JP2001002676A - キノロンカルボン酸誘導体の製法 - Google Patents
キノロンカルボン酸誘導体の製法Info
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/55—Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 キノロン誘導の効率的な製法を提供する。
【解決手段】 式(II)
【化1】
の化合物と、3モル当量の式(III)
【化2】
の化合物とを処理して式(I)の化合物を製造する
【化3】
(R1:環状アルキル基;R,R2:水素原子,アミノ
基の保護基;R3:水素原子、フェニル基、アセトキシ
メチル基、ピバロイルオキシメチル基、エトキシカルボ
ニル基、コリン基、ジメチルアミノエチル基、5−イン
ダニル基、フタリジニル基、5−アルキル−2−オキソ
−1,3−ジオキソール−4−イルメチル基、3−アセ
トキシ−2−オキソブチル基、炭素数1から6のアルキ
ル基、炭素数2から7のアルコキシメチル基、または炭
素数1から6のアルキレン基とフェニル基とから構成さ
れるフェニルアルキル基;n:1から5の整数;X:脱
離基)
基の保護基;R3:水素原子、フェニル基、アセトキシ
メチル基、ピバロイルオキシメチル基、エトキシカルボ
ニル基、コリン基、ジメチルアミノエチル基、5−イン
ダニル基、フタリジニル基、5−アルキル−2−オキソ
−1,3−ジオキソール−4−イルメチル基、3−アセ
トキシ−2−オキソブチル基、炭素数1から6のアルキ
ル基、炭素数2から7のアルコキシメチル基、または炭
素数1から6のアルキレン基とフェニル基とから構成さ
れるフェニルアルキル基;n:1から5の整数;X:脱
離基)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、優れた医薬または農
薬等として期待されるキノロンカルボン酸系合成抗菌薬
の効率的な製法に関するものである。
薬等として期待されるキノロンカルボン酸系合成抗菌薬
の効率的な製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】キノロン母核の7位(またはその相当
位)に置換基として次式
位)に置換基として次式
【0003】
【化4】 で表される基を有するキノロンカルボン酸系合成抗菌薬
は、高い抗菌力と安全性とを有しており、優れた特性を
有することが知られている(特開平2−231475
号、特開平3−95176号、特開平7−309864
号公報など)。さらに、5−アミノ−8−メチルキノロ
ンカルボン酸誘導体も安全性に優れた特性を有し、優れ
た特性を有することが知られている(特開平3−951
76号、特開平7−309864号公報など)。すなわ
ち次の式(I)で表される化合物は優れた特性のキノロ
ンカルボン酸系合成抗菌薬として期待される。
は、高い抗菌力と安全性とを有しており、優れた特性を
有することが知られている(特開平2−231475
号、特開平3−95176号、特開平7−309864
号公報など)。さらに、5−アミノ−8−メチルキノロ
ンカルボン酸誘導体も安全性に優れた特性を有し、優れ
た特性を有することが知られている(特開平3−951
76号、特開平7−309864号公報など)。すなわ
ち次の式(I)で表される化合物は優れた特性のキノロ
ンカルボン酸系合成抗菌薬として期待される。
【0004】
【化5】 (式中、R1は、置換基を有していてもよい炭素数3か
ら6の環状アルキル基を表わし、RおよびR2は、各々
独立に、水素原子またはアミノ基の保護基を表わし、R
3は、水素原子、フェニル基、アセトキシメチル基、ピ
バロイルオキシメチル基、エトキシカルボニル基、コリ
ン基、ジメチルアミノエチル基、5−インダニル基、フ
タリジニル基、5−アルキル−2−オキソ−1,3−ジ
オキソール−4−イルメチル基、3−アセトキシ−2−
オキソブチル基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数
2から7のアルコキシメチル基、または炭素数1から6
のアルキレン基とフェニル基とから構成されるフェニル
アルキル基を表し、nは、1から5の整数を表す。)
ら6の環状アルキル基を表わし、RおよびR2は、各々
独立に、水素原子またはアミノ基の保護基を表わし、R
3は、水素原子、フェニル基、アセトキシメチル基、ピ
バロイルオキシメチル基、エトキシカルボニル基、コリ
ン基、ジメチルアミノエチル基、5−インダニル基、フ
タリジニル基、5−アルキル−2−オキソ−1,3−ジ
オキソール−4−イルメチル基、3−アセトキシ−2−
オキソブチル基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数
2から7のアルコキシメチル基、または炭素数1から6
のアルキレン基とフェニル基とから構成されるフェニル
アルキル基を表し、nは、1から5の整数を表す。)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】式(I)で表されるキ
ノロンカルボン酸誘導体は従来知られていた方法によっ
て製造できるのであるが、従来の方法では満足できる収
率で製造できるとは言えず、製造効率がよいとはいえな
かった。例えば、式(2)および式(3)で表される化
合物を反応させて式(1)の化合物を得る反応におい
て、従来法に従い、式(2)の化合物に対して1.5当
量の式(3)の化合物を、脱酸剤として1.2当量のト
リエチルアミン存在下に反応を実施したところ、式
(1)の化合物は55%の収率(HPLC収率;反応後
に反応液を高速液体クロマトグラフィーによって分析し
て求めた収率)で得られたのみであった。
ノロンカルボン酸誘導体は従来知られていた方法によっ
て製造できるのであるが、従来の方法では満足できる収
率で製造できるとは言えず、製造効率がよいとはいえな
かった。例えば、式(2)および式(3)で表される化
合物を反応させて式(1)の化合物を得る反応におい
て、従来法に従い、式(2)の化合物に対して1.5当
量の式(3)の化合物を、脱酸剤として1.2当量のト
リエチルアミン存在下に反応を実施したところ、式
(1)の化合物は55%の収率(HPLC収率;反応後
に反応液を高速液体クロマトグラフィーによって分析し
て求めた収率)で得られたのみであった。
【0006】
【化6】
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本願発明の目的は、式
(I)で表されるキノロンカルボン酸誘導体を高効率で
製造できる方法を提供することにある。
(I)で表されるキノロンカルボン酸誘導体を高効率で
製造できる方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは鋭意研究
した結果、式(2)の化合物と、式(2)の化合物に対
して3当量の式(3)の化合物とを混合して加熱下に反
応を行ったところ、式(1)の化合物がHPLC収率で
97%という高収率で得られ、かつ、式(2)の化合物
とは未反応の式(3)の化合物が収率よく回収できるこ
とを見出し発明を完成した。
した結果、式(2)の化合物と、式(2)の化合物に対
して3当量の式(3)の化合物とを混合して加熱下に反
応を行ったところ、式(1)の化合物がHPLC収率で
97%という高収率で得られ、かつ、式(2)の化合物
とは未反応の式(3)の化合物が収率よく回収できるこ
とを見出し発明を完成した。
【0009】すなわち本願発明は、式(I)
【0010】
【化7】 (式中、R1は、置換基を有していてもよい炭素数3か
ら6の環状アルキル基を表わし、RおよびR2は、各々
独立に、水素原子またはアミノ基の保護基を表わし、R
3は、水素原子、フェニル基、アセトキシメチル基、ピ
バロイルオキシメチル基、エトキシカルボニル基、コリ
ン基、ジメチルアミノエチル基、5−インダニル基、フ
タリジニル基、5−アルキル−2−オキソ−1,3−ジ
オキソール−4−イルメチル基、3−アセトキシ−2−
オキソブチル基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数
2から7のアルコキシメチル基、または炭素数1から6
のアルキレン基とフェニル基とから構成されるフェニル
アルキル基を表し、nは、1から5の整数を表す。)で
表わされる化合物の製法であって、式(II)
ら6の環状アルキル基を表わし、RおよびR2は、各々
独立に、水素原子またはアミノ基の保護基を表わし、R
3は、水素原子、フェニル基、アセトキシメチル基、ピ
バロイルオキシメチル基、エトキシカルボニル基、コリ
ン基、ジメチルアミノエチル基、5−インダニル基、フ
タリジニル基、5−アルキル−2−オキソ−1,3−ジ
オキソール−4−イルメチル基、3−アセトキシ−2−
オキソブチル基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数
2から7のアルコキシメチル基、または炭素数1から6
のアルキレン基とフェニル基とから構成されるフェニル
アルキル基を表し、nは、1から5の整数を表す。)で
表わされる化合物の製法であって、式(II)
【0011】
【化8】 (式中、Xは、脱離基を表し、R1、R2およびR
3は、上記の定義と同じである。)で表される化合物
と、これに対して3当量以上の式(III)
3は、上記の定義と同じである。)で表される化合物
と、これに対して3当量以上の式(III)
【0012】
【化9】 (式中、nは上記の定義と同じである。)で表される化
合物とを処理することを特徴とする製法に関するもので
ある。
合物とを処理することを特徴とする製法に関するもので
ある。
【0013】さらに本願発明は以下の各々にも関するも
のである。式(III)で表わされる化合物の量が、式
(II)で表わされる化合物に対して3当量である上記
の製法 R3が、水素原子である上記の製法;nが、1である上
記の製法;アミノ基の保護基が、置換基を有していても
よいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよ
いアラルキルオキシカルボニル基、置換基を有していて
もよいアシル基、置換基を有していてもよいアルキル
基、または置換基を有していてもよいアラルキル基から
なる群の基から選ばれる保護基である上記の製法;アミ
ノ基の保護基が、メトキシカルボニル基、エトキシカル
ボニル基、第三級ブトキシカルボニル基、2,2,2−
トリクロロエトキシカルボニル基、ベンジルオキシカル
ボニル基、パラメトキシベンジルオキシカルボニル基、
パラニトロベンジルオキシカルボニル基、アセチル基、
メトキシアセチル基、トリフルオロアセチル基、クロロ
アセチル基、ピバロイル基、ホルミル基、ベンゾイル
基、第三級ブチル基、ベンジル基、パラニトロベンジル
基、パラメトキシベンジル基、トリフェニルメチル基か
らなる群の基から選ばれる保護基である上記の製法;R
1が、置換基を有することもあるシクロアルキル基であ
る上記の製法;R1が、ハロゲン原子を有するシクロア
ルキル基である上記の製法;ハロゲン原子を有するシク
ロアルキル基が、フルオロシクロプロピル基である上記
の製法;フルオロシクロプロピル基が、(1R,2S)
−2−フルオロシクロプロピル基である上記の製法;R
が、第三級ブトキシカルボニル基である上記の製法;R
2が、水素原子である上記の製法;Xが、フッ素原子、
塩素原子、臭素原子、置換基を有していてもよいフェニ
ルスルホニル基、または置換基を有していてもよい炭素
数が1から3のアルキルスルホニル基からなる群の基か
ら選ばれる脱離基である上記の製法;Xが、フッ素原子
である上記の製法;不活性ガスの存在下に反応が実施さ
れる上記の製法;不活性ガスが、ヘリウム、窒素、ネオ
ン、アルゴン、クリプトン、またはキセノンから選ばれ
る不活性ガスである上記の製法;等である。
のである。式(III)で表わされる化合物の量が、式
(II)で表わされる化合物に対して3当量である上記
の製法 R3が、水素原子である上記の製法;nが、1である上
記の製法;アミノ基の保護基が、置換基を有していても
よいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよ
いアラルキルオキシカルボニル基、置換基を有していて
もよいアシル基、置換基を有していてもよいアルキル
基、または置換基を有していてもよいアラルキル基から
なる群の基から選ばれる保護基である上記の製法;アミ
ノ基の保護基が、メトキシカルボニル基、エトキシカル
ボニル基、第三級ブトキシカルボニル基、2,2,2−
トリクロロエトキシカルボニル基、ベンジルオキシカル
ボニル基、パラメトキシベンジルオキシカルボニル基、
パラニトロベンジルオキシカルボニル基、アセチル基、
メトキシアセチル基、トリフルオロアセチル基、クロロ
アセチル基、ピバロイル基、ホルミル基、ベンゾイル
基、第三級ブチル基、ベンジル基、パラニトロベンジル
基、パラメトキシベンジル基、トリフェニルメチル基か
らなる群の基から選ばれる保護基である上記の製法;R
1が、置換基を有することもあるシクロアルキル基であ
る上記の製法;R1が、ハロゲン原子を有するシクロア
ルキル基である上記の製法;ハロゲン原子を有するシク
ロアルキル基が、フルオロシクロプロピル基である上記
の製法;フルオロシクロプロピル基が、(1R,2S)
−2−フルオロシクロプロピル基である上記の製法;R
が、第三級ブトキシカルボニル基である上記の製法;R
2が、水素原子である上記の製法;Xが、フッ素原子、
塩素原子、臭素原子、置換基を有していてもよいフェニ
ルスルホニル基、または置換基を有していてもよい炭素
数が1から3のアルキルスルホニル基からなる群の基か
ら選ばれる脱離基である上記の製法;Xが、フッ素原子
である上記の製法;不活性ガスの存在下に反応が実施さ
れる上記の製法;不活性ガスが、ヘリウム、窒素、ネオ
ン、アルゴン、クリプトン、またはキセノンから選ばれ
る不活性ガスである上記の製法;等である。
【0014】
【発明の実施の形態】本願発明の製法は、次に示す式
(I)の化合物の製法において、
(I)の化合物の製法において、
【0015】
【化10】 (式中、Xは、脱離基を表わし、R、R1、R2、R3
およびnは、先の定義に等しい。) 式(III)で表される化合物を、式(II)の化合物
に対して過剰量を使用して脱酸剤としての作用を兼用さ
せ、脱酸剤としてはこれ以外の塩基性化合物を使用する
ことなく、反応を実施することを特徴としている。
およびnは、先の定義に等しい。) 式(III)で表される化合物を、式(II)の化合物
に対して過剰量を使用して脱酸剤としての作用を兼用さ
せ、脱酸剤としてはこれ以外の塩基性化合物を使用する
ことなく、反応を実施することを特徴としている。
【0016】この方法について以下に説明する。式(I
I)の化合物と置換反応させるための式(III)の化
合物は、式(II)の化合物に対して当モルが必要であ
り、式(I)の化合物の製造には等(モル)当量の式
(II)の化合物が必要である。また、式(II)と式
(III)の化合物との反応によって生成するX−Hと
式(III)の化合物が塩を形成するため、さらに式
(II)の化合物と等当量の式(III)の化合物が必
要となり、したがって、他の脱酸剤が存在しないときに
は化合物(III)の必要量は最低2当量となる。例え
ば、5−アミノ−8−メチルキノロン誘導体に2当量ま
たはそれ以上の過剰量の塩基性置換基導入化合物(キノ
ロン母核の7位に塩基性置換基を導入するために反応さ
せる化合物で、式(III)や、式(3)の化合物がそ
の例である。)の存在下の置換反応として、次に示す例
がある(特開平7−309864号、特開昭62−21
5572号)。
I)の化合物と置換反応させるための式(III)の化
合物は、式(II)の化合物に対して当モルが必要であ
り、式(I)の化合物の製造には等(モル)当量の式
(II)の化合物が必要である。また、式(II)と式
(III)の化合物との反応によって生成するX−Hと
式(III)の化合物が塩を形成するため、さらに式
(II)の化合物と等当量の式(III)の化合物が必
要となり、したがって、他の脱酸剤が存在しないときに
は化合物(III)の必要量は最低2当量となる。例え
ば、5−アミノ−8−メチルキノロン誘導体に2当量ま
たはそれ以上の過剰量の塩基性置換基導入化合物(キノ
ロン母核の7位に塩基性置換基を導入するために反応さ
せる化合物で、式(III)や、式(3)の化合物がそ
の例である。)の存在下の置換反応として、次に示す例
がある(特開平7−309864号、特開昭62−21
5572号)。
【0017】
【化11】
【0018】本願発明者は、2当量の式(3)の化合物
の存在下に式(2)の化合物と処理する反応を検討した
ところ、式(1)の化合物が67%の収率(HPLC収
率)で得られることが明らかとなった。先に述べた様
に、脱酸剤としてトリエチルアミン存在下に行った反応
では55%の収率であり、この反応条件よりも収率の向
上が認められた。また、化11に示した反応例と比較し
てもより高い収率の反応が進行することが認められる。
すなわち、式(2)と式(3)の化合物の反応において
は、他の塩基性化合物を使用せずに、式(2)および式
(3)の化合物だけで反応を実施しても反応が進行し、
化合物(1)が得られることが明らかとなった。そし
て、2.5当量の式(3)の化合物の存在下で反応させ
たところ、式(1)の化合物の収率は70%(HPLC
収率)であった。さらに、3当量の式(3)の化合物の
存在下で反応を行ったところ、驚くべきことに、97%
(HPLC収率)というほぼ定量的な収率で式(1)の
化合物が生成することが明らかとなったのである。(な
おこの結果から、化合物(3)の添加量の臨界点は2.
5から3当量の間にあると推測される。)
の存在下に式(2)の化合物と処理する反応を検討した
ところ、式(1)の化合物が67%の収率(HPLC収
率)で得られることが明らかとなった。先に述べた様
に、脱酸剤としてトリエチルアミン存在下に行った反応
では55%の収率であり、この反応条件よりも収率の向
上が認められた。また、化11に示した反応例と比較し
てもより高い収率の反応が進行することが認められる。
すなわち、式(2)と式(3)の化合物の反応において
は、他の塩基性化合物を使用せずに、式(2)および式
(3)の化合物だけで反応を実施しても反応が進行し、
化合物(1)が得られることが明らかとなった。そし
て、2.5当量の式(3)の化合物の存在下で反応させ
たところ、式(1)の化合物の収率は70%(HPLC
収率)であった。さらに、3当量の式(3)の化合物の
存在下で反応を行ったところ、驚くべきことに、97%
(HPLC収率)というほぼ定量的な収率で式(1)の
化合物が生成することが明らかとなったのである。(な
おこの結果から、化合物(3)の添加量の臨界点は2.
5から3当量の間にあると推測される。)
【0019】
【化12】
【0020】すなわち、約2.5当量以上の式(3)の
化合物の存在下で反応を実施することで式(1)の化合
物の収率の上昇が認められ、3当量の式(3)の化合物
の存在下の反応ではほぼ定量的に式(1)の化合物が得
られるのである。すなわち、3当量の塩基性置換基導入
化合物を存在させて反応させることによって、収率の点
では十分に目的を達成できることが明らかとなった。
化合物の存在下で反応を実施することで式(1)の化合
物の収率の上昇が認められ、3当量の式(3)の化合物
の存在下の反応ではほぼ定量的に式(1)の化合物が得
られるのである。すなわち、3当量の塩基性置換基導入
化合物を存在させて反応させることによって、収率の点
では十分に目的を達成できることが明らかとなった。
【0021】この様に、3当量の式(3)の化合物の存
在下に反応を実施しても、脱酸剤分および過剰分の式
(3)の化合物を回収することができ、その回収率が9
5.7%と、定量的に回収できることも判明した。キノ
ロンカルボン酸誘導体の従来の製造法におけるキノロン
母核の7位(またはその相当位)へ塩基性置換基を導入
する反応は、塩基性置換基導入化合物の他にこれ以外の
塩基性化合物を脱酸剤として添加して反応を実施してい
た。7位の塩基性置換基の構造が複雑化して塩基性置換
基導入化合物の製造がより複雑となる場合で、過剰の塩
基性置換基導入化合物の存在下に置換反応を実施すると
きは、過剰使用部分が回収できなければたとえ置換反応
の収率が向上しても実用的な製造反応とは言い難い。し
かしながら、本願の方法は脱酸剤として使用した部分お
よび過剰部分の塩基性置換基導入化合物をほぼ定量的に
回収することができ、本願の方法が優れた方法であるこ
とが明らかとなったのである。
在下に反応を実施しても、脱酸剤分および過剰分の式
(3)の化合物を回収することができ、その回収率が9
5.7%と、定量的に回収できることも判明した。キノ
ロンカルボン酸誘導体の従来の製造法におけるキノロン
母核の7位(またはその相当位)へ塩基性置換基を導入
する反応は、塩基性置換基導入化合物の他にこれ以外の
塩基性化合物を脱酸剤として添加して反応を実施してい
た。7位の塩基性置換基の構造が複雑化して塩基性置換
基導入化合物の製造がより複雑となる場合で、過剰の塩
基性置換基導入化合物の存在下に置換反応を実施すると
きは、過剰使用部分が回収できなければたとえ置換反応
の収率が向上しても実用的な製造反応とは言い難い。し
かしながら、本願の方法は脱酸剤として使用した部分お
よび過剰部分の塩基性置換基導入化合物をほぼ定量的に
回収することができ、本願の方法が優れた方法であるこ
とが明らかとなったのである。
【0022】本願発明の方法は溶媒の存在下に実施する
のが好ましいが、使用する溶媒としては反応に対して不
活性であれば特に限定されない。このような溶媒として
特に好ましくはジメチルスルホキシドである。この他
に、スルホラン等も使用でき、また、アミド系の溶媒で
あるジメチルアセトアミド、2−メチルピロリドン等を
例示することもできる。本願発明の方法は、不活性ガス
の存在下に行うことが好ましい。不活性ガスとしては、
ヘリウム、窒素、ネオン、アルゴン、クリプトン、また
はキセノンから選ばれるものでよい。この不活性ガス雰
囲気は不活性ガスの気流によって達成するのではなく、
反応容器を不活性ガスで置換した後、反応容器内の気体
が大気と混合、置換しないように簡便な封をした程度の
密封系として行うのがよい。もちろんオートクレーブの
様な完全な密封容器を使用して反応を実施してもよい。
このような場合に反応が多少の圧力のかかった反応とな
っても差し支えない。反応温度は約70℃から約150
℃の範囲で行えばよいが、100℃から120℃の範囲
が好ましい。また反応時間は、反応温度によっても異な
るが、約90℃では約50から80時間程度、また約1
10℃程度の温度では約15から25時間程度でよい。
のが好ましいが、使用する溶媒としては反応に対して不
活性であれば特に限定されない。このような溶媒として
特に好ましくはジメチルスルホキシドである。この他
に、スルホラン等も使用でき、また、アミド系の溶媒で
あるジメチルアセトアミド、2−メチルピロリドン等を
例示することもできる。本願発明の方法は、不活性ガス
の存在下に行うことが好ましい。不活性ガスとしては、
ヘリウム、窒素、ネオン、アルゴン、クリプトン、また
はキセノンから選ばれるものでよい。この不活性ガス雰
囲気は不活性ガスの気流によって達成するのではなく、
反応容器を不活性ガスで置換した後、反応容器内の気体
が大気と混合、置換しないように簡便な封をした程度の
密封系として行うのがよい。もちろんオートクレーブの
様な完全な密封容器を使用して反応を実施してもよい。
このような場合に反応が多少の圧力のかかった反応とな
っても差し支えない。反応温度は約70℃から約150
℃の範囲で行えばよいが、100℃から120℃の範囲
が好ましい。また反応時間は、反応温度によっても異な
るが、約90℃では約50から80時間程度、また約1
10℃程度の温度では約15から25時間程度でよい。
【0023】式(I)で表される化合物について説明す
る。
る。
【0024】
【化13】 R1は、置換基を有していてもよい炭素数3から6の環
状アルキル基を表わす。環状アルキル基としては、シク
ロプロピル基が好ましい。置換基としては、炭素数1か
ら6のアルキル基またはハロゲン原子が好ましく、アル
キル基としてはメチル基、ハロゲン原子としてはフッ素
原子、もしくは塩素原子が好ましい。環状アルキル基上
の置換基としてはメチル基またはフッ素原子が好まし
く、特に好ましいのはフッ素原子である。R1としては
シクロプロピル基またはフルオロシクロプロピル基が好
ましい。フルオロシクロプロピル基としてはシスフルオ
ロシクロプロピル基が好ましく、その中でも(1R,2
S)−2−フルオロシクロプロピル基が好ましい。
状アルキル基を表わす。環状アルキル基としては、シク
ロプロピル基が好ましい。置換基としては、炭素数1か
ら6のアルキル基またはハロゲン原子が好ましく、アル
キル基としてはメチル基、ハロゲン原子としてはフッ素
原子、もしくは塩素原子が好ましい。環状アルキル基上
の置換基としてはメチル基またはフッ素原子が好まし
く、特に好ましいのはフッ素原子である。R1としては
シクロプロピル基またはフルオロシクロプロピル基が好
ましい。フルオロシクロプロピル基としてはシスフルオ
ロシクロプロピル基が好ましく、その中でも(1R,2
S)−2−フルオロシクロプロピル基が好ましい。
【0025】R2は、水素原子またはアミノ基の保護基
を表わす。アミノ基の保護基としては、置換基を有して
いてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してい
てもよいアラルキルオキシカルボニル基、置換基を有し
ていてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアル
キル基、または置換基を有していてもよいアラルキル基
を挙げることができる。これらの保護基としてさらに具
体的には、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル
基、第三級ブトキシカルボニル基、2,2,2−トリク
ロロエトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル
基、パラメトキシベンジルオキシカルボニル基、パラニ
トロベンジルオキシカルボニル基、アセチル基、メトキ
シアセチル基、トリフルオロアセチル基、クロロアセチ
ル基、ピバロイル基、ホルミル基、ベンゾイル基、第三
級ブチル基、ベンジル基、パラニトロベンジル基、パラ
メトキシベンジル基、トリフェニルメチル基等を挙げる
ことができる。R2としては水素原子が好ましい。R2
がアミノ基の保護基であるときは、通常使用される方法
によって除去して水素原子に変換することができる。
を表わす。アミノ基の保護基としては、置換基を有して
いてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してい
てもよいアラルキルオキシカルボニル基、置換基を有し
ていてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアル
キル基、または置換基を有していてもよいアラルキル基
を挙げることができる。これらの保護基としてさらに具
体的には、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル
基、第三級ブトキシカルボニル基、2,2,2−トリク
ロロエトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル
基、パラメトキシベンジルオキシカルボニル基、パラニ
トロベンジルオキシカルボニル基、アセチル基、メトキ
シアセチル基、トリフルオロアセチル基、クロロアセチ
ル基、ピバロイル基、ホルミル基、ベンゾイル基、第三
級ブチル基、ベンジル基、パラニトロベンジル基、パラ
メトキシベンジル基、トリフェニルメチル基等を挙げる
ことができる。R2としては水素原子が好ましい。R2
がアミノ基の保護基であるときは、通常使用される方法
によって除去して水素原子に変換することができる。
【0026】R3は、水素原子、フェニル基、アセトキ
シメチル基、ピバロイルオキシメチル基、エトキシカル
ボニル基、コリン基、ジメチルアミノエチル基、5−イ
ンダニル基、フタリジニル基、5−アルキル−2−オキ
ソ−1,3−ジオキソール−4−イルメチル基、3−ア
セトキシ−2−オキソブチル基、炭素数1から6のアル
キル基、炭素数2から7のアルコキシメチル基、または
炭素数1から6のアルキレン基とフェニル基とから構成
されるフェニルアルキル基を表わす。R3が水素原子以
外のときはエステルとなるが、このようなキノロンは合
成中間体やプロドラッグとして有用である。例えば、ア
ルキルエステル類やベンジルエステル類、アルコキシア
ルキルエステル類、フェニルアルキルエステル類および
フェニルエステル類は合成中間体として有用である。ま
た、プロドラッグとして用いられるエステルとしては、
生体内で容易に切断されてカルボン酸の遊離体を生成す
るようなエステルであり、例えば、アセトキシメチルエ
ステル、ピバロイルオキシメチルエステル、エトキシカ
ルボニルエステル、コリンエステル、ジメチルアミノエ
チルエステル、5−インダニルエステルおよびフタリジ
ニルエステル、5−アルキル−2−オキソ−1,3−ジ
オキソール−4−イルメチルエステル、そして3−アセ
トキシ−2−オキソブチルエステル等のオキソアルキル
エステルを挙げることができるRは、水素原子またはア
ミノ基の保護基を表わす。アミノ基の保護基としては、
置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置
換基を有していてもよいアラルキルオキシカルボニル
基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有し
ていてもよいアルキル基、または置換基を有していても
よいアラルキル基を挙げることができる。これらの保護
基としてさらに具体的には、メトキシカルボニル基、エ
トキシカルボニル基、第三級ブトキシカルボニル基、
2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、ベンジ
ルオキシカルボニル基、パラメトキシベンジルオキシカ
ルボニル基、パラニトロベンジルオキシカルボニル基、
アセチル基、メトキシアセチル基、トリフルオロアセチ
ル基、クロロアセチル基、ピバロイル基、ホルミル基、
ベンゾイル基、第三級ブチル基、ベンジル基、パラニト
ロベンジル基、パラメトキシベンジル基、トリフェニル
メチル基等を挙げることができる。Rがアミノ基の保護
基であるときは、通常使用される方法によって除去して
水素原子に変換することができる。nは、1から5の整
数であるが、1または2が好ましく、特に1が好まし
い。
シメチル基、ピバロイルオキシメチル基、エトキシカル
ボニル基、コリン基、ジメチルアミノエチル基、5−イ
ンダニル基、フタリジニル基、5−アルキル−2−オキ
ソ−1,3−ジオキソール−4−イルメチル基、3−ア
セトキシ−2−オキソブチル基、炭素数1から6のアル
キル基、炭素数2から7のアルコキシメチル基、または
炭素数1から6のアルキレン基とフェニル基とから構成
されるフェニルアルキル基を表わす。R3が水素原子以
外のときはエステルとなるが、このようなキノロンは合
成中間体やプロドラッグとして有用である。例えば、ア
ルキルエステル類やベンジルエステル類、アルコキシア
ルキルエステル類、フェニルアルキルエステル類および
フェニルエステル類は合成中間体として有用である。ま
た、プロドラッグとして用いられるエステルとしては、
生体内で容易に切断されてカルボン酸の遊離体を生成す
るようなエステルであり、例えば、アセトキシメチルエ
ステル、ピバロイルオキシメチルエステル、エトキシカ
ルボニルエステル、コリンエステル、ジメチルアミノエ
チルエステル、5−インダニルエステルおよびフタリジ
ニルエステル、5−アルキル−2−オキソ−1,3−ジ
オキソール−4−イルメチルエステル、そして3−アセ
トキシ−2−オキソブチルエステル等のオキソアルキル
エステルを挙げることができるRは、水素原子またはア
ミノ基の保護基を表わす。アミノ基の保護基としては、
置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置
換基を有していてもよいアラルキルオキシカルボニル
基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有し
ていてもよいアルキル基、または置換基を有していても
よいアラルキル基を挙げることができる。これらの保護
基としてさらに具体的には、メトキシカルボニル基、エ
トキシカルボニル基、第三級ブトキシカルボニル基、
2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、ベンジ
ルオキシカルボニル基、パラメトキシベンジルオキシカ
ルボニル基、パラニトロベンジルオキシカルボニル基、
アセチル基、メトキシアセチル基、トリフルオロアセチ
ル基、クロロアセチル基、ピバロイル基、ホルミル基、
ベンゾイル基、第三級ブチル基、ベンジル基、パラニト
ロベンジル基、パラメトキシベンジル基、トリフェニル
メチル基等を挙げることができる。Rがアミノ基の保護
基であるときは、通常使用される方法によって除去して
水素原子に変換することができる。nは、1から5の整
数であるが、1または2が好ましく、特に1が好まし
い。
【0027】式(II)で表わされる化合物において、
置換基Xは脱離基としての機能を有する基であれば特に
制限はない。Xとしては、フッ素原子、塩素原子、臭素
原子等のハロゲン原子;置換基を有していてもよいフェ
ニルスルホニル基、または炭素数が1から3の、置換基
を有していてもよいアルキルスルホニル基からなる群の
基から選ばれる脱離基である。置換基を有するフェニル
スルホニル基の置換基は、アルキル基、ハロゲン原子お
よびニトロ基を挙げることができる。これらのうちでは
アルキル基がよく、アルキル基としては炭素数1から6
の直鎖状、分枝鎖状のものでよい。通常メチル基でよ
く、パラトルエンスルホニル基がよい。アルキルスルホ
ニル基の炭素数は1から3であればよく、このアルキル
基状の置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基を挙
げることができる。置換基Xとしては、ハロゲン原子が
好ましく、特にフッ素原子が好ましい。
置換基Xは脱離基としての機能を有する基であれば特に
制限はない。Xとしては、フッ素原子、塩素原子、臭素
原子等のハロゲン原子;置換基を有していてもよいフェ
ニルスルホニル基、または炭素数が1から3の、置換基
を有していてもよいアルキルスルホニル基からなる群の
基から選ばれる脱離基である。置換基を有するフェニル
スルホニル基の置換基は、アルキル基、ハロゲン原子お
よびニトロ基を挙げることができる。これらのうちでは
アルキル基がよく、アルキル基としては炭素数1から6
の直鎖状、分枝鎖状のものでよい。通常メチル基でよ
く、パラトルエンスルホニル基がよい。アルキルスルホ
ニル基の炭素数は1から3であればよく、このアルキル
基状の置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基を挙
げることができる。置換基Xとしては、ハロゲン原子が
好ましく、特にフッ素原子が好ましい。
【0028】
【実施例】以下に実施例を示して本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるもので
はない。実施例における、高速液体クロマトグラフィ
(以下HPLCと略称)の分析条件は以下の通りであ
る。 HPLCの分析条件: カラム:TSK−GELODS−80TM、4.6mm
φ×250mm(東ソー株式会社)、 溶出溶媒:0.5%KH2PO4水溶液(pH3):ア
セトニトリル=40:60(V/V)、 流速:1.0ml/min 検出波長:313nm
説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるもので
はない。実施例における、高速液体クロマトグラフィ
(以下HPLCと略称)の分析条件は以下の通りであ
る。 HPLCの分析条件: カラム:TSK−GELODS−80TM、4.6mm
φ×250mm(東ソー株式会社)、 溶出溶媒:0.5%KH2PO4水溶液(pH3):ア
セトニトリル=40:60(V/V)、 流速:1.0ml/min 検出波長:313nm
【0029】実験方法:
【0030】
【化14】
【0031】ジメチルスルホキシド(2ml)中で、式
(2)(5−アミノ−6,7−ジフルオロ−1−[(2
S)−フルオロ−(1R)−シクロプロピル]−1,4
−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノロン−3−カ
ルボン酸)の化合物(0.3mmol)に対し、式
(3)の化合物((7S)−第三級ブトキシカルボニル
アミノ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン)の量を変
えて加え、容器内を窒素ガスにて置換し、外温110℃
にて21時間加熱した。冷後、反応液を高速液体クロマ
トグラフィーにて分析して目的の式(1)の化合物(5
−アミノ−7−[(7S)−第三級ブトキシカルボニル
アミノ−5−アザスピロ[2.4]ヘプト−5−イル]
−6−フルオロ−1−[(2S)−フルオロ−(1R)
−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−
4−オキソキノロン−3−カルボン酸)の収率を求め
た。式(1)の化合物の単離収率も求めた例の他、式
(3)の化合物の回収も適宜検討した。比較例として、
トリエチルアミンを脱酸剤として添加した例もある。こ
れらの結果を下記の表に示した。
(2)(5−アミノ−6,7−ジフルオロ−1−[(2
S)−フルオロ−(1R)−シクロプロピル]−1,4
−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノロン−3−カ
ルボン酸)の化合物(0.3mmol)に対し、式
(3)の化合物((7S)−第三級ブトキシカルボニル
アミノ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン)の量を変
えて加え、容器内を窒素ガスにて置換し、外温110℃
にて21時間加熱した。冷後、反応液を高速液体クロマ
トグラフィーにて分析して目的の式(1)の化合物(5
−アミノ−7−[(7S)−第三級ブトキシカルボニル
アミノ−5−アザスピロ[2.4]ヘプト−5−イル]
−6−フルオロ−1−[(2S)−フルオロ−(1R)
−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−
4−オキソキノロン−3−カルボン酸)の収率を求め
た。式(1)の化合物の単離収率も求めた例の他、式
(3)の化合物の回収も適宜検討した。比較例として、
トリエチルアミンを脱酸剤として添加した例もある。こ
れらの結果を下記の表に示した。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本願発明の方法によれば、脱酸剤を使用
することなくキノロンカルボン酸誘導体を収率よく製造
できるので副生物や残存する原料がなく目的物の単離が
容易であり、しかも脱酸剤を兼ねて過剰量の塩基性置換
基導入化合物を使用しても、置換反応によって消費され
る以外の同化合物は反応後に回収してリサイクルできる
ので経済効率も高く、キノロンカルボン酸誘導体の製造
方法として優れた方法である。
することなくキノロンカルボン酸誘導体を収率よく製造
できるので副生物や残存する原料がなく目的物の単離が
容易であり、しかも脱酸剤を兼ねて過剰量の塩基性置換
基導入化合物を使用しても、置換反応によって消費され
る以外の同化合物は反応後に回収してリサイクルできる
ので経済効率も高く、キノロンカルボン酸誘導体の製造
方法として優れた方法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武田 聡之 東京都江戸川区北葛西1丁目16番13号 第 一製薬株式会社東京研究開発センター内 (72)発明者 稲垣 裕章 東京都江戸川区北葛西1丁目16番13号 第 一製薬株式会社東京研究開発センター内 Fターム(参考) 4C063 AA01 BB02 CC14 DD03 EE01
Claims (16)
- 【請求項1】 式(I) 【化1】 (式中、R1は、置換基を有していてもよい炭素数3か
ら6の環状アルキル基を表わし、RおよびR2は、各々
独立に、水素原子またはアミノ基の保護基を表わし、R
3は、水素原子、フェニル基、アセトキシメチル基、ピ
バロイルオキシメチル基、エトキシカルボニル基、コリ
ン基、ジメチルアミノエチル基、5−インダニル基、フ
タリジニル基、5−アルキル−2−オキソ−1,3−ジ
オキソール−4−イルメチル基、3−アセトキシ−2−
オキソブチル基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数
2から7のアルコキシメチル基、または炭素数1から6
のアルキレン基とフェニル基とから構成されるフェニル
アルキル基を表し、nは、1から5の整数を表す。)で
表わされる化合物の製法であって、式(II) 【化2】 (式中、Xは、脱離基を表し、R1、R2およびR
3は、上記の定義と同じである。)で表される化合物
と、これに対し3当量以上の式(III) 【化3】 (式中、nは上記の定義と同じである。)で表される化
合物とを処理することを特徴とする製法 - 【請求項2】 式(III)で表わされる化合物の量
が、式(II)で表わされる化合物に対して3当量であ
る請求項1に記載の製法 - 【請求項3】 R3が、水素原子である請求項1または
2に記載の製法 - 【請求項4】 nが、1である請求項1から3のいずれ
か一項に記載の製法 - 【請求項5】 アミノ基の保護基が、置換基を有してい
てもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していて
もよいアラルキルオキシカルボニル基、置換基を有して
いてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアルキ
ル基、または置換基を有していてもよいアラルキル基か
らなる群の基から選ばれる保護基である請求項1から4
のいずれか一項に記載の製法 - 【請求項6】 アミノ基の保護基が、メトキシカルボニ
ル基、エトキシカルボニル基、第三級ブトキシカルボニ
ル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、
ベンジルオキシカルボニル基、パラメトキシベンジルオ
キシカルボニル基、パラニトロベンジルオキシカルボニ
ル基、アセチル基、メトキシアセチル基、トリフルオロ
アセチル基、クロロアセチル基、ピバロイル基、ホルミ
ル基、ベンゾイル基、第三級ブチル基、ベンジル基、パ
ラニトロベンジル基、パラメトキシベンジル基、トリフ
ェニルメチル基からなる群の基から選ばれる保護基であ
る請求項1から4のいずれか一項に記載の製法 - 【請求項7】 R1が、置換基を有していてもよいシク
ロアルキル基である請求項1から6のいずれか一項に記
載の製法 - 【請求項8】 R1が、ハロゲン原子を有するシクロア
ルキル基である請求項7に記載の製法 - 【請求項9】 ハロゲン原子を有するシクロアルキル基
が、フルオロシクロプロピル基である請求項8に記載の
製法 - 【請求項10】 フルオロシクロプロピル基が、(1
R,2S)−2−フルオロシクロプロピル基である請求
項9に記載の製法 - 【請求項11】 Rが、第三級ブトキシカルボニル基で
ある請求項1から10のいずれか一項に記載の製法 - 【請求項12】 R2が、水素原子である請求項1から
11のいずれか一項に記載の製法 - 【請求項13】 Xが、フッ素原子、塩素原子、臭素原
子、置換基を有していてもよいフェニルスルホニル基、
または置換基を有していてもよい炭素数が1から3のア
ルキルスルホニル基からなる群の基から選ばれる脱離基
である請求項1から12のいずれか一項に記載の製法 - 【請求項14】 Xが、フッ素原子である請求項1から
12のいずれか一項に記載の製法 - 【請求項15】 不活性ガスの存在下に反応が実施され
る請求項1から14のいずれか一項に記載の製法 - 【請求項16】 不活性ガスが、ヘリウム、窒素、ネオ
ン、アルゴン、クリプトン、またはキセノンから選ばれ
る不活性ガスである請求項1から14のいずれか一項に
記載の製法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11178401A JP2001002676A (ja) | 1999-06-24 | 1999-06-24 | キノロンカルボン酸誘導体の製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11178401A JP2001002676A (ja) | 1999-06-24 | 1999-06-24 | キノロンカルボン酸誘導体の製法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001002676A true JP2001002676A (ja) | 2001-01-09 |
Family
ID=16047865
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11178401A Pending JP2001002676A (ja) | 1999-06-24 | 1999-06-24 | キノロンカルボン酸誘導体の製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001002676A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003014108A1 (fr) * | 2001-08-08 | 2003-02-20 | Institute Of Medicinal Biotechnology Chinese Academy Of Medical Sciences | Nouveaux derives d'acide carboxylique et de quinoline substitues par 7-(aminomethyl-5-azospiro[2,4]heptane) et leur procede de preparation |
WO2003097634A1 (fr) * | 2002-05-17 | 2003-11-27 | Daiichi Pharmaceutical Co., Ltd. | Procede de production d'un derive d'acide carboxylique et quinoloneprocede de production d'un derive d'acide carboxylique et quinolone |
-
1999
- 1999-06-24 JP JP11178401A patent/JP2001002676A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003014108A1 (fr) * | 2001-08-08 | 2003-02-20 | Institute Of Medicinal Biotechnology Chinese Academy Of Medical Sciences | Nouveaux derives d'acide carboxylique et de quinoline substitues par 7-(aminomethyl-5-azospiro[2,4]heptane) et leur procede de preparation |
WO2003097634A1 (fr) * | 2002-05-17 | 2003-11-27 | Daiichi Pharmaceutical Co., Ltd. | Procede de production d'un derive d'acide carboxylique et quinoloneprocede de production d'un derive d'acide carboxylique et quinolone |
CN100422170C (zh) * | 2002-05-17 | 2008-10-01 | 第一制药株式会社 | 喹诺酮羧酸衍生物的制备方法 |
KR101041277B1 (ko) * | 2002-05-17 | 2011-06-14 | 다이이찌 세이야꾸 가부시기가이샤 | 퀴놀론카르복실산 유도체의 제조방법 |
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