JP2001002676A - キノロンカルボン酸誘導体の製法 - Google Patents

キノロンカルボン酸誘導体の製法

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JP2001002676A
JP2001002676A JP11178401A JP17840199A JP2001002676A JP 2001002676 A JP2001002676 A JP 2001002676A JP 11178401 A JP11178401 A JP 11178401A JP 17840199 A JP17840199 A JP 17840199A JP 2001002676 A JP2001002676 A JP 2001002676A
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JP11178401A
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Makoto Takemura
真 竹村
Hisashi Takahashi
寿 高橋
Katsuhiro Kawakami
勝浩 川上
Satoyuki Takeda
聡之 武田
Hiroaki Inagaki
裕章 稲垣
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Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キノロン誘導の効率的な製法を提供する。 【解決手段】 式(II) 【化1】 の化合物と、3モル当量の式(III) 【化2】 の化合物とを処理して式(I)の化合物を製造する 【化3】 (R:環状アルキル基;R,R:水素原子,アミノ
基の保護基;R:水素原子、フェニル基、アセトキシ
メチル基、ピバロイルオキシメチル基、エトキシカルボ
ニル基、コリン基、ジメチルアミノエチル基、5−イン
ダニル基、フタリジニル基、5−アルキル−2−オキソ
−1,3−ジオキソール−4−イルメチル基、3−アセ
トキシ−2−オキソブチル基、炭素数1から6のアルキ
ル基、炭素数2から7のアルコキシメチル基、または炭
素数1から6のアルキレン基とフェニル基とから構成さ
れるフェニルアルキル基;n:1から5の整数;X:脱
離基)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、優れた医薬または農
薬等として期待されるキノロンカルボン酸系合成抗菌薬
の効率的な製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】キノロン母核の7位(またはその相当
位)に置換基として次式
【0003】
【化4】 で表される基を有するキノロンカルボン酸系合成抗菌薬
は、高い抗菌力と安全性とを有しており、優れた特性を
有することが知られている(特開平2−231475
号、特開平3−95176号、特開平7−309864
号公報など)。さらに、5−アミノ−8−メチルキノロ
ンカルボン酸誘導体も安全性に優れた特性を有し、優れ
た特性を有することが知られている(特開平3−951
76号、特開平7−309864号公報など)。すなわ
ち次の式(I)で表される化合物は優れた特性のキノロ
ンカルボン酸系合成抗菌薬として期待される。
【0004】
【化5】 (式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数3か
ら6の環状アルキル基を表わし、RおよびRは、各々
独立に、水素原子またはアミノ基の保護基を表わし、R
は、水素原子、フェニル基、アセトキシメチル基、ピ
バロイルオキシメチル基、エトキシカルボニル基、コリ
ン基、ジメチルアミノエチル基、5−インダニル基、フ
タリジニル基、5−アルキル−2−オキソ−1,3−ジ
オキソール−4−イルメチル基、3−アセトキシ−2−
オキソブチル基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数
2から7のアルコキシメチル基、または炭素数1から6
のアルキレン基とフェニル基とから構成されるフェニル
アルキル基を表し、nは、1から5の整数を表す。)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】式(I)で表されるキ
ノロンカルボン酸誘導体は従来知られていた方法によっ
て製造できるのであるが、従来の方法では満足できる収
率で製造できるとは言えず、製造効率がよいとはいえな
かった。例えば、式(2)および式(3)で表される化
合物を反応させて式(1)の化合物を得る反応におい
て、従来法に従い、式(2)の化合物に対して1.5当
量の式(3)の化合物を、脱酸剤として1.2当量のト
リエチルアミン存在下に反応を実施したところ、式
(1)の化合物は55%の収率(HPLC収率;反応後
に反応液を高速液体クロマトグラフィーによって分析し
て求めた収率)で得られたのみであった。
【0006】
【化6】
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本願発明の目的は、式
(I)で表されるキノロンカルボン酸誘導体を高効率で
製造できる方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは鋭意研究
した結果、式(2)の化合物と、式(2)の化合物に対
して3当量の式(3)の化合物とを混合して加熱下に反
応を行ったところ、式(1)の化合物がHPLC収率で
97%という高収率で得られ、かつ、式(2)の化合物
とは未反応の式(3)の化合物が収率よく回収できるこ
とを見出し発明を完成した。
【0009】すなわち本願発明は、式(I)
【0010】
【化7】 (式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数3か
ら6の環状アルキル基を表わし、RおよびRは、各々
独立に、水素原子またはアミノ基の保護基を表わし、R
は、水素原子、フェニル基、アセトキシメチル基、ピ
バロイルオキシメチル基、エトキシカルボニル基、コリ
ン基、ジメチルアミノエチル基、5−インダニル基、フ
タリジニル基、5−アルキル−2−オキソ−1,3−ジ
オキソール−4−イルメチル基、3−アセトキシ−2−
オキソブチル基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数
2から7のアルコキシメチル基、または炭素数1から6
のアルキレン基とフェニル基とから構成されるフェニル
アルキル基を表し、nは、1から5の整数を表す。)で
表わされる化合物の製法であって、式(II)
【0011】
【化8】 (式中、Xは、脱離基を表し、R、RおよびR
は、上記の定義と同じである。)で表される化合物
と、これに対して3当量以上の式(III)
【0012】
【化9】 (式中、nは上記の定義と同じである。)で表される化
合物とを処理することを特徴とする製法に関するもので
ある。
【0013】さらに本願発明は以下の各々にも関するも
のである。式(III)で表わされる化合物の量が、式
(II)で表わされる化合物に対して3当量である上記
の製法 Rが、水素原子である上記の製法;nが、1である上
記の製法;アミノ基の保護基が、置換基を有していても
よいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよ
いアラルキルオキシカルボニル基、置換基を有していて
もよいアシル基、置換基を有していてもよいアルキル
基、または置換基を有していてもよいアラルキル基から
なる群の基から選ばれる保護基である上記の製法;アミ
ノ基の保護基が、メトキシカルボニル基、エトキシカル
ボニル基、第三級ブトキシカルボニル基、2,2,2−
トリクロロエトキシカルボニル基、ベンジルオキシカル
ボニル基、パラメトキシベンジルオキシカルボニル基、
パラニトロベンジルオキシカルボニル基、アセチル基、
メトキシアセチル基、トリフルオロアセチル基、クロロ
アセチル基、ピバロイル基、ホルミル基、ベンゾイル
基、第三級ブチル基、ベンジル基、パラニトロベンジル
基、パラメトキシベンジル基、トリフェニルメチル基か
らなる群の基から選ばれる保護基である上記の製法;R
が、置換基を有することもあるシクロアルキル基であ
る上記の製法;Rが、ハロゲン原子を有するシクロア
ルキル基である上記の製法;ハロゲン原子を有するシク
ロアルキル基が、フルオロシクロプロピル基である上記
の製法;フルオロシクロプロピル基が、(1R,2S)
−2−フルオロシクロプロピル基である上記の製法;R
が、第三級ブトキシカルボニル基である上記の製法;R
が、水素原子である上記の製法;Xが、フッ素原子、
塩素原子、臭素原子、置換基を有していてもよいフェニ
ルスルホニル基、または置換基を有していてもよい炭素
数が1から3のアルキルスルホニル基からなる群の基か
ら選ばれる脱離基である上記の製法;Xが、フッ素原子
である上記の製法;不活性ガスの存在下に反応が実施さ
れる上記の製法;不活性ガスが、ヘリウム、窒素、ネオ
ン、アルゴン、クリプトン、またはキセノンから選ばれ
る不活性ガスである上記の製法;等である。
【0014】
【発明の実施の形態】本願発明の製法は、次に示す式
(I)の化合物の製法において、
【0015】
【化10】 (式中、Xは、脱離基を表わし、R、R、R、R
およびnは、先の定義に等しい。) 式(III)で表される化合物を、式(II)の化合物
に対して過剰量を使用して脱酸剤としての作用を兼用さ
せ、脱酸剤としてはこれ以外の塩基性化合物を使用する
ことなく、反応を実施することを特徴としている。
【0016】この方法について以下に説明する。式(I
I)の化合物と置換反応させるための式(III)の化
合物は、式(II)の化合物に対して当モルが必要であ
り、式(I)の化合物の製造には等(モル)当量の式
(II)の化合物が必要である。また、式(II)と式
(III)の化合物との反応によって生成するX−Hと
式(III)の化合物が塩を形成するため、さらに式
(II)の化合物と等当量の式(III)の化合物が必
要となり、したがって、他の脱酸剤が存在しないときに
は化合物(III)の必要量は最低2当量となる。例え
ば、5−アミノ−8−メチルキノロン誘導体に2当量ま
たはそれ以上の過剰量の塩基性置換基導入化合物(キノ
ロン母核の7位に塩基性置換基を導入するために反応さ
せる化合物で、式(III)や、式(3)の化合物がそ
の例である。)の存在下の置換反応として、次に示す例
がある(特開平7−309864号、特開昭62−21
5572号)。
【0017】
【化11】
【0018】本願発明者は、2当量の式(3)の化合物
の存在下に式(2)の化合物と処理する反応を検討した
ところ、式(1)の化合物が67%の収率(HPLC収
率)で得られることが明らかとなった。先に述べた様
に、脱酸剤としてトリエチルアミン存在下に行った反応
では55%の収率であり、この反応条件よりも収率の向
上が認められた。また、化11に示した反応例と比較し
てもより高い収率の反応が進行することが認められる。
すなわち、式(2)と式(3)の化合物の反応において
は、他の塩基性化合物を使用せずに、式(2)および式
(3)の化合物だけで反応を実施しても反応が進行し、
化合物(1)が得られることが明らかとなった。そし
て、2.5当量の式(3)の化合物の存在下で反応させ
たところ、式(1)の化合物の収率は70%(HPLC
収率)であった。さらに、3当量の式(3)の化合物の
存在下で反応を行ったところ、驚くべきことに、97%
(HPLC収率)というほぼ定量的な収率で式(1)の
化合物が生成することが明らかとなったのである。(な
おこの結果から、化合物(3)の添加量の臨界点は2.
5から3当量の間にあると推測される。)
【0019】
【化12】
【0020】すなわち、約2.5当量以上の式(3)の
化合物の存在下で反応を実施することで式(1)の化合
物の収率の上昇が認められ、3当量の式(3)の化合物
の存在下の反応ではほぼ定量的に式(1)の化合物が得
られるのである。すなわち、3当量の塩基性置換基導入
化合物を存在させて反応させることによって、収率の点
では十分に目的を達成できることが明らかとなった。
【0021】この様に、3当量の式(3)の化合物の存
在下に反応を実施しても、脱酸剤分および過剰分の式
(3)の化合物を回収することができ、その回収率が9
5.7%と、定量的に回収できることも判明した。キノ
ロンカルボン酸誘導体の従来の製造法におけるキノロン
母核の7位(またはその相当位)へ塩基性置換基を導入
する反応は、塩基性置換基導入化合物の他にこれ以外の
塩基性化合物を脱酸剤として添加して反応を実施してい
た。7位の塩基性置換基の構造が複雑化して塩基性置換
基導入化合物の製造がより複雑となる場合で、過剰の塩
基性置換基導入化合物の存在下に置換反応を実施すると
きは、過剰使用部分が回収できなければたとえ置換反応
の収率が向上しても実用的な製造反応とは言い難い。し
かしながら、本願の方法は脱酸剤として使用した部分お
よび過剰部分の塩基性置換基導入化合物をほぼ定量的に
回収することができ、本願の方法が優れた方法であるこ
とが明らかとなったのである。
【0022】本願発明の方法は溶媒の存在下に実施する
のが好ましいが、使用する溶媒としては反応に対して不
活性であれば特に限定されない。このような溶媒として
特に好ましくはジメチルスルホキシドである。この他
に、スルホラン等も使用でき、また、アミド系の溶媒で
あるジメチルアセトアミド、2−メチルピロリドン等を
例示することもできる。本願発明の方法は、不活性ガス
の存在下に行うことが好ましい。不活性ガスとしては、
ヘリウム、窒素、ネオン、アルゴン、クリプトン、また
はキセノンから選ばれるものでよい。この不活性ガス雰
囲気は不活性ガスの気流によって達成するのではなく、
反応容器を不活性ガスで置換した後、反応容器内の気体
が大気と混合、置換しないように簡便な封をした程度の
密封系として行うのがよい。もちろんオートクレーブの
様な完全な密封容器を使用して反応を実施してもよい。
このような場合に反応が多少の圧力のかかった反応とな
っても差し支えない。反応温度は約70℃から約150
℃の範囲で行えばよいが、100℃から120℃の範囲
が好ましい。また反応時間は、反応温度によっても異な
るが、約90℃では約50から80時間程度、また約1
10℃程度の温度では約15から25時間程度でよい。
【0023】式(I)で表される化合物について説明す
る。
【0024】
【化13】 は、置換基を有していてもよい炭素数3から6の環
状アルキル基を表わす。環状アルキル基としては、シク
ロプロピル基が好ましい。置換基としては、炭素数1か
ら6のアルキル基またはハロゲン原子が好ましく、アル
キル基としてはメチル基、ハロゲン原子としてはフッ素
原子、もしくは塩素原子が好ましい。環状アルキル基上
の置換基としてはメチル基またはフッ素原子が好まし
く、特に好ましいのはフッ素原子である。Rとしては
シクロプロピル基またはフルオロシクロプロピル基が好
ましい。フルオロシクロプロピル基としてはシスフルオ
ロシクロプロピル基が好ましく、その中でも(1R,2
S)−2−フルオロシクロプロピル基が好ましい。
【0025】Rは、水素原子またはアミノ基の保護基
を表わす。アミノ基の保護基としては、置換基を有して
いてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してい
てもよいアラルキルオキシカルボニル基、置換基を有し
ていてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアル
キル基、または置換基を有していてもよいアラルキル基
を挙げることができる。これらの保護基としてさらに具
体的には、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル
基、第三級ブトキシカルボニル基、2,2,2−トリク
ロロエトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル
基、パラメトキシベンジルオキシカルボニル基、パラニ
トロベンジルオキシカルボニル基、アセチル基、メトキ
シアセチル基、トリフルオロアセチル基、クロロアセチ
ル基、ピバロイル基、ホルミル基、ベンゾイル基、第三
級ブチル基、ベンジル基、パラニトロベンジル基、パラ
メトキシベンジル基、トリフェニルメチル基等を挙げる
ことができる。Rとしては水素原子が好ましい。R
がアミノ基の保護基であるときは、通常使用される方法
によって除去して水素原子に変換することができる。
【0026】Rは、水素原子、フェニル基、アセトキ
シメチル基、ピバロイルオキシメチル基、エトキシカル
ボニル基、コリン基、ジメチルアミノエチル基、5−イ
ンダニル基、フタリジニル基、5−アルキル−2−オキ
ソ−1,3−ジオキソール−4−イルメチル基、3−ア
セトキシ−2−オキソブチル基、炭素数1から6のアル
キル基、炭素数2から7のアルコキシメチル基、または
炭素数1から6のアルキレン基とフェニル基とから構成
されるフェニルアルキル基を表わす。Rが水素原子以
外のときはエステルとなるが、このようなキノロンは合
成中間体やプロドラッグとして有用である。例えば、ア
ルキルエステル類やベンジルエステル類、アルコキシア
ルキルエステル類、フェニルアルキルエステル類および
フェニルエステル類は合成中間体として有用である。ま
た、プロドラッグとして用いられるエステルとしては、
生体内で容易に切断されてカルボン酸の遊離体を生成す
るようなエステルであり、例えば、アセトキシメチルエ
ステル、ピバロイルオキシメチルエステル、エトキシカ
ルボニルエステル、コリンエステル、ジメチルアミノエ
チルエステル、5−インダニルエステルおよびフタリジ
ニルエステル、5−アルキル−2−オキソ−1,3−ジ
オキソール−4−イルメチルエステル、そして3−アセ
トキシ−2−オキソブチルエステル等のオキソアルキル
エステルを挙げることができるRは、水素原子またはア
ミノ基の保護基を表わす。アミノ基の保護基としては、
置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置
換基を有していてもよいアラルキルオキシカルボニル
基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有し
ていてもよいアルキル基、または置換基を有していても
よいアラルキル基を挙げることができる。これらの保護
基としてさらに具体的には、メトキシカルボニル基、エ
トキシカルボニル基、第三級ブトキシカルボニル基、
2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、ベンジ
ルオキシカルボニル基、パラメトキシベンジルオキシカ
ルボニル基、パラニトロベンジルオキシカルボニル基、
アセチル基、メトキシアセチル基、トリフルオロアセチ
ル基、クロロアセチル基、ピバロイル基、ホルミル基、
ベンゾイル基、第三級ブチル基、ベンジル基、パラニト
ロベンジル基、パラメトキシベンジル基、トリフェニル
メチル基等を挙げることができる。Rがアミノ基の保護
基であるときは、通常使用される方法によって除去して
水素原子に変換することができる。nは、1から5の整
数であるが、1または2が好ましく、特に1が好まし
い。
【0027】式(II)で表わされる化合物において、
置換基Xは脱離基としての機能を有する基であれば特に
制限はない。Xとしては、フッ素原子、塩素原子、臭素
原子等のハロゲン原子;置換基を有していてもよいフェ
ニルスルホニル基、または炭素数が1から3の、置換基
を有していてもよいアルキルスルホニル基からなる群の
基から選ばれる脱離基である。置換基を有するフェニル
スルホニル基の置換基は、アルキル基、ハロゲン原子お
よびニトロ基を挙げることができる。これらのうちでは
アルキル基がよく、アルキル基としては炭素数1から6
の直鎖状、分枝鎖状のものでよい。通常メチル基でよ
く、パラトルエンスルホニル基がよい。アルキルスルホ
ニル基の炭素数は1から3であればよく、このアルキル
基状の置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基を挙
げることができる。置換基Xとしては、ハロゲン原子が
好ましく、特にフッ素原子が好ましい。
【0028】
【実施例】以下に実施例を示して本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるもので
はない。実施例における、高速液体クロマトグラフィ
(以下HPLCと略称)の分析条件は以下の通りであ
る。 HPLCの分析条件: カラム:TSK−GELODS−80TM、4.6mm
φ×250mm(東ソー株式会社)、 溶出溶媒:0.5%KHPO水溶液(pH3):ア
セトニトリル=40:60(V/V)、 流速:1.0ml/min 検出波長:313nm
【0029】実験方法:
【0030】
【化14】
【0031】ジメチルスルホキシド(2ml)中で、式
(2)(5−アミノ−6,7−ジフルオロ−1−[(2
S)−フルオロ−(1R)−シクロプロピル]−1,4
−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノロン−3−カ
ルボン酸)の化合物(0.3mmol)に対し、式
(3)の化合物((7S)−第三級ブトキシカルボニル
アミノ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン)の量を変
えて加え、容器内を窒素ガスにて置換し、外温110℃
にて21時間加熱した。冷後、反応液を高速液体クロマ
トグラフィーにて分析して目的の式(1)の化合物(5
−アミノ−7−[(7S)−第三級ブトキシカルボニル
アミノ−5−アザスピロ[2.4]ヘプト−5−イル]
−6−フルオロ−1−[(2S)−フルオロ−(1R)
−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−
4−オキソキノロン−3−カルボン酸)の収率を求め
た。式(1)の化合物の単離収率も求めた例の他、式
(3)の化合物の回収も適宜検討した。比較例として、
トリエチルアミンを脱酸剤として添加した例もある。こ
れらの結果を下記の表に示した。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本願発明の方法によれば、脱酸剤を使用
することなくキノロンカルボン酸誘導体を収率よく製造
できるので副生物や残存する原料がなく目的物の単離が
容易であり、しかも脱酸剤を兼ねて過剰量の塩基性置換
基導入化合物を使用しても、置換反応によって消費され
る以外の同化合物は反応後に回収してリサイクルできる
ので経済効率も高く、キノロンカルボン酸誘導体の製造
方法として優れた方法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武田 聡之 東京都江戸川区北葛西1丁目16番13号 第 一製薬株式会社東京研究開発センター内 (72)発明者 稲垣 裕章 東京都江戸川区北葛西1丁目16番13号 第 一製薬株式会社東京研究開発センター内 Fターム(参考) 4C063 AA01 BB02 CC14 DD03 EE01

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I) 【化1】 (式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数3か
    ら6の環状アルキル基を表わし、RおよびRは、各々
    独立に、水素原子またはアミノ基の保護基を表わし、R
    は、水素原子、フェニル基、アセトキシメチル基、ピ
    バロイルオキシメチル基、エトキシカルボニル基、コリ
    ン基、ジメチルアミノエチル基、5−インダニル基、フ
    タリジニル基、5−アルキル−2−オキソ−1,3−ジ
    オキソール−4−イルメチル基、3−アセトキシ−2−
    オキソブチル基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数
    2から7のアルコキシメチル基、または炭素数1から6
    のアルキレン基とフェニル基とから構成されるフェニル
    アルキル基を表し、nは、1から5の整数を表す。)で
    表わされる化合物の製法であって、式(II) 【化2】 (式中、Xは、脱離基を表し、R、RおよびR
    は、上記の定義と同じである。)で表される化合物
    と、これに対し3当量以上の式(III) 【化3】 (式中、nは上記の定義と同じである。)で表される化
    合物とを処理することを特徴とする製法
  2. 【請求項2】 式(III)で表わされる化合物の量
    が、式(II)で表わされる化合物に対して3当量であ
    る請求項1に記載の製法
  3. 【請求項3】 Rが、水素原子である請求項1または
    2に記載の製法
  4. 【請求項4】 nが、1である請求項1から3のいずれ
    か一項に記載の製法
  5. 【請求項5】 アミノ基の保護基が、置換基を有してい
    てもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していて
    もよいアラルキルオキシカルボニル基、置換基を有して
    いてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアルキ
    ル基、または置換基を有していてもよいアラルキル基か
    らなる群の基から選ばれる保護基である請求項1から4
    のいずれか一項に記載の製法
  6. 【請求項6】 アミノ基の保護基が、メトキシカルボニ
    ル基、エトキシカルボニル基、第三級ブトキシカルボニ
    ル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、
    ベンジルオキシカルボニル基、パラメトキシベンジルオ
    キシカルボニル基、パラニトロベンジルオキシカルボニ
    ル基、アセチル基、メトキシアセチル基、トリフルオロ
    アセチル基、クロロアセチル基、ピバロイル基、ホルミ
    ル基、ベンゾイル基、第三級ブチル基、ベンジル基、パ
    ラニトロベンジル基、パラメトキシベンジル基、トリフ
    ェニルメチル基からなる群の基から選ばれる保護基であ
    る請求項1から4のいずれか一項に記載の製法
  7. 【請求項7】 Rが、置換基を有していてもよいシク
    ロアルキル基である請求項1から6のいずれか一項に記
    載の製法
  8. 【請求項8】 Rが、ハロゲン原子を有するシクロア
    ルキル基である請求項7に記載の製法
  9. 【請求項9】 ハロゲン原子を有するシクロアルキル基
    が、フルオロシクロプロピル基である請求項8に記載の
    製法
  10. 【請求項10】 フルオロシクロプロピル基が、(1
    R,2S)−2−フルオロシクロプロピル基である請求
    項9に記載の製法
  11. 【請求項11】 Rが、第三級ブトキシカルボニル基で
    ある請求項1から10のいずれか一項に記載の製法
  12. 【請求項12】 Rが、水素原子である請求項1から
    11のいずれか一項に記載の製法
  13. 【請求項13】 Xが、フッ素原子、塩素原子、臭素原
    子、置換基を有していてもよいフェニルスルホニル基、
    または置換基を有していてもよい炭素数が1から3のア
    ルキルスルホニル基からなる群の基から選ばれる脱離基
    である請求項1から12のいずれか一項に記載の製法
  14. 【請求項14】 Xが、フッ素原子である請求項1から
    12のいずれか一項に記載の製法
  15. 【請求項15】 不活性ガスの存在下に反応が実施され
    る請求項1から14のいずれか一項に記載の製法
  16. 【請求項16】 不活性ガスが、ヘリウム、窒素、ネオ
    ン、アルゴン、クリプトン、またはキセノンから選ばれ
    る不活性ガスである請求項1から14のいずれか一項に
    記載の製法
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003014108A1 (fr) * 2001-08-08 2003-02-20 Institute Of Medicinal Biotechnology Chinese Academy Of Medical Sciences Nouveaux derives d'acide carboxylique et de quinoline substitues par 7-(aminomethyl-5-azospiro[2,4]heptane) et leur procede de preparation
WO2003097634A1 (fr) * 2002-05-17 2003-11-27 Daiichi Pharmaceutical Co., Ltd. Procede de production d'un derive d'acide carboxylique et quinoloneprocede de production d'un derive d'acide carboxylique et quinolone

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