JP4024919B2 - 1−アミノ−1−メチル−3(4)−アミノメチルシクロヘキサンの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、1−イソシアナト−1−メチル−3(4)−イソシアナトメチルシクロヘキサン(IMCI)製造用の前駆物質である1−アミノ−1−メチル−3(4)−アミノメチルシクロヘキサン(AMCA)の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
DE−A 4,401,929号は次の反応式で示されるような1−アミノ−1−メチル−3(4)−アミノメチルシクロヘキサン(AMCA)の製造方法を記載している。
【0003】
【化1】
Figure 0004024919
【0004】
前記反応式によれば、4(5)−シアノ−1−メチルシクロヘキセン(CMC)は硫酸の存在下でシアン化水素酸と反応して1−ホルムアミド−1−メチル−3(4)−シアノシクロヘキサン(FMC)を生じる。このFMCは、過剰量のシアン化水素酸が蒸留により除去されかつ反応混合物が水で希釈された後、適切な、水と混和しない溶媒を使って酸性水相から抽出することができる。
【0005】
リッター反応に従って生成する水溶性反応混合物からFMCを分離する、前記と少し異なる公知の方法(DE−A 4,401,929号参照)では、前記酸混合物を、場合によっては水で希釈した後、アンモニアで中和してこの混合物が約20〜70重量%の硫酸アンモニウムを含むようにし、次いでこの混合物中に存在するFMCの溶媒抽出を行う。このFMC分離方法によれば、前記リッター反応に使用される硫酸の中和により、かなり多量のアンモニウム塩が形成される。しかしながらこの方法が重要である理由は、前記抽出が少量の抽出剤を使用しても著しく完全に行われ、従って後処理のためのエネルギー必要量が低減するからである。1−ホルムアミド−1−メチル−3(4)−シアノシクロヘキサン(FMC)は更に次の反応工程において前記酸性水性媒体中で加水分解されて1−アミノ−1−メチル−3(4)−シアノシクロヘキサン(AMC)を生じる。
【0006】
DE−A 4,401,929号中のまた別の少し異なる方法では、前記リッター反応混合物中に存在する硫酸を使用して、予め分離を行うことなく1−ホルムアミド−1−メチル−3(4)−シアノシクロヘキサン(FMC)を加水分解する。
【0007】
以上述べたDE−A 4,401,929号記載のすべての互いに少しずつ異なる方法において、加水分解後に得られる1−ホルムアミド−1−メチル−3(4)−シアノシクロヘキサンは酸性水溶液中に存在する。後続工程である抽出により1−アミノ−1−メチル−3(4)−シアノシクロヘキサン(AMC)を分離することは、工業的成功を意図するならば、ただアルカリ性溶液からのみ実行可能である。前記酸性水溶液を中性水溶液に転化する結果、副生物として塩類が形成される。そしてこの副生物は利用されるか又は廃棄されなければならない。得られた1−アミノ−1−メチル−3(4)−シアノシクロヘキサン(AMC)は、場合によっては公知の手法の通り蒸留により抽出剤を分離した後、接触水素添加を行って1−アミノ−1−メチル−3(4)−アミノメチルシクロヘキサン(AMCA)を得る。
【0008】
1−アミノ−1−メチル−3(4)−シアノシクロヘキサンの前記酸性水溶液を塩基性溶液に転化することは前記ドイツ公報によればアンモニアを使用して行われ、その結果、副生物として硫酸アンモニウム及び蟻酸アンモニウムが形成される。この硫酸アンモニウムを熱分解して硫酸製造用に再循環可能な二酸化硫黄を形成することが提案されている。しかしこの熱分解を行う以前にこの硫酸アンモニウム水溶液を濃縮することが必要であるから、前記副生物の塩を処理することはかなりの蒸留経費を要することになる。
【0009】
硫酸アンモニウムを再循環する目的のために前記塩溶液を処理することもまたかなりの経費を伴うことになる理由は、得られる硫酸アンモニウム溶液が、前記塩溶液中に含まれていた抽出剤が蒸留により除去されかつ蟻酸塩が除去された後でもなお10g/Lの化学的酸素要求量(COD)を示すからである。
【0010】
1−アミノ−1−メチル−3(4)−シアノシクロヘキサン(AMC)に接触水素添加を行って1−アミノ−1−メチル−3(4)−アミノメチルシクロヘキサンを得る(前記ドイツ公報に開示)際、分子内環化及び分子間二量化の両過程が副生物I、II、III 、IV及びVを生じる結果を生む(次式)。
【0011】
【化2】
Figure 0004024919
【0012】
これらの副生物は約20%の比率で存在する。換言すれば約20%の選択率の損失になる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、(原料の4(5)−シアノ−1−メチルシクロヘキセン(CMC)を基準として)著しく高い全般的選択率を得、かつ副生物として不可避な硫酸アンモニウム含有流出液を経済的に処理して再循環可能な硫酸アンモニウムを得ることができる、1−アミノ−1−メチル−3(4)−アミノメチルシクロヘキサン(AMCA)の製造方法を提供することにある。
この目的は、以下に記載の本発明の方法により達成することができる。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、1−アミノ−1−メチル−3(4)−アミノメチルシクロヘキサン(AMCA)の製造方法であって、
a)反応の第一段階で1−ホルムアミド−1−メチル−3(4)−シアノシクロヘキサン(FMC)に接触水素添加を行って、1−ホルムアミド−1−メチル−3(4)−アミノメチルシクロヘキサン(FMA)、1−アミノ−1−メチル−3(4)−ホルムアミドメチルシクロヘキサン(AMF)、1−ホルムアミド−1−メチル−3(4)−ホルムアミドメチルシクロヘキサン(FMF)及び/又はAMCAを形成し、
b)反応の第二段階でFMA、AMF及び/又はFMFをアルカリ性化合物と反応させてAMCA及び蟻酸誘導体を形成し、並びに、
c)b)工程で得られた反応混合物を分留並びに/又は結晶化及び濾過によって分離することから成る前記1−アミノ−1−メチル−3(4)−アミノメチルシクロヘキサン(AMCA)の製造方法に関する。
【0015】
本発明はまた、ホルミル化剤の存在下で前記a)工程の水素添加を行って1−ホルムアミド−1−メチル−3(4)−ホルムアミドメチルシクロヘキサン(FMF)を形成することにも関する。
【0016】
本発明はまた、中間生成物である1−ホルムアミド−1−メチル−3(4)−アミノメチルシクロヘキサン(FMA)及び1−ホルムアミド−1−メチル−3(4)−ホルムアミドメチルシクロヘキサン(FMF)にも関する。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる原料の1−ホルムアミド−1−メチル−3(4)−シアノシクロヘキサン(FMC)は公知の手法、例えば4(5)−シアノ−1−メチルシクロヘキセン(CMC)を硫酸の存在下でシアン化水素酸と反応させ、次いで反応液を水で希釈又はアンモニアで中和した後、この反応液から適切な溶媒を用いて抽出を行うことによって得られる。
【0018】
前記抽出後、FMCは、場合によっては抽出剤を蒸留により分離した後、接触水素添加される。前記1−ホルムアミド−1−メチル−3(4)−アミノメチルシクロヘキサン(FMA)又は分子内平衡の結果得られた前記1−アミノ−1−メチル−3(4)−ホルムアミドメチルシクロヘキサン(AMF)又は分子間平衡の結果得られた前記1−ホルムアミド−1−メチル−3(4)−ホルムアミドメチルシクロヘキサン(FMF)及びAMCAは新規の中間生成物である。
【0019】
前記接触水素添加がホルミル化剤の存在下で行われた場合、1−ホルムアミド−1−メチル−3(4)−ホルムアミドメチルシクロヘキサン(FMF)が新規の中間生成物として得られる。前記中間生成物FMA、AMF及びFMFは次いでアルカリ性化合物と反応して1−アミノ−1−メチル−3(4)−アミノメチルシクロヘキサン(AMCA)及び蟻酸誘導体を生じる。
【0020】
本発明による反応過程は次の反応式によって説明される。
【0021】
【化3】
Figure 0004024919
【0022】
本発明の方法による反応生成物(AMCA、蟻酸誘導体)は分留並びに/又は結晶化及び濾過を行えば高純度品が得られる。
【0023】
適した触媒にはラニーニッケル、ラニーコバルト及び/又はラニー鉄触媒がある。これらの触媒はFMC重量を基準として1〜20重量%相当量を用いて水素添加触媒として使用される。水素添加反応は50〜200℃、好ましくは60〜160℃の温度でかつ50〜300bar 、好ましくは70〜200bar の水素圧で行われる。
【0024】
前記水素添加反応は、場合によってはヒドロキシアルカン又はアルキルアロマティックスのような適した溶媒、好ましくはFMC用の抽出剤としても適した溶媒中で行うことができる。前記水素添加反応はバッチ式でも連続式でも行うことができる。
【0025】
ホルムアミド基をアミノ基に転化するために使用される前記アルカリ性化合物は好ましくはアンモニア、アルカリ金属水酸化物及びアルカリ土金属水酸化物である。
【0026】
第一反応段階で得られたFMA、AMF及び/又はFMFを、第二反応段階においてアルカリ金属水酸化物又はアルカリ土金属水酸化物を使用してアルカリ開裂することは100〜300℃、好ましくは120〜250℃の温度で行われる。この反応は、結果として生じるAMCAが可溶でありかつ形成されるアルカリ金属蟻酸塩又はアルカリ土金属蟻酸塩が不溶な、適した溶媒中で行うことができる。この適した溶媒にはトルエン及びジフェニルエーテルがある。FMA及び/又はAMFの1モルにつき1〜2モルのアルカリ金属水酸化物又は0.5〜1モルのアルカリ土金属水酸化物が使用される。好ましくは2〜10モル%の過剰水酸基当量が用いられる。好ましいアルカリ金属水酸化物及びアルカリ土金属水酸化物は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化カルシウムである。
【0027】
前記第一反応段階で得られたFMA、AMF及び/又はFMFを、第二反応段階においてアンモニアを使用してアルカリ開裂することは100〜300℃、好ましくは120〜250℃の温度で行われる。この反応はヒドロキシアルカンのような適した溶媒中で行うことができる。
【0028】
本発明の該工程の第一及び第二反応段階を単一反応器内で行うことも可能である。この場合、前記水素添加反応はアンモニア、アルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ土金属水酸化物の存在下で行われ、未反応のFMA、AMF及び/又はFMFはAMCAの分離後に返送される。
【0029】
FMCの水素添加反応もまたホルミル化剤の存在下で行うことができる。その際、ビス−ホルムアミド、即ち1−ホルムアミド−1−メチル−3(4)−ホルムアミドメチルシクロヘキサン(FMF)が新規な中間生成物として形成される。ホルムアミド、蟻酸アルキル及び一酸化炭素をホルミル化剤として使用することができる。蟻酸メチル及び一酸化炭素が好ましい。前記水素添加反応は、場合によってはヒドロキシアルカン又はアルキルアロマティックのような適した溶媒、好ましくはFMC用の抽出剤としても適した溶媒中で行うことができる。前記ホルミル化剤もまた溶媒としての働きをする。前記水素添加反応はバッチ式でも連続式でも行うことができる。
【0030】
前記ビス−ホルムアミド(FMF)のアルカリ開裂は、これ迄AMF、FMA及びFMFの開裂について記述したようにして行われる。FMFの1モルにつき2〜3モルのアルカリ金属水酸化物又は1〜1.5モルのアルカリ土金属水酸化物が使用される。好ましくは2〜10モル%の過剰水酸基当量が用いられる。好ましいアルカリ金属水酸化物及びアルカリ土金属水酸化物は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化カルシウムである。
【0031】
CMCとシアン化水素酸との間のリッター反応の反応混合物から前記原料FMCを分離することは公知である。この分離は、過剰量のシアン化水素酸を蒸留して除去した後、硫酸濃度を場合によっては水で希釈して約10〜70%、好ましくは10〜50%に調節した反応混合物酸性水溶液から抽出を行うことにより行われる。
【0032】
前記原料FMCが酸性溶液から抽出される時、残存する水相を濃縮することにより、前記リッター反応のための原料硫酸を再循環することが可能である。
【0033】
前記抽出に使用して好適な溶媒には次のようなものがある:ジクロロメタン、クロロホルム及びクロロベンゼンのような塩素化炭化水素;t−ブチルメチルエーテル又はt−ブチルオキシ−2−プロパノールのようなエーテル;メチルエチルケトンのようなケトン;n−ブタノール、イソブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、4−メチル−2−ペンタノール及びシクロヘキサノールのようなアルコール;及びこれらの溶媒の混合物。
【0034】
前記抽出後、前記抽出剤は蒸留によりFMCから分離して再循環することができる。得られた粗製FMCは、場合によっては蒸留によって精製することができるが、この粗製FMCを直接、次段の水素添加に供するのが好ましい。また、若しこの水素添加にも適した溶媒が前記抽出に使用されるならば、この溶媒を蒸留して除去することなく、前記FMC抽出で得られた抽出相を次段の水素添加に使用することもできる。
【0035】
前記リッター反応により得られた水性の反応混合物からFMCを分離するための、前記ドイツ公報から公知のもう一つ別の具体例には、該酸性混合物を、場合によっては水で希釈した後、アンモニアで中和してこの混合物が20〜70重量%の硫酸アンモニウムを含むようにし、次いで該混合物中に存在するFMCを溶媒で抽出することが含まれている。このFMC分離の具体例では、前記リッター反応に使用された硫酸の中和により、かなり多量のアンモニウム塩が形成される。しかし、この過程が重要である理由は、前記抽出が少量の抽出剤を使用しても著しく完全に行われ、従って後処理のためのエネルギー必要量が低減するからである。このFMC分離方法で得られる硫酸アンモニウム含有流出液はその低COD値が顕著であり、従ってこの流出液から硫酸アンモニウムを高価値副生物として経済的に分離することができる。
【0036】
本発明による方法の種々の具体例によって得られるAMCAは公知の手法によりホスゲン化してIMCIにすることができる。
【0037】
以下の実施例において、%は、全て重量%である。
【0038】
【実施例】
実施例1
363gの4(5)−シアノ−1−メチルシクロヘキセン(イソプレン及びアクリロニトリルを付加環化して得られる異性体混合物)を5.4モルの88%硫酸と891gのシアン化水素酸との混合物に27〜29℃で攪拌下75分にわたって少量ずつ加え、その際、反応熱は沸騰するシアン化水素酸を還流冷却して除去した。上記付加反応の終了後10分を経て900gの水を加え、過剰量のシアン化水素酸を蒸留により除去した。次いで735gの25%アンモニア水溶液を20〜30℃で添加した。次に、中和して得られた反応液から各回150gのイソブタノールを使用して計5回の抽出を行った。この抽出剤を除去した後、525gの粗製1−ホルムアミド−1−メチル−3(4)−シアノシクロヘキサン(異性体混合物)(収率88.5%、ガスクロマトグラフィー分析値)を得た。前記抽出後に得られた硫酸アンモニウム水溶液中に溶存するイソブタノールは蒸留により除去した。イソブタノール除去後の残存硫酸アンモニウム水溶液(1800g、硫黄含有量9.5%、39.5%硫酸アンモニウムに相当)の化学的酸素要求量(COD)値は3500mg/Lであった。
【0039】
比較例1
175gの、実施例1で得られた粗製1−ホルムアミド−1−メチル−3(4)−シアノシクロヘキサンを476gの37%硫酸に溶解し、60℃で6時間加熱した。次いで25%アンモニア溶液を加えて反応液のpH値を1.8に調節し、この反応液に含まれる蟻酸をイソブタノールで抽出して除去した。この蟻酸抽出後に得られた水相のpH値を、25%アンモニア溶液を加えて10に調節し、各回300gのイソブタノールを使用して計6回の抽出を行った。イソブタノールを除去した後、157gの粗製1−アミノ−1−メチル−3(4)−シアノシクロヘキサン(異性体混合物)(収率80.9%、ガスクロマトグラフィー分析値)を得た。イソブタノール及びアンモニアを除去した後の残存硫酸アンモニウム水溶液の硫黄含有量を9.5%に調節した。この水溶液の化学的酸素要求量(COD)は10500mg/Lであった。
【0040】
この比較例1が示すのは、1−アミノ−1−メチル−3(4)−シアノシクロヘキサン(AMC)の分離後に、1−ホルムアミド−1−メチル−3(4)−シアノシクロヘキサン(FMC)の分離後よりも著しく高いCOD値を有する硫酸アンモニウム含有流出液が得られることである。AMCを分離する場合、流出液を更に処理して再循環可能な硫酸アンモニウムを得るために著しく高い経費を要した。
【0041】
実施例2
175gの、実施例1で得られた粗製1−ホルムアミド−1−メチル−3(4)−シアノシクロヘキサンを400gの蟻酸メチルに溶解し、9gのラニーニッケルを添加して150bar の水素圧、150℃の温度で水素添加を行った。水素添加が完了した後、触媒を濾別し、過剰量の蟻酸メチル及び形成されたメタノールを蒸留により除去して210gの粗製1−ホルムアミド−1−メチル−3(4)ホルムアミドメチルシクロヘキサン(収率83.3%、ガスクロマトグラフィー分析値)を得た。
【0042】
比較例2
157gの、比較例1で得られた粗製1−アミノ−1−メチル−3(4)−シアノシクロヘキサンの水素添加を、200gのメタノール、300mlのアンモニア及び9gのラニーニッケルの存在下、100bar の水素圧、100〜120℃の温度で行った。水素添加の完了後、触媒を濾別し、メタノール及びアンモニアを蒸留により除去して146gの粗製1−アミノ−1−メチル−3(4)−アミノメチルシクロヘキサン(収率73.4%、ガスクロマトグラフィー分析値)を得た。この粗製品のうち約20重量%は前記I、II、III 、IV及びV式の化合物で占められる。
【0043】
実施例3
210gの、実施例2で得られた粗製1−ホルムアミド−1−メチル−3(4)ホルムアミドメチルシクロヘキサンを300gのトルエン及び75gの水酸化ナトリウムの存在下、180℃で6時間加熱した。形成された蟻酸ナトリウムを濾別しかつトルエンを蒸留により除去した後、残留物として143gの粗製1−アミノ−1−メチル−3(4)−アミノメチルシクロヘキサン(収率85.9%、ガスクロマトグラフィー分析値)を得た。
【0044】
本発明の実施例1〜3で得られた全般的選択率(原料CMCを基準として)は86.5%であった。これに対して、1−アミノ−1−メチル−3(4)−シアノシクロヘキサン(AMC)を経由する方法の全般的選択率は75.5%に止まった(比較例1及び2参照)。
【0045】
175gの、実施例1で得られた粗製1−ホルムアミド−1−メチル−3(4)−シアノシクロヘキサンの水素添加を、1.3Lのメタノール及び0.9Lのアンモニア中で9gのラニーニッケルを添加して100bar の水素圧、140℃の温度下で行い、水素添加が完了するまで続行した。触媒を濾別しかつメタノール及びアンモニアを蒸留により除去して180gの残留物を得た。この残留物は30%の1−アミノ−1−メチル−3(4)−アミノメチルシクロヘキサン、40%の1−ホルムアミド−1−メチル−3(4)−アミノメチルシクロヘキサンと1−アミノ−1−メチル−3(4)−ホルムアミドメチルシクロヘキサン、及び13%の1−ホルムアミド−1−メチル−3(4)−ホルムアミドメチルシクロヘキサン(ガスクロマトグラフィー分析値)を含んでいた。
【0046】
以上、本発明を説明する目的で詳細に記載したが、そのような詳細は、単にそのためであり、当業者は、特許請求の範囲に限定されるものを除き、本発明の精神および範囲を逸脱せずにその変更を成し得ることを理解されよう。
【0047】
本発明の実施態様を述べれば以下のとおりである。
1. a)反応の第一段階で1−ホルムアミド−1−メチル−3(4)−シアノシクロヘキサン(FMC)に接触水素添加を行って、1−ホルムアミド−1−メチル−3(4)−アミノメチルシクロヘキサン(FMA)、1−アミノ−1−メチル−3(4)−ホルムアミドメチルシクロヘキサン(AMF)、1−ホルムアミド−1−メチル−3(4)−ホルムアミドメチルシクロヘキサン(FMF)及び/又はAMCAを形成し、
b)反応の第二段階でFMA、AMF及び/又はFMFをアルカリ性化合物と反応させてAMCA及び蟻酸誘導体を形成し、並びに、
c)b)工程で得られた反応混合物を分留並びに/又は結晶化及び濾過によって分離することから成る前記1−アミノ−1−メチル−3(4)−アミノメチルシクロヘキサン(AMCA)の製造方法。
2. 該接触水素添加に用いる触媒はラニーニッケル、ラニーコバルト及び/ラニー鉄触媒を含む、前記第1項の方法。
3. 該接触水素添加を溶媒中で行う、前記第1項の方法。
4. 該アルカリ性化合物としてアンモニアを使用し、生成した該AMCA及びホルムアミドを分留により分離し、場合によっては未反応のFMA、AMF及び/又はFMFを該反応段階へ再循環することを含む、前記第1項の方法。
5. 該アルカリ性化合物としてアルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ土金属水酸化物を使用し、生成した該AMCA及び蟻酸塩を結晶化、濾過及び蒸留により分離し、場合によっては未反応のFMA、AMF及び/又はFMFを該反応段階へ再循環することを含む、前記第1項の方法。
6. b)工程は、該AMCAが可溶でかつ該蟻酸塩が不溶な溶媒中で行う、前記第5項の方法。
7. a)工程は、ホルミル化剤の存在下で行い、1−ホルムアミド−1−メチル−3(4)−ホルムアミドメチルシクロヘキサン(FMF)を形成する、前記第1項の方法。
8. 該ホルミル化剤は、ホルムアミド、蟻酸エステル又は一酸化炭素を含む、前記第7項の方法。
9. a)及びb)工程を単一反応器内で行う、前記第1項の方法。
10. 1−ホルムアミド−1−メチル−3(4)−アミノメチルシクロヘキサン。
11. 1−ホルムアミド−1−メチル−3(4)−ホルムアミドメチルシクロヘキサン。

Claims (2)

  1. 1−アミノ−1−メチル−3(4)−アミノメチルシクロヘキサン(AMCA)の製造方法であって、
    a)反応の第一段階で1−ホルムアミド−1−メチル−3(4)−シアノシクロヘキサン(FMC)に接触水素添加を行って、1−ホルムアミド−1−メチル−3(4)−アミノメチルシクロヘキサン(FMA)、1−アミノ−1−メチル−3(4)−ホルムアミドメチルシクロヘキサン(AMF)、1−ホルムアミド−1−メチル−3(4)−ホルムアミドメチルシクロヘキサン(FMF)及び/又はAMCAを形成し、
    b)反応の第二段階でFMA、AMF及び/又はFMFをアルカリ性化合物と反応させてAMCA及び蟻酸誘導体を形成し、並びに、
    c)b)工程で得られた反応混合物を分留並びに/又は結晶化及び濾過によって分離することから成る前記1−アミノ−1−メチル−3(4)−アミノメチルシクロヘキサン(AMCA)の製造方法。
  2. a)工程は、ホルミル化剤の存在下で行い、1−ホルムアミド−1−メチル−3(4)−ホルムアミドメチルシクロヘキサン(FMF)を形成する請求項1の製造方法。
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