JP2000515891A - 抗微生物活性をもつモノグリセリドの水混和性エステル - Google Patents

抗微生物活性をもつモノグリセリドの水混和性エステル

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Abstract

(57)【要約】 本発明は病原微生物の感染活性を阻害するために有効な水混和性脂質誘導体を提供する。好ましい水混和性脂質誘導体は、脂肪酸含量の90%以上が単一脂肪酸により占められるモノグリセリドのジアセチル酒石酸エステルである。脂肪酸成分は好ましくは8〜24個、より好ましくは約10〜約20個の炭素原子を含む。脂肪酸は飽和、不飽和又はヒドロキシル化されていてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】 抗微生物活性をもつモノグリセリドの水混和性エステル 発明の技術分野 本発明は一般に、病原微生物の感染活性を阻害するための活性剤としての水混 和性脂質誘導体に関する。発明の背景 ある種の脂質が抗微生物(抗菌及び抗ウイルス)作用をもつことは従来報告さ れている(Kabara,The Pharmacological Effe cts of Lipids,ed.1987及びNutritional B iochemistry,Vol.6,July,1995)。抗微生物活性を もつと報告されている脂質は高親油性であり、2〜4のHLB値をもち、恐らく 感染生物の脂質エンベロープ又は膜に作用し、生物の透過性を変化させて感染性 を低下させると思われる。 しかし、これらの脂質は高親油性であり、水溶液に溶けないため、予防及び治 療試験を実施するのは難しい。溶解度の問題は、エタノールやジメチルスルホキ シド(DMSO)等の非水 性溶剤を使用することによりある程度まで解決することができる(Isaacs ,LitovとThormar,Nutritional Biochemis try,1995)。しかし、このような溶剤はヒト又は動物に使用するのは不 適切な場合が多い。例えば、エタノールとDMSOは乳児には使用できない。 既存の抗微生物脂質の使用に伴う別の問題は、抗微生物作用がタンパク質の存 在下で阻害又は大幅に低減することである(Kabara,The Pharm acological Effects of Lipids,ed.1987 ;及び米国特許第4,002,775号,Fatty Acids and D erivataives as Antimicrobial Agents, 1977)。このため、このような脂質は経腸栄養剤中に存在するようなタンパ クと併用投与することができない。従って、水性製剤に可溶性であり、無傷のタ ンパクにより悪影響を受けない抗微生物脂質が当該技術分野で依然として必要と されている。発明の要約 本発明は、病原微生物の感染活性を阻害するために有効な水 混和性脂質誘導体を提供する。好ましい水混和性脂質誘導体は、脂肪酸含量の9 0%以上が単一脂肪酸により占められるモノグリセリドのジアセチル酒石酸エス テルである。脂肪酸成分は好ましくは8〜24個、より好ましくは約10〜約2 0個の炭素原子を含む。脂肪酸は飽和、不飽和又はヒドロキシル化されていても よい。発明の詳細な説明 本発明は、病原微生物の感染活性を阻害するために有効な医薬的水混和性脂質 誘導体を提供する。水混和性脂質誘導体はエステル又はエーテル結合を介して親 水性部分に結合した親油性部分を含む。親油性部分は脂肪酸、モノアシルグリセ ロール(モノグリセリド)、モノエーテルグリセロール誘導体又はジエーテルグ リセロール誘導体を含む。親水性部分は有機酸、有機アルコール又はその塩を含 む。 1態様において水混和性脂質誘導体は、グリセロール炭素原子の1個がアルキ ル又はアシル基に結合し、残りのグリセロール炭素原子の少なくとも1個がエス テル結合を介して有機酸に結合したモノ/ジグリセリドである。好適態様におい て、有機酸はアセチル基を付けた酒石酸である。この態様によると、水 混和性脂質誘導体はモノグリセリドのジアセチル酒石酸エステルである。 水混和性脂質誘導体は下式Iに対応する。 式I中、RA及びRBの各々は独立して水素、炭素原子数6〜26のアシル基( C6−C26アシル)、炭素原子数6〜26のアルキル基(C6−C26アルキル)又 は無機アニオンであり得る。このようなアニオンの例はハロゲン化物、硝酸、硫 酸及びリン酸である。アシル及びアルキル基は飽和、不飽和又はヒドロキシル化 されていてもよい。好ましくは、アシル及びアルキル基は炭素原子数8〜24、 より好ましくは10〜20である。RAとRBはグリセロール主鎖のCA、CB又は CC炭素の任意のものと結合することができる。同様に、有機酸部分(式Iでは 酒石酸として示す)も、アシル又はアルキル基に結合していないCA、CB又はCC 炭素の任意のものと結合することができる。当業者に自明の通り、酒石酸の代 わりに他の有機酸を 使用してもよい。RC及びRDの各々は独立しては飽和、不飽和又はヒドロキシル 化されていてもよい炭素原子数2〜6のアシル又はアルキル基であり得る。RC 及びRD基の例はアセチル及びスクシニルエステルである。式Iの化合物におい て総脂肪酸含量の90%以上は単一脂肪酸の形態である。 RA又はRBの一方のみがアシル基である場合には、分子はモノアシルグリセロ ール(又はモノグリセリド)誘導体である。RA又はRBの一方のみがアルキル基 である場合には、分子はモノエーテルグリセロール誘導体である。RAとRBは1 個のアシル基と1個のアルキル基でもよい。アシル基はエステル結合によりグリ セロール主鎖に結合しており、アルキル基はエーテル結合よりグリセロール主鎖 に結合している。 式Iの好ましい態様において、RAはC8−C24アシルであり、RBは水素であ り、RC及びRDはいずれもアセチルであり、脂質はモノグリセリドのジアセチル 酒石酸エステルである。 本明細書で使用する「DATEM」なる用語は、当該技術分野でGRAS乳化 剤として知られており、FDA及びEECにより乳化剤として認可されている脂 質を意味する。これらのDATEMは脂肪酸混合物を含むことを特徴とする。本 明細書で 使用する「モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステル」なる用語はDATEM と式Iにより上記に定義した新規脂質を意味する。 モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステルは当該技術分野で周知の標準技術 を使用して製造される(例えばSchusterとAdams,Rev.Fr.C orps Gras,29(9):357−365,1981参照)。食用脂肪の グリセリド又は脂肪酸から製造されるモノグリセリドのジアセチル酒石酸エステ ルは種々の異性体形態で存在し得る(例えばFood Emulsions,第 2版,増補改訂版,LarssonとFriberg編,Marcel Dek ker,Inc.,New York,1990参照)。従って、式Iの脂質は 種々の異性体形態で存在し得る。 モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステルは、1種以上の生理的に許容可能 な非毒性希釈剤、キャリヤー、アジュバント又は賦形剤(本文中ではこれらを総 称して希釈剤と呼ぶ)と共に組成物に配合し、対象に投与することができる。組 成物はヒト及び動物に経口、局所(散剤、軟膏又はドロップ)、鼻孔スプレー又 は座薬として投与することができる。 利用可能な医薬組成物としては、生理的に許容可能な水性又は非水性の滅菌溶 液、分散液、懸濁液又はエマルションや、注射用滅菌溶液又は分散液に再構成す るための滅菌粉末が挙げられる。利用可能な水性及び非水性キャリヤー、希釈剤 、溶剤又は賦形剤の例としては、水、エタノール、ポリオール(プロピレングリ コール、ポリエチレングリコール、グリセロール等)、その利用可能な混合物、 植物油(例えばオリーブ油)及び注射可能な有機エステル(例えばエチルオレエ ート)が挙げられる。例えば分散液の場合には必要粒度を維持したり、界面活性 剤を使用することにより適正な流動性を維持することができる。例えば糖類、塩 化ナトリウム等の等張剤を加えることが望ましい場合もある。このような不活性 希釈剤に加え、湿潤剤、乳化剤、懸濁剤、甘味料、フレーバー剤及び香料等のア ジュバントも組成物に加えることができる。 懸濁液には、活性化合物以外に例えばエトキシル化イソステアリルアルコール 、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、微結晶セルロース 、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天−寒天及びトラガカント又はこ れらの物質の混合物等の懸濁剤も添加することができる。 特に好ましい医薬組成物は、水性媒体又は溶剤に溶解したモノグリセリドのジ アセチル酒石酸エステルを含む。モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステルは 約9〜12のHLB価をもち、2〜4のHLB価をもつ既存の抗微生物脂質より も著しく親水性である。既存の疎水性脂質は水性組成物に配合することができな い。本明細書に開示するように、これらの脂質をモノグリセリドのジアセチル酒 石酸エステルと併用すると水性媒体に可溶化することができる。この態様による と、モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステル(例えばDATEM SOY, Panodan)を他の活性抗微生物脂質(例えば18:2及び12:0モノグ リセリド)と溶融混合し、均質混合物を得る。均質にすることにより活性が増加 する。混合物は完全に水に分散することができる。これは、モノグリセリドのジ アセチル酒石酸エステルを加え、水に導入する前に他のモノグリセリドと予備混 合する場合のみに可能である。その後、スプレー又は吸入剤を形成する必要に応 じて水性組成物を滅菌条件下で生理的に許容可能な希釈剤、防腐剤、緩衝液又は 噴射剤と混合することができる。 本発明の組成物中のモノグリセリドのジアセチル酒石酸エス テル成分の実際の用量レベルは、特定組成物及び投与方法に所望の治療応答を得 るために有効な量の活性成分が得られるように変えることができる。従って、選 択される用量レベルは所望の治療効果、投与経路、所望の治療期間及び他の因子 に依存する。 後記実施例に詳細に記載するように、モノグリセリドのジアセチル酒石酸エス テルは広範なウイルスに起因する感染に対して有効な殺ウイルス剤である。この ようなウイルスの例はインフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス、 I型単純ヘルペスウイルス、水疱性口内炎ウイルス、ヒト免疫不全症ウイルス( HIV)及びRSウイルス(RSV)である。RSVは乳幼児の急性気道感染の 単独最大原因である。6カ月未満の乳児の罹患率が最も高く、重篤である。大半 の免疫正常対象ではRSV感染は気道粘膜に限られ、細気管支炎、肺炎及び反応 性気道疾患の発症に結び付けられる。免疫機能低下対象におけるRSV感染は最 近まで乳児高死亡率と他の年齢群の高罹患率に結び付けられている。高齢者で急 性呼吸疾患の発生率が高く死亡数の多い期間を追跡調査すると、2〜3週間以内 に多数のRSV又はインフルエンザウイルスが分離されたと報告されて いる(Pediatric Notes,January,1994)。分析に よると、RSVは高齢者の罹病及び死亡の原因となるインフルエンザウイルスと して重要である。 同様に後記実施例に詳細に記載するように、モノグリセリドのジアセチル酒石 酸エステルはグラム陽性菌及びグラム陰性菌を含む広範な細菌に起因する感染に 対して有効な殺菌剤である。このような細菌の例は、Streptococcu s、Haemophilus、Helicobacter、Staphyloc occus、Enterococcus、Micrococcus、Enter obacter、Klebsiella、Providensia、Pseud omonas、Acinetobacter、Candida、Mycobac terium、Nocardia及びEschericia属の細菌である。細 菌の具体例は、S.aureus、S.epidermis、S.bovis、 S.agalactiae、S.pyogenes、M.luteus、P.a eruginosa、M.smegmatis、N.asteroides、S .pneumoniae、H.influenzae及びH.pyloriであ る。 Streptococcus pneumoniae(S.pneumoni ae)は、通常は鼻咽頭侵入による感染開始後、エアゾール化して気道に伝播す るグラム陽性球菌である。臨床症状は局所及び全身感染であり、中耳炎、肺炎、 敗血症及び髄膜炎が挙げられる(Geelen,Bhattacharyya及 びTuomanen,Infection and Immunity,199 3;Cundell,Weiser,Shen,Young及びTuomane n,Infection and Immunity,1995)。また、S. pneumoniaeは小児科来診の3分の1以上を占める乳幼児の一般重要疾 患である中耳炎(OM)の単独最大原因である(ThoeneとJohnson ,1991;Kaleida,Nativio,Chao及びCowden,J r.of Clinical Microbiology,1993)。Hae mophilus Influenzae(H.influenzae)も乳児 と低年齢幼児の中耳炎の原因となることが知られている一般細菌物質である。H elicobacter pylori(H.pylori)は米国の60歳の 人口の50%(Blaster,Clinica1 Infec tious Diseases,1992)と開発途上国の5歳以下の幼児の9 0%(Thomasら,Lancet,1992)に感染する微好気性グラム陰 性菌である。H.pyloriは胃炎の主原因であり、消化性潰瘍の病因に重要 な役割を果たし、胃癌の危険因子である。 病原微生物の感染活性の阻害に使用するには、感染部位にできるだけ直接送達 するような形態及び経路で水混和性脂質誘導体を対象に投与する。例えば細菌感 染が主に鼻、耳、口又は肺に局限される場合には、好ましい剤形は口腔又は鼻腔 に直接投与するエアゾール、マウスウォッシュ又はリンス、チューインガム又は ドロップ剤である。感染が主に胃に局限される場合には、液体又は粉末経口剤が 好ましい。感染が皮膚に局限される場合には、好ましい剤形は軟膏、ローション 又は他の局所剤形である。感染が下部腸に局限される場合には、好ましい剤形は 座薬である。このような全剤形は当該技術分野で周知である。 以下、実施例により本発明の好ましい態様を具体的に説明するが、これによっ て請求の範囲及び明細書を限定するものではない。 実施例1:S.pneumoniaeに対するモノ及びジグリセリドのジアセチ ル酒石酸エステルの殺菌効果 殺菌アッセイ Streptococcus pneumoniae(S.pneumoni ae)(6303系、American Type Culture Coll ection,Rockville,MD)をTSA II(5%ヒツジ血液添 加)寒天プレートで一晩培養し、約18時間後に滅菌ダルベッコリン酸緩衝液( D−PBS)10mlを使用して回収した。細菌懸濁液を室温で15分間595 ×gで遠心分離した。上清を捨て、ペレットを滅菌D−PBS2mlに再懸濁し た。再懸濁した懸濁液を2本の滅菌微小遠心バイアルにピペットで分注し、エッ ペンドルフ微小遠心管(8800×g)を使用して4分間遠心分離した。上清を 捨て、細菌ペレットを滅菌PBS2mlに再懸濁した。 細菌数は一般に109コロニー形成単位(CFU)/μLであった。各試験物 質と対照180μLを滅菌微小遠心バイアルに加えた後、S.pneumoni ae懸濁液20μL(9部乳児用製剤:1部細菌懸濁液)を加えた。各バイアル を混合し、 37℃で1時間インキュベートした。次に、各試験物質100μLをTSA I I寒天にプレーティングし、接種材料を寒天表面に広げた。 初期細菌懸濁液を10-4、10-5、10-6、10-7及び10-8の最終希釈率ま で連続希釈することにより接種材料を定量し、TSA II寒天にプレーティン グした。次にプレートを転倒し、37℃/CO25%インキュベーターで18〜 24時間インキュベートした。各プレートの細菌増殖を増殖対非増殖として記録 した。一部のアッセイでは製剤−細菌懸濁液比を6.6部乳児用製剤対3.3部 細菌懸濁液に変え、アッセイの最終タンパク濃度を13.5mg/mLから9. 9mg/mLに変えた。 試験物質 モノグリセリドC12:0は、C12:0のモノエステルを最低90%含むも のをGrinsted Division of Daniscoから入手した 。DATEM SOY,Panodan FDP KosherはDanisc o Ingredients,Grinsted Divisionから入手し た。これは完全水素化大豆油から誘導される(U.S.DATEM SPECI FICATIONS)。DATEM SUNF,SDKはDanisco Ingredients,Grinste d Divisionから入手した。SDKは非水素化ヒマワリ油から誘導され る(U.S.DATEM SPECIFICATIONS)。DATEM−C12 はDanisco Ingredientsから入手し、90%C12モノグリセ リドから誘導される。DATEM−C08はDanisco Ingredie ntsから入手し、Hullis Americaから入手した90%C8モノ グリセリドから誘導される。 これらの試験の結果を下表1及び2に要約する。 a−対数減少はlog10で表わされる細菌力価の低下である。 S.pneumoniae接種材料は4.9 log10であった。S.pneumoniae接種材料は6.8log10であった。 表1及び2のデータが示すように、モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステ ルは水性経腸製剤中でS.pneumoniae殺菌剤として有効である。デー タは更に、モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステルの殺菌作用がタンパク質 の存在下で維持されることも示す。低タンパク濃度(9.9mg/ml)で試験 したモノグリセリドのジアセチル酒石酸エステルの各々はS.pneumoni aeに対して有意殺菌活性を示した。C12モノグリセリドから製造したDATE M−C12のみは6.8log10の接種材料で乳児用製剤中に通常存在するタン パク濃度で殺菌活性を示した。動物試験 2種のS.pneumoniae株(夫々5.72及び4.72log10接種 材料用量のSp DB31とSp DB40)の一方を含む種々の試料を新生( 24時間齢)ラット(各群10匹)に接種した。これらの混合物は鼻腔内接種前 に37℃で1時間インキュベートした。S.pneumoniae接種から24 時間後にラットの鼻咽頭洗浄液を採取し、S.pneumoniae集団を分析 した。3種の異なる試料、即ち対照としてSimilac(登録商標)RTF単 独、基本対照に3650mg/L DATEM−C12を加えたもの、及びDA TEM−C12(1825mg/L)とヒマワリモノグリセリド(5000mg /L)を加えたものを試験した。これらのin vivo試験の結果を下表3に 要約する。 表3のデータが示すように、モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステルは単 独でS.pneumoniae感染のin vivo抑制に有効であり、DAT EM−C12とモノグリセリドを併用すると最大の殺菌活性が得られた。 実施例2:Haemophilus influenzaeに対するモノ及びジ グリセリドのジアセチル酒石酸エステルの殺菌効果 上記実施例1に記載した手順を使用して、H.influenzaeに対する モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステルの殺菌効果をin vitro試験 した。これらの試験の結果を下表4に要約する。 表4のデータが示すように、モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステルはH .influenzaeに対する有効な殺菌剤である。更に、90%Simil ac(登録商標)RTF製剤を使用すると、モノグリセリドのジアセチル酒石酸 エステルはH.influenzaeに対して不活性であることが判明した。 実施例3:Helicobacter pyloriに対するモノ及びジグリセ リドのジアセチル酒石酸エステルの殺菌効果 下記手順を使用してH.pyloriに対するモノグリセリドのジアセチル酒 石酸エステルの殺菌効果をin vitro試験した。 一連の濃度の試験化合物をH.pylori培地に加えることによりMIC( 最小発育阻止濃度)を測定した。37℃で5日間インキュベーション後、培地の 不透明度によりH.pylori増殖を判定した。50%Similac(登録 商標)を使用した場合には、MICは測定できなかった。試験化合物をH.py lori培地に加え、37℃で4時間インキュベートすることにより、MBC( 最小殺菌濃度)を測定した。混合物のアリコートをH.pylori培地にプレ ーティングした。 殺菌増殖を終点とした。 これらの試験の結果を下表5に要約する。 ND=測定せずa,b MIC,最小発育阻止濃度;MBC,最小殺菌濃度。 判定できない。混合液を培地にプレーティングして細菌増殖を終点とするのでM BCは測定できる。 表5のデータが示すように、細菌培地及びSimilac(登録商標)におけ るDATEM−C12のMIC(最小発育阻止濃度)とMBC(最小殺菌濃度) は、モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステルがH.pyloriの発育を阻 止するのに強力な化合物であることを示している。データは更に、Simila c(登録商標)がH.pyloriに対するDATEM−C12の殺菌活性に影 響を与えないことも示す。 実施例4:HEp−2細胞におけるRSウイルス感染の阻害 HEp−2(ヒト咽頭上皮癌細胞)はAmerican Type Cult ure Collection(Rockvill,MD)から入手した。HE p−2細胞を96穴プレート(Costar Cambridge,Mass. )に細胞10,000個/ウェルの密度で播種し、10%ウシ胎児血清(FBS )を補充したダルベッコ改変イーグル(DME)培地で培養した。単層がコンフ ルエントになるまでHEp−2プレートを5%CO2:95%空気の大気中で加 湿インキュベーターで37℃で2日間インキュベートした。所望の最終濃度の2 倍に調製したRSVストックと試料を等容量でプレミックスし、2〜8℃で1時 間インキュベートした。ウイルスストックは、ウイルス阻害剤を含まない対照ウ ェルで約90%の細胞死を生じるように調製した。無血清最少必須培地で予め洗 浄したHEp−2単層を含むウェルに100μLのウイルス/試料混合物を加え た。プレインキュベーション混合物を細胞単層に2時間吸収させた後、捨て、無 血清最少必須培地に交換した。細胞/ウイルスプレートを37℃で4日間インキ ュベートした後、ウイルスにより誘導された細胞変性効果を定量した。 ウイルス接種材料にAlamar Blue染料の20%溶液100μLを加 えることにより、細胞生存率を各ウェルでスペクトロフォトメトリーにより定量 した。Alamar Blue染料は増殖培地の代謝還元を測定する酸化/還元 色指示薬を使用して生細胞の代謝活性を測定する。細胞代謝活性は青から赤への 変色により示される。570nmから600nm波長を差し引く二重終点フォー マットを使用するMolecular Devices(Menlo Park ,CA)プレートリーダーで、37℃で4時間インキュベートしたプレートを読 み取った。細胞生存百分率は試料のウイルス阻害百分率に直接相関する。各ウェ ルの細胞生存百分率はウイルス細胞を含まない対照を基準にして計算した。4個 のウェルの反復を使用して各試料を試験した。ウイルスの存在下及び不在下で試 験物質を含まない対照ウイルスは8個のウェルの反復で試験した。 試験物質 非水素化ヒマワリ油のモノグリセリドは、アッセイによるとヒマワリ油から誘 導されるモノエステル90%を含有し、7.0%グリセロールモノパルミテート C16:0、4.5%グリセロールモノステアレートC18:0、18.7%グ リセロールモ ノオレエートC18:1、67.5%グリセロールモノリノレエートC18:2 の脂肪酸分布をもつMyverol 18−92蒸留グリセロールモノリノレエ ートとしてEastman Chemicalから入手した。モノグリセリドC 12:0は最低90%のC12:0モノエステルを含むものをGrinsted Division of Daniscoから入手した。DATEM SOY ,Panodan FDP KosherはDanisco Ingredie nts Grinted Divisionから入手した。これは完全水素化大 豆油から誘導される(U.S.DATEM SPECIFICATIONS)。 DATEM PALM,Myvatem 35はEastman Chemic al Co.から入手した。これは完全水素化ヤシ油から誘導される(U.S. DATEM SPECIFICATIONS)。DATEM SUNF,SDK はDanisco Ingredients,Grinsted Divisi onから入手した。SDKは非水素化ヒマワリ油から誘導される(U.S.DA TEM SPECIFICATIONS)。DATEM BEEFはHenke l Corp.から入手し、完全水素化牛脂から誘導される(EUR OPEAN DATEM SPECIFICATIONS)。DATEM−C1 2はDanisco Ingredientsから入手し、90%C12モノグリ セリドから誘導される。DATEM−C08はDanisco Ingredi entsから入手し、Hullis Americaから入手した90%C8モ ノグリセリドから誘導される。 種々の形態の乳児用栄養剤(Similac(登録商標))に試験化合物を加 えることにより種々の試験物質を調製した。試料を手で震盪した後、258°F の最低生成物温度と6以上のF0でSteritort連続滅菌器シミュレータ ー(FMC,Princeton,New Jersey)を使用して滅菌した 。Steritortシステムは勾配水予熱、飽和水蒸気加熱及び勾配水冷を順 次使用する。全サイクルは連続撹拌下に実施した。(抗RSV活性を含むことが 従来認められている)カラゲナンを製剤から除去し、試験物質を試験できるよう にした。プレインキュベーション混合物を細胞単層に2時間吸収させた後、捨て 、無血清最少必須培地に交換した。これらの細胞培養試験の結果を下表6に要約 する。 *モノグリセリドC18:0は溶解し易くするために等重量の大豆脂肪酸と混合 した。 表記濃度はモノグリセリドのみの濃度である。 表6のデータは希釈細胞培地中乳児用製剤とウイルスの1:1混合物を使用し て得た。これらのデータから明らかなように、モノグリセリドのジアセチル酒石 酸エステルはタンパクを含有する乳児用栄養剤中で有意な抗RSV活性をもつ。 抗RSV活性が無希釈乳児用製剤で消滅しないことを確かめるために、細胞培地 の代わりにウイルスを乳児用製剤で直接希釈し、上述のようにウイルス中和アッ セイを行う追加試験を実施した。C8モノグリセリドから誘導されるものを除く 全てのモノグリセリドのジアセチル酒石酸エステルは乳児用製剤で活性を維持し た。 種々の形態のモノグリセリドのジアセチル酒石酸エステルの抗RSV活性を比 較するために、種々の油を使用することにより脂肪酸鎖の長さと飽和度の異なる 4形態のモノグリセリドのジアセチル酒石酸エステルを製造するようにDATE M製造業者に依頼した。これらのモノグリセリドのジアセチル酒石酸エステル形 態は、DATEM−C12:0、DATEM−PALMOIL、DATEM−S UNFLOWER OIL及びDATEM−SOYであった。各形態のモノグリ セリドのジアセチル酒石酸エステルを各々Simi1ac(登録商標)と混合し 、RSV感染性に対する活性を上述のように測定した。これらの試験の結果を下 表7に要約する。 表7のデータが示すように、種々の脂肪から製造したモノグリセリドのジアセ チル酒石酸エステルはいずれも乳児用製剤中でRSV感染に対する阻害活性をも つ。 実施例5:コットンラットのRSV感決のin vivo予防 コットンラットはRSV研究動物モデルとして約20年来使用されている。コ ットンラットはRSVに感染した乳児に観察されると同様の肺病変をもつ(Pr inceら,1978)。また、RSVワクチン接種したコットンラットをRS Vに暴露すると、乳児と同様の重度組織損傷を生じる(Princeら,198 6)。静脈内投与RSV−IgGが予防効果を発現するためには≧1:100濃 度の力価に達する必要があることもわかっている(Princeら,1985) 。乳児で同一血清濃度のRSV−IgGは防御性である(Groothuisら ,1993,1995)。これらの類似により、FDAはコットンラットをRS V研究に適切なモデルとして推奨している。 RSVを鼻及び肺に反復感染させるために、高いRSV用量(104pfu/ 匹)を全動物に鼻腔内接種した。接種材料(100μL)はRSVストック溶液 50μLと試験物質50μLから構成した。カラゲナン、大豆レシチン又はMy verol (改質Similac(登録商標)又はM.Similac(登録商標))を含 まない乳児用製剤に、試験物質としてモノグリセリドのジアセチル酒石酸エステ ル、モノグリセリド(MG)及びカラケナンを夫々懸濁した。更に、無傷のタン パクをカゼイン水解物(Alimentum(登録商標))で置き換えた乳児用 製剤も試験した。全動物に全実験期間にわたって普通齧歯類飼料を与えた。RS V攻撃から4日後に全動物を殺した。肺及び鼻組織を取り出し、RSV力価を測 定した。正の対照として5%RSV−IgGを常に使用した。各実験で負の対照 群(RSV攻撃前後に無処理)も使用した。負の対照群からの肺及び鼻組織にお けるRSV力価はデータを評価するために安定して高レベルでなければならない 。また、実験データを評価するために、正の対照群からの肺及び鼻組織での非常 に低いRSV力価も使用した。これらの試験の結果を下表8に要約する。 *この製剤対照は他の処理群との比較の基準として使用した。 異なる上添文字を付けた欄の数値は有意差P<0.05である。 表8のデータが示すように、モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステルはR SV感染をin vivo阻害する。データは更に、モノグリセリドのジアセチ ル酒石酸エステルとMGが相乗作用してRSV活性を阻害することも示す。水中 又は油中でモノグリセリドのジアセチル酒石酸エステルとMGをプレミックスし ても抗RSV活性は変化しない。モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステルは 無傷のタンパクの存在下(Similac(登録商標))及び不在下(Alim entum(登録商標))のいずれでも乳児栄養剤における有効な殺ウイルス剤 である。 実施例6:水性溶剤中の水混和性脂質誘導体によるHEp−2細胞のRSV感染 の阻害 ヒト咽頭上皮癌細胞HEp−2はAmerican Type Cultur e Collection(Rockville,MD)から入手した。96穴 プレート(Costar Cambridge,Mass.)に細胞10,00 0個/ウェルの密度でHEp−2を播種し、10%ウシ胎児血清(FBS)を補 充したダルベッコ改変イーグル(DME)培地で培養した。単層がコンフルエン トになるまでHEp−2プレートを5% CO2:95%空気の大気中で加湿インキュベーターで37℃で2日間インキュ ベートした。所望の最終濃度の2倍に調製したRSVストックと試料を等容量で プレミックスし、2〜8℃で1時間インキュベートした。ウイルスストックは、 ウイルス阻害剤を含まない対照ウェルで約90%の細胞死を生じるように調製し た。無血清最少必須培地で子め洗浄したHEp−2単層を含むウェルに100μ Lのウイルス/試料混合物を加えた。細胞/ウイルスプレートを37℃で4日間 インキュベートした後、ウイルスにより誘導された細胞変性効果を定量した。 ウイルス接種材料にAlamar Blue染料の20%溶液100μLを加 えることにより、細胞生存率を各ウェルでスペクトロフォトメトリーにより定量 した。Alamar Blue染料は増殖培地の代謝還元を測定する酸化/還元 色指示薬を使用して生細胞の代謝活性を測定する。細胞代謝活性は青から赤への 変色により示される。570nmから600nm波長を差し引く二重終点フォー マットを使用するMo1ecular Devices(Menlo Park ,CA)プレートリーダーで、37℃で4時間インキュベートしたプレートを読 み取った。細胞生存百分率は試料のウイルス阻害百分率に直接相関 する。各ウェルの細胞生存百分率はウイルス細胞を含まない対照を基準にして計 算した。4個のウェルの反復を使用して各試料を試験した。ウイルスの存在下及 び不在下で試験物質を含まない対照ウイルスは8個のウェルの反復で試験した。 試験物質 非水素化ヒマワリ油のモノグリセリドは、アッセイによるとヒマワリ油から誘 導されるモノエステル90%を含有し、7.0%グリセロールモノパルミテート C16:0、4.5%グリセロールモノステアレートC18:0、18.7%グ リセロールモノオレエートC18:1、67.5%グリセロールモノリノレエー トC18:2の脂肪酸分布をもつMyverol 18−92蒸留グリセロール モノリノレエートとしてEastman Chemicalから入手した。モノ グリセリドC12:0は最低90%のC12:0モノエステルを含むものをGr insted Division of Daniscoから入手した。DAT EM SOY,Panodan FDP KosherはDanisco In gredients Grinsted Divisionから入手した。これ は完全水素化大豆油から誘導される(U.S.DATEM SPECIFIC ATIONS)。DATEM PALM,Myvatem 35はEastma n Chemical Co.から入手した。これは完全水素化ヤシ油から誘導 される(U.S.DATEM SPECIFICATIONS)。DATEM SUNF,SDKはDanisco Ingredients,Grinste d Divisionから入手した。SDKは非水素化ヒマワリ油から誘導され る(U.S.DATEM SPECIFICATIONS)。DATEM BE EFはHenkel Corp.から入手し、完全水素化牛脂から誘導される( EUROPEAN DATEM SPECIFICATIONS)。DATEM −C12及びDATEM−C08は夫々90%C12モノグリセリド及び90% C8モノグリセリドから誘導される。これらの2種のモノグリセリドのジアセチ ル酒石酸エステルはRoss Products Division of A bbott Laboratoriesからの特注によりDanisco In gredients,Grinsted Divisionに製造依頼した。 試験化合物をリン酸緩衝液(PBS)に加えることにより種々の試験物質を調 製した。試料を手で震盪した後、258°Fの最 低生成物温度と6以上のF0でSteritort連続滅菌器シミュレーター( FMC,Princeton,New Jersey)を使用して滅菌した。S teritortシステムは勾配水予熱、飽和水蒸気加熱及び勾配水冷を順次使 用する。全サイクルは連続撹拌下に実施した。PBS中モノグリセリドのジアセ チル酒石酸エステルを使用した細胞培養試験の結果を表9に要約する。 表9のデータが示すように、非水素化ヒマワリ油から誘導したモノグリセリド C18、モノグリセリドC12及び数種の起源から誘導したモノグリセリドのジアセ チル酒石酸エステルはいずれも哺乳動物細胞のRSV感染を用量依存的に阻害す る。 モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステルと親油性モノグリセリド(MG) とカラゲナンの相乗抗ウイルス効果を測定する追加試験も行った。これらの試験 はLLC−MKC細胞と希釈剤としてPBSを使用して実施した。これらの試験 の結果を下表10に要約する。RSV阻害アッセイでは、試験材料(抗体又は他 の生物活性化合物)かサル腎細胞(LLC−MK2)のヒトRSウイルス(RS V)感染を阻害する能力を半定量的に測定する。感染した細胞をイムノペルオキ シダーゼ法により同定し、計数する。方法はマイクロタイターフォーマットで実 施し、以下に要約する。 アカゲザル腎細胞LLC−MK2はAmerican Type Cultu re Collectionから入手し、10%ウシ胎児血清を補充したイーグ ル改変必須培地(EDME)で培養した。RSV感染アッセイでは、フィブロネ クチンで処理したマイクロタイタープレートにLLC−MK2細胞を5000 個/ウェルの密度で播種し、3〜4日間インキュベートした後、感染性低下アッ セイで使用した。アッセイ日にストックRSVを細胞培地(MEM)で10〜2 0,000感染細胞単位(ICU)/mLまで希釈し、等容量(200μL)の 適当な濃度の連続希釈試料調製物に加えた。次いで、希釈した試料とウイルスの 混合物を4℃で2時間インキュベートした後、LLC−MK2細胞に加えた。ウ イルス−試料接種材料をマイクロタイタープレートに加える前に培地を取り出し 、単層をEMEMで1回濯いだ。全試料−ウイルス希釈液を3個のウェルで試験 した。ウイルス−試料接種材料混合物を加湿CO2インキュベーターで37℃で 2時間LLC−MK2単層に吸着させた。インキュベーション後、EMEM15 0μLを全ウェルに加え、プレートをCO2インキュベーターで37℃で16時 間インキュベートした。インキュベーション後、培地を取り出し、単層を冷エタ ノール(70%、次いで100%)で固定した。固定後、マイクロタイタープレ ートを200μL/ウェルのダルベッコPBSで1回濯ぎ、希釈ウシ抗RSV抗 体(200μL)を全ウェルに加えた。室温で30分間インキュベートし、PB S/0.5%鶏卵アルブミン(PBS/CEA)で3回濯いだ後、 ペルオキシダーゼ標識ウサギ抗ウシIgGを全ウェルに加え、室温で30分間イ ンキュベートした。次いでマイクロタイタープレートをPBS/CEAで3回濯 ぎ、ジアミノベンザジン基質を加え、20分間インキュベートした。その後、プ レートを上述のようにPBS/CEAで濯ぎ、倒立顕微鏡を使用してウェル当た りの染色RSV感染細胞(IC)数を調べた。3個のウェルのIC数をウイルス 対照ウェルのIC数(平均9)と比較し、阻害百分率(PI)を計算した[PI =1.0−[試料ウェル当たりの平均IC/ウイルス対照ウェル当たりの平均I C]]。各マイクロタイタープレートで正の対照調製物(ウシ及びRSV血清) を試験した。表10に示すように、RSV感染細胞数の50%減少(IC50)を 生じる試験材料の濃度(μg/ml)としてRSV阻害試験の結果を報告する。 表10のデータが示すように、モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステルと MG又はモノグリセリドのジアセチル酒石酸エステルとカラゲナンを併用すると 、抗RSV活性が増した。モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステルはPBS 系中のMGの均質分布を増進し、その結果として相乗作用が得られると予想され る。 種々の形態のモノグリセリドのジアセチル酒石酸エステルの抗RSV活性を比 較するために、種々の油を使用することにより脂肪酸鎖の長さと飽和度の異なる 5形態のモノグリセリドのジアセチル酒石酸エステルを製造するようにDATE M製造業者に依頼した。これらのモノグリセリドのジアセチル酒石酸エステル形 態は、DATEM−C12:0、DATEM−PALMOIL、DATEM−B EEF TALLOW、DATEM−SUNFLOWER OIL及びDATE M−SOYであった。各形態のモノグリセリドのジアセチル酒石酸エステルを各 々PBSに混合し、RSV感染性に対する活性を上述のように測定した。これら の試験の結果を下表11に要約する。 表11のデータが示すように、種々の脂肪から製造したモノグリセリドのジア セチル酒石酸エステルはいずれもRSV感染に対する阻害活性をもつ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アンダーソン,ステイーブン・エヌ アメリカ合衆国、イリノイ・60506、オウ ロラ、サウス・ウエストローン・アベニユ ー・11 (72)発明者 グズマン―ハーテイー,メリンダ アメリカ合衆国、オハイオ・43230、ガハ ンナ、ローレル・リツジ・ドライブ・659 (72)発明者 ヒルテイー,ミロ・デユアン アメリカ合衆国、オハイオ・43081、ウエ スタービル、オールド・ステイト・ロー ド・9984 (72)発明者 リー,テレサ・シユー―リン・ワイ アメリカ合衆国、オハイオ・43220、コロ ンバス、リタマリー・ドライブ・3959 (72)発明者 シヤラー,ジヨージフ アメリカ合衆国、オハイオ・43232、コロ ンバス、ノエ・ビクスバイ・ロード・1547 (72)発明者 リユ,チン―チヨウ アメリカ合衆国、オハイオ・43082、ウエ スタービル、バーンズ・ドライブ・ノー ス・462

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.構造式(I): (式中、RA及びRBは各々独立して水素、炭素原子数6〜26のアシル基、炭素 原子数6〜26のアルキル基又は無機アニオンであり、RC及びRDは各々独立し ては炭素原子数2〜6のアシル又はアルキル基であり、化合物の総脂肪酸含量の 90%以上は単一脂肪酸の形態である)をもつ化合物。 2.無機アニオンがハロゲン化物、硝酸、硫酸又はリン酸である請求項1に記載 の化合物。 3.アルキル又はアシル基が8〜24個の炭素原子を含む請求項1に記載の化合 物。 4.アルキル又はアシル基が10〜22個の炭素原子を含む請求項1に記載の化 合物。 5.アルキル又はアシル基が12〜20個の炭素原子を含む請 求項1に記載の化合物。 6.アルキル又はアシル基が12〜18個の炭素原子を含む請求項1に記載の化 合物。 7.RC及びRDが各々独立してアセチル又はスクシニルである請求項1に記載の 化合物。 8.RC及びRDの両方がアセチルである請求項7に記載の化合物。 9.RA及びRBの一方が水素である請求項1に記載の化合物。
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