JP2001001173A - 線状部材の溶接方法 - Google Patents

線状部材の溶接方法

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JP2001001173A
JP2001001173A JP11175433A JP17543399A JP2001001173A JP 2001001173 A JP2001001173 A JP 2001001173A JP 11175433 A JP11175433 A JP 11175433A JP 17543399 A JP17543399 A JP 17543399A JP 2001001173 A JP2001001173 A JP 2001001173A
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heating
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Hideya Kitagawa
英哉 北川
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 筒状部材の円筒部肉厚等にかかわらず、また
レーザー照射条件の微妙な調整をすることなく、筒状部
材の溶接スポットに生じる空孔の生成を防止して品質向
上を図ることができる線状部材の溶接方法を提供する。 【解決手段】 素線6を密着コイル状に形成した可撓性
の線状部材1を、筒状部材3の内部に挿入嵌合し、両部
材1,3の重なり部分を外側からレーザー光5により加
熱することにより溶接する線状部材の溶接方法にあっ
て、筒状部材3に線状部材1を嵌合させたワーク4およ
びレーザー光5の光源15の少なくとも一方をワーク4
の軸方向(X方向)に移動させることにより、レーザー
光5の加熱点(レーザー加工焦点F)を素線3の中心軸
7上に合わせて溶接を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、筒状部材とその内
部に挿入される密着コイル状の線状部材とにより構成さ
れる継ぎ手部分を溶接する線状部材の溶接方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、筒状部材の内部に密着コイル状の
線状部材を挿入嵌合させ、その重なり部分を加熱して両
部材を溶融・結合する工程においては、パルスレーザー
をスポットまたは連続照射して溶接する方法等が行われ
ている。
【0003】特公平7―28854号公報には、内視鏡
用鉗子装置部品に関して、図6に示される筒状部材20
と密着コイル状の線状部材21とをレーザー溶接する方
法が具体的に開示されている。
【0004】ここでは、線状部材21の端部にインロー
部22を形成し、筒状部材20の円筒開口部にインロー
部22を挿入嵌合させ、レーザー光23を集光して筒状
部材20の外周からスポット照射することにより、両部
材20,21の重なり部分(嵌合部)を加熱して溶接し
ている。このときの溶接形式としては、図7(a)、
(b)、(c)に示されるように、嵌合部の軸線に沿っ
てスポット24がオーバーラップしながら連続するも
の、軸線に沿ってスポット24が独立するもの、嵌合部
の外周に沿ってスポット24が連続するものが挙げら
れ、これらの溶接形式やスポットサイズは継ぎ手形状や
強度を加味して決定されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術においては以下のような問題点がある。すなわ
ち、上記従来技術によるレーザー溶接部品は、まず継ぎ
手部の外周において、その軸に直交する面内の同一円周
上にスポットが連続し周回するようにレーザーを照射す
る場合、通常は断面を模式的に図8に示すような領域に
溶融が発生し、その結果図9に示すような結合をなすも
のと見られる。
【0006】この中で、図8に示すような線状部材21
の素線25の軸26上の点を通り嵌合軸27に直交する
方向の光軸A上で照射されたレーザー光による溶接スポ
ット28では、入熱により筒状部材20における領域a
1と、線状部材21の素線25における領域a2とが融
点以上に加熱され、溶融域となって融和する。領域a
1,a2付近の領域a3はこれに伴う半溶融域もしくは
熱影響層となる。この結果、融和した溶融域が図9に示
すよう凝固することにより両部材20,21は結合され
るものである。
【0007】また、図8に示すような素線25の軸26
上の点は通らずに素線25間(図8,9で示す素線部分
25aと素線部分25bとの間)の境界付近を通り嵌合
軸27に直交する方向の光軸B上で照射されたレーザー
光による溶融スポット29(この例では上記スポット2
8の嵌合軸27に関して反対側付近)でも、同様に筒状
部材20における領域b1と素線25における領域b2
とが加熱され、溶融域となって融和する。この結果、融
和した溶融域で図9に示すよう凝固し、両部材20,2
1は結合に至る。
【0008】ところで、図8において溶融スポット2
8,29における溶融域の体積を比較すると、領域b2
は隣接する素線部分25a,25b同士に二分されてい
ることから、 Va1=Vb1(Va1:領域a1の体積、Vb1:領
域b1の体積) Va2>Vb2(Va2:領域a2の体積、Vb2:領
域b2の体積) となり、素線25においてレーザーあるいは筒状部材2
0からの熱を受ける溶融域の体積はVa2とVb2とで
差が生じる。
【0009】さらに、溶融域における筒状部材20と素
線25との接触面積は、領域a1とa2との界面を
、領域b1とb2との界面をSとすると、界面S
は隣接する素線部分25a,25b同士に二分されて
いることから、 S>S となり、筒状部材20から素線25へ熱を伝達する面積
も上記と同様に界面SとSで差が生じる。
【0010】この結果、図9に示すように、レーザー照
射条件が上記光軸Aの位置で適正な溶融・接合が得られ
るものであっても、上記光軸Bの位置では素線25にお
ける溶融域の体積および筒状部材20と素線25間の溶
融域での接触面積が最小であることから、素線25への
入熱量が最小となり、逆に筒状部材20への入熱量が最
大となる。よって、上記光軸Bおよびその付近での溶接
スポット29では、筒状部材20の溶融域が過大な入熱
によって適正温度以上に加熱される。このとき、筒状部
材20の肉厚tが薄い製品の場合もしくは肉厚tの素線
25径に対する比が小さいほど、溶融域は過剰な入熱に
より蒸発に至り易く、その結果照射位置に空孔30を形
成する。この空孔30は部品強度を低下させ、異物の残
留やこれに伴う腐食の促進等、様々な品質問題の要因と
なり得るものである。
【0011】また、溶接形式を上記の同一円周上で溶融
スポット29を連続させる場合とは異なる配置、すなわ
ち同一円周上でも溶融スポット29同士が独立する場合
や、嵌合軸27に平行に溶融スポット29が連続あるい
は独立する場合等においても、素線25に対して上記光
軸Bおよびその付近の状態にあたる箇所では同様のこと
が言える。
【0012】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて
なされたもので、筒状部材の円筒部肉厚等にかかわら
ず、またレーザー照射条件の微妙な調整をすることな
く、筒状部材の溶接スポットに生じる空孔の生成を防止
して品質向上を図ることができる線状部材の溶接方法を
提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の請求項1の線状部品の溶接方法は、素線を
密着コイル状に形成した可撓性の線状部材を、筒状部材
の内部に挿入嵌合し、両者の重なり部分を外側から加熱
部材により加熱することにより溶接する線状部材の溶接
方法において、上記筒状部材に上記線状部材を嵌合させ
たワークおよび上記加熱部材の少なくとも一方を軸方向
に移動させることにより、上記加熱部材の加熱点を上記
素線の中心軸上に合わせて溶接を行うことを特徴とす
る。
【0014】また、本発明の請求項2の線状部品の溶接
方法は、請求項1の線状部品の溶接方法にあって、上記
ワークおよび上記加熱部材の少なくとも一方を軸方向に
移動させるときに、上記ワークを回動させることによ
り、上記加熱部材の加熱点を上記素線の中心軸上に沿わ
せて溶接を行うことを特徴とする。
【0015】さらに、本発明の請求項3の線状部品の溶
接方法は、請求項2の線状部品の溶接方法にあって、上
記ワークが一回転する間、溶接を継続することを特徴と
する。
【0016】すなわち、請求項1の構成にあっては、ワ
ークおよび加熱部材の少なくとも一方を軸方向に移動
し、加熱部材の加熱点を素線の中心軸上と合わせて溶接
を行う。これにより、加熱点である各溶接スポットにお
いて、常に素線における溶融域の体積、および筒状部材
と素線との溶融域同士の接触面積を最大に保ち、素線に
おける溶融域への加熱部材もしくは筒状部材からの入熱
量を減少させずに、筒状部材における溶融域への過大な
入熱を抑制し、蒸発による空孔の生成を防止する。
【0017】また、請求項2の構成にあっては、ワーク
および加熱部材の少なくとも一方を軸方向に移動させる
とともに、ワークを回転させ、加熱部材の加熱点を素線
の中心軸上に沿わせて螺旋軌跡上に溶接を行う。
【0018】さらに、請求項3の構成にあっては、ワー
クが一回転する間、溶接を継続し、螺旋軌跡上で一周回
の溶接を行う。
【0019】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)本発明の実施の
形態1を図1〜3に基づいて説明する。図1は被溶接物
に対しレーザーを照射する構成を模式的に示し、図2は
本実施の形態における被溶接物の外観における溶接スポ
ットを示し、図3は本実施の形態による被溶接物の断面
における溶接スポットの溶接状態を示している。
【0020】本実施の形態における被溶接物の構成は、
図1に示すように外径2.7mm、内径2mm、素線径
0.5mm、材質SUS304、左巻きの密着コイル状
の可撓性線状部材1の端部を、外径2.55mm、長さ
1.5mmのインロー部2(図3参照)に加工し、これ
を内径2.55mm、外径2.8mmの円筒部を端部に
有する材質SUS303の筒状部材3の内側に挿入嵌合
した状態で、両者1,3の重なり部分を加熱部材として
のパルスレーザーにより溶接する。
【0021】被溶接物に対しレーザーを照射する構成
は、まず筒状部材3に線状部材1を挿入嵌合した状態の
筒状部材3と線状部材1からなるワーク4は、X軸(筒
状部材2および線状部材1の中心軸)において同時に同
軸で図示しないチャックによって保持され、X軸を中心
に回転可能である。また、レーザー光5の光源15はX
軸と直交するZ軸上の負の方向(筒状部材3に向かう方
向、すなわち図において下方向)に照射するように固定
され、焦点はX軸からZ軸方向(Z軸上の正の方向)へ
筒状部材3外周の半径と等しい距離にあるF点付近に設
定する。なお、ワーク4は両部材1,3を保持し回転し
た状態でX軸上を正負の方向(筒状部材3の長手方向、
すなわち図において左右方向)に等速移動可能である。
この例以外にも、ワーク4をX方向(X軸上の正の方
向)で固定し、レーザー光5の光源15をX方向に移動
してワーク4に対し相対移動可能とすることもできる。
ここで、レーザーはNd:YAGレーザーを使用し、加
熱点としての溶接スポット9を連続させてパルス幅4m
s、パルスエネルギー2J、スポット径0.5mmの条
件に保持した。
【0022】以上の構成からなる本実施の形態の作用
を、溶接方法に関し以下に説明する。まず、筒状部材3
に線状部材1を挿入嵌合した状態のワーク4を図1のX
軸において同時に同軸で保持した後、筒状部材3から露
出している線状部材1の素線6の軸7(素線6の中心
軸)における任意の頂点P点をZ軸が通るよう、目視
あるいは図示しない画像処理等の位置認識手段により、
ワーク4をX軸上で移動し位置決めする。
【0023】次に、ワーク4にはX軸に関し左回りの回
転を回転数r[Hz]で与え、同時にワーク4を回転さ
せたままX軸の正の方向へ速度q[mm/s]で等速移
動する。ここで仮にr=0.4とすると、 回転周期:1/r=2.5 素線ピッチ:d=0.5(=素線径) ワーク移動速度:q=d/(1/r)=0.2 とし、ワーク4の1回転につき素線6の1ピッチ分ず
つ、ワーク4がX方向(X軸上の正の方向)へ移動する
よう設定する。
【0024】そして、ワーク4の回転および移動開始時
点から下記T[s]後にパルスレーザーの照射を開始
し、T[s]後に終了させる。 T=n/r T=m/r (n,mはワーク嵌合部8がZ軸と交差し、m>nに設
定される任意の整数)
【0025】すなわち、上記頂点Pからnピッチ移動
(ワーク4がn回転)した時にパルスレーザーの照射が
なされ、頂点Pからmピッチ(ワーク4がm回転)し
た時、すなわちnピッチ移動した位置から(m−n)ピ
ッチ移動した後にパルスレーザーの照射が停止される。
ここで、パルスレーザーはワーク4が(m−n)回転す
る間、ワーク4の移動と回転により筒状部材3外周面上
に合成される螺旋軌跡11上に連続照射されることにな
る。
【0026】以上の溶接方法により、例えばm―n=1
のとき、ワーク4はZ軸の負の方向での外観を図2に、
断面を図3に示すように溶接される。このときのレーザ
ーの照射は筒状部材3外周面上のP点(ワーク4がn
回転した時点)で開始され、同じくP点で終了し、そ
の間の溶接スポット9は常に素線6の軸7上の点を通る
X軸の法線10が筒状部材3外周面上の螺旋軌道11上
に配置される。
【0027】また、m―n≧2としても、Z軸が嵌合部
8を通る範囲内であれば溶接スポット9は上記螺旋を複
数ピッチ反復して同様に溶接可能である。
【0028】本実施の形態によれば、レーザー光5の照
射位置を、筒状部材3の継ぎ手部(ワーク嵌合部8)外
周において素線6の軸7上の点を通る嵌合軸の法線10
上に形成される螺旋軌道上11に設けることにより、レ
ーザー光5は全ての溶接スポット9において、常に素線
6の軸7の上の点を通る嵌合軸(X軸)の法線10上で
照射されるため、素線6における溶融域c2の体積、お
よび筒状部材3における溶融域c1と上記溶融域c2と
の界面Scの面積とは最大のまま一定となる。よって、
螺旋軌跡11上の各スポット9における溶融域c1への
入熱量は一定となり、温度上昇は適正に保たれるため、
レーザー照射条件の制御が困難な筒状部材3の肉厚tが
薄い場合、もしくは肉厚tの素線6径に対する比が小さ
い場合においても、溶融域c1での蒸発による空孔生成
には至らない。
【0029】また、本実施の形態は筒状部材3の外周に
おいて、単独あるいは複数回にわたり溶接スポット9を
周回させる溶接方式が求められる場合に有効である。
【0030】(実施の形態2)本発明の実施の形態を図
1、図4、図5に基づいて説明する。図4は本実施の形
態による被溶接物の外観における溶接スポットを示し、
図5は本実施の形態における被溶接物の断面における溶
接スポットの溶融状態を模式的に示している。
【0031】本実施の形態における被溶接物の構成は上
記と同様とし、レーザーを照射する構成に関して述べ
る。
【0032】まず、筒状部材3に線状部材1を挿入嵌合
した状態のワーク4は、図1のX軸において回転を拘束
しながら同時に同軸で保持する。レーザー光の光源(図
示省略)は実施の形態1と同様に、X軸と直交するZ軸
上を負の方向(X軸に向かう方向)に照射するよう固定
され、焦点はX軸からZ方向(Z軸上の正の方向)へ筒
状部材3外周の半径と等しい距離にあるF点付近に設定
する。なお、ワーク4は回転させず保持した状態でX軸
上を正負の方向(図において左右方向)に移動可能であ
る。この例以外にもワーク4をX方向で固定し、レーザ
ー光の光源をX方向に移動してワーク4に対し相対移動
可能とすることもできる。ここで、レーザーはNd:Y
AGレーザーを使用し、溶融スポット9は連続させずに
単独でパルス幅5ms、パルスエネルギー2J、スポッ
ト径0.5mmの条件に保持した。
【0033】上記の構成からなる本実施の形態の作用
を、実施の形態1と異なる溶接方法に関して以下に述べ
る。まず、実施の形態1と同様に、図1において保持し
たワーク4の露出部分における線状部材1の素線6の軸
7上の任意の頂点P点をZ軸が通るよう、目視あるい
は図示しない位置認識手段により、ワーク4をX軸上で
移動し位置決めする。
【0034】この後、図4および図5に示すように、素
線ピッチd(=0.5)の整数倍に等しい距離だけワー
ク4をX軸の正の方向に移動させ(図においては3×
d)、ワーク嵌合部8がZ軸と交差する範囲内、例えば
図に示す素線6の軸7上のP1点においてZ軸と交差す
るときレーザー光をスポット照射する。複数箇所のスポ
ット9で溶接する際は、ワーク4をX軸上で更に素線ピ
ッチdの整数倍に等しい距離ずつ移動させ(図において
は1×dずつ)、同様にワーク嵌合部8がZ軸と交差す
る範囲内、例えば図に示すP,P点においてZ軸と
交差するときレーザー光をスポット照射する。
【0035】なお、ワーク4をX軸に関して回転させた
他の方向においても溶接を行う場合は、ワーク4の回転
の拘束を解除してX軸を中心に所定の角度だけ回転させ
再度保持した後、上記の手順を繰り返す。
【0036】以上の溶接方法により、図4にZ軸の負の
方向での外観の一例を示すワーク4の断面は、図5に示
すような断面のスポット9で溶接され、これらの溶接ス
ポット9は常に素線6の軸7上の点P,P,P
通るX軸の法線10が筒状部材3外周面上に形成する螺
旋軌道11上に配置される。
【0037】本実施の形態によれば、実施の形態1と同
様に空孔の生成を防止でき、これは溶接スポット9を単
独あるいは両部材1,3の嵌合軸に沿って連続させる溶
接方式が求められる場合に有効である。
【0038】なお、上記した具体的実施の形態から次の
ような構成の技術的思想が導き出される。 (付記) (1)金属素線を密着コイル状に形成した可撓性の線状
部材を、円筒部を有する筒状部材の内部に挿入嵌合し、
両者を重なり部分の外側から加熱することにより溶融・
接合する溶接工程において、上記筒状部材の継ぎ手部外
周上の加熱点を、上記金属素線の軸上の点を通る嵌合軸
の法線上に形成される螺旋軌道上に設けることを特徴と
する線状部材の溶接方法。
【0039】(2)金属素線を密着コイル状に形成した
可撓性の線状部材を、筒状部材の内部に挿入嵌合し、両
者の重なり部分を外側から加熱部材により加熱すること
により溶接する線状部材の溶接方法において、上記筒状
部材に上記線状部材を嵌合させたワークおよび上記加熱
部材の少なくとも一方を軸方向に移動させることによ
り、上記加熱部材の加熱点が上記金属素線の中心軸に位
置するようにして溶接を行うことを特徴とする線状部材
の溶接方法。
【0040】(3)上記ワークおよび上記加熱部材の少
なくとも一方を軸方向に移動させるとき、上記加熱部材
の加熱点が上記金属素線の中心軸に位置した時点で移動
を停止し、その位置でスポット溶接を行い、溶接が終了
した後、再度軸方向の移動を開始させることを特徴とす
る付記(2)に記載の線状部材の溶接方法。
【0041】(4)上記軸方向の移動は、その移動量を
線状部材の金属素線ピッチの整数倍とすることを特徴と
する付記(3)に記載の線状部材の溶接方法。
【0042】(5)上記ワークおよび上記加熱部材の少
なくとも一方を軸方向に移動させるときに、上記ワーク
を回転させ、上記ワークの1回転につき上記両部材を金
属素線1ピッチを移動させることにより、上記加熱部材
の加熱点を上記金属素線の中心軸に沿わせて溶接を行う
ことを特徴とする付記(2)に記載の線状部材の溶接方
法。
【0043】付記(1)の線状部材の溶接方法によれ
ば、上記筒状部材とコイル状の線状部材との各種形式に
よる溶接工程において、筒状部材の円筒部肉厚にかかわ
らず、また困難なレーザー照射条件の微妙な調整をする
ことなく、筒状部材の溶接スポットに生じる空孔の生成
を防止することができる効果を奏する。また、空孔の成
形を防止することにより、溶接した線状部材の引張り、
曲げ等の機械的強度の低下、空孔への異物の残留やこれ
に伴う腐食の促進等の衛生上品質の低下、およびこれら
化学的要因による機械的性質の劣化を防止できる効果を
奏することができ、上記両部材の適用が有効で、特に耐
久性および衛生に関する信頼性を最重要視する内視鏡部
品の生産において優れた効果を有する。
【0044】付記(2)の線状部材の溶接方法によれ
ば、付記(1)と同様な効果を奏することができる。さ
らに、線状部材の金属素線の中心軸上に合わせ、かつ円
筒部材および線状部材の軸に沿って単独あるいは連続し
て溶接できる効果を奏する。
【0045】付記(3)の線状部材の溶接方法によれ
ば、円筒部材および線状部材の軸に沿って線状部材の隣
接するあるいは所定の間隔を置いた金属素線の中心軸上
に合わせて溶接できる効果を奏する。
【0046】付記(4)の線状部材の溶接方法によれ
ば、円筒部材および線状部材の軸に沿って、線状部材の
隣接するあるいは所定の間隔を置いた金属素線の中心軸
上に溶接スポットを正確に位置合わせつつ溶接できる効
果を奏する。
【0047】付記(5)の線状部材の溶接方法によれ
ば、線状部材の金属素線の中心軸上に合わせて螺旋軌跡
上に溶接できる効果を奏する。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
の線状部材の溶接方法によれば、上記筒状部材と密着コ
イル状の線状部材との各種形式による溶接工程におい
て、線状部材の素線の中心軸上に合わせ、かつ円筒部材
および線状部材の軸に沿って単独あるいは連続して溶接
できる効果を奏する。また、筒状部材の円筒部肉厚にか
かわらず、また困難なレーザー照射条件の微妙な調整を
することなく、加熱部材の加熱点を素線の中心軸に合わ
せて筒状部材と線状部材を溶接できるので、筒状部材の
溶接スポットに生じる空孔の生成を防止することができ
る効果を奏する。そして、空孔の成形を防止すること
で、溶接した線状部材の引張り、曲げ等の機械的強度の
低下、空孔への異物の残留やこれに伴う腐食の促進等の
衛生上品質の低下、およびこれら化学的要因による機械
的性質の劣化を防止でき、さらに、上記両部材の適用が
有効で、特に耐久性および衛生に関する信頼性を最重要
視する内視鏡部品の生産において優れた効果を有する。
【0049】また、本発明の請求項2の線状部材の溶接
方法によれば、上記請求項1の効果に加え、素線の中心
軸上に沿わせて筒状部材上の螺旋軌跡上で単独あるいは
連続して所望の周回にわたり溶接できる効果を奏する。
【0050】さらに、本発明の請求項3の線状部材の溶
接方法によれば、溶接スポットに生じる空孔の生成を防
ぎ、素線の中心軸上に沿わせて筒状部材上の螺旋軌跡上
で単独あるいは連続して一周回にわたり全域を溶接でき
る効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】被溶接物に対しレーザーを照射する構成を示す
外観図である。
【図2】本発明の実施の形態1による被溶接物のZ軸の
負の方向における外観を示す平面図である。
【図3】本発明の実施の形態1による被溶接物のXY平
面における断面図である。
【図4】本発明の実施の形態2による被溶接物のZ軸の
負の方向における外観を示す平面図である。
【図5】本発明の実施の形態2による被溶接物のZX平
面における断面図である。
【図6】従来技術における内視鏡用鉗子装置の溶接状態
を示す部分断面図である。
【図7】図6におけるパルスレーザーによる溶接形状を
示す外観図である。
【図8】従来技術における被溶接物の溶接域を示す断面
図である。
【図9】従来技術における被溶接物の凝固状態を示す断
面図である。
【符号の説明】
1 線状部材 2 線状部材端部インロー部 3 筒状部材 4 ワーク(筒状部材+線状部材) 5 レーザー光 6 素線 7 素線軸 8 ワーク嵌合部 9 溶接スポット 10 素線軸上の点を通るX軸の法線 11 筒状部材外周面上の螺旋軌道 F レーザー加工焦点 a1,b1,c1 筒状部材溶融域 a2,b2,c2 素線溶融域 a3 半溶融域(熱影響層) Sa 領域a1/a2間の界面 Sb 領域b1/b2間の界面 Sc 領域c1/c2間の界面 t 筒状部材円筒部肉厚 P 素線軸の任意の頂点 P,P,P レーザー照射点 d 素線ピッチ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 素線を密着コイル状に形成した可撓性の
    線状部材を、筒状部材の内部に挿入嵌合し、両者の重な
    り部分を外側から加熱部材により加熱することにより溶
    接する線状部材の溶接方法において、 上記筒状部材に上記線状部材を嵌合させたワークおよび
    上記加熱部材の少なくとも一方を軸方向に移動させるこ
    とにより、上記加熱部材の加熱点を上記素線の中心軸上
    に合わせて溶接を行うことを特徴とする線状部材の溶接
    方法。
  2. 【請求項2】 上記ワークおよび上記加熱部材の少なく
    とも一方を軸方向に移動させるときに、上記ワークを回
    動させることにより、上記加熱部材の加熱点を上記素線
    の中心軸上に沿わせて溶接を行うことを特徴とする請求
    項1に記載の線状部材の溶接方法。
  3. 【請求項3】 上記ワークが一回転する間、溶接を継続
    することを特徴とする請求項2に記載の線状部材の溶接
    方法。
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