JP2001002712A - 高吸水性樹脂の製造方法 - Google Patents

高吸水性樹脂の製造方法

Info

Publication number
JP2001002712A
JP2001002712A JP11169433A JP16943399A JP2001002712A JP 2001002712 A JP2001002712 A JP 2001002712A JP 11169433 A JP11169433 A JP 11169433A JP 16943399 A JP16943399 A JP 16943399A JP 2001002712 A JP2001002712 A JP 2001002712A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
dispersant
polymerizable monomer
aqueous solution
monomer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11169433A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasunari Sugiyou
保成 須堯
Kiichi Ito
喜一 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP11169433A priority Critical patent/JP2001002712A/ja
Publication of JP2001002712A publication Critical patent/JP2001002712A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F2/00Processes of polymerisation
    • C08F2/32Polymerisation in water-in-oil emulsions
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F2/00Processes of polymerisation
    • C08F2/12Polymerisation in non-solvents
    • C08F2/16Aqueous medium
    • C08F2/22Emulsion polymerisation
    • C08F2/24Emulsion polymerisation with the aid of emulsifying agents

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 紙おむつ等に用いるのに好適な高吸水性樹脂
の製造法を提供する。 【解決手段】 疎水性有機溶媒中でモノマー水溶液を懸
濁重合して高吸水性樹脂を製造するに際し、疎水性有機
溶媒とモノマー水溶液との双方に、下記式で表される分
散剤を添加する。 【化1】 (式中、R1 は炭素数8〜30のフェニル基で置換され
ていてもよいアルキル基又はアルキル基で置換されてい
てもよいアリール基を示し、R2 は水酸基又はR 1 O−
(CH2 CH2 O)n を示す。nは1〜30の整数を
示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高吸水性樹脂の製造
方法、特に懸濁重合により高吸水性樹脂を製造する方法
の改良に関するものである。本発明方法で得られる高吸
水性樹脂は、平均粒径が大きく、かつ嵩密度が小さく、
吸水速度が大きいので、紙おむつ等に用いるのに好適で
ある。
【0002】
【従来の技術】最近、高吸水性樹脂に対する需要が急増
している。その主たる用途は紙おむつや生理用品等の衛
生材料であるが、他にも土壌保水剤、止水材、結露防止
剤、鮮度保持剤、溶剤の脱水剤など種々の分野への応用
が検討されている。高吸水性樹脂としては種々のものが
提案されているが、現在のところ主流をなしているのは
水溶性モノマーを重合して得られるものである。重合方
法としては、水溶性モノマー水溶液をそのままバルク重
合させて含水したゲル状の重合体とし、次いでこれを粉
砕したのち脱水・乾燥する方法と、水溶性モノマー水溶
液を疎水性有機溶媒中で懸濁重合させる方法とが主に用
いられている。このうち前者のバルク重合法は、重合後
の粉砕及び脱水・乾燥が困難なので、粉砕工程を必要と
せずかつ脱水・乾燥の容易な後者の懸濁重合法が好まし
いと考えられている。この方法では、疎水性有機溶媒と
して水と共沸混合物を形成するものを用いることによ
り、生成した重合体粒子に含まれている水を、疎水性有
機溶媒との共沸蒸留により容易に除去することができ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】懸濁重合法による高吸
水性樹脂の製造にも、未だ解決すべきいくつかの問題点
が残されている。その一つは懸濁重合法では、取り扱い
に困難な微粒子状の高吸水性樹脂が生成し易いことであ
る。この点の改良法として、特開昭57−158210
号公報及び特公平1−17482号公報には、油溶性セ
ルロースエステル又はセルロースエーテルを分散剤とし
て用いることが記載されている。特開昭61−2092
01号公報には、炭素数12〜24の直鎖アルキル基を
有するモノアルキルリン酸塩を分散剤として用いること
が記載されている。特開平6−93008号公報には、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩を分散剤と
して用いることが記載されている。しかしこれらの方法
では、平均粒径の大きな樹脂粒子を製造することはでき
るが、生成した樹脂粒子が装置器壁に付着し易かった
り、安定した重合を行える条件範囲が狭いなどの問題が
ある。
【0004】また、高吸水性樹脂の主要用途である子供
用紙おむつでは、高吸水性樹脂の使用量を増加させ、パ
ルプ等のおむつ基材の使用量を減少させる傾向にあり、
これに伴って高吸水性樹脂が吸水の前後を通してパルプ
等のおむつ基材に固定されて移動し難いという樹脂固定
性が要求されるようになってきている。この樹脂固定性
に対しては、樹脂粒子の表面の凹凸が大きく、樹脂粒子
が相互に又はパルプ等と係合し易いものが有利と考えら
れる。しかし懸濁重合により得られる樹脂粒子は一般に
球状であって表面が平滑であり、この樹脂固定性の要求
に対しては不利と考えられる。従って本発明は、平均粒
径が大きく、かつ樹脂固定性の大きい高吸水性樹脂を、
懸濁重合法により製造する方法を提供しようとするもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記一
般式(1)で表されるリン酸エステル系分散剤を含む疎
水性有機溶媒中に、同じく一般式(1)で表されるリン
酸エステル系分散剤を含む水溶性重合性モノマーの水溶
液を供給して懸濁重合させることにより、平均粒径が大
きく、かつ樹脂固定性の大きい高吸水性樹脂を製造する
ことができる。
【0006】
【化2】
【0007】(式中、R1 は炭素数8〜30のフェニル
基で置換されていてもよいアルキル基又はアルキル基で
置換されていてもよいアリール基を示し、R2 は水酸基
又はR 1 O−(CH2 CH2 O)n を示す。nは1〜
30の整数を示す。)
【0008】
【発明の実施の形態】本発明では、高吸水性樹脂を与え
ることが知られている水溶性重合性モノマーであればい
ずれも原料として用いることができる。そのいくつかを
例示すると、(イ)イオン性モノマー、例えば(メタ)
アクリル酸及びそのアルカリ金属塩やアンモニウム塩、
アクリルアミド−2−エチルスルホン酸及びそのアルカ
リ金属塩等、(ロ)非イオン性モノマー、例えば(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミ
ド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−
メチロール(メタ)アクリルアミド等、(ハ)アミノ基
含有モノマーやその4級化物、例えばジエチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル
(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらのモノマー
は単独でもいくつかを併用することもできる。
【0009】これらの中で好ましいものは、(メタ)ア
クリル酸及びそのアルカリ金属塩やアンモニウム塩、
(メタ)アクリルアミド等である。アルカリ金属塩とし
てはナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、ルビジウ
ム塩等が用いられるが、得られる高吸水性樹脂の性能、
工業的入手のしやすさ、安全性等の面からナトリウム塩
またはカリウム塩が好ましい。これら水溶性重合性モノ
マーは、水溶液中におけるモノマー濃度が通常20重量
%以上、好ましくは25重量%〜飽和濃度となるように
用いられる。また、上記のイオン性モノマー、例えば
(メタ)アクリル酸、アクリルアミド−2−エチルスル
ホン酸等は、その少くとも一部がアルカリ金属水酸化物
や水酸化アンモニウム等で中和された形、すなわち塩の
形で使用するのが好ましい。中和の程度は通常20〜1
00モル%、好ましくは30〜100モル%である。
【0010】これらの水溶性重合性モノマー、特にアク
リル酸系モノマーは架橋剤を併用しなくても重合時にあ
る程度の自己架橋が生じて高吸水性樹脂を与えるが、吸
水諸性能のバランスの良い高吸水性樹脂を得るには、上
記のモノマーに架橋剤を併用することが好ましい。架橋
剤としては重合性不飽和基や上記のモノマーの官能基と
反応する官能基を2個以上有する化合物が用いられる。
すなわち、架橋構造の形成には、大別すれば、重合性不
飽和基を2個以上有するモノマーを共重合させる方法
と、上記の水溶性モノマーの官能基に、グリシジル基の
ようなこれと反応しうる官能基を2個以上有する化合物
を反応させる方法とがある。後者の方法は、官能基間の
反応が重合前に生起すれば、これにより生成した重合性
不飽和基を2個以上有するモノマー化合物が共重合する
ことになって、前者の場合と本質的には変らないという
ことができる。
【0011】重合性不飽和基を2個以上有する架橋剤と
しては、(イ)ポリオールのジまたはトリ(メタ)アク
リル酸エステル類、例えばポリオールがエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパ
ン、グリセリン、ポリオキシエチレングリコール、ポリ
オキシプロピレングリコール、ポリグリセリン等である
もの、(ロ)上記(イ)において、不飽和酸が(メタ)
アクリル酸以外のもの、例えばマレイン酸、フマール酸
などであるもの、(ハ)ビスアクリルアミド類、例えば
N,N′−メチレンビスアクリルアミドなど、(ニ)ポ
リエポキシドと(メタ)アクリル酸を反応させて得られ
るジまたはトリ(メタ)アクリル酸エステル類、(ホ)
ポリイソシアネートと(メタ)アクリル酸ヒドロキシエ
ステルを反応させて得られるジ(メタ)アクリル酸カル
バミルエステル類、例えばポリイソシアネートがトリレ
ンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート
などであるもの、(ヘ)多価アリル化合物、例えばアリ
ル化デンプン、アリル化セルロース、ジアリルフタレー
ト、テトラアリロキシエタン、ペンタエリストールトリ
アリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエ
ーテル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、トリ
アリルトリメリテート等が挙げられる。これらの中でも
本発明では、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポ
リプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、N,
N′−メチレンビス(メタ)アクリルアミド等が好まし
い。
【0012】反応性基を2個以上有する架橋剤として
は、例えばジグリシジルエーテル化合物、ハロエポキシ
化合物、イソシアネート化合物が挙げられる。これらの
中では特にジグリシジルエーテル化合物が好ましい。ジ
グリシジルエーテル化合物の具体例としては、エチレン
グリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコ
ールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグ
リシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリジ
ジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ポリ
グリセリンジグリシジルエーテル等が挙げられる。この
中でもエチレングリコールジグリシジルエーテルが好ま
しい。ハロエポキシ化合物としてはエピクロロヒドリ
ン、β−メチルエピクロロヒドリン等が、イソシアネー
ト化合物としては2,4−トリレンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。架橋
剤の使用量は、単官能モノマーに対して通常0〜10重
量%、好ましくは0〜5重量%、である。
【0013】重合開始剤としては、常用の水溶性ラジカ
ル重合開始剤を用いればよい。そのいくつかを例示する
と、(イ)過酸化水素、(ロ)過硫酸塩、例えば過硫酸
カリウム、過硫酸ナトリウム及び過硫酸アンモニウム
等、(ハ)アゾ系開始剤、例えば2,2′−アゾビス−
(2−アミジノプロパン)2塩酸塩、2,2′−アゾビ
ス−(N,N′−ジメチレンイソブチルアミジン)2塩
酸塩、2,2′−アゾビス{2−メチル−N−〔1,1
−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル〕
プロピオンアミド}等が挙げられる。これらの水溶性ラ
ジカル開始剤は、単独でも混合してでも使用することが
できる。また過酸化水素、過硫酸塩は、例えば亜硫酸
塩、L−アスコルビン酸等の還元性物質やアミン塩等を
組み合わせてレドックス系の開始剤としても使用でき
る。これらの重合開始剤は、水溶性重合性モノマーに対
して0.001〜5重量%、特に0.01〜1重量%の
範囲で用いるのが適当である。
【0014】懸濁重合の反応媒体である疎水性有機溶媒
としては、基本的には水に溶け難く、重合に不活性であ
ればいかなるものも使用できる。そのいくつかを例示す
ると、(イ)脂肪族炭化水素、例えばn−ペンタン、n
−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等、(ロ)脂
環族炭化水素、例えばシクロヘキサン、メチルシクロヘ
キサン等、(ハ)芳香族炭化水素、例えばベンゼン、ト
ルエン、キシレン等が挙げられる。疎水性有機溶媒は水
より低沸点でかつ水と共沸混合物を形成するものが好ま
しい。通常はn−ヘキサン、n−ヘプタン又はシクロヘ
キサンなどが用いられる。疎水性有機溶媒は、水溶性重
合性モノマー水溶液に対して、通常0.5〜10重量倍
となるように用いられるが、0.5〜3重量倍用いるの
が好ましい。
【0015】本発明では懸濁重合に際し、水溶性重合性
モノマー水溶液と反応媒体である疎水性有機溶媒との双
方に、一般式(1)で表されるリン酸エステル系分散剤
を存在させる。
【0016】
【化3】
【0017】(式中、R1 は炭素数8〜30のフェニル
基で置換されていてもよいアルキル基又はアルキル基で
置換されていてもよいアリール基を示し、R2 は水酸基
又はR 1 O−(CH2 CH2 O)n を示す。nは1〜
30の整数を示す。)このリン酸エステル系分散剤は、
刺激性及び毒性が低く、安全性の高い分散剤である。一
般式(1)において、R1 は好ましくは炭素数8〜23
のアルキル基又はモノアルキルフェニル基である。nは
2〜15であるのが好ましい。R2 がR1 O−(CH2
CH2 O)n である場合には、2つのR1 O−(CH
2 CH 2 O)n は同一であるのが好ましい。代表的か
つ好ましいR1 の例としては、ノニルフェニル基、オク
チルフェニル基、トリデシル基、ラウリル基、2−エチ
ルヘキシル基、オクタデシル基、及びドデシルフェニル
基等が挙げられる。市場で入手し得るこのリン酸エステ
ル系分散剤は、通常はリン酸モノエステルとリン酸ジエ
ステルとの混合物である。
【0018】リン酸エステル系分散剤は、通常、疎水性
有機溶媒中に0.01〜5重量%、存在させる。0.0
5〜2重量%、特に0.05〜1重量%存在させるのが
好ましい。存在量が少な過ぎると所望の分散効果が得ら
れず、逆に多過ぎると生成した樹脂粒子を乾燥させると
きに凝集を起す傾向がある。一方、水溶性重合性モノマ
ー水溶液中には、リン酸エステル系分散剤を通常0.0
1〜2重量%、好ましくは0.05〜2重量%、特に
0.05〜1重量%となるように存在させる。存在量が
少な過ぎても多過ぎても、得られる高吸水性樹脂の品質
が低下する。疎水性有機溶媒中のリン酸エステル系分散
剤の濃度(X)と、水溶性重合性モノマー水溶液中のリ
ン酸エステル系分散剤の濃度(Y)との比(X/Y)は
【0019】
【数2】0<X/Y≦10
【0020】であるのが好ましい。なお、疎水性有機溶
媒中のリン酸エステル系分散剤と、水溶性重合性モノマ
ー水溶液中のリン酸エステル系分散剤とは同一であるの
が好ましいが、異っていてもよい。懸濁重合は、リン酸
エステル系分散剤を含む疎水性有機溶媒中に、同じくリ
ン酸エステル系分散剤を含む水溶性重合性モノマー水溶
液を供給して、液滴状に分散させて重合させることによ
り行う。重合反応はモノマー水溶液を全量疎水性有機溶
媒中に供給してから開始させることもできるが、重合中
にモノマー水溶液を逐次供給するのが好ましい。前者の
モノマー水溶液の全量を供給してから重合反応を開始す
る方法は、所望の吸水性樹脂を製造し得る操作範囲が狭
く、また重合による発熱の除去が困難である。
【0021】後者の方法ではモノマー水溶液の一部、通
常は1〜25%、を先ず疎水性有機溶媒中に供給して重
合を開始し、このモノマーの重合がある程度進行してか
ら残りのモノマー水溶液を逐次供給しつつ重合を行わせ
る。また別法として重合条件下の疎水性有機溶媒中に最
初からモノマー水溶液を逐次供給しつつ重合を行うよう
にしてもよい。なお、これらの方法に際し、モノマー水
溶液を予め一部の疎水性有機溶媒と混合しておき、これ
を残りの疎水性有機溶媒中に供給するようにしてもよ
い。モノマー水溶液の供給は、通常は全重合時間の20
%以上、好ましくは40%以上に亘って行う。なお、モ
ノマー水溶液の供給は通常は一定速度で行うが、所望な
らば途中で供給速度を変化させてもよく、更には途中で
供給を一時的に中断することもできる。例えば重合条件
下の疎水性有機溶媒中にモノマー水溶液を連続的に供給
することにより重合を開始させ、モノマー水溶液の1〜
25%を供給した時点で3〜60分間、好ましくは5〜
30分間モノマー水溶液の供給を停止して重合だけを進
行させ、次いで再び以前と同一速度でモノマー水溶液を
供給する方法は、本発明の好ましい態様の一つである。
重合温度は、重合開始剤にもよるが、通常は40〜15
0℃で行われる。高温に過ぎると自己架橋が盛んとなっ
て生成する樹脂粒子の吸水能が低下する。逆に低温に過
ぎると重合に長時間を要するばかりでなく、突発的な重
合を引き起して塊状物を生成する恐れがある。好適な重
合温度は60〜90℃であり、特に疎水性有機溶媒の還
流条件下で重合を行うのが好ましい。
【0022】重合終了後は濾過や遠心分離により生成し
た樹脂粒子を回収し、常法により乾燥して製品とする。
疎水性有機溶媒として水と共沸混合物を形成するものを
用いた場合には、濾過等により樹脂粒子を回収する前に
共沸蒸留により樹脂粒子を脱水するのが好ましい。本発
明方法による懸濁重合では、所望の樹脂粒子を製造する
ための重合条件が広く、かつ重合槽器壁への樹脂の付着
も少ないので、重合操作が容易である。また本発明方法
により得られる樹脂粒子は、通常の懸濁重合法によって
得られる真球状のものとは異なり、微細な粒子が融着し
て一体化したような構造を有している。その平均粒径は
通常300〜1000μmと大きく、取扱い上問題とな
る100μm未満の微粉末は殆んど含まれていない。従
って本発明方法により得られる樹脂粒子は吸水速度が大
きく、また吸水の前後を通じて樹脂固定性も大きい。
【0023】
【実施例】以下に実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。なお、吸水能、吸水速度、平均粒子径、かさ
密度、吸水樹脂の固定性は以下により測定した。 (1)吸水能 250メッシュのナイロン袋(20cm×10cmの大
きさ)を500ccの人工尿に30分間浸漬する。ナイ
ロン袋を引き上げ、空中に懸垂して15分間水切りした
のち、その重量(w1 (g))を測定する。樹脂粒子約
0.5gを採取し、その重量(w2 (g))を精秤して
上記のナイロン袋に入れる。これを500ccの人工尿
に30分間浸漬したのちナイロン袋を引き上げ、空気に
懸垂して15分間水切りしてからその重量(w
3 (g))を測定する。
【0024】
【数3】吸水能=(w3 −w1 )/w2 (g/g)
【0025】なお、人工尿としては下記の重量組成のも
のを用いた。 尿素 1.94% 塩化ナトリウム 0.80% 塩化カルシウム 0.06% 硫酸マグネシウム 0.11% 純水 97.09%
【0026】(2)吸水速度 JIS K−7224に準じ、図1に示される装置を用
いて測定した。樹脂粒子1.0gを小孔のあいた支持板
に敷いた不織布上に均一な厚さとなるようにのせた。樹
脂粒子層の下面を0.9%生理食塩水と接触させて樹脂
粒子が生理食塩水を吸水する量を測定した。開始後20
分間に吸水した0.9%生理食塩水の量をもって吸水速
度とした。
【0027】(3)平均粒子径 ASTM式標準篩を上から8メッシュ、12メッシュ、
20メッシュ、32メッシュ40メッシュ、60メッシ
ュ、80メッシュ、100メッシュ、120メッシュ、
150メッシュ、受け皿の順に組み合わせ、最上の篩に
樹脂粒子を約50g入れ、ロータップ式自動振盪器にて
1分間振盪させた。各篩に残った樹脂粒子の重量を秤量
し、全体重を100%として、重量分率より粒径分布を
求め、重量基準の50%粒子径を平均粒子径とした。 (4)かさ密度 JIS・K−6721に準拠して行った。測定は3回実
施し、平均値を求めた。 (5)吸水した樹脂粒子の固定性 樹脂粒子2.5gをフラッフパルプ(目付:150g/
2 、大きさ19×7.5cm)上に均一に散布した。
この樹脂粒子/フラッフパルプ複合体の上に同じ大きさ
のフラッフパルプを重ね、簡易的な吸水パットを作成し
た。この吸水パットに、油圧プレス機で室温下で100
kgの荷重を20分間かけた後、0.9%生理食塩水1
25gを吸水パッドに吸水させた。この吸水したパッド
上に3.5kgの鉄製のおもりをのせ、万能シエーカー
(井内盛栄堂社製品、型番MS−1)を使用して、吸水
パッドに対して水平方向に3分間(振盪数:100回/
分)振盪した。荷重を取り除き、パルプ内に存在する樹
脂粒子および振動することでパルプ外にでてしまった樹
脂粒子をそれぞれ回収して、その重量を測定した。樹脂
粒子固定性を下式によって計算した。
【0028】
【数4】吸水した樹脂粒子の固定性(%)={パルプ内
の樹脂粒子(g)}÷{パルプ外の樹脂粒子(g)+パ
ルプ内の樹脂粒子(g)}×100
【0029】<実施例1>アクリル酸207.7gを1
3.5gの水で希釈し、冷却しつつ25重量%の水酸化
ナトリウム水溶液346.2gを加えて中和した。この
溶液にエチレングリコールジグリシジルエーテル(ナガ
セ化成工業社製品、デナコール EX810)を0.1
04g、次亜リン酸ソーダ1水和物を0.021g、過
硫酸カリウムを0.863g及び分散剤としてポリオキ
シエチレンオクチルフェニルエーテルリン酸(第一工業
製薬社製品、プライサーフA210G、オキシエチレン
基の平均重合度約7)を1.56g添加し溶解させてモ
ノマー水溶液を調製した。
【0030】攪拌機、還流冷却器、温度計及び窒素ガス
導入管を付設した容量3リットルの四つ口丸底フラスコ
にシクロヘキサン624gを入れ、これに分散剤として
ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルリン酸
(プライサーフA210G)0.313gを加え、50
0rpmで撹拌して分散させた。フラスコを窒素置換し
た後、75℃に昇温して、シクロヘキサンを還流させ
た。これに上記で調製したモノマー水溶液を30分にわ
たって滴下した。滴下完了後、75℃で30分間保持し
たのち、シクロヘキサンとの共沸によって生成した樹脂
粒子の含水率が7%になるまで脱水を行った。
【0031】脱水終了後、撹拌を停止すると樹脂粒子が
フラスコの底に沈降したので、これをデカンテーション
によって分離した。得られた樹脂粒子を90℃に加熱
し、付着しているシクロヘキサン及び若干の水を除去し
た。得られた乾燥樹脂粒子は、5〜50μmの一次粒子
が互いに融着したような構造をもつ顆粒状粒子であっ
た。フラスコ壁および攪拌機に付着した樹脂量は約23
gであった。この樹脂粒子の物性を表−1に、電子顕微
鏡写真を図2に示す。
【0032】<実施例2>実施例1において、分散剤の
添加量を、モノマー水溶液中に0.78g、シクロヘキ
サン中に0.71gとした以外は、実施例1と全く同様
にして顆粒状樹脂粒子を得た。フラスコ壁および攪拌機
に付着した樹脂量は約25gであった。得られた樹脂粒
子の物性を表−1に示す。
【0033】<実施例3>実施例1において、分散剤の
添加量を、モノマー水溶液中に0.14g、シクロヘキ
サン中に0.71gとした以外は、実施例1と全く同様
にして顆粒状樹脂粒子を得た。フラスコ壁および攪拌機
に付着した樹脂量は約23gであった。得られた樹脂粒
子の物性を表−1に示す。
【0034】<実施例4>実施例1において、分散剤の
添加量を、モノマー水溶液中に0.17g、シクロヘキ
サン中に0.17gとした以外は、実施例1と全く同様
にして顆粒状樹脂粒子を得た。フラスコ壁および攪拌機
に付着した樹脂量は約23gであった。得られた樹脂粒
子の物性を表−1に示す。
【0035】<実施例5>実施例1において、分散剤の
添加量を、モノマー水溶液中に0.28g、シクロヘキ
サン中に0.313gとした以外は、実施例1と全く同
様にして顆粒状樹脂粒子を得た。フラスコ壁および攪拌
機に付着した樹脂量は約23gであった。得られた樹脂
粒子の物性を表−1に示す。
【0036】<実施例6>実施例1において、分散剤の
添加量を、モノマー水溶液中に2.84g、シクロヘキ
サン中に3.12gとした以外は、実施例1と全く同様
にして顆粒状樹脂粒子を得た。フラスコ壁および攪拌機
に付着した樹脂量は約26gであった。得られた樹脂粒
子の物性を表−1に示す。
【0037】<比較例1>実施例1において、モノマー
水溶液中に分散剤を添加せず、シクロヘキサン中にのみ
分散剤を1.25g添加した以外は、実施例1と全く同
様にして顆粒状樹脂粒子を得た。フラスコ壁および攪拌
機に付着した樹脂量は約42gであった。得られた樹脂
粒子の物性を表−1に、電子顕微鏡写真を図3に示す。
【0038】<比較例2>実施例1において、モノマー
水溶液中に分散剤を1.56g添加し、シクロヘキサン
中に分散剤を添加しなかった以外は、実施例1と全く同
様にして顆粒状樹脂粒子を得た。フラスコ壁および攪拌
機に付着した樹脂量は約75gであった。得られた樹脂
粒子の物性を表−1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【図面の簡単な説明】
【図1】吸水速度の測定装置を示す概略図。
【図2】実施例1で得られた樹脂粒子の電子顕微鏡写
真。
【図3】比較例1で得られた樹脂粒子の電子顕微鏡写
真。
【符号の説明】
1 ビュレット 2 ゴム栓 3 小穴の開いた支持板 4 不織布 5 樹脂粒子
フロントページの続き Fターム(参考) 4J011 AA05 AA08 JA04 JB09 JB27 4J100 AE71Q AG70Q AJ02P AK03P AK08P AL08P AL09P AL62Q AL63Q AL66Q AL78Q AM15P AM19P AM21P AM24Q BA05P BA08Q BA31P BA38Q BA56P CA01 CA04 CA23 DA37 FA00 FA21 JA60

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表されるリン酸エス
    テル系分散剤を含む疎水性有機溶媒中に、同じく一般式
    (1)で表されるリン酸エステル系分散剤を含む水溶性
    重合性モノマーの水溶液を供給して懸濁重合させること
    を特徴とする高吸水性樹脂の製造方法。 【化1】 (式中、R1 は炭素数8〜30のフェニル基で置換され
    ていてもよいアルキル基又はアルキル基で置換されてい
    てもよいアリール基を示し、R2 は水酸基又はR 1 O−
    (CH2 CH2 O)n を示す。nは1〜30の整数を
    示す。)
  2. 【請求項2】 疎水性有機溶媒に含まれているリン酸エ
    ステル系分散剤と、水溶性重合性モノマーの水溶液中に
    含まれているリン酸エステル系分散剤とが同じものであ
    ることを特徴とする、請求項1記載の高吸水性樹脂の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 水溶性重合性モノマー水溶液中のリン酸
    エステル系分散剤の濃度(Y)と、疎水性有機溶媒中の
    リン酸エステル系分散剤の濃度(X)とが、それぞれ独
    立して0.05〜2重量%であることを特徴とする、請
    求項1又は2に記載の高吸水性樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】 水溶性重合性モノマーの水溶液中のリン
    酸エステル系分散剤の濃度(Y)に対する疎水性有機溶
    媒中のリン酸エステル系分散剤の濃度(X)の比(X/
    Y)が 【数1】0<X/Y≦10 であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに
    記載の高吸水性樹脂の製造方法。
  5. 【請求項5】 水溶性重合性モノマーが、アクリル酸、
    アクリル酸塩、メタクリル酸、メタクリル酸塩、アクリ
    ルアミド及びメタクリルアミドより成る群から選ばれた
    ものを主体とすることを特徴とする請求項1ないし4の
    いずれかに記載の高吸水性樹脂の製造方法。
  6. 【請求項6】 水溶性重合性モノマーが、主体をなす単
    官能モノマーとこれに対し少割合で、かつこのモノマー
    の官能基と反応する官能基を複数有する多官能モノマー
    との混合物であることを特徴とする請求項1ないし5の
    いずれかに記載の高吸水性樹脂の製造方法。
  7. 【請求項7】 一般式(1)のリン酸エステル系分散剤
    において、R1 がオクチルフェニル基であることを特徴
    とする請求項1ないし6のいずれかに記載の高吸水性樹
    脂の製造方法。
  8. 【請求項8】 一般式(1)のリン酸エステル系分散剤
    において、nが2〜15の整数であることを特徴とする
    請求項1ないし7のいずれかに記載の高吸水性樹脂の製
    造方法。
  9. 【請求項9】 懸濁重合を、反応中に疎水性有機溶媒中
    に水溶性重合性モノマーの水溶液を逐次供給しながら行
    うことを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載
    の高吸水性樹脂の製造方法。
  10. 【請求項10】 水溶性重合性モノマーの水溶液を、全
    反応時間の20%以上の期間に亘って供給することを特
    徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の高吸水性
    樹脂の製造方法。
JP11169433A 1999-06-16 1999-06-16 高吸水性樹脂の製造方法 Pending JP2001002712A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11169433A JP2001002712A (ja) 1999-06-16 1999-06-16 高吸水性樹脂の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11169433A JP2001002712A (ja) 1999-06-16 1999-06-16 高吸水性樹脂の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001002712A true JP2001002712A (ja) 2001-01-09

Family

ID=15886518

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11169433A Pending JP2001002712A (ja) 1999-06-16 1999-06-16 高吸水性樹脂の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001002712A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0312952B1 (en) Process for preparing absorbent polymers
TWI501979B (zh) A water-absorbent resin, an absorbent body, an absorbent article, and a method for producing a water-absorbent resin
JP5893117B2 (ja) 吸水性樹脂及び吸収性物品
JP2004517728A (ja) 水吸収剤、その製造法および該水吸収剤の使用
EP0874002B1 (en) Highly water-absorptive polymer and process for producing the same
US11084020B2 (en) Water-absorbent resin and absorbent article
US11504695B2 (en) Water-absorbing resin
JP6993878B2 (ja) 吸水性樹脂および吸水剤
US11465125B2 (en) Water-absorbing resin
KR20160138998A (ko) 흡수성 수지 입자의 제조 방법
EP3896097A1 (en) Water-absorptive resin particle, absorption body, and absorptive article
EP3778721A1 (en) Water-absorbing resin particles
EP3896115A1 (en) Water absorbent resin particles
US11332558B2 (en) Water-absorbent resin, and soil
JP2001040014A (ja) 高吸水性樹脂の製造方法
JP2001011106A (ja) 高吸水性樹脂の製造方法
JP3409133B2 (ja) 高吸水性ポリマーの製造法および高吸水性ポリマー
JP2009132755A (ja) 吸水性樹脂粒子の製造方法
EP3896095A1 (en) Water-absorbent resin particles, absorbent body, and absorbent article
JP4107775B2 (ja) 高吸水性樹脂の製造方法
JP2001040013A (ja) 高吸水性樹脂の製造方法
JP2002284803A (ja) 高吸水性樹脂の製造方法及び高吸水性樹脂
JP2001002712A (ja) 高吸水性樹脂の製造方法
JP2000128907A (ja) 吸水性ポリマーの製造法
JP4316054B2 (ja) 高吸水性樹脂の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A625 Written request for application examination (by other person)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625

Effective date: 20051115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071204

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080401