JP2000513494A - 飛行時間質量分析計における質量誤差を修正する方法及び装置 - Google Patents

飛行時間質量分析計における質量誤差を修正する方法及び装置

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Abstract

(57)【要約】 開示される飛行時間質量分析計(1)を用いて取得された質量-スペクトルのデータを修正する方法は、観測された質量スペクトルにおいて質量ピークを認識して、その観測ピーク領域及び質量中心を決定することを含む。次いで、修正テーブルを用いて、その観測された質量中心が検出器不感時間の効果に対して修正される。修正テーブルはモンテカルロ・シミュレーションを用いて生成される。

Description

【発明の詳細な説明】 飛行時間質量分析計における質量誤差を修正する方法及び装置 技術分野 この発明は、飛行時間質量分析計によって決定されたイオンの測定された質量 対電荷比における誤差、特にイオン計数検出器の不感時間による誤差を修正する 方法及び装置に関する。 背景技術 飛行時間質量分析計において、それぞれが複数イオンから成る各種イオン群が 本質的には同一の運動エネルギーを伴って電磁場がないドリフト領域に入るよう に為される。このドリフト領域内において、各イオン群における異なる質量対電 荷比のイオンは異なる速度で移動し、それ故に異なる時間にそのドリフト領域の 出口に配置されたイオン検出器に到着する。よって、イオン通過時間の測定は、 そのイオンの質量対電荷比を決定する。 現行、飛行時間質量分析計に殆ど共通して利用されているイオン検出器は単一 のイオン計数検出器であり、それがイオンのその検出面に対する衝突に応じて電 気パルス信号を作り出している。実際上、そうした検出器は1つ或はそれ以上の チャネルプレート電子増倍器を備え、それがイオン衝突に応じて電子群を作り出 している。これら電子は、電荷検知弁別器に接続されている1つ或はそれ以上の 収集電極に収集される。この弁別器はその収集電極に到着している電子に応じて 電気信号を生成する。弁別器によって作り出された信号は、典型的にはイオン群 がドリフト領域に入ると始動する多重停止式の時間対ディジタル変換器によって 検出器を衝突したイオンの通過時間を決定すべく使用される。 完全な質量スペクトルを獲得するために、イオン群はそれぞれ試料から繰り返 して生成され、検出されたイオンの(時間対ディジタル変換器によって決定され るような)通過時間は、質量対電荷比に対するイオン到着数のヒストグラムを作 り出すべく使用される。典型的には、約1,000個のイオン群が分析され得て 、数マクロ秒の合計期間中に完全なスペクトルを獲得する。それ故に、この形態 の 飛行時間質量分析計の主な長所は、ドリフト領域に入るイオン毎が、分析計に入 るイオンのほんの僅かな比率だけが任意時に検出可能である走査質量分析計とは 対照的に、理論的に検出されることである。しかしながら、この理論的長所は、 実際上、イオン群が非常に迅速に作り出され得る場合に実現されるだけであり、 さもなければ、完全な質量スペクトルは獲得の為に走査質量分析計よりもより長 い時間を費やし得る。 一部にはこの理由のために、そして飛行時間質量分析計の先行タイプでの制限 された質量解像度のために、飛行時間質量分析計は、非常に大きな質量対電荷比 のイオン分析のそれらの能力にもかかわらず、最近までは有機質量分析計におい て広範囲には使用されなかった。しかしながら、非常に迅速に作り出される多量 のデータを処理できる高速且つ安価であるディジタルコンピュータの有効性や、 直交加速飛行時間質量分析計等の解像度を改善する技術の開発等は、高質量の有 機分子に対する分析計候補となる飛行時間質量分析計となる。 以上説明されたように、有機適用方面での飛行時間分析計から最大限の長所を 獲得するために、イオン検出器は非常の高速な動作ができなければならない。典 型的には、イオン到達時間は1ナノ秒間毎に記録されるが、実際上、全ての検出 器はイオン衝突に付随する特定の不感時間(dead-time)を示し、その間、検出 器は他のイオン衝突に応答できない。典型的な検出器不感時間は5ナノ秒程度で あり得て、典型的なスペクトルの取得中、イオンは検出器不感時間中に到着して 、それが結果的には検出し損なわれる可能性が大いにある。以下に議論するよう に、イオンの検出し損ないは結果的な質量スペクトルに歪曲効果を与え、それは イオンが検出器に到着する速度を低減することか、或は不感時間修正を適用する ことによってだけ回避できる。特に有機質量分析術の場合、イオン到着速度を低 減することは以上に説明した理由によって了承できないので、不感時間修正の効 果的且つ実際的な方法が非常に重要となってきている。 単一粒子検出器或はカウンタに対する不感時間の修正は、最初に、SchiffのPh ys.Rev.(1936年、第50冊、第88−96頁)によって対処された。Schif fが仮定したことは、所与の期間に検出器に到着した粒子数はポアソンの法則に よって支配され、ひとたびカウンタの不感時間が決定されたならば観測されたカ ウン ト速度を修正させた分析表現を引き出すことである。それ以降、様々な異なる検 出器及び実験条件に対する不感時間修正の為の表現を与える数多くの出版物が出 てきた。Coatcs(in J.Phys.E.、1968年、第1冊、第878頁以降、J.Phys.E. 、第5冊、第150頁以降、並びに、Rev.Sci.Instrum.、1972年、第43冊 、第791頁以降)、Donohue、並びに、Sternは、Rev.Sci.Instrum.、1972 年、第43冊、第1855以降において、延長可能な不感時間を有する検出器の 時間分布を再構築する問題の分析的解決策を記載している(即ち、他の粒子のよ り早期の到着によって既にトリガーされた不感時間中の第2粒子の到着が、その 不感時間を延長させる検出器)。 Esposito等は、Rev.Sci.Instrum.、1991年、第62(11)冊、第282 2頁以降において、この分析を拡張して、2つ以上の粒子が任意の1回の測定サ イクルで検出されることが期待される状況や、延長不可能な不感時間を有する検 出器でのより複雑な場合に対する状況を含んでいる。Coatesは、Rev.Sci.Instru m.、1992年、第63(3)冊、第2084頁以降において、殆どの実践的な 場合で、種々の修正がより簡単な公式を用いて達成可能であり、反復的な手続き を用いて、不感時間歪曲に対して修正された、シミュレートされた飛行時間質量 スペクトルを一例として与える。Stephan、Zehnpfenning、並びに、Benninghove nは、J.Vac.Sci Technol.A.、1994年、第12(2)冊、第405頁以降に おいて、Esposite等及びCoates等によって先に提案されたものと同様の手続きを 用いて、検出器不感時間効果に対する飛行時間質量スペクトルの修正を特に議論 している。 これら先行する方法を完全な飛行時間質量スペクトルを表すデータに適用する 為に、イオン群は試料から繰り返し生成されて、ドリフト領域に入らされる。イ オン通過時間が決定され、時間チャネルに割り当てられて、全てのイオン群が生 成された後、各時間チャネルはその特定通過時間を有するイオンの数と同等のカ ウントを有する。次いで各時間チャネル内のカウントの値は、先に議論された先 行する出版物からの適切な式を用いて修正される。理解して頂けるように、各チ ャネル内のカウントに適用された修正がより早期のチャネル内の少なくとも一部 内に含まれるカウントに依存して、全スペクトルを修正するために、修正式をチ ャネル毎に順次適用することが必要となる。これが要求することは、生データが 保存されて、スペクトル情報が処理され得て次のスペクトルの取得が始まること ができる前に、修正を実行可能とすることである。修正計算は著しい計算時間を 必要としているので、修正処理はスペクトルが取得及び処理され得る速度を制限 することとなり、それは先に説明されたように有機質量分析術に対する飛行時間 分析の有用性を重々しく制限し得る。次のスペクトルの取得を始める点でのこの 遅延が回避できる唯一の方法は、全ての生データを引き続く処理のために高速メ モリに保存することによることであり、それは同等に魅力のないオプションであ る。 発明の開示 それ故に、本発明の目的とすることは、取得されたデータを取得に続いて時を 移さず保存すること或は処理することの何れの必要性もなしに、検出器不感時間 による飛行時間質量スペクトルの歪曲又は歪みを修正する方法の提供である。本 発明の別の目的は、検出器不感時間からしばしば生ずる飛行時間質量スペクトル の質量較正や、データが処理されたならば適用可能な方法における誤差を修正す る方法を提供することである。 本発明の第1局面に従えば、請求項1に記載の質量スペクトル・データを修正 する方法が提供される。 好適実施例において、本発明に従った方法は前記観測されたピーク領域に修正 を適用することを更に含んで、検出器不感時間の効果に対して修正された該ピー ク領域の値を獲得するものであり、その修正が、前記分布関数及び前記観測され たピーク領域の異なる値に対するピーク領域修正を追加的に含む前記所定修正テ ーブルから獲得される。 更に好適には、使用される所定ピーク形状関数は、検出器不感時間がゼロであ れば飛行時間質量分析計によって作り出される質量ピークの特性形状を表すガウ ス関数である。 しかしながら、他のピーク形状関数が使用可能である。 実際的な分析計において、ピーク形状は異なる質量毎に異なる可能性があって 、より広範な局面において、本発明は観測された質量の質量中心に従って選択さ れた異なるピーク形状関数を用いることを含むことができる。 更なる好適実施例において、飛行時間データは、不感時間修正なしに、取得さ れ得て処理され得て、イオン・カウント対通過時間(即ち、質量対電荷比に対す るイオン強度)の形態の質量-スペクトルのデータをもたらす。従来の質量-スペ クトルのデータ処理アルゴリズムを用いて、このデータは更に処理され得て、質 量ピークを認識し且つ観測された質量中心と対象とするピークのピーク領域とを 決定する。本発明に従えば、不感時間修正はこれら2つの数のみ適用されて、ピ ークを表す生データはそれら獲得されたならば廃棄可能である。次いで分布関数 は、所定ピーク形状関数を用いて、修正されるべき質量ピークに対して計算され る。 ガウスのピーク形状関数の場合、分布関数は好都合にも標準偏差であり得て、 それは簡単な表現によって以下に説明されるようにその特定質量での役に立つ解 決策と関連される。次いで観察された質量中心(そして任意には観測されたピー ク領域)に対する修正は、計算された分布関数及び観測された質量中心に対する 所定修正テーブルから獲得される。 また更なる好適実施例において、修正テーブルは「頁」の集合を含み、それは 即ち、分布関数の複数の値の各々に対して1つというような2次元テーブルであ り、各頁は観測されたピーク領域の特定値に対する観測された質量中心に適用さ れるべき修正の値を付与する。 任意には、各頁は質量中心に対する修正に並んで保存された観測ピーク領域に 対する修正をも付与する。 理解して頂けるように、本発明の方法を用いることによって、大量のデータを 保存する必要性なしに或は時間消費を為す不感時間修正をリアルタイムで適用す る必要性なしに、不感時間修正は対象となる質量ピークに適用可能である。好都 合にも、修正テーブルは、データが取得されている間にディジタル・メモリ内に 保存され得るが、質量対電荷比に対する質量ピーク強度の形態のみで保存された 先行して取得された質量スペクトル・データに不感時間修正を適用することも、 本発明の範囲内である。この点、本発明の方法は保存された生データを必要とす る不感時間修正の先行方法を凌ぐ重要な前進を示している。 修正テーブルに含まれる修正は、分布関数及びピーク領域の値から成る各範囲 に対しての、特定されたピーク形状関数を有する複数のシミュレートされた質量 ピークに対する検出器不感時間の効果を予測することによって決定され得る。よ って修正は、非歪曲ピークを作り上げる各データ点に対する所与の検出器不感時 間の効果を順に考慮することによって、所望ピーク形状関数、質量中心、並びに 、分布関数を有する非歪曲ピークを表しているデータ点から、一組のシミュレー トされた歪曲データを先ず生成することによって生成され得、それによって、検 出器不感時間の各種効果で歪曲されたシミュレートされたピークを構成する。次 いで、質量中心及び歪曲されたピークのピーク領域(質量分析計によって実際に 生成されたピークを表す)に対する修正は、シミュレートされた歪曲ピーク及び シミュレートされた非歪曲ピークを比較することによって設定可能である。この プロセスは、勿論、ピーク領域及び分布関数の範囲に対して、そしてもし必要で あれば、異なるピーク形状関数及び検出器不感時間に対して繰り返されなければ ならない。修正テーブルの生成は明らかに時間がかかるプロセスであるが、任意 の特定タイプの機器及び検出器に関して一度実行される必要あるだけである。 更に理解して頂けるように、本発明はガウスのピーク形状関数の使用に限定さ れずに、殆どの実務的目的に対して適合する。分析計特性に適合する任意の関数 が利用され得る。 更に、質量ピークの形状が分析計の質量範囲にわたって変化する正確な修正を 提供する為に、それぞれがそれ自体の修正テーブルを具備する異なるピーク形状 関数が使用可能であり、その適切なテーブルが観測された質量中心に従って修正 時間に選択される。 本発明の第2局面に従えば、請求項6で請求されたような改善された不感時間 修正を有する飛行時間分析計が提供される。 別の実施例において、本発明に従った分析計は前記観測されたピーク領域の内 の少なくとも1つを修正して、検出器不感時間の効果に対して修正された該ピー ク領域の値を獲得する計算手段を更に備え、前記修正が、前記分布関数及び前記 観測されたピーク領域の異なる値に対するピーク領域修正を追加的に含む前記所 定修正テーブルから獲得される。 実際的な分析計において、前記計算手段の各々は、1つ或はそれ以上のディジ タルコンピュータ・プログラムでランする1つ或はそれ以上のディジタルコンピ ュータを含み、前記所定修正テーブル内に含まれるデータが前記コンピュータの メモリ内に含まれている。 別の実施例において、先の観測されたピーク領域及び観測されたピーク質量中 心から成るコンピュータ読取り可能な形態で(例えばディスク上)のデータを保 存する手段や、その保存されたデータを任意の好都合時に読取って、それを本発 明に従って処理する手段を設けることができる。 更なる好適実施例において、イオン群を生成する手段は、エレクトロスプレー 或はAPCI(大気圧化学的イオン化)イオン・ソースの何れかを含み得て、ド リフト領域は反射飛行時間質量分析計を含み得る。更に好ましくは、飛行時間質 量分析計は直交加速タイプであることが可能である。 本発明の好適実施例は、例示的目的のみで且つ次の図面の簡単な説明で説明さ れる添付図面を参照して以下説明される。 図面の簡単な説明 図1は、飛行時間質量分析計の概略図である。 図2は、本発明の方法を示す歪曲されたシミュレート・データ・ピーク及び歪 曲されていないシミュレート・データ・ピークの表示である。 図3は、本発明の使用に適合する修正テーブルの構造を示す図である。 発明を実施するための最良の形態 図1において、全体的に符号1で示される飛行時間質量分析計は、イオン群を 生成する手段1乃至16、ドリフト領域18、並びに、イオン検出器19を備え る。イオンから成る連続的なビームは、対向電極20に対して高電位に維持され たエレクトロスプレー・ノズル2を備えるエレクトロスプレー・イオン・ソース によって生成される。エレクトロスプレー・ジェット3は、エレクトロスプレー ・ノズル2内に導入された試料のイオン特性を有して作り出される。イオンはジ ェット3から抽出(又は引出)軸線4に沿って抽出又は引き出され、入口オリフ ィス6を通って第1減圧チャンバー5に入る。減圧チャンバー5内に配置された 抽出電極7に印加された適切な電位は、イオンを連続イオン・ビームの形態で分 析計入口軸線12に沿って排出させて、入口オリフィス8及び静電集束レンズ9 を 介して第2減圧チャンバー10に入れさせる。このタイプのイオン・ソースは、 英国特許出願第2,308,227号により詳細に記載されている。 第2減圧チャンバー10に入ったイオンは、イオン伝達を最大化するRF六極 レンズ・アセンブリ11によってガイドされ、分析計入口軸線12に沿って移動 するイオンのエネルギー拡散を低減し得る。次いでこれらイオンはオリフィス1 3及び静電集光レンズ15を通過して、10-6トル或はそれ以下に圧力に維持さ れている分析計チャンバー14内に配置されたイオン・プッシャー又はイオン推 進器16内に入る。イオン推進器16内の電極にはパルス生成器17からパルス が給電されて、各イオン群が弾道17に沿ってドリフト領域18内へ繰り返し放 出される。ドリフト領域18は、弾道17に続いてイオンの移動方向を変えて、 それらをイオン検出器19内へ方向付ける静電イオン・ミラー22を備える反射 タイプ分析計として構成されている。周知の如くイオン・ミラーを使用すること で、分析計のサイズを低減すると共に質量解像度を改善するが、線形ドリフト領 域が所望に応じて使用可能である。イオン推進器16用に説明された構成は直交 加速飛行時間分析器を提供し、これが解像度を更に改善すると共に、飛行時間分 析用のイオン群を効率的に作り出す。しかしながら、直交構成は必須ではなく、 特に使用されるイオン・ソースが、例えばMALDI(マトリックス補助レーザ 脱着イオン化)ソース等の本来的に脈動されるものであれば、線形構成が採用可 能である。 イオン検出器19は単一イオンのそれに対する衝突に応じて電気信号を作り出 し、直列の2つのマイクロチャネル・プレートと、該プレートから解放された電 子が飛び込み得る収集電極とを備える。電荷検知弁別器23は、電子のバースト がイオン検出器19の収集電極に到達する度に電気信号を作り出す。この信号は クロック発生器24にイオン到着時間をコンピュータ25のメモリ内に記録させ る。クロック発生器24は、コンピュータ25からの「スタート」信号に応じて 、パルス生成器21にイオン推進器16を起動させも為し、こうしたことが為さ れる際、スタート時間がコンピュータ25のメモリ内に記録される。次いでドリ フト領域18を通るイオン通過時間は、イオン推進器16によって提供される各 イオン群内に含まれるイオンのイオン到着時間からスタート時間を引き算(減算 ) することによってコンピュータ24で計算される。 完全な質量スペクトルを取得するために、イオン群はイオン推進器16で繰り 返し作り出され、検出されたイオンの通過時間はコンピュータ25によって保存 される。こうして生成されたイオン群全てに対する複数の通過時間の各々を有す るイオンの数が決定されて、そうした複数の通過時間の各々を有するイオンの数 のヒストグラムとして表現され得る質量スペクトルが獲得されるようになる。次 いで各質量スペクトルは、従来の質量-分光分析ソフトウェア(例えば、Microma ss UK Ltd社から入手可能な「Mass Lynx(商標)」として知られる適切 なプログラム)を用いて処理されて、質量ピークに対応するスペクトルにおける データの一部を認識する。このソフトウェアは観測されたピーク領域と、これら ピーク各々の質量中心とを計算し、その後、オリジナルのヒストグラム・データ が廃棄され、観測されたピーク領域及び各ピークに対する質量中心を含むリスト として単に保存されたスペクトルとなる。このデータは以下に説明するような不 感時間(dead time)の効果に対する引き続く修正用にディスク上に保存され得る か、或はハードコピー形態としてさえ保存され得るか、或は直ちに処理され得る 。 実際上、イオン検出器から取得されたデータは検出器不感時間の効果によって 歪曲されることになる。上述したタイプの分析計において、イオン・カウント・ データは1ナノ秒間の解像度で取得され得る一方、典型的な検出器の不感時間は 5ナノ秒程度であり得る。こうして、イオン衝突に直に続く5ナノ秒期間は更な るイオン到着が何等登録されないことになる。不感時間は、主に、検出器自体を 作り上げているチャネル・プレートよりも電荷検知弁別器23によるものである ので、この不感時間は特性的に延長タイプ、即ち、該不感時間中、第1到着によ ってトリガーされた第2イオン到着はその不感時間を該第2到着から5ナノ秒ま で延長する等々である。これのピーク領域及び質量中心に対する効果は、そのピ ークの質量中心を低質量へ向けてバイアスすることであり、これは質量中心の低 質量側での最短通過時間を伴うイオンが高質量側でのものよりもカウントされる 可能性がより高いからであり、後者は低質量イオンの到着によって始動される不 感時間中に検出器に到着する可能性がより高い。観測されたピーク領域も低減さ れ、それは、ピーク内に実際上存するものよりもより少ないイオンがカウントさ れるからである。 質量中心のこの傾斜は、質量分析計が有機分析用に使用される現行の飛行時間 質量分析計に対して重要な関数であり、相対的に低い解像度(<5,000)で の正確な質量決定に対して使用される際に特に重要である。こうした効果は先行 技術内において論説されているが、その修正に対して提案された唯一の方法は、 ピーク内に含まれる各データ点により早期のデータ点の値に依存している計算さ れた修正を適用して、全ピーク・プロファイルを再構築することを含み、それに よってより正確な質量中心を計算させることを可能とするものである。現行の高 速コンピュータを用いたとしても、このプロセスはデータ取得速度或は多量の生 データの保存に関する妥協なくしては、適用されるには依然あまりも緩慢である 。以上の説明から判明されるように、本発明に従った分析計において、生データ は任意の不感時間修正が適用される前に各質量ピーク用に2つの形状(ピーク領 域及び質量中心)にまで減ぜられ、この問題を削除する。 本発明の方法は、質量ピークの一部重複がない場合、ゼロの不感時間検出器で の分析計によって作り出される質量ピークの形状は、好適実施例では単純なガウ ス関数である所定のピーク形状関数によって表現可能であるとの認識に依存して いる(図2参照)。飛行時間分析計の場合、 であり、ここでm/zはドリフト領域を通る通過時間tを有するイオンの質量対 電荷比であり、Aは較正定数である。本発明の目的に対して、任意の特定質量で のピーク幅(即ち、通過時間)の特性を示す分布関数を引き出すことが必要であ る。好ましくは、その分布関数は、以下に示されるように、ガウスのピークにお ける標準偏差(σ)として採用される。 真のガウス・ピークの場合、そして簡略化のためにz=1と仮定すれば、 ここで、Rは分析計の質量解像度であり(δM/M)、fwhmは半分の高さでの ピークの幅、即ちRが定義されるものに関する条件である(図2参照)。 ガウス・ピークに対しては、 である。 式(1)から明らかなことは、較正定数A及び質量解像度Rが機器に対して既 知であるので、分布関数が観測された質量中心から単に各質量ピーク毎に容易に 決定され得ることである。 ピーク形状関数は全ての質量ピークに対して同一であるので(即ち正規曲線)、 不感時間修正は適切な標準偏差を有するガウス・ピークを表すシミュレートされ たデータ、質量中心に対する修正の値、そして図3に示されるフォーマットを有 する修正テーブルに保存されたピーク領域を用いて、特定検出器不感時間の場合 に対して行われ得る。図3において、λ’は観測されたピーク領域、λは不感時 間効果に対して修正されたピーク領域、そして、CCORRは観測された質量中心に 適用されるべき修正をそれぞれ表す。修正テーブルからのCCORR及びλの値は、 観測されたピーク領域λ’及び計算された分布関数から獲得可能である(この場 合、標準偏差σ)。事実上、σは√Mに比例するので(式(1)から)、A及びR の値を図3におけるσ軸線に沿って該σに対する値に組み入れることが可能であ って、各修正テーブルが観測された質量中心の値と関連させられて、修正テーブ ルから修正を獲得する前に各ピーク毎にσを計算する必要性が回避され、A及び Rが共に一定であり且つ既知であることを提供する。 理解して頂けるように、ガウスのピーク形状関数の使用は殆どの実際上の場合 に対して適切であるが、異なるピーク形状関数を用い、実際のピーク形状を識別 するために異なる分布関数を引き出すことが可能である。修正テーブルは、勿論 、同一のピーク形状関数を用いて構築されなければならない。また、観測された 質量中心に従って選択された異なるピーク形状関数及びそれらに関連された修訂 テ ーブルが、もしピークの形態が分析計の質量範囲にわたって著しく変化すれば使 用され得ることも予想している。 先に説明されたように、本発明での使用に適合する修正テーブルは、適切な分 布関数及びピーク領域と共に所望ピーク形状関数のピークを表すシミュレートさ れたデータの集合から生成され得る。例えば、図2に示された歪曲されていない ガウス・ピーク27の場合、そのピークは先ず多数の時間間隔26に分割され( 便宜上、図1におけるクロック・パルス生成器24のクロック・パルスに対応す る)、各データ点が所与の検出器不感時間の存在下において有すると予測される 値の見積もりが為される。このようにして、シミュレートされた歪曲されたピー ク28(図2)が構築され得て、CCORR及びλの値(観測されたピーク領域λ’ に対応している修正済みピーク領域)が歪曲されていないピーク27を歪曲され たピーク28と比較することによって獲得され得る。次いでこれらの値は修正テ ーブル内に保存される。このプロセスは各種ピーク領域から成る予想される範囲 全体にわたってのシミュレートされたピークに対して繰り返されて、所与の分布 関数のピークに関連するデータの「ページ」が生成される(図3参照)。他の分布 関数を有するピークに対するページは全プロセスを繰り返すことによって生成さ れる。 完了された際、修正テーブルはディスク上或はEPROM等の読取り専用メモ リ内にコンピュータ読取り可能形態で保存され、そのコピーは次いでシミュレー ションが実行されたタイプの任意の分析計で用いられる為に提供され得る。 様々な方法が使用され得て、所与の検出器不感時間の存在下においてシミュレ ートされたイオン・カウントを見積もる。データは、Esposito等によって教示さ れるように(同書中)、検出器システムの振る舞いを真似る電子シミュレータを用 いて実験的に生成され得る。より好適には、Coatcs(Rcv.Sci.Instrum.、199 2年、第63(3)冊、第2084頁以降)によって同書に教示された修正アル ゴリズムをテストする手段として提案されるように、数値法が利用可能である。 特に、イオン到着のポアソン分布が想定可能であり、モンテカルロ・シミュレー ションがシミュレートされた歪曲されたピーク上の各点でのイオン・カウントを 見積もるべく使用される。こうして、σ及びλ’の所与値に対してのλ及びCCO RR を計算する好適数値法は以下の通りである。 第1として、所望ピーク形状関数(典型的にはガウス・ピーク)を有するシミ ュレートされたピークは、ピークを横切るようなN個の時間スライスの各々に対 して予測されるイオン到着速度を、次式を用いて計算することによって構築され 、 次いでこのデータは正規化されて、それがピークにおいて1イオン到着を表す ものであり、即ち、その結果が、 であり、そしてλ’で倍加されて、選択された分布関数σ及び観測された領域λ ’に対するピークを表すピーク形状関数を獲得する。次いで、このピークの質量 中心が式: が用いられて見出される。2つの修正アキュウムレータ(累算器)sum0及び sum1の値は0と同等に設定され、以下のモンテカルロ法(・シミュレーショ ン)が用いられて、分布関数σ及び観測された領域λ’を有するピークに対する それらの値を計算する。このシミュレーションに用いられるシンボルは以下の意 味を有する: f=イオンが未だ到着していない可能性; a=イオンの所与の時間スライス内での到着の可能性; told=最後のイオンが到着した時間; 不感時間=検出器システムの既知の不感時間。 モンテカルロ・シミュレーションの各繰り返しに対して、f、a、並びにtol d が以下のように初期的に設定される: f=1(即ち、イオンが全く到着しない) a=0>(無作為に生成された数)<1 told=−2×不感時間(検出器がスタート時に存続していることを確保する た め)=第1繰り返し後のt(以下を参照のこと)。 速度アレイにおけるtの各値に対して、次いでfが式: fnext=flast×(1−rate[t]) に従って再度計算される。 この式は、イオンが到着していない可能性がtの増大と共に減少するという事 実を直感的に反映している。 こうして計算されたfの各値はaと比較され、もし条件: (a)f<a (b)t>told+不感時間 が双方ともに満たされたならなば、イオン到着が生じて、検出されたと仮定され て、sum0が1だけ増分され、sum1が式: sum1=sum1(last)+t−c から計算され、ここでcは以上のように計算された選択ピークの質量中心である 。 次いで、f、a、並びにtoldは、1、別の無作為数、並びにtにそれぞれ設 定される。 各繰り返しは、速度[t]アレイのアレイにおける各tに対して上述の計算の 実行、即ち、Nセット(典型的には2000)の計算を含む。統計的に重要なモ デルを構築するために、各繰り返し後のsum0及びsum1の値の変更が、利用 可能な計算が許容される回数と同じ回数だけ繰り返される(典型的には5と10 ×106回数の間)。このプロセスが完了すると、λ’及びσの選択値に対するλ 及びCCORRの値が式: λ=sum0/(繰り返し回数) 及び CCORR=sum1/sum0 から獲得される。 200MHzのペンティアム・プロセッサを具備するデスクトップPCを用い ると、全プロセスに約1時間費やす。 本発明に従った典型的なTOF(飛行時間)質量分析計の場合、λ’の約15個 の値とσの15個の値とが必要とされる(完全なモンテカルロ・シミュレーショ ンにおいて合計225個)。それ故に、225個の値の必要な検索テーブルを計 算するために10日間(225時間)を費やす可能性がある。しかしながら、本 発明の方法を用いることによって、この必要性は所与の検出器システムに対して 一度実行されるだけであり、そうして計算された検索テーブルの引き続く使用は 、統計的に厳格であり且つ正確な不感時間修正が飛行時間質量分析データに適用 されることを可能とすると共に、高質量対電荷比イオンのイオン質量測定の正確 性が実質的に改善されることを可能としている。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. ドリフト領域と、該ドリフト領域(18)の出口に配置されて単一イ オンの衝突に応じて電気信号を作り出すイオン検出器(19)とを有する飛行時 間質量分析計(1)を用いて、取得された質量-スペクトルのデータを修正する 方法であって、 試料からイオン群を生成する段階と、 前記イオン群を前記ドリフト領域(18)内へ入れる段階と、 前記イオン群の内の少なくとも一部における少なくとも1つのイオンの前記イ オン検出器(19)に対する衝突に応じて、電気信号を作り出す段階と、 前記イオン検出器(19)に対して衝突した前記イオンの内の少なくとも一部 の前記ドリフト領域(18)を通過する通過時間を決定する段階と、 複数の異なる通過時間の何れかをそれぞれが有するイオンの数をカウントする 段階と、 前記ドリフト領域を通過する通過時間と、複数の異なる通過時間の何れかをそ れぞれが有するイオンの数とから成るデータを処理して、特定の通過時間を有す るイオンの数を表すデータを含む少なくとも1つの観測された質量スペクトルを 作り出す段階と、 前記観測された質量スペクトル内において質量ピークに対応する前記データの 一部を認識する段階と、 前記データの一部における少なくとも1つから、観測されたピーク領域及び観 測された質量中心を決定する段階と、 前記飛行時間質量分析計(1)に独特であり且つ前記観測された質量中心に従 って選択された所定ピーク形状関数を用いて、前記観測された質量中心から、前 記質量ピークの形状を示す分布関数を決定する段階と、 前記観測された質量中心に修正を適用して、検出器不感時間の効果に対して修 正された前記質量中心の値を獲得する段階であり、前記修正が、前記分布関数及 び前記観測されたピーク領域の異なる値に対して前記修正の値を付与する所定修 正テーブルから獲得されており、前記所定テーブルが、前記分布関数及びピーク 領域の適切な範囲に対する前記ピーク形状関数を有する複数のシミュレートされ た質量ピークの各々に対する前記検出器不感時間の効果を予期することによって 獲得されていることから成る段階と、 の諸段階を含む質量-スペクトルのデータを修正する方法。 2. 前記観測されたピーク領域に修正を適用して、検出器不感時間の効果 に対して修正された該ピーク領域の値を獲得する段階を更に含み、前記修正が、 前記分布関数及び前記観測されたピーク領域の異なる値に対するピーク領域修正 を更に含む前記所定修正テーブルから獲得されている、請求項1に記載の質量- スペクトルのデータを修正する方法。 3. 前記所定ピーク形状関数がガウス関数である、請求項1或は2の何れ か一項に記載の質量-スペクトルのデータを修正する方法。 4. 前記分布関数が前記ガウス関数の標準偏差である、請求項3に記載の 質量-スペクトルのデータを修正する方法。 5. 前記修正が、質量対電荷比に対する質量ピークの形態で保存された先 行して取得された質量スペクトルのデータに適用される、先行する任意の請求項 の何れか一項に記載の質量-スペクトルのデータを修正する方法。 6. 飛行時間質量分析計(1)であって、 試料からイオン群を生成する手段(1乃至16)と、 ドリフト領域(16)と、 単一のイオンの衝突に応じて電気信号を作り出すイオン検出器(19)と、 以上のようにして生成された、前記イオン検出器(19)に衝突するイオンに おける少なくとも一部の前記ドリフト領域(16)を通過する通過時間を決定す る手段と、 複数の通過時間の何れかをそれぞれが有するイオンの数をカウントする手段と 、 複数の通過時間の何れかをそれぞれが有するイオンの数から成るデータにおい て、質量ピークに対応する該データの一部を認識し、該データの一部の内の少な くとも1つから、観測されたピーク領域及び観測されたピーク質量中心を決定す る計算手段と、 を備えると共に、 前記質量中心に従って選択された前記分析計(1)に特有の所定ピーク形状関 数を用いて、前記観測された質量中心から分布関数を決定する計算手段と、 前記観測された質量中心に修正を適用して、検出器不感時間の効果に対して修 正された前記質量中心の値を獲得する計算手段であり、前記修正が、前記分布関 数及び前記観測されたピーク領域の異なる値に対する前記修正の値を付与する所 定修正テーブルから獲得されており、前記所定修正テーブルが、前記分布関数及 びピーク領域の適切な範囲に対する前記ピーク形状関数を有する複数のシミュレ ートされた質量ピークの各々に対する前記検出器不感時間の効果を予期すること によって獲得されることから成る計算手段と、 を更に備える飛行時間質量分析計。 7. 前記観測されたピーク領域の内の少なくとも1つを修正して、検出器 不感時間の効果に対して修正された前記ピーク領域の値を獲得する計算手段であ り、前記修正が、前記分布関数及び前記観測されたピーク領域の異なる値に対す るピーク領域修正を更に含む前記所定修正テーブルから獲得されていることから 成る計算手段を更に含む、請求項6に記載の飛行時間質量分析計。 8. イオン群を生成する前記手段(1乃至16)が、エレクトロスプレー 或は大気圧化学イオン化イオン・ソースの何れか一方を含む、請求項6或は7の 何れか一項に記載の飛行時間質量分析計。 9. 前記ドリフト領域(16)が反射飛行時間質量分析器を含む、請求項 7、8、或は9の何れか一項に記載の飛行時間質量分析計。 10. 前記飛行時間質量分析計が直交加速タイプである、請求項6乃至9の 内の何れか一項に記載の飛行時間質量分析計。 11. 前記修正テーブル内に保存された前記質量中心に対する修正が、 (a)N個の時間スライスに分割されたシミュレートされたガウス・ピークに 対する前記分布関数σ及び前記観測されたピーク領域λ’の選択値の場合、時間 (t)のN個の値に対するイオン到着速度から成るアレイを、として、次式: に従って構築する段階と、 (b)前記rate[t]アレイにおける値を正規化して、 を得て、λ’でそれら値を倍加する段階と、 (c)以上のようにして画成された前記シミュレートされたピークの質量中心 を次式: を用いて計算する段階と、 (d)変数sum0及びsum1をゼロと同等に設定する段階と、 (e)変数toldの値を次式: told=-2×不感時間 に従って設定する段階と、 (f)変数f及びaの値を1及び無作為に生成された0と1の間の数にそれぞ れ設定する段階と、 (g)前記rate[t]アレイにおけるtの各値に対して、fの新値を次式: fnext=flast×(1−rate[t]) に従って計算し、 もしf<a且つt>told+(検出器不感時間)であれば、変数sum0を1だけ 増分して、次式: sum1=sum1(last)+t−c を用いて、変数sum1を計算する段階と、 (h)前記段階(d)乃至(g)を多数回繰り返す段階と、 (i)前記質量中心に対する修正計数CCORRを次式: CCORR=sum1/sum0 を用いて計算する段階と、 (j)前記段階(a)乃至(i)をσの異なる値或はλ’の異なる値を用いて 繰り返して、前記飛行時間質量分析計によって作り出されるそれらの典型的なピ ークに対するCCORRの値を獲得する段階と、 の諸段階によって予め計算されている、請求項1に記載の方法。 12. 前記段階(i)において、λ’の修正値が次式: λ=sum0/N を用いて追加的に計算される、請求項11に記載の方法。 13. 前記修正テーブルに保存された少なくとも前記質量中心に対する修正 が、 所望のピーク形状関数、質量中心、並びに分布関数を有する歪曲されていない ピークを表すデータ点から、前記歪曲されていないピークを作り上げている各デ ータ点に対する所与の検出器不感時間の効果を順次考慮することによって、シミ ュレートされた歪曲されたデータの集合を生成する段階と、 前記シミュレートされた歪曲されたデータを前記歪曲されていないピークを表 す前記データ点と比較する段階と、 の諸段階によって予め計算されている、請求項1に記載の方法。
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