JP2001001446A - 耐界面活性剤性に優れたラミネート鋼板 - Google Patents

耐界面活性剤性に優れたラミネート鋼板

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JP2001001446A
JP2001001446A JP17630099A JP17630099A JP2001001446A JP 2001001446 A JP2001001446 A JP 2001001446A JP 17630099 A JP17630099 A JP 17630099A JP 17630099 A JP17630099 A JP 17630099A JP 2001001446 A JP2001001446 A JP 2001001446A
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Junichi Kitagawa
淳一 北川
Shinichiro Mori
慎一郎 森
Mikiyuki Ichiba
幹之 市場
Naoyuki Oba
直幸 大庭
Toyofumi Watanabe
豊文 渡辺
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 18L缶などの缶に加工する際の加工性が優
れ、しかも界面活性剤用途適性に優れたラミネート鋼板
を提供する。 【解決手段】 電解クロメート処理鋼板のクロム酸化物
層の上層に形成されるポリエステル樹脂層の結晶化度を
ある特定の範囲に制御することにより、界面活性剤を充
填した際の加工後耐食性が著しく改善されることを見い
だしなされたもので、金属クロム付着量が片面当り90〜
200mg/mの金属クロム層と、その上層に金属クロム換
算での付着量が片面当り3〜10mg/mのクロム酸化物層
とを有する電解クロメート処理鋼板の表面に、膜厚が10
〜80μmであって単層又は2層の樹脂層からなり、ラミ
ネート後の樹脂層(但し、樹脂層が2層からなる場合
は、少なくとも外層側の樹脂層)の結晶化度が0.10〜0.
45であるポリエステル樹脂層を有することを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、18L缶、ペール
缶などに加工される際の加工性に優れ、且つ缶内容物で
ある界面活性剤に対して優れた耐性(主として耐食性)
を示すラミネート鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般缶などの容器用の材料として
は、腐食防止を目的として錫めっき鋼板、クロメート処
理鋼板、ニッケルめっき鋼板などの金属材料に熱硬化性
樹脂を被覆したものが使用されている。しかし、熱硬化
性樹脂は塗料の状態で溶剤を多量に含んでいるため、溶
剤の蒸発や樹脂の硬化に時間がかかり、熱エネルギーを
多量に消費する。また、多量の溶剤の揮発による環境汚
染などの問題も生じやすい。さらに、防食のために塗膜
に十分な厚みをもたせるためには、塗装・焼き付けを繰
り返すことが必要となり、生産性及び省エネルギーの点
でも問題がある。
【0003】これらの問題を解決する方法として、上記
金属材料に樹脂フィルムを被覆したラミネート鋼板が開
発されている。このラミネート鋼板としては、ポリエチ
レン樹脂(PE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリ
エチレンテレフタレート樹脂(PET)などの熱可塑性
樹脂フィルムをラミネートした鋼板が広く使用されてお
り、例えば、特開平5−200961号公報にはPEを
鋼板にラミネートする方法が、特開平6−8368号公
報にはPPを鋼板にラミネートする方法が、また特開平
6−99543号公報にはPE、PPを鋼板にラミネー
トさせる方法が、それぞれ開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これら従来の
ラミネート鋼板を缶に成形加工し、内容物として界面活
性剤を充填した場合、フィルムにマイクロクラックが入
り、このクラックから鋼板の腐食が進という問題があ
り、18L缶やペール缶などに使用するには難があっ
た。また、これらのオレフィン系樹脂をラミネートした
鋼板は被覆樹脂の融点が160℃以下であるため、印刷
時の加熱に対する耐熱性が不十分であった。
【0005】また、特開平7−138387号公報や特
開平8−1862号公報には、PETを鋼板にラミネー
トしたラミネート鋼板が開示されている。しかし、ここ
で使用されているPETは耐熱性は十分であるものの、
缶加工後に界面活性剤に浸漬されると加工部にマイクロ
クラックが発生し、耐食性が劣るという問題があった。
【0006】したがって本発明の目的は、18L缶、ペ
ール缶などの素材として使用した場合に、缶に加工する
際の加工性が優れ、しかも界面活性剤用途適性、すなわ
ち缶内容物である界面活性剤に対する耐性(特に耐食
性)に優れたラミネート鋼板を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく各種ラミネート鋼板の耐食性、特に缶内
容物として界面活性剤を充填した場合の耐食性について
調査、検討を行い、以下のような知見を得た。 (1) オレフィン系樹脂の中でもポリプロピレン樹脂をラ
ミネートした鋼板及びポリエチレン樹脂を母層とする樹
脂をラミネートした鋼板は、缶に加工後、界面活性剤を
充填して経時した際に巻締め加工部や口金加工部で樹脂
層に亀裂を生じる問題がある。また、オレフィン系樹脂
は融点が低いため、缶外面側となる鋼板面に外面印刷を
施す際に缶内面側となる樹脂層が板搬送設備との間で熱
融着を生じる問題がある。
【0008】(2) 一方、ポリエステル樹脂をラミネート
した鋼板は、通常、ポリエステル樹脂の融点が200℃
以上あるため外面印刷の点ではほとんど問題はないが、
ラミネート後のポリエステル樹脂の結晶化度がある一定
の範囲に入っていないものは、加工後に界面活性剤に浸
漬されると加工部からマイクロクラックが発生し、この
マイクロクラックから鋼板の腐食が始まることが判っ
た。これは、ラミネート後の樹脂フィルムが完全に非晶
状態であると、界面活性剤が樹脂中に侵入しやすくな
り、樹脂にダメージを与えて亀裂を生じ、また結晶があ
る一定以上残存する状態では、樹脂フィルムが加工に追
従できなくなり、樹脂フィルムに亀裂を生じやすくなる
ためであると考えられる。
【0009】(3) 以上の結果に基づきさらに検討を重ね
た結果、電解クロメート処理鋼板のクロム酸化物層の上
層にポリエステル樹脂をラミネートする際に、ラミネー
ト後のポリエステル樹脂層の結晶化度をある特定の範囲
に制御することにより、界面活性剤を充填した際の加工
後耐食性が著しく改善されることが判った。
【0010】本発明はこのような知見に基づきなされた
もので、その特徴は、金属クロム付着量が片面当り90
〜200mg/mの金属クロム層と、その上層に金属
クロム換算での付着量が片面当り3〜10mg/m
クロム酸化物層とを有する電解クロメート処理鋼板の表
面に、膜厚が10〜80μmであって単層又は2層の樹
脂層からなり、ラミネート後の樹脂層(但し、樹脂層が
2層からなる場合は、少なくとも外層側の樹脂層)の結
晶化度が0.10〜0.45であるポリエステル樹脂層
を有することを特徴とする耐界面活性剤性に優れたラミ
ネート鋼板である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細と限定理由に
ついて説明する。本発明に係るラミネート鋼板は、下地
鋼板の少なくとも一方の面に、片面当りの金属クロム付
着量が90〜200mg/mの金属クロム層と、その
上層の片面当りの付着量が金属クロム換算で3〜10m
g/mのクロム酸化物層とからなるクロメート処理皮
膜を有する電解クロメート処理鋼板を素材鋼板とし、そ
のクロメート処理皮膜表面に膜厚が10〜80μmであ
って単層又は2層の樹脂層からなり、ラミネート後の樹
脂層(但し、樹脂層が2層からなる場合は、少なくとも
外層側の樹脂層)の密度から求めた結晶化度が0.10
〜0.45であるポリエステル樹脂層を有する。
【0012】本発明において、素材鋼板である電解クロ
メート処理鋼板の下地鋼板は特に限定されるものではな
く、一般に電解クロメート処理鋼板の下地鋼板として用
いられるものであればその種類は問わない。例えば、板
厚0.1〜0.5mm程度の通常の低炭素冷延鋼板、低
炭素Alキルド鋼板などが使用できる。
【0013】このような下地鋼板の少なくとも一方の面
には、表面処理皮膜として、下層が金属クロム層、上層
がクロム酸化物層からなる電解クロメート処理皮膜が形
成される。上記金属クロム層の金属クロム付着量は、片
面当り90〜200mg/m、好ましくは95〜15
0mg/mとする。金属クロム層の金属クロム付着量
が90mg/m未満では缶内容物として界面活性剤を
充填した際の耐食性に問題が生じ、一方、金属クロム付
着量が200mg/mを超えると性能上は全く問題は
ないが、経済性を損うため好ましくない。
【0014】上記クロム酸化物層の金属クロム換算での
付着量は、片面当り3〜10mg/mとする。クロム
酸化物層の金属クロム換算での付着量が3mg/m
満では金属クロム層がクロム酸化物によって均一に覆わ
れず金属クロム層の露出面積が大きくなり、缶内容物と
して界面活性剤を充填した際の耐食性が劣化するため好
ましくない。一方、金属クロム換算での付着量が10m
g/mを超えるとクロム酸化物層が厚すぎることによ
って耐食性の劣化や樹脂フィルムとの密着力の低下が起
こるため好ましくない。
【0015】電解クロメート処理皮膜の上層には、ラミ
ネート樹脂層としてポリエステル樹脂層が形成される。
この樹脂層を構成するポリエステル樹脂とはジカルボン
酸成分とグリコール成分との反応により得られる樹脂で
あり、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート、エチレンテレフタレート/イソフ
タレート共重合体、ポリエチレンナフタレート、ポリブ
チレンナフタレートなどが挙げられる。
【0016】このポリエステル樹脂の製造法に特別な制
約はなく、公知の方法で製造したものでよい。ポリエス
テル樹脂の製造に用いるジカルボン酸成分としては、テ
レフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、
ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボ
ン酸、フタル酸などの芳香族ジカルボン酸;シュウ酸、
コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸などの
脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸など
の脂環族ジカルボン酸を用いることができる。一方、グ
リコール成分としては、エチレングリコール、ブタンジ
オールのほかに、プロパンジオール、ペンタンジオー
ル、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどの
脂肪族グリコール;シクロヘキサンジメタノールなどの
脂環族グリコールなどを用いることができる。
【0017】また、ジカルボン酸成分およびグリコール
成分は、それぞれ2種類以上を共重合させてもよいが、
缶製造工程では印刷されたインキの加熱硬化工程がある
ため、ポリエステル樹脂は融点が200℃以上であるこ
とが望ましい。
【0018】ポリエステル樹脂層は、ラミネート後の結
晶化度が0.10〜0.45の範囲にあることが必要で
ある。ここで、ポリエステル樹脂が2層からなる場合
は、少なくとも外層側の樹脂層の結晶化度が上記範囲に
あることが必要である。樹脂の結晶化度は密度勾配法で
求めた密度から求められ、下式により計算される。 Xc=dc(d−da)/d(dc−da) 但し、Xc:結晶化度 dc:完全結晶化ポリエステル樹脂の密度 da:完全非晶性ポリエステル樹脂の密度 d :ラミネート後のポリエステル樹脂の密度
【0019】ここで、上記の完全結晶化ポリエステル樹
脂の密度dcと、完全非晶性ポリエステル樹脂の密度d
aとは、ラミネートしたポリエステル樹脂と同じ組成の
ポリエステル樹脂を完全結晶化させた場合の密度dc
と、同じく完全非晶性化させた場合の密度daを指す。
【0020】ラミネート後のポリエステル樹脂層(但
し、樹脂層が2層からなる場合は、少なくとも外層側の
樹脂層)の結晶化度が0.10未満であると、樹脂フィ
ルムに残存する結晶成分が非常に少なく、ほとんど非晶
状態にあるため、缶加工後に缶内容物として界面活性剤
を充填した際に界面活性剤が樹脂中に侵入しやすくな
り、樹脂にダメージを与え亀裂が発生しやすくなる。一
方、結晶化度が0.45を超えると樹脂フィルム中に残
存する結晶成分が多くなるため、缶加工などの成形に追
従できなくなり、樹脂フィルムに亀裂を生じ、耐食性が
悪化する。
【0021】ポリエステル樹脂層は単層又は2層のフィ
ルム層から構成することができるが、3層以上のフィル
ム層からなるポリエステル樹脂層は、ラミネート後の樹
脂層の結晶化度を制御することが難しいため好ましくな
い。ポリエステル樹脂層の膜厚は10〜80μmとす
る。樹脂層の膜厚が10μm未満では缶加工時に樹脂層
表面に亀裂が入りやすくなり、耐食性の点で問題を生じ
る。一方、樹脂層の膜厚が80μmを超えると耐食性の
点では問題はないが、ラミネート鋼板の切断などに支障
をきたし、また、フィルムコストが高くなるため好まし
くない。
【0022】ポリエステル樹脂層中には、必要に応じて
酸化防止剤、帯電防止剤、耐候剤、無機粒子、有機粒
子、可塑剤などの添加剤の1種以上を配合することがで
きる。また、樹脂フィルムの鋼板接着面側にコロナ放電
処理などの表面処理を施し、鋼板との接着性を向上させ
ることもできる。ポリエステル樹脂フィルムを電解クロ
メート処理鋼板に被覆する方法(ラミネート法)は特に
限定されるものではなく、鋼板をポリエステル樹脂フィ
ルムの融点以上に加熱し、ロールを使用してフィルムを
圧着する方法、溶融した樹脂をTダイ等で鋼板面に直接
熱押出しする方法など、任意の方法で樹脂被覆を施すこ
とができる。
【0023】また、ポリエステル樹脂層の結晶化度は、
樹脂自体の溶融のさせ方や冷却方法を選択することによ
り制御可能であり、例えば、鋼板やTダイの温度を高く
して樹脂をより溶融した状態にすると樹脂層の結晶化度
は小さくなり、一方、鋼板やTダイの温度を低くすると
結晶化度は大きくなる傾向がある。また、冷却条件に関
しては、樹脂を急冷すると結晶化度は小さくなり、徐冷
すると結晶化度は大きくなる傾向がある。
【0024】
【実施例】[供試材] (1) 素材鋼板 板厚0.32mmの冷延鋼板に電解クロメート処理を施
することにより、表1に示す付着量の金属クロム層とク
ロム酸化物層を有する電解クロメート処理鋼板を製造
し、この電解クロメート鋼板を素材鋼板として用いた。
【0025】(2) フィルムラミネート 上記電解クロメート処理鋼板をラミネートすべき樹脂フ
ィルムの融点±50℃の範囲に加熱し、この鋼板の片面
に樹脂フィルムをラミネートし、ラミネート後、直ちに
水冷した。この際、ラミネート樹脂層の結晶化度は鋼板
の加熱温度を調整することにより制御した。
【0026】[特性測定方法・評価方法] (1) 樹脂フィルムの融点の測定 セイコー電子工業(株)製の示差熱走査熱量分析計SSC
−5500を用い、窒素流量20ml/min、昇温速
度10℃/minで20℃から300℃まで昇温し、得
られた吸熱ピークを融点とした。
【0027】(2) 樹脂フィルムの結晶化度の測定 四塩化炭素/n−ヘプタン混合液を用いた密度勾配管を
使用し、JIS K7112に準じた方法で、23℃に
おいて樹脂フィルムの密度を測定した。このようにして
測定された樹脂フィルムの密度dと既知の密度dc、d
aに基づき、 Xc=dc(d−da)/d(dc−da) 但し、Xc:結晶化度 dc:完全結晶化ポリエステル樹脂の密度 da:完全非晶性ポリエステル樹脂の密度 d :ラミネート後のポリエステル樹脂の密度 によりラミネート樹脂層の結晶化度Xcを求めた。
【0028】(3) 加工性(T字曲げ試験) ラミネート鋼板に対して0T,1T,2T,3TのT字
曲げ試験を行い、加工部における樹脂層のクラック発生
の有無を目視により調べ、全ての曲げ加工(0T〜5
T)においてクラックの発生がなかったものを5点、0
Tでクラックの入ったものを4点とし、順次3点から1
点までの5段階にて評価した。
【0029】(4) 界面活性剤浸漬による加工後耐食性
(エリクセン加工) ラミネート鋼板(7cm×7cm)にクロスカットを入
れ、エリクセン加工(7mm)したサンプルを50℃の
業務用中性洗剤(品名:ライポンF)中に1ヶ月浸漬
し、樹脂フィルム剥離の程度をフィルム剥離幅にて5段
階評価した。その評価基準は以下のとおりである。 5点:フィルム剥離幅2mm未満 4点:フィルム剥離幅2mm以上、5mm未満 3点:フィルム剥離幅5mm以上、10mm未満 2点:フィルム剥離幅10mm以上、15mm未満 1点:フィルム剥離幅15mm以上
【0030】(5) 綜合評価 総合評価として、加工性、加工後耐食性ともに5点であ
るものを“○”、それ以外のものを“×”として評価し
た。
【0031】上記の試験結果を、ラミネート鋼板の構成
とともに表1に示す。表1に示した本発明例1〜11の
うち、本発明例1〜9は電解クロメート処理鋼板表面に
単層のポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(PE
T、融点255℃)をラミネートしたラミネート鋼板で
ある。また、本発明例10は電解クロメート処理鋼板表
面に単層のポリエチレンナフタレート樹脂フィルム(P
EN、融点267℃)をラミネートしたラミネート鋼板
である。
【0032】また、本発明例11は電解クロメート処理
鋼板表面にホモポリエチレンテレフタレート樹脂フィル
ム(膜厚:17μm、融点:225℃)とイソフタル酸
20モル%共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂フィ
ルム(膜厚:3μm、融点:非晶のためなし)の2層フ
ィルムを、共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂フィ
ルムが接着層(鋼板に接着する樹脂層)となるようにラ
ミネートしたラミネート鋼板である。これら本発明例の
ラミネート鋼板は電解クロメート処理皮膜とポリエステ
ル樹脂層の構成が本発明条件を満足しているため、いず
れも優れた加工性と界面活性剤中での加工後耐食性が得
られている。
【0033】これに対して、比較例1は素材鋼板の電解
クロメート処理皮膜を構成する金属クロム層の付着量が
90mg/m未満であるため、特に界面活性剤中での
加工後耐食性が劣り、また、比較例2は同じく電解クロ
メート処理皮膜を構成するクロム酸化物層の金属クロム
換算での付着量が3mg/m未満であるため、特に加
工性が劣っている。また、比較例3はラミネート後のポ
リエステル樹脂層の結晶化度が0.10未満であるた
め、また、比較例4はラミネート後のポリエステル樹脂
層の結晶化度が0.45を超えるため、特に界面活性剤
中での加工後耐食性が著しく劣っている。
【0034】比較例5はポリエステル樹脂層の膜厚が1
0μm未満であるため加工性と界面活性剤中での加工後
耐食性が劣っており、また、比較例6はポリエステル樹
脂層の膜厚が80μmを超えているため、特に加工性が
劣っている。比較例7は、電解クロメート処理鋼板表面
に高密度ポリエチレン樹脂フィルム(HDPE、膜厚2
0μm、融点130℃)と変性ポリエチレン樹脂フィル
ム(変性PE、膜厚5μm、融点110℃)の2層フィ
ルムを、変性ポリエチレン樹脂フィルムが接着層(鋼板
に接着する樹脂層)となるようにしてラミネートしたラ
ミネート鋼板であるが、このラミネート鋼板は加工性は
問題ないが、界面活性剤中での加工後耐食性が著しく劣
っている。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】以上述べたように本発明のラミネート鋼
板は、缶加工などの際の加工性及び界面活性剤中での耐
食性に優れ、また、塗装で生じるような有機溶剤の環境
への発散がないため環境保全や製造コストの面でも大き
なメリットが得られる。このため缶体に成形後、界面活
性剤を充填するような18L缶、ペール缶等の材料とし
て特に適しており、ポリエステル樹脂被覆鋼板の缶用材
料としての用途をさらに拡大できるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市場 幹之 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 大庭 直幸 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 渡辺 豊文 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AA22C AB03A AB13B AK01D AK41D AK42 BA04 BA07 BA10A BA10D BA13 DA01 EJ69C GB16 JA11D JB02 JL01 YY00B YY00D 4K024 AA02 AB01 BA03 BB21 BC01 DB04 DB06 DB10 GA04

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属クロム付着量が片面当り90〜20
    0mg/mの金属クロム層と、その上層に金属クロム
    換算での付着量が片面当り3〜10mg/mのクロム
    酸化物層とを有する電解クロメート処理鋼板の表面に、
    膜厚が10〜80μmであって単層又は2層の樹脂層か
    らなり、ラミネート後の樹脂層(但し、樹脂層が2層か
    らなる場合は、少なくとも外層側の樹脂層)の結晶化度
    が0.10〜0.45であるポリエステル樹脂層を有す
    ることを特徴とする耐界面活性剤性に優れたラミネート
    鋼板。
JP17630099A 1999-06-23 1999-06-23 耐界面活性剤性に優れたラミネート鋼板 Pending JP2001001446A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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