JP2001001480A - メラミン樹脂化粧板 - Google Patents

メラミン樹脂化粧板

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JP2001001480A
JP2001001480A JP11171330A JP17133099A JP2001001480A JP 2001001480 A JP2001001480 A JP 2001001480A JP 11171330 A JP11171330 A JP 11171330A JP 17133099 A JP17133099 A JP 17133099A JP 2001001480 A JP2001001480 A JP 2001001480A
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篤 立石
Terunori Iwata
照徳 岩田
Yoshinori Ohata
佳紀 尾畑
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な半透明性を有し、かつ、寸法変化率及
び耐クラック性においても良好な特性を有するメラミン
樹脂化粧板の提供。 【解決手段】 メラミン1モルに対し1モルのグアニジ
ンが添加された混合物1モルに、2.3モルの37%ホ
ルマリン水溶液を添加し、pH9.0に調整して昇温溶
解させメチロール化反応を行った後、上記混合物1モル
に対し2.5モルのメチルアルコールを加え、pH5.
5に調整して80℃でエーテル化反応させた。反応終了
後pH7.0に中和し、固形分60重量%となるように
調整して得られたマトリックス樹脂の固形分100重量
部に対して、ポリプロピレングリコール30重量部,パ
ラトルエンスルホン酸1重量部を添加して含浸用メラミ
ン樹脂組成物が得られた。これを晒しクラフトに含浸さ
せて得られた実施例と、上記マトリックス樹脂を含浸さ
せた比較例との特性の相違を表1に示す。 【表1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メラミン樹脂を含
浸させた基材に表面層を積層してなるメラミン樹脂化粧
板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のメラミン樹脂化粧板は、
美観が良好であることで注目を集めている。ところが、
この種のメラミン樹脂化粧板では、寸法変化が大きく耐
クラック性に欠けるという問題点がある。そこで、これ
らを解消するためにメラミン樹脂の変成が試みられてい
る。
【0003】例えば、特開昭59−29155号公報に
は、メラミン−パラトルエンスルホンアミド又はベンゾ
グアナミン−ホルムアルデヒドの反応物にグリシジルエ
ーテル及び水溶性アクリル系共重合エマルジョンとを混
合して得られる樹脂組成物をメラミン樹脂として用いる
ことが、特開昭62−85938号公報にはメラミン−
ホルムアルデヒドの反応物にアクリル酸エステル及び/
またはメタアクリル酸エステルの重合物とメチロールメ
ラミン樹脂及び/またはアルコール変成メラミン樹脂と
を混合して得られる樹脂組成物をメラミン樹脂として用
いることが開示されている。また、本出願人らは、特願
昭63−299306号にてメラミン−ホルムアルデヒ
ドの反応物に熱可塑性樹脂エマルジョンを混合して得ら
れる樹脂組成物を用いることを開示している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
如く従来技術においては、変成剤に重合エマルジョン或
いは重合物を用いている。このため、これらのエマルジ
ョン或いは重合物が凝集したり、或いは紙の内部まで充
分に浸透されない等により、得られたメラミン樹脂化粧
板の寸法変化、耐クラック性は充分なものではなかっ
た。
【0005】そこで本発明は、良好な半透明性を有し、
かつ寸法変化率及び耐クラック性においても良好な特性
を有するメラミン樹脂化粧板の提供を目的としてなされ
た。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記目的
を達するためになされた請求項1記載の発明は、メラミ
ン樹脂を含浸させた基材に表面層を積層してなるメラミ
ン樹脂化粧板であって、上記基材が白色系繊維質基材で
あり、上記メラミン樹脂が、メラミンを縮合系変成剤に
よって変成し、続いて、メチルアルコールに溶解する分
子量2000以下の低分子量体を添加してなるものであ
り、更に、JISK6902に準拠した寸法変化率が
0.70%以下であることを特徴とする。
【0007】本発明では、縮合系変成剤によって変成し
たメラミンに、メチルアルコールに溶解する分子量20
00以下の低分子量体を添加している。このため、その
低分子量体は、含浸乾燥及び成型時の加熱によって、マ
トリックスとなる上記変成後のメラミンと相分離し均一
にミクロ分散を起こして、得られるメラミン樹脂化粧板
の寸法変化、耐クラック性、可撓性等の向上に寄与す
る。従って、本発明のメラミン樹脂化粧板は、良好な寸
法変化率及び耐クラック性を有する。
【0008】また、本発明のメラミン樹脂化粧板では、
基材として白色系繊維質基材を使用しているので、メラ
ミン樹脂が元々備えている半透明性が一層良好に反映さ
れ、良好な半透明性を呈する。更に、本発明のメラミン
樹脂化粧板では、そのメラミン樹脂化粧板のJISK6
902に準拠した寸法変化率を0.70%以下としてい
る。このため、寸法変化率を極めて良好に低減すること
ができ、延いては、耐クラック性も一層向上させること
ができる。
【0009】なお、このような寸法変化率を実現する方
法としては、例えば、低分子量体としてエーテル結合を
有するものを使用する方法等が考えられる。また、白色
系繊維質基材としては、漂白されたクラフトパルプ紙を
始め、ガラス繊維,ビニロン繊維等の白色繊維を使用す
る紙、混抄紙、不織布、織布等、種々の基材を適用する
ことができる。
【0010】請求項2記載の発明は、メラミン樹脂を含
浸させた基材に表面層を積層してなるメラミン樹脂化粧
板であって、上記基材が白色系繊維質基材であり、上記
メラミン樹脂が、メラミンを縮合系変成剤によって変成
し、続いて、メチルアルコールに溶解する分子量200
0以下の低分子量体を添加してなるものであり、更に、
透過率が厚さ1.0mm相当で6.5%以上であること
を特徴とする。
【0011】本発明では、縮合系変成剤によって変成し
たメラミンに、メチルアルコールに溶解する分子量20
00以下の低分子量体を添加している。このため、その
低分子量体は、含浸乾燥及び成型時の加熱によって、マ
トリックスとなる上記変成後のメラミンと相分離し均一
にミクロ分散を起こして、得られるメラミン樹脂化粧板
の寸法変化、耐クラック性、可撓性等の向上に寄与す
る。従って、本発明のメラミン樹脂化粧板は、良好な寸
法変化率及び耐クラック性を有する。
【0012】また、本発明のメラミン樹脂化粧板では、
基材として白色系繊維質基材を使用しているので、メラ
ミン樹脂が元々備えている半透明性が一層良好に反映さ
れ、良好な半透明性を呈する。更に、本発明のメラミン
樹脂化粧板では、そのメラミン樹脂化粧板の透過率を、
厚さ1.0mm相当で6.5%以上としている。このた
め、半透明性を一層向上させることができる。
【0013】なお、上記透過率は、例えば、厚さ1.3
0mmのガラス板を標準(透過率100%)として測定
することができる。また、このような透過率を実現する
方法としては、例えば、低分子量体としてエーテル結合
を有するものを使用する方法等が考えられる。また、白
色系繊維質基材としては、漂白されたクラフトパルプ紙
を始め、ガラス繊維,ビニロン繊維等の白色繊維を使用
する紙、混抄紙、不織布、織布等、種々の基材を適用す
ることができる。
【0014】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の構成に加え、上記基材に上記メラミン樹脂を50
〜180重量%含浸させたことを特徴とする。メラミン
樹脂化粧板におけるメラミン樹脂の重量%が増加する
と、それに伴って木口の耐汚染性が向上する。また、樹
脂の重量%が180重量%を超えると樹脂フローに伴う
含浸基材の破損を招き好ましくない。本発明のメラミン
樹脂化粧板は、基材にメラミン樹脂を50〜180重量
%含浸させているので、請求項1または2記載の発明の
効果に加えて、木口の耐汚染性が極めて良好であるとい
った効果が生じる。なお、更に好ましい樹脂の重量%
(樹脂含浸率または樹脂率ともいう)は、55〜100
重量%である。
【0015】請求項4記載の発明は、請求項1〜3のい
ずれかに記載の構成に加え、上記表面層が、パターン紙
にメラミン樹脂を含浸させたものであることを特徴とす
る。上記メラミン樹脂を含浸した白色系の基材は、前述
のように良好な半透明性を有している。そこで、本発明
のメラミン樹脂化粧板では、パターン紙にメラミン樹脂
を含浸させたものを表面層としている。このため、上記
半透明性を有する特性に起因して、パターン紙の色調が
鮮明になったり、パターン紙の色調が基材(コア層とも
いう)にうつったりする。従って、本発明では、請求項
1〜3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、表面層
とコア層と芯材との間に外観上の極めて良好な一体感が
生じるといった効果が生じる。
【0016】請求項5記載の発明は、請求項1〜3のい
ずれかに記載の構成に加え、上記表面層が、メラミン樹
脂を含浸させたパターン紙に更にオーバーレイ紙を積層
したものであることを特徴とする。本発明では、メラミ
ン樹脂を含浸させたパターン紙に更にオーバーレイ紙を
積層したものを表面層としている。すなわち、請求項4
記載の発明の構成に加え、上記パターン紙に更にオーバ
ーレイ紙を積層して表面層としたことを特徴としてい
る。オーバーレイ紙は、メラミン樹脂化粧板の耐摩耗性
を向上させる作用がある。従って、本発明では、請求項
4記載の発明の効果に加えて、耐摩耗性が一層良好であ
るといった効果が生じる。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の具体的な実施の形
態について説明する。前述のように、本発明では、縮合
系変成剤として、例えば、アセトグアナミン、ベンゾグ
アナミン、シクロヘキサンカルボグアナミン、シクロヘ
キセンカルボグアナミン、ノルボルナンカルボグアナミ
ン、ノルボルネンカルボグアナミン、グアニジン、ジシ
ンジアミド、パラトルエンスルホン酸アミド、尿素、チ
オ尿素、イソプロパノールアミン、モノアミノブチレン
グリコール、イプシロンカプロラクタム、アクリル酸ア
ミド等が使用でき、これらから選ばれた少なくとも1種
がメラミン1モルに対して0.1〜10モル添加され使
用される。
【0018】通常、上記マトリックスを構成する樹脂を
得るためにはホルムアルデヒドが添加されるが、メラミ
ンと縮合系変成剤の混合物1モルに対して添加されるホ
ルムアルデヒドは1.2〜4モルであり、樹脂保存性、
反応性の面から好ましくは1.2〜3モルで反応が進め
られる。更に、樹脂保存性を良くするためにメチルアル
コール、エチルアルコール、ブチルアルコール等の低級
アルコール類によってエーテル化されてもよい。前述の
マトリックス樹脂はメチルアルコール等の低級アルコー
ル類、アセトン、MEK等の低級ケトン類等の溶媒で所
定の固形分に調整される。
【0019】次いで添加される低分子量体としては、上
記マトリックス樹脂との相溶性が良好なものであって、
ポリアルキレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、ポリオキシプロピレンポ
リオキシエチレンブロックポリマー、ポリグリセリン、
ネオペンチルグリコール、またはこれらと反応性のある
メチロール基、水酸基、カルボキシル基等を持ち、かつ
縮合性或いは重合性の官能基を持つ化合物との反応誘導
体等から選ばれた少なくとも1種類からなり、メチルア
ルコールに溶解し、好ましくはエーテル結合を有するも
のが使用される。その種類及び添加量は、上記エーテル
化反応物中のメラミンと縮合系変成剤との混合比、その
混合物とホルムアルデヒドとの配合比、該低分子量体の
極性、分子量、及び成形条件等によって決定されるが、
得られるメラミン樹脂化粧板の耐クラック性、寸法変
化、耐水性、層間密着性などの観点から、該低分子量体
はガラス転移点の低い柔軟なものが望ましく、添加量は
上記マトリックス樹脂の固形分100重量部に対して5
〜90重量部、好ましくは15〜40重量部とするとよ
い。
【0020】上記樹脂組成物は、含浸基材に含浸される
直前に、マトリックス樹脂硬化に有効な有機または無機
の酸、或いはアルカノールアミン塩などの潜伏性硬化触
媒等が添加されて使用される。本発明に用いられる含浸
基材は、晒しクラフト等の白色系繊維質基材であり、こ
れらの含浸基材に対して、上記樹脂組成物は重量比で含
浸基材100%に対して50〜180%の樹脂含浸率で
含浸乾燥される。該樹脂含浸率は50%未満であると白
化や層間剥離を招き、180%を超えると樹脂フローに
伴う含浸基材の破損を招き好ましくない。更に好ましい
樹脂含浸率は55〜100%である。
【0021】得られたメラミン樹脂含浸紙は所望の厚さ
となるように複数枚積層され、パターン紙或いは更にオ
ーバーレイ紙を使用した表面層を積層した上で常法に従
って熱圧成形され、本実施の形態のメラミン樹脂化粧板
が得られる。また、マトリックス樹脂に添加された上記
低分子量体は、マトリックスとなるメラミン−縮合系変
成剤−ホルムアルデヒド系反応物と相分離し均一にミク
ロ分散を起こして、得られるメラミン樹脂化粧板の寸法
変化、耐クラック性、可撓性等の改善に寄与する。従っ
て、本実施の形態のメラミン樹脂化粧板は、良好な寸法
変化率及び耐クラック性を有する。また、本実施の形態
のメラミン樹脂化粧板では、基材として白色系繊維質基
材を使用しているので、メラミン樹脂が元々備えている
半透明性が一層良好に反映され、良好な半透明性を呈す
る。このため、上記半透明性を有する特性に起因して、
表面層のパターン紙の色調が鮮明になったり、パターン
紙の色調が基材(コア層ともいう)にうつったりする。
従って、表面層とコア層と芯材との間に外観上の極めて
良好な一体感が生じる。
【0022】特に、前述のように、低分子量体としてエ
ーテル結合を有するものを使用した場合、次に実施例を
挙げて説明するように、メラミン樹脂化粧板のJISK
6902に準拠した寸法変化率を0.70%以下とする
と共に、透過率を、厚さ1.0mm相当で6.5%以上
とすることができる。従って、この場合、良好な半透明
性を有し、かつ、寸法変化率及び耐クラック性において
も極めて良好な特性を有するメラミン樹脂化粧板を提供
することができる。
【0023】
【実施例】本願出願人は、本発明のメラミン樹脂化粧板
を実施例として実際に製造し、従来と同様に製造した比
較例との比較対照を行った。続いて、この実施例及び比
較例について説明する。
【0024】実施例 メラミン1モルに対して1モルのグアニジンが添加され
た混合物1モルに対してホルムアルデヒドとして2.3
モルの37%ホルマリン水溶液を添加し、NaOHでp
H9.0に調整して昇温溶解させメチロール化反応を行
った後、上記混合物1モルに対して2.5モルのメチル
アルコールを加え、ギ酸にてpH5.5に調整し、80
℃でエーテル化反応させ、80%メチルアルコール水溶
液に白濁した時点を反応終点とする。反応終了後NaO
HでpH7.0に中和し、固形分60重量%となるよう
に調整して、メチルアルコール溶性のマトリックス樹脂
が得られた。次いで、上記マトリックス樹脂の固形分1
00重量部に対してポリプロピレングリコール30重量
部、及び潜伏性硬化触媒のパラトルエンスルホン酸(P
TS)1重量部を添加して含浸用メラミン樹脂組成物が
得られた。該含浸用メラミン樹脂組成物は非水溶性でメ
チルアルコール等には溶性であった。
【0025】上記含浸用メラミン樹脂組成物は灰分含有
量0重量%、坪量200g/m2 の晒しクラフトに樹脂
含浸率60%、揮発分7%で含浸乾燥された4枚のメラ
ミン樹脂含浸紙(コア層)の上に、表面層として、坪量
80g/m2 のパターン紙に樹脂含浸率80%でメラミ
ン樹脂組成物を含浸させた含浸パターン紙1枚が積層さ
れ、120℃−80kg/cm2 −20分の熱圧条件で
成形され、厚さ1.0mmのメラミン樹脂化粧板が得ら
れた。
【0026】比較例1 実施例において得られたメチルアルコール溶性マトリッ
クス樹脂をそのまま含浸用メラミン樹脂組成物として用
いる以外は実施例と全く同様。 比較例2 実施例において得られたメチルアルコール溶性マトリッ
クス樹脂をそのまま含浸用メラミン樹脂組成物として用
い、基材として灰分含有量0重量%、坪量200g/m
2 の未晒しクラフトを用いる以外は実施例と全く同様。
【0027】上記実施例及び比較例の物性を表1に示
す。
【0028】
【表1】
【0029】*1 化粧板裏面に接触させたもの(例え
ば、手・指)が蛍光灯にかざして見たとき、見えるか否
か、また、その程度を相対的に官能的に評価する。但
し、化粧板の厚さは同一にて評価する。 ○:見える(半透明性に優れる) ×:見え難い(半透明性に乏しい) *2 JISK6902準拠 *3 250mmW×250mmL×18mmTの合板
に同一大のメラミン樹脂化粧板をゴム系接着剤にて接着
し、該メラミン樹脂化粧板の繊維方向と平行で両端の中
央部に長さ20mm、巾3mmの切り込み加工したもの
を試験片とし、80℃の恒温槽中に2時間放置後、更に
−20℃の恒温槽中に2時間放置することを1サイクル
とし、クラック発生の有無及びクラック長さを測定す
る。クラックが発生し、その合計が200mmに達した
時点を終点とする。
【0030】表1から判るように、白色系繊維質基材で
ある晒しクラフトを使用した実施例及び比較例1では、
いずれも半透明性及び木口の外観が良好であったが、低
分子量体を添加しなかった比較例1,2では寸法変化率
及び耐クラック性において充分な特性が得られなかっ
た。これに対して、実施例では寸法変化率が0.60%
と極めて良好で、耐クラック性においても充分に満足の
できる特性が得られた。
【0031】また、上記実施例のメラミン樹脂化粧板を
試料として複数作成し、その透過率を測定したところ、
1.0mm相当で、10.34,8.76,9.58,
12.03,6.99,10.27,13.57,1
0.85,11.11,16.86等(いずれも%)の
値を示した。すなわち、上記実施例のメラミン樹脂化粧
板は、パターン紙の色等によっても上記のように異なる
が、その色に関わらず少なくとも6.5%以上の透過率
(厚さ1.0mm相当)を呈し、良好な半透明性を有し
ていた。これは、一般の化粧板が透過率5%以下である
ことを参照すれば、極めて優れた特性といえる。なお、
上記透過率の測定は、厚さ1.30mmのガラス板を標
準(透過率100%)として、U−3200形自記分光
光度計(商品名:日立製作所製)を用いて波長300〜
800nmの光に対して行った。
【0032】次に、上記実施例のメラミン樹脂化粧板
を、含浸用メラミン樹脂組成物の重量%(樹脂率)を種
々に変化させて作成し、木口の耐汚染性を評価した。結
果を表2に示す。
【0033】
【表2】
【0034】但し、評価はJISK6902に準じ、木
口をCC800番の耐水研磨紙を用いて湿潤摩擦により
研磨して試験体とし、試験体木口に汚染材料(例えば、
紅茶・コーヒー)を付着させた後1分程度で拭き取り比
較して行った。 ○:変化なし △:軽微な変化 ×:強い変化 このように、樹脂率を55%以上とした場合、木口の耐
汚染性が極めて良好になることが判った。なお、樹脂率
が180%を超えると樹脂フローに伴う含浸基材の破損
を招き好ましくない。従って、樹脂率は50〜180
%、更に好ましくは55〜100%とするとよい。
【0035】上記実施例のメラミン樹脂化粧板は、前述
のように、寸法変化率が小さく、耐クラック性,木口の
美観,及び耐汚染性が良好で、優れた半透明性を有する
といった特性の他にも、柔軟性及びハンドリング性が良
好で縁貼り機への適性に優れているといった特性を有し
ている。上記特性の内、寸法変化率が小さいことから、
加工品の反りや化粧板の割れが生じないといった効果が
生じる。また、木口の美観が良好であることから、白色
半透明でカット面が美しいとか、褐色コア層がなく加工
品の仕上がりが良好であるとかいった効果が生じる。な
お、柔軟性及びハンドリング性は、晒しクラフトの灰分
が0%であることに起因する効果であるが、灰分が0〜
5%の範囲内であれば同様の効果が生じる。
【0036】また、上記実施例のメラミン樹脂化粧板で
は、上記半透明性を有する特性に起因して、芯材の色調
がコア層にうつるとか仕上がり外観がソフトであるとか
いった効果が生じる。更に、メラミン樹脂化粧板はコア
層の表面に表面層としてパターン紙或いはそのパターン
紙に更にオーバーレイ紙を積層して使用される場合も多
いが、この場合、上記半透明性を有する特性に起因し
て、パターン層の色調が鮮明になるとかパターン層の色
調がコア層にうつるとかいった効果が生じる。このた
め、表面層とコア層と芯材との間に外観上の極めて良好
な一体感が生じる。また、オーバーレイ紙を積層した場
合は、メラミン樹脂化粧板の耐摩耗性が一層向上する。
【0037】ここで、オーバーレイ紙やパターン紙の一
例を挙げておく。オーバーレイ紙としては、ホルムアル
デヒド/メラミンのモル比1.5〜2.5程度で合成し
た一般のメラミン樹脂を坪量20〜30g/m2 のαセ
ルロース紙に樹脂率200〜300%で含浸させたもの
を使用することが考えられ、パターン紙としては、同樹
脂を坪量50〜150g/m2 のαセルロース紙に樹脂
率60〜160%で含浸させたものを使用することが考
えられる。なお、上記パターン紙としては、無地のもの
を使用しても柄物を使用してもよい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾畑 佳紀 愛知県名古屋市中区丸の内二丁目20番19号 アイカ工業株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AG00 AH00A AK23 AK36A AK36B AL06A AS00B BA02 BA03 BA07 BA10A BA10C CA23A DG01A DG10B DG10C DG11 DG15 EJ82A EJ86B GB08 HB00 HB00C JA07A JB08A JK13 JL04 JL10A JN01 YY00 YY00A

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メラミン樹脂を含浸させた基材に表面層
    を積層してなるメラミン樹脂化粧板であって、 上記基材が白色系繊維質基材であり、 上記メラミン樹脂が、メラミンを縮合系変成剤によって
    変成し、続いて、メチルアルコールに溶解する分子量2
    000以下の低分子量体を添加してなるものであり、 更に、JISK6902に準拠した寸法変化率が0.7
    0%以下であることを特徴とするメラミン樹脂化粧板。
  2. 【請求項2】 メラミン樹脂を含浸させた基材に表面層
    を積層してなるメラミン樹脂化粧板であって、 上記基材が白色系繊維質基材であり、 上記メラミン樹脂が、メラミンを縮合系変成剤によって
    変成し、続いて、メチルアルコールに溶解する分子量2
    000以下の低分子量体を添加してなるものであり、 更に、透過率が厚さ1.0mm相当で6.5%以上であ
    ることを特徴とするメラミン樹脂化粧板。
  3. 【請求項3】 上記基材に上記メラミン樹脂を50〜1
    80重量%含浸させたことを特徴とする請求項1または
    2記載のメラミン樹脂化粧板。
  4. 【請求項4】 上記表面層が、パターン紙にメラミン樹
    脂を含浸させたものであることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載のメラミン樹脂化粧板。
  5. 【請求項5】 上記表面層が、メラミン樹脂を含浸させ
    たパターン紙に更にオーバーレイ紙を積層したものであ
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のメ
    ラミン樹脂化粧板。
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