JP2001001926A - ステアリング装置 - Google Patents

ステアリング装置

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JP2001001926A
JP2001001926A JP17157199A JP17157199A JP2001001926A JP 2001001926 A JP2001001926 A JP 2001001926A JP 17157199 A JP17157199 A JP 17157199A JP 17157199 A JP17157199 A JP 17157199A JP 2001001926 A JP2001001926 A JP 2001001926A
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JP
Japan
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steering
steering angle
wheel
angle control
control
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JP17157199A
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English (en)
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Kunihito Sato
国仁 佐藤
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Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ステアリング装置に関し、ステア
リングホイールの操作性を良好に維持することを目的と
する。 【解決手段】 ステアリング装置10は、通常時におい
て、車輪舵角δを、ステアリングホイール14の回転角
θに基づいて制御する。そして、モード切替スイッチ5
4が運転者により操作された場合は、車輪舵角δを、ス
テアリングホイール14の左半部において軸方向に作用
する押圧力FL 、および、ステアリングホイール14の
右半部において軸方向に作用する押圧力FR に基づいて
制御する。この場合、車輪FL,FRは、運転者がステ
アリングホイール14を回転させることなく軸方向に向
けて押圧することにより転舵される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステアリング装置
に係り、特に、ステアリングホイールの操作に基づいて
車輪舵角を制御するステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開昭62−2894
69号に開示される如く、運転者に操作されるステアリ
ングホイールを備えるステアリング装置が知られてい
る。ステアリングホイールはステアリングシャフトを介
してステアリングギヤボックスに連結されており、ステ
アリングギヤボックスはラックバーおよびナックルアー
ムを介して車輪に連結されている。かかる構成におい
て、運転者がステアリングホイールを軸周りに回転させ
ると、その回転はステアリングギヤボックスによりラッ
クバーの車幅方向の変位に変換される。従って、上記従
来のステアリング装置によれば、ステアリングホイール
を軸周りに回転させることで車輪を転舵させることが可
能となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、上記従来
のステアリング装置は、ステアリングホイールを軸周り
に回転させることにより車輪を転舵させる。かかるステ
アリング装置を搭載する車両が、例えば高速道路等の直
線道路が継続する状況下で走行する際には、運転者がス
テアリングホイールを大きく回転させる頻度は少ない。
すなわち、ステアリングホイールの回転量は狭い範囲に
制限される。このため、上記従来のステアリング装置で
は、高速道路上においてステアリングホイールが応答よ
く回転するのを防止すべく運転者はステアリング操作を
慎重に行う必要があった。
【0004】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、ステアリングホイールの操作性を良好に維持す
ることが可能なステアリング装置を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、ステアリングホイールの軸周り方向へ
の操作量に基づいて車輪舵角を制御する第1の舵角制御
を実行し得るステアリング装置において、前記ステアリ
ングホイールの右半部において軸方向に作用する第1の
操作力、および、前記ステアリングホイールの左半部に
おいて軸方向に作用する第2の操作力をそれぞれ検出す
る操作力検出手段と、所定の操作スイッチが操作された
場合に、車輪舵角の制御を、前記第1の舵角制御から、
前記操作力検出手段により検出された第1および第2の
操作力に基づいて車輪舵角を制御する第2の舵角制御に
切り替える舵角制御切替手段と、を備えることを特徴と
するステアリング装置により達成される。
【0006】本発明において、所定の操作スイッチが運
転者により操作された場合、車輪舵角の制御は、ステア
リングホイールの軸周り方向への操作量に基づいた第1
の舵角制御から、ステアリングホイールの左半部および
右半部のそれぞれに軸方向に作用する第1および第2の
操作力に基づいた第2の舵角制御に切り替わる。すなわ
ち、所定の操作スイッチが操作された場合、車輪は、運
転者がステアリングホイールの左半部または右半部を軸
方向に押圧し又は引っ張ることにより、その操作力に応
じた角度だけ転舵される。この場合には、運転者がステ
アリングホイールを回転させることなく車輪が転舵する
ことになるので、ステアリングホイールの操作性が低下
することは回避される。従って、本発明によれば、ステ
アリングホイールの操作性を良好に維持することができ
る。
【0007】上記の目的は、請求項2に記載する如く、
請求項1記載のステアリング装置において、車両前方に
存在する物体を検出する物体検出手段と、前記物体検出
手段の検出結果に基づいて緊急回避の要否を判定する緊
急回避判定手段と、を備え、前記第2の舵角制御は、車
両について緊急回避を行う必要があると判定された場合
に、前記第1および第2の操作力に対する車輪舵角のゲ
インを通常時に比して増大させることを特徴とするステ
アリング装置により達成される。
【0008】本発明において、車両について緊急回避を
行う必要があると判定された場合、第2の舵角制御は、
第1および第2の操作力に対する車輪舵角のゲインを通
常時に比して増大させる。この場合には、運転者がステ
アリングホイールを軸方向に押圧し又は引っ張る際の操
作力が小さくても、車輪の舵角量は大きくなる。従っ
て、本発明によれば、緊急時にステアリングホイールの
応答性を向上させることで、車両の緊急状態を速やかに
回避することが可能となる。
【0009】上記の目的は、請求項3に記載する如く、
請求項1記載のステアリング装置において、運転者に操
作されるゲイン調整器を備え、前記第2の舵角制御は、
前記ゲイン調整器の操作位置に応じて、前記第1および
第2の操作力に対する車輪舵角のゲインを変化させるこ
とを特徴とするステアリング装置により達成される。
【0010】本発明において、第2の舵角制御は、ゲイ
ン調整器の操作位置に応じて、第1および第2の操作力
に対する車輪舵角のゲインを変化させる。この場合に
は、適当なゲインが得られるように運転者によりゲイン
調整器が操作される。従って、本発明によれば、運転者
の好みや個人差に応じてステアリングホイールの応答性
を変化させることが可能となる。
【0011】上記の目的は、請求項4に記載する如く、
請求項1記載のステアリング装置において、車両前方に
存在する物体を検出する物体検出手段と、前記物体検出
手段の検出結果に基づいて緊急回避の要否を判定する緊
急回避判定手段と、を備え、前記舵角制御切替手段は、
車両について緊急回避を行う必要があると判定された場
合に、車輪舵角の制御を前記第2の舵角制御から前記第
1の舵角制御に戻すことを特徴とするステアリング装置
により達成される。
【0012】本発明において、第2の舵角制御が実行さ
れている状況下で車両について緊急回避を行う必要があ
る場合、車輪舵角の制御は、第2の舵角制御から第1の
舵角制御へ戻される。従って、本発明によれば、緊急時
には第1の舵角制御により車輪舵角が制御されること
で、ステアリング操作の信頼性の向上を図ることができ
る。
【0013】上記の目的は、請求項5に記載する如く、
請求項1記載のステアリング装置において、前記舵角制
御切替手段は、前記ステアリングホイールの軸周り方向
への操舵トルクが所定値以上となった場合に、車輪舵角
の制御を前記第2の舵角制御から前記第1の舵角制御に
戻すことを特徴とするステアリング装置により達成され
る。
【0014】本発明において、第2の舵角制御が実行さ
れている状況下で運転者がステアリングホイールを軸周
り方向へ回転させることにより操舵トルクが所定値以上
となった場合、車輪舵角の制御は、第2の舵角制御から
第1の舵角制御へ戻される。従って、本発明によれば、
第2の舵角制御が実行されている状況下で運転者がステ
アリングホイールを軸周り方向に回転させようとした後
は第1の舵角制御により車輪舵角が制御されることで、
ステアリング操作の信頼性の向上を図ることができる。
【0015】上記の目的は、請求項6に記載する如く、
請求項1記載のステアリング装置において、前記舵角制
御切替手段は、車速が所定値以下になった場合に、車輪
舵角の制御を前記第2の舵角制御から前記第1の舵角制
御に戻すことを特徴とするステアリング装置により達成
される。
【0016】本発明において、第2の舵角制御が実行さ
れている状況下で車速が所定値以下に低下した場合、車
輪舵角の制御は、第2の舵角制御から第1の舵角制御へ
戻される。従って、本発明によれば、第2の舵角制御が
実行されている状況下で車速が低下した後は第1の舵角
制御により車輪舵角が制御されることで、ステアリング
操作の信頼性の向上を図ることができる。
【0017】上記の目的は、請求項7に記載する如く、
請求項1記載のステアリング装置において、前記舵角制
御切替手段は、車両が所定の走行路から退出した場合
に、車輪舵角の制御を前記第2の舵角制御から前記第1
の舵角制御に戻すことを特徴とするステアリング装置に
より達成される。
【0018】本発明において、第2の舵角制御が実行さ
れている状況下で、車両が所定の走行路から退出した場
合、車輪舵角の制御は、第2の舵角制御から第1の舵角
制御へ戻される。従って、本発明によれば、第2の舵角
制御が実行されている状況下で車両が走行路から退出し
た後は第1の舵角制御により車輪舵角が制御されること
で、ステアリングホイールの信頼性の向上を図ることが
できる。
【0019】上記の目的は、請求項8に記載する如く、
請求項4乃至7の何れか一項記載のステアリング装置に
おいて、前記第2の舵角制御が実行される際に前記ステ
アリングホイールを軸周りの中立位置に保持するステア
保持手段と、前記舵角制御切替手段により車輪舵角の制
御が前記第2の舵角制御から前記第1の舵角制御に戻っ
た場合に、車輪舵角を前記第2の舵角制御による車輪舵
角から前記第1の舵角制御による車輪舵角へ徐変させる
徐変手段と、を備えることを特徴とするステアリング装
置により達成される。
【0020】本発明において、第2の舵角制御は、ステ
アリングホイールが軸周りの中立位置に保持された状態
で実行される。かかる状況下で車輪舵角の制御が第2の
舵角制御から第1の舵角制御に戻った場合、車輪舵角
は、第2の舵角制御による車輪舵角から第1の舵角制御
による舵角制御へ徐変される。このため、本発明によれ
ば、運転者に違和感を感じさせることなく、第2の舵角
制御から第1の舵角制御へスムーズに移行させることが
できる。
【0021】上記の目的は、請求項9に記載する如く、
請求項8記載のステアリング装置において、前記徐変手
段は、車両状態に応じて車輪舵角の徐変速度を変化させ
る徐変速度変化手段を有することを特徴とするステアリ
ング装置により達成される。本発明において、車輪舵角
の徐変速度は、車両状態に応じて変化される。例えば緊
急時には、徐変速度は通常時に比して増大される。従っ
て、本発明によれば、第2の舵角制御から第1の舵角制
御へ移行させる際に車両状態に応じた車両挙動を実現す
ることが可能となる。
【0022】また、上記の目的は、請求項10に記載す
る如く、請求項4乃至7の何れか一項記載のステアリン
グ装置において、前記舵角制御切替手段により車輪舵角
の制御が前記第2の舵角制御から前記第1の舵角制御に
戻った場合に、運転者に警告を発する警告手段を備える
ことを特徴とするステアリング装置により達成される。
【0023】本発明において、車輪舵角の制御が第2の
舵角制御から第1の舵角制御へ戻った場合、運転者に対
して警告が発せられる。従って、本発明によれば、車輪
舵角の制御の切り替えを運転者に知得させることができ
る。
【0024】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施例である
ステアリング装置10の全体構成図を示す。本実施例の
ステアリング装置10は、電子制御ユニット(以下、E
CUと称す)12を備えており、ECU12により制御
される。図1に示す如く、ステアリング装置10は、ス
テアリングホイール14を備えている。ステアリングホ
イール14は、ステアリングシャフト16の一端に固定
されている。ステアリングシャフト16は、ステアリン
グホイール14の回転に伴って回転する。
【0025】ステアリングシャフト16には、操舵トル
クセンサ18および操舵角センサ20が配設されてい
る。操舵トルクセンサ18は、ステアリングシャフト1
6が回転する際にステアリングシャフト16に生じるト
ルクに応じた信号をECU12に向けて出力する。ま
た、操舵角センサ20は、ステアリングシャフト16の
回転角度、すなわち、ステアリングホイール14の回転
角度に応じた信号をECU12に向けて出力する。EC
U12は、操舵トルクセンサ18の出力信号および操舵
角センサ20の出力信号に基づいて、操舵トルクTおよ
びステアリングホイール14の回転角θを検出する。
【0026】図2は、本実施例のステアリング装置10
が備えるステアリングホイール14の側面図を示す。ま
た、図3は、本実施例のステアリングホイール14を図
2に示す直線III −III で切断した際の断面図を示す。
図2に示す如く、ステアリングホイール14には、ステ
アリングホイール14と一体となって回転可能な可動ハ
ウジング22が取り付けられている。可動ハウジング2
2は、ステアリングシャフト16の外周面を覆うように
配設されている。可動ハウジング22には、ベアリング
23を介して固定ハウジング24が当接している。固定
ハウジング24は、ステアリングシャフト16の外周面
を覆うように配設されている。固定ハウジング24は、
ステアリングホイール14の回転に伴って回転すること
が禁止されるように車体側に取り付けられている。
【0027】図3に示す如く、固定ハウジング24およ
び可動ハウジング22の軸中央には、上記したステアリ
ングシャフト16が貫通している。固定ハウジング24
の可動ハウジング22側の表面には、左ロードセル26
および右ロードセル28が配設されている。左ロードセ
ル26と右ロードセル28とは、図3に示す如く互いに
分割されており、それぞれ内部にひずみゲージを内蔵し
ている。左ロードセル26は、固定ハウジング24と可
動ハウジング22との間の左半部に作用するステアリン
グホイール14の軸方向への押圧力FL に応じた信号を
出力する。一方、右ロードセル28は、固定ハウジング
24と可動ハウジング22の間の右半部に作用する押圧
力FR に応じた信号を出力する。
【0028】図1に示す如く、左ロードセル26および
右ロードセル28は、共にECU12に接続されてい
る。ECU12は、各ロードセル26,28の出力信号
に基づいて、運転者がステアリングホイール14の上面
を軸方向に押圧した際の押圧力FL ,FR を検出する。
ステアリングシャフト16の軸方向中央部には、ギヤ3
0が配設されている。ギヤ30には、ステアリングシャ
フト用モータ(以下、第1モータと称す)32の駆動軸
32aに配設されたギヤ34が係合している。第1モー
タ32は、ECU12に接続されており、後述する論理
に従ってECU12からの指令信号に応じたトルクで回
転する。かかる構成によれば、第1モータ32に適当な
指令電流を供給することにより、ステアリングシャフト
16にアシストトルクを付与することができる。
【0029】ステアリングシャフト16の他端には、ク
ラッチ機構36を介して回転軸38が連結されている。
クラッチ機構36は、後述の如くECU12からの指令
信号に応じてステアリングシャフト16と回転軸38と
を連結または遮断する機能を有している。ステアリング
シャフト16の回転は、クラッチ機構36によりステア
リングシャフト16と回転軸38とが連結されている場
合に回転軸38に伝達され、それらが遮断されている場
合は回転軸38への伝達が禁止される。
【0030】回転軸38の軸方向中央部には、ギヤ40
が配設されている。ギヤ40には、回転軸用モータ(以
下、第2モータと称す)42の駆動軸42aに配設され
たギヤ44が係合している。第2モータ42は、ECU
12に接続されており、後述する論理に従ってECU1
2からの指令信号に応じたトルクで回転する。かかる構
成によれば、第2モータ42に適当な指令電流を供給す
ることにより、回転軸38にアシストトルクを付与する
ことができる。
【0031】回転軸38には、ステアリングギヤボック
ス46を介してラックバー48が連結されている。ステ
アリングギヤボックス46は、回転軸38の回転運動を
ラックバー48の直進運動に変換する機能を有してい
る。ラックバー48の両端には、ナックルアーム50,
52を介して車輪FL,FRが連結されている。かかる
構成によれば、車輪FL,FRは、回転軸38の回転に
よりラックバー48が車幅方向に変位することにより転
舵される。
【0032】上記の構成において、ステアリングシャフ
ト16と回転軸38とは、通常時は、クラッチ機構36
により連結されている。この場合、ECU12は、ステ
アリングホイール14の回転角θに基づいて回転軸38
に付与するアシストトルクT 2 を演算する。そして、そ
の演算されたアシストトルクT2 に応じた指令信号を第
2モータ42に対して供給する。かかる構成において、
ステアリングシャフト16と回転軸38とが連結されて
いる場合、回転軸38は、ステアリングホイール14の
回転によるトルクと、第2モータ42の駆動によるトル
クとの両者が付与されることで回転する。従って、本実
施例によれば、車輪を転舵すべく運転者がステアリング
ホイール14を回転させる際に必要な操舵トルクを軽減
することができる。
【0033】一方、所定の状況下で、ステアリングシャ
フト16と回転軸38とは遮断される。この際、ECU
12は、ステアリングホイール14が中立位置に維持さ
れるようにステアリングシャフト16に付与するトルク
1 を演算すると共に、左ロードセル26および右ロー
ドセル28により検出されたステアリングホイール14
の軸方向に作用している押圧力FL ,FR に基づいて回
転軸38に付与するトルクT2 を演算する。そして、ト
ルクT1 に応じた指令信号を第1モータ32に対して供
給すると共に、トルクT2 に応じた指令信号を第2モー
タ42に対して供給する。尚、本実施例において、運転
者がステアリングホイール14の上面左半部を軸方向に
向けて押圧した場合に車両は左旋回するように、また、
運転者がステアリングホイール14の上面右半部を軸方
向に向けて押圧した場合に車両は左旋回するように定め
られている。
【0034】このため、上記の構成において、ステアリ
ングシャフト16と回転軸38とが遮断されている場
合、ステアリングホイール14は第1モータ32の駆動
によるトルクで中立位置に維持されると共に、回転軸3
8は第2モータの駆動によるトルクで回転する。従っ
て、本実施例によれば、ステアリングホイール14を中
立位置に維持した状態で、ステアリングホイール14の
軸方向への押圧力FL ,F R に応じた舵角δに車輪を転
舵させることができる。
【0035】ECU12には、ステアモード切替スイッ
チ(以下、単に、モード切替スイッチと称す)54、お
よび、ゲイン調整器56が接続されている。モード切替
スイッチ54は、車室内のコンソールに運転者が操作可
能となるように配設されており、車輪舵角δを、ステア
リングホイール14の回転角θに基づいて制御するの
か、或いは、ステアリングホイール14の軸方向への押
圧力FL ,FR に基づいて制御するのかを選択するため
のスイッチである。モード切替スイッチ54は、ステア
リングホイール14の回転角θに基づいて車輪舵角δを
制御する場合にオフ状態を維持し、ステアリングホイー
ル14の軸方向への押圧力FL ,FR に基づいて車輪舵
角δを制御する場合にオン信号を出力する。
【0036】また、ゲイン調整器56は、車室内のコン
ソールに配設されており、運転者の操作によって押圧力
L ,FR に対する車輪舵角δのゲインGを変更させる
機能を有している。ゲイン調整器56は、例えばダイヤ
ル式のつまみを有しており、その操作位置に応じた信号
をECU12に向けて出力する。ECU12は、モード
切替スイッチ54がオン状態にあるか否かを判別すると
共に、ゲイン調整器56の出力信号に基づいてゲインG
を特定する。
【0037】ECU12には、また、車速センサ58お
よびレーダセンサ60が接続されている。車速センサ5
8は、車速に応じたパルス信号を出力する。レーダセン
サ60は、車両前方の所定領域内に存在する障害物と自
車両との距離に応じた信号を出力する。ECU12は、
車速センサ58の出力信号に基づいて車速SPDを検出
すると共に、レーダセンサ60の出力信号に基づいて障
害物との距離Lを検出する。
【0038】ECU12には、また、ナビゲーション装
置62が接続されている。ナビゲーション装置62は、
GPS等を利用した車両の位置を検出するための装置で
あり、車両が高速道路上で走行していると判断した場合
にハイ信号を出力する。本実施例において、ECU12
は、ナビゲーション装置62からの出力信号に基づいて
車両が高速道路上で走行しているか否かを判別する。更
に、ECU12には、警報器64が接続されている。警
報器64は、ECU12の指令信号に従って駆動し、運
転者に対して、運転者の聴覚を刺激して注意を喚起する
ような警報を発する。
【0039】図4は、本実施例のステアリング装置10
において、車輪舵角δの制御手法を決定すべく、ECU
12が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを
示す。図4に示すルーチンは、所定時間ごとに実行され
る定時割り込みルーチンである。図4に示すルーチンが
起動されると、まずステップ100の処理が実行され
る。
【0040】ステップ100では、モード切替スイッチ
54がオン信号を出力しているか否かが判別される。そ
の結果、肯定判定がなされる場合は、次にステップ10
2の処理が実行される。一方、否定判定がなされる場合
は、次にステップ106の処理が実行される。ステップ
102では、操舵トルクセンサ18の出力信号に基づい
て検出された操舵トルクTが所定値T0 を越えているか
否かが判別される。尚、所定値T0 は、運転者がステア
リングホイール14を回転させていないと判断できる、
ステアリングシャフト16に生じるトルクの最大値であ
る。T>T0 が成立しない場合は、運転者がステアリン
グホイール14を回転させていないと判断でき、車輪舵
角δをステアリングホイール14の軸方向に作用する押
圧力FL ,FR に基づいて制御することが適切である。
従って、かかるがなされた場合は、次にステップ104
の処理が実行される。
【0041】一方、T>T0 が成立する場合は、運転者
がステアリングホイール14を回転させて、車輪を転舵
させようとしていると判断できる。この場合は、車輪舵
角δをステアリングホイール14の軸周り方向への回転
角θに基づいて制御することが適切である。従って、か
かる判別がなされた場合は、次にステップ106の処理
が実行される。
【0042】ステップ104では、押圧力フラグXFL
AGをオン状態にする処理が実行される。尚、押圧力フ
ラグXFLAGは、車輪舵角δの制御をステアリングホ
イール14の軸方向への押圧力FL ,FR に基づいて行
うべきことを表示するするためのフラグである。本ステ
ップ104の処理が実行されると、以後、車輪舵角δ
は、ステアリングホイール14の軸方向への押圧力
L ,FR に基づいて制御される。本ステップ104の
処理が終了すると、今回のルーチンは終了される。
【0043】ステップ106では、押圧力フラグXFL
AGをオフ状態にする処理が実行される。本ステップ1
06の処理が実行されると、以後、車輪舵角δは、ステ
アリングホイール14の回転角θに基づいて制御され
る。本ステップ106の処理が終了すると、今回のルー
チンは終了される。上記の処理によれば、モード切替ス
イッチ54がオン状態にあり、かつ、ステアリングシャ
フト16に生じている操舵トルクTが所定値T0 以下で
ある場合に押圧力フラグXFLAGをオン状態とすると
共に、モード切替スイッチ54がオフ状態である場合ま
たは操舵トルクTが所定値T0 を越えている場合に押圧
力フラグXFLAGをオフ状態とすることができる。
【0044】図5は、本実施例のステアリング装置10
において、車輪舵角δの制御を実行すべく、ECU12
が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示
す。図5に示すルーチンは、所定時間毎に起動される定
時割り込みルーチンである。図5に示すルーチンが起動
されると、まずステップ110の処理が実行される。ス
テップ110では、上記図4に示すルーチンを処理した
結果、押圧力フラグXFLAGがオン状態にあるか否か
が判別される。その結果、XFLAGがオン状態にある
と判別された場合は、車輪舵角δをステアリングホイー
ル14の軸方向への押圧力FL ,FR に基づいて制御す
べく、次にステップ112の処理が実行される。一方、
XFLAGがオフ状態にあると判別された場合は、車輪
舵角δをステアリングホイール14の回転角θに基づい
て制御すべく、次にステップ124の処理が実行され
る。
【0045】ステップ112では、左ロードセル26お
よび右ロードセルの出力信号に基づいて、固定ハウジン
グ24と可動ハウジング22との間の左半部および右半
部に作用するステアリングホイール14の軸方向への押
圧力FL ,FR が検出される。ステップ114では、ゲ
イン調整器56の出力信号に基づいて、運転者によって
選定されている押圧力FL ,FR に対する車輪舵角δの
ゲインGが検出される。
【0046】ステップ116では、上記ステップ112
および114で検出された押圧力F L ,FR およびゲイ
ンGに基づいて、車輪FL,FRを転舵すべき目標車輪
舵角δが演算される。図6は、本実施例において可動ハ
ウジング22と固定ハウジング24との間に作用する押
圧力FL ,FR と目標車輪舵角δとの関係を定めたマッ
プを示す。上記ステップ116では、図6に示すマップ
を参照することにより目標車輪舵角δが演算される。
【0047】ステップ118では、クラッチ機構36に
対して、ステアリングシャフト16と回転軸38とを遮
断するように指令信号を供給する処理が実行される。本
ステップ118の処理が実行されると、以後、ステアリ
ングシャフト16と回転軸38とは遮断されて、車輪F
L,FRは第2モータ42のみを動力源として転舵する
こととなる。
【0048】ステップ120では、上記ステップ116
で演算された目標車輪舵角δに車輪FL,FRが転舵さ
れるように、第2モータ42に対して駆動信号を供給す
る処理が実行される。ステップ122では、ステアリン
グホイール14が中立位置に維持されるように、第1モ
ータ32に対して駆動信号を供給する処理が実行され
る。本ステップ122の処理が終了すると、今回のルー
チンが終了される。
【0049】ステップ124では、操舵角センサ20の
出力信号に基づいて、ステアリングホイール14の軸周
り方向の回転角θが検出される。ステップ126では、
予め記憶されているマップに従って、上記ステップ12
4で検出された回転角θに基づいて、回転軸38に付与
するアシストトルクが演算される。
【0050】ステップ128では、クラッチ機構36に
対して、ステアリングシャフト16と回転軸38とを連
結するように指令信号を供給する処理が実行される。本
ステップ128の処理が実行されると、以後、ステアリ
ングシャフト16と回転軸38とが連結されて、車輪F
L,FRはステアリングホイール14の回転によって転
舵することとなる。
【0051】ステップ130では、第1モータ32をオ
フ状態にする処理が実行される。ステップ132では、
上記ステップ126で演算されたアシストトルクが回転
軸38に付与されるように、第2モータ42に対して駆
動信号を供給する処理が実行される。上記の処理によれ
ば、押圧力フラグXFLAGがオン状態にある場合、す
なわち、運転者がモード切替スイッチ54をオン状態と
し、かつ、ステアリングホイール14を回転操作してい
ない場合に、ステアリングホイール14の軸方向への押
圧力FL ,FR に応じた舵角に車輪FL,FRを転舵さ
せることができる。この場合、車輪FL,FRは、運転
者がステアリングホイール14の上面左半部を押圧した
場合にはその押圧力に応じた舵角に転舵され、一方、運
転者がステアリングホイール14の上面右半部を押圧し
た場合にはその押圧力に応じた舵角に転舵されることに
なる。
【0052】また、上記の処理によれば、押圧力フラグ
XFLAGがオフ状態にある場合は、ステアリングホイ
ール14の軸周り方向の回転角θに応じた舵角に車輪F
L,FRを転舵させることができる。すなわち、運転者
がモード切替スイッチ54をオフ状態にしている場合ま
たは運転者がステアリングホイール14を回転操作して
いる場合は、ステアリングホイール14の回転角θに応
じた舵角に車輪FL,FRを転舵させることができる。
【0053】このように、本実施例によれば、運転者が
モード切替スイッチ54をオン状態にした場合は、ステ
アリングホイール14を回転させることなく車輪FL,
FRを転舵させることができる。ステアリングホイール
14を回転させることなく、ステアリングホイール14
の上面を押圧することによって車輪FL,FRが転舵さ
れることになれば、操作性が低下することは回避され
る。従って、本実施例のステアリング装置10によれ
ば、ステアリングホイール14の操作性を良好に維持す
ることが可能となる。
【0054】また、本実施例によれば、運転者によって
モード切替スイッチ54がオフ状態にされた場合、また
は、ステアリングホイール14の軸方向への押圧力に基
づいて車輪舵角が制御されている状況下で運転者によっ
てステアリングホイール14が回転操作された場合は、
車輪舵角の制御を、ステアリングホイール14の回転角
に基づいて制御する手法に切り替えることができる。こ
の場合、ステアリングホイール14が機械的に車輪F
L,FRに連結されることで、ステアリング操作の信頼
性の向上が図られる。
【0055】本実施例においては、図6に示したマップ
に従って運転者がゲイン調整器56のつまみを調整する
ことにより、ゲインGを大きくした場合に目標車輪舵角
δを大きくすることができ、また、ゲインGを小さくし
た場合に目標車輪舵角δを小さくすることができる。従
って、本実施例のステアリング装置10によれば、運転
者が自己が非力であると判断した場合や小さな力で十分
に車輪FL,FRを転舵させたいと望む場合にはゲイン
調整器56によりゲインGを大きくすることにより、運
転者がステアリングホイール14を軸方向に押圧する力
が小さくても、車輪FL,FRを大きな舵角まで転舵さ
せることができる。また、ゲイン調整器56によりゲイ
ンGを小さくした場合には、ステアリングホイール14
の軸方向への押圧力が大きくても、車輪FL,FRの舵
角を小さく抑制することができる。このように、本実施
例のステアリング装置10によれば、運転者の好みや個
人差に応じて運転者がゲイン調整器56を調整すること
ができるので、ステアリングホイール14の応答性を変
化させることが可能となっている。
【0056】また、本実施例においては、押圧力フラグ
XFLAGがオン状態からオフ状態に切り替わった場
合、すなわち、車輪舵角の制御がステアリングホイール
14の軸方向への押圧力に基づく手法からステアリング
ホイール14の回転角に基づく手法に切り替わった場合
に、警報器64が駆動されるようにECU12から警報
器64に対して指令信号が供給される。この場合、運転
者は、警報器64による警報によりステアリング装置1
0の制御手法が切り替わったことを認識することができ
る。尚、本実施例においては、運転者への警告を、運転
者の聴覚を刺激する音声による警報により行うこととし
ているが、視覚を刺激するインストルメントパネル等へ
の表示により行うこととしてもよい。
【0057】ところで、上記の実施例においては、車輪
舵角の制御がステアリングホイール14の軸方向への押
圧力に基づく手法からステアリングホイール14の回転
角に基づく手法に切り替わる状況下で、クラッチ機構3
6によってステアリングシャフト16と回転軸38とが
連結された後に直ちに、第1モータ32の駆動を停止す
ると共に、ステアリングホイール14の回転角θに応じ
たアシストトルクが回転軸38に付与されるように第2
モータ42を駆動することとしているが、本発明はこれ
に限定されるものではなく、車輪舵角の制御が切り替わ
る状況下でステアリングシャフト16と回転軸38とが
連結された後、所定時間の経過後に第1モータ32が停
止するように第1モータ32への指令電流を徐変させ、
また、所定のアシストトルクが回転軸38に付与される
ように第2モータ42への指令電流を徐変させることと
してもよい。かかる手法によれば、運転者に違和感を感
じさせることなく、車輪舵角の制御をスムーズに切り替
えることができる。
【0058】また、本実施例においては、上記の如く車
輪舵角の制御が切り替わる状況下で、第1モータ32お
よび第2モータ42への指令電流の徐変速度を、車両が
緊急状態にある場合に大きくし、通常時には小さくする
こととしてもよい。かかる手法によれば、車両状態に対
応した車両挙動を確保しつつ、車輪舵角の制御を切り替
えることが可能となる。
【0059】この場合、ECU12が、第1モータ32
および第2モータ42への指令電流を徐変させることに
より特許請求の範囲に記載された「徐変手段」が、車両
状態に応じて上記指令電流の徐変速度を変化させること
により特許請求の範囲に記載された「徐変速度変化手
段」が、それぞれ実現される。次に、図7を参照して、
本発明の第2実施例のステアリング装置70について説
明する。
【0060】本実施例のステアリング装置70は、上記
第1実施例のステアリング装置10に対して、車輪舵角
の制御を切り替える際の条件を変更することとしてい
る。図7は、本実施例において、車輪舵角の制御手法を
決定すべく、ECU12が実行する制御ルーチンの一例
のフローチャートを示す。図7に示すルーチンは、所定
時間ごとに繰り返し起動されるルーチンである。尚、図
7において、上記図4に示すステップと同一の処理を実
行するステップについては、同一の符号を付してその説
明を省略または簡略する。
【0061】すなわち、図7に示すルーチンにおいて
は、ステップ102で操舵トルクTが所定値T0 を越え
ていないと判別された後に、ステップ140の処理が実
行される。ステップ140では、車速センサ58の出力
信号に基づいて検出された車速SPDが、所定値SPD
0 に達していないか否かが判別される。尚、所定値SP
0 は、ステアリングホイール14の軸方向への押圧力
に基づいて車輪舵角を制御する場合に許容される車速S
PDの最小値である。SPD<SPD0 が成立する場合
は、車両が低速になったと判断でき、通常どおりステア
リングホイール14と車輪FL,FRとを機械的に連結
し、ステアリングホイール14の回転により車輪FL,
FRを転舵させることが適切である。従って、SPD<
SPD0 が成立すると判別された場合は、次に上記ステ
ップ106の処理が実行される。一方、SPD<SPD
0 が成立しないと判別された場合は、次にステップ14
2の処理が実行される。
【0062】ステップ142では、レーダセンサ60の
出力信号に基づいて検出された障害物と自車両との距離
Lが、所定値L0 未満であるか否かが判別される。尚、
所定値L0 は、車両がある程度大きな車速SPDで走行
を継続した場合に車両が障害物に衝突すると判断できる
自車両と障害物との距離の最小値である。L<L0 が成
立する場合は、自車両が障害物に接近しており、車両が
緊急状態にあると判断できる。この場合は、ステアリン
グホイール14と車輪FL,FRとを機械的に連結し、
ステアリングホイール14の回転により車輪FL,FR
を転舵させることが適切である。従って、L<L0 が成
立すると判別された場合は、次に上記ステップ106の
処理が実行される。一方、L<L0 が成立しないと判別
された場合は、次にステップ144の処理が実行され
る。
【0063】ステップ144では、車両が高速道路を走
行しているか否か、具体的には、ナビゲーション装置6
2からハイ信号が出力されているか否かが判別される。
車両が高速道路を走行していない場合は、車両が低速に
なったと判断でき、通常どおりステアリングホイール1
4と車輪FL,FRとを機械的に連結し、ステアリング
ホイール14の回転により車輪FL,FRを転舵させる
ことが適切である。従って、車両が高速道路を走行して
いないと判別された場合は、次に上記ステップ106の
処理が実行される。一方、車両が高速道路を走行してい
ると判別された場合は、上記ステップ104において押
圧力フラグXFLAGがオン状態とされた後、今回のル
ーチンが終了される。
【0064】上記の処理によれば、モード切替スイッチ
54がオン状態にある状況下、操舵トルクTが所定値T
0 以下であり、車速SPDが所定値SPD0 以上であ
り、自車両と障害物との距離Lが所定距離L0 以上であ
り、かつ、車両が高速道路を走行している場合に、押圧
力フラグXFLAGをオン状態とすると共に、それらの
何れかが成立しない場合に押圧力フラグXFLAGをオ
フ状態とすることができる。
【0065】このため、本実施例によれば、運転者がモ
ード切替スイッチ54をオン状態とし、かつ、ステアリ
ングホイール14を回転操作していない状況下で、車両
前方に障害物が存在しない状態で車両が高速道路をある
程度大きな速度で走行している場合に、車輪舵角をステ
アリングホイール14の軸方向への押圧力に応じた舵角
に車輪FL,FRを転舵させることができる。従って、
本実施例のステアリング装置70によれば、上記第1実
施例の場合と同様の効果を得ることが可能となる。
【0066】また、本実施例によれば、ステアリングホ
イール14の軸方向への押圧力に基づいて車輪舵角が制
御されている状況下で上記の条件の何れかが成立しない
場合は、車輪舵角の制御を、ステアリングホイール14
の回転角に基づいて制御する手法に切り替えることがで
きる。従って、本実施例のステアリング装置70によれ
ば、上記の場合にステアリングホイール14が機械的に
車輪FL,FRに連結されることで、ステアリング操作
の信頼性の向上を図ることができる。
【0067】尚、上記第1および第2の実施例において
は、ECU12が、左ロードセル26および右ロードセ
ル28の出力信号に基づいてステアリングホイール14
の軸方向への押圧力FL ,FR を検出することにより特
許請求の範囲に記載された「操作力検出手段」が、上記
ステップ110の処理の後に、上記ステップ124〜1
32の処理に代えて上記ステップ112〜122の処理
を実行することにより特許請求の範囲に記載された「舵
角制御切替手段」が、それぞれ実現されている。
【0068】また、上記第1および第2の実施例におい
ては、高速道路が特許請求の範囲に記載された「所定の
走行路」に相当していると共に、ECU12が、レーダ
センサ60の出力信号に基づいて車両前方の所定領域内
に存在する障害物を検出することにより特許請求の範囲
に記載された「物体検出手段」が、上記ステップ142
の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載され
た「緊急回避判定手段」が、車輪舵角の制御が切り替わ
った場合に警報器64を駆動することにより特許請求の
範囲に記載された「警告手段」が、それぞれ実現されて
いる。
【0069】ところで、上記第1および第2の実施例に
おいては、運転者がゲイン調整器56のつまみ位置を調
整することによりゲインGを特定し、その特定されたゲ
インGと押圧力FL ,FR とに基づいて目標車輪舵角δ
を演算することとしているが、車両が前方車両に衝突す
るおそれがある等の緊急時にゲインGを更に増大させる
こととしてもよい。この場合、ステアリングホイール1
4の応答性が向上することになるので、車両の緊急状態
を速やかに回避することが可能となる。
【0070】また、上記第1および第2の実施例におい
ては、ステアリングホイール14の上面右半部を押圧し
た場合に車両を右旋回させ、ステアリングホイール14
の上面左半部を押圧した場合に車両を左旋回させること
としているが、車両の旋回を逆方向にすることとしても
よい。また、上記第1および第2の実施例においては、
ステアリングホイール14の上面を運転者側から下方に
向けて軸方向に押圧することにより車両を旋回させるこ
ととしているが、ステアリングホイール14を運転者側
に軸方向に引っ張ることにより車両を旋回させることと
してもよい。
【0071】更に、上記第1および第2の実施例におい
ては、ステアリングホイール14の軸方向への押圧力F
L ,FR に対する目標車輪舵角δが図6に示す如く比例
的に増大するようなマップが設定されているが、曲線的
に増大するような、或いは、それらを組み合わせたよう
なマップが設定されていてもよい。
【0072】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、ステアリングホイールの操作性を良好な状態に維持
することができる。請求項2記載の発明によれば、車両
緊急時にステアリングホイールの応答性を向上させるこ
とで、車両の緊急状態を速やかに回避することができ
る。
【0073】請求項3記載の発明によれば、運転者の好
みや個人差に応じてステアリングホイールの応答性を変
化させることができる。請求項4乃至7記載の発明によ
れば、所定の状況下で第2の舵角制御から第1の舵角制
御へ切り替わることで、ステアリング操作の信頼性の向
上を図ることができる。
【0074】請求項8記載の発明によれば、運転者に違
和感を感じさせることなく、第2の舵角制御から第1の
舵角制御へスムーズに移行させることができる。請求項
9記載の発明によれば、車両状態に応じた車両挙動を確
保しつつ、車両舵角の制御を第2の舵角制御から第1の
舵角制御へ移行させることができる。また、請求項10
記載の発明によれば、車輪舵角の制御の切り替えを運転
者に知得させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるステアリング装置の全
体構成図である。
【図2】本実施例のステアリング装置が備えるステアリ
ングホイールの側面図である。
【図3】本実施例のステアリングホイールを図2に示す
直線III −III で切断した際の断面図である。
【図4】本実施例において車輪舵角の制御手法を決定す
べく実行される制御ルーチンの一例のフローチャートで
ある。
【図5】本実施例において車輪舵角を制御すべく実行さ
れる制御ルーチンの一例のフローチャートである。
【図6】本実施例において可動ハウジングと固定ハウジ
ングとの間に作用する押圧力F L ,FR と車輪舵角δと
の関係を定めたマップを示す図である。
【図7】本発明の第2実施例において車輪舵角の制御手
法を決定すべく実行される制御ルーチンの一例のフロー
チャートである。
【符号の説明】
10 ステアリング装置 12 電子制御ユニット(ECU) 14 ステアリングホイール 26 左ロードセル 28 右ロードセル 54 ステアモード切替スイッチ(モード切替スイッ
チ) 56 ゲイン調整器 58 車速センサ 60 レーダセンサ 62 ナビゲーション装置 64 警報器

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリングホイールの軸周り方向への
    操作量に基づいて車輪舵角を制御する第1の舵角制御を
    実行し得るステアリング装置において、 前記ステアリングホイールの右半部において軸方向に作
    用する第1の操作力、および、前記ステアリングホイー
    ルの左半部において軸方向に作用する第2の操作力をそ
    れぞれ検出する操作力検出手段と、 所定の操作スイッチが操作された場合に、車輪舵角の制
    御を、前記第1の舵角制御から、前記操作力検出手段に
    より検出された第1および第2の操作力に基づいて車輪
    舵角を制御する第2の舵角制御に切り替える舵角制御切
    替手段と、 を備えることを特徴とするステアリング装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のステアリング装置におい
    て、 車両前方に存在する物体を検出する物体検出手段と、 前記物体検出手段の検出結果に基づいて緊急回避の要否
    を判定する緊急回避判定手段と、を備え、 前記第2の舵角制御は、車両について緊急回避を行う必
    要があると判定された場合に、前記第1および第2の操
    作力に対する車輪舵角のゲインを通常時に比して増大さ
    せることを特徴とするステアリング装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のステアリング装置におい
    て、 運転者に操作されるゲイン調整器を備え、 前記第2の舵角制御は、前記ゲイン調整器の操作位置に
    応じて、前記第1および第2の操作力に対する車輪舵角
    のゲインを変化させることを特徴とするステアリング装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のステアリング装置におい
    て、 車両前方に存在する物体を検出する物体検出手段と、 前記物体検出手段の検出結果に基づいて緊急回避の要否
    を判定する緊急回避判定手段と、を備え、 前記舵角制御切替手段は、車両について緊急回避を行う
    必要があると判定された場合に、車輪舵角の制御を前記
    第2の舵角制御から前記第1の舵角制御に戻すことを特
    徴とするステアリング装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のステアリング装置におい
    て、 前記舵角制御切替手段は、前記ステアリングホイールの
    軸周り方向への操舵トルクが所定値以上となった場合
    に、車輪舵角の制御を前記第2の舵角制御から前記第1
    の舵角制御に戻すことを特徴とするステアリング装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のステアリング装置におい
    て、 前記舵角制御切替手段は、車速が所定値以下になった場
    合に、車輪舵角の制御を前記第2の舵角制御から前記第
    1の舵角制御に戻すことを特徴とするステアリング装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のステアリング装置におい
    て、 前記舵角制御切替手段は、車両が所定の走行路から退出
    した場合に、車輪舵角の制御を前記第2の舵角制御から
    前記第1の舵角制御に戻すことを特徴とするステアリン
    グ装置。
  8. 【請求項8】 請求項4乃至7の何れか一項記載のステ
    アリング装置において、 前記第2の舵角制御が実行される際に前記ステアリング
    ホイールを軸周りの中立位置に保持するステア保持手段
    と、 前記舵角制御切替手段により車輪舵角の制御が前記第2
    の舵角制御から前記第1の舵角制御に戻った場合に、車
    輪舵角を前記第2の舵角制御による車輪舵角から前記第
    1の舵角制御による車輪舵角へ徐変させる徐変手段と、 を備えることを特徴とするステアリング装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のステアリング装置におい
    て、 前記徐変手段は、車両状態に応じて車輪舵角の徐変速度
    を変化させる徐変速度変化手段を有することを特徴とす
    るステアリング装置。
  10. 【請求項10】 請求項4乃至7の何れか一項記載のス
    テアリング装置において、 前記舵角制御切替手段により車輪舵角の制御が前記第2
    の舵角制御から前記第1の舵角制御に戻った場合に、運
    転者に警告を発する警告手段を備えることを特徴とする
    ステアリング装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016120863A (ja) * 2014-12-25 2016-07-07 株式会社豊田中央研究所 運転支援装置

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