JP2000517400A - エラーのある信号を識別するための装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 エラーのある信号の識別のための装置を提供する。この装置では、２つの異なる信号発生手段を用いて同一の測定量を検出し、フィルタリングされた信号の絶対値が互いに所定の仕方で偏差している場合にエラーが識別される。差の正負の符号を評価することによって、２つの信号発生手段のうちのどちらが故障しているかが検出される。

Description

【発明の詳細な説明】 エラーのある信号を識別するための装置 本発明は主請求項の上位概念記載のエラーのある信号を識別するための装置に 関する。 従来技術 重要な測定量を検出する場合には、検出のために２つの互いに依存せずに作動 するセンサシステムを使用することが必要である。このような冗長なシステムで は、例えば信号が上限値を上回るか又は下限値を下回る場合に、センサシステム によって供給される信号を比較することに基づいてエラーが識別される。 しかし、さらに２つの信号を互いに比較し例えば２つの信号の間の間隔を監視 し、これら２つの信号の差が予め設定可能な制限値を上回る場合にエラーを識別 することも可能である。このような合理性検査は例えばドイツ特許出願公開第４ ３４４６３３号公報で実施される。 このような公知の合理性検査では内燃機関における負荷検出に関連していわゆ るメイン負荷信号及びいわゆるサブ負荷信号が互いに比較される。この場合、メ イン負荷信号は、エアフローメータを用いて内燃機関により吸気される空気量を 直接検出することで決定さ れる。このメイン負荷信号の検出は吸気管圧力センサによって間接的に行うこと もできる。この場合、吸気温度、残留ガス成分及びシリンダ容積を考慮しながら ガス方程式を使用して吸気されるフレッシュな空気量を計算する。サブ負荷信号 は２つの方法（圧力センサ乃至はエアフローメータ）において例えばスロットル バルブポテンショメータを用いてスロットルバルブの角度位置及び内燃機関の回 転数を評価することによって形成される。エアフローメータ又は圧力センサ乃至 はスロットルバルブポテンショメータの動作が正常な場合及び最適な適合の場合 には、メイン負荷信号もサブ負荷信号も互いに十分に相応しているはずである。 それにもかかわらず偏差が発生する場合、２つのセンサシステムのうちの一方に エラーがあると推論される。 本発明の利点 エラーのある信号を識別するための本発明の装置は有利なやり方で確実に、同 一の測定量を検出する２つのセンサのうちの一方がいつエラーのある出力信号を 供給するか識別することができる。この場合、とりわけ有利には、エラーのある 信号がそれ自体としては有効な領域内にある場合でも識別される。従って、測定 すべき量が変化するにもかかわらず、まだ妥当性のある一定の信号を２つのセン サのうちの一方がいつ送出 するのかが識別される。つまり、故障した信号路におけるダイナミック特性の欠 如が識別される。 これらの利点は、２つの信号を直接互いに比較するのではなくまず最初にフィ ルタリングしそれぞれこれらフィルタリングされた信号の絶対値を形成すること によって達成される。これらフィルタリングされた信号の絶対値の差を形成する ことによって、エラー識別に使用されるとりわけ確実な条件が生成される。こう して、これら２つの信号の差の正負の符号をエラー識別のために評価することに より、とりわけ有利なやり方でエラーが識別される。従って、エラー識別乃至は 合理性検査は有利にはこれら２つの信号の分散（Varianz）に基づいている。こ の本発明の監視は、信号レベルの比較に基づくドイツ特許出願公開第４３４４６ ３３号公報から公知の監視に比べて次のような利点を有する。すなわち、本発明 の監視はより確実であり、センサの比較的小さな誤作動の場合でも確実に動作す る。 本発明の他の利点は従属請求項記載の構成から得られる。とりわけ有利な点は 、２つの信号のうちのどちらがエラーしているかも識別することである。この利 点は、差形成の後で特別な合理性検査を論理的手段を使用して行うことによって 得られる。 フィルタリングされた信号の絶対値の差形成の代わりに、商の形成を設けるこ ともできる。この商を少な くとも１つの閾値と比較することにより同様にエラーが識別される。 図面 本発明の実施例を唯一の図に示し、以下の記述で詳しく説明する。 実施例の記述 本発明を実施例に基づいて説明する。この実施例は内燃機関の負荷検出に相応 している。しかし、本発明は原理的には内燃機関の負荷検出に限定されるもので はなく、あらゆる物理量に対して拡張することができる。この場合、前提となる のは当該物理量が２つの異なるセンサを用いて検出されることである。 内燃機関の調整のためには負荷は非常に重要な量である。この場合、負荷は例 えば吸気される空気量と理解される。この吸気される空気量の検出は通常は２つ の異なる方式で行われる。内燃機関の吸気管にエアフローメータか又は吸気管圧 力センサを設ける。エアフローメータは、流入する空気が加熱された面を冷却す るという原理を有効に活用する。ホットフィルム式エアフローメータの作動方式 は周知であり、ここではくわしく説明しない。このエアフローメータによって発 生される出力信号はいわゆるメイン負荷信号と呼ばれ、内燃機関の制御機器に対 して重要な調整量として使 用される。 負荷信号はこのように重要な量なので、さらに第２の方法によってこの量を検 出する。第２の方法によって検出される負荷信号は通常はサブ負荷信号と呼ばれ る。この信号は通常は測定されるスロットルバルブ角度、内燃機関の回転数及び 場合によってはさらに他の量に依存して求められる。両方の負荷検出の最適な適 合において両方のセンサの動作が正常な場合にはサブ負荷信号とメイン負荷信号 とはほぼ一致しているはずである。そうでない場合、２つの信号のうちの少なく とも１つがエラーしているはずである。確実なエラー識別は次のようにして行わ れる。 エアフローメータ乃至は圧力センサから供給される信号Ｓ１はメイン負荷信号 又は充填メイン信号であり、この信号はまず最初に差分器１０に供給される。遅 延器を有する差分器１０は実質的にはローパスフィルタ１１と減算器１２を含む 。信号Ｓ１はこの場合一方で直接減算器１２に供給され、他方でローパスフィル タ１１を介してこの減算器１２に供給される。減算器１２においてこのローパス フィルタリングされた信号が信号Ｓ１から減算される。ローパスフィルタ１１と しては有利には特性が変化可能なローパスフィルタが使用される。このために例 えばフィルタ定数１３が変化される。 差分された信号Ｓ１１は絶対値形成器１４に供給さ れる。この絶対値形成によってこの差分された充填メイン信号Ｓ１１のダイナミ ック成分が整流される。後続のフィルタ、例えばローパスフィルタ１５において 脈動する直流電圧信号が平滑化される。これによって、フィルタ出力信号として 直流電圧ＭＷ１が取り出され、この直流電圧信号ＭＷ１は入力信号ダイナミック 特性に比例している。 充填サブ信号乃至はサブ負荷信号Ｓ２もこの充填メイン信号と同じやり方で後 続処理される。すなわち、まず最初に遅延器を有する差分器１６に供給され、こ の遅延器を有する差分器１６も同様にローパスフィルタ及び減算器を含む。差分 された信号Ｓ２２は絶対値形成器１７で整流され、ローパスフィルタ１８で平滑 化される。こうしてこのローパスフィルタ１８の出力側で信号Ｓ２の入力信号ダ イナミック特性に比例する直流電圧ＭＷ２が生じる。 こうして処理された２つの信号乃至は電圧ＭＷ１及びＭＷ２は減算器１９に供 給される。この減算器１９はこれら２つの電圧の差電圧Ｄを形成する。この信号 差電圧Ｄは実質的にエラー識別のために評価される。 ２つの信号Ｓ１及びＳ２が存在し信号ダイナミック特性がある場合、減算器１ ９の出力側において差電圧Ｄ＝０Ｖが生じる。充填予備信号Ｓ２に故障がある場 合すなわち例えばスロットルバルブポテンショメータに故障がある場合には、ロ ーパスフィルタ１８の電圧 は０Ｖに減衰するだろう。充填メイン信号のローパスフィルタ１５ではこれに対 して信号ダイナミック特性がある場合にはさらに正の電圧が現れる。減算器１９ の出力電圧Ｄが比較手段２０で、例えばコンパレータで閾値と比較される場合、 この電圧がこの閾値ＳＷ１を上回るならばエラーが識別される。閾値ＳＷ１を上 回る場合、フリップフロップ２１のセットによって故障のある充填予備信号が識 別され、エラー通報２２が送出される。 充填メイン信号に故障が発生する場合、例えばエアフローメータ乃至は圧力セ ンサが作動しないか又は正しく作動しないか又は信号路中断がある場合、減算器 １９の出力側には負の出力電圧が生じる。この電圧Ｄを負の閾値−ＳＷ１と比較 することによって、この電圧Ｄがこの閾値−ＳＷ１を下回る場合にエラーが識別 される。この比較はブロック２３で行われ、その後のフリップフロップ２４のセ ットによってエラー条件２５が活動化される。このエラー条件２５は、充填メイ ン信号路にエラーが存在するはずであるということを示している。 ２つの比較装置２７及び２８を介して２つのローパスフィルタ１５及び１８ の出力側に接続されているＡＮＤゲート２６を用いて、２つのフリップフロップ ２１及び２４を介するエラーロックが構成される。このようなロックは必要であ る。というのも、さもばけ れば、正常な信号路のダイナミック特性が弱い場合には、識別された充填信号エ ラーはもう修復されたのだと識別されてしまうだろうからである。そして、修復 は修復閾値を２つの信号が上回った後で信号ダイナミック特性が大きくなった場 合にのみ行われうる。このために比較装置２７及び２８では電圧ＭＷ１が閾値Ｓ Ｗ２を越えたかどうかが監視される。比較装置２８では、同様に電圧ＭＷ２が閾 値ＳＷ２を越えたかどうかが監視される。２つの電圧が閾値ＳＷ２より大きくな った場合にのみＡＮＤゲート２６が切り換えられ、この結果フリップフロップ２ １及び２４の両方のＲ入力側に相応の信号が供給される。 図１の装置の構造は個別の構成部材によって構成されるが、ソフトウェア的に 計算装置において、例えば内燃機関の制御機器において実現することもできる。 閾値ＳＷ１及びＳＷ２は要求に応じて選択可能である。原理的には本発明の合理 性検査は２つの信号の分散の評価に基づいている。 減算器１９での差形成の代わりに、電圧ＭＷ１とＭＷ２との商形成を実施する こともできる。この商は発生するエラーに応じて正又は負になるので、この商形 成２９の後で比較３０又は３１が行われ、この商Ｑが閾値ＳＷ１より大きいか又 は閾値ＳＷ１より小さいかが監視される。閾値ＳＷ１を上回る場合にはメイン負 荷信号のエラーが識別され、閾値−ＳＷ１を下回る場 合にはサブ負荷信号のエラーが識別される。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 1. 第１及び第２の信号発生手段を有するエラーのある信号を識別するための装 置であって、 前記第１及び第２の信号発生手段は同一の測定量を検出し第１及び第２の信 号を供給する、第１及び第２の信号発生手段を有するエラーのある信号を識別す るための装置において、 フィルタリングされた前記信号の絶対値の比較が予め設定可能な条件を満た す場合にエラーが識別されることを特徴とする、第１及び第２の信号発生手段を 有するエラーのある信号を識別するための装置。 2. ２つの信号（Ｓ１）及び（Ｓ２）はそれぞれ遅延器を有する差分器（１０、 １６）に供給され、 該遅延器を有する２つの差分器の出力信号は絶対値形成器（１４、１７）に 供給され、 該絶対値形成器（１４、１７）の出力信号はそれぞれフィルタ（１５、１８ ）に供給され、 該フィルタ（１５、１８）の出力信号（ＭＷ１）、（ＭＷ２）は差分器（１ ９）で互いに比較されて差（Ｄ）が形成され、該差（Ｄ）は比較手段（２０、２ ３）において閾値（ＳＷ１、−ＳＷ１）と比較され、前記差（Ｄ）が（ＳＷ１） より大きいか又は前記差（Ｄ）が（−ＳＷ１）より小さい場合にエラ ーが識別される、請求項１記載のエラーのある信号を識別するための装置。 3. 遅延器を有する差分器（１０）及び／又は（１６）は少なくとも１つのロー パスフィルタ（１１）及び差形成器（１２）を含み、 信号（Ｓ１）及び／又は（Ｓ２）は直接的に前記差形成器（１２）及び前記 ローパスフィルタ（１１）に供給され、該ローパスフィルタ（１１）の出力は前 記差形成器（１２）において前記信号（Ｓ１）から減算されることを特徴とする 、エラーのある信号を識別するための装置。 4. 比較手段（２０、２３）はそれぞれフリップフロップ（２１、２４）に接続 されており、 他の比較手段（２７、２８）はＡＮＤゲート（２６）に接続されており、前 記他の比較手段（２７、２８）においてフィルタ（１５、１８）の出力電圧が閾 値（ＳＷ２）と比較され、前記ＡＮＤゲート（２６）の出力は前記フリップフロ ップ（２１、２４）の両方のＲ入力側に供給されることを特徴とする請求項１〜 ３までのうちの１項記載のエラーのある信号を識別するための装置。 5. 比較手段（２０）２３、２７及び２８）、ＡＮＤゲート（２６）及びフリッ プフロップ（２１、２４）はエラーロックを形成し、該エラーロックは、高い信 号ダイナミック特性の際に修復閾値を２つの信 号が上回る場合にのみエラー修復を許可することを特徴とする請求項４記載のエ ラーのある信号を識別するための装置。 6. 第１の信号（Ｓ１）は内燃機関の充填サブ信号であり、第２の信号（Ｓ２） は充填メイン信号であり、前記充填サブ信号はスロットルバルブ位置及び内燃機 関の回転数に依存して形成され、前記充填メイン負荷信号はエアフローメータに よって供給されることを特徴とする請求項１〜５までのうちの１項記載のエラー のある信号を識別するための装置。 7. 差形成器（１９）の出力信号の正負の符号からどちらの信号がエラーなのか が識別されることを特徴とする請求項１〜６までのうちの１項記載のエラーのあ る信号を識別するための装置。 8. 差形成器（１９）は商形成器によって置換され、商（Ｑ）乃至は該商（Ｑ） の正負の符号がエラー識別のために評価されることを特徴とする請求項１〜７ま でのうちの１項記載のエラーのある信号を識別するための装置。