【発明の詳細な説明】
ウェーブプールカービングシステム
発明の分野
以下の発明は、ウェーブプールシステムに係り、特に、プール内での波の発生
を改良するためのウェーブプールカービングシステムに関する。発明の背景
ここ数年の間、ウェーブプールの人気がかなり高まってきている。今日では、
波の発生と維持のために特別に設計された多数のプールが存在する。しかしなが
ら、既存のプールの大多数は、主に、水泳用として設計されており、波の維持の
ために設計されたものではない。それにもかかわらず、水泳プールとウェーブプ
ールのような、複合機能を提供することができるプールがますます好まれるよう
になっている。このプールの機能の万能性によって、オーナーは、プールを最大
限に利用することができる。
この点に関しては、元々水泳用に設計されたプールで波を発生させるために設
計された波発生システムがある。しかし、既存の水泳プールで波を発生させるた
めに設計された多くの波発生システムや装置は、プールに対して大幅な構造的そ
して機械的な変更を必要とする。結果として、そのような変更は、費用がかかる
上、プールの外観を損なうことが多い。さらに、プールに対して大幅な構造的そ
して機械的な変更を必要とせずに機能する波発生装置の場合であっても、波を発
生させる前にプールの水位を低くすることが必要となる場合が多い。しかしなが
ら、水位を下げることは、衛生への重大な影響をもたらす可能性がある。例えば
、水位が排水溝より著しく低くなると、排水溝への水の正常な流れが停止し、そ
れにより、排水溝からプールの濾過、消毒、及び再循環システムへの水の流れが
起きなくなる。加えて、繰り返し水位を上げ下げすることは、それ自体費用のか
かることであり、水槽の追加を必要とするか、または相当量の水を無駄にするこ
とになる。
このように、その意図された能力におけるプールの機能を損なうような、プー
ルに対する大きな機械的、構造的、またはその他の変更を施す必要なく、波発生
装置を標準的設計の水泳プールに付加して使用することができるようなウェーブ
プールシステムに対する要望がある。さらに、水泳プールが、水泳プールまたは
ウェーブプールのいずれかとして機能することができ、かつ、波動プールと非波
動プールとの間で迅速で簡単な転換ができるようなウェーブプールシステムに対
する要望がある。さらに、多種多様な設計のプールの運転制限に従って機能し、
システムが設置されたとき、波動または非波動のいずれの期間でも、プールの濾
過、再循環、及び消毒システムと干渉することなく波の発生を行うことができる
ようなウェーブプールシステムに対する要望がある。
発明の要約
本発明によって前述の要望は満たされ、従来の技術の問題点が克服される。本
発明は、一態様において、プールの壁で囲まれた水と、反射面が水に面し、プー
ルの壁の最上部よりも高く延在し、プールの壁の上部に沿って設置された着脱可
能な反射パネルと抑制パネルの少なくとも1つを有する水泳プールからなるウェ
ーブプールを含んでいる。反射パネルは、開放型排水溝を有するプール、または
全く排水溝を有していないプールを含む多数のプールカーブの設計のいずれにも
適用することができる。反射パネルが開放型排水溝の下縁部に接し、プールの壁
と平行かつ同様の平面になるように、反射パネルは、開放型排水溝の下縁部の上
に、上縁部よりも上方へ延在している。下縁部の上の反射パネルは、プールから
の水が排水溝へ入る下縁部と隣り合うその境界面に複数の開口を有している。反
射パネルは、プールの通常の水位よりも上方に数インチから数フィートの高さで
延在する平らな反射面を有している。さらに、反射パネルは、水に隣接した取っ
手を有していてもよい。取っ手は、反射面に一体成形するか、または取り付ける
ことができる。反射パネルは、独立気泡ポリエチレンのような、半硬質または発
砲体様の材料からなる。プールに反射パネルを簡単に脱着するための手段が、設
けられている。
図面の簡単な説明
図1は、本発明を組み込んだ水泳/ウェーブプールの一部分の透視図である。
図1Aは、線1A−1Aで切り取った図1の一部分の横断面図である。
図2は、一般的なタイプの排水溝システムを有するプールに設置されたところ
を示す本発明のカービング装置の横断面図である。
図3は、別のタイプの排水溝システムを有するプールに設置されたところを示
す本発明のカービング装置の横断面図である。
図4は、別の一般的なタイプの排水溝システムを有するプールに設置されたと
ころを示す本発明のカービング装置の横断面図である。
図5は、図4の矢印4の方向から見たカービング装置の正面図である。
図6は、別の一般的なタイプの排水溝システムを有するプールに設置されたと
ころを示す本発明のカービング装置の横断側面図である。
図7は、本発明のカービング装置をプールデッキに取り付けるための一手段を
示す図1(A)の一部分の拡大図である。
図8は、取っ手を組み込んだ本発明のカービング装置の横断面図である。
図9は、本発明のカービング装置を用いるプールの上面図である。
好ましい実施の形態の説明
図1は、本発明を組み込んだ水泳/ウェーブプールの一部分の透視図である。
垂直な壁20は、通常の運転水位26まで水で満たされるプールの内壁である。
壁20には、排水溝28へ水が流れ込むように下縁部23が形成されている。排
水溝28は、デッキ30に形成される上縁部または肩部22によって後部が仕切
られている。反射パネル10は、図7により詳細に示されているボルトアッセン
ブリー手段13によって、取り外しできるように壁20にボルト止めされている
。下縁部23と反射ブロック10の隣接部との間にギャップ25があることが図
1(a)でわかる。反射ブロック10は、壁20の上方に適当な高さでブロック1
0を保持するための内部支持リブ27と外部支持リブ29を含んでいる。内部支
持リブ27には、水が内部支持リブ27を通って下縁部23から排水溝28の中
へ流れることができるように連続する開口(図示していない)が設けられている
。水は、排水溝28から従来の濾過、消毒、及び再循環システムを経て、最終的
にプールへ戻る。
もし、図1の壁20の方向へプールの表面を横切って伝搬する波を発生させれ
ば、それらの波が反射パネル10の反射面12によって反射されることは容易に
理解できるであろう。反射パネル10が適切な位置にない場合には、波は下縁部
23を越えてデッキ30の上に散ることになる。反射パネル10が適切な位置に
あるとき、図1に示すように、所定のエネルギーレベルで運転する所定の波発生
装置を用いて、反射パネル10が無い場合よりも、より大きな波を発生させるこ
とができることがわかっている。これは、反射パネル10と、特に反射面12と
が、波を反射してプールの中へ戻すために起こることは明らかである。そして、
もし、最初に発生した波が適切な波長であり、かつ、この発生した波と反射した
波の間の位相が適切であれば、反射した波が到来する波の振幅に加わるであろう
。したがって、所定の量の波発生エネルギーに対して、そして、プールの水位を
その通常の水泳用運転水位から下げることなく、反射パネル10を用いて、反射
パネル無しで発生させることができるよりも大きな振幅の波を発生させることが
できる。この現象の物理的性質は、当業者がよく理解していると確信する。しか
しながら、合衆国陸軍沿岸工学センター刊−岸壁保護マニュアル(The U.S.Arm
yCoastal Engineering Center-Shore Protection Manual)、巻Iのカバーページ
とセクション2.53(2-115頁〜2-117頁)が付録Aとして本明細書に
添付され、ここに、より詳細な技術的説明がなされている。
本質的に、本発明は、到来する波を反射してプールに戻すのに適当な面を提供
し、それらは、プールで維持される波の振幅全体を増幅させることができる。こ
のように、十分な量のプールの水が、濾過、消毒、及び再循環システムへの移動
のために排水溝28に入ることができる一方で、プールの波動が強められる。そ
の結果、本発明は、壁20に、より大きな反射面を露出させるのにプールの水位
26を下げることによって得られるのと同様に波を増強するという利点を提供す
る。しかしながら、本発明の使用は、上述のような水位を下げることに関わる不
利な点なしに、所望の波の増強を提供する。
当業者は、水泳プールで利用される様々な排水溝システムが存在することを知
っている。例えば、図2のケースでは、下縁部23が上縁部22の真下にあり、
排水溝24が壁20に凹形状で設けられている。これらの様々な排水溝形状の多
くは、本発明に関連して記述される。しかしながら、各々の場合において、その
動作原理は本質的に同じであることを理解すべきである。
図2と3に関して示されているように、プールが垂直な排水溝の開口部25を
備えた設計になっているとき、反射パネル10は、プールの壁20の最上部22
に隣接して設置された反射面12からなる。図2と3に示されている実施形態で
は、反射パネル10は、プールのデッキ30に取り外しできるように取り付けら
れる長方形のブロッタからなり、このブロックの反射面12は、プールの壁20
の最上部22とほぼ同一平面に配置されている。もちろん、図2と3に示す排水
溝システムの開口部25に挿入する反射面を設けることもできる。このような反
射面の設置は、シート材を反射面12に取り付けることによって達成することが
でき、このシートは、下縁部23で壁20と接するように垂下される。代わりに
、壁20と同一平面の連続的な反射面を形成するように、適当な形状のブロック
材を開口部25の中に挿入することもできる。さらに別の選択肢として、シート
材を上縁部22から下縁部23に吊り下げることで同じ結果を達成することもで
きる。しかしながら、採用する方法にかかわらず、開口部25を覆う材料は、水
が無理なく排水溝24に入ることができるために、ミシン目状の穴、または開口
を設ける。このコンセプトを図4と6を参照して以下に説明する。
図4と6に示されているように、本発明は、他の種々の濾過構造と、全凹形状
排水溝、半凹形状排水溝、ロールアウト形状排水溝、及びデッキレベル型排水溝
と言った排水溝形状を組み入れた設計のプールですぐに適用できる。本実施形態
で用いられているように、開放型排水溝セクションという用語は、排水溝28の
ような半凹形状排水溝、またはデッキレベル型排水溝を指す。このような排水溝
では、排水溝28の開口部は、上縁部22と下縁部23とによって区切られ、上
縁部22は下縁部23の真上にはなく、上縁部22は下縁部23よりもプールの
水から離れている。開放型排水溝28の例を図1、4、及び6に示す。開放型排
水溝を備えた好ましい実施形態では、これらの図に示されているように、反射パ
ネル10は、プールデッキ30に取り付けられた反射パネル10の後部で、
開放型排水溝28の上縁部22と下縁部23の両方を覆うように設置されている
。反射パネル10は、上縁部22の上に水へ向けて延在してもよく、さらに、排
水溝の開口部を横切って延在してもよい。反射パネル10は、パネル10の下部
が下縁部23の上に載り、それによって反射面12が水に隣接し、下縁部23と
ほぼ同一平面となるように、プールデッキ30とプールの壁20の上に設置して
もよい。このように配置したとき、パネルは、プールの壁にほぼ平行な平たい反
射面を形成し、排水溝の上縁部22の高さ以上の高さで延在し、これによって水
位26を変更する必要なしに、プール内で波を反射し、維持する能力が増大する
。
反射パネル10は、凹形状排水溝の閉鎖、または凹形状排水溝の非閉鎖のどち
らのためにも設計することができる。例えば、図5に関して、水を排水溝28に
入れることができるように、反射パネル10の下縁部23のすぐ上の部分に、開
口14を備えてもよい。これにより、排水溝28へプールから水を引くことが可
能になり、その意図された能力で機能し続けることが可能となる。開口14は、
鋸歯状に対照的に配置することが好ましい。しかしながら、パネル10内の開口
14の形状と間隔は、変更してもよい。開口14は、反射パネル10と下縁部2
3の間の境界に沿って均等な間隔で配置し、そして、水の適切な濾過と消毒を維
持するのに十分な排水溝28への水の流入を可能にするような必要かつ十分な大
きさで設けることが好ましい。反射面12の本質的な部分が失われるほど開口部
14を大きくすることには利点がない。したがって、波の増強という観点からの
最適設計とは、所望の量の水が排水溝28の中へ流れ込むようにするのに必要か
つ十分な大きさになるような開口14にすることである。もちろん、すべての反
射パネルに開口を組み込む必要はない。このシステムは、例えば、端から端まで
、開口を有するパネルとそうでないものとを交互に設けた一続きの反射パネルと
して設計することもできる。
通常の水位26とプールの壁20との上方に反射面12が延在する高さは、
個々のプールの設計と所望の波のサイズによって決められる。反射面の上縁部は
、水位26の上方約12から14インチの高さに設置することが好ましい。
図2、4、及び6を比較すると、反射パネルの個々の形状は、個々のプールの
設計に従って変更できる。例えば、反射パネル10は、排水溝の上縁部22と下
縁部23の間に高さの差が少ないとき、よりブロッタに近い形状にしてもよい。
さらに、図3と6を比較すると、図3と6の各々の反射パネルが、水位26の上
方約14インチの高さまでプールの壁の延在部をもたらすように、反射面12の
高さが、個々のプールの設計に従って同様に変更できる。
反射面12を構成する材料は、水を反射し、かつ、含むことができる固形の材
料であるべきである。しかしながら、反射パネル10は、容易に水を吸収しない
軽い半硬質の材料で造られることが好ましい。本実施形態で使用されているよう
に、"半硬質"の材料という用語は、水を反射するけれども、人がこの反射パネル
に衝突したり、またはパネルで打ったりしたときに重傷を負わない程度の十分な
弾力のある十分に硬質な材料を指す。このような半硬質の材料には、発泡体材料
が含まれ、一例として、独立気泡ポリエチレンがある。しかしながら、この他に
、種々のプラスチックや非腐蝕性金属及びその他の材料のような多数の適当な材
料が存在する。これらの材料は、本発明で用いるのに適当なように、十分に硬質
で非腐蝕性の外部保護層で被覆されていてもよいし、被覆されていなくてもよい
。さらに、安全のために、反射パネルのコーナー部を丸くしてもよい。
反射パネル10は、多数の手段のいずれか一つによってプールデッキ30に取
り付けることができる。例えば、反射パネルは、パネル10とプールデッキ30
の両方に備えられた連結具によってプールデッキ30に取り付けてもよい。例え
ば、図7に、スリーブ18に内包されたボルト40からなる付属のアッセンブリ
ーが示されている。スリーブ18は、反射パネル10の中を通り、パネル10の
下で約2インチ突き出ている。ボルト40は、その下端部にナット41を
備え、ゴム製ブッシング34がナット41上のワッシャ43と、スリーブ18の
下端部に形成されたフランジ45との間に挟み込まれている。ボルト40が締め
込まれるにつれて、ナット41が上方へ引きつけられ、ワッシャ43とフランジ
45の間でゴム製ブッシング34が押し潰され、それによってブッシングの直径
が大きくなり、デッキ30に形成されたソケット32の内面と密接に接触するよ
うに押し付けられる。この結果、パネル10は、適切な位置にロックされる。こ
のような締め付けメカニズムは迅速な設置と除去ができることがわかるであろう
。もちろん、反射パネル10は、ラッチ、フッタ、鉤止め型連結具を含め、こ
販売されている商品のようなその他の取り付け手段を介してプールデッキ取り外
しできるように取り付けることもできる。
図8に関して、反射パネルは、水中の人を支えたり、プールから出る人を補助
できるプールの水面に隣接する取っ手またはハンドル16を備えていてもよい。
ハンドルは、図8に示すように、反射パネルを構成する材料の中に一体成形して
もよいし、別体のハンドルを反射パネル10に取り付けてもよい。
図9は、プールの周囲に沿って端から端まで設置された複数の反射パネル10
を示すプールの平面図である。図9のプールは長方形であるが、その他のプール
形状に本発明を適用できることは明らかである。図9に示すプール52は、一端
に波発生装置50が設けられている。したがって、波は、波発生装置50からプ
ールの反対側の端へ伝搬し、そこで反射されて波発生装置50の方へ戻ってくる
。特に反射パネル10が設置されたときにプールに関する掲示が覆われてしまう
場合、パネル10は、プールの深さ、または飛び込みやその他の活動に対する場
所の制限を示す泳ぐ人たちへの掲示が組み込まれていてもよい。
水泳用の水を提供するように設計されたプールは、膨大な数の形状で存在する
。そのようなプールは、個々の裏庭にあるような自家用サイズのプールから公衆
用
に設計された大きなプールまでの多様性を有する。水泳プールは、徒渉用の浅い
セクションと、プールの底に触れずに自由に泳ぐことができるより深いセクショ
ンの双方を組み込んだものがよくある。しかしながら、ほとんどすべてのサイズ
または設計のプールに関して本発明を適用するとき、プールの個々の形状は、重
大な問題であるとは思われない。
標準的な水泳プールの設計の範囲内で波を発生させるために使用できる多数の
波発生システムと波発生装置がある。そのようなシステムと装置の例として、ベ
ルギーのエス・エイ・ワウ社(S.A.WOW Co.)製の"ウェーブボール"と、米国特
許出願番号No.08/397,970で教示される波発生システムとがある。前述
の'970出願の内容は参考文献として本明細書に取り込まれている。プールの
形状の場合と同様に、多数のタイプの波発生システムや装置と一緒に本発明を使
用できることを当業者が理解するならば、個々の波発生システムや波発生装置が
重大な問題であるとは思われない。
このように、本発明は、水位に関連して、プールの壁の高さを延在する手段を
提供し、水位を下げる必要なしに、水泳プールの波の発生を可能にするものであ
る。個々のに設計されたプール本来のレベルに水位を維持できるので、水質維持
システムが損なわれることがないという点で、本発明は大きな利点を有する。さ
らに、プールの水位を上げ下げする時間と費用が完全に回避される。
本発明は、特に、その好ましい実施形態に関して図示され、説明されているが
、本発明の精神と範囲から逸脱することなく形態や細部について他の変更を行う
ことができることを当業者は理解するであろう。
例えば、以下の請求項において、反射パネルの反射面10は、“壁と同様の平
面”またはプールの壁と"同一平面"であると記載されている。反射面がプールの
壁と正確に同一平面上にあることは本質的な問題ではないということがすぐに理
解されるであろう。実際、反射面が平行な平面を多少外れていても、または多少
いずれかに傾斜していても、それでも本質的な波の反射機能は維持される。した
がって、反射面がプールの壁とほぼ同一平面上にあり、本発明の目的を達成する
のに十分な波の反射活動が提供されるということを意味するものとしてこれらの
用語を解釈すべきである。 沿岸保護マニュアル
SWLで残っているか、tのすべての値及びs(波腹)の他の値....ここで表面での水
粒子の運動は......か入射波の高さの2倍である。水粒子の運動を説明するこれ
らの式は、その速度が常に波節の下で水平であり、波腹の下では常に垂直である
ことを示している。中間点では、水粒子は図2-61に示すように対角線に沿っ
て移動する。波腹での水の運動は単に垂直なので、任意の波腹における垂直壁の
存在によって説明されている流れの形が変わることはない。なぜなら垂直な障壁
を横切る流れはなく、それに相当して波腹を貫通して垂直線を横切る流れはない
からである。(ここでの線形理論上の議論のために、任意の2つの波腹の間に含
まれる水はそれら2つの波腹の間に残るものとする)。従って、ここで説明する
流れは障壁に対して2πx/L=0(x=0)で有効である。その理由はその位置に
波腹が存在しないからである。
2.53閉鎖内湾での反射
前に説明した定常波系を調べることによって港湾及びその他の閉鎖水塊の共鳴反
応現象についての若干の洞察を得ることができる。2つの障壁が波腹に当たるよ
うに障壁を配置することによって、2つの垂直壁の間で発生可能な共鳴振動を説
明することができる。例えば、x=0及びπあるいはx=0及び2πなどでの障壁
は振動の可能なモードを表す。これらの障壁がx=0及びx=πで選ばれた場合、
半分の波が内湾に生じ、lBを内湾の長さとすれば、lB=L/2となる。波の長さ
は式2-4
によって与えられるので、振動のこの基本モードの時間は、
となる。
一つの完全な波が内湾で生じたとき次の可能な共鳴モードが生じ(x=0及びx=
2πの障壁)、次いで、3/2波が内湾で生じたとき次のモードが生じる(x=0
及びx=3π/2の障壁)など。一般に、lB=jL/2(但しj=1、2、....)であ
る。現実には自然のあるいは人工の内湾lBの長さは一定であり、内湾に含まれる
共鳴波の波長が変数となる。したがって、式が、長さlBの内湾で共鳴を引き起こすことができる波長を定義するものと考えて
よい。式2-80の一般式は式2-??を波長を表す式に代入することによって得ら
れる。したがって
となる。
長さlBのほぼ長方形平面の閉鎖港湾については、jの小さな値を表す式2-82
によって与えられる周期に近似した卓越周期で防波堤のすき間を通って入来する
波は、なんらかの有効エネルギー散逸機構が存在しない場合相当の攪拌を引き起
こす場合が在る。共鳴(励振)周波数(fj=I/Tj)での内湾に対するエネルギーの
付加は、内湾をかき立てるといわれている。
式2-82は、端部境界が垂直であるという想定で展開された。しかし端部境界
が波動に対して高く反射するままの状態でいるかぎりこの式は依然として近似的
に有効である。浜のような傾斜境界は、通常有効エネルギーが放散する間、入射
波
が極端に長い場合相当に反射する場合がある。傾斜境界の影響及びそれらの波に
対する異なる特性を持つ反射性についてはセクション2.54「浜からの波反射
」に記載する。
大きな湖やその他の大きな水塊における長い周期の共鳴振動は一定の期間をもつ
副振動である。副振動の周期は数分から数時間に及ぶことがあり、特定の内湾の
幾何学的地形によって決まる。一般に、これらの内湾はその長さに対して浅い。
したがって式2-82のtanh(πjd/lB)は近似的にπjd/lBと等しくなる。
式2-83はMerianの式である。自然の内湾では、複雑な幾何学的地形と変化す
る深度のため式2-83を直接適用することは難しい。しかし閉鎖内湾のための
第一次近似として役立つ場合もある。一方の端が開いている内湾については異な
るモードすなわち振動が存在する。というのは、波節が一方の端が開いている内
湾にあるとき共鳴が生じ、1/4の波が内湾に存在するとき基本振動が生じるか
ら
一般にlB'=(2j−1)L/4であり、
4分の3、5、....,,2j−1、などの波が存在するとき、内湾内により高いモ
ードが生じることに留意されたい。前提
:Erie湖 平均深度d=61フィートで長さlBが220マイルあるいは116
,160フィートとする。問題
:j=1の場合、振動Tjの基本周期を求めよ。解
:閉鎖内湾についての式2-83より、
T1=52,420秒すなわち14.56時間
実際の湖の横断面の変化を考慮すると、この結果は実際に観察された時間である
14.38時間(Platzman及びRao、1963年)と驚くほど近似している。このよ
うな近似した一致は必ずしも結果として生じるとはかぎらない。
注:副振動についての追加説明はセクション3.84に示されている。
2.54浜からの波反射
浜から反射される波エネルギーの量は、入射波の勾配と最大登坂可能角に加えて
浜の凹凸、浸透性、及び傾斜に依存する。Miche(1951)は、浜Xの反射係数
は次式による2つの因数の積として説明できると保証した。
X=X1X2 (2-85)
ここでX1は浜の凹凸、浸透性に依存し、傾斜には依存しない。一方X2は浜の傾斜
と波の勾配に依存する。
SchoemnkerとThijsse(1949)によって行われた測定に基づき、Micheは平坦
な不浸透の浜についてX1=0.8を得た。X1=0.3の値
【手続補正書】
【提出日】平成12年2月29日(2000.2.29)
【補正内容】
明細書
ウェーブプールカービングシステム
発明の分野
以下の発明は、ウェーブプールシステムに係り、特に、プール内での波の発生
を改良するためのウェーブプールカービングシステムに関する。発明の背景
ここ数年の間、ウェーブプールの人気がかなり高まってきている。今日では、
波の発生と維持のために特別に設計された多数のプールが存在する。しかしなが
ら、既存のプールの大多数は、主に、水泳用として設計されており、波の維持の
ために設計されたものではない。それにもかかわらず、水泳プールとウェーブプ
ールのような、複合機能を提供することができるプールがますます好まれるよう
になっている。このプールの機能の万能性によって、オーナーは、プールを最大
限に利用することができる。
この点に関しては、元々水泳用に設計されたプールで波を発生させるために設
計された波発生システムがある。しかし、既存の水泳プールで波を発生させるた
めに設計された多くの波発生システムや装置は、プールに対して大幅な構造的そ
して機械的な変更を必要とする。結果として、そのような変更は、費用がかかる
上、プールの外観を損なうことが多い。さらに、プールに対して大幅な構造的そ
して機械的な変更を必要とせずに機能する波発生装置の場合であっても、波を発
生させる前にプールの水位を低くすることが必要となる場合が多い。しかしなが
ら、水位を下げることは、衛生への重大な影響をもたらす可能性がある。例えば
、水位が排水溝より著しく低くなると、排水溝への水の正常な流れが停止し、そ
れにより、排水溝からプールの濾過、消毒、及び再循環システムへの水の流れが
起きなくなる。加えて、繰り返し水位を上げ下げすることは、それ自体費用のか
かることであり、水槽の追加を必要とするか、または相当量の水を無駄にするこ
とになる。
このように、その意図された能力におけるプールの機能を損なうような、プー
ルに対する大きな機械的、構造的、またはその他の変更を施す必要なく、波発生
装置を標準的設計の水泳プールに付加して使用することができるようなウェーブ
プールシステムに対する要望がある。さらに、水泳プールが、水泳プールまたは
ウェーブプールのいずれかとして機能することができ、かつ、波動プールと非波
動プールとの間で迅速で簡単な転換ができるようなウェーブプールシステムに対
する要望がある。さらに、多種多様な設計のプールの運転制限に従って機能し、
システムが設置されたとき、波動または非波動のいずれの期間でも、プールの濾
過、再循環、及び消毒システムと干渉することなく波の発生を行うことができる
ようなウェーブプールシステムに対する要望がある。
発明の要約
本発明によって前述の要望は満たされ、従来の技術の問題点が克服される。本
発明は、一態様において、プールの壁で囲まれた水と、反射面が水に面し、プー
ルの壁の最上部よりも高く延在し、プールの壁の上部に沿って設置された着脱可
能な反射パネルと抑制パネルの少なくとも1つを有する水泳プールからなるウェ
ーブプールを含んでいる。反射パネルは、開放型排水溝を有するプール、または
全く排水溝を有していないプールを含む多数のプールカーブの設計のいずれにも
適用することができる。反射パネルが開放型排水溝の下縁部に接し、プールの壁
と平行かつ同様の平面になるように、反射パネルは、開放型排水溝の下縁部の上
に、上縁部よりも上方へ延在している。下縁部の上の反射パネルは、プールから
の水が排水溝へ入る下縁部と隣り合うその境界面に複数の開口を有している。反
射パネルは、プールの通常の水位よりも上方に数インチから数フィートの高さで
延在する平らな反射面を有している。さらに、反射パネルは、水に隣接した取っ
手を有していてもよい。取っ手は、反射面に一体成形するか、または取り付ける
ことができる。反射パネルは、独立気泡ポリエチレンのような、半硬質または発
砲体様の材料からなる。プールに反射パネルを簡単に脱着するための手段が、設
けられている。図面の簡単な説明
図1は、本発明を組み込んだ水泳/ウェーブプールの一部分の透視図である。
図1Aは、線1A−1Aで切り取った図1の一部分の横断面図である。
図2は、本出願人により製造及び販売されている2000−CE排水溝セクシ
ョンと同様の一般的なタイプの排水溝システムを有するプールに設置されたとこ
ろを示す本発明のカービング装置の横断面図である。この排水溝セクションは、
反射パネル10の頂部から水位26までの距離が1'-2"、反射パネル10の長さ
が1'-2'、そして反射パネル10の高さと厚みが6-7/8"の大きさを有しているこ
とが好ましい。
図3は、本出願人により製造及び販売されている1000−FR排水溝セクシ
ョンと同様の別のタイプの排水溝システムを有するプールに設置されたところを
示す本発明のカービング装置の横断面図である。この排水溝セクションは、反射
パネル10の頂部から水位26までの距離が1'-2"、反射パネル10の長さが1'-
2"、そして反射パネル10の高さと厚みが2-1/8"の大きさを有していることが好
ましい。
図4は、本出願人により製造及び販売されている1000−SR排水溝システ
ムと同様の別の一般的なタイプの排水溝システムを有するプールに設置されたと
ころを示す本発明のカービング装置の横断面図である。この排水溝セクションは
、反射パネル10の頂部から水位26までの距離が1'-2"、反射パネル10の長
さが1'-2"の大きさを有し、反射パネル10がその背面縁部で3"の高さを有し、
反射パネル10が1'-2"の頂部側縁の長さを有し、そして排水溝28が9"から12"
の範囲の高さを有していることが好ましい。
図5は、図4の矢印4の方向から見たカービング装置の正面図である。
図6は、本出願人により製造及び販売されている1000−RO排水溝システ
ムと同様の別の一般的なタイプの排水溝システムを有するプールに設置されたと
ころを示す本発明のカービング装置の横断側面図である。この排水溝セクション
は、反射パネル10の頂部から水位26までの距離が水辺で1'-2"の大きさを有
し、反射パネル10がその背面縁部で1'-2"の長さと1'-7/8"の高さを有している
ことが好ましい。
図7は、本発明のカービング装置をプールデッキに取り付けるための一手段を
示す図1(A)の一部分の拡大図である。
図8は、取っ手を組み込んだ本発明のカービング装置の横断面図である。カー
ビング装置は、例えば、反射パネル10がその頂縁部で10"の高さと1'-2"の頂部
側縁の長さを有し、ハンドル16が水辺で排水溝28上3"の高さを有し、そして
排水溝28は、水辺で7-3/4"の高さを有している。
図9は、本発明のカービング装置を用いるプールの上面図である。プールは、
例えば、45'の幅を有し、そしてサージタンクは、16'×5'の大きさである。
ここに示した全ての大きさか例示にすぎないことは、明らかである。好ましい実施の形態の説明
図1は、本発明を組み込んだ水泳/ウェーブプールの一部分の透視図である。
垂直な壁20は、通常の運転水位26まで水で満たされるプールの内壁である。
壁20には、排水溝28へ水が流れ込むように下縁部23が形成されている。排
水溝28は、デッキ30に形成される上縁部または肩部22によって後部が仕切
られている。反射パネル10は、図7により詳細に示されているボルトアッセン
ブリー手段13によって、取り外しできるように壁20にボルト止めされている
。下縁部23と反射ブロック10の隣接部との間にギャップ25があることが図
1(a)でわかる。反射ブロック10は、壁20の上方に適当な高さでブロック1
0を保持するための内部支持リブ27と外部支持リブ29を含んでいる。内部支
持リブ27には、水が内部支持リブ27を通って下縁部23から排水溝28の中
へ流れることができるように連続する開口(図示していない)が設けられている
。水は、排水溝28から従来の濾過、消毒、及び再循環システムを経て、最終的
にプールへ戻る。
もし、図1の壁20の方向へプールの表面を横切って伝搬する波を発生させれ
ば、それらの波が反射パネル10の反射面12によって反射されることは容易に
理解できるであろう。反射パネル10が適切な位置にない場合には、波は下縁部
23を越えてデッキ30の上に散ることになる。反射パネル10が適切な位置に
あるとき、図1に示すように、所定のエネルギーレベルで運転する所定の波発生
装置を用いて、反射パネル10が無い場合よりも、より大きな波を発生させるこ
とができることがわかっている。これは、反射パネル10と、特に反射面12と
が、波を反射してプールの中へ戻すために起こることは明らかである。そして、
もし、最初に発生した波が適切な波長であり、かつ、この発生した波と反射した
波の間の位相が適切であれば、反射した波が到来する波の振幅に加わるであろう
。
したがって、所定の量の波発生エネルギーに対して、そして、プールの水位をそ
の通常の水泳用運転水位から下げることなく、反射パネル10を用いて、反射パ
ネル無しで発生させることができるよりも大きな振幅の波を発生させることがで
きる。この現象の物理的性質は、当業者がよく理解していると確信する。しかし
ながら、合衆国陸軍沿岸工学センター刊−岸壁保護マニュアル(The U.S.Army
Coastal Engineering Center-Shore Protection Manual)、巻Iのカバーページ
とセクション2.53(2-115頁〜2-117頁)が付録Aとして本明細書に
添付され、ここに、より詳細な技術的説明がなされている。
本質的に、本発明は、到来する波を反射してプールに戻すのに適当な面を提供
し、それらは、プールで維持される波の振幅全体を増幅させることができる。こ
のように、十分な量のプールの水が、濾過、消毒、及び再循環システムへの移動
のために排水溝28に入ることができる一方で、プールの波動が強められる。そ
の結果、本発明は、壁20に、より大きな反射面を露出させるのにプールの水位
26を下げることによって得られるのと同様に波を増強するという利点を提供す
る。しかしながら、本発明の使用は、上述のような水位を下げることに関わる不
利な点なしに、所望の波の増強を提供する。
当業者は、水泳プールで利用される様々な排水溝システムが存在することを知
っている。例えば、図2のケースでは、下縁部23が上縁部22の真下にあり、
排水溝24が壁20に凹形状で設けられている。これらの様々な排水溝形状の多
くは、本発明に関連して記述される。しかしながら、各々の場合において、その
動作原理は本質的に同じであることを理解すべきである。
図2と3に関して示されているように、プールが垂直な排水溝の開口部25を
備えた設計になっているとき、反射パネル10は、プールの壁20の最上部22
に隣接して設置された反射面12からなる。図2と3に示されている実施形態で
は、反射パネル10は、プールのデッキ30に取り外しできるように取り
付けられる長方形のブロックからなり、このブロックの反射面12は、プールの
壁20の最上部22とほぼ同一平面に配置されている。もちろん、図2と3に示
す排水溝システムの開口部25に挿入する反射面を設けることもできる。このよ
うな反射面の設置は、シート材を反射面12に取り付けることによって達成する
ことができ、このシートは、下縁部23で壁20と接するように垂下される。代
わりに、壁20と同一平面の連続的な反射面を形成するように、適当な形状のブ
ロック材を開口部25の中に挿入することもできる。さらに別の選択肢として、
シート材を上縁部22から下縁部23に吊り下げることで同じ結果を達成するこ
ともできる。しかしながら、採用する方法にかかわらず、開口部25を覆う材料
は、水が無理なく排水溝24に入ることができるために、ミシン目状の穴、また
は開口を設ける。このコンセプトを図4と6を参照して以下に説明する。
図4と6に示されているように、本発明は、他の種々の濾過構造と、全凹形状
排水溝、半凹形状排水溝、ロールアウト形状排水溝、及びデッキレベル型排水溝
と言った排水溝形状を組み入れた設計のプールですぐに適用できる。本実施形態
で用いられているように、開放型排水溝セクションという用語は、排水溝28の
ような半凹形状排水溝、またはデッキレベル型排水溝を指す。このような排水溝
では、排水溝28の開口部は、上縁部22と下縁部23とによって区切られ、上
縁部22は下縁部23の真上にはなく、上縁部22は下縁部23よりもプールの
水から離れている。開放型排水溝28の例を図1、4、及び6に示す。開放型排
水溝を備えた好ましい実施形態では、これらの図に示されているように、反射パ
ネル10は、プールデッキ30に取り付けられた反射パネル10の後部で、開放
型排水溝28の上縁部22と下縁部23の両方を覆うように設置されている。反
射パネル10は、上縁部22の上に水へ向けて延在してもよく、さらに、排水溝
の開口部を横切って延在してもよい。反射パネル10は、パネル10の下部が下
縁部23の上に載り、それによって反射面12が水に隣接し、下縁部23と
ほぼ同一平面となるように、プールデッキ30とプールの壁20の上に設置して
もよい。このように配置したとき、パネルは、プールの壁にほぼ平行な平たい反
射面を形成し、排水溝の上縁部22の高さ以上の高さで延在し、これによって水
位26を変更する必要なしに、プール内で波を反射し、維持する能力が増大する
。
反射パネル10は、凹形状排水溝の閉鎖、または凹形状排水溝の非閉鎖のどち
らのためにも設計することができる。例えば、図5に関して、水を排水溝28に
入れることができるように、反射パネル10の下縁部23のすぐ上の部分に、開
口14を備えてもよい。これにより、排水溝28へプールから水を引くことが可
能になり、その意図された能力で機能し続けることが可能となる。開口14は、
鋸歯状に対照的に配置することが好ましい。しかしながら、パネル10内の開口
14の形状と間隔は、変更してもよい。開口14は、反射パネル10と下縁部2
3の間の境界に沿って均等な間隔で配置し、そして、水の適切な濾過と消毒を維
持するのに十分な排水溝28への水の流入を可能にするような必要かつ十分な大
きさで設けることが好ましい。反射面12の本質的な部分が失われるほど開口部
14を大きくすることには利点がない。したがって、波の増強という観点からの
最適設計とは、所望の量の水が排水溝28の中へ流れ込むようにするのに必要か
つ十分な大きさになるような開口14にすることである。もちろん、すべての反
射パネルに開口を組み込む必要はない。このシステムは、例えば、端から端まで
、開口を有するパネルとそうでないものとを交互に設けた一続きの反射パネルと
して設計することもできる。
通常の水位26とプールの壁20との上方に反射面12が延在する高さは、個
々のプールの設計と所望の波のサイズによって決められる。反射面の上縁部は、
水位26の上方約12から14インチの高さに設置することが好ましい。
図2、4、及び6を比較すると、反射パネルの個々の形状は、個々のプールの
設計に従って変更できる。例えば、反射パネル10は、排水溝の上縁部22と下
縁部23の間に高さの差が少ないとき、よりブロックに近い形状にしてもよい。
さらに、図3と6を比較すると、図3と6の各々の反射パネルが、水位26の上
方約14インチの高さまでプールの壁の延在部をもたらすように、反射面12の
高さが、個々のプールの設計に従って同様に変更できる。
反射面12を構成する材料は、水を反射し、かつ、含むことができる固形の材
料であるべきである。しかしながら、反射パネル10は、容易に水を吸収しない
軽い半硬質の材料で造られることが好ましい。本実施形態で使用されているよう
に、"半硬質"の材料という用語は、水を反射するけれども、人がこの反射パネル
に衝突したり、またはパネルで打ったりしたときに重傷を負わない程度の十分な
弾力のある十分に硬質な材料を指す。このような半硬質の材料には、発泡体材料
が含まれ、一例として、独立気泡ポリエチレンがある。しかしながら、この他に
、種々のプラスチックや非腐蝕性金属及びその他の材料のような多数の適当な材
料が存在する。これらの材料は、本発明で用いるのに適当なように、十分に硬質
で非腐蝕性の外部保護層で被覆されていてもよいし、被覆されていなくてもよい
。さらに、安全のために、反射パネルのコーナー部を丸くしてもよい。
反射パネル10は、多数の手段のいずれか一つによってプールデッキ30に取
り付けることができる。例えば、反射パネルは、パネル10とプールデッキ30
の両方に備えられた連結具によってプールデッキ30に取り付けてもよい。例え
ば、図7に、スリーブ18に内包されたボルト40からなる付属のアッセンブリ
ーが示されている。スリーブ18は、反射パネル10の中を通り、パネル10の
下で約2インチ突き出ている。ボルト40は、その下端部にナット41を備え、
ゴム製ブッシング34がナット41上のワッシャ43と、スリーブ18の下端部
に形成されたフランジ45との間に挟み込まれている。ボルト40が締め込まれ
るにつれて、ナット41が上方へ引きつけられ、ワッシャ43とフランジ45の
間でゴム製ブッシング34が押し潰され、それによってブッシングの直
径が大きくなり、デッキ30に形成されたソケット32の内面と密接に接触する
ように押し付けられる。この結果、パネル10は、適切な位置にロックされる。
このような締め付けメカニズムは迅速な設置と除去ができることがわかるであろ
う。もちろん、反射パネル10は、ラッチ、フック、鉤止め型連結具を含め、こ
販売されている商品のようなその他の取り付け手段を介してプールデッキ取り外
しできるように取り付けることもできる。
図8に関して、反射パネルは、水中の人を支えたり、プールから出る人を補助
できるプールの水面に隣接する取っ手またはハンドル16を備えていてもよい。
ハンドルは、図8に示すように、反射パネルを構成する材料の中に一体成形して
もよいし、別体のハンドルを反射パネル10に取り付けてもよい。
図9は、プールの周囲に沿って端から端まで設置された複数の反射パネル10
を示すプールの平面図である。図9のプールは長方形であるが、その他のプール
形状に本発明を適用できることは明らかである。図9に示すプール52は、一端
に波発生装置50が設けられている。したがって、波は、波発生装置50からプ
ールの反対側の端へ伝搬し、そこで反射されて波発生装置50の方へ戻ってくる
。特に反射パネル10が設置されたときにプールに関する掲示が覆われてしまう
場合、パネル10は、プールの深さ、または飛び込みやその他の活動に対する場
所の制限を示す泳ぐ人たちへの掲示が組み込まれていてもよい。
水泳用の水を提供するように設計されたプールは、膨大な数の形状で存在する
。そのようなプールは、個々の裏庭にあるような自家用サイズのプールから公衆
用に設計された大きなプールまでの多様性を有する。水泳プールは、徒渉用の浅
いセクションと、プールの底に触れずに自由に泳ぐことができるより深いセクシ
ョンの双方を組み込んだものがよくある。しかしながら、ほとんどすべてのサイ
ズまたは設計のプールに関して本発明を適用するとき、プールの個々の形状は、
重
大な問題であるとは思われない。
標準的な水泳プールの設計の範囲内で波を発生させるために使用できる多数の
波発生システムと波発生装置がある。そのようなシステムと装置の例として、ベ
ルギーのエス・エイ・ワウ社(S.A.WOW Co.)製の"ウェーブボール"と、米国特
許出願番号No.08/397,970で教示される波発生システムとがある。前述
の'970出願の内容は参考文献として本明細書に取り込まれている。プールの
形状の場合と同様に、多数のタイプの波発生システムや装置と一緒に本発明を使
用できることを当業者が理解するならば、個々の波発生システムや波発生装置が
重大な問題であるとは思われない。
このように、本発明は、水位に関連して、プールの壁の高さを延在する手段を
提供し、水位を下げる必要なしに、水泳プールの波の発生を可能にするものであ
る。個々のに設計されたプール本来のレベルに水位を維持できるので、水質維持
システムが損なわれることがないという点で、本発明は大きな利点を有する。さ
らに、プールの水位を上げ下げする時間と費用が完全に回避される。
本発明は、特に、その好ましい実施形態に関して図示され、説明されているが
、本発明の精神と範囲から逸脱することなく形態や細部について他の変更を行う
ことができることを当業者は理解するであろう。
例えば、以下の請求項において、反射パネルの反射面10は、“壁と同様の平
面”またはプールの壁と“同一平面”であると記載されている。反射面がプール
の壁と正確に同一平面上にあることは本質的な問題ではないということがすぐに
理解されるであろう。実際、反射面が平行な平面を多少外れていても、または多
少いずれかに傾斜していても、それでも本質的な波の反射機能は維持される。し
たがって、反射面がプールの壁とほぼ同一平面上にあり、本発明の目的を達成す
るのに十分な波の反射活動が提供されるということを意味するものとしてこれら
の用語を解釈すべきである。
添付資料 A
合衆国陸軍沿岸工学センター
沿岸保護マニュアル
第I巻
tと表面での水粒子の運動が2iまたは入射波の高さの2倍である他の位置(波腹
)の全ての値のためにSWLで残る。水粒予の運動を説明するこれらの式は、そ
の速度が常に波節の下で水平であり、波腹の下では常に垂直であることを示して
いる。中間点では、水粒子は図2-61に示すように対角線に沿って移動する。
波腹での水の運動は単に垂直なので、任意の波腹における垂直壁の存在によって
説明されている流れの形が変わることはない。なぜなら垂直な障壁を横切る流れ
はなく、それに相当して波腹を貫通して垂直線を横切る流れはないからである。
(ここでの線形理論上の議論のために、任意の2つの波腹の間に含まれる水はそ
れら2つの波腹の間に残るものとする)。従って、ここで説明する流れは障壁に
対して2πx/L=0(x=0)で有効である。その理由はその位置に波腹が存在し
ないからである。
2.53閉鎖内湾での反射
前に説明した定常波系を調べることによって港湾及びその他の閉鎖水塊の共鳴反
応現象についての若干の洞察を得ることができる。2つの障壁が波腹に当たるよ
うに障壁を配置することによって、2つの垂直壁の間で発生可能な共鳴振動を説
明することができる。例えば、x=0及びπあるいはx=0及び2πなどでの障壁
は振動の可能なモードを表す。これらの障壁がx=0及びx=πで選ばれた場合、
半分の波が内湾に生じ、lBを内湾の長さとすれば、lB=L/2となる。波の長さ
は式2-4
によって与えられるので、振動のこの基本モードの時間は、
となる。
一つの完全な波が内湾で生じたとき次の可能な共鳴モードが生じ(x=0及びx=
2πの障壁)、次いで、3/2波が内湾で生じたとき次のモードが生じる(x=0
及びx=3π/2の障壁)など。一般に、lB=jL/2(但しj=1、2、....)であ
る。現実には自然のあるいは人工の内湾lBの長さは一定であり、内湾に含まれる
共鳴波の波長が変数となる。したがって、式が、長さlBの内湾で共鳴を引き起こすことができる波長を定義するものと考えて
よい。式2-80の一般式は式2-80を波長を表す式に代入することによって得
られる。したがって
となる。
長さlBのほぼ長方形平面の閉鎖港湾については、jの小さな値を表す式2-82
によって与えられる周期に近似した卓越周期で防波堤のすき間を通って入来する
波は、なんらかの有効エネルギー散逸機構が存在しない場合相当の攪拌を引き起
こす場合が在る。共鳴(励振)周波数(fj=I/Tj)での内湾に対するエネルギーの
付加
は、内湾をかき立てるといわれている。
式2-82は、端部境界が垂直であるという想定で展開された。しかし端部境界
が波動に対して高く反射するままの状態でいるかぎりこの式は依然として近似的
に有効である。浜のような傾斜境界は、通常有効エネルギーが放散する間、入射
波が極端に長い場合相当に反射する場合がある。傾斜境界の影響及びそれらの波
に対する異なる特性を持つ反射性についてはセクション2.54「浜からの波反
射」に記載する。
大きな湖やその他の大きな水塊における長い周期の共鳴振動は一定の期間をもつ
副振動である。副振動の周期は数分から数時間に及ぶことがあり、特定の内湾の
幾何学的地形によって決まる。一般に、これらの内湾はその長さに対して浅い。
したがって式2-82のtanh(πjd/lB)は近似的にπjd/lBと等しくなる。
式2-83はMerianの式である。自然の内湾では、複雑な幾何学的地形と変化す
る深度のため式2-83を直接適用することは難しい。しかし閉鎖内湾のための
第一次近似として役立つ場合もある。一方の端が開いている内湾については異な
るモードすなわち振動が存在する。というのは、波節が一方の端が開いている内
湾にあるとき共鳴が生じ、1/4の波が内湾に存在するとき基本振動が生じるか
ら
一般にlB'=(2j−1)L/4であり、
4分の3、5、....、.2j−1などの波が存在するとき、内湾内により高いモ
ードが生じることに留意されたい。前提
:Erie湖 平均深度d=61フィートで長さlBが220マイルあるいは116
,160フィートとする。問題
:j=1の場合、振動Tjの基本周期を求めよ。解
:閉鎖内湾についての式2-83より、
T1=52,420秒すなわち14.56時間
実際の湖の横断面の変化を考慮すると、この結果は実際に観察された時間である
14.38時間(Platzman及びRao、1963年)と驚くほど近似している。このよ
うな近似した一致は必ずしも結果として生じるとはかぎらない。
注:副振動についての追加説明はセクション3.84に示されている。
2.54浜からの波反射
浜から反射される波エネルギーの量は、入射波の勾配と最大登坂可能角に加えて
浜の凹凸、浸透性、及び傾斜に依存する。Miche(1951)は、浜Xの反射係数は
次式による2つの因数の積として説明できると保証した。
X=X1X2 (2-85)
ここでX1は浜の凹凸、浸透性に依存し、傾斜には依存しない。一方X2は浜の傾斜
と波の勾配に依存する。
SchoemnkerとThijsse(1949)によって行われた測定に基づき、Micheは平坦
な不浸透の浜についてX1=0.8を得た。X1=0.3の値
請求の範囲
1.上端部を有する垂直な壁によって少なくとも部分的に仕切られたプールであ
って、水泳のための所定の運転水位まで水で満たされるのに対応した前記プール
と、
前記壁中の排水溝であって、前記運転水位の水に隣接する縁部を有する前記排
水溝と、
前記プールに取り付けられ、前記垂直な壁に向かって前記プールで波を伝搬さ
せるのに対応した選択的に作動可能な波発生装置と、
波発生中に使用するため、前記壁に着脱自在に取り付けられた少なくとも1つ
の反射パネルであって、少なくとも前記縁部から予め定められた高さまで上方へ
延在し、前記プールからの水が前記排水溝の中に前記縁部を越えて流入可能に、
前記縁部に隣接する少なくとも1つの開口部分を貫通する少なくとも1つの開口
を有する反射面とを有する前記パネルとを備えてなる水泳/ウェーブプール。
2.前記パネルは、半硬質材料で作られていることを特徴とする請求項1に記載
の水泳/ウェーブプール。
3.前記半硬質材料は、独立気泡ポリエチレンであることを特徴とする請求項2
に記載の水泳/ウェーブプール。
4.前記パネルは、前記プールに隣接する取っ手を含むことを特徴とする請求項
1に記載の水泳/ウェーブプール。
5.前記パネルは、前記パネルから前記デッキに形成されたソケットの中へ挿通
するボルトアッセンブリー手段によって前記プールに取り付けられることを特徴
とする請求項1に記載の水泳/ウェーブプール。
6.前記ボルトアッセンブリーが、前記デッキへの前記パネルの取り付けの際に
、前記ソケットの中に配置される弾力のあるブッシングを含み、前記ブッシング
の
直径を大きくして前記ソケットに固定されるように、前記ボルトが締め込まれた
とき、前記ボルトアッセンブリーが前記ブッシングを押し潰すことを特徴とする
請求項5に記載の水泳/ウェーブプール。
7.前記壁の上端部は、ほぼ水平のデッキの一部を形成し、前記パネルは、前記
デッキに着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の水泳
/ウェーブプール。
8.所定の運転水位を有し、波が伝搬される向きに垂直な上端部を備えた壁によ
って少なくとも部分的に仕切られるタイプの水泳/ウェーブプールで波の発生中
に使用するための波反射装置であり、前記壁は、該壁の中に形成された排水溝を
有し、前記排水溝は、前記運転水位に隣接する縁部を有し、前記装置は、
波反射面を有する反射パネルを備え、前記パネルは、取り付けられたときの前
記反射面が前記排水溝から少なくとも上方に延在するように、前記プールに着脱
可能に取り付けられ、前記パネルは、前記反射面を貫通する少なくとも1つの開
口を有し、前記縁部を横切って前記排水溝の中に前記プールから水が流れること
ができるように、前記開口の部分は、前記縁部に隣接するように配設されている
ことを特徴とする波反射装置。
9.前記パネルは、半硬質材料で作られていることを特徴とする請求項8に記載
の波反射装置。
10.前記半硬質材料は、独立気泡ポリエチレンであることを特徴とする請求項
9に記載の波反射装置。
11.前記パネルは、前記プールに隣接する取っ手を含むことを特徴とする請求
項8に記載の波反射装置。
12.前記パネルは、該パネルから前記デッキに形成されたソケットの中へ挿通
するボルトアッセンブリー手段によって前記プールに取り付けられることを特徴
とする請求項8に記載の波反射装置。
13.前記ボルトアッセンブリーが、前記デッキへの前記パネルの取り付けの際
に、前記ソケットの中に配置される弾力のあるブッシングを含み、前記ブッシン
グの直径を大きくして前記ソケットに固定されるように、前記ボルトが締め付け
られたとき、前記ボルトアッセンブリーが前記ブッシングを押し潰すことを特徴
とする請求項12に記載の波反射装置。
14.前記プールは、前記壁の上端部に隣接するデッキを有し、前記反射パネル
は、前記デッキに着脱可能に据え付けるのに適応していることを特徴とする請求
項8に記載の波反射装置。
15.水泳プールの通常の運転水位以下に前記プールの水位を低くすることなく
前記プールの壁の波反射能力を増強するための方法であり、前記プールの壁は、
排水溝を含み、該排水溝は、前記通常の運転水位でプールから前記排水溝に水が
流入するための縁部を有し、
前記プールに波反射面を付加するステップを有し、該付加された反射面は、前
記縁部の上方に接して延在し、かつ開口を提供し、前記開口の部分は、前記プー
ルから前記排水溝に水が入ることができるように前記縁部に接することを特徴と
する方法。
16.さらに、前記反射面に取っ手を設けるステップを有することを特徴とする
請求項15に記載の方法。
【図1】【図2】【図3】
【図4】【図5】
【図6】
【図7】【図8】【図9】
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 ダン,ジェームス,エフ.
アメリカ合衆国,12180 ニューヨーク州,
トロイ,ウォルター ロード 14
(72)発明者 エリス,ケネス,エル.
アメリカ合衆国,12210 ニューヨーク州,
オルバニー,ハミルトン ストリート
370