JP2000515721A - 管腔内コレシストキニン放出因子 - Google Patents

管腔内コレシストキニン放出因子

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Abstract

(57)【要約】 管腔内コレシストキニン放出因子(LCRF)は、ラット腸分泌物から単離されたコレシストキニン(CCK)放出タンパク質である。精製LCRFは、分子量、部分アミノ酸配列、およびLCRFのCCK放出効果をブロックすることにおける抗LCRF抗体のインビボ研究において示されたCCK放出活性によって特徴付けされた。結合研究により、十二指腸、膵臓、および膵臓全体の神経線維、感覚線維および節状神経節の細胞体、ならびに副腎髄質の交感神経線維における局在が実証された。LCRFは、腸神経系、副交感神経系、および交感神経系に存在するが、脳には存在しない神経ペプチドであるようである。LCRF-IRはまた、小腸絨毛の先端の腸細胞に存在する。まとめると、本研究は、LCRFは、消化管系および他の系においていくつかの機能を有し得る神経ペプチドであることを示す。合成LCRF1-6に対して惹起された抗体を用いる免疫親和性研究および小腸管腔注入研究は、LCRFが、膵臓酵素分泌およびCCK放出のネガティブフィードバック調節を媒介する腸分泌物に存在するCCK放出ペプチドであり得ることを示す。LCRFおよび機能的に関連する種は、インスリン分泌の処置の開発、胃および胆嚢が空になることの処置の開発、ならびに食欲制御または抑制を必要とする養生法の開発の可能性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】 管腔内コレシストキニン放出因子 本願は、1995年10月26日に出願された米国仮特許出願第SN 60/005,872号の一 部継続出願である。 合衆国政府は、NIH助成金R01 DK-37482、R01 DK-38626、およびR01 DK 33850 によって提供された研究支援に関連する本発明の使用の権利を有する。 1.0 発明の背景 1.1 発明の分野 本発明は一般的には分子生物学の分野に関し、そしてより詳細には新規のポリ ペプチドおよび組成物に関する。その組成物は、新規のコレシストキニン放出ペ プチド(LCRF)およびこのペプチドをコードする遺伝子を含む。特定の実施態様 において、本発明はLCRFの使用およびペプチドをコードする核酸配列の使用に関 する。このペプチドは、免疫応答の刺激を生成するペプチド、食欲の抑制のため のペプチド、胃が空になることの阻害のためのペプチド、およびインスリンの分 泌の刺激のためのペプチドである。 1.2 関連技術の説明 コレシストキニン(CCK)はペプチドホルモンであり、そのペプチドホルモン は、小腸上部の別々の細胞に位置し、摂食に応答して血液の中へ分泌される。CC Kは、胆嚢の収縮および膵臓の分泌の生理的調節において中心的な役割を演じ、 そして胃が空になること、腸の運動および食欲を調節する(Liddle、1989)。消 化におけるCCKの中心的役割のため、小腸近位の別々の内分泌細胞からのCCK放出 を調節する機構は、Liddle(1995)によって概説される相当な研究の課題であっ た。 多くの一連の証拠は、CCKが動物およびヒトにおける天然の飽満剤であること を示す。食後の「満ちた」、心地良い気分(これは「満腹」と称される)の一部 は、増加したCCK放出に明らかに関連し、そして多くのヒトおよび動物の実験に おいて起こることが実証されている。不運にも、CCKは内臓および神経の内部で これらの効果を生ずるように作用し、そしてそれゆえ、CCKは、静脈内または筋 肉内に、あるいはおそらく鼻腔内に投与されなければならない。さらに、CCKは 経口では有効でない。なぜなら、これは消化の過程に供されるためである。そし て第2に、たとえCCKが消化の過程を生き延びたとしても、CCKは、腸管から無傷 で吸収されなければならない(これは複雑な事象である)からである。 食餌性のタンパク質またはタンパク質消化物は、単離された腸の粘膜細胞から のCCK放出を刺激し得ず、そして他の因子がCCKの分泌の調節に必要であることが 示唆されている(Shararaら、1993)。意識のあるラットおよび人間において、C CK放出および膵臓の外分泌は、小腸近位においてトリプシン、キモトリプシン、 またはエラスターゼによって阻害される。これは、CCK放出がプロテアーゼ感受 性の機構によって媒介され得るという考えを導いた(Folschら、1987;Slaffら 、1984;Owyangら、1986)。小腸からの膵液および胆汁の流れの迂回(diversio n)によるCCK放出の強い刺激に基づいて、腔内に分泌されたトリプシン感受性の 腸の因子がこの応答を媒介するとMiyasakaおよびGreen(1983)は提案した。こ のような物質は、腸の遊離の(複合体化されていないかまたは阻害されていない )プロテアーゼ活性が低い場合、CCK放出を刺激することによって膵臓の酵素分 泌の重要なフィードバック調節物質として作用し得るが、腸の遊離のプロテアー ゼ活性が上昇すると不活性となる(Greenら、1972)。その後、研究者らは腸洗 浄物内の活性因子についての証拠を得た。この腸洗浄物は、意識のあるラット( Miyasakaら、1989)および麻酔をかけられたラット(Luら)におけるCCK放出お よび膵臓の酵素分泌を刺激した。 CCKは、小腸近位の別々の内分泌細胞において生産され、そして食事後の血流 中へ放出される。経口摂取された脂肪、タンパク質、およびより小さな度合いで 、炭水化物は、CCK放出を刺激する(Marxら;Friedら)が、これらの化合物のCC K放出活性の基礎にある機構は未知である。 ラットの研究は以下のことを実証した。小腸からの胆管−膵臓の分泌物の流れ の迂回または小腸へのトリプシンインヒビターあるいは無傷のタンパク質の注入 は、膵臓の酵素分泌を強く刺激する。そして、この現象は、「膵臓の酵素分泌の フィードバック調節」と称される(Greenら、1972;Greenら、1973)。これらお よびより最近の研究は、以下のことを示している。ラットおよびヒトにおける膵 臓の酵素分泌およびCCK放出は、小腸近位においてトリプシン、キモトリプシン 、およびエラスターゼによって阻害される(Schneemanら;Greenら、1985;Loui eら;Folschら;Slaffら;Owyangら、1986)。 膵臓の酵素分泌のプロテアーゼ依存性のフィードバック調節が、内因性の腔内 に分泌された腸ペプチドによって媒介されるという仮説は、消化管のペプチドが 腸管腔内に有意な量現れたという、より早期の報告(Uvnas-Wallensten;Lake-B akaarら;Changら)によって刺激された。管腔のペプチドの起源は異論のあると ころであった。幾人かの研究者らは、腸が、循環しているペプチドを、管腔の中 へ分泌することによって排除したことを報告した(Jordanら;Ayalonら)。他方 、Uvnas-Wallenstenは、管腔のGIペプチドの直接の供給源が、対応する腸の内分 泌細胞であると主張した(Uvnas-Wallensten)。これは、双方向的に(すなわち 、管腔中へ、および循環中へ)、内分泌細胞表面の基底部分および側面部分に隣 接する組織液からの拡散を経て分泌すると記載された。 食餌性のプロテアーゼインヒビターまたは無傷のタンパク質によって現れる( しかし膵液の流れの迂回によっては現れない)CCK放出のフィードバック調節は 、膵液から精製された、コレシストキニン放出ペプチド、モニターペプチド(Iw aiら;Fushikiら)によって媒介されると提案された。モニターペプチド(膵臓 分泌トリプシンインヒビター-61(PSTI-61)としても知られる)は、腸分泌物中 には存在しないようである(Guanら)。しかし、これらのペプチドがCCK放出を 刺激するのかまたは腔内に分泌されるのかどうかは知られていないが(Agerbeth ら、1991;Agerbethら、1989)、2つのペプチドはモニターペプチドと配列の類 似性または同一性を有し、ブタの腸から単離された。 さらに、Owyangおよび共同研究者ら(Owyangら、1990;Herzigら、1995)はブ タの腸粘膜由来のコレシストキニン放出ペプチドの精製を記載している。このコ レ シストキニン放出ペプチドは、ラットの腸の中へ注入されたとき、CCK放出を刺 激する。このペプチドは、以前に報告されたペプチドジアゼパム結合インヒビタ ー(DBI)と同一であるとして同定された。 2.0 発明の要旨 本発明は、精製されたコレシストキニン放出ポリペプチド組成物およびCCK放 出の調節の不足または不十分な調節に関連する様々な症状の処置方法を提供する ことによって、従来技術に固有のこれらおよび他の欠点を述べようとするもので ある。本発明は、特に、ラットの腸分泌物から精製された、新規のポリペプチド のホルモン様化合物、管腔内コレシストキニン放出因子(LCRF)に関する。合成 LCRFに対して惹起された抗体を用いる免疫親和性の研究は、単離され特徴づけら れたポリペプチド生成物が、腸分泌物に存在するCCK放出ペプチドであることを 示す。このペプチドの性質は、それが膵臓の酵素分泌およびCCK放出の「ネガテ ィブフィードバック調節」を媒介することを示す。LCRFは、腸において管腔内に 分泌された調節ペプチドの新たなクラスの1つを表し、そしてCCKの刺激に依存 する代謝機能の調節において重要な生理的機能を果たす。 2.1 新規のCCK放出ポリペプチド したがって重要な局面では、本発明は管腔の腸分泌物から単離された新規のCC K放出ポリペプチドの発見に関する。この新たなペプチドは、他の既知のCCK放出 因子と異なる。部分的なペプチド配列(配列番号1)は、ジアゼパム結合インヒ ビター(DBI)または他のデータベースに寄託された本発明の発明時において利 用可能であったタンパク質配列とほとんど相同性を有さない。 2.2 LCRF薬学的組成物 本発明の別の局面は、単離され精製されたLCRFタンパク質またはLCRFタンパク 質をコードする核酸を備える新規の組成物を含む。もちろん、1つ以上のCCK放 出因子の遺伝子が本発明の方法および組成物において使用され得ることが理解さ れる。したがって、核酸の送達方法は、1つ、2つ、または3つ以上の相同遺伝 子の投与を必要とし得る。適用され得る遺伝子の最大数は、実施する上での問題 (例えば、大量の遺伝子構築物を同時に調製することに関わる努力、または有害 な細胞障害性効果を誘発する可能性のようなものさえも)によってのみ制限され 得る。 組成物は、新規のペプチド(単数または複数)の生物学的有効量を含む。本明 細書中で用いられる、ペプチドまたは組成物の「生物学的有効量」は、CCK放出 を刺激するために有効な量をいう。本明細書中で開示されるように、約6〜約11 mg/kgの間のようなインビトロおよびインビボで示される異なるペプチド量が有 効である。 もちろん、臨床用量は、患者の栄養状態、年齢、体重、および健康によって決 定される。投与されるペプチド組成物の量と容量は、投与の目的と経路に依存す る。必要とされる活性ペプチドの正確な量は、開業医の判断に依存し、各個人に 特有である。しかし、本明細書中に示されるデータに鑑みて、ヒトでの使用に適 切な用量範囲の決定は、容易である。 本発明のCCK放出を刺激するために使用される組成物は、全長ペプチドを含む 組成物である。この全長ペプチドは、約70〜75のアミノ酸残基および約8136ダル トンの分子量、または機能的フラグメントおよびその改変体(例えば、配列番号 1、配列番号3、配列番号1のアミノ酸の1〜6位、7〜23位、または22〜37位 によって表される配列)を有する。この意味での用語「ペプチド」または「ポリ ペプチド」は、上記の構造またはその改変体のうちのいずれの配列をも含む少な くとも1つのペプチドまたはポリペプチドを意味する。用語ペプチドおよびポリ ペプチドは、交換可能に使用される。 配列番号1のアミノ酸配列を含むことに加えて、ペプチドは、様々な他のより 短いかもしくはより長いフラグメント、または他の短い様々なアミノ酸のペプチ ド配列を含み得る。特定の実施態様においては、ペプチドがなお、CCK放出因子 として機能する限り、このペプチドは、より短い配列(例えば、配列番号3)の 反復、または以下のような付加的な配列を含む:短い標的配列、タグ、標識され た残基、ペプチドの半減期もしくは安定性を増加させるために意図されたアミノ 酸、または指定された目的のための任意の付加的な残基。このような機能性は、 本明細書中に記載されたようなアッセイによって容易に決定され得る。 一般に存在しているアミノ酸のいずれもが以下を含むペプチドに組み込まれ得 る:アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、アスパラギン、システイン、グル タミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシ ン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプト ファン、チロシン、およびバリン。同様に、いわゆる希少なまたは改変されたア ミノ酸のいずれもがまた、以下を含む本発明のペプチドに組み込まれ得る:2- アミノアジピン酸、3-アミノアジピン酸、β-アラニン(β-アミノプロピオン 酸)、2-アミノ酪酸、4-アミノ酪酸(ピペリジン酸)、6-アミノカプロン酸 、2-アミノヘプタン酸、2-アミノイソ酪酸、3-アミノイソ酪酸、2-アミノピ メリン酸、2,4-ジアミノ酪酸、デスモシン、2,2'-ジアミノピメリン酸、2,3-ジ アミノプロピオン酸、N-エチルグリシン、N-エチルアスパラギン、ヒドロキシ リジン、アロヒドロキシリジン、3-ヒドロキシプロリン、4-ヒドロキシプロリ ン、イソエスモシン(Isoeesmosine)、アロイソロイシン、N-メチルグリシン (サルコシン)、N-メチルイソロイシン、N-メチルバリン、ノルバリン、ノル ロイシンおよびオルニチンを含む。 本発明の阻害性組成物は、生物学的に保護されるように改変されたペプチドを 含み得る。生物学的に保護されたペプチドは、ヒト被験体に投与される場合に、 保護されていないペプチドに対する特定の利点を有し、そして本明細書中に参考 として援用される米国特許第5,028,592号に開示されるように、保護されたペプ チドは増加した薬理活性をしばしば示す。 本発明において使用される組成物はまた、すべてのLアミノ酸、すべてのDア ミノ酸またはそれらの混合物を含むペプチドを含み得る。Dアミノ酸の使用は、 ヒトの体内で天然に見出され、そしてより免疫原性でないプロテアーゼに対する 付加的な抵抗性を与え得る。そして、それゆえより長い生物学的半減期を有する ことが期待され得る。 同様に、遺伝子をコードするCCK放出因子を使用する組成物がまた意図される 。遺伝子の特定の組合わせは、LCRF遺伝子2つ以上の改変体であり得る;または 、CCK放出因子遺伝子が別の遺伝子および/または細胞骨格タンパク質、補因子 も しくは他の生体分子のような別のタンパク質と組み合わされることがあり得る; ホルモンまたは増殖因子遺伝子さえも、第1の遺伝子のポリペプチド産物と相互 作用し得る細胞表面受容体をコードする遺伝子と組み合わされ得る。 複数の遺伝子の使用において、これらの遺伝子は、1つ以上のプロモーターの 制御下で単一の遺伝子構築物に組み合わされ得るか、または同一または異なる型 の別々の構築物として調製され得る。したがって、異なる遺伝子のほとんど際限 のない組合わせ、および遺伝子構築物が用いられ得る。特定の遺伝子の組合わせ が、細胞増殖および/または免疫応答の刺激に対する相乗効果を達成するように 設計され得るか、あるいはさもなければ、それらの使用が、細胞の増殖および/ または免疫応答の刺激に対する相乗効果を達成する結果となり得る。任意のおよ びすべてのこのような組合わせは、本発明の範囲内にあるように意図される。実 際、多くの相乗効果が科学文献に記載され、その結果当業者は、同様の相乗的な 遺伝子の組合わせ、または遺伝子−タンパク質の組合わせを容易に同定し得る。 所望ならば、核酸セグメントまたはLCRFポリペプチドをコードする遺伝子が、 さらなる因子(例えば、タンパク質またはポリペプチドまたは様々な薬学的に活 性な因子)と組合わせて投与され得るということがまた理解される。組成物がLC RF遺伝子を含む限り、さらなる因子が標的細胞または宿主組織との接触において 有意な有害な効果を引き起こさないとすれば、また含まれ得る他の成分には実質 的に制限はない。したがって、核酸は、特定の場合において必要とされる様々な 他の因子とともに送達され得る。 本発明に従って調製された薬学的組成物には、いくつかの適用における使用が 見い出される。これらには、食欲の抑制、インスリン放出の刺激、および胃また は胆嚢が空になることの抑制が含まれる。このような方法は、一般的に、LCRF組 成物の免疫学的有効量を含む薬学的組成物を哺乳動物へ投与する工程を包含する 。この組成物は、LCRFペプチドまたはLCRFがコードする核酸組成物のいずれかの 免疫学的有効量を含み得る。このような組成物はまた、哺乳動物において免疫応 答を生成するために使用され得る。 LCRFペプチドまたはLCRFがコードする核酸セグメントを含む治療キットは、本 発明の別の側面を構成する。このようなキットは一般的に、適切な容器手段中に 、 LCRFペプチドまたはLCRFがコードする核酸組成物の薬学的に受容可能な処方物を 含む。このキットは、LCRF組成物を含む単一の容器手段を有し得るか、またはLC RF組成物のための異なる容器手段およびこのキット内に含まれ得る他の試薬を有 し得る。 キットの成分は、液体溶液として、または乾燥された粉末として提供され得る 。これらの成分が液体溶液中に提供される場合、その液体溶液は水溶液であり、 特に好ましくは滅菌した水溶液である。試薬または成分が乾燥粉末として提供さ れる場合は、その粉末は適切な溶媒の添加によって再構成され得る。その溶媒は また別の容器手段中に提供され得ることが想像される。 関連した実施態様において、本発明は、試料中のLCRFタンパク質もしくはLCRF ペプチドの存在および/または抗体の存在を検出するために使用され得る診断キ ットの調製を意図する。概して、本発明のキットは、適切なLCRFタンパク質もし くはLCRFペプチド、またはこのようなタンパク質もしくはペプチドに対して惹起 された抗体を、免疫検出試薬、ならびにその抗体または抗原および試薬を含む手 段とともに含む。診断キットの成分は、水性媒体かまたは凍結乾燥された形態か のいずれかで包装され得る。 免疫検出試薬は、代表的には、抗体もしくは抗原に結合した標識、または第2 の結合リガンドに結合した標識を含む。例示的なリガンドは、一次抗体または抗 原に対して惹起された二次抗体、または結合された標識を有するビオチンもしく はアビジン(もしくはストレプトアビジン)リガンドを含み得る。もちろん、上 述したように、多くの例示的な標識が、当該分野で公知であり、そしてすべての このような標識が、本発明と関連づけて用いられ得る。これらのキットは、完全 に結合された形態か、中間体の形態か、またはキットの使用者によって結合され る分離した部分としてのいずれかで抗体標識結合体を含み得る。 容器手段は、一般的には、少なくとも1つのバイアル、試験管、フラスコ、ビ ン、注射器または他の容器手段を含む。これらの中へ、抗原または抗体が載置さ れ、そして好ましくは適切にアリコートされ得る。第2の結合リガンドが提供さ れる場合、このキットはまた一般的に、第2のバイアルまたはこのリガンドまた は抗体が載置され得る他の容器を含む。本発明のキットはまた、代表的には、密 閉した状態で、抗体、抗原、および試薬の容器を含むための手段を市販のために 備える。このような容器は、注射液か、または所望のバイアルが保持される(bl ow-mold)されたプラスチック容器を含み得る。 2.3 LCRF抗体 別の局面において、本発明は、本発明のポリペプチドと免疫反応性である抗体 を意図する。抗体はポリクローナルまたはモノクローナル抗体であり得る。好ま しい実施態様において、抗体はモノクローナル抗体である。抗体を調製するおよ び特徴付けるための手段は当業者に周知である(例えば、HowellおよびLane,19 88を参照のこと)。 簡潔には、ポリクローナル抗体は、本発明のポリペプチドを含む免疫原で動物 を免疫し、そして免疫した動物から抗血清を回収することにより調製される。広 範な種の動物が抗血清の産生のために使用され得る。代表的には抗血清の産生の ために使用される動物は、ウサギ、マウス、ラット、ハムスター、またはモルモ ットである。比較的血液量が多いことから、ウサギがポリクローナル抗体の産生 のために好ましい選択である。 LCRFに対して特異的な抗体は、ポリクローナルおよびモノクローナルともに、 当業者に一般的に知られている従来の免疫技術を使用して調製され得る。LCRFの 抗原性エピトープを含む組成物を、1匹以上のウサギまたはマウスのような実験 動物を免疫するために使用し得、これらは次いでLCRFに対する特異的な抗体を産 生し始める。抗体生成に期間をおいた後、単純に動物を出血させ、全血から血清 試料を調製することにより、ポリクローナル抗血清を得ることができる。 モノクローナル抗体を得るためにはまた、まず実験動物(しばしば、好ましく はマウス)をLCRF組成物で免疫する。次いで、抗体を生成させるのに十分な期間 をおいた後、動物から脾臓またはリンパ細胞集団を得る。次いで、脾臓またはリ ンパ細胞は、ヒトまたはマウスミエローマ細胞株のような細胞系と融合され得、 抗体分泌ハイブリドーマを産生する。これらのハイブリドーマは、個々のクロー ンを得るために単離され得、次いで所望のLCRFペプチドに対する抗体の産生につ いてスクリーニングされ得る。 免疫に続き、脾臓細胞は取り出され、標準的な融合プロトコルを使用してプラ ズマ細胞腫に融合され、LCRFに対するモノクローナル抗体を分泌するハイブリド ーマを産生する。選択した抗原に対するモノクローナル抗体を産生するハイブリ ドーマは、ELISAおよびウェスタンブロット法のような標準的な技術を使用して 同定される。次いでハイブリドーマクローンは、液体培地中で培養され得、そし て培養上清はLCRF特異的モノクローナル抗体を提供するために精製され得る。 本発明のモノクローナル抗体は、ELISAおよびウェスタンブロット法のような 標準的な免疫化学的手順、ならびにLCRFエピトープに特異的な抗体を利用し得る 他の手順における有用な適用を見出すことを提言する。 さらに、特定のケモカインに特異的なモノクローナル抗体が他の有用な適用に おいて利用され得ることを提言する。例えば、免疫吸着プロトコルにおけるこれ らの使用は、天然または組換えLCRF種、またはその改変体を精製するにおいて有 用であり得る。 一般に、LCRFに対するポリクローナルおよびモノクローナル抗体の両方は、種 々の実施態様において使用され得る。例えば、これらはLCRFまたは関連したタン パク質をコードするcDNAまたは遺伝子を得るための、抗体クローニングプロトコ ルにおいて用いられ得る。これらはまた、阻害研究において使用され得、細胞ま たは動物におけるLCRFの影響を分析し得る。抗LCRF抗体はまた、免疫局在研究に おいて有用であり得、種々の細胞性事象の間のLCRFの分布を分析し得る(例えば 、異なる生理学的条件下でのLCRFペプチドの細胞または組織特異的分布などを決 定し得る)。このような抗体は、例えば抗体アフィニティカラムを使用して、天 然または組換えLCRFを精製するにおいて、特に有用である。全てのこのような免 疫学的技術の操作は、本明細書の開示を考慮して当業者に公知である。 2.4 LCRFの組成および食欲抑制 LCRFは食欲抑制剤として、従って、体重管理の集積における可能性のある道具 として卓越した利点を有する。CCKとは異なり、LCRFは経口投与され得、従って 最少の不自由または不快を伴って患者を処置する単純な方法を提供する。 胃を空にすることに対する効果はまた、飽満に対する重要な寄与であり得、そ して飽満に対するLCRFの効果の一部は、その効果を介して、胃を空にすることを 遅延させ得る。 ペプチド剤が十二指腸に到達すると、膵臓の消化酵素による消化に供される。 LCRFは、通常、十二指腸の管腔に分泌され、そして食物タンパク質、または食物 のプロテアーゼインヒビターがペプチドを膵臓の消化酵素から保護するために存 在する場合、インタクトで残存する。経口的に有効なLCRFの処方物は食物ととも に服用されるのが最適であり得、そして食物タンパク質が腸内でペプチド剤をさ らに保護する。同様に、例えば、ペプチド剤とともにポテトプロテアーゼインヒ ビターII(POTII)またはダイズプロテアーゼインヒビターのようなプロテアーゼ インヒビターを含む処方物は、ペプチド剤の残存を増大させ、従って腸内での有 効性を増大させるために添加され得る。例えば、プロテアーゼインヒビターであ るTrasylolとともにペプチドホルモンであるバソプレッシンを経口投与すること により、ホルモンが腸内消化から十分に残存し、有効量が吸収される(Franco-Sa enzら、1979)。 腸の管腔側由来のLCRFは活性であるので、十二指腸管腔に安全に送達されるこ とのみが必要と考えられており;吸収を促進することは必要ではない。従ってほ とんどの場合、経口用調製物が好ましい。 経口投与されたLCRFは、CCKの分泌を刺激するために用いられ得る。LCRFはペ プシン感受性であるので、小腸で遊離されるように腸溶的に保護された処方物に おいて投与され得る。あるいは、ペプシンインヒビター、胃酸分泌インヒビター または伝統的な型の制酸薬とともに投与され得る。LCRFはそのアミノ酸を改変す ることによって(例えば、アルギニンをホモアルギニンに置換することによって 、または一つまたは両方のリジンを置き換えことによって)、消化に対してより 耐性にされ得る。LCRFはトリプシン感受性であるので、リジンまたはアルギニン の一つに近接するLCRFのフラグメントは生物学的コレシストキニンの放出または 他の活性を有するはずである。全長またはフラグメント化されたLCRFに対するア ミノ酸の改変または置換は、より容易に調製され、および/または消化耐性な物 質を提供することが予測される。 2.5 LCRF組成物およびインスリン分泌 LCRF組成物はインスリン分泌を刺激するために有用であることが意図される。 CCKはアミノ酸誘導性のインスリン分泌を増大することが示されている。それゆ え、インスリン分泌が欠乏したI型またはII型真性糖尿病のような症状において 、CCKは有用であり得、それゆえ経口的に活性であるLCRFのようなCCK放出ペプチ ドが有用である。さらに、CCKは胃が空になることを遅延させることによって食 物を摂食した後の上昇した血糖値を減少させ得、そして小腸および大腸の運動性 を増加させ得る。LCRFについて上記の使用が記載される場合、LCRFフラグメント 、誘導体、または所望の生物学的活性を保持するアナログを含み得ることが理解 される。 LCRFはまた、いくつかの種類の糖尿病に関連することが示されている症状であ る胃が空になることを調節するために有用である。CCKは胃が空になることの生 理学的レギュレーターとして十分に確立されている;特に、CCKは胃が空になる ことを阻害する。胃が空になることに伴う臨床的問題は、遅延的および加速的に 胃が空になることの両方を含む。I型(インスリン依存性)およびII型(インス リン非依存性、または「成人発病」)糖尿病の初期段階は、加速的に胃が空にな ることを含み、これは後に神経系が疾患により損傷された場合、遅延的に胃が空 になることに変化する。CCK放出の欠乏は、II型糖尿病における加速的に胃が空 になることに密接に関連する(Rushakoffら、1993)。LCRFは、CCKを放出する経 口用薬剤として、初期の段階の糖尿病におけるこの欠乏を克服するために、そし て疾患の進行を遅らせるために有用である。非常に多くのII型糖尿病を患う人々 (特に、合衆国内のヒスパニックおよびアジア系の集団が、特にII型糖尿病罹患 性であるので、特に高カロリーの西洋型食事をとる場合に増加している)のため に、この適用に重要な必要性が存在する。 2.6 LCRF組成物および胆嚢を空にすること LCRFはまた、胆嚢疾患、特に胆石処置の一部として使用される。このような薬 物についての必要性は、とりわけ女性、ヒスパニック系アメリカ人、原住アメリ カ人、および非常に低カロリーな体重減量プログラムを受ける人々の間で非常に 大きい。胆石は、性別、年齢、食事、社会経済的地位、および民族性に依存して 北アメリカ人集団において様々な程度の頻度で起こる。危険性は女性の方が男性 よりも数倍高く(50歳以降のカフカス人女性で15〜40%)、そして肥満に伴い増 加する。胆石は急な体重減量の間、ならびに完全非経口栄養法(TPN)の患者にお いて、劇的な頻度で起こる。60歳を越えるヒスパニック系アメリカ人女性におい て、発病率は約44%の高さである。規定された集団において報告された最高値は 、南西アメリカのピマインディアンの成人女性における70%である。 胆石形成の原因は複雑であるが、共通の特徴は、胆嚢の低減した運動性であり 、低頻度および低完全性に空になることが生じると考えられている。小さい胆石 が形成されても、それらが臨床的に問題となるほど大きくなる前に、定期的にお よび完全に空になることによって、小さい胆石を十二指腸に無害に放出する。コ レシストキニンは胆嚢が空になることの主要因子であるため、少なくともある程 度の不完全に胆嚢が空になることは、完全に胆嚢が空になることのためのCCKの 放出が不十分であることによる。経口投与されたLCRFにより促進されたCCK放出 は、胆石の傾向がある人々の胆嚢が空になることを改善し、胆嚢疾患の発病率を 減少させ、従って高価な臨床的介入の必要性を減少させる。 2.7 組換えLCRFポリペプチド タンパク質またはポリペプチドの組換えバージョンは、本発明の一部として意 図される。従って、当業者に知られた技術を使用して、組換え細胞においてポリ ペプチドの組換えバージョンを発現させてそのような細胞からポリペプチドを得 ることができる。技術は、DNAライブラリーからポリペプチドをコードするDNA分 子をクローニングすることに基づく(すなわち、他のDNAから区別される特定のD NA分子を取得することに基づく)。例えば、cDNA分子をクローニングし得るか、 またはゲノムDNAをクローニングし得る。これらのような技術はまた、本発明に 従うミュータシンポリペプチドの産生に適切である。 2.8 LCRF遺伝子 当業者に公知のように、治療養生法に使用される組換え遺伝子またはDNAセグ メントの元々の供給源は、処置される動物と同じ種である必要はない。このこと に関しては、任意の組換えLCRF遺伝子が、LCRFまたはLCRFの改変体をコードする DNAを含む細胞の同定のような、本明細書中に開示される方法において用いられ 得ることが意図される。 特に好ましい遺伝子は、ヒトから単離された遺伝子である。しかし、LCRFポリ ペプチドをコードする遺伝子の配列相同性は、種系統全体で保存されていると予 想されるので、このような遺伝子およびDNAセグメントが容易に利用可能である 点で、ウマ、ネズミ、およびウシの種もまた供給源として意図されるが、ヒトま たはネズミ型の遺伝子がヒトの処置養生法における使用に最も好ましい。単離さ れたDNAセグメントまたは遺伝子によってコードされた組換えタンパク質および ポリペプチドは、しばしば、組換えについては接頭辞「r」、および組換えヒト については「rh」と呼ばれる。このように、rLCRFをコードするDNAセグメントま たはrLCRF関連遺伝子などは、特に本発明と関連して有用であることが意図され る。任意の組換えLCRF遺伝子は、同様に、本発明の方法とともに有用である。 LCRFポリペプチドをコードするDNAの単離により、当業者に周知な方法および 本明細書中に記載される方法を用いて、特定のアミノ酸に対するコドンを、その コドンが所定の種についての「好ましい使用頻度」コドンであるように変化させ ることを可能にする。従って、例えば、好ましいコドンは、哺乳動物種と比較す ると、細菌種について顕著に変化する;しかし、関連した種間であってさえ、優 先性がある。以下に示すものは、ラットおよびヒトについての優先コドン使用頻 度の表である。LCRFをコードするラットDNAの単離により、好ましいヒトコドン について置換することが可能になるが、ヒトDNA由来の発現されたポリペプチド 産物は、哺乳動物LCRFと高度に相同であることが予想され、それゆえ構造的およ び機能的にラット由来で単離されたLCRFと等価であることが予想される。 本明細書中で使用する「LCRF遺伝子」の定義は、比較的ストリジェントなハイ ブリダイゼーション条件下(例えば、Maniatisら、1982を参照のこと)で、以前 から公知のサイトカイン遺伝子配列を含むDNA配列にハイブリダイズする遺伝子 である。本明細書中で使用する「CCK放出因子遺伝子」の定義は、比較的ストリ ジェントなハイブリダイゼーション条件下で、以前から公知のCCK放出因子配列 を含むDNA配列にハイブリダイズする遺伝子である。 LCRF遺伝子セグメントまたはcDNAを調製するために、本明細書中に開示された 教示およびまた、特に、本明細書中に参考された任意の特許または科学文献の教 示に従い得る。上記のヌクレオチド配列に基づく配列を用いるプライマーまたは プローブを使用して、ポリメラーゼ連鎖反応(PCRTM)、またはcDNAもしくはゲノ ムライブラリーのスクリーニングのような分子生物学的技術を用い、rLCRFまた は他のCCK放出因子をコードするDNAセグメントを得ることができる。このような フラグメントは、例えば、化学的手段によるフラグメントの直接的合成、米国特 許第4,683,195号および同第4,683,202号(本明細書中に参考として援用される) のPCRTM技術のような核酸複製技術の適用によって容易に調製され得る。これら の技術の実施は、当業者には日常的な事柄であり、本明細書中に参考として援用 される種々の科学の教科書(例えば、Sambrookら、1989を参照のこと)に教示さ れる。特定の文献はさらに詳細に、適切な哺乳動物発現ベクターを記載する(例 えば、米国特許第5,168,050号、本明細書中に参考として援用される)。本発明 の方法のある局面における使用のために特に好ましいLCRF遺伝子およびDNAセグ メントは、LCRFおよびLCRF関連ポリペプチドをコードするLCRF遺伝子およびDNA セグメントである。 また、CCK放出因子ペプチド、タンパク質、またはポリペプチドをコードする 遺伝子またはcDNAをさらにクローニングし得ることが意図される。DNA分子をク ローニングするための技術、すなわち、DNAライブラリーから他のDNAの部分とは 異なる特定のコード配列を取得することは、当該分野において周知である。これ は、例えば、適切なDNAライブラリーをスクリーニングすることによって達成さ れ得る(これは、LCRFのようなケモカイン遺伝子のクローニングに関連する)。 スクリーニング手順は、関連サイトカインタンパク質をコードする公知のDNA配 列のアミノ酸配列の考慮した一部から設計された、オリゴヌクレオチドプローブ のハイブリダイゼーションに基づき得る。このようなスクリーニングの操作は当 業者には周知であり、そして科学文献(例えば、Sambrookら、1989を参照のこと )に詳細に記載されている。 コードされるタンパク質、またはポリペプチドの機能的特性を改変するように 設計されるヌクレオチド配列に変化を導入する技術は、当該分野において周知で ある(例えば、米国特許第4,518,584号、本明細書中に参考として援用する)。 この技術は本明細書中でより詳細に記載される。このような改変は、塩基の欠失 、挿入、または置換を含み、従って、アミノ酸配列における変化を含む。変化は タンパク質のサイトカイン活性を増大するように、その生物学的安定性または半 減期を増強するように、グリコシル化パターンを変化するなどのようになされ得 る。ヌクレオチド配列に対するこのような全ての改変は、本発明によって包含さ れる。 2.8.1 LCRFをコードするDNAセグメント 本発明はまた(一般的および全体にわたる意味で)、新規な遺伝子、lcr(新 規なCCK放出ポリペプチドであるLCRFをコードする)の単離および特徴付けに関 する。本発明の好ましい実施態様は、配列番号1の部分アミノ酸配列を少なくと も有するタンパク質をコードする精製された核酸セグメントである。本発明の他 の実施態様は、(配列番号2のヌクレオチド配列を含むとしてさらに定義される )精製された核酸セグメントである。 より好ましい実施態様では、精製された核酸セグメントは、配列番号2のヌク レオチド配列、その相補体および縮重体から本質的になる。本明細書で用いられ る用語「核酸セグメント」および「DNAセグメント」は交換可能に用いられ、そ して特定の種の全ゲノムDNAを含まない単離されるDNA分子をいう。従って、本明 細書中で用いられる「精製された」DNAまたは核酸セグメントは、全ゲノムDNA( 例えば、全cDNAまたはヒトゲノムDNA)から単離または精製されるLCRFをコード ずる配列を含むDNAセグメントをいう。用語「DNAセグメント」の範囲内に含まれ るのは、DNAセグメントおよびそのようなセグメントのより小さなフラグメント 、そしてまた組換えベクター(例えば、プラスミド、コスミド、ファージ、ウ ィルス、などを含む)である。 同様に、単離または精製されたlcr遺伝子を含むDNAセグメントは、他の天然に 存在する遺伝子またはタンパク質をコードする配列から実質的に離れて単離され る配列をコードするLCRFを含むDNAセグメントをいう。この点において、用語「 遺伝子」は、機能的なタンパク質、ポリペプチドまたはベプチドをコードする単 位として簡単にいうために用いられる。当業者に理解されているように、この機 能的な用語は、ゲノム配列、cDNA配列またはその組み合わせを含む。「他のコー ド配列から実質的に離れて単離される」は、目的遺伝子(この場合はlcr)がDNA セグメントのコード領域の重要な部分を形成するということ、しかもこのDNAセ グメントが大きな染色体フラグメントまたは他の機能的な遺伝子またはcDNAコー ド領域のようなコード領域を天然に存在するコードDNAの大きな部分を含まない ということを意味している。もちろん、これは、当初単離され、そして人間の手 によって後にセグメントに付加される遺伝子またはコード領域を排除しないDNA セグメントをいう。 特定の実施態様において、本発明は、単離されたDNAセグメント、およびlcr遺 伝子をコードするDNA配列(そのアミノ酸配列内に配列番号1のアミノ酸配列を 含む)を取り込む組換えベクターに関する。さらに、他の特定の実施態様におい て、本発明は、単離されたDNAセグメントおよび遺伝子をコードするDNA配列を取 り込む組換えベクター(そのアミノ酸配列内にマウスのlcrに対応するlcr遺伝子 のアミノ酸配列を含む)に関する。 本発明の他の好ましい実施態様は、配列番号1のタンパク質をコードする精製 された核酸セグメントであり、さらに、組換えベクターとして規定される。明細 書中で用いられる用語「組換えベクター」は、LCRFタンパク質またはそのフラグ メントをコードする核酸セグメントを含むために改変されたベクターをいう。組 換えベクターは、上記LCRFをコードする核酸セグメントに作動可能に連結された プロモーターを含む発現ベクターとしてさらに規定され得る。 本発明のさらに好ましい実施態様は、宿主細胞(lcr遺伝子を含む組換えベク ターで組み換えられる)である。組換え宿主細胞は原核生物細胞であり得る。よ り好ましい実施態様において、組換え宿主細胞は真核生物細胞である。本明細書 中で用いられる用語「操作された」または「組換え」細胞は、組換え遺伝子(例 えば、LCRFをコードする遺伝子)が導入される細胞をいうことが意図される。従 って、操作された細胞は、天然に存在する細胞(組換え的に導入された遺伝子を 含まない細胞)と区別できる。操作された細胞は、従って、人間の手を介して導 入される遺伝子または遺伝子群を有する細胞である。組換え的に導入された遺伝 子は、cDNA遺伝子(すなわちイントロンを含まない)の形態、ゲノム遺伝子のコ ピーであるか、特定の導入された遺伝子を本来伴わないプロモーターに隣接して 位置する遺伝子を含むかのいずれかである。 概して、組換え遺伝子として遺伝子のcDNA形を使用することがより便利であり 得る。cDNA形の使用は、遺伝子のサイズが、代表的にはcDNA遺伝子よりも一次の オーダーまで大きいゲノム遺伝子より一般的にかなり小さく、そして標的細胞を トランスフェクトするためより容易に使用されるという利点を提供すると考えら れる。しかし、本発明者らは、所望される特定の遺伝子のゲノム形を使用する可 能性を排除しない。 特定の実施態様においては、本発明は、単離されたDNAセグメントおよび、タ ンパク質またはペプチド(そのアミノ酸配列内で配列番号1に本質的に呈示され るようなアミノ酸配列を含む)をコードする組換えベクターに関する。本来、DN Aセグメントまたはベクターが完全長のLCRFタンパク質をコードするか、またはL CRFタンパク質を発現することにおける使用のために意図される場合、もっとも 好ましい配列は、本質的に配列番号1に呈示されるような配列である。配列番号 1は、lcr遺伝子によってコードされる完全長のタンパク質の67〜70またはそのよ うなアミノ酸の41を示し、しかも予期される実施態様は、完全長までの配列およ び機能的改変体を含むことが認識される。 用語「本質的に配列番号1に呈示されるような配列」は、配列が配列番号1の 一部分に実質的に相当し、そして配列番号1のアミノ酸と同一でない少数のアミ ノ酸を有するか、または配列番号1のアミノ酸の生物学的に機能的な相当物であ るということを意味する。用語「生物学的に機能的な相当物」は、当該分野では 良く理解され、そして本明細書中で詳細にさらに、本質的に配列番号1に呈示さ れるような配列を有し、しかもLCRFファミリーにおいて構成的に産生されるCCK 放出因子と関連すると定義されている。従って、配列番号1のアミノ酸と同一ま たは機能的に等価なアミノ酸の配列の約70%と約80%との間;またはより好まし くは、約81%と約90%との間;またはさらにより好ましくは、約91%と約99%と の間;を有する配列は、「本質的に配列番号1に呈示されるような」配列である 。 特定の他の実施態様においては、本発明は、それらの配列内に本質的に配列番 号2に呈示されるような核酸配列を含む、単離されたDNAセグメントおよび組換 えベクターに関連する。用語「本質的に配列番号2に呈示されるような」は、上 記に示されたのと同じ意味で用いられ、そして核酸配列が、実質的に、配列番号 2の一部分に相当し、そして配列番号2のコドンと同一でない、または機能的に 等価ではない比較的少数のコドンを有することを意味する。本明細書で用いられ る用語「機能的に等価なコドン」は、表1に呈示されるような同じアミノ酸をコ ードするコドン(例えばアルギニンまたはセリンの6つのコドン)、そしてまた 、生物学的に等価なアミノ酸をコードするコドンをいう。 また、アミノ酸および核酸配列は、付加的な残基(例えば付加的なN-またはC- 末端アミノ酸、または5'または3'配列)を含み得、そしてなおタンパク質発現 に関係する場合に生物学的なタンパク質活性の維持を含んで、配列が上記に呈示 される基準に合致する限り、本質的に、本明細書中に開示された配列の一つに呈 示されるようであることがまた理解される。末端配列の付加は、特に、例えば、 コード領域の5'または3'部分のいずれかに隣接する種々の非コード領域配列を 含み得るかまたは遺伝子内にあることが知られている種々の内部配列(すなわち イントロン)を含み得る核酸配列に適用する。 イントロンまたはフランキング領域を除いて、そして遺伝コードの縮重を許容 して、配列番号2のヌクレオチドと同一であるヌクレオチドの約70%と約80%と の間;またはより好ましくは、約80%と約90%との間;またはさらにより好まし くは、約90%と約99%との間;を有する配列は「本質的に配列番号2に呈示され るような」配列である。配列番号2に呈示される配列と本質的に同じである配列 はまた、比較的ストリンジェントな条件下で、配列番号2の相補物を含む核酸セ グメントにハイブリダイズし得る配列として機能的に定義される。適切な比較的 ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、当業者に周知であり、そし て本明細書に明確に、例えば、サザンおよびノーザンブロット解析とともに使用 する条件、および本明細書中に呈示される実施例に記載されるように呈示される 。 本来的に、本発明はまた、配列番号2で呈示される配列に相補的である、また は本質的に相補的であるDNAセグメントを含む。「相補的」である核酸配列は、 標準のワトソン−クリック相補性ルールに従って塩基対合し得る核酸配列である 。本明細書で用いられる用語「相補的配列」は、上記で呈示されるのと同じヌク レオチド比較によって評価され得るように、または比較的ストリンジェントな条 件下で、配列番号2の核酸セグメントにハイブリダイズし得るとして定義される ように、実質的に相補的である核酸配列を意味する。 本発明の核酸セグメントは、コード配列自身の長さにかかわらず、他のDNA配 列(例えばプロモーター、ポリアデニル化シグナル、付加された制限酵素部位、 マルチクローニング部位、他のコードセグメント、など)に、それらの全長がか なり変わり得るように結合され得る。従って、ほとんど全ての長さの核酸フラグ メント、調製の容易さおよび意図された組換えDNAプロトコル使用によって制限 され好ましくは全長が使用され得ることが意図される。例えば、核酸フラグメン トは、配列番号2に相補的な短いストレッチ(stretch)(例えば、長さが約10 〜15または20、30、または40程度の、および200程度の塩基対)を含んで調製さ れ得る。全長約500、200、100および約50塩基対の長さのDNAセグメントがまた、 有用であることが期待される。 本発明の好ましい実施態様は、配列番号2の核酸配列に相当する、またはそれ に相補的である、少なくとも14ヌクレオチド長のストレッチを含む核酸セグメン トである。より好ましい実施態様では、核酸はさらに、配列番号2の核酸配列に 相当する、またはそれに相補的である、少なくとも20ヌクレオチド長のストレッ チ、30ヌクレオチド長のストレッチ、50ヌクレオチド長のストレッチ、100ヌク レオチド長のストレッチ、または少なくとも200ヌクレオチド長のストレッチ含 むとして定義される。核酸セグメントは、さらに、配列番号2の核酸配列を有す るとして定義され得る。 本発明の関連する実施態様は、配列番号2の核酸に相当する、またはそれに相 補的なである、少なくとも14ヌクレオチド長のストレッチを含む、核酸セグメン トであり、さらに長さが10,000塩基対までの核酸フラグメントを含むとして定義 される。さらに好ましい実施態様は、配列番号2の14ヌクレオチドから5,000塩 基対長、3,000塩基対長、1,000塩基対長、500塩基対長、または100塩基対長まで のを含む核酸フラグメントの場合である。 本来的に、本発明は、配列番号2および1の特定の核酸およびアミノ酸配列に 制限されないことも理解される。従って、組換えベクターおよび単離されたDNA セグメントは、LCRFコード領域自身、基本コード領域における選択された変形ま たは改変を有するコード領域を様々に含み得、またはそれらの大きなポリペプチ ド(しかしLCRFコード領域を含む)をコードし得、または改変体アミノ酸配列を 有する生物学的に機能的な等価タンパク質またはペプチドをコードし得る。 本発明のDNAセグメントは、生物学的に機能的な等価LCRFタンパク質およびペ プチドを包含する。そのような配列は、核酸配列そしてそれゆえコードされるタ ンパク質内で天然に生じることが知られているコドン重複および機能的等価性の 結果として生じ得る。あるいは、機能的に等価なタンパク質またはペプチドは、 変更されるアミノ酸の特性の考慮に基づいて、タンパク質構造の変化が操作され 得る組換えDNA技術の適用により作成され得る。人間によって設計された変化は 、例えば、LCRFタンパク質の抗原性に対する改善を導入するため、または分子レ ベルで種々の細胞および組織中のLCRFペプチドの活性を試験するため、また、存 在を決定するためにLCRF変異体を試験するために、部位特異的変異誘発技術の適 用により導入され得る。 本発明の好ましい実施態様は、配列番号1と相当するアミノ酸配列を有するポ リペプチドを含む精製された組成物である。明細書で使用される用語「精製され た」は、LCRFタンパク質組成物をいうことが意図され、ここでLCRFタンパク質は 、その天然に入手可能な状態に対する(すなわち、この場合、真核生物細胞抽出 物中のその純度に対する)任意の程度まで精製される。LCRFタンパク質の単離の ための好ましい細胞は、膵臓または腸絨毛細胞である。しかし、LCRFタンパク質 はまた、本開示を考慮して当業者に公知であるように、患者標本、組換え細胞、 組織、単離された組織亜集団などから単離され得る。従って、精製されたLCRFタ ンパク質組成物はまた、天然に生じ得る環境から脱した、配列番号1のアミノ酸 配列を有するポリペプチドをいう。 所望であれば、融合タンパク質および融合ペプチド、例えば、精製または免疫 検出目的のために(例えば、それぞれ、アフィニティークロマトグラフィーによ って精製され得るタンパク質および酵素ラベルコード領域)、LCRFコード領域が 所望の機能を有する他のタンパク質またはペプチドと同じ発現ユニット内に配置 されて調製され得る。 cDNA由来に基づくかまたはゲノムDNAのいずれかのlcr遺伝子の発現についてい えば、LCRFタンパク質の組換え調製のための発現系の調製を進行し得る。原核生 物または真核生物系における発現のためのDNAセグメント(単数または複数)は 、組換え発現の当業者に一般に公知である技術によって実施され得る。例えば、 細菌発現の便利な手段であるLCRF-GST(グルタチオン−S−トランスフェラーゼ )融合タンパクを調製し得る。しかし、事実上、任意の発現系が、LCRFの発現で 使用し得ると考えられる。 LCRFは真核生物発現系において首尾良く発現され得るが、本発明者らは、全て の目的のために、細菌発現系がLCRFの調製に用いられ得ると考える。lcr遺伝子 を含むcDNAは、コードされたタンパク質が、β−ガラクトシターゼ、アビジン、 ユビキチン、Schistosoma japonicumのグルタチオンS−トランスフェラーゼ、多 重ヒスチジン、エピトープ−タグなどとの融合物として発現されて細菌発現系に おいて個々に発現され得る。細菌発現は最終的に、使用の容易さおよびそれによ って得られる物質の質という点において、真核生物発現を超える利点を有すると 考えられる。 LCRFをコードするDNAセグメントを用いた宿主細胞の形質転換は、LCRFタンパ ク質を得るための簡便な手段を提供することが提案される。また、cDNA、ゲノム 配列、およびその組み合わせが、真核生物発現に適切であることが提案される。 もちろん、宿主細胞は、ゲノム転写物をプロセッシングしタンパク質に翻訳する ための機能的なmRNAを生じる。 他の実施態様は、核酸発現およびタンパク産生物を可能にする条件下で、配列 番号1のアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするベクターを含む組換え宿主 細胞を増殖させる工程、次いでそのように産生されるタンパク質を回収する工程 含むタンパク質組成物を調製する方法である。宿主細胞、核酸発現、タンパク質 産生を可能にする条件および回収は、lcr遺伝子の本開示を考慮すれば、当業者 に公知である。 2.8.2 遺伝子構築およびDNAセグメント 本明細書で使用される用語「遺伝子」および「DNAセグメント」の両方は、特 定の種の全ゲノムDNAを含有せずに単離されたDNA分子をいうために用いられる。 従って、LCRFポリペプチドをコードする遺伝子またはDNAセグメントは、LCRFタ ンパク質をコードする配列を含むDNAセグメントをいうが、しかしDNAが得られる 種の全ゲノムDNAから単離(または精製)される。「DNAセグメント」という用語 に含まれるのは、DNAセグメントおよびそのようなセグメントの小さなフラグメ ント、そしてまた、組換えベクター(例えばプラスミド、コスミド、ファージ、 レトロウィルス、アデノウィルスなどを含む)である。 用語「遺伝子」は、機能的なタンパク質またはペプチドをコードする単位を簡 潔にいうために用いられる。当業者に理解されるように、この機能的な用語は、 ゲノム配列とcDNA配列の両方を含む。「他のコード配列から実質的に単離される 」は、目的の遺伝子、この場合、CCK放出因子遺伝子が、DNAセグメントのコード 領域の重要な部分を形成し、しかもこのDNAセグメントが天然に存在するコードD NA(例えば、大きな染色体フラグメントまたは他の機能的遺伝子またはcDNAコー ド領域)の大きな部分を含まないことを意味する。もちろん、これは、当初単離 されるようなDNAセグメントをいい、そして後にひとの手によってセグメントに 付加される、遺伝子またはコード領域(例えばリーダーペプチドまたは標的配列 をコードする配列)を排除しない。 2.8.3. LCRFを発現する組換えベクター 本発明の特定の局面は、LCRFをコードするDNAセグメントおよびlcr DNAセグメ ントを含む組換えベクターを利用するための新規な方法を提供する。当業者に周 知のように、そのようなベクターの多くが容易に入手し得、哺乳動物細胞中の発 現のための適切なベクターの一つの詳細な例は、本明細書中に参考として援用 される米国特許第5,168,050号に記載されるベクターである。しかし、高度に精 製されたベクターが使用されるという要求は、使用されるコードセグメントがLC RFタンパク質をコードし、そして細胞に対する副作用を有し得る任意のコード配 列または調節配列を含まない限りない。従って、有用な核酸配列は、付加的な残 基、例えばコード領域の5’または3’部分のいずれかに隣接する付加的な非コ ード配列を含み得るか、または遺伝子内で生じることが知られている種々の内部 配列(すなわち、イントロン)を含み得るということもまた理解される。 適切なLCRFコード遺伝子またはDNA分子を同定した後、当該分野において現在 知られた多くのベクターの任意の一つに挿入し得、その結果、それは、宿主細胞 に取り込まれたとき、LCRFタンパク質の発現および産生を行う。組換え発現ベク ターにおいて、DNAセグメントのコード部分はプロモーターの制御下に配置され る。プロモーターは、例えば、組換えクローニングおよび/またはPCRTM技術を 用いて、本明細書に記載される組成物と組み合わせ、コードセグメントまたはエ キソンの上流に位置する5’非コード配列を単離することによって、得られ得る ような、本来的にLCRFコード遺伝子をともなうプロモーターの形態であり得る。 特定の実施態様では、組換え体の、または異種のプロモーター制御下に、LCRF をコードするDNAセグメントを配置することによって特定の利点が得られると考 えられる。本明細書で用いられるように、組換えまたは異種のプロモーターは、 天然の環境においてlcr遺伝子と通常連結していないプロモーターをいうことが 意図される。そのようなプロモーターは、通常、他のCCK放出ポリペプチド遺伝 子を連結するプロモーター、および/または任意の他の細菌、ウィルス、真核生 物、または哺乳動物の細胞から単離されるプロモーターを含み得る。本来的に、 LCRF遺伝子を含むベクターを含む特定の細胞中のDNAセグメントの発現を効果的 に行うプロモーターを使用することが重要である。 タンパク質発現を達成する組換えプロモーターの使用は、一般に、分子生物学 の当業者に公知であり、例えば、Sambrookら(1989)、を参照のこと。使用され るプロモーターは、構成的または誘導性であり得、そして誘導されるDNAセグメ ントの高レベルまたは、調節された発現を行う適切な条件下で使用され得る。現 在好ましいプロモーターは、CMV、RSV LTR、単独のSV40プロモーター、およびSV 40エンハンサーと組み合わせたSV40プロモーターのようなプロモーターである。 2.9 DNAトランスフェクションの方法 細胞にDNAを導入する技術は当業者に周知である。細胞に遺伝子を送達する4 つの一般的な方法が記載されている:(1)化学的方法(GrahamおよびVanDerEb ,1973);(2)マイクロインジェクション(Capecchi,1980)、エレクトロポー レーション(WongおよびNeumann,1982;Frommら、1985)および遺伝子銃(Yangら 、1990)のような物理的方法;(3)ウィルスベクター(Clapp,1993;Danosおよ びHeard,1992;EglitisおよびAnderson,1988);および(4)レセプター仲介メ カニズム(Wuら、1991;Curielら、1991;Wagnerら、1992)。 2.9.1 リポソームおよびナノカプセル リポソームの形成および使用は、一般に、当業者に公知である(例えば、細胞 内細菌感染および疾患の標的抗体治療におけるリポソームおよびナノカプセルの 使用を記載するCouvreurら、1991を参照のこと)。近年、改良された血清安定性 および循環半減期を有したリポソームが開発された(GabizonおよびPapahadjopo ulos,1988;AllenおよびChoun,1987)。以下は、これらのDNA送達方法を要約した 記載である。 ナノカプセルは、一般に、安定および再現性のある方法で化合物を捕捉し得る (Henry-Michellandら、1987)。細胞内ポリマー過負荷による副作用を回避する ために、そのような超精微粒子(約0.1mm)は、インビボで分解可能なポリマー を用いて設計されるべきである。これらの要求に合致する、生分解性のポリアク リル−シアノアクリレートナノ粒子(nanoparticle)が、本発明における使用に 意図され、そして、そのような粒子は(Couvreurら、1984;1988)に記載されて いるように、容易に作成され得る。 リポソームは、水性媒体中で分散されそして多重膜の同軸二重層ビヒクル(ま た、多重膜ビヒクル(MLV))を自発的に形成するリン脂質から形成される。MLV は、一般に、25nmから4mmの二量体を有する。MLVの超音波破砕は、核中に水溶 液を含む、直径の200から500Åの範囲の小さな単膜ビヒクル(SUV)を形成する 。 Couvreurら(1991)の教示に加えて、以下の情報から、リポソーム処方物を生 成することで利用され得る。リン脂質は、水に対する脂質のモル比に依存して、 水中で分散するとき、リポソームとは異なる種々の構造を形成し得る。低い比で は、リポソームは好ましい構造である。リポソームの物理的特徴は、pH、イオン 強度、および二価カチオンの存在に依存する。リポソームは、イオン性および極 性物質に低い浸透性を示し得るが、高温では、それらの浸透性を著しく改変する 相転移を受ける。相転移は、ゲル状態として知られている緊密にパックされ配列 された構造から流動状態として知られる緩くパックされより配列されていない構 造への変化を含む。これは、特徴的な相転移温度で起こり、そしてイオン、糖お よび薬物に対する浸透性の増加をもたらす。 リポソームは、4つの異なるメカニズムを経て細胞と相互作用する:マクロフ ァージおよび好中球のような細網内皮系の食細胞によるエンドサイトーシス;非 特異的な弱い疎水性または静電力によるか、または細胞表面成分との特異的相互 作用よるかいずれかの細胞表面の吸着;リポソーム内容物のなんらかの関与を伴 わない細胞質中へのリポソーム内容物の同時放出を伴う原形質膜中へのリポソー ム脂質二重層の挿入による原形質細胞膜との融合、;および細胞または細胞下膜 へのリポソーム脂質の移入、またはその逆による。しばしば、どのメカニズムが 作動するか決定することは困難であり、そして一つ以上が同時に作動し得る。 2.10 LCRFの発現 LCRFの発現のために、一旦適切な(所望であれば、完全長の)クローンまたは 複数のクローンが得られたなら、それがcDNAに基づくかゲノム性かどうかにかか わらず、続いてLCRFの組換え調製物のための発現系を調製し得る。原核生物また は真核生物系における発現のためのDNAセグメント(単数または複数)の操作は 、組換え発現の当業者に一般に公知である技術によって実施され得る。事実上任 意の発現系が、LCRFの発現に使用し得ると考えられる。 LCRFは、真核生物発現系で首尾良く発現し得るが、細菌発現系が、全ての目的 にLCRFの調製に好適であり得ることもまた考えられた。LCRFのcDNAは、β−ガラ クトシターゼ、ユビキチン、Schistosoma japonicumのグルタチオンS−トランス フェラーゼ、グリーン蛍光タンパク質などとの融合として発現されるコードタン パク質となどともに、細菌発現系で個々に発現され得る。細菌発現は、最終的に 使用の容易さおよびそれによって得られる物質の量に関して、真核生物発現を超 える利点を有すると考えられる。 LCRFをコードするDNAセグメントを用いた宿主細胞の形質転換が、LCRFペプチ ドを得るための簡便な手段を提供することが提案される。もちろん、宿主細胞が 、ゲノム転写物をプロセッシングしてタンパク質への翻訳のための機能的なmRNA を生じるとき、cDNAおよびゲノム配列の両方が、真核生物発現に適している。 同様に、ほとんどのすべての真核生物発現系が、LCRFの発現に利用され得ると 考えられる。例えば、バキュロウィルス由来を基礎にした、グルタミンシンター ゼを基礎にした、またはジヒドロ葉酸レダクターゼを基礎にした系が使用され得 る。しかし、好ましい実施態様では、pCMVシリーズ(例えば、pCMV5)の真核生 物ベクターによって例示されるような、複製起点と効率的な真核生物プロモータ ーを取り込んだプラスミドベクターが、最も使用される。 この様式における発現には、一つは、プロモーターに隣接し、かつその制御下 にコード配列を配置し得る。当該分野では、そのようなプロモーターの制御下に コード配列を置くために、選択されたプロモーターの約1〜約50ヌクレオチド「 下流」(すなわち、3’)のタンパク質の転写リーディングフレームの転写開始 部位の5’末端を配置するということが理解される。 真核生物発現が意図される場合、代表的には、もとのクローン化されたセグメ ント内にポリアデニル化部位が含まれなかった場合、適切なポリアデニル化部位 (例えば、5’-AATAAA-3’)をLCRFを含む転写単位中に取り込むことが所望さ れる。代表的には、ポリA付加部位は、転写終結の前の所定の位置でタンパク質 の終結部位の約30〜2000ヌクレオチド「下流」に配置される。 翻訳エンハンサーはまた、ベクターDNAの一部として取り込まれ得る。従って 、本発明のDNA構築物はまた、好ましくは、一つまたはそれ以上の、得られるmRN A転写物からの遺伝子産物の発現を増強するために供され得る5’非翻訳リーダ ー配列を含むべきである。そのような配列は、遺伝子を発現するために選択され るプロモーターに由来し得るか、またはRNAの翻訳を増加するために特異的に改 変 され得る。そのような領域はまた、ウィルスRNA由来、適切な真核生物遺伝子由 来、または合成遺伝子配列由来(Griffithsら、1993)であり得る。 そのような「エンハンサー」配列は、得られる・RNAの翻訳効率の増加または 改変のために所望され得る。本発明は、エンハンサーが本来の5’非翻訳プロモ ーター配列由来である構築物に制限されず、他のエンハンサー転写アクチベータ ーまたは遺伝子のような他の非関連のプロモーター由来の非翻訳リーダー配列を 含み得る。 実質的に全ての通例使用される宿主細胞が、本発明のLCRFgの発現と組み合わ せて使用され得ることと考えられる。例としては、代表的には、真核生物発現に 使用される細胞株(例えば、239、AtT-20、HepG2、VERO、HeLa、CHO、WI38、BHF 、COS-7、RINおよびMDCK細胞株)を含む。 LCRFは「過剰発現」すなわち、ヒト細胞中のその自然な発現に対して、または 、LCRFをコードするDNAセグメントを含む組換え宿主細胞中の他のタンパク質の 発現に対してでさえ、増加したレベルで発現され得る。そのような過剰発現は、 種々の方法(放射能標識および/またはタンパク質精製を含む) によって評価され得る。しかし、簡単で直接的な方法は、好ましくは、例えば、 SDS/PAGEおよびタンパク質染色またはウエスタンブロッティング、次いで、定量 分析(例えば、得られるゲルまたはブロットのデントメトリー走査)による方法 である。天然のLCRF産生動物細胞中のレベルに対する比較で組換えタンパク質ま たはペプチドのレベルの特異的な増加は、宿主細胞によって産生される他のタン パク質に対する、特定のタンパク質の相対的な豊富さ、例えば、ゲル上で見られ るとき、過剰発現の指標である。 本明細書で用いられる用語、「操作された」または「組換え」細胞は、組換え 遺伝子(例えば、LCRFペプチドをコードする遺伝子)が導入された細胞をいうた めに意図される。従って、操作された細胞は、組換え的に導入された遺伝子を含 まない天然に存在する細胞と区別し得る。従って、操作された細胞は、人間の手 により導入された遺伝子または遺伝子群を持つ細胞である。組換え的に導入され た遺伝子は、cDNA遺伝子(すなわち、それらはイントロンを含まない)、ゲノム 遺伝子のコピーの形態であるか、または特定の導入された遺伝子と天然には結合 していないプロモーターに隣接して配置される遺伝子を含むかのいずれかである 。 組換えLCRFは、特定の様式で、天然に産生されたLCRFとは異なり得ると理解さ れている。特に、翻訳後の改変(例えば、グリコシル化およびリン酸化)の程度 は、組換えLCRFと天然の供給源(例えば腸分泌物)から精製されたLCRFポリペプ チドとの間では異なり得る。 概して、組換え遺伝子として遺伝子のcDNA形を使用することが、より簡便であ り得る。cDNA形の使用は、遺伝子のサイズが一般に、ゲノム遺伝子(代表的には cDNA遺伝子より1オーダーの大きさまで大きい)よりかなり小さく、そして標的 細胞をトランスフェクトするためにより容易に使用し得るという利点を提供する と考えられる。しかし、本発明者らは、所望される場合特定の遺伝子のゲノム形 を使用する可能性を排除しない。 上記の手段の任意またはその組み合わせによる適切なDNA分子の同定の後、DNA は、次いで、当該分野で現在公知である多くのベクターの任意の一つに挿入され 、そして、タンパク質のいわゆる「組換え」形の発現および産生を行う原核生物 または真核生物宿主細胞に移入され得る。組換え宿主細胞は、S.mutans、E.coli 、S.cerevisae、Bacillus sp.、Lactococci sp.、Enterococci sp.またはSalmon ella sp.から成る群から選択され得る。特定の好ましい実施態様において、組換 え宿主細胞は、recA表現型を有する。 前述の遺伝子の一つまたはそれ以上の組換え形の導入が要求される場合、例え ば、操作のために選択された細胞型中の遺伝子の発現を効果的に行うプロモータ ー制御下にあるように、遺伝子をを導入することは重要である。一般に、目的の 遺伝子の構成的な(一定の)発現を許容するプロモーターを使用することが所望 される。従来使用される構成的なプロモーターは、一般に、ウィルス起源であり 、そしてサイトメガロウィルス(CMV)プロモーター、Rous肉腫長末端反復(LTR )配列、およびSV40初期遺伝子プロモーターを含む。これらの構成的なプロモー ターの使用は、導入された遺伝子の高度な一定レベルの発現を確実にする。目的 の導入された遺伝子の発現レベルは、異なるクローンで、多分、染色体DNA中の 組換え遺伝子の挿入部位の機能として変動し得る。従って、特定の組換え遺伝子 の発現のレベルは、各トランスフェクション実験に由来する異なるクローンを評 価 することによって選択され得る;その株が選択されれば、構成的なプロモーター は、所望のレベルの発現が永久に維持されることを確実にする。また、操作する ために使用される細胞型に特異的であるプロモーター(例えば、インスリノーマ 細胞株中のインスリンプロモーター、または下垂体前葉細胞株中のプロラクチン または成長ホルモンプロモーター)を使用することもまた可能であり得る。 2.10.1 LCRFの増強産生 天然供給源から単離されたLCRFに伴う問題の一つは、低収率および長い精製工 程である。本発明の一つの局面は、グラム陽性またはグラム陰性細菌細胞に形質 転換するためのDNA構築物を使用する、細菌宿主における組換え方法論によるLCR Fの増強産生である。例えば、Escherichia coli発現系の使用は、Bacillus subt ilisまたはStreptococcus sanguisのような他の細菌種の使用と同様に当業者に 周知である。 本発明の更なる局面は、新規なLCRFおよびその改変体をコードするDNAを取り 込んだ高発現ベクターを含む。他の系(例えば、S.mutans)におけるLCRFの増加 した発現を提供するベクターもまた得られ得るということが意図される。所望さ れる場合、LCRFの物理的な特性の改変は、液体培地中の溶解性または発現の増加 を求め得る。lcr遺伝子座は、高発現プロモーターまたは発現を増強するために 改変された発現系の成分の制御下に配置され得る。 更なる実施態様において、本発明のLCRFをコードするDNAは、LCRFポリペプチ ドの大規模産生および単離を可能にし得る。これは、LCRFポリペプチドをコード するDNAを適切な発現ベクター中にクローニングすることによるムタシン(mutac in)ポリペプチドの発現を行うことによって達成され得る。次いでそのような発 現ベクターは、LCRFタンパク質を産生し得る宿主細胞中に形質転換され得る。次 いで、LCRFタンパク質は、例えば、本開示中で提供される手段により生成され得 、そして生物学的に活性な形態で利用される。生物学的に活性でない組換えLCRF もまた、例えば、抗LCRF抗体を調製するための免疫原として有用性を有し得る。 2.10.3 LCRF遺伝子のクローニング さらに別の実施態様では、本開示は、LCRFポリペプチドをコードするDNAをク ローニングする方法を提供する。当業者に周知の方法を使用して、精製された本 発明のLCRFをコードするDNAが、単離および精製され得る。例えば、配列番号1 の配列をコードするDNAに相補的なヌクレオチドを含む縮重オリゴヌクレオチド を設計することによって、LCRFをコードするDNAを膵臓細胞ライブラリからクロ ーニングし得る。 本発明によって開示されるDNA配列は、LCRFポリペプチドをコードする遺伝子 に特異的にハイブリダイズする能力を有する比較的短いDNA(またはRNA)の調製 を可能にする。そのような遺伝子(ここにlcr遺伝子と称される)は、LCRF構造 遺伝子をコードする遺伝子座を意味することが理解される。これらの局面では、 適切な長さの核酸プローブが調製される。そのようなプローブは代表的には精製 されたLCRFの規定されたアミノ酸配列を考慮することに基づき予備展開される。 lcr遺伝子配列に特異的にハイブリダイズするそのような核酸プローブの能力は 、それらに種々の実施態様における特定の有用性を与えている。例えば、プロー ブは、腸粘液試料中のlcr遺伝子の存在を検出するための種々の診断アッセイに おいて使用され得る;しかし、他の使用も意図され、ムタシンに類似のまたはそ れに関する変異体ポリペプチドをコードするlcr遺伝子配列の同定を含む。他の 使用は、変異体種プライマー、または他の遺伝子構築物を調製するためのプライ マーの使用を含む。 そのようなクローニング手順の第一のステップは、適切なDNAライブラリ(例 えば、本発明の場合、適切な細胞ライブラリ(例えば、膵臓細胞)から調製され たゲノムまたはcDNA)のスクリーニングである。スクリーニング手順は、タンパ ク質に対して惹起された抗体を使用する発現スクリーニングプロトコル、または 活性のアッセイであり得る。あるいは、スクリーニングは、タンパク質のアミノ 酸配列の部分の検討から、または関連タンパク質をコードする遺伝子のDNA配列 から設計されるオリゴヌクレオチドプローブのハイブリダイゼーションに基づき 得る。特に適切であることが意図される他のクローニングアプローチは、一般に 、クローン化を所望する構造遺伝子と、例えば、同じオペロン内で関連している ことが知られる遺伝子に作用するプローブまたはプライマーの使用である。例え ば、 LCRFの場合、CCK放出遺伝子と関連することが知られている、任意の保存領域に 作用するプライマーを使用することが望まれ得る。 LCRFの産生に関与する遺伝子(単数または複数)を同定することに向けた別の アプローチは、関連するCCK放出因子遺伝子に隣接することが知られている遺伝 子を配置することである。他のCCK放出ペプチドをコードする遺伝子中の配列決 定された遺伝子座から、いくつかのプロセシングおよび分泌酵素が抗生物質手法 間で高度に保存され、そして共通配列の領域を共有するかどうかを決定すること が可能である。保存配列に相補的な一連のオリゴヌクレオチドプライマーは、介 在配列を増幅するPCRTM反応において使用され得、このアンプリコンは、推定の 輸送遺伝子を同定するためのプローブとして使用され得る。PCRTM技術は、本明 細書中に参考として援用される、米国特許第4,603,102号に記載されている。そ のような輸送遺伝子は、全ての既知のCCK放出ペプチド遺伝子の一部として見出 される場合、LCRF構造遺伝子は「染色体ウォーキング」として知られる技術によ って近くにおよび容易に同定されるはずである。 3.0 図面の簡単な説明 図1.膵臓のタンパク質および液体分泌ならびに血漿CCKレベル(挿入図)に 対する部分精製された腸LCRFの十二指腸内注入の効果。LCRFの生物活性は、CCK レセプターアンタゴニスト、MK329によってブロックされる。 *NaClまたはMK-329群と有意差あり(n=6、対応のないt検定)。 **NaCl群とは有意差あり(挿入図、n=6、対応のないt検定)。 図2.逆相高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)によるLCRFの精製。 図3.HPLC精製されたLCRFの高速キャピラリー電気泳動(HPCE)。 図4.膵臓のタンパク質および液体分泌に対する純粋な腸LCRFの十二指腸内注 入の効果。*NaClおよび1mg群とは有意差あり。+NaCl群とは有意差あり(対応 のないt検定)。 図5.部分精製されたLCRFのLCRF生物活性に対するLCRF1-6抗血清を使用する 免疫親和性クロマトグラフィーの効果。 図6.精製されたLCRFまたはモニターペプチド(MP)の十二指腸内注入後の膵 臓のタンパク質および液体分泌における変化。*は、LCRF9用量とは有意差があ ることを意味する。+は、MP9用量とは有意差があることを意味する。 図7.十二指腸内LCRF1-35および膵臓分泌間の容量−応答連関。各点は、指示 された用量を用いる6〜8回の実験(ラットモデルのバイオアッセイ(本文参照 )を使用する)を代表する。*は、LCRFゼロ用量と有意差があることを意味する 。 図8.LCRF1-35の十二指腸内注入(i.d.)および静脈注入(i.v.)間の比較。 上部のパネルの結果は、図2で示された同じ実験の結果である。*は、LCRFゼロ 用量とは有意差があることを意味する。 図9.LCRF1-35の様々なサブフラグメントの十二指腸内注入後の膵臓のタンパ ク質および液体分泌における変化。*は、LCRFゼロ用量とは有意差があることを 意味する。有意な生物活性を有する唯一のサブフラグメントは、LCRFl1-35であ る。 図10.ラットのジアゼパム結合インヒビター、DBI1-86またはODNペプチドDB I33-50の十二指腸内注入後の膵臓のタンパク質および液体分泌における変化。* は、LCRFゼロ用量とは有意差があることを意味する。 図11.膵液が腸へ還流する(「生理学的モデル」)間LCRF1-35により刺激さ れた膵臓のタンパク質(上部パネル)および液体(下部パネル)分泌に対するMK 329を用いるCCK-レセプター遮断の効果。矢印の時点で、LCRF1-35を、分泌され た膵液の10%が十二指腸に還流される間の2時間、25μg/時間で十二指腸内に注 入した。MK329を、最初の基底の収集1時間前に始めて、0.5mg/時間で静脈内に 注入した。*は、基底レベルとは有意差があることを意味する。 図12.図6の凡例において説明された実験におけるタンパク質および液体の 排出の増分量。結果は、CCK-レセプターアンタゴニストMK325によって、LCRF1-3 5 による膵臓タンパク質および液体分泌の刺激が消失されることを示す。*は、N aClおよびLCRF1-35+MK329に比較して有意差があることを示す。 図13.図9の凡例において説明された実験における試験化合物の注入開始60 分後に採取した血液試料中の血漿CCK濃度(LCRF1-6を用いる研究を追加)。 図14.CCK放出活性に対するLCRF1-35のトリプシン消化の効果。LCRF1-35を 精 製ウシトリプシン(1mg/ml)と、37℃で24時間インキュベートした。コントロ ールLCRFをトリプシン非存在下であること以外は、同じ条件下でインキュベート した。トリプシンコントロールは、LCRF1-35非存在下であること以外は、同じ条 件下でインキュベートされた1mg/mlトリプシンであった。*は、コントロール と有意差があることを示す。 図15.分散されたラット腸細胞からのCCK放出のLCRF1-35刺激。*は、LCRF1 -35 のゼロ濃度とは有意差があることを意味する。 図16.腸における膵液の非存在下で十二指腸内に注入された5%ペプトンに 対する膵臓分泌応答における抗LCRF IgGの効果。ペプトンを抗LCRF IgGと混和し 、そして十二指腸に同時に注入した。*は、正常ウサギIgGと混和したペプトン とは有意差があることを意味する。結果は、抗LCRF IgGがペプトンに対する膵臓 分泌応答を消失させたことを示す。 図17.十二指腸からの胆汁−膵液の迂回に対する膵臓分泌応答に対するLCRF 抗血清の効果。LCRF抗血清または正常ウサギ血清(NRS)を胆汁−膵液の迂回1 時間前に、ボーラス(0.1ml)として静脈内に注入した。膵臓のタンパク質およ び液体の排出量の増分を挿入図に示す。*は、NRS注入群とは有意差があること を意味する。 図18.十二指腸からの胆汁−膵液の迂回に対する血漿CCK応答に対するLCRF 抗血清の効果。*は、NRS群および血清を受容していない群とは有意差があるこ とを意味する。 図19.単離された膵臓腺房からのアミラーゼ放出に対するLCRF1-35の効果の 欠如。CCK-8は、用量関連様式でアミラーゼ放出を刺激した。同様な濃度で、LCR F1-35は、効果を有さなかった。結果は、LCRF1-35は直接膵臓を刺激しているの ではなく、むしろCCK放出を刺激することによって間接的に膵臓を刺激している ことを示す。 図20.小腸絨毛におけるLCRFの免疫反応性(LCRF-IR)。図15Aは、腸絨毛の 先端および本体部の構造におけるLCRF-IR(暗構造および暗領域)を示すLCRF抗 血清2243232を使用して染色された腸絨毛を示す。図15B:抗血清が特異的抗原に よって予め吸収された染色後の腸絨毛(特異的抗原コントロール)。 図21.小腸の腸神経におけるLCRF-IR。21A:十二指腸の筋層間神経叢および 粘膜下ニューロンの神経線維および神経細胞体におけるLCRF-IR(抗血清22322) 。 16B:特異的抗原コントロール。 図22.節状神経節におけるLCRF-IR。22A:抗血清22322を使用して染色され た節状神経節における神経線維(暗線条)および神経細胞体(暗斑点)。17B: 特異的抗原コントロール。 図23.副腎におけるLCRF-IR。23A:抗血清22322を使用して染色された副腎 髄質における神経線維(暗線条)。23B:特異的抗原コントロール。 図24.膵臓、胃、筋肉および胃粘膜組織に対するウサギ抗血清反応性のウエ スタンブロット。図24Aは正常ウサギ血清を用いたコントロールである。図24Bは 、ウサギポリクローナル血清#QPDGを用いている。 図25.膵臓、間質粘膜、間質筋、十二指腸筋、十二指腸粘膜、腹筋、回腸粘 膜、回腸筋に対するウサギ抗血清反応性のウエスタンブロット。図20Aは正常ウ サギ血清を用いたコントロールである。図20Bは、ウサギポリクローナル血清#17 28を用いている。 4.0 好適な実施態様の詳細な説明 新規なCCK放出因子、管腔内コレシストキニン放出因子(LCRF)が腸の分泌物 から単離および精製されている。LCRFはCCK放出を刺激することにおいて活性で あり、そして小腸絨毛の先端の腸細胞において見出されている。それは、腸、副 交感、および交感神経系において見出された(しかし脳おいては見出されなかっ た)推定上の神経ペプチドとして同定されている。LCRF1-6に対して惹起された 抗体を使用する免疫親和性の研究および小腸管腔内注入の研究は、LCRFが膵臓の 酵素分泌のネガティブフィードバック調節およびCCK放出を媒介することを示唆 する。 実際的な使用のために、LCRFペプチドおよびその活性フラグメントまたはアナ ログは、摂取された脂肪およびタンパク質の典型的な様式でCCK放出を刺激する ために使用され得る。これらの食物と違って、LCRFペプチドは、CCKを放出する においてかなりの大きさでより強力であるので、事実上ゼロ熱量の摂取でCCK放 出を行う。LCRFは、小腸の管腔内から(すなわち、全身的または血液媒介的では なく)生理的に作用する;従って、LCRFは、経口的に作用部位に送達され得る。 これは、医学的処置に使用される他の生物活性ペプチド(例えば、インスリンお よび成長ホルモン)と対照的である。それらは、内臓または筋肉内の細胞に作用 するので、非経口的に投与されなければならない。 LCRFペプチドの経口的な送達は、胃酸および/またはペプシンによる可能性の ある未熟な分解、および/または腸内でトリプシンおよび他の膵臓タンパク質分 解酵素によって過度に急速な分解に直面し得る。従って、これらの消化プロセス を阻害する補助的な薬剤を含む薬剤の実施態様を考慮することが望まれる。その ような薬剤は入手可能であり、当業者に周知である。潜在的に有用な薬剤は、胃 酸分泌または作用を抑制する薬物(制酸剤および酸抑制剤(例えば、ヒスタミン II型レセプターアンタゴニスト(Tagamet,Zantac、Pepcid)、またはH+,K+ATPa seインヒビター(例えば、Prolesec))、ならびにトリプシン活性を抑制する薬 剤(例えば、大豆トリプシンインヒビターまたはポテトトリプシン/キモトリプ シン(POTII))を含む。そのような化合物は、既にヒトに利用されている。 さらに、LCRFのペプシン耐性アナログまたはLCRF活性を有するより小さなペプ チドフラグメントが利用され得る。これらの実施態様の実際的な結果は、食物( 特に、脂肪またはタンパク質)が起こすCCK放出を模倣するが、しかし熱量のな い処方物を有することであろう。例示的な調製物は、その消化分解を阻害する薬 剤と組み合わされた合成LCRF、または消化に抵抗するLCRFの化学的なアナログ( または小フラグメント)であり得る。 4.1 ELISA ELISAは、本発明と併用して使用され得る。ELISAアッセイにおいて、LCRFの抗 原性配列を組み込んでいるタンパク質またはペプチドは、選択された表面、好適 にはタンパク質親和性を示す表面(例えば、ポリスチレンマイクロタイタープレ ートのウェル)上に固定化される。不完全に吸着された物質を除去するための洗 浄した後、アッセイプレートウェルを、試験血清に関して抗原的に中性であるこ とが公知である非特異的タンパク質(例えば、ウシ血清アルブミン(BSA)、カ ゼインまたは粉乳ミルクの溶液)で結合またはコートすることが望ましい。これ は、固定化表面上の非特異的吸着部位のブロックを可能にする。従って、これは 表面上への抗血清の非特異的結合によって生じるバックグランドを減少させる。 ウェルに抗原性物質を結合させ、バックグランドを減少させるために非反応性 の物質でコーティングし、そして非結合物質を除去するために洗浄した後、固定 化表面は、試験される抗血清または臨床的もしくは生物学的抽出物に、免疫複合 体(抗原/抗体)の形成を導く様式で接触される。そのような条件は、好適には 、希釈剤(例えば、BSA、ウシガンマグロブリン(BGG)およびリン酸緩衝化生理 食 た薬剤もまた、非特異的バックグランドの減少を助ける傾向がある。次いで、重 層した抗血清は約2時間〜約4時間、好適には約25℃〜約27℃の温度でインキュ ベートされる。インキュベーションの後、抗血清接触表面は、非免疫複合体化物 またはホウ酸緩衝液)で洗浄することを包含する。 試験試料と結合抗原との間で特異的免疫複合体を形成させ、次いで洗浄を行っ た後に、免疫複合体の形成の存在および量さえも、一次抗体に対して特異性を有 する二次抗体に同じ手順を供することによって測定され得る。検出手段を提供す るために、二次抗体は好適には、適切な色素生成基質とのインキュベートの際に 発色を生じる、会合された酵素を有する。従って、例えば、抗血清結合表面をあ る時間、免疫複合体の形成の発展に好ましい条件下(例えば、PBS含有溶液(例 はペルオキダーゼ結合抗ヒトIgGと接触することおよびインキュベートすること が所望される。 二次酵素タグ化抗体とインキュベートし、そして非結合物質を除去するために 続いて洗浄した後、ラベル量は、色素生成基質(例えば、尿素およびブロモクレ ゾールパープル(bromocresol purple)、または酵素ラベルとしてペルオキシダ ーゼの場合においては2,2'−アジノ−ジ−(3−エチル−ベンズチアゾリン)− 6−スルフォン酸(ABTS)およびH2O2とのインキュベーションによって定量され る。従って、定量は、色素生成の程度を測定すること(例えば、可視光スペクト ル分光測定器を使用すること)によって達成される。 4.2 エピトープ性コア配列 本発明はまた、全ての細胞および他のペプチドを含有しない、タンパク質また はペプチド組成物に関する。そして、それは1つ以上の抗LCRF抗体と免疫交差反 応するエピトープを組込む、精製されたタンパク質またはペプチドを含む。 本明細書中で使用されるように、「1つ以上の抗LCRF抗体と免疫交差反応する エピトープ(単数または複数)を組込む」とは、LCRFポリペプチド内に位置付け られらたエピトープに類似の一次、二次または三次構造を含むペプチドまたはタ ンパク質抗原に言及することを意図されている。類似性のレベルは、一般に、LC RFポリペプチドに対して指向されるモノクローナルまたはポリクローナル抗体が 、交差反応性ペプチドまたはタンパク質抗原と結合、反応、またはそうでなけれ ば、認識するような程度にある。様々な免疫アッセイ方法が、そのような抗体と 併用して使用され得る(例えば、ウエスタンブロッティング、ELISA、RIAなど、 これらは全て当業者に公知である)。 ワクチンにおける使用に適切なLCRFエピトープ、および/またはそれらの機能 的相同物の同定は、相対的に簡単な事項である。例えば、米国特許第4,554,101 号に教示されるようにHoppの方法が利用され得る。この米国特許は、本明細書中 に参考として援用され、親水性に基づくアミノ酸配列からのエピトープの同定お よび調製を教示している。いくつかの他の論文に記載の方法およびそれらに基づ くソフトウエアプログラムもまた、エピトープ性コア配列を同定するために使用 され得る(例えば、JamesonおよびWoll、1988;Wolfら、1988;米国特許第4,554, 101号を参照)。従って、これらの「エピトープ性コア配列」のアミノ酸配列は、 ペプチド合成または組換え技術のいずれかを介して容易にペプチド内に組込まれ 得る。 本発明に従った使用のための好適なペプチドは、一般に、長さにおいて約5〜 約25アミノ酸、およびより好適には長さにおいて約8〜約20アミノ酸である。よ り短いLCRF由来の抗原性ペプチド配列は特定の状況(例えば、ワクチンの調製、 または免疫学的検出アッセイ)において利点を提供することが提唱されている。 例示的な利点は、調製および精製の容易さ、生成の相対的に低いコストおよび改 善された再現性、および有利な生体分布を包含する。 本発明の特有の利点は、LCRFおよびLCRF関連配列に指向される「凡用な」エピ トープ性ペプチドを生じる改変および/または伸長されたエピトープ性/免疫原 性コア配列を含む合成ペプチドの調製により現実化され得ることが提唱される。 これらの領域は、動物においてT細胞またはB細胞刺激を促進し、従ってそのよ うな動物において特異的な抗体の産生を誘発すると最も思われる領域を表す。 エピトープ性コア配列は、本明細書中に使用されるように、転移−結合タンパ ク質抗体上の抗原結合部位に「相補的」であり、従って結合する、相対的に短い アミノ酸配列である。さらにまたはあるいは、エピトープ性コア配列は、本発明 のペプチド組成物に対して指向される抗体と交差反応する抗体を誘発する配列で ある。本開示の内容では、用語「相補的」は、互いに引きつける力を示すアミノ 酸またはペプチドを言及することが理解される。従って、本発明の特定のエピト ープコア配列は、対応するタンパク質指向抗血清との所望のタンパク質抗原の結 合と競合、または恐らく置き換わるそれらの能力によって操作上定義され得る。 一般に、ポリペプチド抗原の大きさは、少なくとも、その抗原が同定されたコ ア配列(単数または複数)を有するのに十分な大きさである限り、特に重要であ るとは考えられていない。本開示によって理解される最も小さい有用なコア配列 は、一般に、長さにおいて約5アミノ酸であり、より好適には8または25アミノ 酸の配列である。従って、この大きさは、一般に、本発明に従って調製された最 も小さいペプチド抗原に相当する。しかし、抗原の大きさは、その抗原が基本的 なエピトープ性コア配列を含む限り、所望であればより大きくてもよい。 エピトープ性コア配列の同定は当業者に公知である(例えば、米国特許第4,55 4,101号記載、これは、参考として本明細書中に援用されており親水性に基づく アミノ酸配列からのエピトープの同定および調製を教示する)。さらに、多くの コンピュタープログラムが、タンパク質の抗原性部分を予想することにおける使 用のために利用可能である(例えば、JamesonおよびWolf、1988;Wolfら、1988 を参照)。コンピュター化されたペプチド配列解析プログラム(例えば、DNASta ペプチドおよびペプチドアナログを設計することに有用であり得る。 エピトープ性配列またはその配列の中に抗原性エピトープを含むペプチドの合 成は、従来の合成技術(例えば、固相法(例えば、市販のペプチド合成機(例え ば、Applied Biosystems Model 430A Peptide Synthesizer)の使用により)) を使用して容易に達成される。この様式で合成されたペプチド抗原は、次いで、 所定の量に分取され得、そして従来の様式(例えば、水溶液中、もしくはさらに 好適には、使用まで粉末または凍結乾燥状態で)で保存され得る。 一般に、ペプチドの相対的な安定性によって、それらは、所望ならばかなりの 長期の時間(例えば、6カ月まで、またはそれ以上の時間)、実際に認識し得る 程度の分解または抗原性活性の消失なしに水溶液中で容易に保存され得る。しか し、長期の水溶液保存が考えられている場合は、一般に、約7.0〜約7.5のpHを維 持するために緩衝液(例えば、Trisまたはリン酸緩衝液)を含む薬剤を含むこと が望ましい。さらに、微生物の増殖を阻害する薬剤(例えば、アジ化ナトリウム またはメルチオレート(Merthiolate)を包含することが望ましいとされ得る。 水溶液状態での長期の保存のために、溶液を4℃で、またはより好適には凍結し て保存することが望ましい。確かに、ペプチドが凍結乾燥または粉末状態で保存 される場合は、それらは、事実上無期限に保存され得る(例えば、使用する前に 所定の量の水(好適には蒸留水)または緩衝液で水解され得る計量されたアリコ ートで)。 4.3 免疫沈降 本発明の抗体は、免疫沈降による抗原の単離に特に有用である。免疫沈降は複 合体混合物から標的抗原成分の分離を含み、そして微量のタンパク質を弁別また は単離することに使用され得る。膜タンパク質の単離のために、細胞は界面活性 剤ミセル中に可溶化されなければならない。他の薬剤(例えば、胆汁塩)は酸性 pHで、または2価カチオンの存在下で沈殿するので、非イオン性の塩が好適であ る。 代替の実施態様において、本発明の抗体は、2つの抗原の密接した並置に対し て有用である。これは、抗原(例えば、酵素−基質対)の局在した濃度の増加に 対して特に有用である。 4.4 ウェスタンブロット 本発明の組成物は、イムノブロットまたはウェスタンブロット分析に卓越した 使用を見出す。抗LCRF抗体は、固体支持体マトリクス(例えば、ニトロセルロー ス、ナイロン、またはそれらの組み合わせ)上に固定化されたタンパク質の同定 のために高い親和性の一次試薬として使用され得る。免疫沈降、その後のゲル電 気泳動と併用して、これらは、抗原の検出において使用される二次試薬が不都合 なバックグランドを引き起こすのに対して、抗原を検出するための使用に単一工 程の試薬として使用され得る。これは、特に、研究される抗原が免疫グロブリン である(細菌細胞壁成分を結合する免疫グロブリンの使用を排除する)とき、研 究される抗原が検出試薬と交差反応するとき、またはそれらが交差反応性シグナ ルと同じ相対分子量に移動するときに有用である。 毒素部分に対する酵素的、放射標識、または蛍光性タグ化二次抗体を包含する ウェスタンブロッティングと併用する使用のための免疫学に基づく検出方法は、 この点において特に有用であると考えられる。 4.5 ワクチン 本発明は、能動免疫化および受動免疫化の両方の実施態様において使用するワ クチンを意図する。ワクチンとしての使用に適切であると提案された免疫原性組 成物は、本明細書で開示した方法で調製した免疫原性LCRFペプチドからもっとも 容易に直接的に調製され得る。好ましくは、抗原物質は、所望でない低分子量分 子を除去するために十分に透析され、および/またはより便利な処方物のために 所望のビヒクルへ凍結乾燥される。 活性成分としてLCRFペプチド配列を含有するワクチンの調製物は、米国特許第 4,608,251号、同第4,601,903号、同第4,599,231号、同第4,599,230号、同第4,59 6,792号、および同第4,578,770号(これらは全て本明細書で参考として援用する )により例証されており、当該分野において一般的によく理解されている。代表 的には、このようなワクチンは注射剤として調製される。液体溶液または懸濁 液のいずれかの場合、溶液または懸濁液に適切な固体形態もまた、注射前に液体 において調製され得る。調製物はまた、乳化され得る。活性な免疫原性成分は、 しばしば薬学的に受容可能でかつこの活性成分に適合性の賦形剤と混合される。 適切な賦形剤は、例えば、水、生理食塩水、ブドウ糖、グリセロール、エタノー ルなど、およびそれらの組み合わせである。さらに、所望であれば、ワクチンは 、湿潤剤、乳化剤、pH緩衝剤、またはワクチンの有効性を高めるアジュバントの ような少量の補助物質を含有し得る。 ワクチンは、注射により、非経口的に(例えば、皮下または筋肉内のどちらか )都合良く投与され得る。他の投与方法に適切なさらなる処方物は、坐薬、およ びいくつかの場合には経口処方物を含む。坐薬の場合は、伝統的な結合剤および キャリア、例えば、ポリアルキレングリコールまたはトリグリセリドが含まれ得 る。このような坐薬は、約0.5%〜約10%、好ましくは約1%〜約2%の範囲の 活性成分を含有する混合物から形成され得る。経口処方物は、例えば、薬学的等 級のマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカ リンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどのような普通に用いられる 賦形剤を含有する。これらの組成物は、溶液、懸濁液、錠剤、丸剤、カプセル剤 、持続放出処方物、または散剤の形態をなし、そして、約10%〜約95%、好まし くは約25%〜約70%の活性成分を含有する。 本発明のLCRF由来のペプチドは、中性または塩の形態としてワクチンに処方さ れ得る。薬学的に受容可能な塩は、酸付加塩(ペプチドの遊離アミノ基と形成す る)、および無機酸(例えば塩酸またはリン酸)または有機酸(例えば酢酸、シ ュウ酸、酒石酸、マンデル酸など)と形成された塩を含む。遊離カルボキシル基 と形成された塩も、無機塩基(例えばナトリウム、カリウム、アンモニウム、カ ルシウムまたは鉄の水酸化物)、および有機塩基(例えば、イソプロピルアミン 、トリメチルアミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインな ど)から誘導され得る。 ワクチンは、投与処方物に適合した方法において、治療的に有効および免疫原 性になる量で投与される。投与されるべき量は、処置される患者に依存し、これ は、例えば、抗体を合成する個体の免疫系の能力、所望する防御の程度を含む。 投与される必要な活性成分の正確な量は、医者の判断に依存する。しかし、適切 な投与量の範囲は、1回のワクチン接種あたり数百マイクログラムの程度である 。初期投与および追加抗原注射に適切な投与法もまた調節可能であるが、初期投 与後に次の接種または他の投与が典型的である。 適用の方法は、広く変えられ得る。ワクチンを投与するための全ての従来の方 法が、適用され得る。これらには、生理学的に受容可能な固形基剤における経口 的適用または生理学的に許容可能な分散剤において非経口的な注射などによる適 用が含まれると考えられる。ワクチンの投与量は、投与経路に依存し、宿主の大 きさに従って変わる。 ワクチンのアジュバント効果を達成する種々の方法は、通常、リン酸緩衝食塩 水中の約0.05%〜約0.1%溶液として使用される水酸化アルミニウムまたはリン 酸塩(ミョウバン)、約0.25%溶液として使用される糖の合成ポリマー(Carbop の期間の、熱処理によるワクチン中のタンパク質の凝集をそれぞれ含む。また、 処理されたアルブミン(Fab)に対する抗体をペプシンを用いて再活性化するこ とによる凝集、C.parvumのような細菌細胞またはグラム陰性細菌のエンドトキシ ンまたはリポ多糖成分との混合物、マンニドモノオレエート(Aracel A)のよう な生理学的に受容可能なオイルビヒクル中のエマルジョン、またはブロック置換 ルジョンも用いられる。 多くの場合、ワクチンの複数回投与が望ましく、通常ワクチン接種が6回を超 えず、さらに通常はワクチン接種が4回を超えず、そして、好ましくは1回以上 、通常はワクチン接種が少なくとも約3回である。ワクチン接種は、通常2〜12 週間の間隔で、さらに通常は、3〜5週間の間隔で行われる。1〜5年の間隔( 通常は3年)の周期的な追加免疫は、防御レベルの抗体を維持するために望まし い。免疫化のコースの後に、上清抗原に対する抗体についてのアッセイが行われ 得る。アッセイは、従来の標識(例えば、放射性核種、酵素、蛍光剤など)で標 識することにより実施され得る。これらの技術は周知であり、これらのタイプの アッセイの実例として、広範な種々の特許(例えば、米国特許第3,791,932号、 同第4,1 74,384号、および同第3,949,064号)に見出し得る。 4.6 DNAセグメント 別の実施態様では、組換え型または異種プロモーターの制御下に、コードする DNAセグメントを配置することにより、特定の利点が得られることが意図される 。本明細書で使用されるように、組換え型または異種プロモーターは、天然の環 境中ではLCRFペプチドをコードするDNAセグメントに正常に結合しないプロモー ターを言うことを意図する。このようなプロモーターは他の遺伝子と正常に結合 したプロモーター、および/または任意のウイルス細胞、原核生物(例えば、細 菌)細胞、真核生物(例えば、真菌、酵母、植物、または動物)細胞から単離し たプロモーター、特に哺乳動物細胞のプロモーターを含み得る。もちろん、発現 のために選択された細胞型、器官、またはさらに動物中におけるDNAセグメント の発現を有効に指向するプロモーターを用いることは重要である。タンパク質発 現のためのプロモーターおよび細胞型の組み合わせの使用は、一般的に、分子生 物学の当業者に公知である(例えば、Sambrookら、1989参照のこと)。用いられ るプロモーターは、構成性または誘導性であり得、そして、適切な条件下で導入 されたDNAセグメント(例えば、組換えタンパク質またはペプチドの大規模な生 産に有利であるもの)の高レベルな発現を指向するために使用され得る。高レベ ルの発現における使用のために意図された適切なプロモーター/発現の系は、Pi chia発現ベクター系(Pharmacia LKB Biotechnology)、昆虫細胞における発現 のためのバキュロウイルス系、あるいは任意の適切な酵母または細菌の発現系が 含まれるが、これらに限定されない。 組換えタンパク質およびペプチドを調製するための発現の実施態様に関しては 、より長いDNAセグメントが最もよく使用され、全ペプチド配列をコードするDNA セグメントが最も好ましいことが意図される。しかし、抗-LCRF抗体を生産する ために使用され得るようなLCRFペプチドまたはエピトープコア領域の発現を指向 するためのより短いDNAセグメントの使用もまた、本発明の範囲内に入ることが 理解される。長さが約10〜約100のアミノ酸、より好ましくは、長さが約20〜約8 0のアミノ酸、または、さらにより好ましくは、長さが約30〜約70のアミノ酸のL C RFペプチド抗原をコードするDNAセグメントは、特に有用であることが意図され る。 本発明のLCRFペプチドの発現を指向するにおいてそれらの使用に加えて、本発 明で意図される核酸配列もまた、種々の他の使用を有する。例えば、それらは、 核酸ハイブリダイゼーションの実施態様においてプローブまたはプライマーとし ての有用性も有する。そういうものとして、配列番号2の約14ヌクレオチド長の 隣接DNAセグメントと同じ配列を有するか、または相補的である少なくとも約14 ヌクレオチド長の隣接配列からなる配列領域を含む核酸セグメントは、特に有用 であると見出されることが意図される。より長い隣接する同一のまたは相補的な 配列(例えば、約20、30、40、50、100、200の配列(全ての中間の長さを含む) およびさらにそれ以上の配列、ならびに約220bp(全長)の配列を含む)も、特定 の実施態様において使用される。 LCRFコード配列に特異的にハイブリダイズするこのような核酸プローブの能力 は、これらの、与えられた試料中の相補的な配列の存在の検出における使用を可 能にする。しかし、変異種のプライマーまたは他の遺伝的構成物の調製における 使用のためのプライマーの調製のための配列情報の使用を含む他の使用が予想さ れる。 DNA配列(配列番号2)と同一または相補的な、約14、15〜20、30、40、50ヌ クレオチド、またはさらに約100〜約200ヌクレオチドくらいの隣接するヌクレオ チドストレッチからなる配列領域を有する核酸分子は、例えばサザンブロッティ ングまたはノーザンブロッティングにおける使用のためのハイブリダイゼーショ ンプローブとして、特に意図される。より小さいフラグメントは、一般にハイブ リダイゼーションの実施態様における使用が見出され、ここで、隣接した相補的 な領域の長さは、例えば、約10〜14ヌクレオチドと約100ヌクレオチドまでの間 で変えられ得るが、検出を望む相補的な配列の長さに従って、より大きい隣接し た相補的なストレッチが使用され得る。 長さが約14ヌクレオチドのハイブリダイゼーションのプローブの使用は、安定 および選択的な二本鎖分子の形成を可能にする。それにも関わらず、14塩基長を 超えるストレッチにわたって隣接する相補的な配列を有する分子は、ハイブリッ ドの安定性および選択性を増加するために一般に好ましく、そして、それにより 、得られた特異的ハイブリッド分子の質および程度が改良される。約15〜約20の ストレッチの隣接するヌクレオチド、または所望される場合にはより長いヌクレ オチドのストレッチと相補的な遺伝子を有する核酸分子を設計することが、一般 に好ましい。 もちろん、フラグメントはまた、他の技術(例えば、機械的せん断または制限 酵素切断)により得られ得る。小さな核酸セグメントまたはフラグメントは、例 えば、化学的方法によるフラグメントの直接的な合成により容易に調製され得、 それは、自動化されたオリゴヌクレオチドシンセサイザーを使用して一般に実施 される。また、フラグメントも、核酸複製技術(例えば、PCRTM)の適用、組換 え生産のための組換えベクターへの選択した配列の導入、および分子生物学の当 業者に一般に公知である他の組換えDNA技術により得られ得る。 従って、本発明のヌクレオチド配列は、DNAフラグメントの相補的なストレッ チと二本鎖分子を選択的に形成するそれらの能力のために使用され得る。予想さ れた適用に依存して、ハイブリダイゼーション条件の変化を利用して、標的配列 へのプローブの選択性の程度を変えることを達成することが所望される。高選択 性を必要とする適用のために、代表的には、比較的ストリンジェントな条件(例 えば、約0.02M〜約0.15MのNaCl、約50℃〜約70℃の温度によって提供されるよう な比較的低濃度の塩および/または高温度の条件を選択する)を用いてハイブリ ッドを形成することが、所望される。そのような選択的条件は、もしあれば、プ ローブおよびテンプレートまたは標的鎖の間のミスマッチをほとんど許容せず、 LCRFをコードするDNAセグメントの単離に特に適切である。ハイブリダイゼーシ ョンによるDNAセグメントの検出は、当業者に周知であり、米国特許第4,965,188 号および同第5,176,995号の教示(それぞれは、本明細書中に参考として援用さ れる)は、ハイブリダイゼーション分析法の例証である。Maloyら、1994;Segal 、1976;Prokpp、1991;およびKuby、1994のテキスト中に見出されるそのような教 示は、特に関連性がある。 もちろん、いくつかの適用について、例えば、下記のテンプレートとハイブリ ダイズした変異プライマー鎖を用いる変異体の調製を所望する場合、または近縁 種、機能的等価物などからLCRFをコードする配列を単離しようと努める場合には 、ヘテロ二本鎖の形成を可能にするためにストリンジェントでないハイブリダイ ゼーション条件が代表的に必要とされる。これらの場合に、約0.15M〜約0.9Mの 塩、約20℃〜約55℃範囲の温度のような条件を用いることが所望され得る。これ により、クロスハイブリダイゼーションの種は、コントロールハイブリダイゼー ションに対するポジティブなハイブリダイズの信号として容易に同定され得る。 いずれの場合においても、一般に、条件は、ホルムアミドの増量の添加(それは 温度の上昇と同じ様式でハイブリッド二重鎖を不安定化することに役立つ)によ り、よりストリンジェントにされ得ることが理解される。従って、ハイブリダイ ゼーションの条件は、容易に操作され得、従って、一般に所望の結果に依存する 方法の選択である。 特定の実施態様では、ハイブリダイゼーションを測定するために、適切な手段 (例えば、標識)と組み合わせて本発明の核酸配列を用いることは有利である。 広範な種々の適切な指示手段は、当該分野で公知であり、検出可能なシグナルを 与え得る蛍光、放射能、酵素または他のリガンド(例えばアビジン/ビオチン) を含む。好ましい実施態様では、放射能または環境的に好ましくない試薬の代わ りに、蛍光標識または酵素タグ(例えば、ウレアーゼ、アルカリホスファターゼ 、またはペルオキシダーゼ)を使用することが所望されるようである。酵素タグ の場合、比色の指示物質が公知であり、これは、人間の目に可視化方法または分 光光度方法を提供して、相補的な核酸含有試料との特異的ハイブリダイゼーショ ンを同定するために用いられ得る。 一般に、本明細書で記載されるハイブリダイゼーションプローブは、液中ハイ ブリダイゼーションおよび固相を使用する実施態様における試薬として、有用で あることが予想される。固相を含む実施態様では、テストDNA(または、RNA)は 吸着され、そうでなければ、選択されたマトリックスまたは表面に付加される。 次いで、この固定された一本鎖核酸は、所望の条件下で選択されたプローブとの 特異的ハイブリダイゼーションに供される。選択された条件は、必要とされる特 定の基準に基づく特定の状況に依存する(例えば、G+C含量、標的核酸の種類、 核酸の供給源、ハイブリダイゼーションプローブのサイズなどに依存する)。ハ イブリダイズした表面を洗浄して非特異的に結合したプローブ分子を除去した後 に、標識の手段により、特異的ハイブリダイゼーションが検出され、またはさら に定量される。 4.7 生物学的機能等価物 改変および変更は、本発明のペプチドおよびこれらをコードするDNAセグメン トの構造においてなされ得、そして、所望の特性を有するタンパク質またはペプ チドをコードする機能的分子が依然として得られる。下記は、タンパク質のアミ ノ酸を改変して、等価物、またはさらに改良された第二世代の分子を作成するこ とに基づいた考察である。アミノ酸の変更は、以下のコドン表に従って、DNA配 列のコドンを変更することにより達成され得る。 例えば、特定のアミノ酸は、構造(例えば、抗体の抗原結合領域または基質分 子の結合部位)との相互作用的結合能力の顕著な損失を伴うことなく、タンパク 質の構造内で他のアミノ酸と置換され得る。タンパク質の生物学的機能活性を規 定するのは、タンパク質の相互作用能力および性質である。従って、特定のアミ ノ酸配列の置換は、タンパク質の配列、および、もちろん、その基礎となるDNA コード配列においてなされ得るが、それにも関わらず、類似の性質を有するタン パク質が得られる。従って、開示された組成物のペプチド配列、またはこのペプ チドをコードする対応のDNA配列において、ペプチドの生物学的有用性または活 性の顕著な損失を伴うことなく種々の変更がなされ得ることが、本発明者らによ り意図される。 そのような変更を行うにおいて、アミノ酸のヒドロパシー指標が考慮され得る 。タンパク質に相互作用的な生物学的機能を与えるにおいて、アミノ酸のヒドロ パシー指標の重要性は、一般に当該分野で理解されている(KyteおよびDoolittl e、1982、本明細書で参考として援用)。アミノ酸の相対的なヒドロパシーの特 性は、生じるタンパク質の二次構造に寄与することが認められ、これは、タンパ ク質と他の分子(例えば、酵素、基質、レセプター、DNA、抗体、抗原など)と の相互作用を、同様に規定する。 各アミノ酸は、それらの疎水性および電荷の特性を基準としてヒドロパシー指 標が設定された(KyteおよびDoolittle,1982)。これらは、以下のようになる :イソロイシン(+4.5);バリン(+4.2);ロイシン(+3.8);フェニルアラ ニン(+2.8);システイン/シスチン(+2.5);メチオニン(+1.9);アラニン (+1.8);グリシン(-0.4);スレオニン(-0.7);セリン(-0.8);トリプト ファン(-0.9);チロシン(-1.3);プロリン(-1.6);ヒスチジン(-3.2); グルタミン酸(-3.5);グルタミン(-3.5);アスパラギン酸(-3.5);アスパ ラギン(-3.5);リジン(-3.9);およびアルギニン(-4.5)。 特定のアミノ酸は、類似のヒドロパシー指標またはスコアを有する他のアミノ 酸で置換され得、そして、依然として類似の生物学的活性を有するタンパク質を 生じる(すなわち、依然として生物学的機能等価物のタンパク質を得る)ことは 、当該分野で公知である。そのような変更を行うにおいて、ヒドロパシー指標が ±2以内のアミノ酸の置換が好ましく、ヒドロパシー指標が±1以内のアミノ酸 の置換がより好ましく、そしてヒドロパシー指標が±0.5以内のアミノ酸の置換 がよりさらに好ましい。 類似アミノ酸の置換が親水性に基づいて有効になされ得ることもまた、当該分 野で理解されている。米国特許第4,554,101号(本明細書中で参考として援用さ れる)は、タンパク質の最大局所平均親水性(the greatest local average hyd rophilicity)が、その隣接するアミノ酸の親水性により支配されるので、タン パク質の生物学的性質に関連することを記載している。 米国特許第4,554,101号に記載されるように、以下の親水性の値はアミノ酸残 基について設定された:アルギニン(+3.0);リジン(+3.0);アスパラギン酸 (+3.0±1);グルタミン酸(+3.0±1);セリン(+0.3);アスパラギン(+0.2 );グルタミン(+0.2);グリシン(0);スレオニン(-0.4);プロリン(-0. 5±1);アラニン(-0.5);ヒスチジン(-0.5);システイン(-1.0);メチオ ニン(-1.3);バリン(-1.5);ロイシン(-1.8);イソロイシン(-1.8);チ ロシン(-2.3);フェニルアラニン(-2.5);トリプトファン(-3.4)。 アミノ酸は、類似の親水性値を有する別のアミノ酸に置換され得、そして依然 として生物学的等価物(特に、免疫学的に等価なタンパク質)が得られることが 理解される。そのような変更では、親水性値が±2以内のアミノ酸の置換が好ま しく、親水性値が±1以内のアミノ酸の置換がより好ましく、そして親水性値が ±0.5以内のアミノ酸の置換がよりさらに好ましい。 従って、以上に概要を述べたように、アミノ酸置換は、一般に、アミノ酸側鎖 の置換基の相対的な類似性(例えば、それらの疎水性、親水性、電荷、サイズな ど)に基づく。種々の前述の特性を考慮に入れた代表的な置換は、当業者に周知 であり、以下のものを含む:アルギニンとリジン;グルタミン酸とアスパラギン 酸;セリンとスレオニン;グルタミンとアスパラギン;ならびにバリン、ロイシ ンとイソロイシン。 4.8 部位特異的変異誘発 部位特異的変異誘発は、基礎をなすDNAの特異的な変異誘発を通しての、個々 のペプチド、または生物学的に機能的な等価なタンパク質もしくはペプチドの調 製において有用な技術である。この技術はさらに、DNA中に1つ以上のヌクレオ チド配列変化を導入することにより、例えば、1つ以上の前述の考慮を取り入れ て、配列改変体を調製および試験する即応性の能力を提供する。部位特異的変異 誘発は、横断される欠失連結部の両側において安定な二重鎖を形成するに十分な 大きさおよび配列の複雑さの配列のプライマーを提供するための、所望の変異の DNA配列をコードする特異的なオリゴヌクレオチド配列、ならびに十分な数の隣 接するヌクレオチドの使用を通しての変異体の産生を可能にする。代表的には、 約17〜25ヌクレオチド長のプライマーが好ましく、変化される配列の連結部の両 側に約5〜10残基を有する。 一般に、部位特異的変異誘発の技術は、種々の刊行物により例証されるように 、当該分野において周知である。理解されるように、この技術は、代表的には、 一本鎖および二本鎖の両方の形態で存在するファージベクターを用いる。部位特 異的変異誘発において有用な代表的なベクターとしては、M13ファージのような ベクターが挙げられる。これらのファージは、容易に商業的に入手可能であり、 そしてそれらの使用は、一般に当業者に周知である。二本鎖プラスミドもまた、 部位特異的変異誘発において慣例的に用いられており、これは、目的の遺伝子を プラスミドからファージに移す工程を除去する。 一般に、本明細書による部位特異的変異誘発は、まず、所望のペプチドをコー ドするDNA配列をその配列内に含む、一本鎖ベクターを得るかまたは二本鎖ベク ターの2本の鎖を融解してはなすことにより実施される。所望の変異された配列 を有するオリゴヌクレオチドプライマーは、一般に合成的に調製される。次いで 、このプライマーは一本鎖ベクターとアニールされ、そして変異を有する鎖の合 成を完了するために、E.coliポリメラーゼIクレノウフラグメントのようなDNA 重合酵素に供される。このように、ヘテロ二重鎖が形成され、ここで1つの鎖は 元の非変異配列をコードし、そして第2の鎖は所望の変異を有する。次いで、こ のヘテロ二重鎖ベクターは、E.coli細胞のような適切な細胞を形質転換するた めに使用され、そして変異された配列配置を有する組換えベクターを含むクロー ンが選択される。 部位特異的変異誘発を使用しての、選択されたペプチドをコードするDNAセグ メントの配列改変体の調製は、潜在的に有用な種の産生手段として提供され、そ してこれは限定することを意味しない。なぜなら、ペプチドの配列改変体および それらをコードするDNA配列を得ることのできる他の方法が存在し得るからであ る。例えば、所望のペプチド配列をコードする組換えベクターは、ヒドロキシル アミンのような変異原性薬剤で処理されて、配列改変体が得られ得る。 4.9 モノクローナル抗体 抗体を調製しそして特徴付けるための手段は、当該分野において周知である( 例えば、HarlowおよびLane,1988を参照のこと;本明細書中に参考として援用さ れる)。 モノクローナル抗体(mAb)を生成するための方法は、一般に、ポリクローナ ル抗体を調製するための方法と同じ道筋に沿って開始する。簡潔に記載すると、 ポリクローナル抗体は、動物を本発明による免疫原性組成物で免疫し、そしてそ の免疫された動物から抗血清を採集することにより調製される。広範な動物種を 、抗血清の産生のために使用し得る。代表的には、抗抗血清(anti-antisera) の産生のために使用される動物は、ウサギ、マウス、ラット、ハムスター、モル モット、またはヤギである。ウサギは比較的血液容積が大きいので、ウサギは、 ポリクローナル抗体の産生のために好ましい選択である。 当該分野において周知であるように、所定の組成物は、その免疫原性が変動し 得る。それゆえ、宿主免疫系を追加免疫することがしばしば必要であるが、これ はペプチド免疫原またはポリペプチド免疫原をキャリアに結合させることによっ て達成され得る。例示的でありそして好ましいキャリアは、キーホールリンペッ トヘモシアニン(KLH)およびウシ血清アルブミン(BSA)である。オボアルブミ ン、マウス血清アルブミン、またはウサギ血清アルブミンのような他のアルブミ ンもまた、キャリアとして使用され得る。ポリペプチドをキャリアタンパク質に 結合させるための手段は当該分野において周知であり、そしてこの手段としては 、グルタルアルデヒド、m-マレイミドベンコイル-N-ヒドロキシスクシンイミド エステル、カルボジイミド、およびビス-ビアゾ化ベンジジンが挙げられる。 これもまた当該分野において周知であるように、特定の免疫原性組成物の免疫 原性は、アジュバントとして知られる免疫応答の非特異的刺激因子の使用により 増強され得る。例示的でありそして好ましいアジュバントとしては、フロイント 完全アジュバント(死滅させたMycobacterium tuberculosisを含有する免疫応答 の非特異的刺激因子)、フロイント不完全アジュバント、および水酸化アルミニ ウムアジュバントが挙げられる。 ポリクローナル抗体の産生において使用される免疫原性組成物の量は、免疫原 の性質および免疫に使用される動物によって変動する。種々の経路が、免疫原を 投与するために使用され得る(皮下、筋内、皮内、静脈内、および腹腔内)。ポ リクローナル抗体の産生は、免疫された動物の血液を免疫後の種々の時点でサン プリングすることによりモニターされ得る。第2の追加免疫注射もまた与えられ 得る。追加免疫および力価測定(titering)のプロセスは、適切な力価が達成さ れるまで繰り返される。所望のレベルの免疫原性が得られると、免疫された動物 は放血され、そして血清が単離および保存され得、そして/または、動物はmAb を生成するために使用され得る。 mAbは、周知の技術(例えば、米国特許第4,196,265号(本明細書中に参考とし て援用される)に例証される技術)の使用を通して、容易に調製され得る。代表 的には、この技術は、適切な動物を、選択された免疫原性組成物(例えば、精製 または部分精製されたLCRFタンパク質、ポリペプチド、またはペプチド)で免疫 することを含む。免疫する組成物は、抗体産生細胞を刺激するに有効な様式で投 与される。マウスおよびラットのような齧歯類は好ましい動物であるが、しかし 、ウサギ、ヒツジ、カエル細胞もまた可能である。ラットの使用は、特定の利点 を提供し得るが(Goding,1986)、マウスが好ましく、BALB/cマウスが最も好ま しい。なぜなら、これが最も慣例的に使用されており、そして一般により高い割 合の安定な融合体をもたらすからである。 免疫後、抗体を産生する潜在力を有する体細胞(具体的には、Bリンパ球(B 細胞))が、mAb生成プロトコルにおける使用のために選択される。これらの細 胞は、脾臓生検、扁桃腺、もしくはリンパ節から、または末梢血試料から得られ 得る。脾臓細胞および末梢血細胞が好ましい。なぜなら、前者については、それ らが分裂している形質芽球段階にある抗体産生細胞の豊富な供給源であるからで あり、そして後者については、末梢血は容易に利用可能であるからである。しば しば、動物の一団が免疫され、そして最高の抗体力価を有する動物の脾臓が取り 出され、そして脾臓リンパ球が、脾臓をシリンジでホモジナイズすることにより 得られる。代表的には、免疫されたマウス由来の脾臓は、約5×107〜2×108のリ ンパ球を含む。 次いで、免疫された動物由来の抗体産生Bリンパ球は、不死化ミエローマ細胞 (一般に免疫された動物と同一の種のもの)の細胞と融合される。ハイブリドー マ産生融合手順における使用に適切なミエローマ細胞株は、好ましくは非抗体産 生性であり、高融合効率でかつ特定の選択培地(これは、所望の融合された細胞 (ハイブリドーマ)のみの増殖を支持する)においてそれらを増殖不能にする酵 素欠損を有する。 当業者に公知なように、多数のミエローマ細胞の任意のものが使用され得る( Goding,1986;Campbell,1984)。例えば、免疫される動物がマウスである場合 、P3-X63/Ag8、X63-Ag8.653、NS1/1.Ag 41、Sp210-Ag14、FO、NSO/U、MPC-11、M PC-11-X45-GTG 1.7、およびS194/5XX0 Bulを使用し得;ラットについては、R210 .RCY3、Y3-Ag 1.2.3、IR983F、および4B210を使用し得;そしてU-266、GM1500-G RG2、LICR-LON-HMy2、およびUC729-6はすべて、ヒト細胞融合に関して有用であ る。 1つの好ましいマウスミエローマ細胞は、NS-1ミエローマ細胞株(P3-NS-1-Ag 4-1とも呼ばれる)であり、これは、NIGMS Human Genetic Mutant Cell Reposit oryから、細胞株保存番号GM3573を要求することにより容易に入手可能である。 使用され得る別のマウスミエローマ細胞株は、8-アザグアニン耐性マウスのマウ スミエローマSP2/0非産生細胞株である。 抗体産生脾臓細胞またはリンパ節細胞とミエローマ細胞とのハイブリッドを生 成するための方法は、通常、細胞膜の融合を促進する薬剤(単数または複数)( 化学的または電気的)の存在下で、それぞれ2:1の比率で(この比率は約20:1 から約1:1まで変動し得る)体細胞をミエローマ細胞と混合することを含む。 センダイウイルスを使用する融合方法は記載されており(KohlerおよびMilstein ,1975;1976)、ポリエチレングリコール(PEG)(例えば、37%(v/v)PEG)を 使用する融合方法は、Gefterら(1977)により記載されている。電気的に誘導す る融合方法の使用もまた適切である(Goding,1986)。 融合手順は、通常、低頻度(約1×10-6〜1×10-8)で生存力のあるハイブリ ッドを産生する。しかし、これは問題を提起しない。なぜなら、生存力のある、 融合されたハイブリッドは、親の非融合細胞(特に、正常には無限に分裂し続け る非融合ミエローマ細胞)から、選択培地中で培養することによって区別される からである。選択培地は、一般に、組織培養培地でのヌクレオチドのデノボ合成 をブロックする薬剤を含有する選択培地である。例示的な、そして好ましい薬剤 は、アミノプテリン、メトトレキセート、およびアザセリンである。アミノプテ リンおよびメトトレキセートは、プリンおよびピリミジンの両方のデノボ合成を ブロックし、一方アザセリンは、プリン合成のみをブロックする。アミノプテリ ンまたはメトトレキセートが使用される場合、培地には、ヒポキサンチンおよび チミジンがヌクレオチドの供給源として補充される(HAT培地)。アザセリンが 使用される場合、培地には、ヒポキサンチンが補充される。 好ましい選択培地はHATである。ヌクレオチド再利用経路を作動させ得る細胞 のみが、HAT培地中で生き残り得る。ミエローマ細胞は、再利用経路の鍵酵素( 例えば、ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT))が欠損し ており、そしてそれらは生き残り得ない。B細胞はこの経路を作動させ得るが、 それらは培養物中では寿命が制限されており、そして一般に約2週間以内に死滅 する。それゆえ、選択培地中で生き残り得る唯一の細胞は、ミエローマとB細胞 とから形成されるハイブリッドである。 この培養は、そこから特異的なハイブリドーマが選択されるハイブリドーマの 集団を提供する。代表的には、ハイブリドーマの選択は、細胞を単クローン希釈 によりマイクロタイタープレート中で培養し、続いて個々のクローン性上清(約 2〜3週間後の)を、所望の反応性について試験することにより実施される。ア ッセイは、感度が高く、簡便であり、そして迅速であるべきである(例えば、ラ ジオイムノアッセイ、酵素イムノアッセイ、細胞傷害性アッセイ、プラークアッ セイ、ドット免疫結合アッセイなど)。 次いで、選択されたハイブリドーマは連続希釈され、そして個々の抗体産生細 胞株にクローン化され、次いで、このクローンは無限に増殖させられてmAbを提 供し得る。細胞株は、2つの基本的な方法においてmAb産生のために利用され得 る。ハイブリドーマの試料は、元の融合のための体細胞およびミエローマ細胞を 提供するために使用されたタイプの組織適合性動物中に(しばしば、腹腔内に) 注射され得る。注射された動物は、融合された細胞ハイブリッドにより産生され る特異的なモノクローナル抗体を分泌する腫瘍を発達させる。次いで、動物 の体液(例えば、血清または腹水)が抜き取られて、mAbを高濃度で提供し得る 。個々の細胞株はまた、インビトロで培養され得、ここで、mAbは自然に培養培 地中に分泌され、そこからmAbは容易に高濃度で得られ得る。いずれかの手段に より産生されたmAbは、所望であれば、濾過、遠心分離、および種々のクロマト グラフィー方法(例えば、HPLCまたはアフィニティークロマトグラフィー)を使 用して、さらに精製され得る。 4.10 薬学的組成物 本明細書中に開示される薬学的組成物は、例えば不活性希釈剤とともに、また は同化可能食用キャリアとともに経口的に投与され得るか、またはそれらは硬殻 または軟殻ゼラチンカプセル中に封入され得るか、またはそれらは錠剤に圧縮さ れ得るか、または規定食の食物と直接混合され得る。経口治療的投与のためには 、活性化合物は賦形剤と混合され、そして摂取可能錠剤、舌下錠、トローチ、カ プセル、エリキシル、懸濁液、シロップ、オブラートなどの形態で使用され得る 。このような組成物および調製物は、少なくとも0.1%の活性化合物を含有する べきである。組成物および調製物の割合は、もちろん、変動し得、そして便宜上 、単位の重量の約2%〜約60%の間であり得る。そのような治療的に有用な組成 物中の活性化合物の量は、適切な投薬量が得られるような量である。 錠剤、トローチ、丸剤、カプセルなどはまた、以下を含有し得る:結合剤(例 えば、トラガカントガム、アカシア、コーンスターチ、もしくはゼラチン);賦 形剤(例えば、リン酸二カルシウム);崩壊剤(例えば、コーンスターチ、バレ イショデンプン、アルギン酸など);潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウ ム);甘味剤(例えば、スクロース、乳糖、もしくはサッカリンが添加され得る )、または着香剤(例えば、ペパーミント、冬緑油、もしくはサクランボ香料( cherry flavoring))。投薬単位形態がカプセルである場合、それは上記のタイ プの物質に加えて、液体キャリアを含有し得る。種々の他の物質が被覆物として 、またはそうでなければ投薬単位の物理的形態を修飾するために存在し得る。例 えば、錠剤、丸剤、またはカプセルは、シェラック、糖、または両方で被覆され 得る。エリキシルのシロップは、活性化合物、甘味剤としてのスクロース、お よび保存料としてのメチルパラベンおよびプロピルパラベン、色素、および着香 剤(例えば、サクランボまたはオレンジ香料)を含有し得る。もちろん、任意の 投薬単位形態の調製において使用される任意の物質は、薬学的に純粋であり、そ して用いられる量で実質的に無毒であるべきである。さらに、活性化合物は、持 続性放出調製物および処方物中に取り込まれ得る。 活性化合物はまた、非経口でまたは腹腔内で投与され得る。遊離の塩基または 薬理学的に受容可能な塩としての活性化合物の溶液は、界面活性剤(例えば、ヒ ドロキシプロピルセルロース)と適切に混合された水中で調製され得る。分散液 もまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、およびその混合物中なら びに油中で調製され得る。通常の保存および使用の条件下で、これらの調製物は 微生物の増殖を防止するために保存料を含有する。 注射用使用に適切な薬学的形態としては、無菌水溶液または分散液、および無 菌水溶液または分散液の即時調合調製のための無菌粉末が挙げられる。すべての 場合において、形態は無菌でなければならず、そして注射が容易に可能性である 程度に流動性でなければならない。形態は製造および保存の条件下で安定でなけ ればならず、そして微生物(例えば、細菌および真菌)の汚染作用に対して保護 されなければならない。キャリアは、例えば、水、エタノール、ポリオール(例 えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコー ルなど)、その適切な混合物、および植物油を含有する、溶媒または分散媒であ り得る。適正な流動性は、例えば、被覆物(例えば、レシチン)の使用により、 分散液の場合必要とされる粒子の大きさの維持により、そして界面活性剤の使用 により維持され得る。微生物の活動の防止は、種々の抗細菌剤および抗真菌剤( 例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサール など)によりもたらさせ得る。多くの場合において、等張剤(例えば、糖または 塩化ナトリウム)を含むことが好ましい。注射用組成物の吸収の延長は、吸収を 遅延させる薬剤(例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン)の組 成物中における使用によりもたらされ得る。 無菌注射用溶液は、活性化合物を必要とされる量で適切な溶媒中に上記で列挙 した種々の他の成分とともに取り込み、必要であればその後濾過滅菌することに より調製される。一般に、分散液は、種々の滅菌された活性成分を、基礎の分散 媒および上記で列挙したものからの必要とされる他の成分を含有するビヒクル中 に取り込むことにより調製される。無菌注射用溶液の調製のための無菌粉末の場 合、好ましい調製方法は、真空乾燥および凍結乾燥技術であり、これらは、予め 濾過滅菌されたその溶液由来の任意のさらなる成分を加えた活性成分の粉末を生 じる。 本明細書において用いられる「薬学的に受容可能なキャリア」は、任意のそし てすべての溶媒、分散媒、被覆物、抗細菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収 遅延剤などを含む。薬学的活性物質のためのこのような媒質および薬剤の使用は 、当該分野において周知である。従来の媒質または薬剤がいずれも活性成分と非 適合性でない限り、治療用組成物におけるその使用が意図される。補足的な活性 成分もまた、組成物中に取り込まれ得る。 語句「薬学的に受容可能」は、ヒトに投与された場合に、アレルギー反応また は類似の不都合な反応を生じない分子物質および組成物をいう。タンパク質を活 性成分として含有する水性組成物の調製物は、当該分野において十分に理解され ている。代表的には、そのような組成物は、注射用剤(液体溶液または懸濁液の いずれかとして)として調製され;注射前の液体中の溶解または懸濁に適切な固 体形態もまた調製され得る。調製物はまた、乳化され得る。 組成物は、中性または塩形態で処方され得る。薬学的に受容可能な塩としては 、酸付加塩(タンパク質の遊離アミノ基とともに形成される)および無機塩(例 えば、塩酸塩もしくはリン酸塩)または有機酸(例えば、酢酸、蓚酸、酒石酸、 マンデル酸など)とともに形成される塩が挙げられる。遊離カルボキシル基とと もに形成される塩はまた、無機塩基(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ ム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム、または水酸化第2鉄)、および有 機塩基(例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ヒスチジン、プロカ インなど)から誘導され得る。 処方に際して、溶液は、投薬処方と適合性の様式で、そして治療有効量で投与 される。処方物は、種々の投薬形態(例えば、注射用溶液、薬物放出カプセルな ど)で容易に投与される。 水溶液での非経口投与については、例えば、溶液は、必要であれば適切に緩衝 化されるべきであり、そして液体希釈剤はまず、十分な生理食塩水またはグルコ ースで等張にされる。これらの特定の水溶液は、静脈内、筋内、皮下、および腹 腔内投与のために特に適切である。この関連において、用いられ得る無菌水性媒 質は、本開示に照らして、当業者の知るところとなる。例えば、1投与量は、1 mlの等張NaCl溶液中に溶解され、そして1000mlの皮下注入液に添加されるか、ま たは注入を意図する部位で注射され得る(例えば、「Remington's Pharmaceutic al Sciences」第15版、1035-1038頁および1570-1580頁を参照のこと)。投与量 のいくらかの変動は、処置される被験体の状態に依存して必然的に生じ得る。投 与の担当者は、いずれにしても、個々の被験体について適切な用量を決定する。 さらに、ヒト投与については、調製物は、FDA Office of Biologics基準により 要求される、無菌性、パイロジェン性、一般的安全性、および純度の基準に適合 するべきである。 ラットおよびヒトにおけるコレシストキニン分泌は、膵臓プロテアーゼおよび 腸中の胆汁酸により阻害される。膵臓プロテアーゼにより引き起こされる阻害は 、腸分泌物中に存在するコレシストキニン放出ペプチドのタンパク質分解的不活 化に起因すると仮説されている。この推定の分泌ペプチドを精製するために、腸 分泌物を、目覚めているラットにおいて空腸の改変ティリーベラフィステルを灌 流することにより採集し、そしてこれらの分泌物を、出発物質として使用した。 ペプチドを限外濾過によりおよび低圧逆相クロマトグラフィーにより腸分泌物か ら濃縮し、そして逆相高圧液体クロマトグラフィーにより精製した。純度を高圧 キャピラリー電気泳動により確認した。画分を、CKK放出活性について、意識の あるラットの近位小腸中に注入した場合に膵臓タンパク質分泌を刺激するそれら の能力によりアッセイした。 部分精製画分は、膵臓分泌およびコレシストキニン放出を強く刺激し、そして コレシストキニンレセプター遮断は膵臓応答を消失した。アミノ酸分析および質 量分析は、精製されたペプチドが約70アミノ酸残基および約8136ダルトンの大き さを有することを示した。LCRFのアミノ酸組成は、以下のとおりである(アミノ 酸/残基の番号):Ala/4;Arg/1;Asp/9;Cys/N.D.;Glu/11;Gly/6;His/1;Il e/2;Leu/5;Lys/2;Met/0;Phe/2;Pro/7;Ser/7;Thr/7;Trp/N.D.;Tyr/2;V al/3(N.D.=分析において決定されず)。LCRFのミクロ配列分析は、以下のよう に、41アミノ酸についてのアミノ酸配列を生じた: 十二指腸内注入した場合、精製されたペプチドは、目覚めているラットにおい て膵臓タンパク質および膵液の分泌を用量関連様式で刺激し、そして血漿CCKレ ベルを顕著に上昇させた。合成LCRF1-6に対して惹起された抗血清を使用するイ ムノアフィニティークロマトグラフィーは、腸分泌物のCCK放出活性が上記のア ミノ酸配列を有するペプチドに起因したことを示した。これらの研究は、腸ホル モン放出の管腔内レギュレーターとして機能する管腔分泌性腸ペプチドの最初の 化学的特徴付けを実証する。 CCK分泌のプロテアーゼ感受性フィードバック調節の管腔内メディエーターを 、目覚めているラットにおいて、単離した空腸のわなを灌流することにより採集 した腸分泌物から精製した。腸分泌物は、腸抽出物よりも良好なこの因子の供給 源であるようである。これは、腸抽出物が、腸管腔中に放出されないかもしれな いCCKの他のリリーサー(releaser)を含有し得るからであり得る。 LCRFを精製するために、腸分泌物を、目覚めているラットにおいて空腸の改変 ティリーベラフィステルを灌流することにより採集し、そしてこれらの分泌物を 、出発物質として使用した。ペプチドを限外濾過によりおよび低圧逆相クロマト グラフィーにより、腸分泌物から濃縮した。これを、逆相高圧液体クロマトグラ フィーにより精製した。純度を高圧キャピラリー電気泳動により確認した。画分 を、CKK放出活性について、意識のあるラットの近位小腸中に注入した場合に膵 臓タンパク質分泌を刺激するそれらの能力によりアッセイした。部分精製画分は 、膵臓分泌およびコレシストキニン放出を強く刺激し、そしてコレシストキニン レセプター遮断は膵臓応答を消失した。 アミノ酸分析および質量分析は、精製されたペプチドが約70アミノ酸残基およ び8136±1%ダルトンの大きさを有することを示した。LCRFのミクロ配列分析は 、以下のように、41のアミノ酸についてのN末端アミノ酸配列を生じた: 十二指腸内注入した場合、精製されたペプチドは、目覚めているラットにおい て膵臓タンパク質および膵液の分泌を用量関連様式で刺激し、そして血漿CCKレ ベルを顕著に上昇させた。合成LCRF1-6に対して惹起された抗血清を使用するイ ムノアフィニティークロマトグラフィーは、本明細書に記載のアミノ酸配列が、 腸分泌物中に存在するCCK放出ペプチドのアミノ酸であったことを確認した。本 発明は、腸ホルモン放出の管腔内レギュレーターとして機能する管腔分泌性腸ペ プチドの最初の化学的特徴付けを実証する。 精製された腸LCRFについての用量応答研究は二相曲線を示し、最高用量はほぼ 最大の(submaximal)膵臓タンパク質および膵液の応答を生じた。モニターペプ チドにより刺激されたCCK放出についての類似の二相用量応答曲線が、単離され た脈管灌流ラット腸を使用する研究において、Cuberら(1990)により報告され た。これらの研究者らは、二相曲線は、放出ペプチドのより高い濃度でCCKを分 泌する腸内分泌細胞上のレセプターの脱感作を反映し得ると示唆した。 膵液における液排出量およびタンパク質排出量の平行する変化は、LCRFがセク レチン放出活性およびCCK放出活性を有することを示唆した。しかし、胆汁−膵 液の迂回の間のラットにおける膵液分泌は、Taguchiら(1992)により実証され たように、高度にCCKに依存する。Taguchiらは、胆汁−膵液迂回ラットにおける 大いに上昇された液排出量は、タンパク質排出量の減少と平行して、CCKレセプ ター遮断によりほぼ消失されたことを示した。このラットにおいて、膵液の迂回 はセクレチン放出を刺激するので、腸LCRFによる液排出量の刺激は、セクレチン 分泌の上昇のバックグラウンドにより刺激されるCCK増液分泌のレベルの増加の 反映として解釈され得る(Sunら、1982)。これはまた、本明細書において提示 される研究における、CCKレセプターアンタゴニストであるMK-329による、部分 精製されたLCRFに対する膵液応答の本質的な排除と一致する。 LCRFは、ラットにおけるコレシストキニンの放出のために、十二指腸内に送達 されるのは3マイクログラム(3mg)の用量で有効である。これは約10mg/kgラ ットと言い換えられる。控えめには、これは、70kgのヒトにおけるCCK放出のた めの有効用量が約1mgであることを示唆する。有効な処置のためには、これが腸 (十二指腸または空腸)において利用可能でなければならない量であると考えら れている。 従って、1mgの活性LCRFは、70kgのヒトにおいてCCK放出を最大に誘発するよ うに十二指腸中に存在しなければならない。食事以外の保護的手段なしで、約1 〜2%のみが消化プロセスを生き延びると予想され(DiMagnoら、1986)、この ことは、50〜100mgが有効経口用量として必要とされ得ることを意味する。酸分 泌抑制剤を伴う場合、大部分(70〜80%)のペプチドが胃通過を生き延び、そし て十二指腸中に送達されなければならない。すなわち、PepcidまたはTagametを 伴う2〜3mgのLCRFの用量が、特に食事とともに摂取される場合、有効であるは ずである。ペプチド薬剤が膵臓プロテアーゼインヒビターとともに処方され、そ して酸抑制薬物とともに摂取される場合、おそらく100%の送達が予想され得る (それで、1mg以下のLCRFの用量が有効である)。同様に、LCRFの化学的に修飾 された形態(胃および腸での消化に耐える)が作製される場合、それは1mg以下 で有効である。 論じたように、非保護形態で経口で与えられるペプチドについては、胃および 腸におけるペプチドの消化が、活性の大きな損失を引き起こし得る。これは、膵 臓疾患において経口投与される消化酵素の補充に類似している。ここで、大部分 の投与される酵素は、胃において酸/ペプシンにより破壊される。胃の内容物の 胃酸分泌抑制剤(例えば、Tagamet、ZantacまたはPepcid)での中和は、経口消 化酵素補充の胃での不活化を防止し(DiMagnoら)、そして類似のプロトコルは 、経口投与されるLCRF処方物を同様に保護する。PepcidおよびTagametは、現在 処方箋なしに入手可能であり、そしてZantacは近い将来にそうなると予想される 。さらなる保護的処方物としては、マイクロスフェアの腸溶コーティング(これ は薬剤を被包し、その結果マイクロスフェアは、それが十二指腸に到達するまで その内容物を放出しない)が挙げられる。これらの手段を用いて、経口で摂取さ れる2〜3mgのLCRFが、十二指腸に到達する約1mgを生じることが予想される。 LCRF、その活性フラグメント、誘導体、またはアナログの経口投薬形態は、溶液 、懸濁液、錠剤、カプセル、または当業者に公知の他の形態のような、任意の便 利な投与可能形態であり得る。 5.0 実施例 以下の実施例は、本発明の好ましい実施態様を実証するために含まれる。続く 実施例において開示される技術は、本発明の実施において良好に機能すると、本 発明者らによって見出された技術を表し、従って、その実施のための好ましい態 様を構成するとみなされ得ることが、当業者により理解されるはずである。しか し、当業者は、本開示に照らして、多くの変更が、開示される具体的な実施態様 においてなされ得、そしてなお同様なまたは類似の結果を本発明の精神および範 囲から逸脱することなしに得ることができることを理解する。 5.1 材料 抗血清番号94113および番号22322は、ウサギにおいて、antibody core facili ty of CUREにおいて、そしてQuality Controlled Biochemicals,Inc.(Hopkin ton,MA)により、LCRF1-6およびLCRF7-23に対して惹起された。 組換えジアゼパム結合インヒビター(DBI1-86)は、Jens Knudsen(Odense Un iversity,Odense,Denmark)により提供された。DBI 33-50(ODN)およびガス トリン放出ペプチド(GRP)を、Peninsula Laboratories Inc.(Belmont,CA) から得た。組換えモニターペプチド(MP)を、Liddle(Liddleら、1984)に記載 のように調製した。 5.0.2 方法 5.0.2.1 組織調製 300gと350gとの間の体重の雄のウィスターラットを、一晩絶食させた。ラット をペントバルビタール(Nembutal、Abbotl、Chicago、IL)で麻酔した。脳およ び脳幹を4%パラホルムアルデヒドで灌流したラットから除去した。迷走神経、 食道、胃、十二指腸、膵臓、および副腎の切片とともに節状神経節を、灌流して て、全ての組織を2交替の30%スクロース中で2日にわたって凍結保護した。脳 および脳幹を除く各組織試料のいくつかを、卵黄ゲルに包埋し、そして浮遊切片 免疫組織化学用の滑走式ミクロトーム上で30μmのスライスに分割した。脳およ び脳幹を、卵黄ゲルに包埋せずに、滑走式ミクロトームによって30μmの切片に 分割した。さらなる組織試料を、Tissue-Tek OCT Compound(Miles Inc,Elkhart ,IN)中で凍結し、クリオスタットにおいて分割し、そして隣接する切片を用い る抗原ブロッキング研究のためにSuperfrostスライド(Fisher Scientific,Pit tsburgh,PA)に解凍して取り付けた。 5.0.2.2 卵ゲル包埋 固定化および凍結保護の後、浮遊切片免疫組織化学の前に脳および脳幹を除く 全ての組織を「卵ゲル」中に包埋した。ゼラチンを、包埋する2時間前に6%お よび12%で調製し、そして37℃で保存して気泡を散逸させた。12%ゼラチンの層 を包埋のために使用される型枠の中へ流し入れ、そして固まるまで水平にして保 存した。組織を6%ゼラチン中に37℃で15分間浸し、次いで、包埋する直前に12 %ゼラチン中に移し、そして浸した。ニワトリの卵を包埋前に室温に戻した。卵 を割り、そして卵白をデカントした。濾紙上で卵黄を転がすことによって全ての 卵白を除去し、そして卵黄を12%ゼラチンと1:1の比で混合した。組織を、12 %ゼラチンから取り出し、そしてゼラチンベース型枠の中に置いた。卵黄ゼラチ ン混合物を、気泡を導入しないように注意しながら組織の上に流し、次いで15分 間冷蔵庫の中で冷却した。型枠を冷4%パラホルムアミド中に浸し、そして一晩 冷蔵し、次いで、室温で24時間インキュベートした。組織のブロックを型枠から 取り出し、そして4%パラホルムアルデヒド中に数日間浮遊させ、次いで20%ス クロースを有する4%パラホルムアルデヒド中に2日間浮遊させた。 5.0.2.3 免疫組織化学 遊離の浮遊組織切片を、0.05M PBS中で10分間、6回洗浄し、0.10%(v/v)フ ェニルヒドラジン(Fisher,Pittsburgh,PA)中で20分間のインキュベートし、 その後0.05M KPBS中でのさらなる10分間の洗浄を4回行った。次いで、0.4%(v /v)のTriton-X 100を含む0.05M KPBS中にて1:160,000に希釈された一次抗体 中で組織切片を60分間22℃で、次いで2日間4℃でインキュベートした。インキ ュベーションの後、組織を0.05M KPBS中で10分間6回洗浄した。組織を、0.4%T riton-X 100を含む0.05M KPBS中に1:600に希釈したビオチン標識したヤギ抗ウ サギIgG(Vector♯BA1000)の溶液中で、室温にて1時間インキュベートし、次 いで、0.05M KPBSで10分間5回リンスした。西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP 、V ンの比で10mlの0.4%Triton-X 100を含む0.05M KPBS中で混合し、次いで、30分 間室温でインキュベートした。組織を、アビジン-ビオチン複合体とともに室温 で1時間インキュベートした。インキュベーションの後、組織を0.05M KPBSで5 分間3回、次いで、0.175M酢酸ナトリウムで5分間3回リンスした。用いた色素 原は、2mgジアミノベンザジン(diaminobenzadine)(Fluka,Switzerland)、 酸ナトリウムであった。組織切片を、直接観察しながら色素原中で8〜10分間イ ンキュベートした。最適な染色が得られたときに、0.175M酢酸ナトリウム中で5 分間3回、続いて0.05M KPBS中で5分間3回リンスすることによって反応を止め た。浮遊切片を、Superfrostおよびスライド上に取り付け、中性レッドで対比染 色し、そして50%〜100%までの一連のアルコールでのリンスによって脱水した 。組織を、キシレンで明澄化し(cleared)、そしてカバースリップをHistomoun t(Kimberly research,Atlanta,GA)で取り付けた。 5.0.2.4 抗血清の特徴付け 免疫組織化学研究のための最適抗血清濃度を、2-log濃度範囲にわたって決定 terminal)LCRF1-35またはコントロール溶液で1時間、抗血清溶液を予め吸収す ることによって決定した。免疫組織化学研究のための最適抗血清希釈を、1:1 ,000から1:320,000までの範囲の一連の希釈を介した一次抗体の滴定によって 決定した。 5.0.2.4.5 アッセイ 5.0.2.4.5.1 タンパク質アッセイ 膵液中のタンパク質の排出量を、0.01M Tris緩衝液(pH7.8)中に希釈された 試料の280nmでの光学密度を決定することによって測定し、そしてウシトリプシ ノーゲンを標準として用いてmg/30分として示した。液体の排出量を、Hamilton シリンジによって測定し、そして最近似で(nearest)0.001mlまで評価した。 5.0.2.4.5.2 CCKバイオアッセイ プラズマCCKを、単離された膵臓腺房からのアミラーゼ放出に基づいて確認さ れたバイオアッセイによって決定した。同一の調製物を用いて、膵臓腺房に対す るLCRF1-35の直接的効果について試験した。 5.1 実施例1 LCRF単離および特徴付け 5.1.1 単離 325gと375gとの間の体重の雄のウィスターラットを、一晩絶食させた。メトキ シフルラン麻酔(Methofane,Pitman-Moore)下で、ラットを空腸の改変された ティリーベラフィステルを用いて調製した。空腸を2点(トライツの靭帯から5 cmおよび30cm)で横に切開した。空腸フィステルの近位端を閉鎖し、そしてサイ ラスティック注入力ニューレを挿入した。遠位切断端を外部に取り出し、そして 腹膜および皮下筋膜に取り付けた。消化管の連続性を、端対端の吻合(十二指腸 から残りの空腸まで)によって再確立した。ラットに手術からの3日間の回復期 間を与え、その後、腸分泌物の回収を開始した。回復の間および回収の合間に、 ティリーベラループを、2ml/時間で約14時間/日の間、基本型の食餌(Vital,0 .5kcal/ml,Ross Laboratories,Columbus,OH)で連続的に灌流した。食餌注 入の目的は、単離されているループの粘膜萎縮(mucosal atrophy)を防止する ことであった。手術後、動物に正常な齧歯類用飼料および水を適宜与えた。手術 手順は標準的な技術であり、そして(Guanら、1990)に記載されている。 生理食塩水(0.15M NaCl)を0.5ml/分で1時間注入してフィステルの管腔中に 残存する食餌を全て洗い出し、その後、生理食塩水を1.0ml/分で5時間注入する ことによって、腸CCK放出ペプチドを含む腸分泌物(ラット一匹1日当たり300ml の希釈された腸分泌物)をフラッシュした。希釈された腸分泌物(腸洗浄物)を 、 氷上に回収し、そして回収時間(5時間)の最後に、その洗浄物を10分間沸騰さ せ、冷却し、次いでWhatman4番濾紙を通して濾過した。洗浄物を、タンパク質 単離を行う前に5℃で保存した。 5.1.2 精製 低温室(5℃)にて、腸洗浄物を、高出力Amicon撹拌セルを用いてYM-30 Amic onディスク膜(MWカットオフ30,000)を通して濾過し、次いで、YM-1 Amiconデ ィスク膜(MWカットオフ1000)を用いて100倍に濃縮した。濃縮物を-70℃で保存 した。濃縮された洗浄物を、一連のC18 Sep-Pak(Millipore,Milford,MA)を 用いてさらに濃縮し、そして精製した。5つのC18 Sep-Pak(標準モデル)を、 サイラスティックチューブ(溶出容量約5ml)を用いて一緒に連結した。Sep-Pa k連鎖を100%エタノールで、その後0.1%酢酸で馴化した。濃縮物(100ml)をSe p-Pak連鎖の上にロードした。引き続いて、連鎖を0.1%酢酸で洗浄した。腸CCK 放出ペプチドを、連鎖を0.1%酢酸中の漸増濃度のエタノールで洗浄することに よってSep-Pak連鎖から溶出させた。エタノール抽出物を、HPLCによるさらなる 精製の前に5℃で保存した。 濃縮した試料を、0.1%トリフルオロ酢酸塩で5倍に希釈し、そして反復した 4ml注入によって0.1%トリフルオロ酢酸塩で平衡化されたVydac C-18逆相HPLC カラムにロードした。ロードした後、カラムを、吸光度が注入前の値に戻るまで 0.1%トリフルオロ酢酸塩でリンスした。次いで、試料を0.1%トリフルオロ酢酸 を含む50%までのアセトニトリルの勾配で溶出した。220および280nmでの吸光度 をモニターし、そしてピークを回収した。 5.1.3 分析 HPLCタンパク質含有試料を、試料の純度を評価するために高速キャピラリー電 気泳動(HPCE)によって分析した。5mlの試料を、0.1Mリン酸ナトリウム(pH2 )で3倍に希釈し、そしてBeckman 9600高速キャピラリー電気泳動装置上に配置 した。試料を製造者らの推奨する条件に従って泳動し、そしてデータをSystem G old Softwareによって分析した。 HPCEは、単一の主要な成分の溶出を明らかにした(図3)。20.7分で溶出する混 入物は、主要ピーク面積の1%未満であった。この混入物は、緩衝液コントロー ル中に存在し、従って腸の洗浄から単離された成分を示していなかった。溶出し た物質は、単一の純粋なタンパク質を示した。 HPCE試料のアリコート(50ml)を、真空下で乾燥させた。試料を気体のHClで2 4時間加水分解し、次いで真空下で乾燥させた。加水分解した試料をApplied Bio systemsの自動化アミノ酸分析機にロードし、そして製造者らの推奨する手順に 従い分析した。 分析は、表4に示すLCRFのアミノ酸組成を示した。 約7%の精製LCRF(100ml)を、自動化PTH分析を有するApplied Biosystems P eptide Sequencerにロードした。3つの分析を、2つの別々に精製された試料に ついて行った。1つの配列分析は、決定的な残基の割り当てを41位まで与えた。 他の2つの配列分析は、残基の割り当てが30位の後は決定的ではなかったことを 除いては類似の結果を与えた。決定されたアミノ酸配列についての1文字表記は 、以下の通りである: LCRF(5〜10ml)のいくつかの小アリコートを、エレクトロスプレーによって ポジティブモードで操作されるSciex quadrapole質量分析機に注射した。LCRFの 分析は、1つの質量イオンをバックグランド値を超えて検出した。LCRFの質量を 、8136.5ダルトンと測定し、これは約2/3のLCRFの配列が決定されたことを示し た。LCRFは、質量スペクトル分析によって決定されたように、分子サイズ8136ダ ルトン±1%を有した。組成分析に基づいて平均の重量を仮定すると、推定され るアミノ酸残基数は、約69〜73アミノ酸残基である。 LCRFのアミノ酸組成は、それが潜在的なトリプシン切断部位を示し得る3つの 塩基性残基を含むことを示す。このような部位は、放出因子がトリプシンによっ て不活性化されるという観察に一致する(Miyasakaら、1989)。 LCRF分子の最初の2/3について決定されたアミノ酸配列は、データベースSWISS -PROT,PIR,GenPept、およびGenPeptを含む検索プログラムにおける配列と比較 された。約30のアミノ酸配列についての最も近い相同性は、わずか約35%であり 、一方5アミノ酸以上のより短い配列についての最も近い相同性は、約60%であ った。 5.2 実施例2 LCRFの生物学的活性 5.2.1 バイオアッセイ CCK放出活性についてのインビボバイオアッセイは、Miyasakaら(1992)によ って記載される方法の改変である。雄のウィスターラットを、膵臓、胆管、十二 指腸、および頸静脈のカニューレを用いて調製した。これらの動物において、膵 液を腸から迂回させ、注入したペプチドのタンパク質分解的不活性化を防止し、 そしてタウロコール酸塩を十二指腸内(i.d.)に注入して、膵液の迂回によって 生じる高い基底CCK放出を抑制した。2つのカニューレを、胆汁-膵液の回復のた め、および生物活性ペプチドの注入のために十二指腸に挿入した。頸静脈カニュ ーレをCCKバイオアッセイのための血液試料のために挿入した。回復の間および 実験の合間に、膵液および胆汁を回収し、そして蠕動ポンプに連結した液体レベ ル検出器の中の回収チューブからなるサーボ機構(servomechanism)によって連 続的に腸に戻した。実験の間に、膵液を回収し、そして回収された分泌物の10% を、十二指腸に戻した。この部分的膵液回復モデルは、基底膵臓分泌の抑制を維 持するという利点を有するが、トリプシンインヒビターおよび食餌に含まれるタ ンパク質による刺激の閾値を減少させる。これをこのLCRF1-35の研究において用 いる理論的根拠は、ペプチドによる膵臓分泌の刺激の閾値を低下させることであ り、同一の条件下でのトリプシンインヒビターの注入と相同である。 手術後4〜7日目の0800時間にて、ラットを絶食させそして膵液を十二指腸か ら迂回させた。3時間後、胆汁もまた迂回させ、そして100mMの重炭酸ナトリウ ムを含む40mMタウロコール酸ナトリウムを十二指腸内に1ml/時間で3時間注入 して、安定な膵臓分泌速度を確立した。次いで、試料を十二指腸内に注射し、そ して膵臓のタンパク質および液体の応答を、試験溶液の注入の後の最初の15分間 の回収における排出量を、最後の15分間の基本回収時間における排出量から差し 引くことによって計算した。 単離された腸粘膜細胞(Bourasら、Liddle 1995)またはFACS精製コレシスト キニン細胞(Liddleら、1992)からのCCK分泌を刺激するLCRFの能力に基づくイ ンビトロバイオアッセイを確立した。このインビトロ調製物は、モニターペプチ ド、KCl、およびLCRFのようなCCK放出因子に応答した。これらのインビトロアッ セイの一方または他方を記載されたインビボラットバイオアッセイとともに用い て、濃縮された腸洗浄物からのLCRFの精製に従った。このインビトロアッセイを 用いて、インビボアッセイを確認した。 CCKがバイオアッセイにおいて膵臓を刺激するホルモンであることを証明する ために、部分精製したLCRFの十二指腸注入に対する膵臓分泌応答へのCCKレセプ ター遮断(MK-329)の効果を決定した。部分精製したLCRFを、上記のように十二 指腸内に注入し、そして膵臓のタンパク質および液体の分泌を、MK-329またはビ ヒクルの静脈内注射の後に決定した。血漿CCKレベルもまた、ビヒクル注入実験 の間に測定し、バイオアッセイが実際に調製物のCCK放出活性を測定しているこ とを確認した。 5.2.2 LCRFの生物活性 実施例5.1に記載される腸洗浄物のHPLCから回収された画分(100〜200ml)を 、Speed-Vac蒸発に約30分間供し、アセトニトリルを除去した。1mlの0.1%酢酸 を添加し、そして試料を単一のC18 Sep-Pakにロードした。Sep-Pakは、100%エ タノールで、その後0.1%酢酸で洗浄した。ロードした後、0.1%酢酸中の1.5ml の70%エタノールを溶出のために用いた。試料容量を、Speed-Vacによって約100 mlに減少させた;1mlの生理食塩水を添加し、そしてpHを0.1N NaOHで約6〜7 に調整した。 生物活性を、40%と60%エタノール画分の両方において、C18 Sep-Pak連鎖か らの溶出物において見出した。60%エタノール画分の逆相HPLCは、弱い生物活性 を有するピークを生じたが、このピークはまたいくらかの不純物を含んでいた。 40%エタノール画分の逆相HPLCは、LCRF生物活性に関連する220および280nmでの 吸光度を有する単一のピークを生じた(図2)。このピークの前および後のコント ロールチューブは、生物活性を有しなかった。一旦、調製およびクロマトグラフ ィー条件が決定されると、クロマトグラフィーにかけられたLCRFの全ての調製物 (n=6)は、図2に示すのと同一の位置に生物活性を有した。調製物における差 違は、精製されたLCRFの量およびクロマトグラムの他の領域において観察された 混入物のレベルを含んだ。 精製された腸LCRFを、異なる用量で十二指腸内に注射し、そして膵臓のタンパ ク質および液体の分泌応答をモニターした。1mg(n=5)、2mg(n=5)、3mg (n=2)、および7mg(n=2)の純粋なLCRFまたは0.15M NaCl(n=5)を、バイ オアッセイラットの十二指腸にゆっくり注射し、そして膵臓のタンパク質および 液体の分泌の変化をモニターした。3mgおよび7mgについて観察された応答は、 注射回数が少なかったので統計学的に評価しなかった。2mgのポリペプチドの注 射によって、膵臓のタンパク質および液体の分泌が、生理食塩水に比較してそれ ぞれ3.5倍および3.1倍有意に増加した。図4に示される結果は、精製された腸LC RFに対する膵臓の分泌応答が、用量関連であり、そして2相であること(最も高 い用量(7mg)が、最大有効用量(3mg)よりも実質的により低い応答を引き起 こしている)を示す。 あるいは、部分精製したLCRFの濃縮された試料を、Sephadexゲル濾過クロマト グラフィーに供した。ゲル濾過は、連鎖Sep-Pak分離の後に得られた試料に比較 して、比生物活性を100倍増加させた。この部分精製した調製物のインビボおよ びインビトロバイオアッセイを、上記のように行った。1mlの血液を、血漿CCK決 定のためにLCRFの注射の15分後に採取した。血漿CCKを、Liddleら(1984)によ って記載されるようにバイオアッセイによって測定した。LCRF注射を、MK-329( 0.5mg/kg静脈内ボーラス)、特異的CCK-Aレセプターアンタゴニスト(Victor J .Lotti博士、Merck Sharp & Dohme,West Point,PAによって提供された)の存 在下で反復した。MK-329を、DMSO:Tween 80:生理食塩水(1:1:3)に溶解し、そ して部分精製したLCRFの注射の1時間前に静脈内注射した。 血漿CCKレベルおよび膵臓のタンパク質分泌に対する、部分精製したLCRFの十 二指腸内注入の効果を決定した。1mlの0.15M NaCl中の200mgのLCRFまたはNaCl単 独を、バイオアッセイラットの十二指腸にゆっくりと注射した(約1分間)。1m lの血液を、注射の15分後に採取した。LCRF注射を、翌日にMK-329でのCCK-Aレセ プター遮断の間に反復した。図1に示すように、LCRFは、生理食塩水(0.15M Na Cl)に比較して、血漿CCKレベルを4.8倍有意に増加させる効果を有した。LCRFに 対する膵臓タンパク質および液体応答の増分は、生理食塩水の注入について観察 されたものよりそれぞれ4.2倍および2.6倍高かった。MK-329は、部分的に精製さ れたLCRFに対する膵臓分泌応答を完全に消滅させた。これらの結果は、精製され た因子が、コレシストキニン放出ペプチドであること、およびバイオアッセイに ついて観察された膵臓分泌応答がCCKの放出に起因することの強力な証拠を提供 した。 5.3 実施例3 免疫親和性実験 報告されたアミノ酸配列が、実際はCCK放出ペプチドであったことを確認する ために、免疫親和性クロマトグラフィー研究を、LCRF生物活性を腸洗浄物から選 択的に除去するために行った。これらの研究は、LCRFに帰属された配列がタンパ ク質混入物の配列ではないことを決定した。いくつかの合成LCRFフラグメントに 対して惹起されたポリクローナル抗体が、特異的にLCRFに結合し、そしてLCRF活 性をブロックすることを見出し、従って、決定された配列が、CCK放出ペプチド の配列であることを確認した。 抗血清を、KLHに結合した合成LCRF(配列番号1の1〜6位のN末端ヘキサペ プチド)に対して標準的方法によってウサギ中に惹起した。この抗血清(LCRF-A b)または正常ウサギ血清(NRS、コントロール)を、Bio-Rad Affi-Gel 10ゲル に結合させた。ラット腸洗浄物の限外濾過から得られたLCRF試料を、NRS結合ゲ ルおよびLCRF-Ab結合ゲルに適用し、そして一晩4℃にてインキュベートした。1 6時間後、各ゲルをカラム支持体に移し、そして結合していない物質を1M NaClで カラムから溶出した(溶出工程1)。続いて、抗体-抗原相互作用を破壊すること によって抗体に結合した物質を溶出する目的で、20mM HClを各カラムに適用した (溶出工程2)。工程1および工程2からの溶出物を、C-18 Sep-Pakおよびspeed- vacを用いて濃縮した。意識のあるラットにおいて膵臓のタンパク質分泌の刺激 によって、溶出物をCCK放出活性についてアッセイした。抗血清が、いくつかの 細胞および組織(例えば、小腸、胃、膵臓、節状神経節、および脳)に選択的に 結合することもまた見出した。 抗血清に結合したゲル(LCRF-Abカラムからの溶出物)との部分精製したLCRF のインキュベーションは、ゲルから回復した物質の生物活性を有意に減少させた 。LCRFを、免疫親和性ゲル(Bio-Rad Affi-gel 10)と一晩インキュベートし、 このゲルに、いずれか(LCRF1-6抗血清(LCRFAb)または正常ウサギ抗血清(NRS ))が結合した。翌日、結合していない物質をカラム支持体から溶出し、そして LCRF生物活性(膵臓タンパク質分泌)についてアッセイした。LCRF1-6抗体の結 合したゲルは、NRS結合ゲルに比較して、カラムから溶出される有意に減少した 生物活性によって示されるように、明らかにLCRFに結合した。コントロールは、 部分精製されたLCRF調製物と等価量であり、これは、親和性ゲルに適用しなかっ た。対照的に、正常なウサギ血清結合したゲル(NRSカラムからの溶出物)との インキュベーションは、そのゲルから回復した物質の生物活性に有意に影響しな かった。結果を図5に示す。ゲル上での抗体抗原相互作用が破壊し、そしてゲル を溶出すると、有意の量のLCRF生物活性が抗血清結合ゲルから溶出したが、LCRF 生物活性はNRS結合ゲルからは溶出しなかった(結果を示さず)。 LCRF分子の2つの異なる部分に対する抗血清をウサギに惹起した。これらの抗 体は、インビボでLCRFのCCK放出効果を中和することが示された。ラット脳、節 状神経節、胃、膵臓、十二指腸、および副腎を調製し、そして免疫組織化学のた めにスライスした。免疫組織化学研究のための最適抗血清濃度を、2-log濃度範 囲にわたって決定した。染色の特異性を、特異的LCRF抗原を含むかまたは何も含 まない抗血清溶液を、抗血清を組織切片に添加する1時間前に、予め吸収させる ことによって決定した。結合を、ニッケルジアミノベンザジン色素原を有するア ビジン-ビオチン複合体−西洋ワサビペルオキシダーゼ二次抗体系を用いて局在 化した。切片を対比染色し、そして光学顕微鏡によって分析した。 濃度依存性および抗原特異的染色を、十二指腸および膵臓の両方において同定 した。染色を、十二指腸および胃の筋層間神経叢および粘膜下神経叢において観 察した。染色をまた、膵臓全体の神経線維、感覚線維および節状神経節の細胞体 、ならびに副腎髄質の交感神経線維において同定した。免疫組織化学的証拠は、 LCRFが消化管系および他の系においていくつかの機能を有し得る神経ペプチドで あることを示唆した。 結合の特異性を、連続希釈での結合の連続的な損失によって、非特異的なウサ ギ一次抗体での染色の不在によって、およびウサギを免疫するのに用いられる特 異的抗原での結合のブロッキングによって実証した(図20B、21B、22B、および23 B)。LCRF7-23に対する抗血清は、免疫組織化学のためのアミノ末端抗血清より優 れていたが、組織型の各々におけるLCRF1-6およびLCRF7-23に対する抗血清での 隣接する切片の免疫組織化学染色は、同一の染色パターンを示した。これらのデ ータは、局在化のために用いられる免疫組織化学染色が、インビボでのLCRF分布 を正確に反映することを示唆した。 5.3.1 腸上部および膵臓上部におけるLCRF局在 LCRF免疫反応性を、小腸絨毛の近位の3分の2内の神経線維において、そして 絨毛の先端の腸細胞で同定した(図20Aおよび図20B)。腸細胞の縦方向および横 断面の図は、細胞質および線維における分離した環状構造内のLCRF免疫反応性( LCRF-IR)を示す。管腔粘液線維は、LCRF-IRを含むが、予め吸収された抗血清に よって不完全にブロックされた。LCRF-IR粘液線維は、遠位の絨毛から伸長する ように見えるが、杯状細胞は、LCRF-IR陰性であった。腸内分泌細胞もまた、LCR F-IR陰性であった。 筋層間神経叢における神経線維および神経細胞体ならびに十二指腸の粘膜下神 経細胞は、LCRF-IRを含む(図21Aおよび図21B)。ほとんどの線維の起源が決定さ れ得なかったが、絨毛内に伸長する神経線維を、いくつかの場合に粘膜下ニュー ロンに見出した。 胃のLCRF-IRを、神経線維、および筋層間神経叢および粘膜下神経叢の神経細 胞体において同定した。胃食道の結合部内の腸細胞もまたLCRF-IRを示した。さ らに、多くの大きなLCRF-IR神経が、胃洞(stomach antrum)の漿膜(serosal) 表面に沿って走っていた。大きなLCRF-IR神経線維が、膵臓を通して走っている ように見え、そして特に小葉間の結合組織において顕著であった。小さい免疫反 応性神経が、ランゲルハンス島の末梢の周囲にしばしば観察されたが、これらは 、いつも観察されるとは限らなかった。 5.3.2 自律神経系および脳におけるLCRF免疫反応性 副交感神経系を、隣接する迷走神経とともに節状神経節、迷走神経の背側運動 核および疑核を含む脳幹切片の評価を介して調査した。節状神経節の神経細胞体 および迷走神経線維は、LCRF-IR陽性であるが(図22Aおよび図22B)、一方、脳幹 の運動ニューロンは、LCRF-IR陰性である。従って、迷走神経の感覚アーム(sen sory arm)のみがLCRF-IRを含む。 副腎を用いて交感神経系の神経をスクリーニングした。副腎髄質の細胞は、弱 いLCRF-IR染色および交感神経線維の明瞭な染色を示した(図23Aおよび図23B)。 しかし、LCRF−IR血管周囲の交感神経は、副腎、腸、または他の組織において観 察されなかった。 中枢神経系を、脳全体を覆う規則正しく間隔を開けた矢状切断(sagittal sec tion)を用いて評価した。LCRF-IRは、中枢神経系において同定されなかった。 従って、LCRF-IRは、腸神経系の神経、迷走神経の感覚アーム、および節状神経 節の交感線維に局在する。 5.4 実施例4 LCRFの分子クローニング LCRFアミノ酸配列の主要部分の決定により、適切なDNAライブラリーをプロー ブするため縮重プライマーを用いて、コードDNAのクローニングが比較的簡単に 可能になる。プライマーの長さは、一般的には選択の問題であるが、15〜25塩基 対くらいのものが簡便であり、決定した41アミノ酸配列の完全長まで可能である 。ペプチドの配列決定されたN末端アミノ酸から合成された変性プライマーを、 LCRFのそのセグメントをコードするcDNAをRT-PCRTMによって生成するために使用 する。一旦、cDNAを配列決定すると、cDNA配列の3’末端から作製したプライマ ーを5’プライマーとして、3’プライマーとしてのオリゴ(dT)16と共に、LCRF のインタクトな完全長cDNAを生成するために転写物の両端をRACEするために使用 する。 cDNA末端の迅速な増幅(RACE) LCRF cDNAの3’末端を、100mlの反応混合物(10mM Tris-HCl(pH8.4;23℃)、 1.5mM MgCl2、40mM KCl、200mMの各dNTP、1mMのすでに配列決定したペプチドの 中心部由来の各プライマー、2mlオリゴ(dT)16、および2U Taq DNAポリメラー ゼを含む)中で増幅する。94℃で1分間変性し、40℃で1分間アニーリングし、 そして72℃で1分間伸長させ、次いで、72℃で20分間さらに伸長させる増幅を30 サイクル行う。 LCRF転写物の5’末端が完全に配列決定されることを確認するために、後者を 、P3プライマーを用いて逆転写する。伸長プライマーは、20mlの反応混合物(50m Mカコジル酸カリウム、2mM CoCl2、200mM DTT、200mM dATP、および10Uターミ ナルデオキシヌクレオチドチジルトランスフエラーゼ(terminal deoxynucleotid etidyl transferase)を含む)中で、ポリAでテイルする。伸長プライマーを、テ ンプレートとして使用し、そして3’末端について上記のように増幅する。た だしプライマーおよび最初のcDNAを、0.2mMオリゴ(dT)16プライマー、配列決定 された123b pcDNAから得た0.5mMの特異的プライマー、および2mlのテイルされ た第1鎖のcDNAによって置換することを除く。最後に、オーバーラップしている 3’および5’末端RACE産物を組み合わせて、LCRFのインタクトな完全長cDNAを 生成する。 クローニングおよび配列決定 PCRTM産物を精製し、そしてInvitrogenのTAクローニング法を介してpVZIプラ スミドベクターへクローン化する。そのヌクレオチド配列を、[α-35S]dATPおよ びsequenaseキットを使用してジデオキシヌクレオチド連鎖終止反応法によって 決定する。PCRTMクローニングの代わりとしては、LCRFの既知のアミノ酸配列に 基づくプローブおよび膵臓または脳細胞から得られるようなcDNAライブラリーを 用いる従来のプラークハイブリダイゼーションがある。一旦LCRFをコードする完 全長cDNAを得ると、LCRF cDNAを、このペプチドのヒトバージョンを得るために 使用し得る。ラットLCRFに対して相同であると予想されるLCRFのヒトバージョン はまた、類似した手順で得られ得る。 本発明に開示のDNA配列により、比較的短いDNA(またはRNA)配列の調製が可 能である。この配列は、適切な長さの核酸プローブを調製することにより、lcr 遺伝子配列に特異的にハイブリダイズする能力を有する。このようなプローブを 、代表的には、LCRF遺伝子またはこの遺伝子のフランキング領域由来の規定され た遺伝子配列の考察に基づいて調製する。 LCRFをコードする遺伝子をクローン化するために、2つの相補的なストラテジ を考える。1つ目のアプローチは、配列番号1のペプチド配列を使用して、PCRT M (ポリメラーゼ連鎖反応)による直接的クローニングに使用するためのオリゴヌ クレオチドプライマーを設計する。2つ目のアプローチにおいては、血清学的な 試薬を使用して、免疫反応性を有する配列を同定するためcDNAライブラリーをス クリーニングする。これら2つのアプローチは、相補的であるが、しかし同一の DNAまたはRNA配列を同定することが予想される。 オリゴヌクレオチドアプローチ LCRFのアミノ末端に対して決定された41アミノ酸配列から、mRNA配列を予測し 、そして少なくとも縮重領域を選択した。6つの異なるオリゴヌクレオチドプラ イマー(4領域由来)を作製した;それらの配列および位置を示す。 lcrfオリゴヌクレオチド配列は以下である: 最も外側の各オリゴヌクレオチドに対して、2つの異なるバージョンを作製し た。1方は縮重位置をイノシンで充填し、そして他方はヌクレオチドの適切な混 合物を含んでいた。一般的に、LCRF-5'およびLCRF-3'オリゴヌクレオチドを、PC RTMでのプライマーとして作用させるため設計し、一方、内部オリゴヌクレオチ ドを、主にプローブとして、また必要な場合、ネスティッドプライマー(nested primer)として使用した。 LCRFコード配列をクローン化するために、RNAをいくつかのラット組織(腸、 脳、膵臓、胃、および節状神経節を含む)から調製した。これらのRNAを、逆転 写酵素結合ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCRTM)で使用するためcDNAに転換した;全 てが、HPRT(ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ)コントロール PCRTMを使用して、インタクトであることが示された。標準PCRTMを使用する。さ らに、プライマーは、高度に縮重しているので、ステップダウン(step-down)P CRTMもまた利用する。 さらに、高分子量ゲノムDNAを、標準的PCRTM増幅において使用するためにラッ トの肝臓から単離した。いくつかのPCRTM産物を得、そして解析のためにpUC中へ クローン化した。次に、ステップダウンPCRTMを使用して、DNA PCRTM反応物との 特異性を増加させる。 血清学的アプローチ 発現ライブラリーを作製する前に、LCRF mRNA配列を含むと思われる良好なRNA 供給源を同定することが必要であった。さらに、変性したペプチドを認識し得る 1つ以上の抗LCRF抗体が必要であった。従って、両方の問題に取り組むため、ウ エスタンブロットを、いくつかの異なる供給源由来のタンパク質抽出物を使用し て調製した。次いで、そのタンパク質ブロットを、個々に4つの異なる抗血清と ともにインキュベートした。膵臓抽出物において;4つ全ての抗血清が、約20kD の同じサイズのバンドを検出した。従って、cDNA発現ライブラリーを、膵臓mRNA から構築し、そしてポリクローナル抗LCRF試薬で直接スクリーニングする。検出 されたcDNAを、適切なコード情報を含むことを確認するために、配列決定する。 同定されたLCRF cDNAを使用して、ラットおよびヒトcDNAライブラリーの両方 由来の完全長cDNAをクローン化する。cDNAを、生理学的分析のための大量のLCRF を生成するために、発現ベクター中へクローン化する。さらに、LCRF遺伝子を、 ヒトおよびマウスゲノムライブラリーからクローン化し、さらに調節作用を規定 する。さらに本発明者らは、マウス遺伝子を使用し、このペプチドの生物学的役 割の評価に使用するためのLCRF欠乏性ノックアウトマウス(knock-out mouse) を生成することを考慮する。 5.5 実施例5 CCK放出に対するLCRFの効果の利用方法 LCRF投与は、CCKまたはCCKアゴニストよりも優れている。これは、LCRFは、内 因性コレシストキニンを放出し、これはヒトおよびイヌの血中で優勢を占めるCC K-58であるからである。CCK-58は、薬学的目的のために経済的に合成するには、 大きすぎる分子である。しかし、LCRFによって放出されたCCK-58は、医療用に承 認されたCCK(すなわち、注射用CCK-8)の形態に好ましい。なぜなら、前者は、半 減期がより長く、そしてCCK-8と比較して好ましいレセプター結合特性を有する からである。同様に、潜在的なCCKアゴニスト、ペプチド、ならびに非ペプチド は、内因性CCKより生理的でない。 LCRFの活性は、CCK放出の制御における有用性を示し、従ってCCKが調節能力に 関与するいくつかの状況について、処置方法を提供する。LCRFおよび短縮型、な らびに活性な改変体は、標準的な技術によって合成され得、そしてCCKを放出す るその能力は、インビトロおよびインビボで決定され得る。インビトロ方法は、 散在する腸粘膜細胞からまたはSTC-1細胞(モニターペプチド、ボンベシン、なら びにLCRFのようなCCK放出ペプチドに応答してCCKを分泌する腫瘍細胞株)からCCK を放出するLCRF活性ペプチドの能力に基づく。インビボ法は、LCRFの十二指腸内 、 または胃内、または静脈内注入を含む。 5.5.1. 経口薬学的組成物 LCRFが経口投与され得る形態 LCRFは、インスリンと同様にポリペプチドであるので、酸/ペプシンによる胃 での消化、および膵臓プロテアーゼによる小腸内での消化を受けやすい。しかし 、インスリン(およびCCKそれ自体)とは異なり、LCRFはおそらく、粘膜細胞(CCK 放出細胞)の管腔側上のレセプターに作用するので、吸収されなければならない わけではない。インスリンは、完全なままで吸収されて細胞レセプターに到達し なければならないが、これはあり得ない。このためLCRFは調節ペプチドとして独 特であり、そして他の調節ペプチド(成長ホルモン、インスリンなど)については 経口投与が実行不能であるのに対して、経口送達が実用的になる。 LCRFの経口投与は、多くの形態で実用可能である。この化合物は熱安定性(10 分間の煮沸に耐え、そして37℃で24時間のインキュベーションに耐える(活性は2 0%消失する))である。これは水溶性であり、そして非常に低濃度(例えば、成体 ラットにおいて、CCK放出を刺激するために十二指腸内に投与された場合0.08mg/ kg体重、または新生ラットにおいて食物摂取を抑制するために胃内投与された場 合0.15mg/kg)で有効である。従って、70kgのヒトでの経口投与で、10mgほどしか なくても有効であり得る。 LCRFが経口投与され得る形態: 粉末:純粋なペプチドを、乾燥乳、乾燥ココア、砂糖のような粉末ビヒクル中 で混合し、次いでこの混合物を水または他の適切な液体ビヒクル中に溶解し得る 。この形態において、新生ラットにおいては、ペプチドは胃または腸での消化か ら保護されていない。従って、用量は、10mg/kgの範囲であることが予測される 。胃および腸での不活化に起因する損失を防ぐためのさらなる努力をせずにLCRF を経口投与することは無効と考えられるかもしれないが、これは単純に用量を増 加させることによって克服し得るので、このことは処置を成功させることの重大 な障害にはならない。過剰の(無駄になった)ペプチドは、食物中の任意の他のタ ン パク質と同様に簡単に消化されるので、これは危険ではない。 このような粉末形態は、「前負荷(pre-load)」現象を利用するために、食事の 前に摂取される。この現象において、通常の食事の10または20分前に軽い食事を 取らせることで、消費される食事の量が顕著に減少し得る。 カプセル:LCRFは、食事と共にまたは食事前に摂取し得るような、カプセルで 投与され得る。これは、カプセルが、胃および腸での消化に耐えるためにコート されていてもいなくても、便利である。 腸溶コート調製物:必要なLCRFの用量を減少するために、LCRFの調製物は、腸 溶コートカプセルであるかまたは腸溶コートされている。この技術は、膵酵素補 充剤の経口投与での使用において、広範に使用されている。この調製物によって 、そのカプセル化調製物が胃での消化過程を生き残り、小腸の非酸性pH環境でそ の内容物を放出することが可能になる。 プロテアーゼインヒビター調製物:経ロプロテアーゼインヒビターは、Miyasa kaら(1992)の仮説に従って、内因性LCRFまたは他の内因性管腔CCK放出ペプチド を保護することによってCCK放出を刺激する。従って、POT II(すなわち、ポテト プロテアーゼインヒビターII)のようなプロテアーゼインヒビターをLCRFと混合 して、小腸での消化から保護することによってLCRFの有効性を増強する調製物を 作製することを考慮するのは論理的である。POT II(米国特許第5,468,727号、そ の開示の全体が参考として援用される)は、ヒトにおいてCCK放出を刺激しそして 胃が空になることを阻害する。 ヒトにおいて、これらの効果は、おそらくLCRFの内因性ヒト型を保護すること によって起こる。従って、POT IIは、合成LCRFを含む処方物中に作製され得、そ して胃の酸/ペプシンからの保護のためにミクロカプセル化されたカプセルに取 り込まれ、そしてこの処方物は、胃および小腸の両方のプロテアーゼ消化の障害 を生き残って、摂取したLCRFの用量のほぼ100%を腸粘膜の適切なレセプターに 送達することが期待される。このような調製物を用いて、本発明者らは、わずか 1mg/70kgのLCRFが、ヒトにおけるCCK放出の刺激において、LCRF調製物の前また はこれと共に摂取した食物に対して満腹値を増大させ、胃が空になることを遅ら せてそれによりグルコースの吸収および取り込みを遅らせるのに非常に有効であ り、食事後の高血糖および低血糖、ならびに高インスリン血症が改善され、胆嚢 をより完全に空にして結石の可能性が減少し、食後の反射性の腸の運動および排 便を促進する胃−結腸反射の機能が改善されることを予測する。 5.5.1.1. 静脈内薬学的組成物 静脈内注入されたLCRF1-35は、十二指腸内投与された場合と同程度に有効かつ 強力であった(図8B)。このことは、静脈内LCRFが、CCK放出を刺激することを 示す。なぜなら、LCRFは、単離された膵臓腺房からのアミラーゼ放出に対する効 果を欠くことによって示されるように、膵臓を直接的には刺激しないからである 。静脈内投与されたLCRFはCCK放出を刺激し得るので、投与の静脈内経路は、上 記の理由から、ある状況では有用であり得、そしてCCK自体の静脈内注入よりも 優れているかもしれない。なぜなら、LCRFは、内因性の天然のコレシストキニン の放出を刺激するからである。 経口投与よりむしろ静脈投与が正当であり得る状況は、経口経路が実行できな いかまたは困難である患者(例えば、腸の外科手術または腸の機能不全のために 静脈内栄養を受けている患者(成人および小児))の場合である。このような患者 は、胆嚢の刺激を欠くために頻繁に胆石を発達させる。そしてこれはCCK-8の静 脈内投与によって阻止し得る。 静脈内投与については、LCRFは、注射または点滴注入のための滅菌バイアルで 供給され得る。動物研究に基づいて、ヒト静脈内注入の投薬速度は、0.1〜1.0μ g/kg体重/時間の範囲であることが期待される。これは、経口経路よりも少ない 。なぜなら、静脈内注入されたペプチドの消化酵素不活化が存在しないからであ る。 5.5.2 インスリン分泌の制御 LCRF組成物は、インスリン分泌の刺激に有用であることが意図される。CCKは 、ヒトにおいてアミノ酸誘導インスリン分泌を強化することが示されている。従 って、インスリン分泌が欠損している状態(例えば、I型またはII型真性糖尿病) では、CCKは有用であり得、従ってLCRFのような経口で活性なCCK放出ペプチドは 、価値がある。この場合、LCRFは上記の組成物において、経口投与され得る。 初期のII型糖尿病では、インスリン分泌は、インスリン非感受性のために過剰 である。II型糖尿病においては高インスリン血症を低減させることが望ましいと 考えられ、そして内因性および外因性のCCKが、ヒトにおいて胃から炭水化物を 空にするのを遅らせることによって、高インスリン血症を低減させ得ることが示 されている。 5.5.3 胃が空になることの調節 ヒトにおいて胃が空になることは、CCKによって調節されており、そしてCCKお よびトリプシンインヒビターの両方は、異常に胃が空になるのが速い糖尿病患者 において胃が空になるのを遅らせる。これは、重要である。なぜなら、現在では 胃が空になるのが速いことは初期の糖尿病の徴候であると認識されており、そし てこれは食後の高血糖および高インスリン血症を悪化させるからである。 糖尿病被験体は、I型(インスリン非依存性)およびII型(成人発症、非インスリ ン依存性)共に、高炭水化物の食事の前またはこれと共にLCRFを摂取することに よって、LCRFの恩恵を受ける。なぜなら、この型の食事はこのような被験体にお いて最も速く空にするからである。例えば、糖尿病被験体は、食事の10〜20分前 に液体ビヒクルで前負荷としてLCRFを摂取して、その後の食事の胃が空になるの を遅らせ得る。これによってまた、胃の膨張が満腹感の重要な要素であるので、 食物の摂取を減少させることが期待される。高炭水化物、高カロリー飲料が消費 される場合、LCRFは、粉末として、飲料と混合されて胃からなくなるのを遅らせ そして満腹値を増大させることが推奨される。 5.5.4 胆嚢静止の低減(胆嚢が空になることの増大) 胆嚢静止は、体重減少のためのダイエット中のヒトなどにおける腸での食物( 特に脂質)の目減り(diminish)の完了、および完全非経口栄養法を受けている患 者などにおける小腸での食物の不在である。これは多くの場合、胆石を導く。前 者の場合、低脂肪低カロリー体重減少養生法中の被験体に各食事の前にLCRFを摂 取するようにアドバイスして、その食事がCCKを放出する能力を増強し、それに よって胆嚢をより完全に収縮させる。外因性CCKによって胆嚢がより頻繁に収縮 すれば、感受性の被験体において胆石が阻止されることが知られており、従って 、経口投与されたLCRFは同様に作用することが予測される。 5.5.5 食欲の抑制および食物摂取の制御 満腹を誘導しそして食物の消費を低下させるLCRFの能力を試験するために、食 物摂取に対する内因性CCKの効果を試験するための承認された実験設計を用いた 。この手順において、約12日齢の幼若ラットを、その巣からはなしそして体重を 測定した。次いで、これらに、1mlの等張生理食塩水(コントロール)またはLCRF1-35を 迅速に胃内注入した。次いで、これらの体重を再度測定し、そして33℃で群で収 容した。10分後、ラットを室温で個々の容器に移し、そして30分間、4mlのミル クダイエット(市販のハーフアンドハーフ)を摂取できるようにした。試験後、ラ ットを乾燥させそして体重を測定し、そしてミルク摂取を、試験の間に増えた体 重の百分率として表した(%BWG)。2つの別個の実験を、別個のセットのラット であるが同じLCRF1-35の調製物を用いて行った。 SAS統計分析システムを用いる線形回帰分析を用いて、食物摂取に対するLCRF1 -35 の用量効果を評価した。示されたデータは以下である:(1)適合性の欠如:線 形トレンドからの適合性の欠如は、有意でなかった(p=>0.30);(2)用量の各μ gについての減少の割合は、0.11%BWG、および0.14%BWGであった。漸減食物摂 取に 対する線形トレンドは、両方の実験において高度に有意であることが見出される (p<0.001)。これらの実験は、LCRFが非常に低用量で満腹因子として作用して食 物摂取を減少することを動物モデルで確立する。 ヒトにおける、食物摂取減少のためのLCRFの使用。LCRFは、上記の実験におい て、食物摂取を減少させることが予測される。なぜなら、以前のヒトでの実験か ら、ダイズトリプシンインヒビターが食物摂取を抑制することが示されたからで ある。LCRFがトリプシンインヒビターによるCCK放出の刺激を媒介することは提 唱されている。経口トリプシンインヒビターはまた、ヒトにおいてCCK放出を増 大させ、そしてヒトにおいて食物摂取を減少するので、LCRFはヒトにおいてCCK 放出を刺激し、そして食物摂取を減少させることが予測される。 LCRFは、経口送達について以前に記載されたように組成物中に取り込まれ、食 事の前に摂取され、そして通常食物摂取を減少させるのを助ける「前負荷」現象 を誘導しそして増強する。LCRF調製物は、毎大量の食事の前に摂取され、そして 高カロリー豊富な飲料(例えば、コーラ飲料)の前またはこれと共に摂取されるこ とが期待される。LCRFの満腹作用の最大の誘導は、食事の10〜20分前にLCRFを服 用し、そして食事の直前または食事と共に再度服用することによって達成される 。LCRFの用量は、とられる形態(例えば、腸溶コートまたは粉末)に依存する。LC RFは、食間には服用されない。なぜなら、LCRFは、食物の満腹値を増大させるよ うに作用するが、単独で与えられた場合には満腹作用はより少ないからである。 5.6 実施例6 LCRF改変体およびフラグメントは、以前に記載されている。いくつかの改変体 および切形種は、評価されそして生物学的活性を有することが見出されている。 例には、LCRF1-6、LCRF1-35、LCRF7-23、LCRF1-37、およびLCRF1-35(19位でLys →ala)が挙げられるが、これらに限定されない。 5.6.1 LCRF1-35生物活性 アミノ酸1〜35を含んでいるLCRFのN末端配列を合成した。このペプチドは、 静脈内または十二指腸内のいずれかで注入した場合に、意識のあるラットにおい て膵臓タンパク質および膵液分泌を有意に刺激した。十二指腸内注入は、血漿CC K濃度の増加を有意に刺激したが、膵腺胞からのアミラーゼ放出には影響しなか った。CCKAレセプターアンタゴニストであるMK329は、膵刺激活性を消失させた 。同様の条件下で、DBI1〜86およびDBI33〜50は、膵臓分泌を有意には刺激しな かった。トリプシン消化によってLCRF1-35のCCK放出活性は消失した。 5.6.1.2. モニターペプチドおよび天然の精製LCRFの十二指腸内注入に対する膵 臓分泌応答 組換えモニターペプチドを注入されたラットと天然のLCRFを注入されたラット との間における、タンパク質と液体の排出量の増分用量/応答の関係を、図6A および6Bに例示する。モニターペプチドおよび天然のLCRFは、それぞれ、1〜 2μgの用量で膵臓タンパク質および膵液の分泌を有意に刺激し、膵液排出量は 膵臓タンパク質排出量に極めて平行していた。両方のペプチドは、この態様にお いて、より高い用量で超最大阻害を示した。 5.6.1.3. LCRF1-35の静脈内注入についての膵臓分泌応答 LCRF1-35とLCRF1-6(コントロール)との間の膵臓タンパク質および膵液の排出 量の増分用量/関係を、図7Aおよび7Bに例示する。LCRF1-35は、0.1〜0.5μ g/ラットの用量で、タンパク質分泌を有意に刺激した(0.1μgで応答のピーク) 。液体の排出量は、同様の用量応答曲線に追随した。LCRF1-6は、膵臓タンパク 質または膵液の分泌を刺激しなかった。 5.6.1.4. LCRF1-35による膵臓分泌刺激についての、静脈内経路対十二指腸内経 路の間の比較 図8Aおよび図8Bは、LCRF1-35の投与の静脈内経路対十二指腸内経路の間の 比較を例示する。用量応答曲線は、両方の経路で酷似していた(いずれの経路で も、同じ用量である0.1μgでピーク応答が生じた)。他の結果(以下に記載)によ ってLCRF1-35は膵臓分泌を直接刺激しないことが示されているので、これらの結 果から、静脈内注入されたLCRF1-35は、小腸のCCK分泌細胞に接近し得ることが 示 される。 5.6.1.5. 種々のLCRF1-35サブフラグメントに対する膵臓分泌応答 CCK放出活性を有する最小のLCRFフラグメントを決定するために、LCRF1-35の 配列内のいくつかのフラグメントを合成し、そして「バイオアッセイ」モデルを 用いて試験した。図9に示すように、フラグメントLCRF11-25のみが膵臓タンパ ク質分泌を有意に刺激した(LCRF1-35と比較して強度は増加したが効力は減少し た)。 5.6.1.6. ジアゼパム結合インヒビター(DBI)およびDBIフラグメントならびにGR Pの十二指腸内注入に対する膵臓分泌応答 これらの研究を、実施例2に記載の「バイオアッセイモデル」で行った。広範 な用量範囲にわたり(図10Aおよび10B)、LCRF1-35および天然のLCRFが強力に膵臓 分泌を刺激する条件下で、どのペプチドも膵臓タンパク質および膵液の分泌を有 意に刺激しなかった。この結果から、ペプチド、ジアゼパム結合インヒビター(H erzigら(1995)によって、ラットにおいてCCK放出ペプチドであることが報告され ている)は、外科手術から十分に回復した意識のあるラットにおいてCCK放出を刺 激しないことが示される。これらの結果から、DBIは、Herzigらの主張とは対照 的に、ラットにおいてCCK放出のフィードバック調節を媒介しないことが示され る。 5.6.1.7. 十二指腸内LCRF1-35に対する膵臓分泌応答に対するCCKレセプター遮 断の効果、および血漿CCK濃度に対する十二指腸内LCRF1-35の効果 これらの研究は、生理学的モデル、すなわち小腸に戻った胆汁および膵液を用 いて行った。図11Aおよび11Bは、25μgのLCRF1-35および生理食塩水コントロー ルの2時間の連続的十二指腸内注入の間の、経時的な膵臓タンパク質および膵液 分泌、およびLCRF1-35に対する応答に対するCCKレセプターアンタゴニストのMK3 29の効果を示す。LCRF1-35は、基底と比較して膵液および膵臓タンパク質の分泌 を有意に刺激した。そしてこの応答はMK329によって消失した。膵臓タンパク質 および膵液の増分応答を、図12Aおよび12Bに示す。図13は、試験化合物の注入開 始 60分後に採取した血液試料で決定した、同一の実験における血漿CCK応答を例示 する。LCRF1-35は、NaClまたはLCRF1-6の基底レベルと比較して、血漿CCK濃度を 有意に増加させた。血漿CCKの基底レベルは、以前ラットで報告されたよりも小 腸に戻った膵液の100%高かった。これはおそらく、膵液が一部戻っても、これ らの条件下ではCCKの自発的な分泌を完全には抑制しないからである。図11〜13 に示した結果は、LCRF1-35による膵臓分泌刺激がCCKの放出によって媒介される ことを強く示す。 5.6.1.8. CCK放出活性に対するLCRF1-35のトリプシン消化の効果 図14は、精製ウシトリプシン(1mg/ml)と共に37℃で24時間、LCRF1-35をインキ ュベートした影響を例示する。コントロールLCRFは、同一の条件下(しかし、ト リプシンを用いずに)でインキュベートしたLCRF1-35を示す。トリプシンコント ロールは、LCRF1-35を含まない以外は同一の条件下でインキュベートしたトリプ シンの溶液からなっていた。トリプシン消化によって、LCRF1-35に対する膵臓分 泌応答は完全に消失した。トリプシンコントロールは、トリプシン活性が全く残 っておらず、トリプシンと共にインキュベートしたLCRF1-35の効果の欠如が、膵 臓分泌に対するトリプシンの抑制効果によるものではないことが確認された。こ の結果は、LCRF1-35が、小腸によって分泌されるトリプシン感受性CCK放出ペプ チドとしての要件を満たし、そして天然のポリペプチドの活性と同様の活性を有 することを示す。 5.6.1.9. インビトロでの散在ラット小腸粘膜細胞によるCCK分泌に対するLCRF1 -35 の効果 図15は、散在するラット小腸細胞におけるLCRF1-35に対するCCK放出の用量応 答関係を例示する。LCRF1-35は、5nMおよび50nM濃度のLCRF1-35で、基底放出と 比較してCCK放出を有意に増加させた。これらの結果は、LCRF1-35が、腸粘膜細 胞(おそらくはCCK「I」細胞)からのCCK放出を直接刺激し、そして同じシステム において栄養素によって引き起こされる間接的な刺激を媒介し得ることを示す。 5.6.2. LCRF1-35免疫中和 LCRFの免疫中和は膵臓分泌および胆−膵液の迂回ならびにペプトン注入に対す るCCK応答を阻害する ペプトンは、小腸において膵液の非存在下で十二指腸内に注入されると膵臓分 泌を刺激し、そしてこの応答は、CCKおよび内因性LCRFによって媒介される。内 因性LCRFが真にこの応答を媒介するか否かを決定するために、膵臓分泌に対する 十二指腸内ペプトン注入の効果を、LCRF7-23(Quality Controlled Biochemicals ,Inc.,Hopkinton,MA)で免疫したラットから得た精製IgG(抗血清#22322)を同 時に静脈内注入したラットで試験した。図16Aおよび図16Bに示すように、5%ペ プトンと同時に注入した抗LCRF IgGは、この栄養溶液に対する膵臓分泌応答を完 全に消失させた。免疫していないウサギ血漿由来のコントロールウサギIgGは、 同一の条件下で、ペプトンに対する膵臓分泌応答に対して阻害効果を有さなかっ た。これらの結果は、ペプトンに対する膵臓分泌応答が、LCRFによって媒介され ることを強く示す。 ラットにおける、膵臓分泌におけるLCRFの役割および胆汁-膵液の迂回に対す る血漿CCK応答を決定するために、異なる抗血清を使用した。抗血清は、フラグ メントLCRF22-37に対してウサギにおいて惹起した。この抗血清は、さらなる精 製を行わずに使用した。抗血清0.1mlを、十二指腸からの胆汁−膵液分泌の迂回 の約1時間前までにラットに静脈注射した。結果を、1日前に0.1mlのNRSを類似 の様式で受けた同じラットで得た結果と比較した。結果を、図17A、17B、および 図18に例示する。 胆汁−膵液迂回は、両方の群において、膵臓タンパク質および膵液の分泌を有 意に刺激した。LCRF抗血清が予測したようにこの応答を阻害するか否かを決定す るために、増分(基底を上回る排出量)を算出し、そして各についてのピーク応答 を比較した。これらの結果(図17Aおよび17Bに挿入)から、LCRF抗血清(LCRF Ab) は、胆汁−膵液の迂回に対する膵液およびタンパク質の応答を有意に阻害するこ とが示された。 図18は、同一の実験において、胆汁−膵液迂回の30分後に吸引した血液試料で 決定した血漿CCK応答を例示する。LCRF抗血清は、抗血清を受けていないラット およびNRSを受けたラットと比較して、血漿CCK濃度を有意に抑制した。この実験 の結果は、LCRFが、部分的には、膵臓分泌および胆汁−膵液迂回に対する血漿CC K応答を媒介することを強く示す。 図19は、膵細胞に対するLCRF1-35の直接効果の欠如を例示する。単離された膵 臓腺房を、漸増濃度のCCK-8またはLCRF1-35と共にインキュベートし、そして培 地へのアミラーゼ放出を測定した。LCRF1-35は、CCK-8が用量依存的にアミラー ゼ放出を増加させる濃度ではアミラーゼ放出に対して影響を及ぼさなかった。こ れらの結果から、LCRF1-35は、膵臓を直接刺激しないことが示された。従って、 十二指腸内LCRF1-35および静脈内LCRF1-35による膵臓分泌の刺激は、おそらく間 接的であり、CCKの放出を介するものである。 5.6.3 LCRFフラグメントおよびエピトープ 全LCRFアゴニスト活性を有する最小のLCRFフラグメントを、決定する。この生 物学的活性は、上記のインビボおよび/またはインビトロ試験を用いて決定され る。LCRF活性はトリプシンのタンパク質分解活性によって破壊され、そしてトリ プシン感受性部位は3つのみ(2つのリジンおよび1つのアルギニン)なので、最 初のフラグメントスクリーンニングを、これらの塩基性アミノ酸残基付近で行う 。リジンまたはアルギニンを中央に有する、約30アミノ酸を有するペプチドを、 既知であるかまたは決定されているLCRF配列に基づいて調製する。活性フラグメ ントが同定されると、塩基性アミノ酸の周囲のペプチドへの連結を組織的に短縮 する。それぞれの短縮後、生物学的活性を、最小サイズのフラグメントでの全生 物学的活性が決定されまで、決定する。一旦これが行われると、次いで中央の塩 基性アミノ酸を、ホモアルギニンのようなアミノ酸で置換し、これによりトリプ シンによる加水分解には感受性でないが生物学的活性を保持しているアミノ酸を 生じる。あるいは、アルギニンまたはリジンを非塩基性アミノ酸で置換する。最 終工程は、トリプシン非感受性フラグメントがまた所望の生物学的CCK放出活性 を有することを確認するためである。 もちろん、最小サイズの活性フラグメントの非ペプチドLCRFアナログは、当業 者に周知の方法で調製され得ることが理解される。このような非ペプチド結合に よって、トリプシン感受性をシグナリングする塩基性アミノ酸を置換する必要が なくなり得る。 ***** 以下の参考文献は、上記の理由のために本明細書中でその適切な部分が参考と して援用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 3/10 A61P 5/50 5/50 C07K 14/52 C07K 14/52 14/575 14/575 16/24 16/24 16/26 16/26 G01N 33/53 D C12N 5/10 C12N 5/00 B G01N 33/53 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN, CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,G E,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR ,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV, MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK ,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,VN (71)出願人 ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシ ティ オブ カリフォルニア アメリカ合衆国 カリフォルニア 94607 ―5200,オークランド,5ティーエイチ フロアー−フランクリン ストリート 1111 (72)発明者 グリーン,ギャリー エム. アメリカ合衆国 テキサス 78240,サン アントニオ,タマリンド ロード 8734 (72)発明者 リドル,ロジャー エイ. アメリカ合衆国 ノース カロライナ 27707,ダーラム,ダーウィン ロード 3800 (72)発明者 リーブ,ジョセフ アール.,ジュニア アメリカ合衆国 カリフォルニア 93644, オークハースト,ロード 423 52419 (72)発明者 クレイグ,エレン ビー. アメリカ合衆国 テキサス 78240,サン アントニオ,ペムウッズ 6427

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.少なくとも配列番号1のアミノ酸配列を有するポリペプチドに対して惹起さ れた抗体に特異的に結合する、単離されたコレシストキニン放出ポリペプチド。 2.配列番号1のアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチド。 3.質量分析によって決定された約8136ダルトンの質量を有するとしてさらに規 定される、請求項2に記載のポリペプチド。 4.小腸の管腔分泌物から単離される、請求項1に記載のポリペプチド。 5.コレシストキニン放出を刺激する、請求項2に記載のポリペプチド。 6.配列番号1のアミノ酸配列を有する、請求項1に記載のポリペプチド。 7.配列番号1のアミノ酸配列に少なくとも85%の相同性を有するとしてさらに 規定される、請求項1に記載のポリペプチド。 8.単離されたコレシストキニン放出ポリペプチドであって、以下: a)配列番号1のアミノ酸配列;または b)1位から35位までの配列番号1のアミノ酸配列;または c)11位から25位までの配列番号1のアミノ酸配列;または d)1位から6位までの配列番号1のアミノ酸配列;または e)7位から23位までの配列番号1のアミノ酸配列;または f)22位から37位までの配列番号1のアミノ酸配列;または g)19位でリジンがアラニンで置換されている、1〜35位の配列番号1のアミ ノ酸配列;または h)これらの機能的改変体または相同改変体、 を含む、ポリペプチド。 9.請求項1または請求項2に記載のポリペプチドを含む、組成物。 10.生理学的に受容可能な賦形剤を含むとしてさらに規定される、請求項9に 記載の組成物。 11.請求項2に記載のポリペプチドに特異的に結合する、精製された抗体。 12.前記抗体が、検出可能な標識に連結している、請求項11に記載の抗体。 13.免疫応答を生成する方法であって、免疫学的に有効量の請求項9に記載の 組成物を含む薬学的組成物を哺乳動物に投与する工程を包含する、方法。 14.請求項8に記載の管腔内コレシストキニン放出ペプチドを生物学的試料中 に検出するための方法であって、以下の工程: a)管腔内コレシストキニン放出ペプチドを含有することが疑われる生物学的 試料を得る工程; b)免疫複合体を形成させるのに有効な条件下で、請求項8に記載のタンパク 質またはペプチドに結合する一次抗体と該試料とを接触させる工程;および。 c)このように形成された免疫複合体を検出する工程、 を包含する、方法。 15.適切な容器手段中に、請求項8で規定される1つ以上のタンパク質もしく はポリペプチド、または請求項8で規定されるタンパク質もしくはペプチドに結 合する抗体、および免疫検出試薬を含む、免疫検出キット。 16.少なくとも配列番号1の部分アミノ酸配列を有するポリペプチドに対して 惹起された抗体に特異的に結合するコレシストキニン放出ポリペプチドをコード する、単離された核酸セグメント。 17.配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする、単離された 核酸セグメント。 18.配列番号2の核酸配列もしくはその相補体、または高ストリンジェンシー の条件下で配列番号2にハイブリダイズする配列を含むとしてさらに規定される 、請求項16または請求項17に記載の核酸セグメント。 19.前記コードされたポリペプチドが、配列番号1のアミノ酸配列を有する、 請求項16または請求項17に記載の核酸セグメント。 20.RNAセグメントとしてさらに規定される、請求項16または請求項17に 記載の核酸セグメント。 21.配列番号1のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含むDNAセグ メントを含む、組換えベクター。 22.少なくとも配列番号1の部分アミノ酸配列を有するポリペプチドに対して 惹起された抗体に特異的に結合するコレシストキニン放出ポリペプチドを含むDN Aセグメントを含む、組換えベクター。 23.前記DNAセグメントが、配列番号2に記載のヌクレオチド配列を含む、請 求項21または請求項22に記載の組換えベクター。 24.請求項21または請求項22に記載の組換えベクターを含む、組換え宿主 細胞。 25.前記宿主細胞が、S.mutansである、請求項24に記載の組換え宿主細胞 。 26.食欲を抑制する方法であって、以下: 請求項10に記載の組成物を提供する工程;および 該組成物を、食欲を抑制するに有効な量でそれを必要とする被験体に投与する 工程、 を包含する、方法。 27.胆嚢収縮を刺激するか、または胆石形成に関連する胆嚢疾患を処置するた めの方法であって、該方法は、以下: 請求項10に記載の組成物を提供する工程;および 該組成物を、胆嚢が空になることを刺激するに有効な量でそれを必要とする被 験体に投与する工程、 を包含する、方法。 28.胃が空になることを阻害する方法であって、該方法は、以下: 請求項10に記載の組成物を提供する工程;および 該組成物を、胃が空になることを遅延させるに有効な量でそれを必要とする被 験体に投与する工程、 を包含する、方法。 29.インスリン分泌を刺激する方法であって、以下: 請求項10に記載の組成物を提供する工程;および 該組成物を、インスリン分泌を刺激するに有効な量でそれを必要とする被験体 に投与する工程、 を包含する、方法。 30.食欲を抑制し、胆嚢が空になることを刺激し、胃が空になることを阻害し 、またはインスリン分泌を刺激するために有用な経口投与可能な調製物を調製す る方法であって、該方法は、請求項1または請求項2に記載のポリペプチドの治 療 有効量を含む経口的に受容可能な調製物を処方する工程を含む、方法。 31.請求項1または請求項2に記載のポリペプチドをコードする単離されたコ レシストキニン放出遺伝子を含むDNAセグメントを用いる方法であって、以下の 工程: a)請求項1または請求項2に記載のポリペプチドをコードするコレシストキ ニン放出遺伝子が、プロモーターの制御下に置かれる組換えベクターを調製する 工程; b)該組換えベクターを組換え宿主細胞に導入する工程; c)該組換え宿主細胞を、コードされたコレシストキニン放出タンパク質また はペプチドの発現を可能にするのに有効な条件下で培養する工程;および d)該発現されたコレシストキニン放出タンパク質またはペプチドを回収する 工程、 を包含する、方法。
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