JP2001001934A - 後輪転舵装置 - Google Patents

後輪転舵装置

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JP2001001934A
JP2001001934A JP17258199A JP17258199A JP2001001934A JP 2001001934 A JP2001001934 A JP 2001001934A JP 17258199 A JP17258199 A JP 17258199A JP 17258199 A JP17258199 A JP 17258199A JP 2001001934 A JP2001001934 A JP 2001001934A
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Japan
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clutch
slide
clutch means
slide shaft
shaft
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JP17258199A
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English (en)
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Kunio Shirakawa
邦雄 白川
Hiroshi Furuumi
洋 古海
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Honda Motor Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 左右のクラッチ手段の状態が同一の時にはス
ライド部材が駆動されないように改良された後輪転舵装
置を提供する。 【解決手段】 後輪転舵装置の構成を、ケーシング(5
3)に軸方向移動可能に支持されたスライド軸(71)
と、スライド軸の軸上を舵角中立位置を基準にして対称
な方向へ互いに離間・接近移動する向きに駆動される2
つのスライドスリーブ(56a・56b)との間の連結
または非連結を個々に選択する2つのクラッチ手段を有
し、クラッチ手段のクラッチアウタ(60a・60b)
が、2つのクラッチ手段を共に非連結状態に設定した時
にのみ当該クラッチアウタ同士を軸方向について一体的
に連結するためのインターロック突起(69a・69
b)を備えるものとする。これにより、左右のクラッチ
手段が共に非結合状態の時には、両クラッチアウタ同士
が互いに軸方向について一体となるので、各クラッチア
ウタと実質的に一体のスライドスリーブは離間動作をし
得なくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、後輪転舵装置に関
し、特に異常時の中立位置保持手段を備えた後輪転舵装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本出願人は、特願平10−182108
号明細書において、軸方向に移動可能なスライド軸と、
スライド軸と平行に延在し、中央を境に互いに逆ねじと
なるねじが切られ且つ電動モータに連結された回転軸
と、回転軸の各ねじ部に回転不能に螺合して回転軸の回
転に応じて互いに対称方向へ移動する2つのスライド部
材と、2つのスライド部材の各々とスライド軸との間に
設けられ、各スライド部材とスライド軸との間の結合ま
たは非結合を選択するための2つのクラッチ手段とを有
し、2つのスライド部材のいずれをスライド軸に連結す
るかで転舵方向を選択し、電動モータの正転によって2
つのスライド部材を互いに離間させる向きに回転軸を回
転させることで転舵量が増大し、電動モータの逆転によ
って2つのスライド部材を互いに接近させる向きに回転
軸を回転させることで転舵量が減少するように構成した
後輪転舵装置を提案した。
【0003】同明細書には、クラッチ手段の構造とし
て、スライド軸に所定角度回動可能にかつ軸方向移動不
能に嵌着されると共にその外周面に外歯歯車状部分が設
けられた可動部材と、内歯歯車状部分が設けられた内周
面で可動部材を外囲するべくスライド部材に一体的に設
けられた固定部材とからなり、可動部材の固定部材に対
する回動角度変位の位相に応じて外歯歯車状部分と内歯
歯車状部分との軸方向についての干渉・非干渉が選択さ
れると共に、ばね手段で常時一方向へばね付勢された可
動部材を、ばね力に抗する向きに電磁手段で回動付勢す
るようにしたものが開示されている。
【0004】上記クラッチ手段によると、舵角中立位置
では電磁手段が非励磁でクラッチ手段が非結合であり、
2つのクラッチ手段が共に非結合の時は、ケーシングに
形成された規制手段にクラッチ手段の可動部の一部が係
合することにより、誤ってスライド部材が駆動されても
舵角中立位置の保持がなされるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記先行技
術の構成によると、2つのクラッチ手段が共に非結合な
状態は、スライド部材が移動して初めて判別されるの
で、その異常が検出された際には、スライド部材を中立
位置へ戻す制御をしなければならない。これは無意味な
動作であり、むしろ2つのクラッチ手段の状態が同一の
時は、スライド部材が駆動されないようになっているこ
とが好ましい。
【0006】本発明はこのような観点に立脚してなされ
たものであり、その主な目的は、左右のクラッチ手段の
状態が同一の時にはスライド部材が駆動されないように
改良された後輪転舵装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的を果たす
ために、本発明においては、ケーシング(53)に軸方
向移動可能に支持され、かつ後輪に連結されたスライド
軸(71)に軸力を与えることによって後輪舵角を制御
する後輪転舵装置の構成を、スライド軸の軸上を舵角中
立位置を基準にして対称な方向へ互いに離間・接近移動
する向きに駆動される2つのスライド部材(実施の形態
中のスライドスリーブ56a・56b)と、スライド軸
に結合した固定部材(実施の形態中のクラッチインナ7
6a・76b)および2つのスライド部材の各々に結合
した可動部材(実施の形態中のクラッチアウタ60a・
60b)を備え且つスライド軸の中心軸回りで可動部材
を回動させることによって2つのスライド部材の各々と
スライド軸との間の連結または非連結を個々に選択する
2つのクラッチ手段とを有し、可動部材は、2つのクラ
ッチ手段を共に非連結状態に設定した時にのみ当該可動
部材同士を軸方向について一体的に連結するための結合
手段(実施の形態中のインターロック突起69a・69
b)を備えるものとした。
【0008】これによれば、左右のクラッチ手段が共に
非結合状態の時には、両クラッチ手段の可動部材同士が
互いに軸方向について一体となるので、各クラッチ手段
の可動部材と実質的に一体のスライド部材は離間動作を
し得なくなる。また、左右のクラッチ手段が共に結合状
態にある時には、左右のスライド部材は共にスライド軸
と軸方向について一体になるために離間動作をし得なく
なる。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明による後輪転舵装置
の一実施形態について図1〜図10を参照して詳しく説
明する。
【0010】図1に示す通り、軸方向中央から互いに逆
ねじとなる雌ねじ51a・51bが内周面に切られた円
筒状をなす雌ねじシリンダ52が、軸方向移動不能に且
つ回転可能にケーシング53に支持されている。この雌
ねじシリンダ52の外周面の適所には、外歯歯車Gが設
けられており、減速歯車機構54(一部を図示する)を
介して電動モータ55の回転力が雌ねじシリンダ52に
伝達されるようになっている。
【0011】雌ねじシリンダ52の各雌ねじ51a・5
1bには、外周面に雄ねじが切られた円筒状をなす左・
右スライドスリーブ56a・56bがそれぞれ螺合して
いる。これらのスライドスリーブ56a・56bは、雌
ねじシリンダ52の各雌ねじ51a・51bに一杯にね
じ込まれた状態で雌ねじシリンダ52の各軸方向端面か
ら突出する部分における直径線上に、一対の径方向外向
きの回り止め突起57を各々が備えており、ケーシング
53に形成された軸方向溝58にこの回り止め突起57
を突入させることにより、ケーシング53に対して回転
不能にされている。なお、各スライドスリーブ56a・
56bの回り止め突起57のいずれか1つには、両スラ
イドスリーブ56a・56bのいずれか一方の(本実施
例に於いては右側のスライドスリーブ56b)移動距離
を検出するためのストロークセンサ59が係合している
(図3参照)。
【0012】左・右スライドスリーブ56a・56bの
各内周面には、概ね円筒状をなす左・右クラッチアウタ
60a・60bが、所定角度範囲を相対回動可能に且つ
相対軸方向移動不能なように、それぞれ嵌着されてい
る。これらのクラッチアウタ60a・60bの各外端側
の開口には、各スライドスリーブ56a・56bにその
一端を係合させ、かつ各クラッチアウタ60a・60b
にその他端を係合させたねじりばね61a・61b(図
2参照、図1では省略されている)が、各クラッチアウ
タ60a・60bに固着されたばねホルダ62を介して
それぞれ装着されている。
【0013】これらのねじりばね61a・61bによ
り、各クラッチアウタ60a・60bは、各スライドス
リーブ56a・56bに対し、常時一方へ回動付勢され
ている。なお、回動付勢の方向は、左右勝手反対とされ
ており、それぞれがスライド軸71の各軸端から見て時
計回り方向とされている。
【0014】各クラッチアウタ60a・60bの内周面
におけるねじりばね61a・61bの装着部からやや軸
方向内向きに逃げた位置には、クラッチアウタ60a・
60bを輪切りにした断面上での形状が台形をなす突条
63が、放射方向に複数個(本実施例では6個)形成さ
れている(この部分のみの軸線に直交する断面の形状は
内歯歯車状をなしている)。
【0015】各クラッチアウタ60a・60bの各軸方
向外端部には、各スライドスリーブ56a・56bに形
成された鉤形のスロット64(図4・5参照)を貫通し
て径方向外向きに突出するアーム65a・65bがそれ
ぞれ突設されている。鉤形のスロット64は、クラッチ
手段の断続作動範囲内は各スライドスリーブ56a・5
6bに対して各クラッチアウタ60a・60bが軸方向
移動不能であり、しかも各スライドスリーブ56a・5
6bの外方へ各アーム65a・65bを突出させるよう
にするために、各スライドスリーブ56a・56bの外
端に向けて開放された軸方向部分Aと、各クラッチアウ
タ60a・60bの回動角度に対応した周方向部分Cと
からなっている。
【0016】各アーム65a・65bには、上記したね
じりばね61a・61bの付勢力に抗して各クラッチア
ウタ60a・60bを回動させるために、例えば電磁式
の回動アクチュエータ66a・66bの駆動レバー67
a・67bがそれぞれ係合している。両回動アクチュエ
ータ66a・66bの駆動方向は、ねじりばね61a・
61bによる回動付勢の方向に対応して左右勝手反対と
なっている。
【0017】各アーム65a・65bは、ケーシング5
3の内面に設けられた案内溝68a・68bにもそれぞ
れ係合している。この案内溝68a・68bの作用につ
いては後に詳述する
【0018】各クラッチアウタ60a・60bの軸方向
内端には、クラッチ手段の作動状態、つまり両クラッチ
アウタ60a・60b同士間の相対回動角度に応じて互
いに係合・離脱可能なインターロック突起69a・69
bがそれぞれ形成されている。
【0019】このインターロック突起69a・69b
は、図6に示すように、概ね円筒状をなすクラッチアウ
タ60a・60bの軸方向内端の外周部から延出された
脚部70a・70bの終端に、周方向に互いに向かい合
うように突設されている。そして両クラッチアウタ60
a・60bの相対回動角度に応じ、ある位置で互いに噛
み合って両クラッチアウタ60a・60bの軸方向離間
移動を阻止し、両クラッチアウタ60a・60bが互い
に逆方向へ回動すると噛み合いが解除されるようになっ
ている。なお、このインターロック突起69a・69b
は、1組でも良いが、円周を等分割する位置に複数組設
けても良い。
【0020】両クラッチアウタ60a・60bには、共
通のスライド軸71が同心的に挿通されている。このス
ライド軸71は、ケーシング53に軸方向摺動自在に支
持されており、その各端が、後輪のナックルアームにタ
イロッド(図示せず)を介してそれぞれ連結されるよう
になっている。またスライド軸71は、左方の軸端側に
設けられたピン72が、ケーシング53に形成された軸
方向溝73に突入して回り止めされている。なお、この
ピン72の上端には、スライド軸71の移動距離を検出
するために、図3に示したストロークセンサ59と同形
式のストロークセンサ(図示せず)が係合している。
【0021】スライド軸71の軸方向中央部には、径方
向外向きに突出するセンタリング突起75a・75b
が、適宜な軸方向距離をおいて2組形成されている。ま
たスライド軸71には、各センタリング突起75a・7
5bから軸方向外向きに適宜な距離をおいて、クラッチ
インナ76a・76bが1組づつ形成されている。
【0022】左・右スライドスリーブ56a・56bの
内周面には、雌ねじシリンダ52の各雌ねじ51a・5
1bに一杯にねじ込まれた状態で各センタリング突起7
5a・75bの軸方向外側面にその内側面が当接し、か
つ左・右クラッチアウタ60a・60bの各軸方向内端
面Sにその外側面が当接する径方向内向きの突起77a
・77bがそれぞれ形成されている。この内向き突起7
7a・77bのセンタリング突起75a・75bとの当
接面には、ゴム材などからなるクッション部材78が設
けられており、内向き突起77a・77bとセンタリン
グ突起75a・75bとが互いに当接した際に打音が発
生しないようにされている。
【0023】各クラッチインナ76a・76bの外周面
には、クラッチインナ76a・76bを輪切りにした断
面上での形状が矩形をなす凸部79が、放射方向に複数
個(本実施例では6個)形成されている(この部分のみ
の軸線に直交する断面の形状は外歯歯車状をなしてい
る)。この凸部79は、上記クラッチアウタ60a・6
0bに形成された台形断面の突条63同士間の凹所に入
り込み得る寸法にされている。
【0024】さて、スライド軸71上の各クラッチイン
ナ76a・76bに設けられた矩形の凸部79と、各ク
ラッチアウタ60a・60bに設けられた台形の突条6
3との位相が非整合な状態(図3・4参照)は、クラッ
チ手段が非結合な状態である。この状態では、クラッチ
アウタ60a・60b及びこれと軸方向について一体を
なすスライドスリーブ56a・56bと、クラッチイン
ナ76a・76b及びこれと一体をなすスライド軸71
とは、軸方向に相対移動可能である。
【0025】上記の反対に、各クラッチインナ76a・
76bの凸部79と各クラッチアウタ60a・60bの
突条63との位相が互いに整合した状態、つまりクラッ
チ手段の結合状態(図5参照)では、クラッチアウタ6
0a・60b及びスライドスリーブ56a・56bと、
クラッチインナ76a・76b及びスライド軸71と
は、軸方向について一体となる。
【0026】他方、左・右スライドスリーブ56a・5
6bが共に中央に寄った、つまり互いに接近した状態で
電動モータ55を正転させると、雌ねじシリンダ52が
正転する。すると、互いに逆ねじとなっている雌ねじ5
1a・51bに螺合した各スライドスリーブ56a・5
6bは、ケーシング53に対して回転不能なため、互い
に離間する向きにスライド軸上を移動する。このとき、
各スライドスリーブ56a・56bの内向き突起77a
・77bが対応するクラッチアウタ60a・60bの軸
方向内端面Sにそれぞれ当接しており、しかも各クラッ
チアウタ60a・60bの各アーム65a・65bが対
応するスライドスリーブ56a・56bのスロット64
にそれぞれ係合しているので、各クラッチアウタ60a
・60bも各スライドスリーブ56a・56bと共に互
いに離間する向きに移動する。
【0027】上記の反対に、左・右スライドスリーブ5
6a・56bが互いに離間した状態で電動モータ55を
逆転させると、各スライドスリーブ56a・56bは中
央に向かって、つまり互いに接近する向きにスライド軸
上を移動する。このとき、各スライドスリーブ56a・
56bの鉤形スロット64の周方向部分Cに対応するク
ラッチアウタ60a・60bのアーム65a・65bが
それぞれ係合しているので、各クラッチアウタ60a・
60bも各スライドスリーブ56a・56bと共に互い
に接近する向きに移動する。
【0028】ところで、各アーム65a・65bを係合
させるべくケーシング53の内面に設けられた案内溝6
8a・68bは、図7〜10に示すように、それぞれが
互いに平行に延在する2つの軸方向部分H1・H2と、
2つの軸方向部分の中央側の端末同士を結ぶ周方向部分
Vとからなるコ字形をなし、左右対称形に形成されてい
る。
【0029】ここで2つのクラッチアウタ60a・60
bは、それぞれが個別の回動アクチュエータ66a・6
6bで個々に回動駆動されるようになっており、回動ア
クチュエータ66a・66bが非作動(非励磁)の時は
クラッチ手段が結合状態となり、回動アクチュエータ6
6a・66bを作動(励磁)させるとクラッチ手段が非
結合状態となるようにされている。
【0030】スライドスリーブ56a・56b及びクラ
ッチアウタ60a・60bが中央に一杯寄った状態で、
例えば、図1における右側の回動アクチュエータ66b
のみを作動させると、右側のクラッチアウタ60bのみ
がねじりばね61bの付勢力に抗して回動する。すると
当該クラッチアウタ60bの突条63と、これに対応す
るクラッチインナ76aの凸部79とが非整合となり、
つまり右側のクラッチ手段のみが非結合状態となる(図
3参照)。この時、対応する案内溝68bの周方向部分
V内を下向きに移動したアーム65bは、下側の軸方向
部分H2に整合する(図7参照)。
【0031】他方、左側のクラッチアウタ60aは、ね
じりばね61aの付勢力により、クラッチアウタ60a
の凸部63とクラッチインナ76aの突条79とが整合
してこれらが軸方向について同一直線上で並ぶ状態、つ
まり左側のクラッチ手段の結合状態を維持している。こ
の時、アーム65aは、案内溝68aの下側の軸方向部
分H2に整合した状態のままである(図7参照)。
【0032】この状態では、各クラッチアウタ60a・
60bの軸方向内端に設けられたインターロック突起6
9a・69b同士は、互いに非係合の状態にある(図1
1の二点鎖線参照)。
【0033】この状態で電動モータ55を正転起動する
と、雌ねじシリンダ52に螺合した2つのスライドスリ
ーブ56a・56bが逆ねじの作用で互いに離間する向
きに移動し、これに連れて2つのクラッチアウタ60a
・60bも互いに離間する向きに移動する。すると左側
のクラッチ手段のみが結合状態にあるので、左スライド
スリーブ56aに作用する左方への軸力が左クラッチア
ウタ60a及び左クラッチインナ76aを介してスライ
ド軸71に伝わる。
【0034】他方、右クラッチアウタ60bの突条63
と右クラッチインナ76bの凸部79とは非整合状態、
つまり右側のクラッチ手段は非結合状態にあるので、右
スライドスリーブ56bと共に軸端方向へ移動(右動)
する右クラッチアウタ60bは、対応する右クラッチイ
ンナ76b、つまりスライド軸71に何の影響も及ぼさ
ない。
【0035】而して、スライド軸71は左クラッチアウ
タ60aと共に左方へと移動することとなる。
【0036】スライド軸71が左方への移動を開始して
右クラッチアウタ60bのアーム65bが案内溝68b
の下側軸方向部分H2に入り込むと、右クラッチアウタ
60bは回動し得なくなるので、この時点で右回動アク
チュエータ66bへの通電を停止しても、右側のクラッ
チ手段の非結合状態は維持され、スライド軸71への左
方への軸力は継続して伝達される。
【0037】各クラッチアウタ60a・60bの各アー
ム65a・65bが各案内溝68a・68bの下側軸方
向部分H2の外端に突き当たるか、或いは各スライドス
リーブ56a・56bの回り止め突起57が各軸方向溝
58の外端に突き当たる等してスライド軸71の軸方向
移動がそれぞれ機械的に規制されると、電動モータ55
の電流値が増大するので、これを捕らえて電動モータ5
5への通電を絶てば良い。
【0038】ねじのリード角を摩擦角よりも小さく定め
ておくことにより、電動モータ55を停止した時点の舵
角が保持されるようにできる。
【0039】この状態から電動モータ55を逆転すれ
ば、2つのスライドスリーブ56a・56bが互いに接
近する向きに、つまり中央へ向けて移動するので、左ス
ライドスリーブ56aの内向き突起77aとスライド軸
71のセンタリング突起75aとの係合により、上記と
は逆にスライド軸71が中立位置へ戻るように右動す
る。この時も、右側のクラッチ手段は非結合状態にある
ので、右スライドスリーブ56bの中央へ向けての移動
(左動)は右クラッチインナ76b、つまりスライド軸
71に何の影響も及ぼさない。
【0040】中立位置で右案内溝68bの周方向部分V
に右クラッチアウタ60bのアーム65bが整合した時
点に右回動アクチュエータ66bのトルクが既に消滅し
ていれば、ねじりばね61bの作用で右クラッチアウタ
60bが回動して右クラッチアウタ60bの突条63と
右クラッチインナ76bの凸部79とが整合状態、つま
り右側のクラッチ手段が結合状態になる。
【0041】スライド軸71の中立位置においては、両
スライドスリーブ56a・56bの内向き突起77a・
77bがスライド軸71上のセンタリング突起75a・
75bを挟み込むと共に、両クラッチアウタ60a・6
0bの各アーム65a・65bが、ケーシング53の内
面に設けられた各ガイド溝68a・68bの周方向部分
Vの内側面に当接してその位置が規制されるので、雌ね
じシリンダ52と両スライドスリーブ56a・56b間
のねじの摩擦力と相俟って、中立位置でスライド軸71
に軸力が加わっても、スライド軸71の中立位置が剛固
に保持される。
【0042】中立位置を越えてスライド軸71を右動さ
せる際には、中立位置で左側の回動アクチュエータ66
aのみを作動させると共に電動モータ55を正転させ
る。すると、上記とは逆に左側のクラッチ手段が非結合
状態で、かつ右側のクラッチ手段が結合状態となるの
で、右スライドスリーブ56bの右方への軸力が右クラ
ッチアウタ60b及び右クラッチインナ76bを介して
スライド軸71に伝達され、左スライドスリーブ56a
の左動はスライド軸71に何の影響も及ぼさないことと
なる。また、この時は、各アーム65a・65bは共に
各ガイド溝68a・68bの上側軸方向部分H1に整合
し(図8参照)、各クラッチアウタ60a・60bのイ
ンターロック突起69a・69b同士は、互いに非係合
の状態のままである(図11の二点鎖線参照)。
【0043】このようにして、2つの回動アクチュエー
タ66a・66bを選択的に作動させると同時に電動モ
ータ55の回転方向を選択することにより、2つの回動
アクチュエータ66a・66bのいずれを作動させるか
で転舵の向きが定まり、電動モータ55を正転すれば舵
角が増大し、電動モータ55を逆転すれば、左右いずれ
の方向に転舵していたとしても、スライド軸71は必ず
中立位置へと戻されることとなる。従って、中立戻し制
御に転舵方向の判別が不要となる。また、中立位置へ戻
りきると、両スライドスリーブ56a・56bの内向き
突起77a・77bがスライド軸71のセンタリング突
起75a・75bを挟み込んでそれ以上移動し得なくな
るので、過負荷検出で電動モータ55への電流を遮断す
れば良く、中立位置検出も不要である。
【0044】本装置は、スライド軸71の左右移動を検
出するべくピン72に係合するストロークセンサ(図示
せず)と、両スライドスリーブ56a・56bのうちの
一方のスライド軸71上での移動を検出するストローク
センサ59とを備えており、これらの出力に基づいて種
々の異常判別が行える。以下に本実施の形態に於ける異
常時の動作について説明する。
【0045】例えば、左右のクラッチ手段のうちの一方
のみが固着した場合は、一方への舵角増大は問題なくで
きるが、他方へ舵角増大させるべく他方のクラッチ手段
を結合すると、両方のクラッチ手段が共に結合した状態
となる(図9参照)。左右のクラッチ手段が共に結合し
た状態で電動モータ55を正転駆動すると、両スライド
スリーブ56a・56bが互いに離間しようとする向き
の力が同時にスライド軸71に加わるため、スライド軸
71はいずれの方向へも移動できなくなる。また両方の
クラッチ手段が共に固着した場合は、言うまでもなく左
右いずれへも舵角増大できなくなる。従って、電動モー
タ55の電流値あるいは舵角値を監視することで、クラ
ッチ手段が結合した状態での固着の判別が行える。
【0046】両方のクラッチ手段が結合されない状態で
は、図10に示すように、各クラッチアウタ60a・6
0bのインターロック突起69a・69bが互いに噛み
合うため、各クラッチアウタ60a・60bは相対離間
移動ができなくなる。両クラッチアウタ60a・60b
同士間が離間しないと、これと軸方向については一体を
なす両スライドスリーブ56a・56b同士間も離間で
きない。従って、スライド軸71はいずれの方向へも移
動できないので、いずれか一方へ転舵した際の2つのス
トロークセンサの出力を比較することで、クラッチ手段
が接続できなくなった状態の判別が行える。また一方の
クラッチ手段のみが接続されない場合は、他方への舵角
は増大するが一方への舵角は増大しなくなるので、左右
へ転舵された際の2つのストロークセンサの出力を比較
することで判別できる。
【0047】このようにして、クラッチ手段の固着並び
に結合不能となる故障を、共に回動アクチュエータ66
a・66bの動きを監視するセンサを付加することなく
操舵状況から判別することができるので、異常判別に要
する装置の簡略化が図れる。
【0048】
【発明の効果】このように本発明によれば、左右のクラ
ッチ手段が共に非結合状態の時には、両クラッチ手段の
可動部材同士が互いに軸方向について一体となるので、
各クラッチ手段の可動部材と実質的に一体のスライド部
材は離間動作をし得なくなる。また、左右のクラッチ手
段が共に結合状態にある時には、左右のスライド部材は
共にスライド軸と軸方向について一体になるために離間
動作をし得なくなる。と、このように、左右のクラッチ
手段が同一の状態の時には左右のスライド部材が離間動
作をし得なくなるので、異常時に一旦離間動作をした左
右のスライド部材を戻すという無駄な動作をさせる必要
がなくなるので、異常時の制御を簡略化する上に大きな
効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を一部切除して示す全体構
成図
【図2】図3のII−II断面図
【図3】図2のIII−III線断面図
【図4】クラッチ手段の非結合状態を示す概略斜視図
【図5】クラッチ手段の結合状態を示す概略斜視図
【図6】インターロック突起部分の斜視図
【図7】スライド軸が右動する場合のクラッチ手段の作
動説明図
【図8】スライド軸が左動する場合のクラッチ手段の作
動説明図
【図9】クラッチ結合状態で固着した場合の作動説明図
【図10】クラッチ非結合状態で固着した場合の作動説
明図
【図11】インターロック突起の作動説明図
【符号の説明】
53 ケーシング 56 スライドスリーブ 71 スライド軸 60 クラッチアウタ 76クラッチインナ 69 インターロック突起

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングに軸方向移動可能に支持さ
    れ、かつ後輪に連結されたスライド軸に軸力を与えるこ
    とによって後輪舵角を制御する後輪転舵装置であって、 前記スライド軸の軸上を舵角中立位置を基準にして対称
    な方向へ互いに離間・接近移動する向きに駆動される2
    つのスライド部材と、 前記スライド軸に結合した固定部材および前記2つのス
    ライド部材の各々に結合した可動部材を備え且つ前記ス
    ライド軸の中心軸回りで前記可動部材を回動させること
    によって前記2つのスライド部材の各々と前記スライド
    軸との間の連結または非連結を個々に選択する2つのク
    ラッチ手段とを有し、 前記可動部材は、前記2つのクラッチ手段を共に非連結
    状態に設定した時にのみ当該可動部材同士を軸方向につ
    いて一体的に連結するための結合手段を備えるものであ
    ることを特徴とする後輪転舵装置。
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GB9915221A GB2340095B (en) 1998-06-29 1999-06-29 Rear wheel steering device having fail-safe features
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