JP6852552B2 - レーザ溶接方法 - Google Patents
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Description
このような溶接方法を用いて溶接した場合、他方の板状体の溶接深さが、一方の板状体の溶接深さよりも浅くなることがある。そのため、溶接部の他方の板状体側の部位における機械的強度が、溶接部の一方の板状体側の部位における機械的強度と比較して小さくなることがあった。
軌道に沿うようにレーザ光を連続して照射して溶接するレーザ溶接方法であって、
前記軌道は、突き合わせた板状体同士(例えば、板状体W1、W2)の境界部に沿って並んで配置させた複数のループ状線と、隣接するループ状線同士を結ぶ結線とを含み、
前記ループ状線は、一方の板状体(例えば、板状体W1)のループ開始点から他方の板状体(例えば、板状体W2)を通って前記一方の板状体の前記ループ開始点に戻るように延び、
前記結線は、前記一方の板状体のループ開始点同士を結ぶことによって、隣接するループ状線同士を結び、
前記一方の板状体の上方に配置したレーザ発振器から、前記突き合わせた板状体同士の境界部に向けて、前記レーザ光を照射する。
このような構成によれば、レーザ光を、一方の板状体側から他方の板状体側に向かって進行するよう照射することができる。これによって、レーザの軌道の単位長さ当たりの、レーザ照射による他方の板状体への入熱量を、一方の板状体への入熱量よりも高めることができる。そのため、他方の板状体の溶接深さが、一方の板状体の溶接深さよりも浅くなり難くなるため、他方の板状体の溶接強度が、一方の板状体の溶接強度と比較して小さくなることを抑制することができる。すなわち、溶接部の部位に応じた機械的強度の変化を抑制することができる。
図1〜図4を参照して実施の形態1に係る溶接方法について説明する。図1は、実施の形態1に係る溶接装置の構成を示す概略図である。図2〜図4は、実施の形態1に係る溶接方法を示す模式図である。図1〜4、7、9〜11では、左手系XYZ三次元座標が規定されている。また、図4、9〜11では、ハッチングを適宜省略した。図4は、図に示す被溶接物W10の一部位の断面を示す。
実施の形態1に係るレーザ溶接方法1は、図1に示すレーザ溶接装置100を利用して実施することができる。図1に示すように、レーザ溶接装置100は、制御系10と、多関節ロボット20と、NC機30と、溶接ヘッド40とを備える。
図2に示すように、実施の形態1に係るレーザ溶接方法1では、まず、被溶接物W10を所定位置に固定する。被溶接物W10は、板状体W1、W2と、箔W3とを備える。被溶接物W10は、箔W3を板状体W1と板状体W2との間に挟み込ませたまま、板状体W1、W2同士を突き合わせることによって、形成される。図2に示す一例では、箔W3が、板状体W1、W2の境界部に位置する。板状体W1、W2の主面は、水平面(図2では、XY平面)に略平行である。板状体W1の上方に配置したレーザ発振器12から、突き合わせた板状体W1、W2同士の境界部に向けて、レーザ光L1を照射する。レーザ光L1と鉛直線Z1との成す照射角度θは、0°を超えて、90°未満の範囲内である。
溶接中にレーザ光L1を照射した部位から反射する反射光L2をモニタリングすることによって、溶融部W4の状態を検知し、フィードバックして照射角度を制御するところを除いて、上記したレーザ溶接方法1と同じ構成を備えるレーザ溶接方法2がある。このようなレーザ溶接方法2について、図5〜図7を用いて説明する。図5は、実施の形態1に係る溶接方法の一具体例を示すフローチャートである。図6は、経過時間に対するプラズマ光強度を示すグラフである。図7は、溶接部断面の一具体例を示す写真である。
次に、図6〜図9を用いて、上記した照射角度調整ステップST71(図5参照)の一具体例について説明する。
Dy=0.0252×θx (…関係式1)
C1=0.0252[mm/°]
関係式1の係数C1は、0.0252としたが、溶接条件に応じて変更してもよい。
差分ΔD1は0.056mmである場合、関係式1を用いると、修正後の照射角度θxは、2.22°と求めることができる。
図9に示すように、略直線状に延びる軌道(図9では、Y軸マイナス側、言い換えると、紙面奥側)に沿ってレーザ光を連続照射して溶接するところを除いて、レーザ溶接方法1と同じ溶接方法を用いて、溶接条件の照射角度θを所定の範囲、0°以上5°以下の4つの水準として、板状体W1、W2の一具体例にそれぞれ相当する板1、2(図示略)を溶接する。溶接後に、溶接部の断面組織写真を観察して、板1の最大溶接深さD21と、板2の最大溶接深さD22とを測定した。さらに、最大溶接深さD21、D22との差分ΔD2を算出し、得られた最大溶接深さD21、D22と、差分ΔD2とを図8に示した。最小二乗法等を用いて、上記した関係式1を求めることができる。
LP10 軌道
LP0 ループ開始点 LP1 ループ状線
LP2 結線
W10 被溶接物
W1 板状体 W2 板状体
W3 箔
Claims (1)
- 軌道に沿うようにレーザ光を連続して照射して溶接するレーザ溶接方法であって、
前記軌道は、突き合わせた板状体同士の境界部に沿って並んで配置させた複数のループ状線と、隣接するループ状線同士を結ぶ結線とを含み、
前記ループ状線は、一方の板状体のループ開始点から他方の板状体を通って前記一方の板状体の前記ループ開始点に戻るように延び、
前記結線は、前記一方の板状体のループ開始点同士を結ぶことによって、隣接するループ状線同士を結び、
前記一方の板状体の上方から、前記突き合わせた板状体同士の境界部に向けて、前記レーザ光を照射する、
レーザ溶接方法。
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JP2017093757A JP6852552B2 (ja) | 2017-05-10 | 2017-05-10 | レーザ溶接方法 |
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JP2017093757A JP6852552B2 (ja) | 2017-05-10 | 2017-05-10 | レーザ溶接方法 |
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JP2018187659A JP2018187659A (ja) | 2018-11-29 |
JP6852552B2 true JP6852552B2 (ja) | 2021-03-31 |
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ID=64478974
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JP2017093757A Active JP6852552B2 (ja) | 2017-05-10 | 2017-05-10 | レーザ溶接方法 |
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