JP2000515616A - 電気機械式に操作可能なブレーキ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、電気機械式に操作可能なブレーキ、特にディスクブレーキ（１０）であって、ブレーキライニング（１４）を有しており、該ブレーキライニング（１４）が、電動モータによって駆動可能な操作装置（１８）によってブレーキディスク（１６）に押しつけ可能である形式のものに関する。故障時にブレーキ（１０）を解除することができるように、本発明によれば、解離可能な支持部材（４２）が提案されており、この支持部材（４２）は、ブレーキライニング（１４）がブレーキキャリパ（１２）におけるブレーキディスク（１６）に対して押圧される際に操作装置（１８）を支持する。この支持部材（４２）を解除するためには、ブレーキディスク（１６）からの支持部材（４２）の間隔が増大され、これによりブレーキライニング（１４）とともに操作装置（１８）がブレーキディスク（１６）から解除される。

Description

【発明の詳細な説明】 電気機械式に操作可能なブレーキ 先行技術 本発明は、請求項１の上位概念に記載の形式の電気機械式に操作可能なブレー キに関する。 このような形式のブレーキはＷＯ ９６／０３３０１．により公知である。ブ レーキライニングを回転するブレーキ本体（ブレーキディスク、ブレーキドラム 又はこれに類するもの）に押圧するために公知のブレーキは、電動モータによっ て駆動可能なローラねじ伝動装置を有した操作装置を有している。公知のブレー キの緊締及び解除は電動モータによって行われる。故障時、例えばブレーキ中に ブレーキの制御電子機器が故障した場合に、操作ユニットのヒステリシスにより 引き起こされる残留ブレーキモーメントがブレーキ本体に作用するのを回避する ために、公知のブレーキの構成では、有利にはコイル状の戻しばねが設けられて いる。この戻しばねが操作ユニットに作用し、この操作ユニットを電動モータと ともに回転するように解除方向に駆動し、これによりブレーキライニングがブレ ーキ本体から離される。 このブレーキの欠点は、ブレーキ力が形成される際に付加的にこの力が戻しば ねを克服しなければならず 、このために電動モータを相応に比較的大きく設計し、比較的強く給電しなけれ ばならないということにある。このために動力学的に消費され、効率が悪化され てしまう。 このブレーキは、生じるブレーキ力を一定に保っために、電動モータによって ブレーキライニングを戻しばねの力に抗して一定の押圧力でブレーキ本体に押圧 し続けられるように強くこの電動モータに給電しなければならないという欠点を 有す。このことは熱的な問題をもたらす。このために公知のブレーキはパーキン グブレーキとしては使用されない。何故ならばこのブレーキは給電されていない と解除されてしまうからである。 さらなる欠点は、エアギャップ、即ち、ブレーキが解除された状態でのブレー キライニングとブレーキ本体との間の間隔が、ブレーキライニングの損耗が増大 するにつれ増大してしまうということにある。これにより一方では、ブレーキ本 体に当接するまでのブレーキライニングの調節距離が増大し、即ちブレーキが作 用するまでより長くかかることになる。動力学的な損失も付加的に増大する。さ らに、戻しばねの力を克服するために必要な力が増大する。何故ならば戻しばね は比較的強く変形されるからである。戻しばねを変形するために操作装置の電動 モータによって付与されるエネルギは、変形距離と変形力の積に相当し、エアギ ャップが増加するにつれ少なくとも２乗に増大する。このことはブレーキライニ ングが摩耗した場合のブレーキの効率を著しく悪化させる。 発明の利点 本発明の請求項１の特徴部に記載の形式の電気機械式に操作可能なブレーキは 、操作装置の解離可能な支持部材を有している。この支持部材に対して、ブレー キの操作時に、即ちブレーキライニングをブレーキ本体に押し付けるために、操 作装置が支持される。ブレーキをかける際及びブレーキを解除する際にも支持部 材は単に、不動の対向支承部としてしか作用せず、その他には作用を有しておら ず、ブレーキは操作装置によって操作され、再び解除される。支持部材は操作装 置自体にもその効率にも影響を与えない。 故障時、例えば電動モータへの電流供給部の故障又はその制御電子機器の故障 の際に、ブレーキが操作装置によって解除できない場合、支持部材が解除される ので、これにより操作装置がブレーキライニングとともにブレーキ本体から解除 される。言い換えるならば、操作装置の対向支承部として働く支持部材が取り去 られるか又は少なくともブレーキ本体からの支持部材の間隔が増大される。本発 明は、支持部材が操作装置の作用に影響を与えず、効率を悪化させることがない という利点を有している。この場合、事故の際に残留ブレーキモーメントが作用 するのが回避され、ブレー キが完全に解除されることが保証される。 次に図面につき本発明の実施例を詳しく説明する。 第１図には、本発明のブレーキを第２図のＩ−Ｉ線に沿って断面した図が示さ れていて、 第２図には、第１図の矢印ＩＩの方向で見たブレーキが示されている。 図面に示された本発明によるブレーキは、いわゆる浮動キャリパ若しくはファ ウストキャリパ(Faustsattel)１２を有したディスクブレーキ１０として形成さ れている。このキャリパ１２内には２つのブレーキライニング１４が、これらブ レーキライニング１４の間で回転可能なブレーキディスク１６の両側に配置され ている。 ディスクブレーキ１０は操作装置としてスピンドル伝動装置、即ち良好な効率 のためにローラねじ伝動装置１８を有している。このローラねじ伝動装置１８は ナット２０を有しており、このナット２０はスピンドル２２を同心的に取り囲ん でいる。ナット２０とスピンドル２２との間の円筒状の中間室には、全周にわた って分配された複数のねじ山付きローラ２４が配置されている。このねじ山付き ローラ２４のねじ山は、ナットのねじ山にもスピンドルのねじ山にも螺合する。 ナット２０が回転駆動される際にねじ山付きローラ２４は、遊星歯車伝動装置の プラネタリアギアのようにスピンドル２２を中心として回転し、スピンドル２２ を軸方向に運動させる。スピンドル２２の端面には、ブレーキライニング１４の うちの一方が相対回動不能に配置されており、このブレーキライニング１４はブ レーキ力を付与するために、ナット２０を回転駆動することによりブレーキディ スク１６の一方の面に押し付けられる。他方のブレーキライニング１４はこの場 合、公知のようにブレーキキャリパ１２からの反力によってブレーキディスク１ ６の他方の面に押し付けられる。ブレーキ１０を解除するためには、ローラねじ 伝動装置１８のナット２０を反対の方向に回転駆動する。 回転駆動するためにナット２０はスプライン２６を有しており、このスプライ ン２６には伝達部材としてスリーブ２８が被せ嵌められている。このスリーブ２ ８は、ナット２０のスプライン成形部２６と補完的な溝成形部３０をその孔内で 有している。即ちナット２０は軸方向で摺動可能に、かつスリーブ２８に回動不 能に結合されている。 スリーブ２８の外周には周方向の歯列３２が設けられている。この歯列３２に は、電動操作モータ３６のねじ山付きスクリュ３４が係合している。操作モータ ３６によってスリーブ２８を介してねじローラ伝動装置１８のナット２０が回転 駆動可能であって、これにより本発明によるディスクブレーキ１０は操作及び解 除可能である。スリーブ２８は、２つの結合材料ラジ アル滑り軸受３８と２つのスラストニードル軸受４０とによってブレーキキャリ パ１２に回転可能に支承されている。 故障時、即ち例えば、操作モータ３６又はその電流供給部又は電気的なブレー キ制御装置（図示せず）が故障した際に、本発明によるブレーキ１０を解除する ために、本発明によるブレーキ１０は解離可能な支持部材４２を有している。こ の支持部材４２に対して、ローラねじ伝動装置１８のナット２０が、ブレーキラ イニング１４をブレーキディスク１６に軸方向で押し付けるために、ニードルス ラスト軸受４４を介して回転可能に支持されている。支持部材４２は、操作装置 を形成するローラねじ伝動装置１８のために一種の対向支承部を形成している。 この対向支承部はローラねじ伝動装置１８を、ナット２０の、ブレーキディスク １６とは反対側の面で、ブレーキディスク１６に対して所定の間隔をおいて保持 している。事故の際には、支持部材４２を解除することによりこの間隔が大きく なり、ブレーキライニング１４はもはやブレーキディスク１６に当接しない。 この実施例では解離可能な支持部材４２が、台形ねじ山付き中空スピンドル４ ６を有したスピンドル伝動装置を有しており、この台形ねじ山付き中空スピンド ル４６には台形ナット４８がねじ込まれている。操作装置のローラねじ伝動装置 １８のナット２０はニード ルスラスト軸受４４を介して台形ねじ山付き中空スピンドル４６に支持されてい る。台形ナット４８は別のニードルスラスト軸受５０を介してカバー５２に支持 されている。このカバー５２はブレーキキャリパ１２にねじ固定されている。操 作装置のローラねじ伝動装置１８のスピンドル２２の、ブレーキディスク１６と は反対側の後端部を収容することができるように、台形ねじ山付き中空スピンド ル４６は中空に形成されている。偏心的かつ軸平行にプレス嵌めされてカバー５ ２に挿入され、かつすきま嵌めされて台形ねじ山付き中空スピンドル４６の袋孔 に係合する円筒状のピン５４によって、台形ねじ山付き中空スピンドル４６が回 動不能に位置固定されている。 台形ナット４８は外側歯列５６を有していて、この歯列５６には第２の電動モ ータ６０のスクリュ５８が係合している。この第２の電動モータ６０は、操作モ ータ３６の電流供給部とは無関係の独自の電流供給部に接続されている。 この第２の電動モータ６０によって台形ナット４８が回転駆動されて、このよ うにして支持部材４２が解除される。即ち、台形ねじ山付き中空スピンドル４６ は軸方向でブレーキディスク１６から離反運動される。この台形ねじ山付き中空 スピンドル４６と一緒に、操作装置のローラねじ伝動装置１８全体がブレーキデ ィスク１６から離れるように運動する。この場合、ロ ーラねじ伝動装置１８のナット２０は軸方向で台形ねじ山付き中空スピンドル４ ６に向かって支持されていて、スプライン２６，３０によってスリーブ２８内で 軸方向に摺動可能である。従って、ブレーキライニング１４はブレーキディスク １６から持ち上がり、本発明によるブレーキ１０は解除される。 解離可能な支持装置４２としてねじ伝動装置４６，４８を使用することにより 、操作装置１８の故障時にブレーキライニング１４をブレーキディスク１６から 持ち上げ可能であるという利点が得られる。即ち、支持部材４２が解除された状 態で、ヒステリシスに基づき、ブレーキライニング１４がさらにブレーキディス ク１６に押し付けられ、残留ブレーキモーメントが生ぜしめられることはない。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 1. 電気機械式に操作可能なブレーキであって、電気的な操作モータを有する操 作装置が設けられており、該操作装置によってブレーキライニングが制動させた いブレーキ本体に押し付けられ、再びこのブレーキ本体から離されることができ る形式のものにおいて、 前記操作装置が解離可能な支持部材（４２）を有しており、ブレーキライニ ング（１４）がブレーキ本体（１６）に押し付けられる際に、前記支持部材（４ ２）に操作装置（１８）が支持されていて、前記の押し付けられたブレーキライ ニング（１４）が、支持部材（４２）を解除することによりブレーキ本体（１６ ）から解離可能であることを特徴とする、電気機械式に操作可能なブレーキ。 2. 操作装置がスピンドル伝動装置（１８）を有していて、該スピンドル伝動装 置（１８）のナット（２０）が、回動不能にかつ軸方向摺動可能に伝達部材（２ ８）に接続されていて、該伝達部材（２８）が操作モータ（３６）によって回転 するように駆動可能である、請求項１記載のブレーキ。 3. スピンドル伝動装置がローラねじ伝動装置（１８）である、請求項２記載の ブレーキ。 4. 解離可能な支持部材（４２）が、第２のスピンド ル伝動装置（４６，４８）を有していて、該スピンドル伝動装置には操作装置（ １８）が支持されていて、前記スピンドル伝動装置によって、押し付けられてい たブレーキライニング（１４）が操作装置（１８）とともにブレーキ本体（１６ ）から解離可能である、請求項２又は３記載のブレーキ。 5. 解離可能な支持部材（４２）が第２の電動モータ（６０）を有している、請 求項４記載の装置。 6. ２つの電動モータ（３６，６０）が、互いに独立した２つの電流供給部に接 続されている、請求項５記載のブレーキ。 ７． ブレーキが浮動キャリパ・ディスクブレーキ（１０）である、請求項１か ら６までのいずれか１項記載のブレーキ。