JP2001000092A - 薬液含有材 - Google Patents

薬液含有材

Info

Publication number
JP2001000092A
JP2001000092A JP11177228A JP17722899A JP2001000092A JP 2001000092 A JP2001000092 A JP 2001000092A JP 11177228 A JP11177228 A JP 11177228A JP 17722899 A JP17722899 A JP 17722899A JP 2001000092 A JP2001000092 A JP 2001000092A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chemical
chemical solution
paper
containing material
fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11177228A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiro Ono
吉弘 小野
Takayoshi Okano
隆良 岡野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Osaka Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Osaka Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP11177228A priority Critical patent/JP2001000092A/ja
Publication of JP2001000092A publication Critical patent/JP2001000092A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Catching Or Destruction (AREA)
  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】長期間に亘り含有薬液の有効性を保つことがで
きるように比較的に多量に薬液を含有させることができ
ると共に、含有薬液が表面に流出したり、容易に人の手
などに付着することがない薬液含有材、さらには従来の
薬液保持材を有効利用できる薬液含有材を提供すること
である。 【解決手段】薬液含有材10は、紙材繊維混成樹脂材か
らなるケース基材11を形成し、このケース基材11へ
の薬液22の含有が、紙基材20に薬液22を保持させ
てなる薬液保持材19との接触面からの浸透によること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種薬液について
任意に選択された薬液を基材中に含有せしめてなる薬液
含有材の改良構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液状の防虫剤、殺虫剤、忌避剤等
の害虫駆除剤や、消臭剤や、芳香剤などを紙材、不織布
などに保持させた薬液保持材や、樹脂材等の基材中に含
有させることによってなる薬液含有材が実用化されるに
至っている。即ち、含有させる薬剤の性能に応じて、殺
虫乃至防虫材や、消臭材や、芳香材等として構成したも
のである。このうち、特に、樹脂材を基材とするもの
は、成形が容易でかつ含浸された薬液が簡単に外部に流
出しないことから、汎用化されている。この樹脂材を基
材とする薬液含有剤は、その基材の成形後に薬液を浸漬
含有させたり、また樹脂原料中に予め薬液を添加して練
り込んで含有させることも可能である。この練り込み含
有材の場合、薬液を基材全体に迅速かつ均質に含有させ
ることができるという利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の紙材や
不織布を基材とする薬液保持材では、比較的に多量の薬
液を含有させることができる反面、含有された薬液が外
部に流出したり、人の手等に付着してしまう欠点があ
る。このため、この薬液保持材は、樹脂製のケース内に
収納した構成で製品化されることが多い。この場合、収
納した薬液保持材からの薬液の揮散性能を高めるのに、
ケースの全周面に開孔を多数設けることが必要となる。
しかし、この場合、ケース構成が複雑となって経済的に
マイナスとなると共に、使用場所の環境条件によって
は、薬液の揮散過多となったりしてその揮散性能の制御
が困難であるという欠点がある。
【0004】また、前記した従来の樹脂基材からなる薬
液含有材では、含有薬液を徐放的に揮散させる性能か
ら、上記した薬液保持材でのような欠点は生じないが、
樹脂材の性質から、含有させることができる薬液量が比
較的に少なく、薬液含有材全体の1重量%前後に制限さ
れるのが普通である。このため、含有薬液の揮散性能の
変化が激しいため、含有薬液の揮散による性能を安定化
させるのが困難であり、しかも薬液が残存していてもそ
の有効な期間が短いという欠点がある。
【0005】そこで、本発明では、上記した従来の薬液
含有材における欠点を解消し、長期間に亘り含有薬液の
有効性を保つことができるように、比較的に多量の薬液
を含有させることができると共に、含有薬液が表面に流
出したり、容易に人の手などに付着することがない薬液
含有材、さらには従来の薬液保持材を有効利用できる薬
液含有材を提供することを目的とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明は、薬液含有材につき、次のように構成し
た。即ち、樹脂材中に紙材繊維を混入させてなる紙材繊
維混成樹脂材を基材とし、この基材中に薬液が含有され
てなることを特徴とする。
【0007】本発明において、樹脂材中に紙材繊維を混
入してなる紙材繊維混成樹脂材とは、樹脂材の溶融原料
中に紙材繊維を添加混合し、これを原料として、樹脂材
原料に対する一般的手法、例えば、射出成形、中空成形
等の手段よって成形したものである。従って、この紙材
繊維混成樹脂材には、プレート状のもののほか、瓶形な
どの多様な形状に成形したものが含まれる。
【0008】また、この紙材繊維混成樹脂材の樹脂材原
料としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロ
ン、ポリ塩化ビニル等、その成形過程において、紙材繊
維を混入し得る多種のものを採用できる。
【0009】また、紙材繊維は、植物のセルロース繊維
を主体とするもので、洋紙、和紙、板紙などに含まれる
繊維である。なお、一部に合成繊維、ガラス繊維、アス
ベスト繊維等を含むものであってもよい。このような紙
材繊維は、木材パルプをこう解させた後の繊維材を利用
したもののほか、古紙等をほぐして得られる繊維材であ
ってもよい。
【0010】この紙材繊維混成樹脂材については、紙材
繊維の含有量がこの樹脂材全体の1重量%以上70重量
%以下の範囲で、薬液含有材の基材として好ましいもの
として得られる。この紙材繊維の含有量が1重量%未満
であると、薬液の含浸量の増量を十分に図れず、また7
0重量%を超えると、紙材繊維混成樹脂材について必要
な強度が得られず、また、一般的な樹脂成形法によるこ
とができなくなる等成形性が低下し、しかも紙繊維が表
面に露出してしまい含有薬液材が表面に流出し易くな
る。
【0011】また、薬液としては、例えば、液状防虫
剤、殺虫剤乃至忌避剤として、(RS)−(1)−エチ
ニル−2−メチル−2−ペンテニル(1R)−シス,ト
ランス−クリサンテマート(以下、「VS」とい
う。)、ジエチルトルアミド、ディート等、芳香剤とし
て、タイムホワイト油、レモングラス油、カッシャ油、
ピメント油、ヒノキ油、ヒバ油、フローラル油等の天然
植物精油や、天然植物精油抽出物としてのシトラール、
シンナミックアルデヒト、チモール、オイゲノール、ロ
ーズマリー、セイジ等、また、消臭剤として、カルノソ
ール、ローズマノール等を挙げることができる。なお、
これらのものに限定されるものではなく、また、揮散性
の液剤のほか、揮発しない液剤をもその対象とすること
ができる。
【0012】また、薬液の基材への含有構成は、成形し
た紙材繊維混成樹脂材に浸漬含有させる方法、あるいは
紙材繊維と共に、樹脂原料中に添加して予め練り込んで
おく方法、さらには紙材繊維混成樹脂材の基材への薬液
の含有が、紙材乃至不織布に薬液を含有させてなる薬液
保持材との接触面から浸透させる方法によることもでき
る。上記した練り込み法による場合、得られる成形後の
紙材繊維混成樹脂材中に薬液を均一に含有させることが
できる。
【0013】また、薬液保持材との接触面から浸透させ
る方法によれば、薬液を薬液保持材面からだけでなく、
その浸透により紙材繊維混成樹脂材の基材面から薬液が
揮散される。従って、紙材繊維混成樹脂材を薬液保持材
の収納ケースとする場合、この収納ケースを含めて全体
を薬液含有材として構成することができる。そして、こ
の構成による場合、紙材繊維混成樹脂材自体の性能か
ら、その接触面を通じて薬液保持材の薬液は紙材繊維混
成樹脂材にまで効率的に浸透移行され、また、その浸透
移行した薬液は、その紙材繊維混成樹脂材を基材として
その表面から徐放的に揮散される。
【0014】このように構成される薬液含有材は、含有
される薬液の種類により多様な用途のものとして製品化
される。例えば、薬液が防虫乃至殺虫剤である場合には
防虫乃至殺虫材として、また、忌避剤である場合には忌
避材として、また、消臭剤である場合には消臭材とし
て、また、芳香剤である場合には芳香材としてそれぞれ
製品化されるものである。
【0015】この本発明に係る薬液含有材においては、
基材としての紙材繊維混成樹脂材に紙材繊維が混入され
ることによって、従来の樹脂単体成形品と比較して、よ
り多量の薬液を含有させることが可能である。従って、
薬液に基づく性能が長期間に亘り安定的に発揮されるこ
とが可能な薬液含有材として構成できる。しかも、基材
としての紙材繊維混成樹脂材は、良好な寸法精度で得ら
れ、樹脂単体の成形品と同様の平滑面を備えると共に、
樹脂単体の形成材より優れた強度、硬度、耐水性、耐熱
性等の物理的性能を備えたものとして得られる。従っ
て、含浸された薬液は基材中に安定的に保持された状態
でその機能が十分に確保される。即ち、含浸薬液が常温
揮散性の防虫剤や芳香剤である場合には、その周囲に徐
放的に発散させることができる。また、消臭剤である場
合には、その周囲の悪臭成分に対して長期間に亘り安定
的に消臭作用を有効に維持させることができる。
【0016】また、紙材繊維混成樹脂材の浸透性能に基
づき、薬液を容易かつ迅速に含有させることも可能であ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図1
に示した。図1に示すように、実施の形態に係る薬液含
有材1は、プレート状に成形された紙材繊維混成樹脂材
を基材2とし、この基材2中に薬液が含有保持されてな
る。
【0018】また次に、図2には、紙材繊維混成樹脂材
からなるケース基材11を形成し、このケース基材11
への薬液22の含有が、紙基材20に薬液22を保持さ
せてなる薬液保持材19との接触面からの浸透による薬
液含有材10を示した。
【0019】ケース基材11は、図3に示すように、ケ
ース部材12とケース部材15とからなる。ケース部材
12面には収納凹部13が形成され、この収納凹部13
内に薬液保持材19が挿入される。なお、薬液保持材1
9において、紙基材20の表面上には、薬液浸透性の塗
料を塗布することにより表示層22が形成されている。
この表示層22は、その保持する薬液が浸透して透明化
されるが、薬液が消失した時点で不透明化してその表示
層22が表面に明瞭に現れる。このような作用により表
示機能が発揮されるものである。また、ケース部材15
面には、凸面部16が収納凹部13に対応させて設けら
れ、またこの凸面部16を含めてケース部材15の表裏
面を貫通した開孔18が設けられ、この開孔18を介し
て収納した薬液保持材19の表示層21面を視ることが
できるようになっている。
【0020】ケース部材12とケース部材15とは、凸
面部16を収納凹部13に嵌合させることによりケース
基材11として一体化されるが、この嵌合状態は、図4
に示すように、収納凹部13の縁部に形成された係止突
条14と凸面部16の縁部に形成された係止突条17と
が係止されることにより維持される。また、この際、薬
液保持材19部分が凸面部16と収納凹部13の底部1
3aとの間で押圧状態で挟持される。これによって、薬
液保持材19は、ケース基材11内に安定状態で収納さ
れる。また、その挟持部では、凸面部16との間に接触
部23及び底部13aとの間に接触部24が構成され、
これらの接触部23、24を介して薬液保持材19中の
薬液22がケース基材11にまで浸透する。この薬液2
2の浸透は、ケース基材11を形成している紙材繊維混
成樹脂材の吸液性能に応じて容易かつ速やかなものであ
る。従って、薬液22は揮散可能な状態でケース基材1
1に含有されることになる。
【0021】このように構成される薬液含有材10にお
いては、図4に示すように、薬液22の揮散ガスの発散
は、薬液保持材19の表示層21面側からのみでなく、
ケース基材11の周面からも生じる。特に、ケース基材
11に含有された薬液22の揮散は、紙材繊維混成樹脂
材の性能に応じて徐放的に生じるから、長期間に亘り安
定的に生じ、またこの際、ケース基材11表面から薬液
22の漏出をきたさない。
【0022】
【実施例】(実施例1)先ず、Needle系(以下、
「N系」という。)とLaube系(以下、「L系」と
いう。)との重量混合比1対1の混合パルプについて、
そのこう解後の木材繊維を紙材繊維とし、この紙材繊維
を50重量%の割合でポリプロピレン(以下、「PP」
に同じ。)の樹脂原料中に添加混合して成形原料とし
た。この成形原料に対してはさらに薬液としてVSを5
重量%量添加して練り込んで、これを原料として射出成
形法により、表1に示す成形条件下でプレート状に成形
した。次いで、これを2cm×5.5cm×3mmの大
きさのものに裁断して、図1に示す薬液含有材1の形態
の防虫材としての薬液含有材Aを得た。
【0023】
【表1】
【0024】また、この薬液含有材Aについての物性
は、表2のとおりであった。
【0025】
【表2】
【0026】この薬液含有材Aの表面は、樹脂単体成形
品と同様の平滑面を呈し、その重量は1.5gであり、
VSを0.075g含有する。
【0027】先ず、この薬液含有材Aの2枚を、図2に
示す薬液含有材1の態様で、50リットル容量のプラス
チック製衣装ケース3内の底部面上に離間して配置し、
これを蓋4で密閉した。なお、5はケース3と蓋4とを
固定する留め具である。
【0028】これを室温27℃、湿度60%の環境条件
下に放置した。この放置から2週間後、4週間後、8週
間後、12週間後及び24週間後ごとに蓋4を開放し、
期間ごとの各薬液含有材Aにおける含有薬液VSの残量
を測定して、薬液VSの揮散量を算定した。この試験を
3回繰り返してその平均値を求めて表3に示した。
【0029】
【表3】
【0030】表3に示した結果から、薬液含有材Aから
の含有薬液の揮散量は、使用開始から24週間に亘り平
均していること、また、24週間後においても当初の揮
散量が確保されることが分かる。
【0031】(実施例2)N系とL系との重量混合比1
対1の混合パルプについて、そのこう解後の木材繊維を
紙材繊維とし、この紙材繊維を1重量%の割合でポリプ
ロピレンの樹脂原料中に添加混合して成形原料とした。
この成形原料に対してはさらに薬液としてVSを1.5
重量%量添加して練り込んで、これを原料として射出成
形法により、表1に示す成形条件下でプレート状に成形
した。次いで、これを2cm×5.5cm×3mmの大
きさのものに裁断して、図1に示す薬液含有材1の形態
の防虫材としての薬液含有材Bを得た。この薬液含有材
Bについても、実施例1と同様の試験を行い、各薬液含
有材Bにおける含有薬液VSの残量を測定して、薬液V
Sの揮散量を算出して、その3回の平均値を表4に示し
た。
【0032】
【表4】
【0033】表4に示した結果から、薬液含有材Bから
の含有薬液の揮散量は、使用開始から24週間に亘り平
均していること、また、24週間後においても当初の揮
散量が確保されることが分かる。
【0034】(実施例3)N系とL系との重量混合比1
対1の混合パルプについて、そのこう解後の木材繊維を
紙材繊維とし、この紙材繊維を70重量%の割合でポリ
プロピレンの樹脂原料中に添加混合して成形原料とし
た。この成形原料に対してはさらに薬液としてVSを1
0重量%量添加して練り込んで、これを原料として射出
成形法により、表1に示す成形条件下で成形した。次い
で、これを2cm×5.5cm×3mmの大きさのもの
に裁断して、図1に示す薬液含有材1の形態の防虫材と
しての薬液含有材Cを得た。この薬液含有材Cについて
も、実施例1と同様の試験を行い、各薬液含有材Cにお
ける含有薬液VSの残量を測定して、薬液VSの揮散量
を算出して、その3回の平均値を表5に示した。
【0035】
【表5】
【0036】表5に示した結果から、薬液含有材Cから
の含有薬液の揮散量は、使用開始から24週間に亘り平
均していること、また、24週間後においても当初の揮
散量が確保されることが分かる。
【0037】(実施例4)ウールモスリン(3×3c
m)表面にコイガ幼虫(羽化後20日令)20匹を1単
位として放ち、これを金網でコイガが逃げないようにし
て包んで、クリップ止めし、これを供試材とした。
【0038】先ず、実施例1で得た薬液含有材Aの2枚
を、図5に示す薬液含有材1の態様で衣装ケース3内の
底部面上に離間して配置し、これを蓋4で密閉した状態
で室温27℃、湿度60%の環境条件下に1週間放置し
た。次いで、衣装ケース3を開蓋し、図3に示した態様
で、前記した供試材の3つを、図6に示す供試材6の態
様で衣装ケース3の内底部面上に配置して蓋4で密閉し
た。これを上記と同一の環境条件下で1週間放置した。
この放置後の各供試材6におけるコイガ幼虫の死虫率を
求めて2週間後のデータとした。
【0039】次いで、薬液含有材Aの2つだけを、上記
同一の衣装ケース3内に収容して蓋4で閉じ、これを1
週間放置し、その後前記同様に調製した新たな供試材の
3つを図3に示す供試材6の態様で、衣装ケース3内に
配置して1 週間放置し、これを4週間後の死虫率のデー
タとした。また8週間後、12週間後及び24週間後の
データはそれぞれその期間満了前の1週間前に前記同様
に調製した新たな供試材の3つを、図3に示した供試材
6の態様で配置して蓋4で閉じ、それぞれの期間満了後
の死虫率のデータを求めた。これらの各データを表6に
示した。なお、これらの死虫率は各供試材についての平
均値である。また、同形同大のプレートのPP材を基材
とし、これに前記と同量のVSを練り込んで含有させた
ものを対照1とした。
【0040】
【表6】
【0041】また、ウールモスリンに対する食害量から
効力指数を次式に基づいて算出して表6に示した。
【0042】
【数1】
【0043】なお、式中のコントロールの食害量は、薬
液含有材Aを使用しないで、3つの供試材6のみを衣装
ケース3内に配置した場合のウールモスリンに対する食
害量である。
【0044】この表6に示した結果から、薬液含有材A
によれば、PP基材の対照1による場合との比較におい
て、極めて良好な防虫(殺虫)効力が長期間に亘り安定
して発揮されていることが分かる。
【0045】(実施例5)L系パルプについて、そのこ
う解後の木材繊維を紙材繊維とし、これを16重量%の
割合でポリプロピレンの樹脂原料中に添加混合して成形
原料とした。この成形原料に対してはさらに液状消臭剤
であるタイムホワイト油を10重量%量添加して練り込
んで、これを原料として射出成形法より、表1に示す成
形条件下でプレート状に成形した。次いで、これを2c
m×5.5cm×3mmの大きさのものに裁断して、図
1に示す薬液含有材1の形態で、消臭材としての薬液含
有材Dを得た。この薬液含有材Dの重量は1.5gであ
り、0.15gの消臭剤を含有する。
【0046】この薬液含有材Dの1つを3リットル容量
の三角フラスコの内底部上に配置し、この三角フラスコ
内にメチルメルカプタンガス及びアンモニアガスの等量
混合ガスを100ppmの割合で給入して口部をゴム栓
で閉じた。これを室温27℃の環境条件下に放置し、放
置から2時間後の残存ガス濃度を測定して表7に示し
た。なお、同形同大のプレート状のPP材を基材とし、
これに上記と同量のタイムホワイト油を練り込んで含有
させたものを対照とした。
【0047】
【表7】
【0048】この表7の結果から、薬液含有材Dによれ
ば、PP材を基材とする対照との比較において、極めて
良好な消臭効果が発揮されることが分かる。
【0049】(実施例6)L系パルプについて、そのこ
う解後の木材繊維を紙材繊維とし、これを18重量%の
割合でポリプロピレンの樹脂原料中に添加混合して成形
原料とした。この成形原料に対してはさらに薬液として
フローラルオイルを10重量%量添加して練り込んで、
これを原料として射出成形法より、表1に示す成形条件
下でプレート状に成形した。次いで、これを2cm×
5.5cm×3mmの大きさのものに裁断して、図1に
示す薬液含有材1の形態で、芳香材としての薬液含有材
Eを得た。この薬液含有材Eの重量は1.5gであり、
薬液を0.15g含有する。
【0050】この薬液含有材Eの2つを、図2に示す防
虫材1と同じ態様で衣装ケース3の内底部面上に配置
し、蓋4で密閉した。この密閉から1週間後、2週間
後、3週間後、4週間後、8週間後、12週間後及び1
6週間後の含有芳香剤の芳香状態について感応試験を次
のように行った。即ち、各期間経過後ごとに蓋4を開
き、パネラー(20〜30歳代、男2名、女3名)の臭
覚により、衣装ケース3内に発散された芳香ガスを臭覚
により判断させて、次のa〜eの基準で判定し、その基
準に該当すると判断した人の数を表8に示した。なお、
基準aは臭いがかなり強く感知できるとき、bは臭いが
強いが楽に感知できるとき、cは臭いが楽に感知できる
とき、dは臭いが弱いが感知できるとき、及びeは臭い
が全く感知できないとき、である。なお、上記と同形同
大のプレート状のPP材を基材とし、これに上記と同量
のフローラルオイルを練り込んで含有させたものを対照
2とした。
【0051】
【表8】
【0052】表8の結果から、薬液含有材Eによれば、
使用早期から楽に感知できる良好な芳香状態が得られ、
しかもこの芳香状態が以後数週間に亘って安定している
ことが分かる。また、この芳香状態は対照2との比較に
おいて、極めて良好なものであることも分かる。
【0053】(実施例7)N系とL系との重量混合比1
対1の混合パルプについて、そのこう解後の木材繊維を
紙材繊維とし、この紙材繊維を50重量%の割合でポリ
プロピレン(以下、「PP」に同じ。)の樹脂原料中に
添加混合して成形原料とした。この成形原料を図3に示
す態様の、ケース部材12とケース部材15として形成
し、これらを一体化して62×29×7mm大のケース
基材11とした。また、ろ紙(54×20×0.1m
m)にVSを80mg滴下することにより保持させて、
これを薬液保持材19とした。この薬液保持材19を図
2に示す態様でケース基材11内に収納して薬液含有材
10の形態とした。この形態のまま密封状態で7日間保
存して薬液含有材Fを得た。また、この薬液含有材Fに
おいて、その保存開始から7日間の観察において、ケー
ス基材11への薬液22の浸透量は、1日あたり平均
1.8mgであった。
【0054】この薬液含有材Fを、図6に示す薬液含有
材1に代えた態様で、密閉系として衣装ケース3内に、
及び開放系としてタンスの引き出し(70×38×17
cm)内に同様の態様でそれぞれ挿入配置した。これら
を実施例4と同様の供試材6を同様に操作し、室温25
℃、湿度60%の条件下で、その配置後12週間後の死
虫率を求めて表9に示した。
【0055】
【表9】
【0056】表9中の対照3は、薬液保持材19をケー
ス基材11と同様に形成したPP製ケース内に収納した
ものである。また、死虫率は、次式に基づいて計算し
た。
【0057】
【数2】
【0058】表9に示した結果から、薬液含有材Fによ
れば、対照3との対比において、密閉系及び開放系のい
ずれについても、初期効果に優れていること、また、開
放系においても、優れた害虫駆除効果が安定して発揮さ
れることが確認される。
【0059】
【発明の効果】上述したように本発明は構成されること
から、次のような効果が発揮される。先ず、本発明に係
る薬液含有材は、樹脂材中に紙材繊維を混入させてなる
紙材繊維混成樹脂材を基材とし、この基材中に薬液が含
有されてなることを特徴とするから、多量の薬液を保持
させることができる。従って、含有薬液の性能を使用早
期から長期間に亘りかつ安定した状態で発揮させること
ができる。
【0060】また、基材としての紙材繊維混成樹脂材
は、樹脂材とほぼ同様の表面形態を有し、しかも、強度
等の物性に優れたものとして得られることから、含有さ
れた薬液は安定的に基材中に保持される。従って、薬液
含有材中からその含有薬液が容易に外部に流出したり、
その表面との接触により薬液が容易に付着することはな
い。従って、含有薬液が防虫剤や殺虫剤等の危険物であ
っても、比較的に安全に利用することができる。また、
これにより、この薬液含有材を包装するための特別な容
器を必要としないから、安価に製品化できる利点があ
る。
【0061】樹脂材の成形時におけるような膨張、収縮
が少なく、樹脂材以上に成形時の寸法精度と寸法安定性
が良好で、曲げ強さ等の物性に優れると共に、塗装性や
接着性が良好で、しかも釘打ちが可能であるなど加工性
に富むことから、多様な形態のものとして製品化するこ
とができる。
【0062】また、紙材繊維混成樹脂材の基材への薬液
の含有が、紙材乃至不織布に薬液を含有させてなる薬液
保持材との接触面からの浸透による場合には、特別な操
作を必要とすることなくして、薬液を基材中に含有させ
ることができるから、より経済的に利用できる利点があ
る。また、従来の薬液保持材、特に表示機能を備えるも
のについて有効利用できる利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る薬液含有材の斜視図である。
【図2】同上の斜視図である。
【図3】同上の分解斜視図である。
【図4】同上の機能を説明する縦断面図である。
【図5】同上の薬液含有材の試験方法を説明する一部破
断面斜視図である。
【図6】同試験方法を説明する一部破断面斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 薬液含有材 2 基材 10 薬液含有材 11 ケース基材 12 ケース部材 15 ケース部材 19 薬液保持材 20 紙基材 22 薬液 23、24 接触部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2B121 CA02 CA20 CA29 CA41 CA53 CA59 CC02 CC13 CC31 CC40 FA05 4C002 AA03 BB04 DD03 DD12 4C080 AA03 BB02 BB03 BB07 CC05 CC08 HH09 JJ05 KK03 LL10 NN22 NN24

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂材中に紙材繊維を混入させてなる紙材
    繊維混成樹脂材を基材とし、この基材中に薬液が含有さ
    れてなることを特徴とする薬液含有材。
  2. 【請求項2】紙材繊維混成樹脂材の基材への薬液の含有
    が、紙材乃至不織布に薬液を含有させてなる薬液保持材
    との接触面からの浸透によることを特徴とする請求項1
    に記載の薬液含有材。
  3. 【請求項3】薬液が、常温揮散性の害虫駆除剤であるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の薬液含有材。
  4. 【請求項4】薬液が、常温揮散性の芳香剤であることを
    特徴とする請求項1又は2に記載の薬液含有材。
  5. 【請求項5】薬液が、消臭剤であることを特徴とする請
    求項1又は2に記載の薬液含有材。
JP11177228A 1999-06-23 1999-06-23 薬液含有材 Pending JP2001000092A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11177228A JP2001000092A (ja) 1999-06-23 1999-06-23 薬液含有材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11177228A JP2001000092A (ja) 1999-06-23 1999-06-23 薬液含有材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001000092A true JP2001000092A (ja) 2001-01-09

Family

ID=16027401

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11177228A Pending JP2001000092A (ja) 1999-06-23 1999-06-23 薬液含有材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001000092A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20110110826A (ko) * 2009-01-29 2011-10-07 바이엘 애니멀 헬스 게엠베하 고용량의 활성성분을 포함하는 살충 방제 디바이스
JP2013132231A (ja) * 2011-12-26 2013-07-08 Nippon Paper Papylia Co Ltd 揮発性薬剤用の支持体

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20110110826A (ko) * 2009-01-29 2011-10-07 바이엘 애니멀 헬스 게엠베하 고용량의 활성성분을 포함하는 살충 방제 디바이스
JP2012516291A (ja) * 2009-01-29 2012-07-19 バイエル・アニマル・ヘルス・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング 高負荷量の殺虫性防除デバイス
US9137989B2 (en) 2009-01-29 2015-09-22 Bayer Intellectual Property Gmbh Pesticidal control device with high load of active ingredient
KR101719012B1 (ko) * 2009-01-29 2017-03-22 바이엘 인텔렉쳐 프로퍼티 게엠베하 고용량의 활성성분을 포함하는 살충 방제 디바이스
US9801355B2 (en) 2009-01-29 2017-10-31 Bayer Intellectual Property Gmbh Pesticidal control device with high load of active ingredient
JP2013132231A (ja) * 2011-12-26 2013-07-08 Nippon Paper Papylia Co Ltd 揮発性薬剤用の支持体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10286098B2 (en) Scent devices and methods
EP1121159B1 (en) Vapour dispensing device
CA1133853A (en) Article for the dispensing of volatiles
US20010006670A1 (en) Insect combatant controlled/prolonged delivery device
AU2017241474B2 (en) Flying insect pest repellent product and method for repelling flying insect pest
JPWO2003099343A1 (ja) 揮散装置
EP3068444B1 (en) Fragrance dispenser
JP2001000092A (ja) 薬液含有材
JP4829558B2 (ja) 防虫剤
JP4919623B2 (ja) 揮発性物質発散具
JP5161840B2 (ja) 薬剤揮散具
JP2006296351A (ja) 防虫剤
JP4841761B2 (ja) 薬剤や芳香剤の発散具
JP2007153774A (ja) 防虫剤
JP5596532B2 (ja) 飛翔害虫忌避剤並びに飛翔害虫忌避具及び飛翔害虫の忌避方法
JPH107511A (ja) 防虫防黴剤
JP4226244B2 (ja) 防虫脱臭剤
JPS6313545B2 (ja)
JP2005126393A (ja) 放香防虫製品
JP2508806Y2 (ja) 公衆衛生用薬剤
JP2858132B2 (ja) 繊維用防虫剤
JP5646200B2 (ja) 衣料用防虫剤
JP2004331174A (ja) 揮散性薬剤包装用フィルム及び該フィルムを用いた包装体
JP2003230347A (ja) 防虫剤
JPH0524795B2 (ja)