JP2001002492A - 単結晶製造方法およびその装置 - Google Patents

単結晶製造方法およびその装置

Info

Publication number
JP2001002492A
JP2001002492A JP11170687A JP17068799A JP2001002492A JP 2001002492 A JP2001002492 A JP 2001002492A JP 11170687 A JP11170687 A JP 11170687A JP 17068799 A JP17068799 A JP 17068799A JP 2001002492 A JP2001002492 A JP 2001002492A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
single crystal
melt
crucible
inert gas
bias
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11170687A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4408148B2 (ja
Inventor
Masatoshi Tamura
政利 田村
Tetsuo Akagi
哲郎 赤城
Kuraichi Shimomura
庫一 下村
Yoshinobu Hiraishi
吉信 平石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumco Techxiv Corp
Original Assignee
Komatsu Electronic Metals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Komatsu Electronic Metals Co Ltd filed Critical Komatsu Electronic Metals Co Ltd
Priority to JP17068799A priority Critical patent/JP4408148B2/ja
Publication of JP2001002492A publication Critical patent/JP2001002492A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4408148B2 publication Critical patent/JP4408148B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 坩堝の回転を停止させたり低回転状態とした
りしても単結晶の融液の対流を制御可能とし、品質の高
い単結晶を製造する。 【解決手段】 坩堝内の融液面から単結晶への輻射熱を
遮蔽する熱遮蔽体を、融液面の上側に単結晶の側周面を
囲む形態で設け、上方側から供給される不活性ガスを熱
遮蔽体の下面と融液表面との隙間を通して融液表面に沿
って流す。図1の(a)に示すように、坩堝2内の融液
12に温度分布の偏りを持たせ、同図の(b)、(c)
に示すように、熱遮蔽体7の下面側には下面側から流出
される不活性ガスFの流量が局部的に大きくなる開拡開
口部13を単結晶中心軸回りの円周上の2の位置に設け
て融液12の表面に沿って流れる不活性ガスFの流量に
偏りを形成し、この不活性ガスFの流量偏りと前記温度
分布の偏りとを組み合わせて、融液対流を制御し、単結
晶中に取り込まれる酸素濃度を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チョコラルスキー
法(CZ法)による単結晶(主としてシリコン単結晶)
の製造方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5にはチョコラルスキー法(CZ法)
による単結晶製造装置の従来例が示されている。同図に
おいて、水冷等による冷却手段(図示せず)が講じられ
ているチャンバ1内には坩堝2が配置されている。坩堝
2は石英からなる内層容器2aの外側を炭素製の外層容
器2bで覆った2重構造と成しており、坩堝2の横断面
形状(図のXY平面により切断した断面形状)は一般に
真円形状を呈している。坩堝2の底部は坩堝2の上部が
わよりも縮径しており、坩堝2の底部は坩堝2の回転お
よび昇降を行う支持軸3に支持されている。
【0003】坩堝2の周壁の外側には、少なくとも坩堝
2の側周がわを囲む形態で加熱手段としてのヒータ8が
配置され、さらにヒータ8の外側には保温材9が配され
ている。前記坩堝2の上方側には種結晶5を保持して該
種結晶5の昇降を行なう種結晶5の引上げ手段としての
引上軸4が設けられている。
【0004】この種の装置を用いてシリコン単結晶を製
造する場合は、坩堝2内に多結晶(シリコン多結晶)の
原料と抵抗率を調整するドーパント材が入れられ、ヒー
タ8の加熱によって坩堝2を加熱し、坩堝2内の原材料
を溶融する。そして、引上軸4を駆動して種結晶5を坩
堝2の融液12に漬け、坩堝2と種結晶5を反対方向に
回転しながら、種結晶5を引上げ移動することにより、
単結晶6が引き上げ育成される。なお、単結晶製造装置
には、前記のように種結晶5を坩堝2と反対方向に回転
して、坩堝2の融液から引き上げ育成される単結晶6を
引き上げ方向の中心軸回りに回転させる回転手段(図示
せず)と、坩堝2の回転手段(図示せず)とが設けられ
ている。
【0005】また、ヒーター8の厚みと高さと坩堝2中
心からの距離はいずれも、少なくとも坩堝2の周方向で
均一になっており、また、坩堝2の厚みも均一になって
おり、したがって、ヒーター8から融液12への伝熱は
坩堝2の周方向に偏りないようになっている。前記単結
晶6の育成作業中は、図示されていない不活性ガス供給
手段からチャンバ1内にアルゴン等の不活性ガスFの導
入が行われ、融液12から蒸発する一酸化珪素等のガス
を不活性ガスFとともにチャンバ1のガス排出口から排
出している。
【0006】ところで、製造効率を高めるためには単結
晶6の引上げ速度を高めることが必要であり、引上げ速
度を高めるためには単結晶の固液界面領域の軸方向(引
上げ方向)の温度勾配を大きくすればよいことが知られ
ている。しかし、単結晶6の育成時には融液12の表面
から輻射熱が単結晶6に向けて放射し、この輻射熱によ
り単結晶6が加熱されると、前記温度勾配が小さくな
り、単結晶6の引上げ速度を高めることは困難となる。
この困難を解消するために、最近の装置には、引上げ育
成される単結晶6の側周面を囲む形態で筒状形態の熱遮
蔽体7が融液12の上側に該融液12の液面と間隔を介
して配置されている。通常、この熱遮蔽体7は、図5に
示すように、保持材11に吊り保持されている。
【0007】前記熱遮蔽体7を設けることによって、融
液12から単結晶6に向かう輻射熱を遮蔽し、単結晶6
の固液結晶界面領域の結晶軸方向の温度勾配を大きくし
て単結晶6の引上げ速度をアップすることができる。な
お、前記不活性ガスFが熱遮蔽体7の上部側から供給さ
れて単結晶6の側周面と熱遮蔽体7との間の隙間を通し
て下方側に流れ、熱遮蔽体7の下面と融液面との隙間を
通って融液12の表面に沿って均一に流れるように構成
されている。不活性ガスFは、融液表面に沿って流れた
後、坩堝2の外周側を通って排出される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
にして単結晶6を育成するときに、単結晶6中に予め定
められた酸素濃度だけ酸素を取り込むことが要求されて
いる。単結晶6中に取り込まれる酸素の濃度は、融液1
2の表面積(蒸発面積)および融液12と坩堝2の内層
容器2aを形成する石英との界面の面積(接触面積)お
よび対流に依存するものであり、融液対流に依存するた
め、従来の単結晶製造装置においては、坩堝2の回転数
や不活性ガスFの流速を可変制御することにより、単結
晶6中に取り込まれる酸素濃度が予め定められた既定値
となるようにしていた。
【0009】しかしながら、坩堝2は、その底部側が縮
径しており、結晶成長重量の増加に伴う融液量の減少に
伴って、酸素化合物が蒸発する融液上面の面積に対する
融液12と坩堝2の接触面積の比が減少し、融液中の酸
素濃度が小さくなり、したがって結晶に取り込まれる酸
素濃度が低下する傾向にある。結晶の酸素濃度を結晶の
成長方向に均一にするには、坩堝2の回転数を大きくし
たり、不活性ガスFの流速を大きくしたりしなければな
らないが、そのようにすると、融液12の液面の揺らぎ
が大きくなり、この揺らぎに起因して、単結晶6の無転
位化率の低下や品質の面内ばらつきを生じるといった問
題があった。
【0010】また、単結晶6の横断面方向の抵抗率は単
結晶6の中心に向かうにつれて小さくなることが知られ
ており、また、種結晶5の回転数(すなわち単結晶6の
回転数)SRと坩堝2の回転数CRとの比(SR/C
R)の大きさを小さくすると、その抵抗率の最大値と最
小値との差が大きくなる。そこで、従来は、単結晶6の
横断面方向の抵抗率を均一にするために、SR/CRの
大きさを例えば予め与えた基準値よりも大きくなるよう
に設定して単結晶6の製造を行なっており、したがっ
て、上記のように坩堝2の回転数CRを大きくすると、
それに伴って単結晶6の回転数SRも大きくする必要が
生じる。
【0011】しかしながら、単結晶6の回転数SRは初
めから大きく設定されているため、坩堝2の回転数CR
を大きくする割合に対応させて単結晶6の回転数SRを
それ以上大きくすると、単結晶成長界面が不安定にな
り、有転位化しやすくなる。
【0012】以上のように、従来は、坩堝2の回転等に
よって坩堝2内の融液12の対流を制御していたことか
ら、単結晶6に取り込まれる酸素濃度や抵抗率等を均一
にした高品質の単結晶6を安定して製造することが困難
であった。
【0013】本発明は、上記従来の課題を解決するため
になされたものであり、その目的は、坩堝の回転を停止
させたり低回転状態としたりしても単結晶の融液の対流
を制御できる単結晶製造方法およびその装置を提供する
ことにあり、それにより、例えば単結晶中に取り込まれ
る酸素濃度を既定値に均一にできるようにすることであ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は次のような構成をもって課題を解決するた
めの手段としている。すなわち、単結晶製造方法の第1
の発明は、坩堝内に原材料を入れ、前記坩堝を加熱して
坩堝内の原材料を溶融し、この原材料の融液に種結晶を
漬けて引き上げることにより単結晶を成長育成する単結
晶製造方法において、前記融液の上側に引き上げ育成さ
れる単結晶を引き上げ方向中心軸回りに回転させ、融液
面から単結晶への輻射熱を遮蔽する熱遮蔽体を前記単結
晶の側周面を囲む形態で融液面の上方側に間隔を介して
設け、上方側から供給される不活性ガスを前記単結晶の
側周面と熱遮蔽体との間の隙間を通して下方側に流し熱
遮蔽体の下面と融液面との隙間を通して融液表面に沿っ
て流れるようにし、前記熱遮蔽体の下面側には該下面側
から流出される不活性ガスの流量が局部的に大きくなる
流量増加部分を単結晶中心軸回りの円周上の1つの位置
または複数の位置に設けて融液表面に沿って流れる不活
性ガスの流量に偏りを形成し、この不活性ガスの流量の
偏りにより融液対流を制御する構成をもって課題を解決
する手段としている。
【0015】また、単結晶製造方法の第2の発明は、坩
堝内に原材料を入れ、前記坩堝を加熱して坩堝内の原材
料を溶融し、この原材料の融液に種結晶を漬けて引き上
げることにより単結晶を成長育成する単結晶製造方法に
おいて、前記融液の上側に引き上げ育成される単結晶を
引き上げ方向中心軸回りに回転させ、少なくとも前記坩
堝の側周がわを囲む態様で該坩堝を加熱する加熱手段を
設けて該加熱手段から前記融液に加える伝熱に坩堝の周
方向の1ヶ所以上の位置で偏りを持たせ、この伝熱の偏
りにより融液対流を制御する構成をもって課題を解決す
る手段としている。
【0016】さらに、単結晶製造方法の第3の発明は、
上記第2の発明の構成に加え、前記単結晶成長中の融液
の坩堝横断面方向の温度分布が坩堝横断面の直径を対称
軸としてほぼ線対称となるように加熱手段から前記融液
に加える伝熱の偏りを持たせる構成をもって課題を解決
する手段としている。
【0017】さらに、単結晶製造方法の第4の発明は、
上記第3の発明の構成に加え、前記単結晶成長中の融液
の坩堝横断面方向の温度分布が1本の対称軸に対してほ
ぼ線対称となる1回対称性温度分布と前記温度分布が互
いに直交する2本の対称軸に対してほぼ線対称となる2
回対称性温度分布と前記温度分布が60度の角度で交わ
る3本の対称軸に対してほぼ線対称となる3回対称性温
度分布のいずれか一つの温度分布となるように加熱手段
から前記融液に加える伝熱の偏りを持たせる構成をもっ
て課題を解決する手段としている。
【0018】さらに、単結晶製造方法の第5の発明は、
坩堝内に原材料を入れ、前記坩堝を加熱して坩堝内の原
材料を溶融し、この原材料の融液に種結晶を漬けて引き
上げることにより単結晶を成長育成する単結晶製造方法
において、前記融液の上側に引き上げ育成される単結晶
を引き上げ方向中心軸回りに回転させ、融液面から単結
晶への輻射熱を遮蔽する熱遮蔽体を前記単結晶の側周面
を囲む形態で融液面の上方側に間隔を介して設け、上方
側から供給される不活性ガスを前記単結晶の側周面と熱
遮蔽体との間の隙間を通して下方側に流し熱遮蔽体の下
面と融液面との隙間を通して融液表面に沿って流れるよ
うにし、この融液表面に沿って流れる不活性ガスの流量
に上記第1の発明の不活性ガスの流量の偏りを形成し、
少なくとも前記坩堝の側周がわを囲む態様で該坩堝を加
熱する加熱手段を設けて該加熱手段から前記融液に加え
る伝熱に上記第2又は第3又は第4の発明の伝熱の偏り
を持たせ、この伝熱の偏りと前記不活性ガスの流量の偏
りとを組み合わせて融液対流を制御する構成をもって課
題を解決する手段としている。
【0019】さらに、単結晶製造方法の第6の発明は、
上記第5の発明の構成に加え、前記不活性ガスの流量増
加部分の配設位置と坩堝横断面の中心とを結ぶ直線と、
温度分布制御用として適用される対称軸との角度を対称
軸間角度とし、不活性ガスの流量増加部分の配設位置数
と前記対称軸の本数と前記対称軸間角度を可変設定する
ことにより単結晶中に取り込まれる酸素濃度を予め定め
られた濃度にする構成をもって課題を解決する手段とし
ている。
【0020】さらに、単結晶製造方法の第5の発明は、
上記第1乃至第6のいずれか一つの発明の構成に加え、
前記坩堝を回転させない構成をもって課題を解決する手
段としている。
【0021】さらに、単結晶製造装置の第1の発明は、
単結晶製造の原材料を入れる坩堝と、この坩堝を加熱し
て坩堝内の原材料を溶融する加熱手段と、溶融された坩
堝内の融液に種結晶を漬けて種結晶を融液から相対的に
引き上げ移動する種結晶の引き上げ移動手段と、前記坩
堝の融液から引き上げ育成される単結晶を引き上げ方向
の中心軸回りに回転させる回転手段と、前記単結晶の側
周面を囲み融液面と間隔を介して融液面の上側に間隔を
介して配置されて融液面から単結晶への輻射熱を遮蔽す
る熱遮蔽体と、該熱遮蔽体の上部側から不活性ガスを供
給する不活性ガス供給手段とを備え、前記不活性ガス供
給手段から供給された不活性ガスが前記単結晶の側周面
と熱遮蔽体との間の隙間を通り熱遮蔽体の上方側から下
方側に流れた後に熱遮蔽体の下面と前記融液面との隙間
を通して融液表面に沿って流れる構成の単結晶製造装置
であって、前記熱遮蔽体の下面側には該下面側から流出
される不活性ガスの流量が局部的に大きくなる流量増加
部分が単結晶中心軸回りの円周上の1つの位置または複
数の位置に設けられている構成をもって課題を解決する
手段としている。
【0022】さらに、単結晶製造装置の第2の発明は、
上記第1の発明の構成に加え、前記熱遮蔽体下部側の不
活性ガスの流路壁面に流路の開拡開口部を1ヶ所以上形
成し、該開拡開口部形成領域を不活性ガスの流量増加部
分とした構成をもって課題を解決する手段としている。
【0023】さらに、単結晶製造装置の第3の発明は、
単結晶製造の原材料を入れる坩堝と、この坩堝を加熱し
て坩堝内の原材料を溶融する加熱手段と、溶融された坩
堝内の融液に種結晶を漬けて種結晶を融液から相対的に
引き上げ移動する種結晶の引き上げ移動手段と、前記坩
堝の融液から引き上げ育成される単結晶を引き上げ方向
の中心軸回りに回転させる回転手段とを備えた単結晶製
造装置であって、前記加熱手段から前記融液に加える伝
熱に偏りを持たせてこの伝熱の偏りにより融液対流を制
御する伝熱偏り形成部が設けられている構成をもって課
題を解決する手段としている。
【0024】さらに、単結晶製造装置の第4の発明は、
上記第3の発明の構成に加え、前記伝熱偏り形成部は単
結晶成長中の融液の坩堝横断面方向の温度分布が坩堝横
断面の直径を対称軸としてほぼ線対称となるように加熱
手段から前記融液に加える伝熱の偏りを持たせる対称温
度分布形成部とした構成をもって課題を解決する手段と
している。
【0025】さらに、単結晶製造装置の第5の発明は、
上記第3又は第4の発明の構成に加え、前記加熱手段の
厚みと高さと坩堝中心からの距離の少なくとも1つに坩
堝の周方向の偏りが形成されており、この偏りを有する
加熱手段が伝熱偏り形成部と成している構成をもって課
題を解決する手段としている。
【0026】さらに、単結晶製造装置の第6の発明は、
上記第3又は第4又は第5の発明の構成に加え、前記坩
堝の周方向の厚みに偏りが形成されて該坩堝が伝熱偏り
形成部と成している構成をもって課題を解決する手段と
している。
【0027】上記構成の本発明において、融液表面に沿
って流れる不活性ガスの流量の偏りと、加熱手段から融
液に加える伝熱の坩堝周方向の偏りとの一方又はその両
方を組み合わせることによって、融液対流が制御され
る。このように、本発明においては、坩堝の回転を低回
転状態としたり坩堝を停止させ状態としても融液対流を
制御できるので、この融液対流の制御によって、例えば
単結晶中に取り込まれる酸素濃度を既定値に均一にでき
るし、坩堝内の融液量が少なくなっても、融液の表面の
面積に対応させて、この面積が小さくなるにつれて単結
晶の回転数を大きくする必要もなく、単結晶の横断面方
向の抵抗率を均一化することが可能となるし、融液の揺
らぎに伴う無転位化率の低下や単結晶品質の面内ばらつ
きの発生も抑制可能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。なお、本実施形態例の説明におい
て、従来例と同一名称部分には同一符号を付し、その重
複説明は省略する。まず、本発明に係る単結晶製造装置
の第1実施形態例について説明する。本第1実施形態例
の単結晶製造装置は、図5に示した従来の単結晶製造装
置と同様に、チャンバ1内に、坩堝2、支持軸3、引上
軸4、熱遮蔽体7、ヒーター8、保温材9、保持体11
および不活性ガス供給手段、単結晶6の回転手段を設け
て構成されており、これらの構成要素の機能は従来例と
ほぼ同様であるので、その重複説明は省略する。
【0029】本第1実施形態例の特徴的なことは、坩堝
2内の融液12の坩堝横断面方向の温度分布が図1の
(a)に示す温度分布(Tが等温線を示している)とな
るように、ヒーター8から融液に加える伝熱に坩堝2の
周方向の2ヶ所の位置で偏りを持たせ、図1の(b)、
(c)に示すように、熱遮蔽体7の下面側に該下面側か
ら流出される不活性ガスFの流量が局部的に大きくなる
流量増加部分としての開拡開口部13を単結晶中心軸回
りの円周上の2つの等角間隔位置に設けて融液12の表
面に沿って流れる不活性ガスFの流量に偏りを形成し、
この不活性ガスFの流量の偏りと前記伝熱の偏りとを組
み合わせることによって、坩堝2を回転させずに坩堝2
内の融液12の対流を制御できる装置としたことであ
る。
【0030】すなわち、従来の単結晶製造装置において
は、ヒーター8の厚みと高さと坩堝2中心からの距離お
よび坩堝2の厚みはいずれも、少なくとも坩堝2の周方
向で均一になっており、ヒーター8から融液12への伝
熱は坩堝2の周方向に偏りがないように形成したが、本
実施形態例では、ヒーター8の厚みと高さと坩堝中心か
らの距離の少なくとも1つに坩堝の周方向の偏りを形成
し、この偏りを有するヒーター8を伝熱偏り形成部とし
ている。具体的には、例えば図3の(b)、(b)’に
示すように、ヒーター8の厚みを坩堝2の周方向の2ヶ
所において他の部分よりも薄く形成している。
【0031】ヒーター8の厚みの薄い薄肉部分14は、
坩堝横断面の直径を対称軸として線対称の位置に形成さ
れており、それにより、図1の(a)に示したように、
単結晶成長中の融液12の坩堝横断面方向の温度分布
が、坩堝横断面の互いに直交する2本の直径(A軸およ
びA’軸)を対称軸として、各対称軸に対してほぼ線対
称となる2回対称性温度分布となるように、ヒーター8
から融液12に加える伝熱の偏りが形成されるようにな
っている。すなわち、本実施形態例では、前記伝熱偏り
形成部は、単結晶成長中の融液12の坩堝横断面方向の
温度分布が坩堝横断面の直径を対称軸としてほぼ線対称
となるように、ヒーター8から融液12に加える伝熱の
偏りを持たせる対称温度分布形成部と成している。
【0032】なお、前記伝熱偏り部は、ヒーター8の厚
みと高さと坩堝中心からの距離の少なくとも1つに坩堝
2の周方向の偏りを形成することによって形成されるも
のであるが、この伝熱偏り部を、坩堝横断面の直径を対
称軸として線対称の位置に形成すると、図1の(a)に
示すような2回対称性温度分布が融液12の坩堝横断面
方向に形成される。
【0033】そして、上記のようにして、ヒーター8か
ら融液12に加える伝熱の偏りを図1の(a)に示すよ
うに形成すると、矢印a方向に大きな融液対流が生じ、
矢印b方向には小さな融液対流が生じるように融液対流
を制御することができる。
【0034】また、図1の(b)、(c)に示したよう
に、熱遮蔽体7の下面側の不活性ガスF流路壁面に流路
の開拡開口部13を設けると、融液12の表面に沿って
流れる不活性ガスFの主な流れ(不活性ガスFの流量が
大きい領域における不活性ガスFの流れ)は、図1の
(d)、(e)に示すような流れとなり、この不活性ガ
スFの流れに融液12表面が引張られる状態となり、こ
の方向に融液12の対流が生じるように融液対流を制御
することができる。
【0035】そこで、本実施形態例の単結晶製造装置を
形成する際、上記伝熱の偏りと上記不活性ガスFの流量
の偏りとを組み合わせるときに、開拡開口部13の配設
位置と坩堝横断面の中心とを結ぶ直線(図1におけるB
軸)と、温度分布制御用として適用される対称軸(同図
におけるA軸)との角度を対称軸間角度θとし、図1の
(f)に示すように、対称軸間角度θと単結晶6中に取
り込まれる酸素濃度との関係データを、例えばグラフデ
ータにより与え、この関係データに基づき、前記対称軸
間角度θを可変設定することにより単結晶6中に取り込
まれる酸素濃度を予め定められた濃度にするようにし
た。
【0036】そして、本実施形態例の単結晶製造装置の
具体例として、前記A軸とB軸との角度を互いに異なる
角度として具体例1〜3の単結晶製造装置を形成し、各
単結晶製造装置を用いてシリコン単結晶6を成長育成さ
せたときの単結晶6の特性と、単結晶製造に要したヒー
ター8のパワー(ヒータパワー)とが、従来の単結晶製
造装置を用いた場合(比較例)の特性と共に表1に示さ
れている。
【0037】
【表1】
【0038】この表から明らかなように、前記A軸とB
軸との角度(対称軸間角度θ)を任意に設定することに
より、単結晶6中に取り込まれる酸素濃度を制御できる
ことが確認された。
【0039】なお、具体例1のように、本実施形態例の
単結晶製造装置において、単結晶6中に取り込まれる酸
素濃度は、A軸とB軸とが重なる場合(対称軸間角度θ
が0の場合)に最も大きくなる。このことは、A軸とB
軸とが重なるように、熱遮蔽体7を坩堝2の上方側に設
けた場合には、図1の(a)に示したように、前記伝熱
の偏りによって矢印a方向に融液12の対流が大きく生
じ、この流れが、同図の(d)の不活性ガスFの主な流
れ方向に引張られるような態様で、図2の(a)に示す
ように、融液12の表面に矢印A方向の強くて大きい対
流が生じるため、坩堝2の内層容器2aを形成する石英
からの酸素溶出が大きくなり、単結晶6中に多くの酸素
が取り込まれて前記酸素濃度が大きくなると考えられ
る。
【0040】なお、図2の(b)には、前記A軸とB軸
とが重なるように熱遮蔽体7を坩堝2の上方側に設けた
場合の、坩堝2の縦断面方向の融液12の対流例が、矢
印Aによって模式的に示されている。
【0041】一方、具体例3のように、単結晶6中に取
り込まれる酸素濃度はA軸とB軸とが直交する場合に最
も小さくなる。このことは、A軸とB軸とが直交する
(対称軸間角度θが90°となる)ように、熱遮蔽体7
を坩堝2の上方側に設けた場合には、図1の(a)に示
したように、前記伝熱の偏りによって矢印a方向に融液
12の対流が大きく生じるが、この対流と反する方向
に、同図の(e)に示した不活性ガスFの主な流れ方向
に融液12の表面の対流が生じることによって、図2の
(c)の矢印B方向に弱い対流が生じるため、融液12
と坩堝2との摩擦力による坩堝2からの酸素の溶け出し
量は前記A軸とB軸を重ねた場合ほど大きくならず、単
結晶6中に取り込まれる前記酸素濃度は、前記A軸とB
軸とを重ねた場合よりも小さくなると考えられる。な
お、図2において、矢印Bは矢印Aに示す対流よりも弱
い対流を示している。
【0042】また、前記A軸とB軸とを直交させた場
合、図2の(c)の矢印A方向に強い対流が生じるが、
その流れの量は、同図の(a)に示す流れよりも遥かに
小さいため、この流れがあっても、単結晶6中に取り込
まれる前記酸素濃度は、前記A軸とB軸とを重ねた場合
よりも小さくなると考えられる。
【0043】なお、図2の(d)には、前記A軸とB軸
とが直交するように熱遮蔽体7を坩堝2の上方側に設け
た場合の、坩堝2の縦断面方向の融液12の対流例が、
矢印A、Bによって模式的に示されている。
【0044】そして、具体例2に示すように、対称軸間
角度が45°の場合は、融液対流の強さや大きさが具体
例1と具体例3との中間となって、単結晶6中に取り込
まれる酸素濃度も具体例1と具体例3との中間の値とな
ると考えられる。
【0045】また、本実施形態例によれば、表1に示し
た具体例1〜3から明らかなように、単結晶6の引上げ
軸に垂直な面内(横断面方向)の酸素ばらつきを示す面
内酸素分布(ばらつき)を比較例に比べて小さくできる
し、引き上げた結晶で有転位化した割合をkとしたとき
に、(1−k)×100の式によって表わせる無転位化
率を比較例に比べて大きくすることができ、単結晶6の
品質を向上できる。すなわち、本実施形態例においては
坩堝2を回転させずに融液12の対流を制御するため、
融液12の液面の揺らぎを減少させることができるた
め、この揺らぎに伴う前記面内酸素分布の増大や無転位
化率の低下を抑制でき、面内酸素分布の低減化および無
転位化率の向上化を図ることができる。
【0046】さらに、従来のように、坩堝回転で酸素濃
度を作り込もう(制御しよう)とすると、周方向の対流
によって径方向の対流が抑制されるために、融液面の中
心部と周辺部(坩堝2の内層容器2aとの界面)とで温
度差が大きくなる。このため、融液面(融液12と単結
晶6との界面)中心部の温度を融点(約1430℃)に
保つには、融液面周辺部を中心部より20〜30℃高く
保つことが必要となる。それに対し、本実施形態例のよ
うに、坩堝2を回転させずに融液12の対流を制御する
と、周方向の対流が弱いために、径方向の対流が活発と
なる。このため、融液面中心部と周辺部とで温度差が小
さくなる。よって、融液面周辺部の温度をあまり上げな
くとも融液面(融液12と単結晶6との界面)中心部の
温度を融点(約1430℃)に保つことができる。
【0047】以上のことから、本実施形態例では、表1
に示したように、比較例に比べ、ヒーター8のパワーも
低減できる。そして、このようにヒーター8のパワーを
低減できることから、ヒーター8の寿命を長くでき、ま
た、ヒーター8のパワーが下がることにより、坩堝表面
の劣化が改善され、長時間引上げに対応できるようにな
った。
【0048】さらに、前記のように、単結晶6の回転数
SRと坩堝2の回転数CRとの比(SR/CR)の大き
さを小さくすると、単結晶6の引上げ軸に垂直な面内の
抵抗率の最大値と最小値との差が大きくなることから、
従来のように坩堝2の回転によって融液対流を制御する
方式を用いた場合、前記SR/CRを一定にするため
に、坩堝2の回転数CRを大きくするときには、単結晶
6の回転数SRも大きくする必要が生じた。
【0049】したがって、坩堝2内の融液12の量が少
なくなって融液12の表面の面積が小さくなった場合、
単結晶6に取り込まれる酸素濃度を一定にしようとして
坩堝2の回転数CRを大きくした場合、単結晶6の回転
数SRも大きくする必要があったが、本実施形態例によ
れば、坩堝2を回転することなしに融液対流を制御する
ことができるため、融液12の表面の面積が小さくなっ
ても、坩堝2の回転を行なうこともないし、単結晶6の
回転数を大きくする必要もない。したがって、本実施形
態例によれば、単結晶6の回転数を融液12の表面の面
積に対応させて可変制御したりしなくても、単結晶6の
横断面方向の抵抗率を均一化することができる。
【0050】次に、本発明に係る単結晶製造装置の第2
実施形態例について説明する。本第2実施形態例の単結
晶製造装置も、図5に示した従来の単結晶製造装置およ
び上記第1実施形態例の単結晶製造装置と同様に、チャ
ンバ1内に、坩堝2、支持軸3、引上軸4、熱遮蔽体
7、ヒーター8、保温材9、保持体11および不活性ガ
ス供給手段、単結晶6の回転手段を設けて構成されてお
り、これらの構成要素の機能は従来例とほぼ同様である
ので、その重複説明は省略する。
【0051】本第2実施形態例が上記第1実施形態例と
異なる特徴的なことは、坩堝2内の融液12の坩堝横断
面方向の温度分布と融液12の表面に沿って流れる不活
性ガスFの流量の偏りの形態を、上記第1実施形態例に
おける融液12の温度分布や不活性ガスFの流量の偏り
と異なるものとしたことである。
【0052】すなわち、本第2実施形態例においては、
坩堝2内の融液12の坩堝横断面方向の温度分布が図4
の(a)に示す温度分布(Tが等温線を示している)と
なるように、ヒーター8から融液に加える伝熱に坩堝2
の周方向の1ヶ所の位置で偏りを持たせ、図1の(b)
に示すように、熱遮蔽体7の下面側に該下面側から流出
される不活性ガスFの流量が局部的に大きくなる開拡開
口部13を単結晶中心軸回りの円周上の1つの位置に設
けて融液12の表面に沿って流れる不活性ガスFの流量
に偏りを形成し、この不活性ガスFの流量の偏りと前記
伝熱の偏りとを組み合わせることによって、坩堝2を回
転させずに坩堝2内の融液12の対流を制御できる装置
とした。
【0053】本実施形態例では、ヒーター8の厚みと高
さと坩堝中心からの距離の少なくとも1つに坩堝の周方
向の偏りを形成し、この偏りを有するヒーター8を伝熱
偏り形成部としている。具体的には、例えば図3の
(a)、(a)’に示すように、坩堝2の厚みを周方向
の1ヶ所(薄肉部分15)において他の部分よりも薄く
形成したり、同図の(c)、(c)’に示すように、ヒ
ーター8の高さを坩堝2の周方向の1ヶ所(8a)にお
いて他の部分よりも低く形成したり、同図の(d)、
(d)’に示すように、坩堝2の厚みを周方向の1ヶ所
(薄肉部分15)において他の部分よりも薄く形成し、
かつ、ヒーター8の坩堝2中心からの距離を坩堝2の周
方向の1ヶ所(D)において他の部分よりも近く形成し
たりしている。
【0054】なお、坩堝2の周方向の厚みを一定にし、
ヒーター8の坩堝2中心からの距離のみを坩堝2の周方
向の1ヶ所において他の部分よりも近く形成しても図4
の(a)に示すような温度分布を形成することができ
る。
【0055】本第2実施形態例では、このような伝熱偏
り形成部により、図4の(a)に示したように、単結晶
成長中の融液12の坩堝横断面方向の温度分布が、坩堝
横断面の1本の直径(A軸)を対称軸として、この対称
軸に対してほぼ線対称となる1回対称性温度分布となる
ように、ヒーター8から融液12に加える伝熱の偏りが
形成されるようになっている。
【0056】上記のようにして、ヒーター8から融液1
2に加える伝熱の偏りを図4の(a)に示すように形成
すると、矢印a方向に大きな融液対流が生じ、矢印b方
向には小さな融液対流が生じるように融液対流を制御す
ることができる。
【0057】また、図4の(b)に示したように、熱遮
蔽体7の下面側に開拡開口部13を設けると、融液12
の表面に沿って流れる不活性ガスFの主な流れは、図4
の(c)に示すような流れとなり、この不活性ガスFの
流れに融液12表面が引張られる状態となり、この方向
に融液12の対流が生じるように融液対流を制御するこ
とができる。
【0058】そこで、本第2実施形態例の単結晶製造装
置を形成する際、上記伝熱の偏りと上記不活性ガスFの
流量の偏りとを組み合わせるときに、開拡開口部13の
配設位置と坩堝横断面の中心とを結ぶ直線(図4におけ
るB軸)と、温度分布制御用として適用される対称軸
(同図におけるA軸)との角度を対称軸間角度θとし、
図4の(d)に示すように、対称軸間角度θと単結晶6
中に取り込まれる酸素濃度との関係データを、例えばグ
ラフデータにより与え、この関係データに基づき、前記
対称軸間角度θを可変設定することにより単結晶6中に
取り込まれる酸素濃度を予め定められた濃度にするよう
にした。
【0059】なお、本第2実施形態例において、対称軸
間角度θが0とは、A軸とB軸とを互いの矢印方向が一
致する方向で重ねた状態を示しており、対称軸間角度θ
が180°とは、A軸とB軸とを互いの矢印方向が反対
方向となるように重ねた状態を示している。
【0060】本第2実施形態例も上記第1実施形態例と
ほぼ同様の効果を奏することができる。なお、本実施形
態例の単結晶製造装置の具体例として、前記A軸とB軸
との角度を互いに異なる角度として具体例4〜6の単結
晶製造装置を形成し、各単結晶製造装置を用いてシリコ
ン単結晶6を成長育成させたときの単結晶6の特性と、
単結晶製造に要したヒーター8のパワー(ヒータパワ
ー)とが、前記比較例の特性と共に表2に示されてい
る。
【0061】
【表2】
【0062】この表から明らかなように、前記A軸とB
軸との角度(対称軸間角度θ)を任意に設定することに
より、単結晶6中に取り込まれる酸素濃度を制御できる
ことが確認された。
【0063】なお、具体例4のように、本第2実施形態
例の単結晶製造装置において、単結晶6中に取り込まれ
る酸素濃度は、対称軸間角度θが0となるようにA軸と
B軸とを重ねた場合に最も大きくなる。このことは、対
称軸間角度が0となるようにA軸とB軸とを重ねて、熱
遮蔽体7を坩堝2の上方側に設けた場合には、図4の
(a)に示したように、前記伝熱の偏りによって矢印a
方向に融液12の対流が大きく生じ、この流れが、同図
の(c)の不活性ガスFの主な流れ方向に引張られるよ
うな態様で、融液12の表面に矢印A方向の強くて大き
い対流が生じるため、坩堝2の内層容器2aを形成する
石英からの酸素溶出が大きくなり、単結晶6中に多くの
酸素が取り込まれて前記酸素濃度が大きくなると考えら
れる。
【0064】一方、具体例6のように、単結晶6中に取
り込まれる酸素濃度は、対称軸間角度が180°となる
ようにA軸とB軸とを重ねた場合に最も小さくなる。こ
のように、熱遮蔽体7を坩堝2の上方側に設けた場合に
は、図4の(a)に示したように、前記伝熱の偏りによ
って矢印a方向に融液12の対流が大きく生じるが、こ
の対流と反する方向に、同図の(c)に示した不活性ガ
スFの主な流れ方向に融液12の表面の対流が生じるこ
とによって、融液対流が小さくなり、融液12の表面と
酸素との接触面積は前記A軸とB軸を対称軸間角度が0
となるように重ねた場合ほど大きくならず、単結晶6中
に取り込まれる前記酸素濃度は、前記A軸とB軸とを対
称軸間角度が0となるように重ねた場合よりも小さくな
ると考えられる。
【0065】そして、具体例5のように、対称軸間角度
が90°の場合は、融液対流の強さや大きさが具体例4
と具体例6との中間となって、単結晶6中に取り込まれ
る酸素濃度も具体例4と具体例6との中間の値となると
考えられる。
【0066】また、本第2実施形態例においても、表2
に示した具体例4〜6から明らかなように、上記具体例
1〜3と同様に、単結晶6の面内(横断面上)の酸素ば
らつきを示す面内酸素分布を比較例に比べて小さくで
き、無転位化率を比較例に比べて大きくすることがで
き、単結晶6の品質を向上できることが確認できた。さ
らに、具体例4〜6のいずれにおいても、比較例に比
べ、ヒーター8のパワーも低減できることが確認され、
本第2実施形態例も上記第1実施形態例とほぼ同様の効
果を奏することが確認された。
【0067】なお、本発明は上記実施形態例に限定され
ることはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば上
記第2実施形態例では、単結晶成長中の融液12の坩堝
横断面方向の温度分布が1本の対称軸に対してほぼ線対
称となる1回対称性温度分布となるようにし、第1実施
形態例では、前記温度分布が互いに直交する2本の対称
軸に対してほぼ線対称となる2回対称性温度分布となる
ようにしたが、前記温度分布が3本以上の対称軸に対し
てほぼ線対称となるような温度分布としてもよい。
【0068】ただし、温度分布制御用として適用される
対称軸の本数が無限大に近づくと、温度分布の偏り、す
なわち、ヒーター8から融液12への伝熱の坩堝2周方
向の偏りが殆どなくなり、この伝熱の偏りによる融液対
流制御が困難となるため、伝熱の偏りの制御は、上記各
実施形態例のように、1回対称性温度分布または2回対
称性温度分布となるように制御するか、あるいは60度
の角度で交わる3本の対称軸に対してほぼ線対称となる
3回対称性温度分布となるように制御することが望まし
い。
【0069】また、ヒーター8から融液12への伝熱の
偏りの制御は、必ずしも坩堝横断面の直径を対処として
ほぼ線対称となるように制御するとは限らず、坩堝2の
周方向の1ヶ所以上の位置で前記伝熱の偏りを持たせれ
ばよい。ただし、伝熱の偏りをランダムに制御する場合
に比べ、坩堝横断面の直径を対称軸としてほぼ線対称と
なるように制御すると、融液対流の形態を把握しやすく
なり、単結晶6中に取り込まれる酸素濃度を予め定めら
れた濃度にしやすくなるので、坩堝横断面の直径を対処
としてほぼ線対称となるように、前記伝熱の偏りを制御
することが好ましい。
【0070】さらに、上記各実施形態例では、伝熱偏り
部は、ヒーター8の厚みと高さと坩堝中心からの距離の
少なくとも1つに坩堝2の周方向の偏りを形成すること
により形成したが、上記伝熱の偏り部は、ヒーター8の
坩堝周方向の材質を部分的に異なる材質の物にすること
によっても形成することができる。すなわち、ヒーター
8の材質を異なるものとすると、ヒーター8からの放熱
等に偏りが形成され、それにより、ヒーター8から融液
12への伝熱の偏りが形成される。
【0071】さらに、上記第2実施形態例では、不活性
ガスFの流量が局部的に大きくなる開拡開口部13を単
結晶中心軸回りの円周上の1つの位置に設け、上記第1
実施形態例では開拡開口部13を単結晶中心軸回りの円
周上の2つの位置に設けたが、開拡開口部13を3つ以
上の位置に設けて融液表面に沿って流れる不活性ガスの
流量に偏りを形成し、この不活性ガスFの流量の偏りに
より融液対流を制御してもよい。なお、開拡開口部13
の配設位置を単結晶中心軸回りの円周上の等角間隔位置
に設けると、不活性ガスFの流量の偏りにより形成され
る融液対流形態を把握しやすくできる。
【0072】さらに、上記各実施形態例では、いずれも
ヒーター8から融液12への伝熱の偏りと不活性ガスF
の流量の偏りとを組み合わせて融液対流制御を行なうよ
うにしたが、前記伝熱の偏りと不活性ガスFの流量の偏
りのいずれか一方のみにより融液対流制御を行なうよう
にしてもよい。ただし、これらの両方を組み合わせる
と、融液対流パタンのバリエーションを多くすることが
でき、上記各実施形態例のように単結晶6中に取り込ま
れる酸素濃度を予め定められた濃度にすることも容易に
できるため、前記伝熱の偏りと不活性ガスFの流量の偏
りの両方を組み合わせて融液対流を制御することが望ま
しい。
【0073】さらに、上記各実施形態例では、坩堝2を
回転させずに融液12の対流を制御したが、坩堝2は回
転させてもよい。ただし、上記各実施形態例のように、
ヒーター8から融液12への伝熱の偏りや不活性ガスF
の流量の偏りによって融液対流の制御を行なうようにす
ると、坩堝2を回転させる場合でも、その回転数を小さ
くすることができる。そのため、融液12の量が少なく
なったときに単結晶6の回転数に坩堝2の回転数を対応
させることができないといったことは回避でき、また、
坩堝2の回転による融液12の液面の揺らぎも少なくす
ることができ、融液12の液面の揺らぎによる単結晶6
の無転位化率の低下や単結晶品質の面内ばらつきの発生
を抑制することができる。
【0074】
【発明の効果】本発明の単結晶製造方法および単結晶製
造装置によれば、融液表面に沿って流れる不活性ガスの
流量の偏りと、加熱手段から融液に加える伝熱の坩堝周
方向の偏りとの一方又はその両方を組み合わせることに
よって、融液対流を制御することができる。そのため、
坩堝の回転を低回転状態としたり坩堝を停止させた状態
としたりしても融液対流を制御できるので、例えば単結
晶中に取り込まれる酸素濃度を既定値に均一に制御しや
すくできる。また、坩堝の回転に伴う融液面の揺らぎに
よって生じる、単結晶中の引上げ軸に直交する面内酸素
分布ばらつき増加や無転位化率の低下などの品質低下を
抑制できるし、単結晶を加熱する加熱手段のパワーも小
さくすることができ、坩堝等の寿命を長くできるので製
造コストの低減を図れる。
【0075】また、単結晶成長中の融液の坩堝横断面方
向の温度分布が坩堝横断面の直径を対称軸としてほぼ線
対称となるように加熱手段から前記融液に加える伝熱の
偏りを持たせる構成のものにあっては、伝熱の偏りによ
って制御される融液対流の形態を把握しやすくでき、特
に、前記温度分布が1本の対称軸に対してほぼ線対称と
なる1回対称性温度分布と前記温度分布が互いに直交す
る2本の対称軸に対してほぼ線対称となる2回対称性温
度分布と前記温度分布が60度の角度で交わる3本の対
称軸に対してほぼ線対称となる3回対称性温度分布のい
ずれか一つの温度分布となるように加熱手段から前記融
液に加える伝熱の偏りを持たせる構成のものにあって
は、伝熱の偏りによって制御される融液対流の形態を把
握しやすくできる。
【0076】そのため、このように、坩堝内の融液の温
度分布に対称性を持たせる構成の発明においては、融液
対流制御によって、単結晶中に取り込まれる酸素濃度の
制御なども行ないやすくすることができる。
【0077】また、融液表面に沿って流れる不活性ガス
の流量の偏りと、加熱手段から融液に加える伝熱の坩堝
周方向の偏りの両方を組み合わせることによって、融液
対流を制御する構成のものにあっては、融液対流パタン
のバリエーションを多くすることができ、上記不活性ガ
スFの流量の偏りと前記伝熱の坩堝周方向の偏りの一方
のみにより対流制御を行なうよりも、単結晶中に取り込
まれる酸素濃度の制御などを容易にできる。
【0078】さらに、不活性ガスの流量増加部分の配設
位置と坩堝横断面の中心とを結ぶ直線と温度分布制御用
として適用される対称軸との角度を対称軸間角度とし、
不活性ガスの流量増加部分の配設位置数と前記対称軸の
本数と前記対称軸間角度を可変設定することにより単結
晶中に取り込まれる酸素濃度を予め定められた濃度にす
る構成のものにあっては、単結晶中に取り込まれる酸素
濃度を、確実に予め定められた濃度にすることができ
る。
【0079】さらに、坩堝を回転させない構成のものに
あっては、坩堝の回転機構を省略することもでき、そう
すれば装置の簡略化を図ることができるし、坩堝の回転
に伴う融液面の揺らぎによって生じる、単結晶中に取り
込まれる酸素分布ばらつきや無転位化率の低下などの品
質低下をより一層確実に抑制できるし、単結晶を加熱す
る加熱手段のパワーも小さくすることができる。
【0080】さらに、本発明の単結晶製造装置におい
て、加熱手段の厚みと高さと坩堝中心からの距離の少な
くとも1つに坩堝の周方向の偏りを形成して、前記伝熱
の坩堝周方向の偏りを持たせる伝熱偏り形成部とした
り、坩堝の周方向の厚みに偏りを形成して伝熱偏り形成
部とした構成のものにあっては、上記のようにして容易
に伝熱偏り形成部を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る単結晶製造装置の第1実施形態例
を用いて単結晶を製造するときの融液の坩堝横断面方向
の温度分布を模式的に示す説明図(a)と、この単結晶
製造装置に適用される熱遮蔽体の斜視図(b)、(c)
と、これらの熱遮蔽体を適用したときに融液表面に沿っ
て流れる不活性ガスの流れの一部を模式的に示す説明図
(d)、(e)と、対称軸間角度と単結晶中の酸素濃度
との関係データ(f)である。
【図2】上記第1実施形態例の具体例における融液対流
を模式的に示す説明図である。
【図3】本発明に係る単結晶製造装置における伝熱偏り
形成部の例を示す説明図である。
【図4】本発明に係る単結晶製造装置の第2実施形態例
を用いて単結晶を製造するときの融液の坩堝横断面方向
の温度分布を模式的に示す説明図(a)と、この単結晶
製造装置に適用される熱遮蔽体の斜視図(b)と、この
熱遮蔽体を適用したときに融液表面に沿って流れる不活
性ガスの流れの一部を模式的に示す説明図(d)と、対
称軸間角度と単結晶中の酸素濃度との関係データ(d)
である。
【図5】従来の単結晶製造装置の一例を模式的に示す要
部説明図である。
【符号の説明】
1 チャンバ 2 坩堝 5 種結晶 6 単結晶 7 熱遮蔽体 8 ヒーター 12 融液 13 開拡開口部 14,15 薄肉部分 F 不活性ガス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下村 庫一 長崎県大村市雄ヶ原町1324番地2 コマツ 電子金属株式会社長崎工場内 (72)発明者 平石 吉信 長崎県大村市雄ヶ原町1324番地2 コマツ 電子金属株式会社長崎工場内 Fターム(参考) 4G077 AA02 BA04 CF10 EG18 EG24 EH06 PE12 PE16 PF42

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 坩堝内に原材料を入れ、前記坩堝を加熱
    して坩堝内の原材料を溶融し、この原材料の融液に種結
    晶を漬けて引き上げることにより単結晶を成長育成する
    単結晶製造方法において、前記融液の上側に引き上げ育
    成される単結晶を引き上げ方向中心軸回りに回転させ、
    融液面から単結晶への輻射熱を遮蔽する熱遮蔽体を前記
    単結晶の側周面を囲む形態で融液面の上方側に間隔を介
    して設け、上方側から供給される不活性ガスを前記単結
    晶の側周面と熱遮蔽体との間の隙間を通して下方側に流
    し熱遮蔽体の下面と融液面との隙間を通して融液表面に
    沿って流れるようにし、前記熱遮蔽体の下面側には該下
    面側から流出される不活性ガスの流量が局部的に大きく
    なる流量増加部分を単結晶中心軸回りの円周上の1つの
    位置または複数の位置に設けて融液表面に沿って流れる
    不活性ガスの流量に偏りを形成し、この不活性ガスの流
    量の偏りにより融液対流を制御することを特徴とする単
    結晶製造方法。
  2. 【請求項2】 坩堝内に原材料を入れ、前記坩堝を加熱
    して坩堝内の原材料を溶融し、この原材料の融液に種結
    晶を漬けて引き上げることにより単結晶を成長育成する
    単結晶製造方法において、前記融液の上側に引き上げ育
    成される単結晶を引き上げ方向中心軸回りに回転させ、
    少なくとも前記坩堝の側周がわを囲む態様で該坩堝を加
    熱する加熱手段を設けて該加熱手段から前記融液に加え
    る伝熱に坩堝の周方向の1ヶ所以上の位置で偏りを持た
    せ、この伝熱の偏りにより融液対流を制御することを特
    徴とする単結晶製造方法。
  3. 【請求項3】 単結晶成長中の融液の坩堝横断面方向の
    温度分布が坩堝横断面の直径を対称軸としてほぼ線対称
    となるように加熱手段から前記融液に加える伝熱の偏り
    を持たせることを特徴とする請求項2記載の単結晶製造
    方法。
  4. 【請求項4】 単結晶成長中の融液の坩堝横断面方向の
    温度分布が1本の対称軸に対してほぼ線対称となる1回
    対称性温度分布と前記温度分布が互いに直交する2本の
    対称軸に対してほぼ線対称となる2回対称性温度分布と
    前記温度分布が60度の角度で交わる3本の対称軸に対
    してほぼ線対称となる3回対称性温度分布のいずれか一
    つの温度分布となるように加熱手段から前記融液に加え
    る伝熱の偏りを持たせることを特徴とする請求項3記載
    の単結晶製造方法。
  5. 【請求項5】 坩堝内に原材料を入れ、前記坩堝を加熱
    して坩堝内の原材料を溶融し、この原材料の融液に種結
    晶を漬けて引き上げることにより単結晶を成長育成する
    単結晶製造方法において、前記融液の上側に引き上げ育
    成される単結晶を引き上げ方向中心軸回りに回転させ、
    融液面から単結晶への輻射熱を遮蔽する熱遮蔽体を前記
    単結晶の側周面を囲む形態で融液面の上方側に間隔を介
    して設け、上方側から供給される不活性ガスを前記単結
    晶の側周面と熱遮蔽体との間の隙間を通して下方側に流
    し熱遮蔽体の下面と融液面との隙間を通して融液表面に
    沿って流れるようにし、この融液表面に沿って流れる不
    活性ガスの流量に請求項1記載の不活性ガスの流量の偏
    りを形成し、少なくとも前記坩堝の側周がわを囲む態様
    で該坩堝を加熱する加熱手段を設けて該加熱手段から前
    記融液に加える伝熱に請求項2又は請求項3又は請求項
    4記載の伝熱の偏りを持たせ、この伝熱の偏りと前記不
    活性ガスの流量の偏りとを組み合わせて融液対流を制御
    することを特徴とする単結晶製造方法。
  6. 【請求項6】 不活性ガスの流量増加部分の配設位置と
    坩堝横断面の中心とを結ぶ直線と、温度分布制御用とし
    て適用される対称軸との角度を対称軸間角度とし、不活
    性ガスの流量増加部分の配設位置数と前記対称軸の本数
    と前記対称軸間角度を可変設定することにより単結晶中
    に取り込まれる酸素濃度を予め定められた濃度にするこ
    とを特徴とする請求項5記載の単結晶製造方法。
  7. 【請求項7】 坩堝を回転させないことを特徴とする請
    求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の単結晶製造
    方法。
  8. 【請求項8】 単結晶製造の原材料を入れる坩堝と、こ
    の坩堝を加熱して坩堝内の原材料を溶融する加熱手段
    と、溶融された坩堝内の融液に種結晶を漬けて種結晶を
    融液から相対的に引き上げ移動する種結晶の引き上げ移
    動手段と、前記坩堝の融液から引き上げ育成される単結
    晶を引き上げ方向の中心軸回りに回転させる回転手段
    と、前記単結晶の側周面を囲み融液面と間隔を介して融
    液面の上側に間隔を介して配置されて融液面から単結晶
    への輻射熱を遮蔽する熱遮蔽体と、該熱遮蔽体の上部側
    から不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段とを備
    え、前記不活性ガス供給手段から供給された不活性ガス
    が前記単結晶の側周面と熱遮蔽体との間の隙間を通り熱
    遮蔽体の上方側から下方側に流れた後に熱遮蔽体の下面
    と前記融液面との隙間を通して融液表面に沿って流れる
    構成の単結晶製造装置であって、前記熱遮蔽体の下面側
    には該下面側から流出される不活性ガスの流量が局部的
    に大きくなる流量増加部分が単結晶中心軸回りの円周上
    の1つの位置または複数の位置に設けられていることを
    特徴とする単結晶製造装置。
  9. 【請求項9】 熱遮蔽体下部側の不活性ガスの流路壁面
    に流路の開拡開口部を1ヶ所以上形成し、該開拡開口部
    形成領域を不活性ガスの流量増加部分としたことを特徴
    とする請求項8記載の単結晶製造装置。
  10. 【請求項10】 単結晶製造の原材料を入れる坩堝と、
    この坩堝を加熱して坩堝内の原材料を溶融する加熱手段
    と、溶融された坩堝内の融液に種結晶を漬けて種結晶を
    融液から相対的に引き上げ移動する種結晶の引き上げ移
    動手段と、前記坩堝の融液から引き上げ育成される単結
    晶を引き上げ方向の中心軸回りに回転させる回転手段と
    を備えた単結晶製造装置であって、前記加熱手段から前
    記融液に加える伝熱に偏りを持たせてこの伝熱の偏りに
    より融液対流を制御する伝熱偏り形成部が設けられてい
    ることを特徴とする単結晶製造装置。
  11. 【請求項11】 伝熱偏り形成部は単結晶成長中の融液
    の坩堝横断面方向の温度分布が坩堝横断面の直径を対称
    軸としてほぼ線対称となるように加熱手段から前記融液
    に加える伝熱の偏りを持たせる対称温度分布形成部とし
    たことを特徴とする請求項12記載の単結晶製造方法。
  12. 【請求項12】 加熱手段の厚みと高さと坩堝中心から
    の距離の少なくとも1つに坩堝の周方向の偏りが形成さ
    れており、この偏りを有する加熱手段が伝熱偏り形成部
    と成していることを特徴とする請求項10又は請求項1
    1記載の単結晶製造装置。
  13. 【請求項13】 坩堝の周方向の厚みに偏りが形成され
    て該坩堝が伝熱偏り形成部と成していることを特徴とす
    る請求項10又は請求項11又は請求項12記載の単結
    晶製造装置。
JP17068799A 1999-06-17 1999-06-17 単結晶製造方法およびその装置 Expired - Lifetime JP4408148B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17068799A JP4408148B2 (ja) 1999-06-17 1999-06-17 単結晶製造方法およびその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17068799A JP4408148B2 (ja) 1999-06-17 1999-06-17 単結晶製造方法およびその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001002492A true JP2001002492A (ja) 2001-01-09
JP4408148B2 JP4408148B2 (ja) 2010-02-03

Family

ID=15909540

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17068799A Expired - Lifetime JP4408148B2 (ja) 1999-06-17 1999-06-17 単結晶製造方法およびその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4408148B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010265168A (ja) * 2009-05-13 2010-11-25 Siltronic Ag 融液からシリコン単結晶を成長させるための方法及び装置
CN102011175A (zh) * 2010-11-30 2011-04-13 江苏华盛天龙光电设备股份有限公司 一种直拉式硅单晶生长炉用导流筒
WO2019167988A1 (ja) * 2018-02-28 2019-09-06 株式会社Sumco シリコン単結晶の酸素濃度推定方法、およびシリコン単結晶の製造方法
WO2019167990A1 (ja) * 2018-02-28 2019-09-06 株式会社Sumco シリコン単結晶の製造方法およびシリコン単結晶の引き上げ装置
JP2020083717A (ja) * 2018-11-28 2020-06-04 株式会社Sumco シリコン単結晶の製造方法
JP2021066652A (ja) * 2019-10-17 2021-04-30 上海新昇半導體科技有限公司 半導体結晶成長装置
CN115044966A (zh) * 2022-05-26 2022-09-13 西安奕斯伟材料科技有限公司 一种加热器及其工作方法
WO2023223890A1 (ja) * 2022-05-19 2023-11-23 株式会社Sumco 単結晶引き上げ装置

Cited By (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010265168A (ja) * 2009-05-13 2010-11-25 Siltronic Ag 融液からシリコン単結晶を成長させるための方法及び装置
US8460462B2 (en) 2009-05-13 2013-06-11 Siltronic Ag Method and an apparatus for growing a silicon single crystal from a melt
US8679251B2 (en) 2009-05-13 2014-03-25 Siltronic Ag Method and an apparatus for growing a silicon single crystal from a melt
CN102011175A (zh) * 2010-11-30 2011-04-13 江苏华盛天龙光电设备股份有限公司 一种直拉式硅单晶生长炉用导流筒
CN112074628A (zh) * 2018-02-28 2020-12-11 胜高股份有限公司 单晶硅的制造方法及单晶硅的提拉装置
KR102397842B1 (ko) * 2018-02-28 2022-05-12 가부시키가이샤 사무코 실리콘 단결정의 제조 방법 및 실리콘 단결정의 인상 장치
JP2019151503A (ja) * 2018-02-28 2019-09-12 株式会社Sumco シリコン単結晶の製造方法およびシリコン単結晶の引き上げ装置
JP2019151499A (ja) * 2018-02-28 2019-09-12 株式会社Sumco シリコン単結晶の酸素濃度推定方法、およびシリコン単結晶の製造方法
US11473211B2 (en) 2018-02-28 2022-10-18 Sumco Corporation Method of estimating oxygen concentration of silicon single crystal and method of manufacturing silicon single crystal
KR20200110389A (ko) * 2018-02-28 2020-09-23 가부시키가이샤 사무코 실리콘 단결정의 제조 방법 및 실리콘 단결정의 인상 장치
WO2019167988A1 (ja) * 2018-02-28 2019-09-06 株式会社Sumco シリコン単結晶の酸素濃度推定方法、およびシリコン単結晶の製造方法
US11441238B2 (en) 2018-02-28 2022-09-13 Sumco Corporation Silicon monocrystal manufacturing method and silicon monocrystal pulling device
WO2019167990A1 (ja) * 2018-02-28 2019-09-06 株式会社Sumco シリコン単結晶の製造方法およびシリコン単結晶の引き上げ装置
JP7052694B2 (ja) 2018-11-28 2022-04-12 株式会社Sumco シリコン単結晶の製造方法
JP2020083717A (ja) * 2018-11-28 2020-06-04 株式会社Sumco シリコン単結晶の製造方法
JP7101225B2 (ja) 2019-10-17 2022-07-14 上海新昇半導體科技有限公司 半導体結晶成長装置
JP2021066652A (ja) * 2019-10-17 2021-04-30 上海新昇半導體科技有限公司 半導体結晶成長装置
WO2023223890A1 (ja) * 2022-05-19 2023-11-23 株式会社Sumco 単結晶引き上げ装置
TWI835650B (zh) * 2022-05-19 2024-03-11 日商Sumco股份有限公司 單結晶拉引裝置
CN115044966A (zh) * 2022-05-26 2022-09-13 西安奕斯伟材料科技有限公司 一种加热器及其工作方法
CN115044966B (zh) * 2022-05-26 2024-02-09 西安奕斯伟材料科技股份有限公司 一种加热器及其工作方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4408148B2 (ja) 2010-02-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20100101485A1 (en) Manufacturing method of silicon single crystal
WO2001063027A1 (fr) Procede de preparation d'un monocristal de silicium et monocristal de silicium obtenu
JP5240191B2 (ja) シリコン単結晶引上装置
US20210108337A1 (en) Silicon monocrystal manufacturing method and silicon monocrystal pulling device
WO2010064354A1 (ja) 単結晶製造用上部ヒーターおよび単結晶製造装置ならびに単結晶製造方法
JPH03261693A (ja) 単結晶製造方法
JP2001002492A (ja) 単結晶製造方法およびその装置
JPH09309789A (ja) 半導体単結晶製造装置
US3360405A (en) Apparatus and method of producing semiconductor rods by pulling the same from a melt
JP4314974B2 (ja) シリコン単結晶の製造方法及びシリコン単結晶
JP2952733B2 (ja) シリコン単結晶製造方法
JPH05208887A (ja) Fz法シリコン単結晶棒の成長方法及び装置
JPS6046073B2 (ja) 半導体単結晶の製造方法
JP5617812B2 (ja) シリコン単結晶ウエーハ、エピタキシャルウエーハ、及びそれらの製造方法
WO2023223691A1 (ja) シリコン単結晶の育成方法、シリコンウェーハの製造方法、および単結晶引き上げ装置
JP6777739B2 (ja) 単結晶インゴット成長装置
TWI784314B (zh) 單晶矽的製造方法
JP4801869B2 (ja) 単結晶成長方法
WO2022102251A1 (ja) 単結晶の製造方法、磁場発生装置及び単結晶製造装置
WO2022254885A1 (ja) シリコン単結晶の製造方法
JP5056603B2 (ja) シリコン単結晶の引上げ方法及び該方法により引上げられたインゴットから得られたシリコン単結晶ウェーハ
JPH04357191A (ja) 単結晶製造装置
JPH01164790A (ja) 半導体単結晶の製造方法
KR101343505B1 (ko) 단결정 잉곳 제조 방법 및 장치
RU2177513C1 (ru) Способ выращивания монокристаллов кремния

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060515

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080910

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080916

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090317

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090514

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091104

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091106

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4408148

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121120

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121120

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131120

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term