JP2001002636A - ラクタムの製造方法 - Google Patents
ラクタムの製造方法Info
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- JP2001002636A JP2001002636A JP11168793A JP16879399A JP2001002636A JP 2001002636 A JP2001002636 A JP 2001002636A JP 11168793 A JP11168793 A JP 11168793A JP 16879399 A JP16879399 A JP 16879399A JP 2001002636 A JP2001002636 A JP 2001002636A
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- Japan
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- lactam
- cycloalkane
- producing
- sulfuric acid
- chloroform
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ラクタムを製造する際に、硫酸を用いず、従
って副生物として硫安を生成しないだけでなくオキシム
を分離する工程を不要にする手段を提供する。 【解決手段】 シクロアルカンを出発原料とし、ラクタ
ムを製造するに際し、パーハロゲン化ニトロソアルカン
とシクロアルカンの混合物に、有機溶媒中、硫酸を加え
ることなく光照射する。
って副生物として硫安を生成しないだけでなくオキシム
を分離する工程を不要にする手段を提供する。 【解決手段】 シクロアルカンを出発原料とし、ラクタ
ムを製造するに際し、パーハロゲン化ニトロソアルカン
とシクロアルカンの混合物に、有機溶媒中、硫酸を加え
ることなく光照射する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラクタムの製造方
法に関する。さらに詳しくは、シクロアルカンを出発原
料とし、オキシム中間体を分離することなく直接ラクタ
ムを製造する方法に関する。
法に関する。さらに詳しくは、シクロアルカンを出発原
料とし、オキシム中間体を分離することなく直接ラクタ
ムを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ラクタムは、ナイロン原料として広く使
用されており、その製造方法は多くの文献に記載されて
いる。そのなかでも、シクロアルカンから光ニトロソ化
を経てシクロアルカノンオキシムを得、これをベックマ
ン転位するラクタムの製造方法については、ニトロソ化
剤として、塩化ニトロシルを用いる方法の他、トリクロ
ロニトロソメタンを用いる方法(特開平10−2527
9号公報)によって得られたオキシムを硫酸によりベッ
クマン転位する方法が知られている。
用されており、その製造方法は多くの文献に記載されて
いる。そのなかでも、シクロアルカンから光ニトロソ化
を経てシクロアルカノンオキシムを得、これをベックマ
ン転位するラクタムの製造方法については、ニトロソ化
剤として、塩化ニトロシルを用いる方法の他、トリクロ
ロニトロソメタンを用いる方法(特開平10−2527
9号公報)によって得られたオキシムを硫酸によりベッ
クマン転位する方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法では、光ニトロソ化によって得られたシクロアル
カノンオキシムを一旦比重分離し、ベックマン転位工程
に供する必要がある。特に、特開平10−25279号
公報に記載の方法では硫酸存在下で光ニトロソ化を行う
ことによりシクロドデカノンオキシムを得、この硫酸に
よる比重分離を達成しなければならない。また、オキシ
ムを転位してラクタムを得る際に大量の発煙硫酸を必要
とするだけでなく、転位反応生成物からラクタムを分離
するためにはこの硫酸をアンモニアにより中和する必要
があり、この工程で大量の硫安副生を伴うという問題が
ある。
の方法では、光ニトロソ化によって得られたシクロアル
カノンオキシムを一旦比重分離し、ベックマン転位工程
に供する必要がある。特に、特開平10−25279号
公報に記載の方法では硫酸存在下で光ニトロソ化を行う
ことによりシクロドデカノンオキシムを得、この硫酸に
よる比重分離を達成しなければならない。また、オキシ
ムを転位してラクタムを得る際に大量の発煙硫酸を必要
とするだけでなく、転位反応生成物からラクタムを分離
するためにはこの硫酸をアンモニアにより中和する必要
があり、この工程で大量の硫安副生を伴うという問題が
ある。
【0004】本発明の目的は、シクロアルカンを出発原
料としてラクタムを製造する際に、オキシムを分離して
ベックマン転位を行う工程を不要にするとともに、硫酸
を用いずに直接ラクタム化することにより副生物として
硫安を生成しない手段を提供することである。
料としてラクタムを製造する際に、オキシムを分離して
ベックマン転位を行う工程を不要にするとともに、硫酸
を用いずに直接ラクタム化することにより副生物として
硫安を生成しない手段を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
なラクタムの製造方法について鋭意検討を重ねた結果、
原料であるシクロアルカン以外の溶媒を用い、硫酸を共
存させないという簡便な手段を用いることにより、シク
ロアルカノンオキシムを分離することなく直接ラクタム
が得られることを見いだし、本発明に到達した。
なラクタムの製造方法について鋭意検討を重ねた結果、
原料であるシクロアルカン以外の溶媒を用い、硫酸を共
存させないという簡便な手段を用いることにより、シク
ロアルカノンオキシムを分離することなく直接ラクタム
が得られることを見いだし、本発明に到達した。
【0006】すなわち、本発明は、パーハロゲン化ニト
ロソアルカンとシクロアルカンの混合物に光照射するこ
とを特徴とするラクタムの製造方法である。
ロソアルカンとシクロアルカンの混合物に光照射するこ
とを特徴とするラクタムの製造方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を詳細に説明
する。
する。
【0008】本発明でいうシクロアルカンは、その最終
生成物であるラクタムがナイロン原料として用いること
ができるものであればいかなるものであっても良い。通
常、カプロラクタム、ラウリルラクタムの原料となるシ
クロヘキサン、シクロドデカンが好ましい。
生成物であるラクタムがナイロン原料として用いること
ができるものであればいかなるものであっても良い。通
常、カプロラクタム、ラウリルラクタムの原料となるシ
クロヘキサン、シクロドデカンが好ましい。
【0009】本発明でいうパーハロゲン化ニトロソアル
カンはニトロシル基を有し、アルキル基にハロゲンを有
し、水素を有しないものである。例えば、トリハロゲン
化ニトロソメタン、ペンタハロゲン化ニトロソエタンな
どが挙げられる。好ましくは、トリクロロニトロソメタ
ンである。
カンはニトロシル基を有し、アルキル基にハロゲンを有
し、水素を有しないものである。例えば、トリハロゲン
化ニトロソメタン、ペンタハロゲン化ニトロソエタンな
どが挙げられる。好ましくは、トリクロロニトロソメタ
ンである。
【0010】本発明の反応は有機溶媒中で行うことが好
ましく、有機溶媒としては、シクロアルカンおよびパー
ハロゲン化ニトロソアルカン、シクロアルカノンオキシ
ムを溶解することができ、本発明の反応に不活性なもの
であれば、いかなるものであっても良い。例えば、四塩
化炭素、クロロホルムなどの塩素化溶媒やベンゼンなど
が挙げられる。好ましくは、クロロホルムである。
ましく、有機溶媒としては、シクロアルカンおよびパー
ハロゲン化ニトロソアルカン、シクロアルカノンオキシ
ムを溶解することができ、本発明の反応に不活性なもの
であれば、いかなるものであっても良い。例えば、四塩
化炭素、クロロホルムなどの塩素化溶媒やベンゼンなど
が挙げられる。好ましくは、クロロホルムである。
【0011】本発明方法は、従来の光化学条件下でシク
ロアルカン、パーハロゲン化ニトロソアルカン、および
シクロアルカン以外の溶媒からなる混合物に光を照射す
ることにより行うことができる。一般に反応温度は0〜
30℃で、400〜600nm、好ましくは500〜60
0nmの光を照射する。本発明は加圧下、減圧下、常圧下
で行うことができる。好ましくは減圧下、常圧下、さら
に好ましくは常圧下で行う。反応液の攪拌方法はいかな
る手段を用いても良い。また、反応液中に塩化水素を含
有していても良い。
ロアルカン、パーハロゲン化ニトロソアルカン、および
シクロアルカン以外の溶媒からなる混合物に光を照射す
ることにより行うことができる。一般に反応温度は0〜
30℃で、400〜600nm、好ましくは500〜60
0nmの光を照射する。本発明は加圧下、減圧下、常圧下
で行うことができる。好ましくは減圧下、常圧下、さら
に好ましくは常圧下で行う。反応液の攪拌方法はいかな
る手段を用いても良い。また、反応液中に塩化水素を含
有していても良い。
【0012】反応生成物からのラクタムの分離精製は、
反応液の濃縮についで蒸留、抽出、晶析、イオン交換な
どの手法により行うことができる。
反応液の濃縮についで蒸留、抽出、晶析、イオン交換な
どの手法により行うことができる。
【0013】本発明の反応では、シクロアルカンの光反
応によりシクロアルカノンオキシムを分離することなく
直接ラクタムを得られることが特徴であるが、反応の形
態は以下の如く推測される。
応によりシクロアルカノンオキシムを分離することなく
直接ラクタムを得られることが特徴であるが、反応の形
態は以下の如く推測される。
【0014】すなわち、本発明者らは、シクロドデカン
の代わりにシクロドデカノンオキシムを用い、本発明の
反応を行った結果、生成物としてラウリルラクタムを得
た。本発明の反応についてもシクロアルカンからシクロ
アルカノンオキシムを経てラクタムが生成していると考
える。
の代わりにシクロドデカノンオキシムを用い、本発明の
反応を行った結果、生成物としてラウリルラクタムを得
た。本発明の反応についてもシクロアルカンからシクロ
アルカノンオキシムを経てラクタムが生成していると考
える。
【0015】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。 実施例1 浸漬式の中央ランプ支持体と高圧ナトリウムランプを備
えた内容積1リットルの光反応容器に、トリクロロニト
ロソメタン−クロロホルム溶液(トリクロロニトロソメ
タン濃度3.5g/リットル)を1300g入れ、ここに
シクロドデカン40g(クロロホルム60ミリリットル
に溶解)、塩化水素ガス11gを添加した。
明する。 実施例1 浸漬式の中央ランプ支持体と高圧ナトリウムランプを備
えた内容積1リットルの光反応容器に、トリクロロニト
ロソメタン−クロロホルム溶液(トリクロロニトロソメ
タン濃度3.5g/リットル)を1300g入れ、ここに
シクロドデカン40g(クロロホルム60ミリリットル
に溶解)、塩化水素ガス11gを添加した。
【0016】光反応容器を冷却し、ランプ冷却管に冷却
水を流し、液温を15℃に保ち、反応液攪拌のため窒素
(1リットル/hr)を反応容器下部より吹き込みながら
点灯した。出力は250Wとした。
水を流し、液温を15℃に保ち、反応液攪拌のため窒素
(1リットル/hr)を反応容器下部より吹き込みながら
点灯した。出力は250Wとした。
【0017】3時間照射した後、消灯した。この反応に
よってラウリルラクタムが生成しており(選択率90
%)、回収した液中にはシクロドデカン以外にラウリル
ラクタムが0.7g含まれていた。 実施例2 シクロドデカンの代わりにシクロヘキサンを用いて実施
例1と同様の反応を行った。結果を表1に示す。
よってラウリルラクタムが生成しており(選択率90
%)、回収した液中にはシクロドデカン以外にラウリル
ラクタムが0.7g含まれていた。 実施例2 シクロドデカンの代わりにシクロヘキサンを用いて実施
例1と同様の反応を行った。結果を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、以下の効果が得られ
る。 (1)シクロアルカノンオキシムを分離することなく転
位を行うことができる。 (2)オキシムの転位に硫酸を用いる必要がなく、従っ
て硫安の副生を伴うことなくラクタムを製造することが
できる。
る。 (1)シクロアルカノンオキシムを分離することなく転
位を行うことができる。 (2)オキシムの転位に硫酸を用いる必要がなく、従っ
て硫安の副生を伴うことなくラクタムを製造することが
できる。
Claims (7)
- 【請求項1】 パーハロゲン化ニトロソアルカンとシク
ロアルカンの混合物に光照射することを特徴とするラク
タムの製造方法。 - 【請求項2】 硫酸不在下で反応を行う請求項1に記載
のラクタムの製造方法。 - 【請求項3】 有機溶媒中で反応を行う請求項1または
2に記載のラクタムの製造方法。 - 【請求項4】 シクロアルカンがシクロヘキサンまたは
シクロドデカンである請求項1〜3のいずれか1項に記
載のラクタムの製造方法。 - 【請求項5】 有機溶媒がクロロホルムである請求項1
〜4のいずれか1項に記載のラクタムの製造方法。 - 【請求項6】 パーハロゲン化ニトロソアルカンがトリ
クロロニトロソメタンである請求項1〜5のいずれか1
項に記載のラクタムの製造方法。 - 【請求項7】 塩化ニトロシルおよびクロロホルムの光
ニトロソ化で得たトリクロロニトロソメタンを用いる請
求項6に記載のラクタムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11168793A JP2001002636A (ja) | 1999-06-15 | 1999-06-15 | ラクタムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11168793A JP2001002636A (ja) | 1999-06-15 | 1999-06-15 | ラクタムの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001002636A true JP2001002636A (ja) | 2001-01-09 |
Family
ID=15874587
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11168793A Pending JP2001002636A (ja) | 1999-06-15 | 1999-06-15 | ラクタムの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001002636A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2931478A1 (fr) * | 2008-05-26 | 2009-11-27 | Arkema France | Prodece de preparation de lactames comprenant une etape de photonitrosation suivie d'une etape de transposition de beckmann |
US9181177B2 (en) | 2012-06-26 | 2015-11-10 | Toray Industries, Inc. | Method of producing cycloalkanone oxime |
-
1999
- 1999-06-15 JP JP11168793A patent/JP2001002636A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2931478A1 (fr) * | 2008-05-26 | 2009-11-27 | Arkema France | Prodece de preparation de lactames comprenant une etape de photonitrosation suivie d'une etape de transposition de beckmann |
WO2009153470A1 (fr) * | 2008-05-26 | 2009-12-23 | Arkema France | Procede de preparation de lactames comprenant une etape de photonitrosation suivie d'une etape de transposition de beckmann |
CN102046604A (zh) * | 2008-05-26 | 2011-05-04 | 阿肯马法国公司 | 包括光亚硝化步骤然后贝克曼重排作用步骤的制备内酰胺的方法 |
CN103588706B (zh) * | 2008-05-26 | 2016-08-24 | 阿肯马法国公司 | 包括光亚硝化步骤然后贝克曼重排作用步骤的制备内酰胺的方法 |
US9499481B2 (en) | 2008-05-26 | 2016-11-22 | Arkema France | Method for preparing lactames, comprising a photonitrosation step, followed by a Beckmann transposition step |
EP3101011A1 (fr) * | 2008-05-26 | 2016-12-07 | Arkema France | Procédé de préparation de lactames comprenant une étape de photonitrosation suivie d'une étape de transposition de beckmann |
US9181177B2 (en) | 2012-06-26 | 2015-11-10 | Toray Industries, Inc. | Method of producing cycloalkanone oxime |
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