JP3430250B2 - 飛行時間質量分析計における質量誤差を修正する方法及び装置 - Google Patents

飛行時間質量分析計における質量誤差を修正する方法及び装置

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 この発明は、飛行時間質量分析計によって決定された
イオンの測定された質量対電荷比における誤差、特にイ
オン計数検出器の不感時間による誤差を修正する方法及
び装置に関する。
背景技術 飛行時間質量分析計において、それが複数イオンから
成る各種イオン群が本質的には同一の運動エネルギーを
伴って電磁場がないドリフト領域に入るように為され
る。このドリフト領域内において、各イオン群における
異なる質量対電荷比のイオンは異なる速度で移動し、そ
れ故に異なる時間にそのドリフト領域の出口に配置され
たイオン検出器に到着する。よって、イオン通過時間の
測定は、そのイオンの質量対電荷比を決定する。
現行、飛行時間質量分析計に殆ど共通して利用されて
いるイオン検出器は単一のイオン計数検出器であり、そ
れがイオンのその検出面に対する衝突に応じて電気パル
ス信号を作り出している。実際上、そうした検出器は1
つ或はそれ以上のチャネルプレート電気増倍器を備え、
それがイオン衝突に応じて電子群を作り出している。こ
れら電子は、電荷検知弁別器に接続されている1つ或は
それ以上の収集電極に収集される。この弁別器はその収
集電極に到着している電子に応じて電気信号を生成す
る。弁別器によって作り出された信号は、典型的にはイ
オン群がドリフト領域に入ると始動する多重停止式の時
間対ディジタル変換器によって検出器を衝突したイオン
の通過時間を決定すべく使用される。
完全な質量スペクトルを獲得するために、イオン群は
それぞれ試料から繰り返して生成され、検出されたイオ
ンの(時間対ディジタル変換器によって決定されるよう
な)通過時間は、質量対電荷比に対するイオン到着数の
ヒストグラムを作り出すべく使用される。典型的には、
約1,000個のイオン群が分析され得て、数マクロ秒の合
計期間中に完全なスペクトルを獲得する。それ故に、こ
の形態の飛行時間質量分析計の主な長所は、ドリフト領
域に入るイオン毎が、分析計に入るイオンのほんの僅か
な比率だけが任意時に検出可能である走査質量分析計と
は対照的に、理論的に検出されることである。しかしな
がら、この理論的長所は、実際上、イオン群が非常に迅
速に作り出され得る場合に実現されるだけであり、さも
なければ、完全な質量スペクトルは獲得の為に走査質量
分析計よりもより長い時間を費やし得る。
一部には、この理由のために、そして飛行時間質量分
析計の先行タイプでの制限された質量解像度のために、
飛行時間質量分析計は、非常に大きな質量対電荷比のイ
オン分析のそれらの能力にもかかわらず、最近までは有
機質量分析計において広範囲には使用されなかった。し
かしながら、非常に迅速に作り出される多量のデータを
処理できる高速且つ安価であるディジタルコンピュータ
の有効性や、直交加速飛行時間質量分析計等の解像度を
改善する技術の開発等は、高質量の有機分子に対する分
析計候補となる飛行時間質量分析計となる。
以上説明されたように、有機適用方面での飛行時間分
析計から最大限の長所を獲得するために、イオン検出器
は非常の高速な動作ができなければならない。典型的に
は、イオン到達時間は1ナノ秒間毎に記録されるが、実
際上、全ての検出器はイオン衝突に付随する特定の不感
時間(dead−time)を示し、その間、検出器は他のイオ
ン衝突に応答できない。典型的な検出器不感時間は5ナ
ノ秒程度であり得て、典型的なスペクトルの取得中、イ
オンは検出器不感時間中に到着して、それが結果的には
検出し損なわれる可能性が大いにある。以下に議論する
ように、イオンの検出し損ないは結果的な質量スペクト
ルに歪曲効果を与え、それはイオンが検出器に到着する
速度を低減することか、或は不感時間修正を適用するこ
とによってだけ回避できる。特に有機質量分析術の場
合、イオン到着速度を低減することは以上に説明した理
由によって了承できないので、不感時間修正の効果的且
つ実際的な方法が非常に重要となってきている。
単一粒子検出器或はカウンタに対する不感時間の修正
は、最初に、SchiffのPhys.Rev.(1936年、第50冊、第8
8−96頁)によって対処された。Schiffが仮定したこと
は、所与の期間に検出器に到着した粒子数はポアソンの
法則によって支配され、ひとたびカウンタの不感時間が
決定されたならば観測されたカウント速度を修正させた
分析表現を引き出すことである。それ以降、様々な異な
る検出器及び実験条件に対する不感時間修正の為の表現
を与える数多くの出版物が出てきた。Coates(in J.Phy
s.E.、1968年、第1冊、第878頁以降、J.Phys.E.、第5
冊、第150頁以降、並びに、Rev.Sci.Instrum.、1972
年、第43冊、第791頁以降)、Donohue、並びに、Stern
は、Rev.Sci.Instrum.、1972年、第43冊、第1855以降に
おいて、延長可能な不感時間を有する検出器の時間分布
を再構築する問題の分析的解決策を記載している(即
ち、他の粒子のより早期の到着によって既にトリガーさ
れた不感時間中の第2粒子の到着が、その不感時間を延
長させる検出器)。
Espositoなどは、Rev.Sci.Instrum.、1991年、第62
(11)冊、第2822頁以降において、この分析を拡張し
て、2つ以上の粒子が任意の1回の測定サイクルで検出
されることが期待される状況や、延長不可能な不感時間
を有する検出器でのより複雑な場合に対する状況を含ん
でいる。Coatesは、Rev.Sci.Instrum.、1992年、第63
(3)冊、第2084頁以降において、殆どの実践的な場合
で、種々の修正がより簡単な公式を用いて達成可能であ
り、反復的な手続きを用いて、不感時間歪曲に対して修
正された、シミュレートされた飛行時間質量スペクトル
を一例として与える。Stephan、Zehnpfenning、並び
に、Benninghovenは、J.Vac.Sci.Technol.A.、1994年、
第12(2)冊、第405頁以降において、Esposite等及びC
oates等によって先に提案されたものと同様の手続きを
用いて、検出器不感時間効果に対する飛行時間質量スペ
クトルの修正を特に議論している。
これら先行する方法を完全な飛行時間質量スペクトル
を表すデータに適用する為に、イオン群は試料から繰り
返し生成されて、ドリフト領域に入らされる。イオン通
過時間が決定され、時間チャネルに割り当てられて、全
てのイオン群が生成された後、各時間チャネルはその特
定通過時間を有するイオンの数と同等のカウントを有す
る。次いで各時間チャネル内のカウントの値は、先に議
論された先行する出版物からの適切な式を用いて修正さ
れる。理解して頂けるように、各チャネル内のカウント
に適用された修正がより早期のチャネル内の少なくとも
一部内に含まれるカウントに依存して、全スペクトルを
修正するために、修正式をチャネル毎に順次適用するこ
とが必要となる。これが要求することは、生データが保
存されて、スペクトル情報が処理され得て次のスペクト
ルの取得が始まることができる前に、修正を実行可能と
することである。修正計算は著しい計算時間を必要とし
ているので、修正処理はスペクトルが取得及び処理され
得る速度を制限することとなり、それは先に説明された
ように有機質量分析術に対する飛行時間分析の有用性を
重々しく制限し得る。次のスペクトルの取得を始める点
でのこの遅延が回避できる唯一の方法は、全ての生デー
タを引き続く処理のために高速メモリに保存することに
よることであり、それは同等に魅力のないオプションで
ある。
発明の開示 それ故に、本発明の目的とすることは、取得されたデ
ータを取得に続いて時を移さず保存すること或は処理す
ることの何れの必要性もなしに、検出器不感時間による
飛行時間質量スペクトルの歪曲又は歪みを修正する方法
の提供である。本発明の別の目的は、検出器不感時間か
らしばしば生ずる飛行時間質量スペクトルの質量較正
や、データが処理されたならば適用可能な方法における
誤差を修正する方法を提供することである。
本発明の第1局面に従えば、請求項1に記載の質量ス
ペクトル・データを修正する方法が提供される。
好適実施例において、本発明に従った方法は前記観測
されたピーク領域に修正を適用することを更に含んで、
検出器不感時間の効果に対して修正された該ピーク領域
の値を獲得するものであり、その修正が、前記分布関数
及び前記観測されたピーク領域の異なる値に対するピー
ク領域修正を追加的に含む前記所定修正テーブルから獲
得される。
更に好適には、使用される所定ピーク形状関数は、検
出器不感時間がゼロであれば飛行時間質量分析計によっ
て作り出される質量ピークの特性形状を表すガウス関数
である。
しかしながら、他のピーク形状関数が使用可能であ
る。
実際的な分析計において、ピーク形状は異なる質量毎
に異なる可能性があって、より広範な局面において、本
発明は観測された質量の質量中心に従って選択された異
なるピーク形状関数を用いることを含むことができる。
更なる好適実施例において、飛行時間データは、不感
時間修正なしに、取得され得て処理され得て、イオン・
カウント対通過時間(即ち、質量対電荷比に対するイオ
ン強度)の形態の質量−スペクトルのデータをもたら
す。従来の質量−スペクトルのデータ処理アルゴリズム
を用いて、このデータは更に処理され得て、質量ピーク
を認識し且つ観測された質量中心と対象とするピークの
ピーク領域とを決定する。本発明に従えば、不感時間修
正はこれら2つの数のみ適用されて、ピークを表す生デ
ータはそれら獲得されたならば廃棄可能である。次いで
分布関数は、所定ピーク形状関数を用いて、修正される
べき質量ピークに対して計算される。
ガウスのピーク形状関数の場合、分布関数は好都合に
も標準偏差であり得て、それは簡単な表現によって以下
に説明されるようにその特定質量での役に立つ解決策と
関連される。次いで観察された質量中心(そして任意に
は観測されたピーク領域)に対する修正は、計算された
分布関数及び観測された質量中心に対する所定修正テー
ブルから獲得される。
また更なる好適実施例において、修正テーブルは
「頁」の集合を含み、それは即ち、分布関数の複数の値
の各々に対して1つというような2次元テーブルであ
り、各頁は観測されたピーク領域の特定値に対する観測
された質量中心に適用されるべき修正の値を付与する。
任意には、各頁は質量中心に対する修正に並んで保存
された観測ピーク領域に対する修正をも付与する。
理解して頂けるように、本発明の方法を用いることに
よって、大量のデータを保存する必要性なしに或は時間
消費を為す不感時間修正をリアルタイムで適用する必要
性なしに、不感時間修正は対象となる質量ピークに適用
可能である。好都合にも、修正テーブルは、データが取
得されている間にディジタル・メモリ内に保存され得る
が、質量対電荷比に対する質量ピーク強度の形態のみで
保存された先行して取得された質量スペクトル・データ
に不感時間修正を適用することも、本発明の範囲内であ
る。この点、本発明の方法は保存された生データを必要
とする不感時間修正の先行方法を凌ぐ重要な前進を示し
ている。
修正テーブルに含まれる修正は、分布関数及びピーク
領域の値から成る各範囲に対しての、特定されたピーク
形状関数を有する複数のシミュレートされた質量ピーク
に対する検出器不感時間の効果を予測することによって
決定され得る。よって修正は、非歪曲ピークを作り上げ
る各データ点に対する所与の検出器不感時間の効果を順
に考慮することによって、所望ピーク形状関数、質量中
心、並びに、分布関数を有する非歪曲ピークを表してい
るデータ点から、一組のシミュレートされた歪曲データ
を先ず生成することによって生成され得、それによっ
て、検出器不感時間の各種効果で歪曲されたシミュレー
トされたピークを構成する。次いで、質量中心及び歪曲
されたピークのピーク領域(質量分析計によって実際に
生成されたピークを表す)に対する修正は、シミュレー
トされた歪曲ピーク及びシミュレートされた非歪曲ピー
クを比較することによって設定可能である。このプロセ
スは、勿論、ピーク領域及び分布関数の範囲に対して、
そしてもし必要であれば、異なるピーク形状関数及び検
出器不感時間に対して繰り返されなければならない。修
正テーブルの生成は明らかに時間がかかるプロセスであ
るが、任意の特定タイプの機器及び検出器に関して一度
実行される必要あるだけである。
更に理解して頂けるように、本発明はガウスのピーク
形状関数の使用に限定されずに、殆どの実務的目的に対
して適合する。分析計特性に適合する任意の関数が利用
され得る。
更に、質量ピークの形状が分析計の質量範囲にわたっ
て変化する正確な修正を提供する為に、それぞれがそれ
自体の修正テーブルを具備する異なるピーク形状関数が
使用可能であり、その適切なテーブルが観測された質量
中心に従って修正時間に選択される。
本発明の第2局面に従えば、請求項6で請求されたよ
うな改善された不感時間修正を有する飛行時間分析計が
提供される。
別の実施例において、本発明に従った分析計は前記観
測されたピーク領域の内の少なくとも1つを修正して、
検出器不感時間の効果に対して修正された該ピーク領域
の値を獲得する計算手段を更に備え、前記修正が、前記
分布関数及び前記観測されたピーク領域の異なる値に対
するピーク領域修正を追加的に含む前記所定修正テーブ
ルから獲得される。
実際的な分析計において、前記計算手段の各々は、1
つ或はそれ以上のディジタルコンピュータ・プログラム
でランする1つ或はそれ以上のディジタルコンピュータ
を含み、前記所定修正テーブル内に含まれるデータが前
記コンピュータのメモリ内に含まれている。
別の実施例において、先の観測されたピーク領域及び
観測されたピーク質量中心から成るコンピュータ読取り
可能な形態で(例えばディスク上)のデータを保存する
手段や、その保存されたデータを任意の好都合時に読取
って、それを本発明に従って処理する手段を設けること
ができる。
更なる好適実施例において、イオン群を生成する手段
は、エレクトロスプレー或はAPCI(大気圧化学的イオン
化)イオン・ソースの何れかを含み得て、ドリフト領域
は反射飛行時間質量分析計を含み得る。更に好ましく
は、飛行時間質量分析計は直交加速タイプであることが
可能である。
本発明の好適実施例は、例示的目的のみで且つ次の図
面の簡単な説明で説明される添付図面を参照して以下説
明される。
図面の簡単な説明 図1は、飛行時間質量分析計の概略図である。
図2は、本発明の方法を示す歪曲されたシミュレート
・データ・ピーク及び歪曲されていないシミュレート・
データ・ピークの表示である。
図3は、本発明の使用に適合する修正テーブルの構造
を示す図である。
発明を実施するための最良の形態 図1において、全体的に符号1で示される飛行時間質
量分析計は、イオン群を生成する手段1乃至16、ドリフ
ト領域18、並びに、イオン検出器19を備える。イオンか
ら成る連続的なビームは、対向電極20に対して高電位に
維持されたエレクトロスプレー・ノズル2を備えるエレ
クトロスプレー・イオン・ソースによって生成される。
エレクトロスプレー・ジェット3は、エレクトロスプレ
ー・ノズル2内に導入された試料のイオン特性を有して
作り出される。イオンはジェット3から抽出(又は引
出)軸線4に沿って抽出又は引き出され、入口オリフィ
ス6を通って第1減圧チャンバー5に入る。減圧チャン
バー5内に配置された抽出電極7に印加された適切な電
位は、イオンを連続イオン・ビームの形態で分析計入口
軸線12に沿って排出させて、入口オリフィス8及び静電
集束レンズ9を介して第2減圧チャンバー10に入れさせ
る。このタイプのイオン・ソースは、英国特許出願第2,
308,227号により詳細に記載されている。
第2減圧チャンバー10に入ったイオンは、イオン伝達
を最大化するRF六極レンズ・アセンブリ11によってガイ
ドされ、分析計入口軸線12に沿って移動するイオンのエ
ネルギー拡散を低減し得る。次いでこれらイオンはオリ
フィス13及び静電集光レンズ15を通過して、10-6トル或
はそれ以下に圧力に維持されている分析計チャンバー14
内に配置されたイオン・プッシャー又はイオン推進器16
内に入る。イオン推進器16内の電極にはパルス生成器17
からパルスが給電されて、各イオン群が弾道17に沿って
ドリフト領域18内へ繰り返し放出される。ドリフト領域
18は、弾道17に続いてイオンの移動方向を変えて、それ
らをイオン検出器19内へ方向付ける静電イオン・ミラー
22を備える反射タイプ分析計として構成されている。周
知の如くイオン・ミラーを使用することで、分析計のサ
イズを低減すると共に質量解像度を改善するが、線形ド
リフト領域が所望に応じて使用可能である。イオン推進
器16用に説明された構成は直交加速飛行時間分析器を提
供し、これが解像度を更に改善すると共に、飛行時間分
析用のイオン群を効率的に作り出す。しかしながら、直
交構成は必須ではなく、特に使用されるイオン・ソース
が、例えばMALDI(マトリックス補助レーザ脱着イオン
化)ソース等の本来的に脈動されるものであれば、線形
構成が採用可能である。
イオン検出器19は単一イオンのそれに対する衝突に応
じて電気信号を作り出し、直列の2つのマイクロチャネ
ル・プレートと、該プレートから解放された電子が飛び
込み得る収集電極とを備える。電荷検知弁別器23は、電
子のバーストがイオン検出器19の収集電極に到達する度
に電気信号を作り出す。この信号はクロック発生器24に
イオン到着時間をコンピュータ25のメモリ内に記録させ
る。クロック発生器24は、コンピュータ25からの「スタ
ート」信号に応じて、パルス生成器21にイオン推進器16
を起動させも為し、こうしたことが為される際、スター
ト時間がコンピュータ25のメモリ内に記録される。次い
でドリフト領域18を通るイオン通過時間は、イオン推進
器16によって提供される各イオン群内に含まれるイオン
のイオン到着時間からスタート時間を引き算(減算)す
ることによってコンピュータ24で計算される。
完全な質量スペクトルを取得するために、イオン群は
イオン推進器16で繰り返し作り出され、検出されたイオ
ンの通過時間はコンピュータ25によって保存される。こ
うして生成されたイオン群全てに対する複数の通過時間
の各々を有するイオンの数が決定されて、そうした複数
の通過時間の各々を有するイオンの数のヒストグラムと
して表現され得る質量スペクトルが獲得されるようにな
る。次いで各質量スペクトルは、従来の質量−分光分析
ソフトウェア(例えば、Micromass UK Ltd社から入手可
能な「Mass Lynx(商標)」として知られる適切なプロ
グラム)を用いて処理されて、質量ピークに対応するス
ペクトルにおけるデータの一部を認識する。このソフト
ウェアは観測されたピーク領域と、これらピーク各々の
質量中心とを計算し、その後、オリジナルのヒストグラ
ム・データが廃棄され、観測されたピーク領域及び各ピ
ークに対する質量中心を含むリストとして単に保存され
たスペクトルとなる。このデータは以下に説明するよう
な不感時間(dead time)の効果に対する引き続く修正
用にディスク上に保存され得るか、或はハードコピー形
態としてさえ保存され得るか、或は直ちに処理され得
る。
実際上、イオン検出器から取得されたデータは検出器
不感時間の効果によって歪曲されることになる。上述し
たタイプの分析器において、イオン・カウント・データ
は1ナノ秒間の解像度で取得され得る一方、典型的な検
出器の不感時間は5ナノ秒程度であり得る。こうして、
イオン衝突に直に続く5ナノ秒期間は更なるイオン到着
が何等登録されないことになる。不感時間は、主に、検
出器自体を作り上げているチャネル・プレートよりも電
荷検知弁別器23によるものであるので、この不感時間は
特性的に延長タイプ、即ち、該不感時間中、第1到着に
よってトリガーされた第2イオン到着はその不感時間を
該第2到着から5ナノ秒まで延長する等々である。これ
のピーク領域及び質量中心に対する効果は、そのピーク
の質量中心を低質量へ向けてバイアスすることであり、
これは質量中心の低質量側での最短通過時間を伴うイオ
ンが高質量側でのものよりもカウントされる可能性がよ
り高いからであり、後者は低質量イオンの到着によって
始動される不感時間中に検出器に到着する可能性がより
高い。観測されたピーク領域も低減され、それは、ピー
ク内に実際上存するものよりもより少ないイオンがカウ
ントされるからである。
質量中心のこの傾斜は、質量分析計が有機分析用に使
用される現行の飛行時間質量分析計に対して重要な関数
であり、相対的に低い解像度(<5,000)での正確な質
量決定に対して使用される際に特に重要である。こうし
た効果は先行技術内において論説されているが、その修
正に対して提案された唯一の方法は、ピーク内に含まれ
る各データ点により早期のデータ点の値に依存している
計算された修正を適用して、全ピーク・プロファイルを
再構築することを含み、それによってより正確な質量中
心を計算させることを可能とするものである。現行の高
速コンピュータを用いたとしても、このプロセスはデー
タ取得速度或は多量の生データの保存に関する妥協なく
しては、適用されるには依然あまりも緩慢である。以上
の説明から判明されるように、本発明に従った分析計に
おいて、生データは任意の不感時間修正が適用される前
に各質量ピーク用に2つの形状(ピーク領域及び質量中
心)にまで減ぜられ、この問題を削除する。
本発明の方法は、質量ピークの一部重複がない場合、
ゼロの不感時間検出器での分析計によって作り出される
質量ピークの形状は、好適実施例では単純なガウス関数
である所定のピーク形状関数によって表現可能であると
の認識に依存している(図2参照)。飛行時間分析計の
場合、 であり、ここでm/zはドリフト領域を通る通過時間tを
有するイオンの質量対電荷比であり、Aは較正定数であ
る。本発明の目的に対して、任意の特定質量でのピーク
幅(即ち、通過時間)の特性を示す分布関数を引き出す
ことが必要である。好ましくは、その分布関数は、以下
に示されるように、ガウスのピークにおける標準偏差
(σ)として採用される。
真のガウス・ピークの場合、そして簡略化のためにz
=1と仮定すれば、 ここで、Rは分析計の質量解像度であり(δM/M)、fwh
mは半分の高さでのピークの幅、即ちRが定義されるも
のに関する条件である(図2参照)。
ガウス・ピークに対しては、 である。
式(1)から明らかなことは、較正定数A及び質量解
像度Rが機器に対して既知であるので、分布関数が観測
された質量中心から単に各質量ピーク毎に容易に決定さ
れ得ることである。
ピーク形状関数は全ての質量ピークに対して同一であ
るので(即ち正規曲線)、不感時間修正は適切な標準偏
差を有するガウス・ピークを表すシミュレートされたデ
ータ、質量中心に対する修正の値、そして図3に示され
るフォーマットを有する修正テーブルに保存されたピー
ク領域を用いて、特定検出器不感時間の場合に対して行
われ得る。図3において、λ’は観測されたピーク領
域、λは不感時間効果に対して修正されたピーク領域、
そして、CCORRは観測された質量中心に適用されるべき
修正をそれぞれ表す。修正テーブルからのCCORR及びλ
の値は、観測されたピーク領域λ’及び計算された分布
関数から獲得可能である(この場合、標準偏差σ)。事
実上、σは に比例するので(式(1)から)、A及びRの値を図3
におけるσ軸線に沿って該σに対する値に組み入れるこ
とが可能であって、各修正テーブルが観測された質量中
心の値と関連させられて、修正テーブルから修正を獲得
する前に各ピーク毎にσを計算する必要性が回避され、
A及びRが共に一定であり且つ既知であることを提供す
る。
理解して頂けるように、ガウスのピーク形状関数の使
用は殆どの実際上の場合に対して適切であるが、異なる
ピーク形状関数を用い、実際のピーク形状を識別するた
めに異なる分布関数を引き出すことが可能である。修正
テーブルは、勿論、同一のピーク形状関数を用いて構築
されなければならない。また、観測された質量中心に従
って選択された異なるピーク形状関数及びそれらに関連
された修訂テーブルが、もしピークの形態が分析計の質
量範囲にわたって著しく変化すれば使用され得ることも
予想している。
先に説明されたように、本発明での使用に適合する修
正テーブルは、適切な分布関数及びピーク領域と共に所
望ピーク形状関数のピークを表すシミュレートされたデ
ータの集合から生成され得る。例えば、図2に示された
歪曲されていないガウス・ピーク27の場合、そのピーク
は先ず多数の時間間隔26に分割され(便宜上、図1にお
けるクロック・パルス生成器24のクロック・パルスに対
応する)、各データ点が所与の検出器不感時間の存在下
において有すると予測される値の見積もりが為される。
このようにして、シミュレートされた歪曲されたピーク
28(図2)が構築され得て、CCORR及びλの値(観測さ
れたピーク領域λ’に対応している修正済みピーク領
域)が歪曲されていないピーク27を歪曲されたピーク28
と比較することによって獲得され得る。次いでこれらの
値は修正テーブル内に保存される。このプロセスは各種
ピーク領域から成る予想される範囲全体にわたってのシ
ミュレートされたピークに対して繰り返されて、所与の
分布関数のピークに関連するデータの「ページ」が生成
される(図3参照)。他の分布関数を有するピークに対
するページは全プロセスを繰り返すことによって生成さ
れる。
完了された際、修正テーブルはディスク上或はEPROM
等の読取り専用メモリ内にコンピュータ読取り可能形態
で保存され、そのコピーは次いでシミュレーションが実
行されたタイプの任意の分析計で用いられる為に提供さ
れ得る。
様々な方法が使用され得て、所与の検出器不感時間の
存在下においてシミュレートされたイオン・カウントを
見積もる。データは、Esposito等によって教示されるよ
うに(同書中)、検出器システムの振る舞いを真似る電
子シミュレータを用いて実験的に生成され得る。より好
適には、Coates(Rev.Sci.Instrum.、1992年、第63
(3)冊、第2084頁以降)によって同書に教示された修
正アルゴリズムをテストする手段として提案されるよう
に、数値法が利用可能である。特に、イオン到着のポア
ソン分布が想定可能であり、モンテカルロ・シミュレー
ションがシミュレートされた歪曲されたピーク上の各点
でのイオン・カウントを見積もるべく使用される。こう
して、σ及びλ’の所与値に対してのλ及びCCORRを計
算する好適数値法は以下の通りである。
第1として、所望ピーク形状関数(典型的にはガウス
・ピーク)を有するシミュレートされたピークは、ピー
クを横切るようなN個の時間スライスの各々に対して予
測されるイオン到着速度を、次式を用いて計算すること
によって構築され、 ここで、 である。典型的には、N=2000である。
次いでこのデータは正規化されて、それがピークにお
いて1イオン到着を表すものであり、即ち、その結果
が、 であり、そしてλ’で倍加されて、選択された分布関数
σ及び観測された領域λ’に対するピークを表すピーク
形状関数を獲得する。次いで、このピークの質量中心が
式: が用いられて見出される。2つの修正アキュウムレータ
(累算器)sum0及びsum1の値は0と同等に設定され、以
下のモンテカルロ法(・シミュレーション)が用いられ
て、分布関数σ及び観測された領域λ’を有するピーク
に対するそれらの値を計算する。このシミュレーション
に用いられるシンボルは以下の意味を有する: f=イオンが未だ到着していない可能性; a=イオンの所与の時間スライス内での到着の可能性; told=最後のイオンが到着した時間; 不感時間=検出器システムの既知の不感時間。
モンテカルロ・シミュレーションの各繰り返しに対し
て、f、a、並びにtoldが以下のように初期的に設定さ
れる: f=1(即ち、イオンが全く到着しない) a=0>(無作為に生成された数)<1 told=−2×不感時間(検出器がスタート時に存続し
ていることを確保するため)=第1繰り返し後のt(以
下を参照のこと)。
速度アレイにおけるtの各値に対して、次いでfが
式: fnext=flast×(1−rate[t]) に従って再度計算される。
この式は、イオンが到着していない可能性がtの増大
と共に減少するという事実を直感的に反映している。
こうして計算されたfの各値はaと比較され、もし条
件: (a)f<a (b)t>told+不感時間 が双方ともに満たされたならなば、イオン到着が生じ
て、検出されたと仮定されて、sum0が1だけ増分され、
sum1が式: sum1=sum1(last)+t−c から計算され、ここでcは以上のように計算された選択
ピークの質量中心である。
次いで、f、a、並びにtoldは、1、別の無作為数、
並びにtにそれぞれ設定される。
各繰り返しは、速度[t]アレイのアレイにおける各
tに対して上述の計算の実行、即ち、Nセット(典型的
には2000)の計算を含む。統計的に重要なモデルを構築
するために、各繰り返し後のsum0及びsum1の値の変更
が、利用可能な計算が許容される回数と同じ回数だけ繰
り返される(典型的には5と10×106回数の間)。この
プロセスが完了すると、λ’及びσの選択値に対するλ
及びCCORRの値が式: λ=sum0/(繰り返し回数) 及び CCORR=sum1/sum0 から獲得される。
200MHzのペンティアム・プロセッサを具備するデスク
トップPCを用いると、全プロセスに約1時間費やす。
本発明に従った典型的なTOF(飛行時間)質量分析計
の場合、λ’の約15個の値とσの15個の値とが必要とさ
れる(完全なモンテカルロ・シミュレーションにおいて
合計225個)。それ故に、225個の値の必要な検索テーブ
ルを計算するために10日間(225時間)を費やす可能性
がある。しかしながら、本発明の方法を用いることによ
って、この必要性は所与の検出器システムに対して一度
実行されるだけであり、そうして計算された検索テーブ
ルの引き続く使用は、統計的に厳格であり且つ正確な不
感時間修正が飛行時間質量分析データに適用されること
を可能とすると共に、高質量対電荷比イオンのイオン質
量測定の正確性が実質的に改善されることを可能として
いる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−40358(JP,A) 特開 平9−222419(JP,A) 特開 平9−199079(JP,A) 特表 平11−513176(JP,A) 特表 平8−507640(JP,A) 米国特許2685035(US,A) 国際公開98/21742(WO,A1) LUHMANN T,STATIST ICS AND DEAD TIME CORRECTION OF TWO− PARTICLES TIME−OF− FLIGHTCOINCIDENCE EXPERIMENTS,REVIEW OF SCIENTIFIC INS TRUMENTS,米国,Americ an Institute of Ph ysics,1997年6月1日,VOL. 68,NO.6,page2352 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 49/40

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ドリフト領域と、該ドリフト領域(18)の
    出口に配置されて単一イオンの衝突に応じて電気信号を
    作り出すイオン検出器(19)とを有する飛行時間質量分
    析計(1)を用いて、取得された質量−スペクトルのデ
    ータを修正する方法であって、 試料からイオン群を生成する段階と、 前記イオン群を前記ドリフト領域(18)内へ入れる段階
    と、 前記イオン群の内の少なくとも一部における少なくとも
    1つのイオンの前記イオン検出器(19)に対する衝突に
    応じて、電気信号を作り出す段階と、 前記イオン検出器(19)に対して衝突した前記イオンの
    内の少なくとも一部の前記ドリフト領域(18)を通過す
    る通過時間を決定する段階と、 各々が異なる通過時間を有する前記イオンの数をカウン
    トする段階と、 前記ドリフト領域を通過する通過時間と、前記各々が異
    なる通過時間を有するイオンの数とから成るデータを処
    理して、特定の通過時間を有するイオンの数を表すデー
    タを含む少なくとも1つの観測された質量スペクトルを
    作り出す段階と、 前記観測された質量スペクトル内において質量ピークに
    対応する前記データの一部を認識する段階と、 前記データの一部における少なくとも1つから、観測さ
    れたピーク領域及び観測された質量中心を決定する段階
    と、 前記飛行時間質量分析計(1)に独特であり且つ前記観
    測された質量中心に従って選択された所定ピーク形状関
    数を用いて、前記観測された質量中心から、前記質量ピ
    ークの形状を示す分布関数を決定する段階と、 前記観測された質量中心に修正を適用して、検出器不感
    時間の効果に対して修正された前記質量中心の値を獲得
    する段階であり、前記修正が、前記分布関数及び前記観
    測されたピーク領域の異なる値に対して前記修正の値を
    付与する所定の修正テーブルから獲得されており、該修
    正テーブルは、複数のシミュレートされた質量ピークの
    各々に対する前記検出器不感時間の効果を予測すること
    によって獲得され、該複数のシミュレートされた質量ピ
    ークは、前記分布関数及びピーク領域の適切な範囲に対
    する前記ピーク形状関数を有する、前記質量中心の値を
    獲得する段階と、 の諸段階を含む質量−スペクトルのデータを修正する方
    法。
  2. 【請求項2】前記観測されたピーク領域に修正を適用し
    て、検出器不感時間の効果に対して修正された該ピーク
    領域の値を獲得する段階を更に含み、 該修正が、前記所定の修正テーブルから獲得され、 該修正テーブルは、前記分布関数及び前記観測されたピ
    ーク領域の異なる値に対するピーク領域修正を更に含
    む、 請求項1に記載の質量−スペクトルのデータを修正する
    方法。
  3. 【請求項3】前記所定ピーク形状関数がガウス関数であ
    る、請求項1或は2の何れか一項に記載の質量−スペク
    トルのデータを修正する方法。
  4. 【請求項4】前記分布関数が前記ガウス関数の標準偏差
    である、請求項3に記載の質量−スペクトルのデータを
    修正する方法。
  5. 【請求項5】前記修正が、質量対電荷比に対する質量ピ
    ークの形態で保存された先行して取得された質量スペク
    トルのデータに適用される、請求項1から4の何れか一
    項に記載の質量−スペクトルのデータを修正する方法。
  6. 【請求項6】飛行時間質量分析計(1)であって、 試料からイオン群を生成する手段(1乃至16)と、 ドリフト領域(16)と、 単一のイオンの衝突に応じて電気信号を作り出すイオン
    検出器(19)と、 以上のようにして生成された、前記イオン検出器(19)
    に衝突するイオンにおける少なくとも一部の前記ドリフ
    ト領域(16)を通過する通過時間を決定する手段と、 複数の通過時間をそれぞれが有するイオンの数をカウン
    トする手段と、 複数の通過時間をそれぞれが有するイオンの数から成る
    データにおいて、質量ピークに対応する該データの一部
    を認識し、該データの一部の内の少なくとも1つから、
    観測されたピーク領域及び観測されたピーク質量中心を
    決定する計算手段と、 を備えると共に、 前記質量中心に従って選択された前記分析計(1)に特
    有の所定ピーク形状関数を用いて、前記観測された質量
    中心から分布関数を決定する計算手段と、 前記観測された質量中心に修正を適用して、検出器不感
    時間の効果に対して修正された前記質量中心の値を獲得
    する計算手段であり、前記修正が、前記分布関数及び前
    記観測されたピーク領域の異なる値に対する前記修正の
    値を付与する所定の修正テーブルから獲得されており、
    前記所定の修正テーブルが、前記分布関数及びピーク領
    域の適切な範囲に対する前記ピーク形状関数を有する複
    数のシミュレートされた質量ピークの各々に対する前記
    検出器不感時間の効果を予期することによって獲得され
    ることからなる計算手段と、 を更に備える飛行時間質量分析計。
  7. 【請求項7】前記観測されたピーク領域の内の少なくと
    も1つを修正して、検出器不感時間の効果に対して修正
    された前記ピーク領域の値を獲得する計算手段であり、
    前記修正が、前記分布関数及び前記観測されたピーク領
    域の異なる値に対するピーク領域修正を更に含む前記所
    定の修正テーブルから獲得されていることから成る計算
    手段を更に含む、請求項6に記載の飛行時間質量分析
    計。
  8. 【請求項8】イオン群を生成する前記手段(1乃至16)
    が、エレクトロスプレー或は大気圧化学イオン化イオン
    ・ソースの何れか一方を含む、請求項6或は7の何れか
    一項に記載の飛行時間質量分析計。
  9. 【請求項9】前記ドリフト領域(16)が反射飛行時間質
    量分析器を含む、請求項6から8の何れか一項に記載の
    飛行時間質量分析計。
  10. 【請求項10】前記飛行時間質量分析計が直交加速タイ
    プである、請求項6乃至9の内の何れか一項に記載の飛
    行時間質量分析計。
  11. 【請求項11】前記修正テーブル内に保存された前記質
    量中心に対する修正が、 (a)N個の時間スライスに分割されたシミュレートさ
    れたガウス・ピークに対する前記分布関数σ及び前記観
    測されたピーク領域λ’の選択値の場合、イオンの所与
    の時間スライス内での到着の可能性aを として、 時間tのN個の値に対するイオン到着速度から成るアレ
    イrate[t]を次式: に従って構築する段階と、 (b)前記rate[t]アレイにおける値を正規化して、 を得て、λ’でそれら値を倍加する段階と、 (c)以上のようにして画成された前記シミュレートさ
    れたピークの質量中心cを次式: を用いて計算する段階と、 (d)前記質量中心cを修正する累積値である2つの変
    数sum0及びsum1をゼロと同等に設定する段階と、 (e)最後のイオンが到着した時間である変数toldの値
    を次式: told=−2×不感時間 に従って設定する段階と、 (f)検出器にイオンが未だ到着していない可能性であ
    る変数f、及びaの値を1及び無作為に生成された0と
    1の間の数にそれぞれ設定する段階と、 (g)前記rate[t]アレイにおけるtの各値に対し
    て、fの新値fnextを、直前の時間スライスにおけるf
    値であるflastを用いて次式: fnext=flast×(1−rate[t]) に従って計算し、 もしf<a且つt>told+(検出器不感時間)であれ
    ば、変数sum0を1だけ増分するとともに、次式: sum1=sum1(last)+t−c を用いて、変数sum1を計算する段階と、 (h)前記段階(d)乃至(g)を多数回繰り返す段階
    と、 (i)前記質量中心に対する修正計数CCORRを次式: CCORR=sum1/sum0 を用いて計算する段階と、 (j)前記段階(a)乃至(i)をσの異なる値或は
    λ’の異なる値を用いて繰り返して、前記飛行時間質量
    分析計によって作り出されるそれらの典型的なピークに
    対するCCORRの値を獲得する段階と、 の諸段階によって予め計算されている、請求項1に記載
    の方法。
  12. 【請求項12】前記段階(i)において、λ’の修正値
    が次式: λ=sum0/N を用いて追加的に計算される、請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】前記修正テーブルに保存された少なくと
    も前記質量中心に対する修正が、 所望のピーク形状関数、質量中心、並びに分布関数を有
    する歪曲されていないピークを表すデータ点から、前記
    歪曲されていないピークを作り上げている各データ点に
    対する所与の検出器不感時間の効果を順次考慮すること
    によって、シミュレートされた歪曲されたデータの集合
    を生成する段階と、 前記シミュレートされた歪曲されたデータを前記歪曲さ
    れていないピークを表す前記データ点と比較する段階
    と、 の諸段階によって予め計算されている、請求項1に記載
    の方法。
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