィロ珪酸塩の基本的な層構造としては、この四面体層と八面体層が1層ずつ重なった2層構造と、2つの四面体層に八面体層がサンドイッチ状に挟まれた3層構造がある。2層構造を持つフィロ珪酸塩の代表的な例としては、カオリナイト、3層構造を持つフィロ珪酸塩の代表的な例としては雲母やスメクタイトがあげられる。
【0019】
粘土鉱物の大部分はこの層が積み重なった構造からなる。粘土鉱物の場合、この層中の金属イオンの電荷が酸素イオンの電荷より不足する場合が多く、不足する電荷を補償するために、カチオン(通常はアルカリ金属、アルカリ土類金属イオンである)が層と層の間に存在する。このカチオンはイオン交換可能であり、このような粘土鉱物はイオン交換能を持つ。
【0020】
本発明において用いるSi、Mgを主成分とする粘土鉱物は天然物でも合成品でもよいが、好ましくは合成品である。具体的にはタルク、スチブンサイト、ヘクトライト、サポナイト、バーミキュライト、セピオライト、パリゴルスカイト、蛇紋石、緑泥石群等があげられる。
なお本発明において、粘土鉱物にテクト珪酸塩鉱物は含まれず、テクト珪酸塩の1種であるゼオライトも含まれない。
【0021】
本発明において用いるSi、Mgを主成分とする粘土鉱物はイオン交換能を有するものが好ましい。具体的にはスチブンサイト、ヘクトライト、サポナイト、バーミキュライト、セピオライト、パリゴルスカイト、緑泥石群が挙げられる。好ましくはスチブンサイト、ヘクトライト、サポナイト、バーミキュライト、セピオライトであり、さらに好ましくはスチブンサイト、ヘクトライトおよびサポナイトであり、特に好ましくはスチブンサイトである。
【0022】
粘土鉱物のなかでイオン交換能をもつ粘土鉱物の例としてスチブンサイトをあげてさらに詳細に説明する。スチブンサイトはタルクと同様に3−八面体層を含む3層構造を有するスメクタイトの1種である。一般に粘土鉱物は不定比化合物であり、また不純物が含まれるためその組成は複雑であるが、スチブンサイトの理想的な組成は下記の式1で表される。
【0023】
Na2x(Mg6−x )〔Si4 〕2 O20(OH)4 ・nH2 O (式1)
【0024】
スチブンサイトは3−八面体層のMgのサイトに欠陥があり、その電荷の不足分に相当するNaイオンが層間に存在する。このNaイオンはイオン交換可能であり、スチブンサイトはイオン交換能を持つ。上記の式1で、xの値は通常0〜1程度である。
【0025】
本発明に用いるSi、Mgを主成分とする粘土鉱物はその骨格構造ができるだけ保持されていることが望ましいが、その構造が一部くずれている部分があるものでもよい。
本発明に用いるSi、Mgを主成分とする粘土鉱物は、それが層状構造を有している場合、その層が規則正しく配列していても、していなくてもよい。層が規則正しく配列しているものは、X線回折法で測定した場合、(001)面による回折ピークが現れるが、本発明の触媒には、このピークの存在するものでもしないものでもよい。
【0026】
本発明に用いるSi、Mgを主成分とする粘土鉱物がイオン交換可能である場合、そのカチオンは、少なくとも一部は水素イオンに交換しておくことが好ましい。イオン交換率は好ましくは30%以上、さらに好ましくは50%以上、特に好ましくは80%以上である。
イオン交換の方法は公知の方法で行うことができる。アンモニウムイオンにイオン交換した後、焼成することによって水素イオンに転換する方法が好ましい。
【0027】
本発明に用いるSi、Mgを主成分とする粘土鉱物の表面積は好ましくは50m2 /g以上、さらに好ましくは100〜700m2 /g、特に好ましくは150〜650m2 /g、最も好ましくは200〜600m2 /gである。
【0028】
本発明に用いる触媒担体には成型の必要に応じてバインダーを用いてもよい。バインダーとしては、とくに制限はないが、たとえば、アルミナ、シリカ、シリカ・アルミナ、その他の金属酸化物及び粘土鉱物があげられる。この中でアルミナ、シリカ・アルミナ、粘土鉱物が好ましく、アルミナおよびカチオンとしてアルカリ金属イオンを有する粘土鉱物がとくに好ましい。
バインダーを用いる場合には、Si、Mgを主成分とする粘土鉱物の担体に対する割合は、好ましくは20〜95重量%、さらに好ましくは40〜90重量%、特に好ましくは50〜80重量%である。
【0029】
成型法は通常行われる任意の方法で行うことができる。例として、押出し成型、打錠成型、オイルドロップ法等が挙げられる。成型後の担体は焼成することが好ましい。焼成温度は200〜650℃が好ましく、400〜600℃がさらに好ましい。
【0030】
本発明で用いられる活性金属は周期律表第VIII族金属の中から選ばれる少なくとも一種の金属である。好ましくはNi、Ru、Rh、Pd、Ptであり、さらに好ましくはNi、Pd、Ptであり、特に好ましくはPd、Ptである。これらの金属は単独で用いてもよく、また2種以上を混合して用いてもよい。特にPtとPdを混合して用いることが好ましい。
【0031】
これらの活性金属の担持量は、触媒全重量に対する割合として、各々の金属について好ましくは0.05〜10重量%であり、さらに好ましくは0.1〜5重量%であり、特に好ましくは0.2〜2重量%である。
【0032】
これらの金属は通常行われる任意の方法で担持できる。具体的にはイオン交換法、含浸法、気相担持法などがあげられる。好ましい原料は担持法によって異なるが、イオン交換法、含浸法の場合は、たとえば塩化物、硝酸塩、酢酸塩、クロロアンミン錯体などが挙げられる。気相担持法では蒸気圧を持つカルボニル化合物が好ましく用いられる。金属の担持は担体の成型後に行ってもよく、成型前に行ってもよいが、通常成形後に行うほうが好ましい。
【0033】
本発明の触媒には第VIII族金属以外の成分として、各種の典型元素、希土類元素を含む遷移元素を添加してもよい。
【0034】
本発明の触媒は、通常、焼成処理を行う。焼成温度は250〜600℃が好ましく、270〜550℃がさらに好ましく、280〜500℃が特に好ましい。また、必須条件ではないが、前処理として水素気流中で水素還元を行うことが好ましい。還元温度は200〜500℃が好ましく、250〜450℃がさらに好ましく、280〜400℃が特に好ましい。
【0035】
本発明で用いる原料油は、沸点が170〜390℃の留分を80重量%以上、好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上含み、かつ芳香族炭化水素を含有する炭化水素油である。炭化水素油中に含有する芳香族炭化水素の含有量は好ましくは10〜60重量%、より好ましくは20〜50重量%である。
【0036】
本発明で用いる原料油は、硫黄含有量が好ましくは0.2重量%以下、更に好ましくは0.1重量%以下、特に好ましくは0.05重量%以下、最も好ましくは0.02重量%以下であり、窒素含有量が好ましくは0.03重量%以下、更に好ましくは0.02重量%以下、特に好ましくは0.01重量%以下、最も好ましくは0.005重量%以下の炭化水素油が好ましい。
【0037】
本発明の触媒は、硫黄含有量が0.2重量%以下、窒素含有量が0.03重量%以下の原料油を処理することが可能であるが、予め脱硫、脱窒素処理を行い、硫黄化合物、窒素化合物、塩基性窒素化合物をで低減し、これらの不純物による触媒の被毒を最小限に止めることが望ましい。
【0038】
本発明で用いる原料油は、好ましくは灯油留分、軽油留分および接触分解により得られるサイクルオイルおよびこれらの混合油である。さらに好ましくは、直留灯油、直留軽油、軽質サイクルオイル(LCO)およびこれらの混合油であり、特に好ましくは直留軽油、LCOおよびこれらの混合油である。
【0039】
本発明でいう水素化方法は、水素化分解を抑制して芳香族炭化水素を水素化する方法であり、具体的には分解軽質留分量(原料油の初留点より沸点の低い生成物の収率)が好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは8重量%以下、特に好ましくは3重量%以下にとどめて水素化する方法である。
【0040】
本発明の水素化方法により、原料油中の芳香族炭化水素を好ましくは30%以上、より好ましくは50%以上、特に好ましくは70%以上を水素化する。また原料油中の多環芳香族炭化水素を好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上を水素化する。
本発明において多環芳香族炭化水素とは1分子中に芳香環を3以上有する芳香族炭化水素のことである。
【0041】
本発明で行われる水素化方法は連続式、回分式のいずれで行ってもよく、また固定床、流動床、懸濁床のいずれでもよいが、工業的実施の容易さから連続式、固定床で行うことが好ましい。連続式固定床の場合、原料油と水素の流れは平行上昇流、平行下降流、向流のいずれでもよい。
【0042】
本発明の水素化処理は常圧下で行うこともできるが、加圧下で行うことが望ましい。水素化処理の水素分圧は好ましくは1〜20MPa、さらに好ましくは2〜10MPa、特に好ましくは3〜8MPaの範囲である。
【0043】
反応温度は好ましくは150〜370℃、さらに好ましくは200〜350℃、特に好ましくは220〜340℃の範囲である。
【0044】
固定床流通法で行う場合には、LHSVは好ましくは0.1〜10h−1、さらに好ましくは0.3〜5h−1であり、特に好ましくは0.5〜4h−1の範囲である。
【0045】
水素/原料油比は、好ましくは100〜2000Nl/l、さらに好ましくは200〜1500Nl/l、特に好ましくは300〜1000Nl/lの範囲である。
【0046】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例を用いて詳細に説明するが、本発明は実施例の範囲に限定されるものではない。
【0047】
(触媒調製1)
合成スチブンサイト(IONITE−T、水澤化学工業株式会社、表面積440m2 /g)を、3.5M硝酸アンモニウム水溶液中に入れ攪拌しながら80℃、3hイオン交換しロ過した。この操作を3回繰り返した後、洗浄、乾燥した。このイオン交換したスチブンサイトを原料として触媒を調製した。
上記のスチブンサイトを希硝酸で解膠したベーマイト(DISPERAL、CONDEA社)と混合しよく練って押出成型し、乾燥後、550℃で3h焼成して担体を調製した。担体中のスチブンサイトの量は70重量%とした。
この担体にテトラアンミン白金(II)クロリドとテトラアンミンパラジウム(II)クロリドの混合水溶液をIncipient wetness法で含浸し、乾燥後、300℃で3h焼成を行って触媒を調製した。Pt、Pdの担持量はそれぞれ0.3重量%、0.5重量%とした。得られた触媒を触媒Aとした。
【0048】
(触媒調製2)
合成スチブンサイトの代わりに合成ヘクトライト(IONITE−H、水澤化学工業株式会社、表面積350m2 /g)を原料として用いた他は、触媒調製1と同様に触媒を調製した。得られた触媒を触媒Bとした。
【0049】
(触媒調製3)
合成スチブンサイトの代わりに合成サポナイト(スメクトンSA、クニミネ工業株式会社、表面積230m2 /g)を原料として用いた他は、触媒調製1と同様に触媒を調製した。得られた触媒を触媒Cとした。
【0050】
(触媒調製4)
吸着剤として市販されているミズカライフ(水澤化学工業株式会社)を用いて触媒を調製した。下記の条件で測定したミズカライフと触媒調製1で用いた合成スチブンサイトのX線回折パターンを図1に示す。ミズカライフは(001)面による回折ピーク(2Θ=60 付近)が現れないが、その他はスチブンサイトと同じパターンを示し、スチブンサイトと同じ3層構造を有していることが判る。また、このミズカライフの化学組成を表7に示す。ミズカライフはSi、Mgを主成分とする粘土鉱物の一種である。
ミズカライフP−2G(押出成型品、表面積570m2 /g)を硝酸アンモニウム水溶液中に入れ攪拌しながら80℃、3hイオン交換しロ過した。この操作を3回繰り返した後、洗浄、乾燥した。このミズカライフ成型体を、イオン交換したスチブンサイトを用いた担体の代わりに担体として用いた他は、触媒調製1と同様に触媒を調製した。得られた触媒を触媒Dとした。測定条件:
X線 :CuK−ALPHA1/40kv/150mA
ゴニオメータ :縦型ゴニオメータ
アタッチメント :ASC−43(縦型)
フィルタ :使用しない
インシデントモノクロ:
カウンタモノクロメータ:全自動モノクロメータ
発散スリット :1deg.
散乱スリット :1deg.
受光スリット :0.15mm
カウンタ :シンチレーションカウンタ
走査モード :連続
スキャンスピード:2.0000 /min.
スキャンステップ:0.0100
走査軸 :2Θ/Θ
走査範囲 :3.000〜65.0000
Θオフセット :0.0000
固定角 :0.0000
【0051】
(触媒調製5)
イオン交換したスチブンサイトを用いた担体の代わりに、γ−アルミナ押出し成型品(000−1.5E、日本ケッチェン株式会社)をそのまま担体として用いた他は触媒調製1と同様に触媒を調製した。得られた触媒を触媒Eとした。
【0052】
(触媒調製6)
イオン交換したスチブンサイトを用いた担体の代わりに、シリカアルミナ押出し成型品(シリカ70重量%、アルミナ30重量%)をそのまま担体として用いた他は触媒調製1と同様に触媒を調製した。得られた触媒を触媒Fとした。
【0053】
(触媒調製7)
酸型Yゼオライト粉末(HSZ−330HUA、東ソー株式会社)を800℃で6hスチーミング処理した後、0.5Nの希硝酸中に入れ攪拌しながら80℃で1h処理し、ロ過、洗浄、乾燥した。得られたY型ゼオライトは、単位格子の長さが24.25オングストローム、シリカ/アルミナ比が41.0、Na含量が0.1重量%であった。イオン交換したスチブンサイトの代わりに、このゼオライトを原料として用いた他は触媒調製1と同様に触媒を調製した。得られた触媒を触媒Gとした。
触媒調製1〜7で製造した触媒A〜Gの担体、PtおよびPd量をまとめて表1に示す。
【0054】
(実施例1)
触媒調製1で製造した触媒Aを充填した固定床流通反応装置を用いて表2で示した反応条件で水素化反応を行い、初期活性の評価を行った。
原料油として直流軽油80体積%、LCO20体積%の混合油を脱硫処理した油(表3に油の性状を示す)を用いた。
初期活性の評価は次のように行った。反応開始前に反応器に充填した触媒を水素気流中300℃で5h還元処理を行った後、200℃に温度を下げて原料油を流し始め、温度を上げて260℃になった時を反応開始とした。48h反応後、サンプルを採取した。その後反応温度を280℃に上げ、48h反応後、サンプルを採取した。さらに反応温度を300℃に上げ、48h反応後、サンプルを採取した。
【0055】
原料油および生成油中の芳香族炭化水素の量は、HPLC(IP391、バックフラッシュ法)を用いて分析した。また原料油および生成油の留出温度および分解軽質留分量(原料油の初留点より沸点の低い生成物の収率)は蒸留ガスクロにより測定した。各反応温度で48h反応した後のサンプルの分析結果から芳香族炭化水素及び多環芳香族炭化水素の反応率を求めた。その結果を表4に示す。
【0056】
(実施例2)
触媒Aの代わりに触媒調製2の触媒Bを用いた他は実施例1と同様に初期活性の評価を行った。評価結果を表4に示す。
【0057】
(実施例3)
触媒Aの代わりに触媒調製3の触媒Cを用いた他は実施例1と同様に初期活性の評価を行った。評価結果を表4に示す。
【0058】
(実施例4)
触媒Aの代わりに触媒調製4の触媒Dを用いた他は実施例1と同様に初期活性の評価を行った。評価結果を表4に示す。
【0059】
(比較例1)
触媒Aの代わりに触媒調製5の触媒Eを用いた他は実施例1と同様に初期活性の評価を行った。評価結果を表4に示す。
【0060】
(比較例2)
触媒Aの代わりに触媒調製6の触媒Fを用いた他は実施例1と同様に初期活性の評価を行った。評価結果を表4に示す。
【0061】
(比較例3)
触媒Aの代わりに触媒調製7の触媒Gを用いた他は実施例1と同様に初期活性の評価を行った。評価結果を表4に示す。
【0062】
(実施例5)
触媒調製1の触媒Aを充填した固定床流通反応装置を用いて表2に示した反応条件(反応温度300℃)で水素化反応を行い、触媒寿命の評価を行った。原料油として直流軽油80体積%、LCO20体積%の混合油を脱硫処理した油(表5に油の性状を示す)を用いた。
反応開始前に反応器に充填した触媒を水素気流中300℃で5h還元処理を行った後、200℃に温度を下げて原料油を流し始め、温度を上げて300℃になった時を反応開始とした。520hまで実験を行い、その結果から芳香族炭化水素の反応率および分解軽質留分量を求めた。評価結果を表6に示す。
【0063】
(比較例4)
触媒Aの代わりに触媒調製7の触媒Gを用いた他は実施例5と同様に触媒寿命の評価を行った。評価結果を表6に示す。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】
【表4】
【0068】
【表5】
【0069】
【表6】
【0070】
【表7】
【0071】
本発明の触媒は、γ−アルミナ担体を用いた触媒、シリカアルミナ担体を用いた触媒およびY型ゼオライト担体を用いた触媒に比べ、表4から明らかなように水素化活性が著しく高い。また本発明の触媒はY型ゼオライト担体を用いた触媒に比べ、表4から明らかなように水素化分解により生じた分解軽質留分の生成が少なく、また表6から明らかなように長時間反応させた後の活性も高い。このように本発明の触媒は水素化分解を抑制し、芳香族炭化水素を水素化するために優れている。
【0072】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成されているので、本発明の触媒は硫黄化合物や窒素化合物等に対する耐性が高く、硫黄化合物や窒素化合物等を含んだ炭化水素油中の芳香族炭化水素を飽和炭化水素に転化する水素化反応に活性が高く、かつ水素化分解の割合が低く、しかも触媒寿命が長い。また本発明の水素化方法は水素化分解を抑制し、芳香族炭化水素を水素化するために優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】ミズカライフと触媒調製1で用いた合成スチブンサイトのX線回折パターンである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化水素油の水素化方法及びそれに用いる触媒に関し、特に炭化水素油中の芳香族炭化水素を水素化する方法及びそれに用いる硫黄化合物や窒素化合物等に対する耐性が高く、水素化活性が高く、水素化分解の割合が低く、かつ触媒寿命の長い触媒に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
炭化水素油中の芳香族炭化水素をはじめとする不飽和炭化水素は、飽和炭化水素に比べ化学的に反応性に富むため酸化等の反応を起こしやすく、経時的な品質劣化の原因になっている。とくにディーゼル軽油の場合、不飽和炭化水素、とくに芳香族炭化水素は着色などの経時劣化の原因となるだけでなく、セタン価を大きく低下させる。
【0003】
また、近年、ディーゼル軽油中の芳香族炭化水素の抑制がディーゼル機関の排ガス中の粒子状物質の削減に寄与することが明らかになりつつあり、環境保護の立場から、ディーゼル軽油中の芳香族炭化水素の低減が強く求められている。
この場合、特に1分子中の芳香環の数が3以上の多環芳香族炭化水素の影響が大きいとの報告がある(第13回世界石油会議予稿集、3巻、97ページ、1992年)。このため、芳香族炭化水素、特に1分子中の芳香環の数が3以上の多環芳香族炭化水素の低減が重要である。また、灯油の場合も芳香族炭化水素は煙点の低下などの問題の原因となる。このため不飽和炭化水素、特に芳香族炭化水素を低減することが望ましい。
【0004】
これらの芳香族炭化水素をはじめとする不飽和炭化水素は、水素化触媒を用いた水素化処理により飽和炭化水素に転化される。芳香族炭化水素以外の不飽和炭化水素は比較的水素化されやすいが、芳香族炭化水素は水素化されにくく、芳香族炭化水素の水素化が重要な問題である。
【0005】
水素化触媒のなかで、第VIII族貴金属をアルミナ等の安定な担体に担持した触媒は、一般に水素化活性が高く有力な触媒である。しかし、炭化水素油中の硫黄化合物および/または窒素化合物によって被毒をうけ、すみやかに失活してしまうという欠点がある。
【0006】
この欠点に対処するために、ゼオライトを担体中に含有する触媒を用いて水素化処理を行う試みが行われている。しかしながら、ゼオライトは水素化分解反応の高活性な触媒であるため、目的とする水素化処理において水素化分解反応が併発する。
灯油、軽油留分の水素化処理において水素化分解反応が起こると有用な灯油、軽油留分の得率が減少するため、水素化分解活性を抑制する必要がある。
【0007】
特開昭64−66292号公報には、単位格子の長さが24.20〜24.30オングストローム、シリカ/アルミナ比が少なくとも25のY型ゼオライトに第VIII族貴金属を担持した触媒を用いて水素化処理を行う方法が開示されている。
【0008】
また、特開平5−237391号公報には、単位格子の長さが24.65オングストローム未満、シリカ/アルミナ比が5より大、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の含量が0.3重量%未満のY型ゼオライトを、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水溶液と接触させ、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の含量を処理前の1.5倍より大にする処理を行ったゼオライトに第VIII族貴金属を担持した触媒および該触媒を用いた水素化処理法が開示されている。
これらの方法は、原料油中に共存する硫黄化合物、窒素化合物による触媒の被毒を減少させ、かつ水素化分解を抑制することを目的としている。
【0009】
しかしながらこれらの方法では、原料油中に共存する硫黄化合物、窒素化合物による触媒の被毒のため依然として水素化活性が低いという問題点があった。また、原料油の水素化分解が生じて生成油の得率が低下する欠点および水素化分解に併発するコーキングにより触媒寿命が短くなってしまう欠点が十分には軽減されないとう問題点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、硫黄化合物や窒素化合物等を含んだ炭化水素油中の芳香族炭化水素を飽和炭化水素に転化する水素化方法を提供すること、およびそれに用いる硫黄化合物や窒素化合物等に対する耐性が高く、水素化活性が高く、水素化分解の割合が低く、かつ触媒寿命の長い触媒を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、特定の触媒を用いることにより、硫黄化合物や窒素化合物等に対する耐性が高く、硫黄化合物や窒素化合物等を含んだ炭化水素油中の芳香族炭化水素を飽和炭化水素に転化する水素化反応に活性が高く、かつ水素化分解の割合が低く、触媒寿命が長くなることを見出し、本発明を完成した。
【0012】
すなわち、本発明は沸点が170〜390℃の留分を80重量%以上含み、かつ芳香族炭化水素を含有する炭化水素油を、担体としてSi、Mgを主成分とする粘土鉱物と活性金属として周期律表第VIII族金属の中から選ばれる少なくとも一種の成分を含有する触媒の存在下で、水素と接触させることを特徴とする炭化水素油中の芳香族炭化水素の水素化方法に関する。
また、本発明は担体としてSi、Mgを主成分とする粘土鉱物と活性金属として周期律表第VIII族金属の中から選ばれる少なくとも一種の成分を含有することを特徴とする炭化水素油中の芳香族炭化水素の水素化触媒に関する。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる触媒用担体は、Si、Mgを主成分とする粘土鉱物を含有するものである。本発明では、Si、Mgを主成分とする粘土鉱物とは、粘土鉱物を構成する元素のうち常に最も多いO、および水、水酸基として多く存在するHは除外して、原子数を基準として最も多い上位2つの元素がSi、Mgである粘土鉱物のことと定義する(SiとMgは、Siが多くてMgが少なくても、あるいは逆にSiが少なくてMgが多くてもよい。)。該粘土鉱物はSi、Mg以外の少量の成分、たとえばAl、Fe、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Fなどを含んでいてもよい。
【0014】
本発明に用いるSi、Mgを主成分とする粘土鉱物としては、通常粘土鉱物で行われているように、各構成元素を酸化物基準の重量組成で表してSiO2 とMgOの合計が好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上、最も好ましくは70重量%以上の粘土鉱物を用いることができる。
【0015】
粘土鉱物の分類、定義に関しては幾つかの成書がある。例えば、鉱物学(森本信男、砂川一郎、都城秋穂著、岩波書店)、粘土ハンドブック(日本粘土学会編、技報堂)が挙げられる。
粘土鉱物は粘土の主要な構成物で、粘土に可塑性を与える微細な鉱物であり、大部分がSi、Al、Mg、Fe等を主成分とする結晶質の含水珪酸塩鉱物である。
【0016】
珪酸塩鉱物は、SiにOが正四面体型に4配位したSiO4 四面体が基本構造であり、この構造がさらに縮合して形成する結晶格子の形式により大別される。SiO4 四面体が孤立した格子を形成するものをネソ珪酸塩、2つ縮合した格子を形成するものをソロ珪酸塩、環状に縮合した格子を形成するものをシクロ珪酸塩と言う。さらに、SiO4 四面体が1次元的に鎖状ないし帯状の格子を形成するものをイノ珪酸塩、2次元的に層状の格子を形成するものをフィロ珪酸塩、3次元的に網目状の格子を形成するものをテクト珪酸塩という。
【0017】
粘土鉱物の大部分は、層状構造を持ったフィロ珪酸塩からなる。フィロ珪酸塩は、SiO4 四面体が平面状に並んだ四面体層と、Al、Mg等にOが6配位した正八面体が平面状に並んだ八面体層よりなる。
八面体層に存在する金属イオンが主としてMgを代表とする2価のイオンよりなる時、この層はブルーサイト(Mg(OH)2 )と同様の構造を持ち、3−八面体層(trioctahedral sheet )となる。八面体層に存在する金属イオンが主としてAlを代表とする3価のイオンよりなる時、この層はギブサイト(Al(OH)3 )と同様の構造を持ち、2−八面体層(dioctahedral sheet)となる。2−八面体層中に存在する金属イオンは3−八面体層中に存在する金属イオンの2/3となる。
【0018】
フィロ珪酸塩の基本的な層構造としては、この四面体層と八面体層が1層ずつ重なった2層構造と、2つの四面体層に八面体層がサンドイッチ状に挟まれた3層構造がある。2層構造を持つフィロ珪酸塩の代表的な例としては、カオリナイト、3層構造を持つフィロ珪酸塩の代表的な例としては雲母やスメクタイトがあげられる。
【0019】
粘土鉱物の大部分はこの層が積み重なった構造からなる。粘土鉱物の場合、この層中の金属イオンの電荷が酸素イオンの電荷より不足する場合が多く、不足する電荷を補償するために、カチオン(通常はアルカリ金属、アルカリ土類金属イオンである)が層と層の間に存在する。このカチオンはイオン交換可能であり、このような粘土鉱物はイオン交換能を持つ。
【0020】
本発明において用いるSi、Mgを主成分とする粘土鉱物は天然物でも合成品でもよいが、好ましくは合成品である。具体的にはタルク、スチブンサイト、ヘクトライト、サポナイト、バーミキュライト、セピオライト、パリゴルスカイト、蛇紋石、緑泥石群等があげられる。
なお本発明において、粘土鉱物にテクト珪酸塩鉱物は含まれず、テクト珪酸塩の1種であるゼオライトも含まれない。
【0021】
本発明において用いるSi、Mgを主成分とする粘土鉱物はイオン交換能を有するものが好ましい。具体的にはスチブンサイト、ヘクトライト、サポナイト、バーミキュライト、セピオライト、パリゴルスカイト、緑泥石群が挙げられる。好ましくはスチブンサイト、ヘクトライト、サポナイト、バーミキュライト、セピオライトであり、さらに好ましくはスチブンサイト、ヘクトライトおよびサポナイトであり、特に好ましくはスチブンサイトである。
【0022】
粘土鉱物のなかでイオン交換能をもつ粘土鉱物の例としてスチブンサイトをあげてさらに詳細に説明する。スチブンサイトはタルクと同様に3−八面体層を含む3層構造を有するスメクタイトの1種である。一般に粘土鉱物は不定比化合物であり、また不純物が含まれるためその組成は複雑であるが、スチブンサイトの理想的な組成は下記の式1で表される。
【0023】
Na2x(Mg6−x )〔Si4 〕2 O20(OH)4 ・nH2 O (式1)
【0024】
スチブンサイトは3−八面体層のMgのサイトに欠陥があり、その電荷の不足分に相当するNaイオンが層間に存在する。このNaイオンはイオン交換可能であり、スチブンサイトはイオン交換能を持つ。上記の式1で、xの値は通常0〜1程度である。
【0025】
本発明に用いるSi、Mgを主成分とする粘土鉱物はその骨格構造ができるだけ保持されていることが望ましいが、その構造が一部くずれている部分があるものでもよい。
本発明に用いるSi、Mgを主成分とする粘土鉱物は、それが層状構造を有している場合、その層が規則正しく配列していても、していなくてもよい。層が規則正しく配列しているものは、X線回折法で測定した場合、(001)面による回折ピークが現れるが、本発明の触媒には、このピークの存在するものでもしないものでもよい。
【0026】
本発明に用いるSi、Mgを主成分とする粘土鉱物がイオン交換可能である場合、そのカチオンは、少なくとも一部は水素イオンに交換しておくことが好ましい。イオン交換率は好ましくは30%以上、さらに好ましくは50%以上、特に好ましくは80%以上である。
イオン交換の方法は公知の方法で行うことができる。アンモニウムイオンにイオン交換した後、焼成することによって水素イオンに転換する方法が好ましい。
【0027】
本発明に用いるSi、Mgを主成分とする粘土鉱物の表面積は好ましくは50m2 /g以上、さらに好ましくは100〜700m2 /g、特に好ましくは150〜650m2 /g、最も好ましくは200〜600m2 /gである。
【0028】
本発明に用いる触媒担体には成型の必要に応じてバインダーを用いてもよい。バインダーとしては、とくに制限はないが、たとえば、アルミナ、シリカ、シリカ・アルミナ、その他の金属酸化物及び粘土鉱物があげられる。この中でアルミナ、シリカ・アルミナ、粘土鉱物が好ましく、アルミナおよびカチオンとしてアルカリ金属イオンを有する粘土鉱物がとくに好ましい。
バインダーを用いる場合には、Si、Mgを主成分とする粘土鉱物の担体に対する割合は、好ましくは20〜95重量%、さらに好ましくは40〜90重量%、特に好ましくは50〜80重量%である。
【0029】
成型法は通常行われる任意の方法で行うことができる。例として、押出し成型、打錠成型、オイルドロップ法等が挙げられる。成型後の担体は焼成することが好ましい。焼成温度は200〜650℃が好ましく、400〜600℃がさらに好ましい。
【0030】
本発明で用いられる活性金属は周期律表第VIII族金属の中から選ばれる少なくとも一種の金属である。好ましくはNi、Ru、Rh、Pd、Ptであり、さらに好ましくはNi、Pd、Ptであり、特に好ましくはPd、Ptである。これらの金属は単独で用いてもよく、また2種以上を混合して用いてもよい。特にPtとPdを混合して用いることが好ましい。
【0031】
これらの活性金属の担持量は、触媒全重量に対する割合として、各々の金属について好ましくは0.05〜10重量%であり、さらに好ましくは0.1〜5重量%であり、特に好ましくは0.2〜2重量%である。
【0032】
これらの金属は通常行われる任意の方法で担持できる。具体的にはイオン交換法、含浸法、気相担持法などがあげられる。好ましい原料は担持法によって異なるが、イオン交換法、含浸法の場合は、たとえば塩化物、硝酸塩、酢酸塩、クロロアンミン錯体などが挙げられる。気相担持法では蒸気圧を持つカルボニル化合物が好ましく用いられる。金属の担持は担体の成型後に行ってもよく、成型前に行ってもよいが、通常成形後に行うほうが好ましい。
【0033】
本発明の触媒には第VIII族金属以外の成分として、各種の典型元素、希土類元素を含む遷移元素を添加してもよい。
【0034】
本発明の触媒は、通常、焼成処理を行う。焼成温度は250〜600℃が好ましく、270〜550℃がさらに好ましく、280〜500℃が特に好ましい。また、必須条件ではないが、前処理として水素気流中で水素還元を行うことが好ましい。還元温度は200〜500℃が好ましく、250〜450℃がさらに好ましく、280〜400℃が特に好ましい。
【0035】
本発明で用いる原料油は、沸点が170〜390℃の留分を80重量%以上、好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上含み、かつ芳香族炭化水素を含有する炭化水素油である。炭化水素油中に含有する芳香族炭化水素の含有量は好ましくは10〜60重量%、より好ましくは20〜50重量%である。
【0036】
本発明で用いる原料油は、硫黄含有量が好ましくは0.2重量%以下、更に好ましくは0.1重量%以下、特に好ましくは0.05重量%以下、最も好ましくは0.02重量%以下であり、窒素含有量が好ましくは0.03重量%以下、更に好ましくは0.02重量%以下、特に好ましくは0.01重量%以下、最も好ましくは0.005重量%以下の炭化水素油が好ましい。
【0037】
本発明の触媒は、硫黄含有量が0.2重量%以下、窒素含有量が0.03重量%以下の原料油を処理することが可能であるが、予め脱硫、脱窒素処理を行い、硫黄化合物、窒素化合物、塩基性窒素化合物をで低減し、これらの不純物による触媒の被毒を最小限に止めることが望ましい。
【0038】
本発明で用いる原料油は、好ましくは灯油留分、軽油留分および接触分解により得られるサイクルオイルおよびこれらの混合油である。さらに好ましくは、直留灯油、直留軽油、軽質サイクルオイル(LCO)およびこれらの混合油であり、特に好ましくは直留軽油、LCOおよびこれらの混合油である。
【0039】
本発明でいう水素化方法は、水素化分解を抑制して芳香族炭化水素を水素化する方法であり、具体的には分解軽質留分量(原料油の初留点より沸点の低い生成物の収率)が好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは8重量%以下、特に好ましくは3重量%以下にとどめて水素化する方法である。
【0040】
本発明の水素化方法により、原料油中の芳香族炭化水素を好ましくは30%以上、より好ましくは50%以上、特に好ましくは70%以上を水素化する。また原料油中の多環芳香族炭化水素を好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上を水素化する。
本発明において多環芳香族炭化水素とは1分子中に芳香環を3以上有する芳香族炭化水素のことである。
【0041】
本発明で行われる水素化方法は連続式、回分式のいずれで行ってもよく、また固定床、流動床、懸濁床のいずれでもよいが、工業的実施の容易さから連続式、固定床で行うことが好ましい。連続式固定床の場合、原料油と水素の流れは平行上昇流、平行下降流、向流のいずれでもよい。
【0042】
本発明の水素化処理は常圧下で行うこともできるが、加圧下で行うことが望ましい。水素化処理の水素分圧は好ましくは1〜20MPa、さらに好ましくは2〜10MPa、特に好ましくは3〜8MPaの範囲である。
【0043】
反応温度は好ましくは150〜370℃、さらに好ましくは200〜350℃、特に好ましくは220〜340℃の範囲である。
【0044】
固定床流通法で行う場合には、LHSVは好ましくは0.1〜10h−1、さらに好ましくは0.3〜5h−1であり、特に好ましくは0.5〜4h−1の範囲である。
【0045】
水素/原料油比は、好ましくは100〜2000Nl/l、さらに好ましくは200〜1500Nl/l、特に好ましくは300〜1000Nl/lの範囲である。
【0046】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例を用いて詳細に説明するが、本発明は実施例の範囲に限定されるものではない。
【0047】
(触媒調製1)
合成スチブンサイト(IONITE−T、水澤化学工業株式会社、表面積440m2 /g)を、3.5M硝酸アンモニウム水溶液中に入れ攪拌しながら80℃、3hイオン交換しロ過した。この操作を3回繰り返した後、洗浄、乾燥した。このイオン交換したスチブンサイトを原料として触媒を調製した。
上記のスチブンサイトを希硝酸で解膠したベーマイト(DISPERAL、CONDEA社)と混合しよく練って押出成型し、乾燥後、550℃で3h焼成して担体を調製した。担体中のスチブンサイトの量は70重量%とした。
この担体にテトラアンミン白金(II)クロリドとテトラアンミンパラジウム(II)クロリドの混合水溶液をIncipient wetness法で含浸し、乾燥後、300℃で3h焼成を行って触媒を調製した。Pt、Pdの担持量はそれぞれ0.3重量%、0.5重量%とした。得られた触媒を触媒Aとした。
【0048】
(触媒調製2)
合成スチブンサイトの代わりに合成ヘクトライト(IONITE−H、水澤化学工業株式会社、表面積350m2 /g)を原料として用いた他は、触媒調製1と同様に触媒を調製した。得られた触媒を触媒Bとした。
【0049】
(触媒調製3)
合成スチブンサイトの代わりに合成サポナイト(スメクトンSA、クニミネ工業株式会社、表面積230m2 /g)を原料として用いた他は、触媒調製1と同様に触媒を調製した。得られた触媒を触媒Cとした。
【0050】
(触媒調製4)
吸着剤として市販されているミズカライフ(水澤化学工業株式会社)を用いて触媒を調製した。下記の条件で測定したミズカライフと触媒調製1で用いた合成スチブンサイトのX線回折パターンを図1に示す。ミズカライフは(001)面による回折ピーク(2Θ=60 付近)が現れないが、その他はスチブンサイトと同じパターンを示し、スチブンサイトと同じ3層構造を有していることが判る。また、このミズカライフの化学組成を表7に示す。ミズカライフはSi、Mgを主成分とする粘土鉱物の一種である。
ミズカライフP−2G(押出成型品、表面積570m2 /g)を硝酸アンモニウム水溶液中に入れ攪拌しながら80℃、3hイオン交換しロ過した。この操作を3回繰り返した後、洗浄、乾燥した。このミズカライフ成型体を、イオン交換したスチブンサイトを用いた担体の代わりに担体として用いた他は、触媒調製1と同様に触媒を調製した。得られた触媒を触媒Dとした。測定条件:
X線 :CuK−ALPHA1/40kv/150mA
ゴニオメータ :縦型ゴニオメータ
アタッチメント :ASC−43(縦型)
フィルタ :使用しない
インシデントモノクロ:
カウンタモノクロメータ:全自動モノクロメータ
発散スリット :1deg.
散乱スリット :1deg.
受光スリット :0.15mm
カウンタ :シンチレーションカウンタ
走査モード :連続
スキャンスピード:2.0000 /min.
スキャンステップ:0.0100
走査軸 :2Θ/Θ
走査範囲 :3.000〜65.0000
Θオフセット :0.0000
固定角 :0.0000
【0051】
(触媒調製5)
イオン交換したスチブンサイトを用いた担体の代わりに、γ−アルミナ押出し成型品(000−1.5E、日本ケッチェン株式会社)をそのまま担体として用いた他は触媒調製1と同様に触媒を調製した。得られた触媒を触媒Eとした。
【0052】
(触媒調製6)
イオン交換したスチブンサイトを用いた担体の代わりに、シリカアルミナ押出し成型品(シリカ70重量%、アルミナ30重量%)をそのまま担体として用いた他は触媒調製1と同様に触媒を調製した。得られた触媒を触媒Fとした。
【0053】
(触媒調製7)
酸型Yゼオライト粉末(HSZ−330HUA、東ソー株式会社)を800℃で6hスチーミング処理した後、0.5Nの希硝酸中に入れ攪拌しながら80℃で1h処理し、ロ過、洗浄、乾燥した。得られたY型ゼオライトは、単位格子の長さが24.25オングストローム、シリカ/アルミナ比が41.0、Na含量が0.1重量%であった。イオン交換したスチブンサイトの代わりに、このゼオライトを原料として用いた他は触媒調製1と同様に触媒を調製した。得られた触媒を触媒Gとした。
触媒調製1〜7で製造した触媒A〜Gの担体、PtおよびPd量をまとめて表1に示す。
【0054】
(実施例1)
触媒調製1で製造した触媒Aを充填した固定床流通反応装置を用いて表2で示した反応条件で水素化反応を行い、初期活性の評価を行った。
原料油として直流軽油80体積%、LCO20体積%の混合油を脱硫処理した油(表3に油の性状を示す)を用いた。
初期活性の評価は次のように行った。反応開始前に反応器に充填した触媒を水素気流中300℃で5h還元処理を行った後、200℃に温度を下げて原料油を流し始め、温度を上げて260℃になった時を反応開始とした。48h反応後、サンプルを採取した。その後反応温度を280℃に上げ、48h反応後、サンプルを採取した。さらに反応温度を300℃に上げ、48h反応後、サンプルを採取した。
【0055】
原料油および生成油中の芳香族炭化水素の量は、HPLC(IP391、バックフラッシュ法)を用いて分析した。また原料油および生成油の留出温度および分解軽質留分量(原料油の初留点より沸点の低い生成物の収率)は蒸留ガスクロにより測定した。各反応温度で48h反応した後のサンプルの分析結果から芳香族炭化水素及び多環芳香族炭化水素の反応率を求めた。その結果を表4に示す。
【0056】
(実施例2)
触媒Aの代わりに触媒調製2の触媒Bを用いた他は実施例1と同様に初期活性の評価を行った。評価結果を表4に示す。
【0057】
(実施例3)
触媒Aの代わりに触媒調製3の触媒Cを用いた他は実施例1と同様に初期活性の評価を行った。評価結果を表4に示す。
【0058】
(実施例4)
触媒Aの代わりに触媒調製4の触媒Dを用いた他は実施例1と同様に初期活性の評価を行った。評価結果を表4に示す。
【0059】
(比較例1)
触媒Aの代わりに触媒調製5の触媒Eを用いた他は実施例1と同様に初期活性の評価を行った。評価結果を表4に示す。
【0060】
(比較例2)
触媒Aの代わりに触媒調製6の触媒Fを用いた他は実施例1と同様に初期活性の評価を行った。評価結果を表4に示す。
【0061】
(比較例3)
触媒Aの代わりに触媒調製7の触媒Gを用いた他は実施例1と同様に初期活性の評価を行った。評価結果を表4に示す。
【0062】
(実施例5)
触媒調製1の触媒Aを充填した固定床流通反応装置を用いて表2に示した反応条件(反応温度300℃)で水素化反応を行い、触媒寿命の評価を行った。原料油として直流軽油80体積%、LCO20体積%の混合油を脱硫処理した油(表5に油の性状を示す)を用いた。
反応開始前に反応器に充填した触媒を水素気流中300℃で5h還元処理を行った後、200℃に温度を下げて原料油を流し始め、温度を上げて300℃になった時を反応開始とした。520hまで実験を行い、その結果から芳香族炭化水素の反応率および分解軽質留分量を求めた。評価結果を表6に示す。
【0063】
(比較例4)
触媒Aの代わりに触媒調製7の触媒Gを用いた他は実施例5と同様に触媒寿命の評価を行った。評価結果を表6に示す。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】
【表4】
【0068】
【表5】
【0069】
【表6】
【0070】
【表7】
【0071】
本発明の触媒は、γ−アルミナ担体を用いた触媒、シリカアルミナ担体を用いた触媒およびY型ゼオライト担体を用いた触媒に比べ、表4から明らかなように水素化活性が著しく高い。また本発明の触媒はY型ゼオライト担体を用いた触媒に比べ、表4から明らかなように水素化分解により生じた分解軽質留分の生成が少なく、また表6から明らかなように長時間反応させた後の活性も高い。このように本発明の触媒は水素化分解を抑制し、芳香族炭化水素を水素化するために優れている。
【0072】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成されているので、本発明の触媒は硫黄化合物や窒素化合物等に対する耐性が高く、硫黄化合物や窒素化合物等を含んだ炭化水素油中の芳香族炭化水素を飽和炭化水素に転化する水素化反応に活性が高く、かつ水素化分解の割合が低く、しかも触媒寿命が長い。また本発明の水素化方法は水素化分解を抑制し、芳香族炭化水素を水素化するために優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】ミズカライフと触媒調製1で用いた合成スチブンサイトのX線回折パターンである。
Claims (2)
- 沸点が170〜390℃の留分を80重量%以上含み、かつ芳香族炭化水素を含有する炭化水素油を、担体としてSi、Mgを主成分とする粘土鉱物と活性金属として周期律表第VIII族金属の中から選ばれる少なくとも一種の成分を含有する触媒の存在下で、水素と接触させることを特徴とする炭化水素油中の芳香族炭化水素の水素化方法。
- 担体としてSi、Mgを主成分とする粘土鉱物と活性金属として周期律表第VIII族金属の中から選ばれる少なくとも一種の成分を含有することを特徴とする炭化水素油中の芳香族炭化水素の水素化触媒。
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